JP3057812B2 - パチンコ機における制御ユニット - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はパチンコ機における制
御ユニットに関する。

【０００２】

【従来の技術】例えばデジタルタイプと呼ばれるパチン
コ機では、遊技球が特定の入賞口に入賞すると遊技盤上
に配置されている可変表示装置に表示される数字等を可
変表示するように制御している。そして、可変表示され
た数字等が停止した際に特定の組み合わせが得られる
と、遊技者に一定の利益を与えるべく入賞装置が開動作
や開閉動作を繰り返すように制御している。そしてパチ
ンコ遊技ホール側では管理上遊技球の数や入賞した回
数、入賞装置の開放回数などのパチンコ機の動作に関す
るデータをチェックする必要がある。このため、従来の
パチンコ遊技ホールでは、各パチンコ機の動作に関する
データをホールの管理室に設置したホールコンピュータ
により監視するようにしている。この監視されたデータ
を知りたいときには記録紙に打ち出し、打ち出されたデ
ータによりチェックできるようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、これではある
時点、時点において特定のパチンコ機のデータをチェッ
クしたい場合であっても、データを取り出すためにホー
ルコンピュータを操作して記録紙に打ち出す必要があ
り、面倒で有るばかりか、この面倒さのためにチェック
がおろそかになるという課題を有していた。

【０００４】この発明の目的は各パチンコ機にデータを
表示して、容易にしかも遊技者に分からないようにデー
タのチェックをできるようにすることである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、この発明では、パチンコ機の裏面に装着され遊
技内容を制御する制御ユニットの収納ケースの内部に
は、遊技内容を制御するＣＰＵやＲＯＭ等の電子部品を
組み込んだプリント基板が設けられると共に、このプリ
ント基板には前記パチンコ機の動作など関する情報を表
示する表示器も併せて組み込まれ、さらに前記収納ケー
スには前記表示器に表示される情報を外部から観察する
ために透視可能な観察手段が設けられていることを特徴
とするものである。

【０００６】

【作用】この発明では上述した構成とされているので、
例えば始動口への入賞があった旨、あるいは可変表示装
置に特定の組合せが得られた旨等の信号が制御ユニット
に入力されると、これらの信号に基づき表示器にその旨
表示する。そして表示器に表示された情報は収納ケース
に設けられた観察手段により外部から観察される。

【０００７】

【実施例】以下、この発明の一実施例を図１から図５に
基づいて詳細に説明する。

【０００８】図３はこの実施例のパチンコ機１の正面図
であって、パチンコ機１の前面には払い出された景品球
を貯留し、かつ発射位置に打球を供給する上皿２が取付
けられ、この上皿２の下方には上皿２に供給しきれなか
った景品球を貯留する下皿３が取付けられている。ま
た、弾発力を調整しながらパチンコ球を遊技盤４上へ打
ち込むための操作ハンドル５が取付けられている。

【０００９】遊技盤４上の中央にはセグメント型の可変
表示装置６が配置されている。この可変表示装置６は始
動口７〜９への入賞によって発信される入賞球検出信号
によって特定の識別表示（数字の０〜９）をしてその表
示内容を変化させるものである。また、遊技盤４上には
始動口７〜９の他、入賞があっても可変表示装置６の表
示を変化させることなく、景品球の払い出しのみを行う
普通入賞口１０〜１２、さらには入賞しなかったパチン
コ球を回収するためのアウト口１３が配置されている。
さらに、遊技盤４の下部には大入賞口１４が配置されて
いる。この大入賞口１４は可変表示装置６の表示内容が
変動した後停止した際に、特定の態様が表示されている
場合には、ソレノイド５２（図５参照）の作用によって
一定時間開放状態が継続する、いわゆる大当たり状態と
なるように構成されている。この大当たりの内容は、大
入賞口１４が３０秒間経過するまで開放するか、あるい
はそれ以前に１０個の入賞球が発生するか、のいずれか
早く満たす条件により終了するようになっているが、こ
の間に大入賞口１４の内部に設けられたＶ入賞口１５へ
の入賞があると、再度大入賞口１４が３０秒間または１
０個の入賞球が発生するまで開放し、このような動作が
Ｖ入賞口１５へ入賞する限り、１６回を限度として繰り
返すことができるようになっている。

【００１０】さらにまた、遊技盤４には始動口７〜９へ
の入賞に伴って点滅する動作ランプ１６、Ｖ入賞口１５
への入賞に伴って点滅するＶランプ１７が設けられてい
る。

【００１１】図４はこの実施例のパチンコ機１の裏面の
概略を示し、機枠１８の上部には図示しない補給用ホッ
パから補給されるパチンコ球を景品球として貯溜する景
品球タンク１９が配置されている。また、機枠１８の下
部には操作ハンドル５の操作により作動して遊技球を発
射させるための発射用モータ２０が配置されている。ま
た機枠１８の略中央部には上述した始動口７〜９への入
賞により可変表示装置６を変化させたり、大当たり状態
を開始するなどのパチンコ機の遊戯内容を制御する制御
ユニット２２が取付けられている。

【００１２】図１，図２に示されているように、制御ユ
ニット２２は収納ケース２５内にプリント基板２３が収
納されているもので、プリント基板２３にはパチンコ機
の遊戯内容を制御するためのＣＰＵやＲＯＭ等の電子部
品が配置されている（図１，２ではこれら電子部品を省
略して示している。）。また、プリント基板２３にはこ
れら電子部品の他、表示器２４が組み込まれている。表
示器２４はパチンコ機の動作に関する情報などを表示す
るものであって、この実施例では、図２に示されるよう
に、大当たり回数を表示する大当り回数表示器２６と、
スタート入力した回数を表示する始動回数表示器２７
と、遊技球が各始動口７〜９へ入賞するにともなってそ
れぞれに対応して点滅するモニタランプ２８〜３０とが
設けられている。この大当り回数表示器２６及び始動回
数表示器２７は共に７セグメントのＬＥＤにより構成さ
れたものが使用されている。

【００１３】収納ケース２５はパチンコ機１の裏面に取
着される底板３１とこの底板３１のほぼ全面を覆うカバ
ー３２とにより構成され、底板３１とカバー３２との間
を封印紙３３により封印して電子部品が改造されること
による不正を防止している。また、収納ケース２５は導
電性のカーボンを含む樹脂または金属板の不透明なケー
スとされ、収納している電子部品を外部ノイズからシー
ルドしている。さらにカバー３２の上面には大当り回数
表示器２６及び始動回数表示器２７に表わされている表
示を読取るための観察窓３４が形成されている。この観
察窓３４はカバー３２の上面を適当範囲にわたって開口
し、この開口部分を透明の樹脂板で覆って構成されてお
り、これにより表示器２４の表示内容が外部から視認さ
れる。

【００１４】プリント基板２３は、図５に示されるよう
に、デジタル演算処理を行うＣＰＵ４０と、プログラム
および各アドレスごとに例えば３桁の乱数表が記憶され
たＲＯＭ４１と、ここから読み出された乱数を一時記憶
するなどの演算処理の結果を記憶するＲＡＭ４２等を主
要部とするマイクロコンピュータにより構成されてい
る。

【００１５】そして、マイクロコンピュータの入力ポー
ト側には始動口７〜９における入賞球を検出する始動入
賞検出スイッチ４３、大入賞口１４における入賞球を検
出する大入賞検出スイッチ４４、Ｖ入賞検出スイッチ４
５が、チャタリングを防止するためのフリップフロップ
からなる波形整形回路４６を介して接続されている。

【００１６】クロック発生回路４７は分周器４８を介し
て外部割り込み信号をＣＰＵ４０へ出力しており、マイ
クロコンピュータはその外部割り込み信号に同期してＲ
ＯＭ４１に格納されているメインプログラムを実行す
る。また、電源スイッチをオンにすると、リセット信号
発生回路５０からのリセット信号がマイクロコンピュー
タに入力し、これにより初期プログラムが起動され、可
変表示装置６に表示する３桁の数値レジスタを初期値に
設定する等の処理が行われる。

【００１７】また、マイクロコンピュータの出力ポート
側にはドライバ５１が接続されており、このドライバ５
１はマイクロコンピュータからの指令に従って大入賞口
１４を開閉させるソレノイド５２を駆動し、かつ動作ラ
ンプ１６、Ｖランプ１７の点灯動作を制御する。さらに
出力ポート側には駆動回路５３、選択回路５４が接続さ
れ、両回路５３，５４には前述した可変表示装置６、大
当り回数表示器２６及び始動回数表示器２７、各モニタ
ランプ２８〜３０がそれぞれ接続されている。そして、
これらはマイクロコンピュータからの選択データと、表
示データとを一定周期で出力することにより、ダイナミ
ック駆動される。すなわち、選択回路５４により可変表
示装置６、大当り回数表示器２６及び始動回数表示器２
７に対するそれぞれの表示単位が選択され、そのときの
駆動回路５３の出力信号に応じてこれらの表示が行われ
る。

【００１８】この実施例では上述したように構成されて
いるため、遊技盤４上に打ち出されたパチンコ球がいず
れかの始動口７〜９に入賞すると、その都度始動入賞検
出スイッチ４３から入賞球検出信号が発信され、波形整
形回路４６を介してマイクロコンピュータへ入力され
る。この結果、マイクロコンピュータからの指令に基づ
き選択回路５４、駆動回路５３を介して始動回数表示器
２７に入賞回数が表示される。

【００１９】また、始動入賞検出信号によってＣＰＵ４
０は可変表示装置６の表示内容を変動させ、停止時に特
定の組み合わせが得られていることが判断されると前述
した大当り状態が実現されるとともに、この結果、大当
り回数表示器２６に１カウントの増加表示を行なう。こ
のため、このような状況がいちいちホールコンピュータ
の設置されている管理室まで行くことなく、各パチンコ
機１においてチェックできる。

【００２０】また、この実施例の場合にはプリント基板
２３に表示器２４を組込んで既設の収納ケース２５に収
納するようにしたため、表示器２４との間を外部結線す
る必要がなく、コンパクトに配置できる。

【００２１】なお、この実施例では、プリント基板２３
に大当たり回数表示器２６、始動回数表示器２７及びモ
ニタランプ２８〜３０よりなる表示器２４を組込んだ例
を示したが、表示器２４に表示されるものはこれら情報
に限ることなく、例えば発射球、アウト球、セイフ球の
球数表示の外部球信号などの他の情報も表示器２４に切
換え表示させてもよい。

【００２２】また、この実施例ではプリント基板２３の
略中央に表示器２４を設け、これに対応して大きな観察
窓３４をカバー３２に設けた例を示しているが、観察窓
３４は表示器２４に表示された情報が外部から観察でき
ればよく、表示部２４に対応してその大きさや取付位置
を適宜選択できる。

【００２３】

【発明の効果】この発明は、パチンコ機の裏面に装着さ
れる遊技内容を制御する制御ユニットの収納ケースの内
部にパチンコ機の動作などに関する情報を表示する表示
器を組込むとともに、収納ケースに表示器に表示される
情報を外部から観察するために透視可能な観察手段を設
けているので、各パチンコ機毎により該パチンコ機の動
作などに関する情報を知ることができる。また、表示器
はプリント基板に組み込まれるため、表示器との間は外
部結線を必要とされない。

【００２４】また、パチンコ機の工場からパチンコ機を
出荷する前に制御ユニットが正常に作動するか否かをテ
ストする動作テストが行われているが、この発明では制
御ユニットに表示器が配置されて必要な表示がなされる
ので、動作テスト用のモニターに接続することなく容易
に動作テストを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】制御ユニットの拡大斜視図である。

【図２】制御ユニットの正面図である。

【図３】パチンコ機の正面図である。

【図４】制御ユニットの取付状態を示すパチンコ機の概
略裏面図である。

【図５】パチンコ機の電気的な構成を示すブロックダイ
ヤグラムである。

【符号の説明】

１… パチンコ機 ２２…制御ユニット ２４…表示器 ２５…収納ケース ３４…観察窓

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 パチンコ機の裏面に装着され遊技内容を
   制御する制御ユニットの収納ケースの内部には、遊技内
   容を制御するＣＰＵやＲＯＭ等の電子部品を組み込んだ
   プリント基板が設けられると共に、このプリント基板に
   は前記パチンコ機の動作など関する情報を表示する表示
   器も併せて組み込まれ、さらに前記収納ケースには前記
   表示器に表示される情報を外部から観察するために透視
   可能な観察手段が設けられていることを特徴とするパチ
   ンコ機における制御ユニット。