以下、発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。図1~図46は本発明をパチンコ機に採用した第1の実施形態を例示している。図1及び図2において、遊技機本体1は、外枠2と、この外枠2の前側に配置された前枠3とを備えている。前枠3は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第1ヒンジ4を介して外枠2に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、左右方向における第1ヒンジ4と反対側、例えば右端側に設けられた施錠手段5によって外枠2に対して閉状態で施錠可能となっている。
前枠3は、本体枠6と、その本体枠6の前側に配置されたガラス扉7とを備えている。ガラス扉7は、左右方向一端側、例えば左端側に配置された上下方向の第2ヒンジ8を介して本体枠6に開閉自在及び着脱自在に枢着されており、施錠手段5によって本体枠6に対して閉状態で施錠可能となっている。なお、第1ヒンジ4と第2ヒンジ8とは例えば同一軸心となるように配置されている。
外枠2は、図2に示すように左右一対の縦枠材2a,2bと上下一対の横枠材2c,2dとで矩形状に形成されている。外枠2の前側下部には、例えば合成樹脂製の前カバー部材9が、下横枠材2dの前縁に沿って左右の縦枠材2a,2bの前側下部を連結するように装着されている。前カバー部材9は、左右の縦枠材2a,2bよりも前側に突出しており、その上側に本体枠6が配置されている。また外枠2には、第1ヒンジ4を構成する外枠上ヒンジ金具11が例えば左上部に、同じく外枠下ヒンジ金具12が左下部における前カバー部材9の上側に夫々配置されている。
本体枠6は合成樹脂製で、前カバー部材9の上側で外枠2の前縁側に略当接可能な矩形状の枠部13と、この枠部13内の上部側に設けられた遊技盤装着部14と、枠部13内の下部側に設けられた下部装着部15とを例えば一体に備えている。遊技盤装着部14には、遊技盤16が例えば前側から着脱自在に装着され、下部装着部15には、その前側に発射手段17、下部スピーカ18等が配置されている。また本体枠6には、第1ヒンジ4を構成する本体枠上ヒンジ金具19と第2ヒンジ8を構成する本体枠上ヒンジ金具20とが例えば左上部に、第1,第2ヒンジ4,8を構成する本体枠下ヒンジ金具21が例えば左下部に夫々配置されている。
ガラス扉7は、本体枠6の前面側に対応する矩形状に形成された樹脂製の扉ベース22を備えている。この扉ベース22には、遊技盤16に形成された遊技領域23の前側に対応してガラス窓24の窓孔24aが形成されると共に、例えば窓孔24aの周囲に複数(ここでは4つ)の上部スピーカ25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28等の各種演出手段が配置されている。
扉ベース22の上部前側には、窓孔24aの外周の少なくとも一部、例えば窓孔24aの上側と右側とに対応する略L字型の部分にサイドユニット29が装着され、その他の一部、例えば窓孔24aの左側には上装飾カバー30が装着されている。サイドユニット29は、図2,図3等に示すように、例えば前枠3を開いた状態で、特殊な工具を使用することなく、前枠3の裏側の固定ネジ29a、固定レバー29b等を操作することにより容易に着脱が可能となっている。通常、前枠3は複数の機種で共通に用いられ、機種毎に特有の遊技盤16をこの前枠3に装着することでその機種に特有の遊技性やデザインを実現しているが、本パチンコ機では、前枠3の前側の一部を、その他の部品に比べて容易に着脱可能なサイドユニット29とし、このサイドユニット29に、遊技盤16と一体感のあるデザインや特有の機能を持たせることにより、前枠3の大部分を共通化しつつも、機種毎のデザインや機能の自由度を高めることを可能としている。
本実施形態のサイドユニット29には、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28、LED(図示省略)等が搭載されている。枠第1可動演出手段26は枠第1可動体26aを備え、図外の駆動手段の駆動による枠第1可動体26aの略前後方向へのスライド移動が可能となっている。枠第2可動演出手段27は枠第2可動体27aを備え、図外の駆動手段の駆動による枠第2可動体27aの略前後方向へのスライド移動と、枠第2可動体27aの前端側の把持部27b内に配置された図外の振動手段による振動動作とが可能であり、また遊技者による把持部27bの押し込み操作が可能となっている。送風手段28は、遊技者が把持部27bを把持するタイミングで、遊技者の手に向けて風を送ることが可能となっている。
扉ベース22の下部前側には、本体枠6の後側に配置された払い出し手段31から払い出された遊技球を貯留して発射手段17に供給する上皿32、その上皿32が満杯のときの余剰球等を貯留する下皿33、発射手段17を作動させるために操作する発射ハンドル34等が配置され、更に上皿32、下皿33等を前側から略覆う下装飾カバー35が装着されている。下装飾カバー35は、例えば前向きの膨出状に形成されており、例えばその上部側に、遊技者が押下操作可能な演出ボタン36、十字操作手段37、音量調整操作手段38、光量調整操作手段39等の操作手段が設けられている(図4)。
扉ベース22の背面側には、窓孔24aを後側から略塞ぐようにガラスユニット40が着脱自在に装着されると共に、第1,第2ヒンジ4,8側の縁部に沿って配置される上下方向のヒンジ端側補強板金41aと、開閉端側の縁部に沿って配置される上下方向の開閉端側補強板金41bと、窓孔24aの下側に配置される左右方向の下部補強板金41cとがねじ止め等により着脱自在に固定されている。また扉ベース22には、第2ヒンジ8を構成するガラス扉上ヒンジ金具42aが例えば左上部に、同じくガラス扉下ヒンジ金具42bが例えば左下部に夫々配置されている。
また、例えば下部補強板金41cの背面側には、球送りユニット43a、下皿案内ユニット43b等が装着されている。球送りユニット43aは、上皿32内の遊技球を1個ずつ発射手段17に供給するためのもので、発射手段17の前側に対応して配置されている。下皿案内ユニット43bは、上皿32が満杯となったときの余剰球、及び発射手段17により発射されたにも拘わらず遊技領域23に達することなく戻ってきたファール球を下皿33に案内するためのもので、例えば球送りユニット43aに隣接してその第1,第2ヒンジ4,8側に配置されている。
また、本体枠6の例えば上部側には、前枠3が外枠2に対して開放しているか否かを検出可能な扉開放スイッチ44が設けられている。この扉開放スイッチ44は、例えば前枠3が外枠2に対して前側に開放したときにON、閉鎖したときにOFFとなるように構成されている。
遊技盤16は、図5に示すように例えばベニヤ板等のベース板45を備え、そのベース板45の前側に、発射手段17から発射された遊技球を案内するガイドレール46が環状に配置されると共に、そのガイドレール46の内側の遊技領域23に、中央表示枠ユニット47、始動入賞ユニット48、普通入賞ユニット49等のユニット部品の他、多数の遊技釘(図示省略)が配置され、また遊技領域23の外側の例えば下部側には遊技情報表示手段50が配置されている。もちろん、遊技情報表示手段50は遊技領域23内に配置してもよい。
遊技情報表示手段50は、図6に示すように、例えば8個のLED60で構成されるLEDグループを4つ備えており、それら計32個のLED60が普通図柄表示手段51、普通保留個数表示手段52、第1特別図柄表示手段53、第2特別図柄表示手段54、第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58及びラウンド数報知手段59に夫々任意個数ずつ割り当てられている。即ち、第1,第2LEDグループ50a,50bに属する各8個のLED60は夫々第1,第2特別図柄表示手段53,54を構成し、第3LEDグループ50cに属する8個のLED60は、2個ずつに分けられて夫々第1特別保留個数表示手段55、第2特別保留個数表示手段56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57を構成し、第4LEDグループ50dに属する8個のLED60は、そのうちの2個が普通図柄表示手段51を、他の2個が右打ち報知手段58を、残りの4個がラウンド数報知手段59を夫々構成している。
遊技盤16の複数のユニット部品47~49上には、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、複数の普通入賞手段65等が設けられている。またベース板45の後側には、液晶表示手段(画像表示手段)66の他、液晶表示手段66の前側を移動可能な盤可動体67aを備えた盤可動演出手段67等が配置されている。
中央表示枠ユニット47は、液晶表示手段66の表示枠を構成するもので、ベース板45に形成された前後方向貫通状の装着孔(図示省略)に対して前側から着脱自在に装着されている。この中央表示枠ユニット47は、図5に示すように、ベース板45の前面に沿って装着孔の外側に配置され且つその前側を遊技球が通過可能な前面装着板71と、液晶表示手段66の前側における左右両側から上部側にわたる正面視略門形状に配置され且つ前面装着板71の内周側で前向きに突設された装飾枠72と、その装飾枠72の左右の下端部間に配置されるステージ73とを備えている。発射手段17により発射され、遊技領域23の上部側に進入した遊技球は、装飾枠72の頂部で左右に振り分けられ、中央表示枠ユニット47の左側の左流下経路74aと右側の右流下経路74bとの何れかを流下する。
中央表示枠ユニット47には、左流下経路74a側と右流下経路74b側との少なくとも一方側、例えば左流下経路74a側に、遊技球が流入可能なワープ入口75が設けられている。左流下経路74aを流下中にワープ入口75に流入した遊技球は、ステージ73上で左右方向に自由に転動した後、遊技領域23の左右方向中央に対応して設けられた中央落下部76とそれ以外の部分との何れかから前側に落下する。またステージ73の上側には、跳ね返り等による後側への遊技球の侵入を阻止するための侵入防止手段77が設けられている。
始動入賞ユニット48は、中央表示枠ユニット47の下側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。普通入賞ユニット49は、中央表示枠ユニット47の下側で始動入賞ユニット48の左側に配置され、ベース板45に対して前側から着脱自在に装着されている。
普通図柄始動手段61は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動表示を開始させるためのもので、遊技球が通過可能な通過ゲート等により構成され、遊技球の通過を検出する通過検出手段(図示省略)を備えている。この普通図柄始動手段61は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71の前側に設けられており、右流下経路74bを流下する遊技球が通過可能となっている。
普通図柄表示手段51は、普通図柄を変動表示するためのもので、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、普通図柄を構成するそれら2個のLED60が普通変動中発光パターンで発光した後、普通図柄始動手段61による遊技球検出時に取得された普通乱数情報に含まれる当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致する場合には当り態様(所定態様)で、それ以外の場合にははずれ態様で変動を停止する。なお、普通図柄を構成する2個のLED60は、それらの発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の当り態様と一又は複数のはずれ態様とを表示可能であり、また普通変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、普通図柄表示手段51の図柄変動中と普通利益状態中とを含む普通保留期間中に普通図柄始動手段61が遊技球を検出した場合には、それによって取得された普通乱数情報が予め定められた上限保留個数、例えば4個を限度として保留記憶され、普通保留期間が終了する毎に1個ずつ消化されて普通図柄の変動が行われる。普通乱数情報の記憶個数(普通保留個数)は、普通保留個数表示手段52等によって遊技者に報知される。普通保留個数表示手段52は、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば2個のLED60で構成されており、それら2個のLED60の夫々の発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0~4個の5種類の普通保留個数を表示可能となっている。
第1特別図柄始動手段(図柄始動手段)62は、第1特別図柄表示手段53による図柄変動を開始させるためのもので、開閉手段を有しない非開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えている。この第1特別図柄始動手段62は、例えば始動入賞ユニット48に設けられ、ステージ73の中央落下部76に対応してその下側に上向き開口状に配置されており、左流下経路74a側のワープ入口75からステージ73を経て入賞するルートが存在すること等により、右流下経路74bを流下してきた遊技球よりも左流下経路74aを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。なお、この第1特別図柄始動手段62に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第2特別図柄始動手段(図柄始動手段)63は、第2特別図柄表示手段54による図柄変動を開始させるためのもので、開閉部78の作動によって遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能(又は開状態よりも入賞困難)な閉状態とに変化可能な開閉式入賞手段により構成され、入賞した遊技球を検出する遊技球検出手段(図示省略)を備えており、普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当り態様となって普通利益状態が発生したときに、開閉部78が所定時間閉状態から開状態に変化するようになっている。
この第2特別図柄始動手段63は、例えば中央表示枠ユニット47の右部における前面装着板71上で且つ普通図柄始動手段61の下流側に配置されており、右流下経路74bを流下してきた遊技球が入賞可能となっている。なお、開閉部78は例えば下部側に設けられた左右方向の回転軸廻りに揺動可能であり、閉状態では例えば前面装着板71と略面一となって遊技球が前側を通過可能となり、開状態では前面装着板71の前側で後ろ下がりの傾斜状となって遊技球を後向きに入賞させるようになっている。なお、この第2特別図柄始動手段63に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。
第1特別図柄表示手段(図柄表示手段)53は、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第1特別図柄始動手段62が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第1特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第1特別図柄始動手段62による遊技球検出時に取得された第1特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第1大当り態様(特定態様)で、それ以外の場合には第1はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第1特別図柄表示手段53の変動後の停止図柄が第1大当り態様となった場合には第1特別利益状態が発生する。
第2特別図柄表示手段(図柄表示手段)54は、図6に示すように遊技情報表示手段50における例えば8個のLED60で構成されており、第2特別図柄始動手段63が遊技球を検出することを条件に(図柄始動条件が成立した場合に)、第2特別図柄を構成するそれら8個のLED60が特別変動中発光パターンで発光した後、第2特別図柄始動手段63による遊技球検出時に取得された第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値が予め定められた大当り判定値と一致する場合(乱数抽選で当選した場合)には第2大当り態様(特定態様)で、それ以外の場合には第2はずれ態様(非特定態様)で変動を停止するようになっている。第2特別図柄表示手段54の変動後の停止図柄が第2大当り態様となった場合には第2特別利益状態が発生する。
第1,第2特別図柄表示手段53,54は、各8個のLED60の発光態様(例えば点灯/消灯)の組み合わせにより一又は複数の第1,第2大当り態様と一又は複数の第1,第2はずれ態様とを表示可能であり、また特別変動中発光パターンは、例えば特定の複数種類(ここでは2種類)の発光態様を所定時間(例えば128ms)毎に切り替えるようになっている。
また、第1特別図柄表示手段53の図柄変動中、第2特別図柄表示手段54の図柄変動中及び第1,第2特別利益状態中を含む特別保留期間中に第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出した場合には、それによって取得された第1,第2特別乱数情報(乱数情報)が夫々予め定められた上限保留個数、例えば各4個を限度として保留記憶される。そして、特別保留期間が終了した時点で第2特別図柄側の保留記憶が1以上の場合にはその第2特別図柄の保留記憶を1個消化して第2特別図柄の変動を行い、第1特別図柄側の保留記憶のみが1以上の場合にはその第1特別図柄の保留記憶を1個消化して第1特別図柄の変動を行う。このように本実施形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とが共に変動中になることはなく、また第1特別図柄側と第2特別図柄側との両方に保留記憶がある場合には、第2特別図柄の変動を優先的に行うようになっている。
なお、第1,第2特別乱数情報の記憶個数(第1,第2特別保留個数)は、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、液晶表示手段66等によって遊技者に報知される。ここで、第1,第2特別保留個数表示手段55,56は、図6に示すように遊技情報表示手段50における各2個のLED60で構成され、それらの発光態様(例えば点灯/点滅/消灯)の組み合わせにより、0~4個の5種類の第1,第2特別保留個数を表示可能となっている。
大入賞手段64は、遊技球が入賞可能な開状態と入賞不可能な閉状態とに切り換え可能な開閉板79を備えた開閉式入賞手段で、例えば中央表示枠ユニット47に設けられ、第2特別図柄始動手段63の下流側で且つ第1特別図柄始動手段62の上流側に配置されており、左流下経路74aを流下してきた遊技球よりも右流下経路74bを流下してきた遊技球の方が高い確率で入賞可能となっている。この大入賞手段64は、第1,第2特別図柄表示手段53,54の第1,第2特別図柄が変動後に第1,第2大当り態様で停止した場合に発生する第1,第2特別利益状態において、開閉板79が一又は複数種類の開放パターンの何れかに従って前側に開放して、その上に落下してきた遊技球を内部へと入賞させるようになっている。この大入賞手段64に遊技球が入賞すると、1入賞当り所定個数の遊技球が賞球として払い出される。なお以下の説明では、第1特別利益状態と第2特別利益状態とを合わせて「大当り遊技」という。
本実施形態では、大当り遊技における大入賞手段64の開放パターンとして例えば4R,6R,10Rの3種類設けられている。4R,6R,10Rの各開放パターンは、いわゆる出玉ありのラウンドを夫々4回,6回,10回行うように構成されている。ここで、出玉ありのラウンドは、大入賞手段64の開放後、その大入賞手段64への入賞個数が所定個数(例えば9個)に達するか、所定時間(例えば28秒)経過した時点で大入賞手段64を閉じるように設定されており、遊技者が右流下経路74b側の大入賞手段64を狙って右打ちをすれば最大個数の遊技球を容易に入賞させて大量の賞球を獲得できる。なお、出玉ありのラウンドに加えて、大入賞手段64が極短時間(例えば0.2秒)だけ開放する出玉なしのラウンドを有する開放パターンを設けてもよいし、出玉なしのラウンドのみの開放パターンを設けてもよい。
また液晶表示手段66には、例えば第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動表示と並行して演出図柄80を変動表示可能である他、第1,第2特別保留個数を示す第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Z等の各種画像を表示可能となっている。
ここで演出図柄80は、複数個の図柄で構成される図柄列を複数(ここでは3つ)備えており、またそれら各図柄列を構成する各図柄は、図5に示すように、例えば1~8等の数字、その他で構成される図柄本体部80aと、この図柄本体部80aに付随するキャラクタその他の装飾部80bとの結合で構成されている。演出図柄80は、例えば第1,第2特別図柄の変動開始と略同時に所定の変動パターンに従って図柄列毎に縦スクロール等による変動を開始すると共に、各図柄列に跨がるように規定される所定の有効ライン上の停止図柄が所定態様となるように例えば第1,第2特別図柄の変動停止と略同時に最終停止するようになっている。なお演出図柄80では、例えば有効ライン上の全ての停止図柄が同じ場合が大当り演出態様、それ以外がはずれ演出態様となっており、第1,第2特別図柄が第1,第2大当り態様(特定態様)となる場合には演出図柄80は大当り演出態様(特定演出態様)となり、第1,第2特別図柄が第1,第2はずれ態様(非特定態様)となる場合には演出図柄80ははずれ演出態様(非特定演出態様)となる。
また第1,第2保留画像X1~X4,Y1~Y4,変動中保留画像Zに関しては、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて第1,第2特別保留個数が増加した場合に、第1,第2保留画像X1~,Y1~を液晶表示手段66上に1個追加表示し、また第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の新たな変動が開始することに基づいて第1,第2特別保留個数が減少した場合に、例えば変動中保留画像Zを消去し、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側(例えば画面右側)に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて新たな変動中保留画像Zに変化させるようになっている。
また遊技盤16の裏側には、図7に示すように、液晶表示手段66を遊技盤16の後側で支持するための裏ケース81が装着され、この裏ケース81の背面側に、主制御基板82aが格納された主基板ケース82、サブ制御基板83aが格納されたサブ基板ケース83等が着脱自在に装着されている。
また、前枠3の裏側には、遊技盤16の裏側を開閉自在に覆う裏カバー85が着脱自在に装着されると共に、その上側に遊技球タンク86aとタンクレール86bとが、左右一側に払い出し手段31と払い出し通路87とが夫々装着されており、遊技球が大入賞手段64等の入賞口に入賞したとき、又は図外の自動球貸し機から球貸し指令があったときに、遊技球タンク86a内の遊技球をタンクレール86bを経て払い出し手段31により払い出し、その遊技球を払い出し通路87を経て上皿32に案内するようになっている。なお、裏カバー85は、例えば主基板ケース82の上部側の一部分を後側から覆うように配置されている。
また、前枠3の裏側下部には、基板装着台88が着脱自在に装着されており、この基板装着台88の背面側に、電源基板89aが格納された電源基板ケース89、払出制御基板90aが格納された払出基板ケース90が夫々着脱自在に装着されている。なお、例えば電源基板89aには、電源基板ケース89の外側からON/OFF操作が可能な電源スイッチ98が設けられている。
図8(a)は本パチンコ機の制御系の概略ブロック図である。図8(a)において、主制御基板(主制御手段)82aは遊技動作を統括的に制御するもので、遊技盤16上の遊技情報表示手段50、普通図柄始動手段61、第1特別図柄始動手段62、第2特別図柄始動手段63、大入賞手段64、普通入賞手段65等が例えば図示しない中継基板等を経由して接続され、またその下位には、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて画像表示、音声出力、電飾発光、可動体駆動等の演出制御を行うサブ制御基板(サブ制御手段)83a、主制御基板82aからの制御コマンドに基づいて払い出し手段31を制御する払出制御基板90a、この払出制御基板90aからの発射制御信号等に基づいて発射手段17を制御する発射制御基板91等が接続されている。
また主制御基板82aには、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の操作手段と、性能情報表示手段97等の表示手段とが接続されている。図7に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とは何れも主基板ケース82の外側から操作可能な状態で、また性能情報表示手段97は主基板ケース82の外側から視認可能な状態で、夫々主制御基板82aに装着されている。なお本実施形態では、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97は、何れも裏カバー85で覆われない位置に配置されている。
RAMクリアスイッチ92は、電源投入時にRAMクリアを行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば押圧操作可能であり、非操作時にOFF、押圧操作時にONとなるように構成されている。また設定変更操作手段93は、設定変更を行う場合等に操作するもので、主基板ケース82の外側から例えば専用の設定キーを鍵穴部に差し込んで回転操作することによりON/OFFの切り替えが可能となっている。なお本実施形態では、この設定変更操作手段93等を操作することにより、大当り確率、即ち第1,第2特別図柄が大当り態様となる確率(乱数抽選で当選する確率)を複数段階(ここでは設定1~6の6段階)に変更可能となっている。この設定変更等の詳細については後述する。
性能情報表示手段97は、設定表示手段94と性能表示手段95とを構成するもので、例えば4桁の7セグ表示部97a~97dを備え、透明な主基板ケース82を通して視認可能となるように例えば主基板ケース82内で主制御基板82aに装着されており、第1期間中は設定表示手段94として機能し、第1期間とは異なる第2期間中は性能表示手段95として機能するようになっている。
以上のように、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、性能情報表示手段97(設定表示手段94及び性能表示手段95)は、何れも遊技機本体1の後側に配置されており、それらにアクセスするためには解錠して前枠3を開放する必要があるため、ホール関係者等以外はRAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93を操作することができず、また性能情報表示手段97(設定表示手段94、性能表示手段95)の表示内容を見ることもできない。
設定表示手段94は、設定値(ここでは設定1~6の何れか)を示す設定情報を、例えばその設定値が確定前であるか否かに応じて異なる表示態様で表示するもので、例えば設定1~6に対応して「1」~「6」、「1.」~「6.」の何れかを性能情報表示手段97の少なくとも一部に表示可能であり、設定変更期間中は確定前の設定値に対応する設定情報を例えばドットなしの「1」~「6」(第1表示態様)で、設定変更期間終了後の所定期間及び設定確認期間中は確定された設定値に対応する設定情報を例えばドット付きの「1.」~「6.」(第2表示態様)で夫々表示可能となっている。もちろん、設定値が確定前であるか否かを、ドットの有無以外の表示態様の違い(例えば点灯/点滅)で表現してもよいし、確定前後の設定値に対応する設定情報を同じ表示態様で表示してもよい。
なお本実施形態では、性能情報表示手段97の4桁の7セグ表示部97a~97dのうち、前枠3を開いたときに前側から最も近くに見える背面視左端側の7セグ表示部97dを設定表示手段94として使用するが、7セグ表示部97d以外の例えば7セグ表示部97aを設定表示手段94として使用してもよいし、7セグ表示部97c~97d、7セグ表示部97b~97d等の2桁以上の7セグ表示部を設定表示手段94として使用してもよい。
性能表示手段(特定情報表示手段)95は、遊技実績に基づく特定情報を、性能情報表示手段97の少なくとも一部、例えば7セグ表示部97a~97dに表示するものである。本実施形態では、「ベース値」、「6000個出玉率」、「24000個出玉率」、「60000個出玉率」の4種類の特定情報を夫々計測し、現在から過去への連続する複数(ここでは4つ)の特定対象期間TL,T1~T3に対応してそれら4種類の特定情報を性能表示手段95に表示可能となっている。ここで、特定対象期間(対象期間)は、その期間中におけるアウト数が60000個(特定アウト数)に達する毎に更新される(図34参照)。
ベース値は、低確率状態(通常遊技状態)(第1特定期間)における遊技実績に基づいて算出される第1特定情報の一例であり、「(低確率状態でのセーフ数)÷(低確率状態でのアウト数)×100」の計算式により算出される。このベース値の計測期間はアウト数が60000個に達する毎に更新されるようになっており(図33)、特定計測期間と一致しているため、特定対象期間中に1セットの計測が行われる(図34)。以下の説明では、現在の特定対象期間TLにおけるリアルタイムのベース値をBL、1~3回前の特定対象期間における最終のベース値を夫々ベース値B1~B3として区別する(図35)。
6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率は、通常遊技状態(第1特定期間)と特別遊技状態(第2特定期間)とにおける遊技実績に基づいて算出される第1拡張特定情報の一例としての出玉率であって、何れも「(セーフ数)÷(アウト数)×100」の計算式により算出されるが、計測期間が異なっており、夫々アウト数が6000個(1時間に対応)、24000個(4時間に対応)、60000個(10時間に対応)に達する毎に計測期間が更新されるようになっている(図33)。このように、60000個出玉率については計測期間が特定対象期間と一致しているため、特定対象期間中に1セットの計測が行われるが、6000個出玉率、24000個出玉率については計測期間が特定対象期間よりも短く、特定対象期間中に複数セットの計測が可能となっている(図34)。なお、それら6000個出玉率と24000個出玉率とが、特定アウト数(60000個)よりも少ない第1アウト数(6000個,24000個)に対する第1特定情報に相当する。
以下の説明では、現在の特定対象期間における6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率を夫々出玉率D1L,D4L,DPL、1回前の特定対象期間における6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率を夫々出玉率D11,D41,DP1、2回前の特定対象期間における6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率を夫々出玉率D12,D42,DP2、3回前の特定対象期間における6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率を夫々出玉率D13,D43,DP3とする(図35)。
図35に示すように、60000個出玉率DPL,DP1,DP2,DP3のうち、現在の特定対象期間TLに対応する60000個出玉率DPLについてはその時点のリアルタイムの出玉率を採用し、過去の特定対象期間T1~T3に対応する60000個出玉率DP1,DP2,DP3についてはその特定対象期間T1~T3における最終値を採用する。また、6000個出玉率D1L,D11,D12,D13、24000個出玉率D4L,D41,D42,D43については、特定対象期間中に複数セットの計測が可能であるため、各特定対象期間における最大値を採用する(第1最大特定情報)。この場合、6000個出玉率D1L、24000個出玉率D4Lについては、夫々1セット目の計測期間が終了するまでは未計測となる。なお、特定対象期間と計測期間とが一致しない6000個出玉率、24000個出玉率については、現在の特定対象期間TLに対応する値(6000個出玉率D1L、24000個出玉率D4L)は表示せず、過去の特定対象期間T1~T3に対応する値(6000個出玉率D11~D13、24000個出玉率D41~D43)のみを表示可能としてもよい。
各特定情報における初回電源投入後の計測期間については、一定の計測前期間(例えばアウト数300個未満の期間)が終了することを条件に開始される(図33)。よって、初回電源投入後の特定対象期間についても同様に、計測前期間の終了を条件に開始される(図34)。なお図34に示すように、本実施形態の場合には、ベース値、6000個出玉率、60000個出玉率の計測期間については、何れも2つの特定対象期間に跨がることはないが、24000個出玉率の計測期間については、2つの特定対象期間に跨がることがあり得る。その場合、その計測期間で得られた計測値は、計測期間終了時点の特定対象期間に属するものとする。
また本実施形態では、遊技情報表示手段50と性能情報表示手段97とについて主にダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。図9に示すように、主制御基板82aのLEDコモンポートからは1バイトのダイナミック点灯コモンC0~C7の走査信号を出力可能であり、それらのうち、ダイナミック点灯コモンC0~C3のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a~50dに、ダイナミック点灯コモンC4~C7のラインが性能情報表示手段97の7セグ表示部97a~97dに夫々接続されている。
また、主制御基板82aのLEDデータポート1,2からは夫々1バイトのダイナミック点灯データD10~D17,D20~D27を出力可能であり、LEDデータポート1のダイナミック点灯データD10~D17のラインが遊技情報表示手段50のLEDグループ50a~50dに、LEDデータポート2のダイナミック点灯データD20~D27のラインが性能情報表示手段97の7セグ表示部97a~97dに夫々接続されている。
またサブ制御基板83aには、図8(a)に示すように、その制御対象である各種演出手段、例えば液晶表示手段66、スピーカ18,25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28、電飾手段96、盤可動演出手段67等の他、遊技者が操作可能な演出ボタン36、十字操作手段37、音量調整操作手段38、光量調整操作手段39等の各種操作手段、サイドユニット接続検出手段99等が接続されている。電飾手段96は、サイドユニット29内、上装飾カバー30内、下装飾カバー35内、遊技盤16上等に配置された多数のLED(図示省略)により構成されている。またサイドユニット接続検出手段99は、サイドユニット29の接続状態を検出するもので、サイドユニット29が前枠3に対して適切に装着、接続された場合にON、そうでない場合にOFFとなるように構成されている。
続いて、電源投入時に主制御基板82aにおいて実行される電源投入処理(図10)について説明する。この電源投入処理(図10)では、まずタイマ割込み等の割込み処理が実行されないように割込み禁止とし(S1)、スタックポインタを設定し(S2)、サブ基板の起動待ち処理(S3~S5)を実行する。即ち、サブ基板起動待ち時間(例えば2秒)に対応する値を所定のレジスタにセットし(S3)、その値が0になるまで、即ちサブ基板起動待ち時間が経過するまで、減算処理(S4)を繰り返し実行する。また、電源異常信号がOFFになるまで待機する電源異常信号監視処理(S6)を実行すると共に、RAMのプロテクト及び禁止領域を無効とする(S7)。
続いて、作業領域の初期設定(S8)を実行する。ここでは、例えばソレノイドポートバッファ、電源異常確認カウンタを夫々クリアし、システム動作ステータスに初期値である01Hをセットする。また、サブ制御基板83aに対して電源投入時コマンド(BA08H)を送信する(S9)。サブ制御基板83aが電源投入時コマンド(BA08H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「Please Wait」等の表示が行われる(図43,図44)。
そして、入力ポートから取得される電源投入時信号及び払出通信確認信号がONになるまで、WDT(Watchdog Timer)をクリアしつつ待機する(S10,S11)。
続いて図11に示すS12~S22の処理に移行する。このS12~S22の処理は、設定変更処理(S14)及びRAMクリア処理(S15)を実行する「設定変更」、設定変更処理(S14)を実行することなくRAMクリア処理(S15)を実行する「RAMクリア」、設定確認処理(S20)及びバックアップ復帰処理(S21)を実行する「設定確認」、設定確認処理(S20)を実行することなくバックアップ復帰処理(S21)を実行する「バックアップ復帰」、電源再投入待ち処理(S17)を実行する「RAM異常」の5種類の処理態様の何れかで行われる。
また、これら5種類の処理態様のうち、「RAM異常」を除く4種類については、設定変更操作手段93のON/OFF状態、RAMクリアスイッチ92のON/OFF状態、扉(前枠3)の開放/閉鎖状態の組み合わせに応じて選択される。
本実施形態では、図15に示すように、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONの場合には原則として「設定変更」が選択され、RAMクリアスイッチ92がON、設定変更操作手段93がOFFの場合には「RAMクリア」が選択されるが、設定変更操作手段93とRAMクリアスイッチ92とが共にONであっても、扉閉鎖の場合には「設定変更」ではなく「RAMクリア」が選択されるようになっている。また同様に、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONの場合には原則として「設定確認」が選択され、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にOFFの場合には「バックアップ復帰」が選択されるが、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONであっても、扉閉鎖の場合には「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」が選択されるようになっている。
このように本実施形態では、扉(前枠3)が開放していないにも拘わらずRAMクリアスイッチ92や設定変更操作手段93がONであるという状況は不正行為が疑われることから、設定変更機能に関する「設定変更」及び「設定確認」については扉開放を条件とし、扉閉鎖の場合には、設定変更処理(S14)を実行しない「RAMクリア」、設定確認処理(S20)を実行しない「バックアップ復帰」を選択するようになっている。なお、設定変更機能に関係しない「RAMクリア」、「バックアップ復帰」については、RAMクリアスイッチ92及び設定変更操作手段93のON/OFF状態のみを条件とし、扉の開放/閉鎖状態は条件としていない。
以下、S12~S22の処理について、図11等のフローチャートを参照しつつ、図12,図13等に示すソースプログラムに従って詳細に説明する。なお図12,図13には、S12~S22のソースプログラムが、メモリ上の記憶順序に沿って記載されている。また、そのソースプログラムの右側には、上述した「設定変更」、「RAMクリア」、「設定確認」、「バックアップ復帰」、「RAM異常」の5種類の処理態様毎に、実行する処理とそれらの実行順序とを、矢印とその右上の数字とで示している。
入力ポートデータ取得処理(S12)では、図12に示すように、入力ポート(P_INPT1)のデータをAレジスタに入力する(Sa1)。本実施形態では、入力ポート(P_INPT1)の第0~7ビットに対応する入力信号は図14に示すようになっており、扉開放スイッチ44のON/OFF信号(扉開放信号)は第4ビットに、RAMクリアスイッチ92のON/OFF信号は第5ビットに、設定変更操作手段93のON/OFF信号は第6ビットに、夫々入力される。Sa1では、その入力ポート(P_INPT1)の第0~7ビットのデータがAレジスタの第0~7ビットに夫々入力される。
入力ポートデータ取得処理(S12)に続いては、設定変更分岐判定処理(S13)を実行する。この設定変更分岐判定処理(S13)は、処理態様として「設定変更」を選択するか否かを判定するもので、図12に示すように、Aレジスタの値とマスクデータ“01110000B”(@DOPEN+@RWMCR+@SETKY)との論理積(AND)を求めることにより、扉開放スイッチ44のON/OFF信号(扉開放信号)に対応する第4ビット、RAMクリアスイッチ92のON/OFF信号に対応する第5ビット、設定変更操作手段93のON/OFF信号に対応する第6ビット以外のビットをマスクし、Aレジスタをそのマスク後のデータに更新する(Sb1)。
図15に示すように、Sb1の処理実行後のAレジスタの第4ビットは、扉(前枠3)が開放している場合に1、閉鎖している場合に0となり、同じく第5ビットは、RAMクリアスイッチ92がONの場合に1、OFFの場合に0となり、同じく第6ビットは、設定変更操作手段93がONの場合に1、OFFの場合に0となる。なお、このときのAレジスタの第4,5,6ビットの値の組み合わせは図15に示す8種類存在する。以下の説明では、このときのAレジスタの第4,5,6ビットの値a4,a5,a6の組み合わせを、必要に応じてA(a4,a5,a6)で表現する。
続いて、Aレジスタの値と“01110000B”(@DOPEN+@RWMCR+@SETKY)とを比較してそれらの差を求める(Sb2)。これにより得られる値は、Aレジスタの第4,5,6ビットが全て1の場合(A(1,1,1))、即ち扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とが共にONの場合に0となる。なお、得られた値(差)が0であれば例えばZF(ゼロフラグ)に1がセットされる。そして、Sb2で得られた値が0であれば(ZF=1)、即ちA(1,1,1)であれば、処理態様として「設定変更」が選択され、SYSTEM_80(RAM異常判定処理(S18))へジャンプすることなく次の設定変更処理(S14)へと移行する(Sb3)。
なお、このSb3のジャンプ処理では、絶対アドレスジャンプの「JP」命令ではなく、相対アドレスジャンプの「JR」命令を用いている。絶対アドレスジャンプの「JP」命令では、ジャンプ先アドレスを絶対アドレス(2バイト)で指定するのに対し、相対アドレスジャンプの「JR」命令では、ジャンプ先のアドレスを相対アドレス(1バイト)で指定するため、「JR」命令の方が1バイト分プログラム容量を削減できるという利点がある。但し、「JR」命令の場合には、ジャンプ先として指定可能な範囲が「JP」命令に比べて制限され、PCレジスタの場所から-128~+127バイトの範囲となるため、その範囲を超えてジャンプする場合には使用できない。
設定変更処理(S14)では、図12のソースプログラム及び図16のフローチャートに示すように、まず設定変更期間が開始したことを示す設定変更開始コマンド(BA76H)を送信する(Sc1,Sc2)。サブ制御基板83aが設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定変更中」等の表示が行われる(図43)。
次に、バックアップフラグをクリアする(Sc3)。これは、設定変更期間中に電断が発生した場合、次回電源投入時に後述するRAM異常判定処理(S16)でバックアップ異常と判定されるようにするためである。また、システム動作ステータスをインクリメントする(Sc4)。これにより、システム動作ステータスは初期値である01H(図10のS8参照)から02Hへと変化する。
続いて、RAMの設定値ワーク領域から設定値データを読み出し、設定作業値として例えばWレジスタにセットする(Sc5)と共に、そのWレジスタの値をデクリメントする(Sc6)。本実施形態では、設定値として設定1~6の何れかを選択可能であり、RAM上の設定値ワーク領域には、設定値(設定1~6の何れか)に応じて0~5の何れかの設定値データが格納されている。従って、設定値ワーク領域の値が正常であれば、Wレジスタにはまず0~5の何れかが格納された後、デクリメントされて-1~4の何れかとなる。
続いて、Wレジスタの設定作業値と、設定値データの最大値である5(設定最大値(@DANMAX)である6から1減算した値)とを比較し、それらの差が負の値であればCF(キャリーフラグ)に1をセットする(Sc7)。ここで、Sc5でWレジスタにセットした設定値データの値が正常値(0~5の何れか)であれば、Sc7の比較処理で得られる値は負の値となってCF=1となるのに対し、設定値データの値が異常値(例えば6)であれば負の値にはならないためCF≠0となる。次に、Wレジスタの設定作業値をインクリメントする(Sc8)。これにより、Sc6でデクリメントされた設定作業値は元の値に戻る。
そして、CF=1であるか否かを判定し、CF=1でなければSc10でWレジスタの設定作業値をクリアした後にSc11(SYSTEM_60)に移行するが、CF=1であれば、Sc10をスキップしてSc11(SYSTEM_60)に移行する(Sc9)。これにより、設定値データに異常がある場合、設定作業値に設定1に対応する0を強制的にセットすることができる。もちろん、異常時にWレジスタ(設定作業値)にセットする値は0に限られるものではなく、正常範囲内(0~5)の何れかであればよい。
本実施形態の場合、設定変更処理(S14)の前には後述するRAM異常判定処理(S16)が実行されないため(図11参照)、設定変更処理(S14)の開始時点でRAM異常により設定値ワーク領域の設定値データが正常範囲内にない可能性がある。そこで本実施形態では、設定変更処理(S14)において、設定値データが異常値の場合に正常値(ここでは0)に補正する設定値異常補正処理(Sc6~Sc10)を実行することにより、RAM異常の場合でも設定変更処理を進めることができるようにしている。
続いて、Sc11でWAレジスタのデータをスタックに退避した後、Aレジスタをクリアし(Sc12)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Sc13)。
このシステム入出力管理処理(第1処理モジュール、表示制御処理)は、主に設定表示手段94(性能情報表示手段97の7セグ表示部97d)のダイナミック点灯制御を行うもので、図17(a)のソースプログラム及び図17(b)のフローチャートに示すように、まず外部端子ポート(P_GAIBU2)に所定データ(@GAI1)を出力することによってセキュリティ信号の出力をONにし(Ss1)、またLEDコモンポートへの出力をクリアする(Ss2)。そして、数値用7セグデコードテーブル(D_N7STBL)の先頭アドレスをHLレジスタにセットする(Ss3)。数値用7セグデコードテーブルは、図18に示すように、設定1~6の6種類の設定値とエラーに対応する各1バイト、計7バイトの表示パターンデータで構成されている。
続いて、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にWレジスタの値(設定変更処理中の場合は設定作業値)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタ(設定変更処理中の場合は0)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新する(Ss4)。これにより、例えば設定変更処理中であれば、Aレジスタには設定作業値に対応する表示パターンデータ、例えば設定作業値が0であれば「1」を表示するための“00000110B”が、設定作業値が5であれば「6」を表示するための“01111101B”がセットされる。
そして、そのAレジスタの表示パターンデータをLEDデータポート2(P_LED2)に出力する(Ss5)。また、LED出力カウンタ(W_LEDCNT)をインクリメントし(Ss6)、そのインクリメント後のLED出力カウンタの下位2ビットが“11”であれば、7セグ表示部97d(設定表示手段94)を指定するコモンデータ(@CMN23)をLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力するが(Ss7~Ss9)、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”でなければSs9はスキップされるため、LEDコモンポートへの出力はクリアされたままとなる。これにより、設定表示手段94(7セグ表示部97d)には、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”になる毎(4回に1回)に点灯状態となってその時点の設定作業値に対応して「1」~「6」の何れかが表示され、LED出力カウンタの下位2ビットが“11”でないとき(4回に3回)は消灯状態となる。
なお、Ss8のジャンプ処理では、「JR」命令よりも更にプログラム容量を小さくできる「JRS」命令を用いている。「JR」命令の場合、命令1バイト、ジャンプ先の相対アドレス指定1バイトの計2バイト構成であるのに対し、「JRS」命令の場合、命令3ビット、ジャンプ先の相対アドレス指定5ビットの計1バイト構成となり、「JRS」命令の方が「JR」命令よりも更に1バイト分プログラム容量を削減できる。但し、「JRS」命令の場合には、ジャンプ先に指定可能な範囲が「JR」命令よりも更に制限され、PCレジスタの場所から-16~+15バイトの範囲となる。
続いて、システム確認中処理(M_WAIT)をコールする(Ss10)。このシステム確認中処理(待ち時間形成モジュール、周期調整待ち時間処理)は、所定の待ち時間(ここでは約4ms)を設けるためのもので、図19(a)のソースプログラム及び図19(b)のフローチャートに示すように、まずWDTをクリアし(St1)、WAレジスタにタイマ値として初期値(ここでは6654)をセットする(St2)。そして、WAレジスタのタイマ値が0になるまでデクリメントを繰り返した後(St3,St4)、電源異常チェック処理(M_PWRCHK)をコールし(St5)、システム確認中処理(M_WAIT)を終了する。なお本実施形態では、St2でタイマ初期値として6654をセットすることにより、システム確認中処理の実行時間を、後述するタイマ割込みの周期(ダイナミック点灯方式におけるデータ出力タイミングの周期)である4msと略一致させている。
電源異常チェック処理(M_PWRCHK)は、図20に示すように、まず電源基板89aから送信されてくる電源異常信号を2回読み込む(S41)。そして、その2回読み込んだ電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定し(S42)、それらのレベルが一致しない場合(S42:No)にはS41に戻り、一致する場合(S42:Yes)にはその電源異常信号がONであるか否か、即ち電源異常信号のレベルが「H」レベルであるか否かを判定する(S43)。
電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)でない場合には(S43:No)、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S44)、電源異常チェック処理を終了する。
一方、電源異常信号のレベルが「H」レベル(ON)である場合には(S43:Yes)、電源異常確認カウンタの値をインクリメントする(S45)と共に、インクリメント後の電源異常確認カウンタの値が例えば2に達しているか否かを判定する(S46)。そして電源異常確認カウンタの値が2未満であれば(S46:No)、そのまま電源異常チェック処理を終了する。
S46で電源異常確認カウンタの値が2に達している場合には(S46:Yes)、電源異常と判断し、電源断コマンド(BA33H,BA55H)を送信する(S47)と共に、システム動作ステータスが00Hであることを条件に、バックアップフラグをON(=AA55H)に設定する(S48,S49)。ここで、例えば設定変更処理中はシステム動作ステータスが02Hに設定されているため(Sc4)、設定変更処理中に電断が発生した場合にはバックアップフラグはOFF(=0000H)のままとなる。
そして、RAMのプロテクトを有効にすると共に禁止領域を無効とする(S50)。これにより、以降の処理においてRAMへのデータ書込みが禁止される。また、外部端子ポート、サブポート、ソレノイドポート、LEDコモンポート、LEDデータポート等の出力ポートをクリアし(S51)、タイマ割込みを禁止した後(S52)、WDTをクリアしつつ無限ループ処理を繰り返し、電源電圧が降下してCPUが非動作状態になるのを待つ(S53)。
図17に戻って説明を続ける。以上のシステム確認中処理(M_WAIT)が終了すると(Ss10)、入力データテーブル(D_SWINTBL2)を用いて、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93等の入力情報を取得する操作入力情報取得処理を実行し(Ss11,Ss12)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)を終了する。
以上のように本実施形態では、図17(c)に示すように、システム入出力管理処理を実行する毎にLED出力カウンタがインクリメントされると共に4msの待ち時間が設けられ、しかもLED出力カウンタの下位ビットが“11”の場合にのみ7セグ表示部97d(設定表示手段94)を指定するコモンデータをLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力し、それ以外はLEDコモンポートへの出力はクリアされた状態となる。これにより、7セグ表示部97d(設定表示手段94)の点灯/消灯パターンは、4ms点灯→12ms消灯→4ms点灯→12ms消灯→…となり、後述する性能表示手段95(性能情報表示手段97)による7セグ表示部97dの点灯/消灯パターン(4ms点灯→12ms消灯→4ms点灯→12ms消灯→…)と一致する。
また本実施形態では、設定変更操作手段93がOFFになるまで(Sc15,Sc16)、Sc7~Sc19又はSc11~Sc19の処理(設定変更中処理)が高速で繰り返され、その度に設定変更操作がなされたか否か(Sc17~Sc19)、即ちRAMクリアスイッチ92がOFF→ONに変化したか否かが判定されるが、RAMクリアスイッチ92等の入力情報を取得する操作入力情報取得処理(Ss11,Ss12)の前にシステム確認中処理(所定待ち時間処理)をコールする(Ss10)ことにより4msの待ち時間(所定待ち時間)を設けているため、RAMクリアスイッチ92のチャタリングによる誤検出を防止できる。また、その所定待ち時間(4ms)として、ダイナミック点灯制御用の4ms周期を作成するための周期調整待ち時間を利用しているため、チャタリング防止用の待ち時間のための処理プログラムを別途設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。
図16に戻って説明を続ける。以上のシステム入出力管理処理(M_SYSIO)が終了すると(Sc13)、スタックからWAレジスタにデータを復帰させた後(Sc14)、設定変更終了条件が満たされたか否か、即ち設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されたか否かを判定し(Sc15)、設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されない場合には、所定の設定変更操作が行われたか否かを判定する(Sc16,Sc17)。本実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用にも利用しており、Sc17では、RAMクリアスイッチ92のONエッジを検出した場合に設定変更操作が行われたものと判定する。
そして、設定変更操作が行われたと判定された場合にはSc7(SYSTEM_50)に移行する(Sc18)。即ち、その時点の設定作業値と、設定値データの最大値である5(設定最大値(@DANMAX)である6から1減算した値)とを比較し、それらの差が負の値であればCF(キャリーフラグ)に1をセットする(Sc7)。これにより、設定作業値が0~5のうちの0~4の場合のみCF=1となる。次に、設定作業値をインクリメントし(Sc8)、CF=1でない場合(インクリメント後の設定作業値が6の場合)には設定作業値に0をセットする(Sc9,Sc10)。
このように本実施形態では、設定変更期間中に設定変更操作(RAMクリアスイッチ92の操作)が行われる毎にSc7~Sc10の設定作業値変更処理を実行することにより、設定変更操作に応じて設定作業値を0~5の範囲で循環的に変更するようになっている。なお、この設定作業値変更処理(Sc7~Sc10)は、上述した設定値異常補正処理(Sc6~Sc10)と一部処理(Sc7~Sc10)を共通化しているため、別処理で行う場合と比べてプログラム容量を小さく抑えることができる。
設定作業値変更処理(Sc7~Sc10)に続いてはSc11以降の処理が行われる。また、Sc17で設定変更操作がないと判定された場合にはSc11に移行する。このSc11~Sc14の処理については既に説明したのでここでは詳細は省略するが、この処理により、設定作業値の変化に応じて設定表示手段94の表示も変化する。
以上のように、設定変更処理(S14)では、設定変更操作手段93がONである限り、設定変更操作が行われた場合にはSc7~Sc14の処理が、設定変更操作が行われない場合にはSc11~Sc14の処理が繰り返し実行される。そして、設定変更操作手段93がONからOFFに切り替えられて設定変更終了条件が満たされると、設定変更期間を終了し、Wレジスタの設定作業値を、設定値ワーク領域に格納する(Sc20)。これにより、設定変更期間中にRAMクリアスイッチ92の操作により変更された暫定的な設定作業値が設定値データとして確定する。そして、RAMクリア処理(S15)へジャンプし(Sc21)、設定変更処理を終了する。
続くRAMクリア処理(S15)では、図13のソースプログラム及び図21のフローチャートに示すように、まず領域内のワークエリア(領域内RAM)の特定範囲をクリアする(Sg1~Sg6)。即ち、まず領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域のアドレス(W_BACKFLG)をHLレジスタにセットする(Sg1)。これが、クリア対象範囲の先頭アドレスとなる。またAレジスタをクリアする(Sg2)。そして、HLレジスタで指定された領域をクリアすると共にそのHLレジスタの値をインクリメントする処理(Sg3)を、HLレジスタの値が、例えば領域外RAMの先頭アドレス(@RWM2TOP)に達するまで繰り返し実行する(Sg3~Sg5)。
本実施形態では、RAM上の所定範囲が領域内のワークエリア(領域内RAM)として、またそれに続く所定範囲が領域外のワークエリア(領域外RAM)として夫々割り当てられている。従って、上記Sg1~Sg5により、領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域以降の領域が0クリアされる。なお本実施形態では、LED出力カウンタ、システム動作ステータス、設定値データを格納する各領域は、領域内RAMにおけるバックアップフラグ領域よりも前側に設けられているため、Sg3~Sg5の処理ではクリアされない。なお、LED出力カウンタについては次のSg6で0クリアされる。
領域内RAMのクリア処理(Sg1~Sg6)に続いては、初期値設定テーブル(D_INISET2)の先頭アドレスをHLレジスタにロードし(Sg7)、データセット処理をコールすることにより(Sg8)、例えば不正情報タイマに初期値(例えば30秒に対応する値)をセットし、第1特別図柄、第2特別図柄に所定のはずれ態様をセットする。この不正情報タイマは、セキュリティ信号の出力時間をカウントするためのもので、例えば後述するタイマ割込み処理においてこの不正情報タイマの値が0になるまでセキュリティ信号を出力するようになっている。
続いて、設定変更処理(S14)を経由したか否かを判定する設定変更経由判定処理(Sg9)を実行する。本実施形態では、システム動作ステータス(初期値01H)の値が02Hであるか否かを判定し(Sc4参照)、システム動作ステータスの値が02Hであれば、設定変更処理(S14)を経由したと判断して次の設定変更経由時処理(Sg11~Sg22)を実行するが、システム動作ステータスの値が02Hでなければ、設定変更経由時処理をスキップしてSg23に移行するようになっている。
設定変更経由時処理(Sg11~Sg22)では、まずシステム動作ステータスに00Hをセットし(Sg11)、設定変更期間が終了したことを示す設定変更終了コマンド(BA77H)を送信する(Sg12,Sg13)。システム動作ステータスに00Hをセットすることにより、例えばその後に電断が生じても、既に説明した電源異常チェック処理(図20)のS48,S49でバックアップフラグがON(=AA55H)となるため、次回電源投入時にバックアップ異常により電源再投入待ちとなることはない。
また、7セグ表示部97d(設定表示手段94)を指定するコモンデータ(@CMN23)をLEDコモンポート(P_LEDCMN)に出力する(Sg14)。そして、数値用7セグデコードテーブル(D_N7STBL)(図18)の先頭アドレスをHLレジスタに、設定値データの値をAレジスタに夫々セットする(Sg15,Sg16)と共に、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にAレジスタの値(設定値データ)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタにセットする(Sg17)。これにより、Aレジスタには設定値データに対応する表示パターンデータ、例えば設定値データが0であれば「1」を表示するための“00000110B”が、設定値データが5であれば「6」を表示するための“01111101B”がセットされる。
そして、そのAレジスタの値と、「.(ドット)」に対応する表示パターンデータである“10000000B”(@SEG_DP)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新し(Sg18)、そのAレジスタの表示パターンデータをLEDデータポート2(P_LED2)に出力する(Sg19)。これにより、設定変更処理により確定した設定値データ(0~5の何れか)に対応して「1.」~「6.」の何れかが設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dに表示される。このように、設定変更期間が終了して設定値データが確定したとき、設定表示手段94に表示される設定情報の表示態様を、それまでの設定変更期間中とは異ならせる(例えばドットを付加する)ことにより、設定値データが確定したことを作業者に視覚的に報知することが可能である。このとき、表示内容の変化(ドットの付加等)に代えて又は加えて、光量を変化(例えば増加)させたり、表示パターンを変化(例えば点滅から点灯)させてもよい。
続いて、所定時間(例えば約1秒)の待ち時間処理(Sg20~Sg22)を実行する。即ち、まずBレジスタに所定時間(例えば約1秒)に対応する値(ここでは250)をセットし(Sg20)、上述したシステム確認中処理(M_WAIT)を、Bレジスタの値を減算しつつその減算後のBレジスタの値が0になるまで繰り返し実行する(Sg21,Sg22)。本実施形態のシステム確認中処理は、上述したように4msの待ち時間を設けるためのものであるから、これを250回繰り返すことにより、設定表示手段94による確定後の設定値データ(0~5の何れか)に対応する表示(以下、設定変更確定表示という)を約1秒継続することができる。
また、設定変更確定表示のための待ち時間処理(1秒)に、設定表示手段94(7セグ表示部97d)の表示制御でデータ出力タイミングを一定周期に調整するために用いているシステム確認中処理(待ち時間形成モジュール)を用いているため、専用の待ち時間処理を設ける場合と比較してプログラム容量を削減できる。なお本実施形態では、以上のように約1秒間の設定変更確定表示に関してはスタティック点灯方式により駆動制御を行っている。
以上の設定変更経由時処理(Sg11~Sg22)に続いては、RAMクリアコマンド用の下位バイトデータである02HをWレジスタにセットした上で共通処理(S22)へジャンプし(Sg23,Sg24)、RAMクリア処理を終了する。
共通処理(S22)では、図13のソースプログラム及び図22のフローチャートに示すように、まずBA01H(イニシャライズコマンドデータ)をDEレジスタに格納し(Sk1)、コマンド送信処理(Sk2)によってそのコマンドデータを送信する。また、WレジスタをEレジスタにロードし(Sk3)、コマンド送信処理(Sk4)によってDEレジスタのコマンドデータを送信する。例えば「設定変更」の場合には、Wレジスタには02Hがセットされているため(Sg23)、DEレジスタに格納されているBA01Hの下位バイトが02Hに変更されてBA02H(RAMクリアコマンド)が送信される。
続いて、遊技状態報知情報更新処理(M_MKINFO)を実行する(Sk5)。この遊技状態報知情報更新処理(Sk5)では、処理態様に応じて各種コマンドの送信等を行う。即ち、処理態様が「設定確認」、「バックアップ復帰」の何れかの場合には、第1,第2特別保留個数の値に基づく第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)、遊技状態に基づく状態指定コマンド(FAxxH~FDxxH)を順次送信する(Sk51→Sk52~Sk54)。また、処理態様が「設定確認」、「バックアップ復帰」の何れでもない場合、即ち「設定変更」、「RAMクリア」の何れかの場合には、設定値データに基づく設定値コマンド(F6xxH)を送信し、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、状態指定コマンド(FAxxH~FDxxH)は送信しない(Sk51→Sk55)。更に、第1,第2特別図柄が変動中でない場合には客待ち中コマンド(BA04H)を送信する(Sk56,Sk57)。
そして、各種内部機能レジスタに初期値を設定する(Sk6~Sk10)。例えばLEDコモンポートはここでクリアされ、それによって約1秒間の設定変更確定表示は終了する。また、作業領域の初期設定を行う(Sk11,Sk12)。この作業領域の初期設定では、例えばシステム動作ステータスに00Hをセットし、発射制御信号をONに設定し、動作確認タイマに初期値をセットする。
動作確認タイマは、性能表示手段95の動作確認表示の実行時間を計時するためのもので、例えば領域内RAMに記憶され、初期値として、例えば4800msに対応するタイマ値に1を加算した値がセットされる。本実施形態では、後述するように4ms周期で実行されるタイマ割込み処理において動作確認タイマが1ずつ減算されるため(図28のS82)、4800msに対応するタイマ値は1200となり、動作確認タイマの初期値はこれに1を加算した1201となる。このように本実施形態では、動作確認表示の実行時間の計時に用いる動作確認タイマの初期設定を、電源投入時の処理(メインループ処理の前)に行っている。
S13(図11,図12)の設定変更分岐判定処理に戻って説明を続ける。Sb2で得られた値が0でなければ(ZF≠1)、即ちA(1,1,1)でなければ、図12のSYSTEM_80、即ちRAM異常判定処理(S16)へとジャンプする(Sb3)。
RAM異常判定処理(S16)は、「RAM異常」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、図12に示すように、まずRAM異常か否かの判定を行う(Sd1,Sd2)。即ち、領域内RAMの設定値ワーク領域(W_SETVAL)から設定値データを取得し、その設定値データと設定最大値(@DANMAX)である6とを比較してそれらの差を求める(Sd1)。本実施形態の場合、RAM上の設定値ワーク領域には、1~6の何れが選択されているかに応じて0~5の何れかの設定値データが格納されているはずであるから、正常であれば、設定値データと6との差は負の値となる。従って、その差が負の値でなければ(JF=0)、RAM異常と判断してSYSTEM_90、即ち電源再投入待ち処理(S17)にジャンプする(Sd2)。
またRAM異常でない場合には、バックアップ異常か否かの判定を行う(Sd3,Sd4)。即ち、バックアップフラグの値とAA55H(@BACKUP)とを比較してそれらの差を求める(Sd3)。そして、その差が0でなければ(ZF≠1)、バックアップ異常と判定し、ジャンプすることなく次のSYSTEM_90、即ち電源再投入待ち処理(S17)へと移行する(Sd4)。
なお上述したように、設定変更処理(S14)でバックアップフラグをクリアし(Sc3)、電源異常チェック処理で電源異常を検出した場合にはシステム動作ステータスが00Hの場合にのみバックアップフラグがON(=AA55H)に設定されるようになっているため、設定変更期間中に電断が発生した場合には、次の電源投入時にはこのRAM異常判定処理(S16)でバックアップ異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。
電源再投入待ち処理(S17)では、図12のソースプログラム及び図23のフローチャートに示すように、まず電源再投入コマンド(BA7FH)を送信する(Se1,Se2)。サブ制御基板83aが電源再投入コマンド(BA7FH)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の表示が行われる(図44)。
そして、Wレジスタに「E」表示用のオフセット値である06Hをセットし(Se3)、Aレジスタをクリアした上で(Se4)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Se5)という一連の処理を無限に繰り返す電源再投入待ち状態(Se6)となる。ここで、システム入出力管理処理については既に設定変更処理(S14)で説明した通りであるが、Wレジスタの値が異なることにより、設定変更処理のときとは一部動作が異なっている。即ち、この電源再投入待ち処理ではシステム入出力管理処理をコールする際にWレジスタに06Hをセットしているため(Se3)、システム入出力管理処理のSs4(図17)では、数値用7セグデコードテーブルにおける7番目の表示パターンデータ、即ち「E」を表示するための“01111001B”がAレジスタにセットされる。従って、設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dにはエラーを示す「E」が表示される。
以上のように本実施形態では、性能情報表示手段97のダイナミック点灯制御に関する処理と電源異常チェック処理とをシステム入出力管理処理(表示制御モジュール)として設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)等の間で共通化することにより、プログラム容量を削減している。
また以上のように本実施形態では、RAM異常又はバックアップ異常の場合には、電源再投入待ち状態に移行することにより、強制的に電源を再投入させるように構成されている。なお、RAM異常により電源再投入待ち処理(S17)が実行された場合、次の電源再投入時のS13でA(1,1,1)でない場合には再びRAM異常と判定され、電源再投入待ち処理(S17)が実行される。よって、電源再投入待ちとなって電源を再投入する際には、扉(前枠3)を開放し、RAMクリアスイッチ92と設定変更操作手段93とを共にONにすることによって設定変更処理(S14)を実行させ、設定値を設定1~6のうちの任意の値に設定する必要がある。
このように、「RAM異常」の場合には、電源の再投入により設定変更処理(S14)を実行させて設定値を正常な値に設定させるために電源再投入待ち状態となる。その点、設定変更処理(S14)を実行する「設定変更」の場合には、RAM異常であっても電源再投入待ち状態にする必要がない。よって本実施形態では、無駄な処理を排除すべく、設定変更分岐判定処理(S13)の後にRAM異常判定処理(S16)を実行するようになっている。
S16のRAM異常判定処理(図12)に戻って説明を続ける。S16でRAM異常でもバックアップ異常でもないと判定された場合には、図13のSYSTEM_110、即ちRAMクリア分岐判定処理(S18)へと移行する(Sd4)。このRAMクリア分岐判定処理(S18)は、「RAMクリア」の処理態様を選択するか否かを判定するもので、図13に示すように、まずAレジスタの第5ビット(@B_RWMCR)の値をCF(キャリーフラグ)に転送する(Sf1)。そして、そのCF(Aレジスタの第5ビット)が1であれば、即ちRAMクリアスイッチ92がONであれば、「RAMクリア」の処理態様が選択され、Sf2でジャンプすることなく次のRAMクリア処理(S15)へと移行するが、そうでなければSYSTEM_160、即ち設定確認分岐判定処理(S19)へとジャンプする。
本実施形態では、Aレジスタの第4,5,6ビットの値の8種類の組み合わせのうち、RAMクリア分岐判定処理(S18)が実行されるのはA(1,1,1)以外の7種類の場合である。そしてそれら7種類のうち、「RAMクリア」の処理態様が選択されるのはA(0,1,1)、A(1,1,0)、A(0,1,0)の3種類の場合であるから(図15参照)、このS18ではAレジスタの第4,5,6ビットのうちの第5ビットのみを判定すれば足りる。
なお、上述したようにRAMクリア処理(S15)では設定値ワーク領域はクリアされないため、本実施形態ではRAMクリア分岐判定処理(S18)よりも前にRAM異常判定処理(S16)を実行するように構成されている。
RAMクリア処理(S15)及びそれ以降の処理については既に説明した通りであるが、この場合、RAMクリア処理(S15)におけるSg9の時点ではシステム動作ステータスは初期値である01Hのままであるため、設定変更経由判定処理(Sg9)では設定変更処理(S14)を経由していないと判定され、設定変更経由時処理(Sg11~Sg22)は実行されない。従って、約1秒間の設定変更確定表示は行われないため、設定変更が行われていないにも拘わらず無駄に1秒間の待ち時間が設けられることもない。
RAMクリア分岐判定処理(S18)でAレジスタの第5ビットが1でないと判定された場合に移行する設定確認分岐判定処理(S19)は、「設定確認」と「バックアップ復帰」の何れの処理態様を選択するかを判定するものである。このように、設定確認分岐判定処理(S19)をRAM異常判定処理(S16)よりも後に行うことにより、設定確認或いはバックアップ復帰と判定された後にRAM異常により復帰できないという事態を回避できる。
設定確認分岐判定処理(S19)では、図13に示すように、まずAレジスタの値と“01010000B”(@DOPEN+@SETKY)とを比較してそれらの差を求める(Sh1)。これにより得られる値は、Aレジスタの第4,6ビットが1で第5ビットが0の場合(=A(1,0,1))、即ち扉(前枠3)が開放し、RAMクリアスイッチ92がOFF、設定変更操作手段93がONの場合に0となる(図15参照)。なお、得られた値(差)が0であれば例えばZF(ゼロフラグ)に1がセットされる。そして、Sh1で得られた値が0でなければ(ZF=0)、即ちA(1,0,1)でなければ、「設定確認」ではなく「バックアップ復帰」の処理態様が選択され、次の設定確認処理(S20)をスキップしてSYSTEM_180、即ちバックアップ復帰処理(S21)へと移行(ジャンプ)する(Sh2)。
本実施形態では、Aレジスタの第4,5,6ビットの値の8種類の組み合わせのうち、設定確認分岐判定処理(S19)が実行されるのは第5ビットが0の4種類の場合のみである。そして、それら4種類のうち、「設定確認」の処理態様が選択されるのはA(1,0,1)の場合のみであり、それ以外のA(0,0,1)、A(1,0,0)、A(0,0,0)の3種類の場合は全て「バックアップ復帰」の処理態様が選択される(図15参照)。
バックアップ復帰処理(S21)では、図13に示すように、まず領域内RAMにおけるバックアップフラグのアドレスをHLレジスタにセットし(Sj1)、領域内RAMにおける入賞口エラー検出タイマ3のアドレスからバックアップフラグのアドレスを引いて1を加えることにより得られた値をBレジスタにセットする(Sj2)と共に、0クリア処理をコールする(Sj3)。本実施形態では、領域内RAMの設定値ワーク領域の次がバックアップフラグワーク領域となっており、そのバックアップフラグワーク領域の次から入賞口エラー検出タイマ3ワーク領域までの間が、エラー関連のワーク領域となっている。従って、上記Sj1~Sj3により、領域内RAMにおけるバックアップフラグワーク領域と、それに続くエラー関連のワーク領域とが0クリアされる。このように、バックアップ復帰時であっても、エラー関連のワーク領域だけは0クリアすることで、電断前のエラー情報を持ち越さないようになっている。
そして、停電復帰表示コマンド用の下位バイトデータである03HをWレジスタにセットし(Sj4)、次の共通処理(S22)に移行する。共通処理(S22)については既に説明した通りであるが、この場合、Wレジスタには03Hがセットされているため、イニシャライズコマンド(BA01H)の送信(Sk1,Sk2)に続いては停電復帰表示コマンド(BA03H)が送信される。
設定確認分岐判定処理(S19)に戻って説明を続ける。図13のSh2において、Sh1で得られた値が0であれば(ZF=1)、即ちA(1,0,1)であれば、「設定確認」の処理態様が選択され、SYSTEM_180(バックアップ復帰処理S21)へジャンプすることなく、次の設定確認処理S20に移行する。
設定確認処理(S20)では、図13のソースプログラム及び図24のフローチャートに示すように、まず不正情報タイマ(W_SGTMER)に初期値(例えば30秒に対応する値)をセットする(Si1)。この不正情報タイマは、セキュリティ信号の出力時間をカウントするためのもので、例えば後述するタイマ割込み処理においてこの不正情報タイマの値が0になるまでセキュリティ信号を出力するようになっている。なお本実施形態では、「設定確認」の場合、不正情報タイマへの初期値の設定を設定確認処理(S20)の開始時に行っているため、設定確認終了後に所定時間(ここでは30秒)のセキュリティ信号の出力が保証される。即ち、例えば不正情報タイマへの初期値の設定を設定確認処理(S20)の終了時に行う場合、例えば設定確認期間中に電源を切り(電断)、設定変更操作手段93をOFFにして電源を再投入することによりバックアップ復帰させると(電断復帰)、セキュリティ信号の出力をキャンセルできる可能性があるが、本実施形態の場合にはそのような手順で操作しても不正情報タイマには30秒に対応する初期値がセットされているため、セキュリティ信号の出力をキャンセルすることはできない。即ち本実施形態では、設定確認処理(S20)の実行中に電断し、その後の電断復帰時に設定確認処理(S20)を実行することなく遊技処理を実行する場合もセキュリティ信号を外部出力するため、セキュリティ信号を所定時間確実に出力することが可能である。
続いて、設定確認期間が開始したことを示す設定確認開始コマンド(BA60H)を送信する(Si2,Si3)。サブ制御基板83aが設定確認開始コマンド(BA60H)を受信すると、例えば液晶表示手段66には「設定確認中」等の表示が行われる(図44)。なお、例えば設定確認開始コマンド(BA60H)の下位バイトに設定値データを加算することにより、設定値データの情報を付加した設定確認開始コマンド(BA60H~BA65H)を送信するようにしてもよい。
次に、設定値ワーク領域から取得した設定値データをWレジスタにセットし(Si4)、「.(ドット)」に対応する表示パターンデータである“10000000B”(@SEG_DP)をAレジスタにセットした上で(Si5)、システム入出力管理処理(M_SYSIO)をコールする(Si6)一連の処理を、設定確認終了条件が満たされるまで、即ち設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されるまで繰り返し実行する(Si7,Si8)。
ここで、システム入出力管理処理については既に設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)で説明した通りであるが、WレジスタとAレジスタの値が異なることにより、設定変更処理、電源再投入待ち処理のときとは一部動作が異なっている。即ち、この設定確認処理ではシステム入出力管理処理をコールする際にWレジスタに設定値データを、Aレジスタに「.(ドット)」に対応する表示パターンデータを夫々セットしているため(Si4,Si5)、システム入出力管理処理のSs4(図17)では、HLレジスタの値(数値用7セグデコードテーブルの先頭アドレス)にWレジスタの値(設定値データ)を加算して得られたアドレスから表示パターンデータを取得し、Aレジスタ(「.(ドット)」に対応する表示パターンデータ)との論理和(OR)を求めてAレジスタの値を更新する。これにより、設定値データ(0~5の何れか)に対応して「1.」~「6.」の何れかが設定表示手段94、即ち性能情報表示手段97の7セグ表示部97dに表示される。
そして、設定変更操作手段93のOFFエッジが検出されると、設定確認期間が終了したことを示す設定確認終了コマンド(BA67H)を送信し(Si9,Si10)、既に説明したバックアップ復帰処理(S21)に移行する。
このように本実施形態では、設定表示手段94(7セグ表示部97d)のダイナミック点灯制御に関する処理と電源異常チェック処理とをシステム入出力管理処理(M_SYSIO)として設定変更処理(S14)、電源再投入待ち処理(S17)及び設定確認処理(S20)の間で共通化することにより、プログラム容量を削減している。
以上のS12~S22が終了すると、メインループ処理(S23~S28)に移行する。このメインループ処理では、割込みを禁止し(S23)、各種乱数を更新し(S24)、全レジスタをスタック領域に退避させ(S25)、領域外処理(S26)を実行した後、全レジスタを復帰させて(S27)割込みを許可する(S28)という一連の処理を繰り返し実行する。これにより、例えば4ms周期でタイマ割込み処理が呼び出され、実行される。
ここで、領域外処理(S26)では、図25に示すように、まず領域内スタックポインタを退避させ(S61)、領域外RAMチェック処理(S62)を実行する。この領域外RAMチェック処理(S62)では、例えば図26に示すように、領域外RAMに異常があるか否かを判定し(S71)、領域外RAMに異常があると判定することを条件に(S71:Yes)、領域外RAMを初期化(クリア)する(S72)。
このように、メインループ中に領域外RAMに異常が発生した場合には領域外RAMは初期化されるが(S71,S72)、本実施形態では動作確認タイマは領域内RAMに記憶されているため、例えば動作確認タイマの値が0に達する前に領域外RAMに異常が発生しても動作確認タイマの値はクリアされない。
領域外RAMチェック処理(S62)に続いては性能表示集計除算処理(S63)を実行する。性能表示集計除算処理(S63)は、性能表示手段95に表示する特定情報(本実施形態ではベース値、6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率)を算出するものである。
ベース値については、アウト数が60000個(特定アウト数)に達するまでの特定対象期間中に、その特定対象期間中における「低確率状態でのセーフ数(払い出し数)」と「低確率状態でのアウト数」とをカウントし、前者を後者で除算することによりリアルタイムベース値を算出する。
60000個出玉率については、ベース値と同じ特定対象期間中に、その特定対象期間中における「セーフ数(払い出し数)」と「アウト数」とをカウントし、前者を後者で除算することによりリアルタイム出玉率を算出する。
一方、6000個出玉率、24000個出玉率については、アウト数が夫々6000個、24000個に達するまでの計測期間中に、夫々の計測期間中における「セーフ数」と「アウト数」とをカウントし、その計測期間終了時の「セーフ数」を「アウト数」で除算することによりその計測期間における出玉率を算出する。そして、それらの計測を特定対象期間中に複数セット繰り返し、その特定対象期間中における最大値を、その特定対象期間における6000個出玉率、24000個出玉率とする。従って、特定対象期間の開始後、アウト数が6000個、24000個に達するまでの期間中は、その特定対象期間における6000個出玉率、24000個出玉率は未計測となる。
性能表示集計除算処理(S63)の実行後は、領域内スタックポインタを復帰させ(S64)、領域外処理を終了する。
図27は、以上説明した電源投入処理において主制御基板82aからサブ制御基板83aに対して送信される主なコマンドとその送信順序とを、「設定変更」、「RAMクリア」、「設定確認」、「バックアップ復帰」、「RAM異常」の5種類の処理態様毎に示したものである。この図27より明らかなように、「設定変更」における設定変更開始コマンド(BA76H)及び設定変更終了コマンド(BA77H)、「設定確認」における設定確認開始コマンド(BA60H)及び設定確認終了コマンド(BA67H)、「RAM異常」における電源再投入コマンド(BA7FH)については各処理態様の場合にのみ送信されるが、それ以外のコマンドについては、複数の処理態様において共通に送信されるようになっている。
続いて、主制御基板82aのタイマ割込み処理(図28)について説明する。このタイマ割込み処理(図28)では、まず電源異常チェック処理(S81)を実行する。この電源異常チェック処理(S81)は、既に説明した図20に示す電源異常チェック処理と共通である。このように、電源投入処理とタイマ割込み処理とで電源異常チェック処理を共通化することによりプログラム容量の更なる削減が可能となっている。
電源異常チェック処理(S81)が終了すると、続いて遊技制御に用いられる各種タイマを管理するタイマ管理処理(S82)、各入賞手段に設けた遊技球検出手段や操作手段等の各種センサによる検出情報を管理する入力管理処理(S83)、設定値に関する異常チェックを行う設定異常チェック処理(S84)、各種エラーの発生を監視するエラー管理処理(S85)、大当り判定乱数等の各種乱数を更新する乱数更新処理(S86)、払出制御基板90aに払出制御コマンドを送信する等の賞球管理を行う賞球管理処理(S87)を実行する。
ここで、タイマ管理処理(S82)では、例えば動作確認タイマの減算処理も行われる。この動作確認タイマの減算処理は、例えば動作確認タイマの値が0になるまで行われる。動作確認タイマは、電源投入時の共通処理(S22)における作業領域初期設定処理(図22のSk12)において、初期値として動作確認時間(ここでは4800ms)に対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201がセットされているため、電源投入後の最初のタイマ管理処理(S82)で1減算され、4800msに対応する1200となる。
また、賞球管理処理(S87)に続いては、普通図柄管理処理(S88)、普通電動役物管理処理(S89)、特別図柄管理処理(S90)、特別電動役物管理処理(S91)を実行する。
普通図柄管理処理(S88)は、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を管理するもので、普通図柄始動手段61が遊技球を検出することに基づいて、当り判定乱数値等の普通乱数情報を取得すると共にその普通乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、普通図柄表示手段51が変動表示可能な状態となり且つ1個以上の普通乱数情報が記憶されていること(普通保留個数が1以上であること)を条件に、普通乱数情報の待ち行列からその先頭の当り判定乱数値を取り出し、その当り判定乱数値が予め定められた当り判定値と一致するか否かに応じて当り/はずれの判定(当り判定)を行うと共に、その当り判定結果に基づいて普通図柄の変動後の停止図柄及び変動時間を選択し、普通図柄表示手段51による普通図柄の変動を行うようになっている。
なお本実施形態では、後述する特別遊技状態中(時短状態中及び確変状態中)の当り確率がそれ以外の通常遊技状態中の当り確率よりも高く設定され、また特別遊技状態中における普通図柄の変動時間が通常遊技状態中よりも短くなるように設定されている。
また、普通電動役物管理処理(S89)は、普通利益状態を管理するもので、S88の当り判定結果が当りとなることに基づいて普通図柄表示手段51の変動後の停止図柄が当り態様となった場合に、第2特別図柄始動手段63の開閉部78を所定の開閉パターンに従って開状態に変化させる普通利益状態を発生させるようになっている。
なお本実施形態では、通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)と、この通常開閉パターンよりも開放時間が大となるように設定された延長開閉パターン(例えば2秒×3回開放)の2種類の開閉パターンが設定されており、通常遊技状態中は通常開閉パターンが、特別遊技状態中は延長開閉パターンが夫々選択されるようになっている。
特別図柄管理処理(S90)は、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を管理するもので、第1,第2特別図柄始動手段62,63が遊技球を検出することに基づいて、大当り判定乱数値、大当り図柄乱数値、その他の乱数値よりなる第1,第2特別乱数情報を取得すると共にその第1,第2特別乱数情報を予め定められた上限保留個数(例えば各4個)を限度として先入れ先出し式の記憶領域に記憶し、第1,第2特別図柄表示手段53,54が変動表示可能な状態となったときに、第2特別保留個数が1以上であれば第2特別乱数情報の待ち行列から、第1特別保留個数のみが1以上であれば第1特別乱数情報の待ち行列から、その先頭の大当り判定乱数値を取り出し、その大当り判定乱数値を用いた乱数抽選により所定の大当り確率で大当り/はずれの判定を行うと共に、その大当り判定結果に応じて、第1,第2特別図柄の停止図柄態様、演出図柄の変動パターン等を決定し、第1,第2特別図柄表示手段53,54による第1,第2特別図柄の変動を行うようになっている。
また、特別図柄管理処理では先読み判定処理も実行可能となっている。この先読み判定処理は、第1,第2特別図柄始動手段62,63に遊技球が入賞したときに取得する第1,第2特別乱数情報について、図柄変動に供されるよりも前の所定のタイミング、例えば第1,第2特別乱数情報の取得時に、その第1,第2特別乱数情報に含まれる大当り判定乱数値等について先読み判定を行うようになっている。
なお、例えば第1,第2特別保留個数が増加した場合には、例えば先読み判定結果に応じた保留加算コマンドをサブ制御基板83aに送信し、また第1,第2特別図柄の変動を開始する際には、保留減算コマンド、変動パターンに対応する変動パターンコマンド、停止図柄に対応する停止図柄コマンドをサブ制御基板83aに送信し、また第1,第2特別図柄の変動開始から変動パターンに対応する変動時間が経過して第1,第2特別図柄の変動を停止する際には変動停止コマンドをサブ制御基板83aに送信する。また、第1,第2特別図柄の変動が終了し且つその時点で第1,第2特別保留個数が共に0である場合には客待ち中コマンド(BA04H)をサブ制御基板83aに送信する。
ここで、大当り確率には低確率と高確率の2種類があり、後述する特別遊技状態のうちの確変状態中は高確率に、それ以外は低確率に夫々設定される。また本実施形態では、設定値を設定1~6の6段階に変更可能であり、その設定値に応じて大当り確率(低確率及び高確率)が6段階に変化する。大当り確率は、例えば設定値が大きいほど高くなっている。
また、演出図柄80の変動パターンには、リーチ状態が成立することなくはずれ態様となる通常変動パターン、リーチ状態を経てはずれ態様又は大当り態様となるリーチはずれ/大当り変動パターン等がある。通常変動パターンは、例えば変動時間が異なる複数種類設けられている。またリーチはずれ/大当り変動パターンについても、リーチ成立後のリーチ演出が例えばノーマルリーチ演出で終了するノーマルリーチはずれ/大当り変動パターン、ノーマルリーチ演出後にスーパーリーチ演出に移行するスーパーリーチはずれ/大当り変動パターン等の種類があり、更にそれら各リーチ変動パターンの種類毎に変動時間や演出内容が異なる複数種類設けられている。
また、例えば変動パターン選択処理では、大当り判定結果が大当りとなった場合には、大当り図柄乱数値等に基づいて大当りを通常4R,確変6R等の複数種類の中から選択するようになっている。大当りの種類は、例えば大当り遊技の種類(開放パターンの種類)と、大当り遊技の終了後に発生する特別遊技状態の種類等に応じて複数設けられている。例えば「通常4R」は、4Rの開放パターンによる大当り遊技の終了後に時短状態を発生させることとなる大当りで、大当り遊技中は例えば出玉ありのラウンドを4ラウンド行うようになっている。また例えば「確変6R」は、6Rの開放パターンによる大当り遊技の終了後に確変状態を発生させることとなる大当りで、大当り遊技中は例えば出玉ありのラウンドを6ラウンド行うようになっている。以下の説明では、終了後に確変状態を発生させない(時短状態を発生させる)大当り遊技を通常大当り遊技、終了後に確変状態を発生させる大当り遊技を確変大当り遊技という。
時短状態中は、例えば第1,第2特別図柄に関して第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動時間が通常変動時間よりも短い短縮変動時間に切り換えられる他、普通図柄に関して、当たり確率が通常確率から高確率へ、変動時間が通常変動時間から短縮変動時間へ、普通利益状態における第2特別図柄始動手段63の開閉パターンが通常開閉パターン(例えば0.2秒×1回開放)から特別開閉パターン(例えば2秒×3回開放)へ、夫々切り換えられるようになっている。なお、時短状態は大当り遊技が終了した時点で開始し、例えば第1,第2特別図柄が所定回数(例えば50回)変動するか、それまでに次の大当り遊技が発生した時点で終了する。
また、確変状態中は、例えば時短状態と同様の切り換えに加えて、大当り確率が低確率から高確率に切り換えられるようになっている。なお、確変状態は大当り遊技が終了した時点で開始し、例えば次の大当り遊技が発生した時点で終了する。
特別電動役物管理処理(S91)は、大当り遊技を管理するもので、大当り判定の結果が大当りとなり、第1,第2特別図柄表示手段53,54の変動後の停止図柄が大当り態様(特定態様)となった場合に、大入賞手段64を所定の開放パターンに従って開状態に変化させる大当り遊技(第1,第2特別利益状態)を発生させるようになっている。
特別電動役物管理処理(S91)に続いては、外部端子処理(S92)、LED管理処理(S93)を実行する。外部端子処理(S92)では、外部出力端子からホールコンピュータ等の外部装置に各種情報を出力するための処理を行う。本実施形態では、例えば設定確認処理(S20)の開始時等において不正情報タイマに初期値(例えば30秒に対応する値)をセットするようになっているが、この外部端子処理(S92)では、その不正情報タイマを減算しつつ、その値が0になるまで(即ち例えば30秒経過するまで)外部出力端子からセキュリティ信号を出力するようになっている。
またLED管理処理(S93)は、遊技情報表示手段50、性能表示手段95(性能情報表示手段97)等を構成するLEDの発光管理を行うものである。本実施形態では遊技情報表示手段50と性能情報表示手段97とについてダイナミック点灯方式により駆動制御を行うようになっている。
LED管理処理(S93)では、図29に示すように、まずLEDコモンポートとLEDデータポートにクリア信号を出力して同ポートをクリアし(S101)、LED出力カウンタをインクリメントする(S102)。そして、LEDコモン出力選択テーブル(図30(a))から、LED出力カウンタの値に対応するコモンデータを選択し(S103)、そのコモンデータをLEDコモンポートに出力する(S104)。
本実施形態のLEDコモン出力選択テーブルでは、図30(a)及び図9に示すように、コモンC0とコモンC4とをONにする第1コモンデータと、コモンC1とコモンC5とをONにする第2コモンデータと、コモンC2とコモンC6とをONにする第3コモンデータと、コモンC3とコモンC7とをONにする第4コモンデータの4種類のコモンデータが設けられており、それら第1~第4コモンデータが、LED出力カウンタの増加に応じてその順序で循環的に選択されるようになっている。
これにより、1割込み毎(ここでは4ms毎)に、遊技情報表示手段50の点灯対象はLEDグループ50a→50b→50c→50d→50a→…のように順次変化し、同様に性能表示手段95(性能情報表示手段97)の点灯対象は7セグ表示部97a→97b→97c→97d→97a→…のように順次変化する。
続いて、LED出力カウンタについて、最下位を第0ビットとしたときの第5ビットの値を判定し(S105)、その値に応じて2つのLEDデータ出力情報テーブルA,B(図30(b))の何れかを選択する(S106a,106b)。これにより、割込み32回(128ms)毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えることができる。もちろん、割込み何回毎にLEDデータ出力情報テーブルを切り替えるかは任意である。
ここで、LEDデータ出力情報テーブルA,Bは、遊技情報表示手段50に接続されるLEDデータポート1に対応しており、図30に示すように夫々第1~第4コモンデータに対応する第1~第4LEDデータA0~A3,B0~B3が設けられている。即ち、第1LEDデータA0,B0は、コモンC0に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50a(第1特別図柄表示手段53)のLEDデータであり、第2LEDデータA1,B1は、コモンC1に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50b(第2特別図柄表示手段54)のLEDデータであり、第3LEDデータA2,B2は、コモンC2に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50c(特別保留個数表示手段55等)のLEDデータであり、第4LEDデータA3,B3は、コモンC3に対応する遊技情報表示手段50のLEDグループ50d(普通図柄表示手段51等)のLEDデータである。
LEDデータ出力情報テーブルA,Bの何れかを選択すると(S106a,S106b)、そのLEDデータ出力情報テーブルからLED出力カウンタの値に対応するLEDデータを選択し(S107)、そのLEDデータをLEDデータポート1に出力し(S108)、LED管理処理を終了する。
以上の処理により、遊技情報表示手段50の4つのLEDグループ50a~50dを4ms毎に順次切り替えつつ点灯させることができ、しかも同一グループで2種類の表示態様を128ms毎に切り替えることができる。
図28のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明したLED管理処理(S93)が終了すると、全レジスタの内容をスタック領域に退避させた後(S94)、性能表示手段95による表示を行うための性能表示更新処理(S95)を実行する。この性能表示更新処理(S95)により、性能表示手段95が全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示が所定の動作確認時間(例えば約5秒間)行われた後、性能表示集計除算処理(図25のS63)で算出される特定情報(本実施形態ではベース値、6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率の4種類)が性能表示手段95に表示される。
このように、性能表示手段95の動作確認表示は、タイマ割込みのLED管理処理(S93)において実行されるため、その開始時期は、設定変更終了後に所定時間(例えば約1秒)行われる設定表示手段94による設定変更確定表示の終了後となる。なお、性能表示手段95の動作確認表示後は、例えば扉(前枠3)開放中等の所定期間のみベース値の表示を行うようにしてもよい。
性能表示手段95による特定情報の表示は、特定情報の種類等を示す「識別表示」と、特定情報の数値等を示す「数値表示」とで行われる。識別表示は、2桁の7セグ表示部で表示可能となっており、図35等に示すように、各特定対象期間TL,T1~T3毎、各特定情報毎に個別の記号が割り当てられている。例えば現特定対象期間TLに対応するベース値BLを表示する場合の識別表示は「bL.」、3回前の特定対象期間T3に対応する60000個出玉率を表示する場合の識別表示は「P3.」となる。
数値表示は、2桁又は3桁の7セグ表示部で表示可能となっており、本実施形態では、ベース値は2桁、6000個出玉率、24000個出玉率及び60000個出玉率は3桁で表示する。特定情報の値は例えば小数第一位を四捨五入した上で表示するが、ベース値の場合、四捨五入後の値が3桁以上の場合には、その値ではなくオーバーフローを示す「99.」等を表示する。また、特定情報の値が未計測等の場合の数値表示は「--」,「---」とする。
このように、本実施形態では特定情報の種類によって数値表示の桁数が異なっているため、特定情報の種類に応じて識別表示と数値表示の表示形態を異ならせている。即ち、特定情報としてベース値を表示する場合には、識別表示と数値表示の表示に要する桁数は計4桁で性能表示手段95の桁数と一致するため、図40(a)に示すように、性能表示手段95を構成する4つの7セグ表示部97a~97dのうち、上位2桁の7セグ表示部97d,97cで識別情報を、下位2桁の7セグ表示部97b,97aで数値表示を同時に表示する。一方、特定情報として6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率を表示する場合には、識別表示と数値表示の表示に要する桁数は計5桁で性能表示手段95の桁数を超えているため、図40(b)に示すように、識別表示と数値表示とを所定時間(例えば2.5秒)ずつ交互に表示する。なお図40(b)の例では、識別表示には上位2桁の7セグ表示部97d,97cを使用し、数値表示には下位3桁の7セグ表示部97c,97b,97aを使用しているが、識別表示、数値表示に使用する7セグ表示部は任意である。
性能表示手段95による各特定情報の具体的な表示内容を図36~図39に基づいて説明する。図36に示すように、現特定対象期間TLに対応するベース値BLを表示する場合には、識別表示として「bL.」を表示し、数値表示としてその時点のリアルタイムベース値を表示するが、その時点の特定対象期間におけるアウト数が所定閾値(例えば6000個)に達しているか否かに応じて、識別表示「bL.」の表示態様を例えば点灯と点滅とで異ならせるようになっている。
また、1回~3回前の特定対象期間T1~T3に対応するベース値B1~B3を表示する場合には、識別表示として「b1.」~「b3.」を表示し、数値表示として1回~3回前の特定対象期間における最終ベース値を表示するが、未だそれら過去の特定対象期間におけるベース値が得られていない場合には、例えば識別表示「b1.」~「b3.」を点滅表示すると共に数値表示を「--」とする。例えば初回電源投入後の第1特定対象期間が終了するまでは、1回~3回前の特定対象期間におけるベース値は何れも得られていないため、第1特定対象期間中にベース値B1~B3を表示する場合の性能表示手段95の表示は「b1.--」~「b3.--」となる。
なお、第1特定対象期間が始まる前の計測前期間中(アウト数が300個未満)については、識別表示「bL.」,「b1.」~「b3.」を例えば点滅表示し、数値表示は例えば「--」とする。
また図37に示すように、現特定対象期間TLに対応する6000個出玉率D1Lを表示する場合には、識別表示として「1L.」を表示し、数値表示としてその時点の特定対象期間における6000個出玉率の最大値を表示するが、その時点の特定対象期間中における6000個出玉率の最大値が得られたか否か(1セット目の6000個計測期間が経過したか否か)に応じて識別表示、数値表示の表示態様を異ならせている。即ち、その時点の特定対象期間中における1セット目の計測期間(アウト数6000個)が経過するまでは、識別表示「1L.」を点滅させるとともに数値表示を「---」とし、1セット目の計測期間(アウト数6000個)の経過後は、識別表示「1L.」を点灯させるとともに数値表示としてその特定対象期間における6000個出玉率の最大値を表示する。
また、1回~3回前の特定対象期間T1~T3に対応する6000個出玉率D11~D13を表示する場合には、識別表示として「11.」~「13.」を表示し、数値表示として1回~3回前の特定対象期間における6000個出玉率の最大値を表示するが、未だそれら過去の特定対象期間における6000個出玉率が得られていない場合には、例えば識別表示「11.」~「13.」を点滅表示すると共に数値表示を「---」とする。例えば初回電源投入後の第1特定対象期間が終了するまでは、1回~3回前の特定対象期間における6000個出玉率は何れも得られていないため、第1特定対象期間中に6000個出玉率D11~D13を表示する場合の性能表示手段95の表示は「11.」(点滅)→「---」~「13.」(点滅)→「---」となる。
なお、第1特定対象期間が始まる前の計測前期間中(アウト数が300個未満)については、識別表示「1L.」,「11.」~「13.」を例えば点滅表示し、数値表示は例えば「---」とする。
また図38に示すように、現特定対象期間TLに対応する24000個出玉率D4Lを表示する場合には、識別表示として「4L.」を表示し、数値表示としてその時点の特定対象期間における24000個出玉率の最大値を表示するが、その時点の特定対象期間中における24000個出玉率の最大値が得られたか否か(1セット目の計測期間(アウト数24000個)が経過したか否か)に応じて識別表示、数値表示の表示態様を異ならせている。即ち、その時点の特定対象期間中における1セット目の計測期間(前の特定対象期間中に開始された場合を含む)が経過するまでは、識別表示「4L.」を点滅させるとともに数値表示を「---」とし、1セット目の計測期間の経過後は、識別表示「4L.」を点灯させるとともに数値表示としてその特定対象期間における24000個出玉率の最大値を表示する。
また、1回~3回前の特定対象期間T1~T3に対応する24000個出玉率D41~D43を表示する場合には、識別表示として「41.」~「43.」を表示し、数値表示として1回~3回前の特定対象期間における24000個出玉率の最大値を表示するが、未だそれら過去の特定対象期間における24000個出玉率が得られていない場合には、例えば識別表示「41.」~「43.」を点滅表示すると共に数値表示を「---」とする。例えば初回電源投入後の第1特定対象期間が終了するまでは、1回~3回前の特定対象期間における24000個出玉率は何れも得られていないため、第1特定対象期間中に24000個出玉率D41~D43を表示する場合の性能表示手段95の表示は「41.」(点滅)→「---」~「43.」(点滅)→「---」となる。
なお、第1特定対象期間が始まる前の計測前期間中(アウト数が300個未満)については、識別表示「4L.」,「41.」~「43.」を例えば点滅表示し、数値表示は例えば「---」とする。
また図39に示すように、現特定対象期間TLに対応する60000個出玉率DPLを表示する場合には、識別表示として「PL.」を表示し、数値表示としてリアルタイム出玉率を表示するが、その時点の特定対象期間におけるアウト数が所定閾値(例えば6000個)に達しているか否かに応じて、識別表示「PL.」の表示態様を例えば点灯と点滅とで異ならせるようになっている。
また、1回~3回前の特定対象期間T1~T3に対応する60000個出玉率DP1~DP3を表示する場合には、識別表示として「P1.」~「P3.」を表示し、数値表示として1回~3回前の特定対象期間における最終出玉率を表示するが、未だそれら過去の特定対象期間における出玉率が得られていない場合には、例えば識別表示「P1.」~「P3.」を点滅表示すると共に数値表示を「---」とする。例えば初回電源投入後の第1特定対象期間が終了するまでは、1回~3回前の特定対象期間における60000個出玉率は何れも得られていないため、第1特定対象期間中に60000個出玉率DP1~DP3を表示する場合の性能表示手段95の表示は「P1.」(点滅)→「---」~「P3.」(点滅)→「---」となる。
なお、第1特定対象期間が始まる前の計測前期間中(アウト数が300個未満)については、識別表示「PL.」,「P1.」~「P3.」を例えば点滅表示し、数値表示は例えば「---」とする。
また本実施形態では、性能表示手段95の表示切替を、RAMクリアスイッチ92を用いた操作入力に基づいて行うようになっている。即ち、RAMクリアスイッチ92の操作入力として「長押し」(第1操作入力)と「短押し」(第2操作入力)の2種類を設け、図41に示すように、「長押し」の操作入力に基づいて特定対象期間を切り替え、「短押し」の操作入力に基づいて特定情報の種類を切り替えるようになっている。このように、本実施形態の第1操作入力と第2操作入力は、操作手段(RAMクリアスイッチ92)が同じで操作態様(長押し/短押し)が異なっている。
なお、「長押し」により特定対象期間を切り替えたときの初期位置は予め定められており、本実施形態ではベース値BL、B1~B3が特定対象期間切り替え後の初期位置に設定されている。また、最初の操作入力が検出されるまでの当初初期位置についても予め定められており、本実施形態ではベース値BLが当初初期位置に設定されている。また、「長押し」、「短押し」等の操作入力を行うための操作手段はRAMクリアスイッチ92に限られるものではなく、例えば演出ボタン36等を用いてもよいし、性能表示手段95の表示切替専用の操作手段を別途設けてもよい。
RAMクリアスイッチ92の「長押し」と「短押し」の判定方法は任意であるが、本実施形態では図42に示すように、RAMクリアスイッチ92に関するON検出の連続回数(継続時間)をカウントし、RAMクリアスイッチ92のオフエッジを検出したときに、その時点のカウント値が所定の閾値に達しているか否かで「長押し」と「短押し」を判定するようになっている。このように、RAMクリアスイッチ92の押下終了時に「長押し」か「短押し」かを判定することにより、「長押し」と「短押し」との何れかを択一的に選択可能である。
続いて、性能表示更新処理(S95)について説明する。性能表示更新処理(S95)では、図31に示すように、まず全レジスタを退避させた後(S111)、表示更新処理(S112)により、表示出力バッファに表示パターンデータをセットし、続く表示データ出力処理(S113)により、表示出力バッファにセットされた表示パターンデータを、LED管理処理(図29)で選択されたコモン(7セグ表示部)に応じてLEDデータポート2(図9)に出力することにより、性能表示手段95に所定の表示を行う。そして、試射試験信号出力処理(S114)を実行し、全レジスタを復帰させて(S115)終了する。
また表示更新処理(S112)では、図32に示すように、まず動作確認タイマが0であるか否かを判定し(S121)、動作確認タイマが0でなければ(S121:No)、性能表示手段95が全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示を実行(既に実行中の場合は継続)し(S122)、表示更新処理を終了する。本実施形態の動作確認タイマは、電源投入時の作業領域初期設定処理(図22のSk12)で、初期値として4800msに対応するタイマ値に1を加算した値、具体的には1201がセットされ、その後の1回目のタイマ管理処理(S82)で1減算されるため、電源投入後1回目の表示更新処理(S112)の時点では動作確認タイマの値は4800msに対応する1200となっている。従って、動作確認タイマが0になるまでS122の処理を実行することにより、動作確認表示が4.8秒間継続的に行われる。
S121で動作確認タイマが0であれば(S121:Yes)、動作確認表示の終了後1回目の表示更新処理であるか否かを判定し(S123)、1回目の表示更新処理であれば(S123:Yes)、表示対象の初期化を行う(S124)。本実施形態では、図41に示すように表示対象として初期位置に対応するベース値BLが設定される。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。これにより、性能表示手段95には、ベース値BLが図36に示すような表示態様で初期表示される。なお、本実施形態では識別表示が点滅する場合があるが、その点滅表示処理の詳細については省略する。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、RAMクリアスイッチ92について長押し/短押しの何れかの操作入力を検出したか否かを判定する(S125,S128)。そして、長押しの操作入力(第1操作入力)を検出した場合には(S125:Yes)、図41に二重線矢印で示すように、表示対象に係る特定対象期間を1段階変更する(S126)。例えば長押し前の特定対象期間がTLであった場合には、長押し後の特定対象期間はT1となる。なお、このS126が、対象期間を切り替える対象期間切替処理の一例である。そして、変更後の特定対象期間に対応して表示対象を初期化する(S127)。本実施形態では、図41に示すように、長押し後の特定対象期間に対応する表示対象として初期位置に対応するベース値が設定される。例えば、長押し後の特定対象期間がT1であれば、表示対象はベース値B1となる。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
なお、RAMクリアスイッチ92の長押しにより特定対象期間が変更されても特定情報の種類は初期化しない(S127を実行しない)ように構成してもよい。例えば、長押し前の表示対象が6000個出玉率D1Lであり、長押しにより特定対象期間がTLからT1に変更された場合、特定情報の種類は6000個出玉率のまま変更せず、表示対象を6000個出玉率D11としてもよい。
一方、RAMクリアスイッチ92について短押しの操作入力(第2操作入力)を検出した場合には(S128:Yes)、図41に一重線矢印で示すように、現在の表示対象に係る特定対象期間のままで、表示対象に係る特定情報の種類を1段階変更する(S129)。例えば短押し前の特定情報がベース値BLであった場合には、短押し後の特定情報は6000個出玉率D1Lとなり、短押し前の特定情報が60000個出玉率DP3であった場合には、短押し後の特定情報はベース値B3となる。なお、このS129が、特定情報の種類を切り替える特定情報切替処理の一例である。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。なお本実施形態では、6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率を表示対象とする場合には、識別表示と数値表示とを所定時間(例えば2.5秒)ずつ交互に表示するようになっているが(図40(b))、その交互表示処理の詳細については省略する。
なお、RAMクリアスイッチ92の操作入力によって表示対象が初期位置から変更された後、所定の初期化条件が成立した場合には、表示対象を初期位置に復帰させるようにしてもよい。この場合の初期化条件としては、RAMクリアスイッチ92の操作入力が一定期間検出されないこと、初期化に係る操作入力(例えば「長押し」よりも長い「超長押し」)が検出されること、扉開放スイッチ44がON→OFFになること(前枠3が閉鎖されること)等が考えられる。
RAMクリアスイッチ92の操作入力が検出されない場合には(S128:No)、表示対象の切り替えは行われず、それまでと同じ表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
図28のタイマ割込み処理に戻って説明を続ける。以上説明した性能表示更新処理(S95)が終了すると、退避していたレジスタの内容を復帰させ(S96)、WDTをクリアして(S97)、タイマ割込み処理を終了する。
続いて、サブ制御基板83aの制御動作について説明する。サブ制御基板83aは、液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、枠第1可動演出手段26、枠第2可動演出手段27、送風手段28、盤可動演出手段67等の各種演出手段による演出を制御するもので、図8(b)に示すように、電源投入時制御手段101、特別保留個数表示制御手段102、先読み予告演出制御手段103、図柄変動演出制御手段104、通常予告演出制御手段105等を備えている。
電源投入時制御手段101は、電源投入時に主制御基板82aから各種制御コマンドを受信することに基づいて液晶表示手段66等の各種演出手段を制御するようになっている。
図43,図44は、主制御基板82aからの主な受信コマンドとそれに対応する液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段26,27,67の作動内容とを処理態様毎に示したもので、図43が「設定変更」及び「RAMクリア」の場合を、図44が「バックアップ復帰」、「設定確認」及び「RAM異常」の場合を示している。
また、図45は、電源投入時に主制御基板82aから送信される各種制御コマンドのうち、電源投入時コマンド(BA08H)とイニシャライズコマンド(BA01H)とに関し、受信時のサブ側における具体的な処理内容を、液晶表示に関する処理とその他の演出に関する処理とに分けて示したものである。電源投入時コマンド(BA08H)とイニシャライズコマンド(BA01H)とは、何れも電源投入時の初期化処理等の契機となるコマンドであり、電源投入時にサブ制御基板83a側で実行される各種初期化処理等は、その性格に応じて、設定変更処理等の前に送信される電源投入時コマンド(BA08H)を受信したときと、設定変更処理等の後に送信されるイニシャライズコマンド(BA01H)を受信したときとの少なくとも一方で実行される。
まず、処理態様が「設定変更」の場合について説明する。この場合、設定変更処理の実行前にまず電源投入時コマンド(BA08H)を受信する。電源投入時コマンド(BA08H)を受信すると、図45に示すように、液晶表示手段66に関して各表示レイヤーに対応する情報が初期化され、その上で、起動画面に対応する表示レイヤーに、「Please Wait」等の画像情報がセットされる。これにより、図43に示すように、液晶表示手段66に「Please Wait」等の画像が表示される。
液晶表示手段66に関する各種画像情報は、その種類に応じて多数の表示レイヤーに分けて格納される。全ての表示レイヤーには優先順位が割り当てられており、例えばエラー表示に対応する表示レイヤーは、背景画像等、その他の表示レイヤーよりも高い優先順位に設定されているため、エラー表示は他の画像に優先してそれらの前側に表示される。なお、電源投入時には何れの表示レイヤーに関しても画像情報は記憶されていないが、念のため「ごみ」を除去するべく、起動画面の表示前に各表示レイヤーに対応する情報を初期化するようになっている。
また液晶表示以外の演出に関しては、図45に示すように、電源投入時コマンド(BA08H)の受信時に消灯及び消音の設定が行われ、また可動体の原点復帰処理が行われる。これにより、図43に示すように、電飾手段96は全て消灯し、スピーカ18,25は消音状態となる。また、可動演出手段26,27,67等の可動体26a,27a,67aについては、原点位置にあった場合はそのまま原点位置に維持されるため外見上の変化はないが、何らかの原因で原点位置をはずれていた場合には原点位置への復帰動作が行われる。
このように、電源投入時コマンド(BA08H)の受信時に可動体の原点復帰処理を実行することにより、可動体が液晶表示手段66の前まで降下して画像の視認性を妨げるような不都合を防止できる。また、原点復帰処理であれば短時間で終了するため、続いて行われる設定変更処理等の妨げになることもない。なお、一部の可動体、例えば液晶表示手段66の視認性を阻害する可能性のある盤可動体67aに対してのみ、電源投入時コマンド(BA08H)の受信時に原点復帰処理を実行するように構成してもよい。
続いて、設定変更開始コマンド(BA76H)を受信すると、図43に示すように、液晶表示手段66に設定変更期間中であることを示す「設定変更中」等の文字情報が表示されると共に、電飾手段96が例えば所定の設定変更中パターンで発光し、スピーカ18,25からは所定の設定変更中音が出力されるが、可動演出手段26,27,67についてはそれまでの状態を継続する。そして、その後に設定変更終了コマンド(BA77H)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段26,27,67の何れについてもそれまでの状態を維持する。なお、設定変更終了コマンド(BA77H)を受信したとき、液晶表示手段66に表示中の「設定変更中」等の文字情報を消去し、電飾手段96の設定変更中パターンでの発光を終了して消灯し、スピーカ18,25からの設定変更中音の出力を停止してもよい。
なお本実施形態では、設定変更処理の前に行う初期設定処理を必要最小限に制限して設定変更処理がなるべく速やかに実行されるようにしているため、設定変更処理中の電飾発光や音声出力については音量/光量に関する初期設定前に行われるが、音量/光量に関する初期設定処理は設定変更処理前、即ち電源投入時コマンド(BA08H)の受信時に実行するように構成してもよい。
設定変更処理の終了後にイニシャライズコマンド(BA01H)を受信すると、図45に示すように、液晶表示手段66に関して各表示レイヤーに対応する情報が改めて初期化される。これにより、図43に示すように液晶表示手段66の表示画面がクリアされ、「設定変更中」等の画像は消去される。なお、液晶表示手段66に関する各表示レイヤーに対応する情報の初期化処理は、電源投入時コマンド(BA08H)の受信時と、イニシャライズコマンド(BA01H)の受信時との何れか一方のみで実行してもよい。
また液晶表示以外の演出に関しては、図45に示すように、イニシャライズコマンド(BA01H)の受信時に、シナリオ、サウンド、ランプ、モータに関するスケジューラが初期化され、またソレノイド、モータ、センサ、サウンド、ランプに関するドライバ出力データが初期化され、また各種演出情報が初期化される。この各種演出情報には、カスタマイズ系の演出情報と遊技情報系の演出情報とがある。
カスタマイズ系の演出情報は、遊技者等によるカスタマイズが可能な演出情報であって、例えばキャラクタ選択情報、遊技モード選択情報、音量/光量表示設定情報等が該当する。キャラクタ選択情報は、演出に登場するキャラクタを複数種類の中から選択可能である場合のキャラクタの選択情報で、初期化することによってデフォルトのキャラクタに設定される。遊技モード選択情報は、複数の遊技モードに変更可能である場合の遊技モードの選択情報で、初期化することによってデフォルトの遊技モードに設定される。音量/光量表示設定情報は、遊技者が音量調整操作手段38、光量調整操作手段39を操作して音量/光量を調整する際に行われる音量/光量の報知表示に関する設定情報で、初期化することによってデフォルトの表示状態に設定される。この音量/光量表示設定情報に関しては、待機中の通常表示と図柄変動中の簡易表示等、音量/光量の報知表示に複数種類の表示態様が存在する場合には、それら全ての表示態様について初期化される。
また遊技情報系の演出情報は、大当り情報、保留個数情報、図柄情報、獲得賞球数情報、連荘回数情報等、各種遊技情報に関する演出情報であって、初期化することによってデフォルトの演出状態に設定される。
また図45に示すように、可動演出手段26,27,67に関しては可動体26a,27a,67aの初期動作(イニシャライズ)が行われる。この初期動作(イニシャライズ)は、電源投入時コマンド(BA08H)の受信時に行われる原点復帰動作とは異なり、可動体26a,27a,67aの動作確認を行った上で原点位置に復帰させるようになっている。
また、音源ICやRTC(Real Time Clock)、サイドユニット29等に関するエラー検出及びエラーフラグの設定処理が行われる。サイドユニット29に関しては、サイドユニット接続検出手段99がOFFであればサイドユニット接続不良と判定し、サイドユニット接続不良に対応するエラーフラグをセットする。これにより、例えば液晶表示手段66に「サイドユニットが接続されていません」等のエラー報知画像が他の画像に優先して表示される。なお、音源IC、RTC、サイドユニット29に関するエラーはサブ制御基板83a側のエラーであって主制御基板82a側では関知していないため、サイドユニット接続不良等のエラーが検出されてもエラー報知は行われるが遊技は通常通り進行し、もちろんその前の設定変更処理も通常通り行われる。このように、それらのエラー判定等を設定変更処理の後に行うことにより、設定変更とは無関係のエラーに関するエラー報知が設定変更操作に影響を与えることを防止できる。
また、第4図柄ランプや音量/光量の初期設定が行われると共に、消灯及び消音の設定が行われる。第4図柄ランプ(図示省略)は、第1,第2特別図柄の変動に対応して所定の表示態様で発光するようになっており、初期設定により例えば変動待機中の表示態様に設定される。
音量/光量のうち、音量については、遊技機本体1の後側(例えばサブ制御基板83a)に設けられたダイヤル状、その他の第1音量調整操作手段(図示省略)より得られるホール設定値と、遊技機本体1の前側に設けられた音量調整操作手段38より得られる遊技者設定値と、予め記憶された音量テーブルとに基づいて、複数段階、例えば0(無音)から31(最大音量)までの32段階の何れかに設定されるようになっている。音量テーブルには、例えば図46に示すように、第1音量調整操作手段によるT0~T9の10段階のホール設定値と、音量調整操作手段38によるM1~M5の5段階の遊技者設定値とに対応する音量の割り当てが設定されると共に、ホール設定値毎に遊技者設定値の初期位置が設定されている。音量に関する初期設定では、第1音量調整操作手段からホール設定値を取得し、このホール設定値と音量テーブルとに基づいて、遊技者設定値を取得・設定する。例えばホール設定値がT5であれば、遊技者設定値の初期値はM3となり、音量の初期値は13となる。
一方、光量については光量調整操作手段39による遊技者設定値のみに基づいて決定されるため、光量の初期設定では遊技者設定値が予め定められた初期値(例えば3段階のうちの第2段階)に設定される。
イニシャライズコマンド(BA01H)の受信時には以上のような処理を実行することにより、図43に示すように、液晶表示手段66ではそれまでの画面表示がクリアされ、電飾手段96は全消灯状態、スピーカ18,25は消音状態となり、可動演出手段26,27,67等の可動体26a,27a,67aについては初期動作(イニシャライズ)が行われる。
そして、RAMクリアコマンド(BA02H)を受信すると、液晶表示手段66に演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)が表示されると共に、電飾手段96が全て点灯され、スピーカ18,25からは所定のRAMクリア音が出力され、可動演出手段26,27,67については、初期動作(イニシャライズ)が終了するまではこれが継続される。その後に設定値コマンド(F6xxH)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段26,27,67の何れについてもそれまでの状態が維持される。
そして、その後に客待ち中コマンド(BA04H)を受信すると、液晶表示手段66の表示については、例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまでそのまま継続され、電飾手段96は例えば所定の客待ちパターンで発光され、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGM出力が継続され、可動演出手段67についてはそれまでの状態が継続される。
また処理態様が「RAMクリア」の場合については、図43に示すように、電源投入時コマンド(BA08H)、イニシャライズコマンド(BA01H)、RAMクリアコマンド(BA02H)、設定値コマンド(F6xxH)及び客待ち中コマンド(BA04H)を受信したときに、夫々「設定変更」の場合と同様の処理が行われる。
また処理態様が「バックアップ復帰」の場合については、図44に示すように、電源投入時コマンド(BA08H)、イニシャライズコマンド(BA01H)を受信したときに設定変更時と同様の処理(図43参照)が行われた後、停電復帰表示コマンド(BA03H)を受信したとき、液晶表示手段66に、遊技の再開を促すための「停電から復帰しました 遊技を再開してください」等の文字情報が表示されるが、電飾手段96については例えば全消灯が維持され、スピーカ18,25については消音状態が維持され、また可動演出手段26,27,67については例えば初期動作が継続される。その後、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値コマンド(F6xxH)、状態指定コマンド(FAxxH~FDxxH)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段26,27,67の何れについてもそれまでの状態が維持される。そして、客待ち中コマンド(BA04H)を受信したときには、液晶表示手段66には例えば180秒経過後にデモ表示を開始するまで演出図柄80による所定の図柄態様、例えば「2・3・7」(低確画面)が表示され、電飾手段96が例えば所定の客待ちパターンで発光し、スピーカ18,25からは例えば30秒経過後にフェードアウトするまでBGMが出力され、可動演出手段26,27,67についてはそれまでの状態が継続される。
このバックアップ復帰時には、電断前の状態で復帰することになるため、例えば電断前における遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報が大当りの停止態様であった場合には、バックアップ復帰後も大当りの停止態様で復帰することとなる。ここで、設定変更処理が実行された場合に、RAMクリア処理後、遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報として、はずれの停止態様を示す値や、非点灯を示す値、その他の特定値(遊技中には使用しない表示態様)を設定するようにすると、バックアップ復帰時の特別図柄の表示態様と矛盾が生じ、これによりバックアップ復帰されたか(すなわち非設定変更)、設定変更処理が行われたかを遊技者が判別可能となる。これは、遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報だけに限らず、普通図柄の情報に関しても同様のことが言える。そこで、バックアップ復帰時に、特別図柄が変動中か否かの情報を確認して、変動中ではないと判断した場合には、遊技情報表示手段50が示す特別図柄の表示態様を、設定変更の場合と同じはずれの停止態様に設定することで、仮にバックアップ復帰時に遊技情報表示手段50が示す特別図柄の情報が当りを示す表示態様であったとしても、はずれの停止態様を示す値や、非点灯を示す値、その他の特定値(遊技中には使用しない表示態様)に書き換えることができるので、設定変更処理が行われた際との矛盾が生じない。
ここで、特別図柄が変動中か否かの情報を確認することとしたのは、仮に特別図柄が変動中であった場合には、変動中の特別図柄の情報をはずれに書き換えてしまうこととなり、仮にその変動が当りの変動であった場合には、当りをはずれ態様で表示してしまうという矛盾を発生させてしまうからである。このような矛盾は、遊技機として市場に提供可能な基準を満たしているとは到底言えず、絶対に発生させてはいけない事象であるので、上述の様な構成としている。このように、バックアップ復帰時に、特別図柄の情報を参照して特定の条件(非変動中や客待ち中など)を満たす場合には、遊技情報表示手段50の特別図柄の情報を書き換えるようにしてもよく、これにより特定の条件(電断前の状態が非変動中や客待ち中など)を満たしたバックアップ復帰時と、RAMクリア時や設定変更時とで、同様の情報を遊技情報表示手段50の特別図柄の表示態様として指定することができ、設定変更処理がなされたか否かの判別を困難にすることが可能となる。また、特別図柄の情報に限らず、特別図柄の非変動中にしか発生し得ない客待ち状態中か否かを参照することで、同様の構成とするようにしてもよい。また、特別図柄だけに限らず、遊技情報表示手段50が示す普通図柄についても同様の構成としておくことが望ましい。これにより、特別図柄と同様に普通図柄についてもバックアップ復帰時と設定変更時とで表示態様に矛盾が生じないように構成することが可能となる。
また処理態様が「設定確認」の場合については、図44に示すように、電源投入時コマンド(BA08H)を受信したときに設定変更時と同様の処理が行われた後、設定確認開始コマンド(BA60H)を受信したときに、液晶表示手段66に設定確認期間中であることを示す「設定確認中」等の文字情報が表示されると共に、電飾手段96が例えば所定の設定確認中パターンで発光し、スピーカ18,25からは所定の設定確認中音が出力されるが、可動演出手段26,27,67についてはそれまでの状態が継続される。その後に設定確認終了コマンド(BA67H)を受信したときには例えば液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段67の何れについてもそれまでの状態が維持される。そして、イニシャライズコマンド(BA01H)、停電復帰表示コマンド(BA03H)、第1,第2特別保留個数指定コマンド(B0xxH,B1xxH)、設定値コマンド(F6xxH)、状態指定コマンド(FAxxH~FDxxH)、客待ち中コマンド(BA04H)の受信時における各演出手段の演出態様はバックアップ復帰時と同様である。なお、例えば設定確認終了コマンド(BA67H)を受信したとき、液晶表示手段66に表示中の「設定確認中」等の文字情報を消去し、電飾手段96の設定確認中パターンでの発光を終了して消灯し、スピーカ18,25からの設定確認中音の出力を停止してもよい。
また処理態様が「RAM異常」の場合については、図44に示すように、電源投入時コマンド(BA08H)を受信したときに設定変更時と同様の処理が行われた後、電源再投入コマンド(BA7FH)を受信したときに、液晶表示手段66に電源の再投入を促すための「RAMエラー 電源再投入して設定を1に決定してください」等の文字情報が表示されるが、電飾手段96、スピーカ18,25、可動演出手段26,27,67についてはそれまでの状態が維持されるようになっている。
特別保留個数表示制御手段102は、液晶表示手段66への第1,第2特別保留個数の表示制御を行うもので、第1,第2特別保留個数の増減に対応して、第1特別保留個数分(最大4個)の第1保留画像X1~X4と、第2特別保留個数分(最大4個)の第2保留画像Y1~Y4と、変動中の第1,第2特別図柄に対応する変動中保留画像Zとを液晶表示手段66に表示するように構成されている。
本実施形態では、第1特別図柄の保留記憶よりも第2特別図柄の保留記憶を優先的に消化するため、保留表示に関しても第2特別図柄側を優先し、図5に示すように第1保留画像X1~X4の前側に第2保留画像Y1~Y4を夫々一部重ねて表示している。主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留加算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の最後尾に1個追加表示する。また、主制御基板82aから第1,第2特別保留個数に関する保留減算コマンドを受信した場合には、第1,第2保留画像X1~,Y1~を待ち行列の前側に向けて1個分ずつシフトすると共に、押し出された先頭の第1,第2保留画像X1,Y1を例えば所定位置まで移動させて変動中保留画像Zに変化させるようになっている。なお本実施形態では、第1,第2保留画像X1~,Y1~、変動中保留画像Zの表示色(表示態様)については例えば「白」をデフォルトとし、後述する保留変化予告を実行する場合には先読み予告演出制御手段103で選択されたシナリオに従って変化させるようになっている。
先読み予告演出制御手段103は、先読み予告演出を制御するものである。先読み予告演出は、主制御基板82aによる先読み判定結果に基づいて、第1,第2特別図柄の変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様となって大当り遊技が発生するか否か等を予告するもので、先読み判定結果に基づいて、その先読み判定の対象となった特別乱数情報に対応する図柄変動までの複数回の図柄変動において例えば同一態様の演出を実行する「連続予告」、先読み判定結果に基づいて第1,第2保留画像(保留表示)X1~,Y1~の表示態様を異ならせる(変化させる)「保留変化予告」等がある。
図柄変動演出制御手段104は、演出図柄80の表示制御及びそれに伴う音声出力、電飾発光等の制御を行うもので、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信した場合に、指定された変動パターンに対応する変動パターンシナリオと、通常予告演出制御手段105によって選択された予告演出シナリオとに基づいて演出図柄80の変動及びそれに伴う音声出力、電飾発光を開始させると共に、変動停止コマンドを受信したときに、停止図柄コマンドと変動パターンコマンドとに基づいて選択された停止図柄で演出図柄80の変動を停止させ、またそれに伴う音声出力、電飾発光を停止させるようになっている。
通常予告演出制御手段105は、通常予告演出を制御するものである。通常予告演出は、主制御基板82a側の大当り判定処理による大当り判定結果等に基づいて、当該図柄変動中にその図柄変動後の停止図柄が第1,第2大当り態様となるか否かを予告するもので、いわゆる「疑似連」、「SU予告」、「タイマ予告」、「復活演出」、「プレミア予告」等がある。
ここで「疑似連」とは、第1,第2特別図柄が1回変動する間に液晶表示手段66で演出図柄80を複数回変動させる演出であり、例えば疑似連の変動回数が多いほど大当り信頼度が高くなるように設定されている。また「SU予告」は、第1,第2特別図柄の変動中に、液晶表示手段66への演出図柄80の表示を含む所定の演出ステップを、例えば大当り信頼度に応じて複数段階(例えばSU1~SU5の5段階)のうちの所定段階まで実行する演出であり、例えば演出ステップの段階が進むほど大当り信頼度が高くなるように設定されている。「タイマ予告」は、例えば液晶表示手段66上に所定のタイミングでタイマ画像を表示して計時(例えばカウントダウン)を行う演出であり、例えばその計時時間が長いほど大当り信頼度が高くなるように設定されている。また「復活演出」ははずれ等を表示した状態から復活して例えば大当り態様となる演出、「プレミア予告」とは出現率が極めて低く、出現したときには例えば確変大当りが確定する演出である。
通常予告演出制御手段105は、主制御基板82aから変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドから得られる情報(ここでは大当り判定結果と変動パターン選択結果)と、設定値(設定1~6の何れか)と、通常予告演出選択テーブルとに基づいて、通常予告演出に関する抽選を実行するか否か(抽選あり/なし)等を選択する。また、複数の通常予告演出の少なくとも1つについて抽選実行を選択した場合には、その通常予告演出について、例えば大当り判定結果と、設定値(設定1~6の何れか)と、各通常予告演出に関するシナリオ選択テーブルとに基づいて複数のシナリオの中から1つを選択する。
図47,図48は本発明の第2の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、性能表示手段95による特定情報の表示に関し、「長押し」の操作入力(第2操作入力)に基づいて特定情報切替処理を実行し、「短押し」の操作入力(第1操作入力)に基づいて対象期間切替処理を実行するように構成した例を示している。即ち、図48と図41との比較により明らかなように、本実施形態と第1の実施形態とでは、「長押し」の操作入力による切り替え対象と、「短押し」の操作入力による切り替え対象とが逆になっている。
また図48に示すように、「長押し」により特定情報の種類を切り替えたときの初期位置は予め定められており、本実施形態では現特定対象期間TLに対応するベース値BL、6000個出玉率D1L、24000個出玉率D4L、60000個出玉率DPLが特定情報の種類を切り替えた後の初期位置に設定されている。また、最初の操作入力が検出されるまでの当初初期位置についても予め定められており、本実施形態ではベース値BLが当初初期位置に設定されている。
図47は本実施形態の表示更新処理を示している。図47の表示更新処理が第1の実施形態に係る表示更新処理(図32)と異なるのはS126,S127,S129が夫々S126a,S127a,S129aに変更されている点のみであるため、その相違点を中心に説明する。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、RAMクリアスイッチ92について長押し/短押しの何れかの操作入力を検出したか否かを判定する(S125,S128)。そして、長押しの操作入力(第2操作入力)を検出した場合には(S125:Yes)、図48に二重線矢印で示すように、現在の表示対象に係る特定対象期間のままで、特定情報の種類を1段階変更する(S126a)。例えば長押し前の特定情報がベース値であった場合には、長押し後の特定情報は6000個出玉率となり、長押し前の特定情報が60000個出玉率であった場合には、長押し後の特定情報はベース値となる。なお、このS126aが、特定情報の種類を切り替える特定情報切替処理の一例である。そして、変更後の特定情報の種類に対応して表示対象を初期化する(S127a)。本実施形態では、特定対象期間TLに対応するベース値BL、6000個出玉率D1L、24000個出玉率D4L、60000個出玉率DPLの何れかが表示対象に設定される(図48)。例えば、長押し後の特定情報の種類が6000個出玉率であれば、表示対象は特定対象期間TLに対応する6000個出玉率D1Lとなる。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
なお、長押しにより特定情報の種類が変更されても表示対象の特定対象期間は初期化しない(S127aを実行しない)ように構成してもよい。例えば、長押し前の表示対象が6000個出玉率D11であり、長押しにより特定情報の種類が24000個出玉率に変更された場合、特定対象期間はT1のまま変更せず、表示対象を24000個出玉率D41としてもよい。
一方、RAMクリアスイッチ92について短押しの操作入力(第1操作入力)を検出した場合には(S128:Yes)、図48に一重線矢印で示すように、特定情報の種類は現状のままで、特定対象期間を1段階変更する(S129a)。例えば短押し前の特定情報が特定対象期間TLに対応するベース値BLであった場合には、短押し後の特定情報は特定対象期間T1に対応するベース値B1となり、短押し前の特定情報が特定対象期間T3に対応する60000個出玉率DP3であった場合には、短押し後の特定情報は特定対象期間TLに対応する60000個出玉率DPLとなる。なお、このS129aが、対象期間を切り替える対象期間切替処理の一例である。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
なお、RAMクリアスイッチ92の操作入力によって表示対象が初期位置から変更された後、所定の初期化条件が成立した場合には、表示対象を初期位置に復帰させるようにしてもよい。この場合の初期化条件としては、RAMクリアスイッチ92の操作入力が一定期間検出されないこと、初期化に係る操作入力(例えば「長押し」よりも長い「超長押し」)が検出されること、扉開放スイッチ44がON→OFFになること(前枠3が閉鎖されること)等が考えられる。
図49,図50は本発明の第3の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、性能表示手段95による特定情報の表示に関し、「短押し」の操作入力(第1操作入力)に基づいて対象期間切替処理と特定情報切替処理とを予め定められた表示切替ルールに従って実行し、「長押し」の操作入力(第2操作入力)に基づいて、性能表示手段95の表示を初期化するように構成した例を示している。
本実施形態では、図50に一重線矢印で示すように、「短押し」の操作入力(第1操作入力)が検出された場合の表示切替ルールとして、「ベース値」→「6000個出玉率」→24000個出玉率」→「60000個出玉率」→「ベース値」→…のように設定された特定情報切替順序と、特定対象期間TL→T1→T2→T3→TL→…のように設定された対象期間切替順序とが規定され、対象期間切替順序に従って特定対象期間を循環的に切り替えつつ、特定対象期間毎に特定情報切替順序に従って特定情報の種類を変更するように設定されている。
また、図50に二重線矢印で示すように、「長押し」の操作入力(第2操作入力)が検出された場合には、その時点の表示対象に拘わらず、表示対象を初期位置に対応するベース値BLに切り替えるようになっている。
図49は本実施形態の表示更新処理を示している。図49の表示更新処理が第1の実施形態に係る表示更新処理(図32)と異なるのはS126,S129が夫々S126b,S129bに変更され、S127が削除されている点のみであるため、その相違点を中心に説明する。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、RAMクリアスイッチ92について長押し/短押しの何れかの操作入力を検出したか否かを判定する(S125,S128)。そして、長押しの操作入力(第2操作入力)を検出した場合には(S125:Yes)、図50に二重線矢印で示すように、表示対象を初期化し、予め定められた初期位置に対応するベース値BLに切り替える(S126b)。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
一方、RAMクリアスイッチ92について短押しの操作入力(第1操作入力)を検出した場合には(S128:Yes)、図50に一重線矢印で示す表示切替ルールに従って表示対象を1段階変更する(S129b)。例えば短押し前の特定情報がベース値BLであった場合には、短押し後の特定情報は6000個出玉率D1Lとなり、短押し前の特定情報が60000個出玉率DP3であった場合には、短押し後の特定情報はベース値BLとなる。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
なお、RAMクリアスイッチ92の操作入力によって表示対象が初期位置から変更された後、所定の初期化条件(長押しの操作入力検出を除く)が成立した場合には、表示対象を初期位置に復帰させるようにしてもよい。この場合の初期化条件としては、RAMクリアスイッチ92の操作入力が一定期間検出されないこと、扉開放スイッチ44がON→OFFになること(前枠3が閉鎖されること)等が考えられる。
図51,図52は本発明の第4の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、性能表示手段95による特定情報の表示に関し、「長押し」の操作入力(第1操作入力)に基づいて対象期間切替処理と特定情報切替処理との何れか一方を選択し、その選択された処理を「短押し」の操作入力(第2操作入力)に基づいて実行するように構成した例を示している。
図52(a)は、「長押し」の操作入力(第1操作入力)によって特定情報切替処理が選択された場合の、「短押し」の操作入力(第2操作入力)による特定情報の種類の切り替え順序を示しており、図52(b)は、「長押し」の操作入力(第1操作入力)によって対象期間切替処理が選択された場合の、「短押し」の操作入力(第2操作入力)による特定対象期間の切り替え順序を示している。「長押し」の操作入力(第1操作入力)が検出される毎に、図52(a)に示す特定情報切替処理と図52(b)に示す対象期間切替処理とが交互に選択される。なお本実施形態では、図52(a)に示す特定情報切替処理とベース値BLとが初期位置に設定されている。
図51は本実施形態の表示更新処理を示している。図51の表示更新処理が第1の実施形態に係る表示更新処理(図32)と異なるのはS126,S129が夫々S126c,S129cに変更され、S127が削除されている点のみであるため、その相違点を中心に説明する。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、RAMクリアスイッチ92について長押し/短押しの何れかの操作入力を検出したか否かを判定する(S125,S128)。そして、長押しの操作入力(第1操作入力)を検出した場合には(S125:Yes)、図52に二重線矢印で示すように、特定情報切替処理と対象期間切替処理との間で切り替えを行う。例えば初期位置に対応する特定情報切替処理(図52(a))が選択されていた場合には、長押しの操作入力により対象期間切替処理(図52(b))に切り替えられる。このS126cでは、特定情報切替処理と対象期間切替処理との切り替えのみが行われ、表示対象の変更は行われない。即ち、次のS130ではそれまでと同じ表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
なお、特定情報切替処理と対象期間切替処理との何れが選択されているかを何らかの方法で報知するように構成することが望ましい。その報知方法としては、性能表示手段95を構成する7セグ表示部の特定箇所(例えば7セグ表示部97aの「.(ドット)」)の表示態様(例えば点灯/消灯)を特定情報切替処理と対象期間切替処理とで異ならせる等が考えられる。
一方、RAMクリアスイッチ92について短押しの操作入力(第2操作入力)を検出した場合には(S128:Yes)、その時点で選択されている切替処理、即ち特定情報切替処理と対象期間切替処理との何れかを実行することにより、表示対象を1段階変更する(S129c)。例えば特定情報切替処理(図52(a))が選択されている場合、短押し前の特定情報がベース値BLであれば、短押し後の特定情報は6000個出玉率D1Lとなり、短押し前の特定情報が60000個出玉率DP3であれば、短押し後の特定情報はベース値B3となる。
また例えば対象期間切替処理(図52(b))が選択されている場合、短押し前の特定情報がベース値BLであれば、短押し後の特定情報はベース値B1となり、短押し前の特定情報が60000個出玉率DP3であれば、短押し後の特定情報は60000個出玉率DPLとなる。そして、その表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
なお、RAMクリアスイッチ92の操作入力によって表示対象が初期位置から変更された後、所定の初期化条件が成立した場合には、特定情報切替処理/対象期間切替処理の別及び/又は表示対象を初期位置に復帰させるようにしてもよい。この場合の初期化条件としては、RAMクリアスイッチ92の操作入力が一定期間検出されないこと、初期化に係る操作入力(例えば「長押し」よりも長い「超長押し」)が検出されること、扉開放スイッチ44がON→OFFになること(前枠3が閉鎖されること)等が考えられる。
図53,図54は本発明の第5の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、性能表示手段95による特定情報の表示に関し、RAMクリアスイッチ92による操作入力に基づいて対象期間切替処理を実行し、特定情報切替処理を予め定められたルールに基づいて自動的に実行するように構成した例を示している。
なお、本実施形態では性能表示手段95の表示切替に関するRAMクリアスイッチ92の操作入力は1種類のみであるため、例えばRAMクリアスイッチ92のオンエッジを検出したときに操作入力ありと判定すればよい。もちろん、その他の判定方法を採用してもよい。
図54に示すように、本実施形態では、性能表示手段95の表示対象に係る特定対象期間の切り替え(対象期間切替処理)をRAMクリアスイッチ92の操作入力に基づいて行い、表示対象に係る特定情報の種類の切り替え(特定情報切替処理)を、ベース値→6000個出玉率→24000個出玉率→60000個出玉率→ベース値→…の順序(予め定められたルール)に従って所定時間(ここでは5秒)毎に自動的に実行するようになっている。なお、操作入力により特定対象期間を切り替えたときの特定情報の種類に関する初期位置は予め定められており、例えば図54に示すようにベース値BL、B1~B3が特定対象期間切り替え後の初期位置に設定されている。また、当初初期位置についても予め定められており、例えば図54に示すようにベース値BLが当初初期位置に設定されている。
図53は本実施形態の表示更新処理を示している。図53の表示更新処理が第1の実施形態に係る表示更新処理(図32)と異なるのは、S124の後にS124aを実行する点、及びS125~S129に代えてS131~S138を実行する点である。
本実施形態の表示更新処理(図53)では、まず動作確認タイマが0であるか否かを判定し(S121)、動作確認タイマが0でなければ(S121:No)、性能表示手段95が全点灯と全消灯とを繰り返す動作確認表示を実行(既に実行中の場合は継続)し(S122)、表示更新処理を終了する。動作確認タイマが0になるまでS122の処理を実行することにより、動作確認表示が4.8秒間継続的に行われる。
S121で動作確認タイマが0であれば(S121:Yes)、動作確認表示の終了後1回目の表示更新処理であるか否かを判定し(S123)、1回目の表示更新処理であれば(S123:Yes)、表示対象を初期化する(S124)。本実施形態では、図54に示すように、表示対象として当初初期位置に対応するベース値BLが設定される。また、切替タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットした後(S124a)、表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。これにより、性能表示手段95には、ベース値BLが図36に示すような表示態様で初期表示される。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、切替タイマを1減算し(S131)、RAMクリアスイッチ92の操作入力を検出したか否かを判定する(S132)。そして、RAMクリアスイッチ92の操作入力を検出していないと判定された場合(S132:No)にはS133以降の処理を実行する。
即ち、切替タイマの値が0であるか否かを判定し(S133)、切替タイマの値が未だ0でない場合には(S133:No)、それまでと同じ表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
S133で切替タイマの値が0であれば(S133:Yes)、図54に一重線矢印で示すように、表示対象に係る特定情報の種類を一段階変更する(S134)。例えば切替タイマ=0判定前の特定情報がベース値BLであった場合には、切替タイマ=0判定後の特定情報は6000個出玉率D1Lとなり、切替タイマ=0判定前の特定情報が60000個出玉率DP3であった場合には、切替タイマ=0判定後の特定情報はベース値B3となる。なお、このS134が、特定情報の種類を切り替える特定情報切替処理の一例である。
また、切替タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットした後(S135)、表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。以上のS133~S135,S130を繰り返し実行することにより、性能表示手段95に表示される特定情報はベース値→6000個出玉率→24000個出玉率→60000個出玉率→ベース値→…の順序で所定時間(ここでは5秒)毎に自動的に切り替えられる。
一方、S132でRAMクリアスイッチ92の操作入力を検出したと判定された場合(S132:Yes)にはS136以降の処理を実行する。即ち、図54に二重線矢印で示すように、表示対象に係る特定対象期間を1段階変更する(S136)。例えば操作入力前の特定対象期間がTLであった場合には、操作入力後の特定対象期間はT1となる。なお、このS136が、対象期間を切り替える対象期間切替処理の一例である。そして、変更後の特定対象期間に対応して、表示対象に係る特定情報の種類を初期化する(S137)。本実施形態では、操作入力後の初期位置に対応するベース値が表示対象に設定される(図54)。例えば、操作入力後の特定対象期間がT1であれば、表示対象はベース値B1となる。
なお、操作入力により特定対象期間が変更されても特定情報の種類は初期化しない(S137を実行しない)ように構成してもよい。例えば、操作入力前の表示対象が6000個出玉率D1Lであり、操作入力により特定対象期間がTLからT1に変更された場合、特定情報の種類は6000個出玉率のまま変更せず、表示対象を6000個出玉率D11としてもよい。
また、切替タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットした後(S138)、表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。このように、操作入力により表示対象が変更される毎に切替タイマを初期化することにより(S138)、変更後の表示対象について例えば5秒間の表示時間を確保できる。
図55,図56は本発明の第6の実施形態を例示し、第5の実施形態を一部変更して、性能表示手段95による特定情報の表示に関し、RAMクリアスイッチ92による操作入力に基づいて特定情報切替処理を実行し、対象期間切替処理を予め定められたルールに基づいて自動的に実行するように構成した例を示している。即ち、図56と図54との比較により明らかなように、本実施形態と第5の実施形態とでは、操作入力による切り替え対象と、自動的に行う切り替え対象とが逆になっている。
また図56に示すように、操作入力により特定情報の種類を切り替えたときの初期位置は予め定められており、本実施形態では現特定対象期間TLに対応するベース値BL、6000個出玉率D1L、24000個出玉率D4L、60000個出玉率DPLが特定情報の種類を切り替えた後の初期位置に設定されている。また、当初初期位置についても予め定められており、本実施形態ではベース値BLが当初初期位置に設定されている。
図55は本実施形態の表示更新処理を示している。図55の表示更新処理が第5の実施形態に係る表示更新処理(図53)と異なるのはS134,S136,S137が夫々S134a,S136a,S137aに変更されている点のみであるため、その相違点を中心に説明する。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、切替タイマを1減算し(S131)、RAMクリアスイッチ92の操作入力を検出したか否かを判定する(S132)。そして、RAMクリアスイッチ92の操作入力を検出していないと判定された場合(S132:No)にはS133以降の処理を実行する。
即ち、切替タイマの値が0であるか否かを判定し(S133)、切替タイマの値が未だ0でない場合には(S133:No)、それまでと同じ表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
S133で切替タイマの値が0であれば(S133:Yes)、図56に一重線矢印で示すように、表示対象に係る特定対象期間を一段階変更する(S134a)。例えば切替タイマ=0判定前の特定情報がベース値BLであった場合には、切替タイマ=0判定後の特定情報はベース値B1となり、切替タイマ=0判定前の特定情報が60000個出玉率DP3であった場合には、切替タイマ=0判定後の特定情報は60000個出玉率DPLとなる。なお、このS134aが、特定対象期間を切り替える対象期間切替処理の一例である。
また、切替タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットした後(S135)、表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。以上のS133~S135,S130を繰り返し実行することにより、性能表示手段95には、同種類の特定情報が、特定対象期間を所定時間(ここでは5秒)毎にTL→T1→T2→T3→TL→…の順序で自動的に変更しつつ表示される。
一方、S132でRAMクリアスイッチ92の操作入力を検出したと判定された場合(S132:Yes)にはS136以降の処理を実行する。即ち、図56に二重線矢印で示すように、表示対象に係る特定情報の種類を1段階変更する(S136a)。例えば操作入力前の特定情報がベース値であった場合には、操作入力後の特定情報は6000個出玉率となる。なお、このS136aが、特定情報の種類を切り替える特定情報切替処理の一例である。そして、変更後の特定情報の種類に対応して、表示対象に係る特定対象期間を初期化する(S137a)。本実施形態では、特定対象期間が初期位置に対応するTLに設定される(図56)。例えば、操作入力後の特定情報の種類が6000個出玉率であれば、表示対象は特定対象期間TLに対応する6000個出玉率D1Lとなる。
なお、操作入力により特定情報の種類が変更されても特定対象期間は初期化しない(S137aを実行しない)ように構成してもよい。例えば、操作入力前の表示対象がベース値B1であり、操作入力により特定情報の種類が6000個出玉率に変更された場合、特定対象期間はT1のまま変更せず、表示対象を6000個出玉率D11としてもよい。
また、切替タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットした後(S138)、表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
図57,図58は本発明の第7の実施形態を例示し、第5の実施形態を一部変更して、性能表示手段95による特定情報の表示に関し、RAMクリアスイッチ92の操作入力に基づいて対象期間切替処理と特定情報切替処理との何れか一方を選択し、その選択された処理を所定時間(例えば5秒)経過毎に自動的に実行するように構成した例を示している。
図58(a)は、操作入力によって特定情報切替処理が選択された場合の、特定情報の種類の自動切り替え順序を示しており、図58(b)は操作入力によって対象期間切替処理が選択された場合の、特定対象期間の自動切り替え順序を示している。RAMクリアスイッチ92の操作入力が検出される毎に、図58(a)に示す特定情報切替処理と図58(b)に示す対象期間切替処理とが交互に選択される。なお本実施形態では、図58(a)に示す特定情報切替処理とベース値BLとが初期位置に設定されている。
図57は本実施形態の表示更新処理を示している。図57の表示更新処理が第5の実施形態に係る表示更新処理(図53)と異なるのはS132以降の処理であるため、その相違点を中心に説明する。
S123で2回目以降の表示更新処理であると判定された場合には(S123:No)、切替タイマを1減算し(S131)、RAMクリアスイッチ92の操作入力を検出したか否かを判定する(S132)。そして、操作入力を検出した場合(S132:Yes)には、図58に二重線矢印で示すように、特定情報切替処理と対象期間切替処理との間で切り替えを行う(S136b)。例えば初期値位置に対応する特定情報切替処理(図58(a))が選択されていた場合には、操作入力により対象期間切替処理(図58(b))に切り替えられる。なお、このS136bを実行しても表示対象は変更されず、例えば操作入力前の表示対象がベース値B1であれば、操作入力後の表示対象もベース値B1のままである。
ここで、特定情報切替処理と対象期間切替処理との何れが選択されているかについては、5秒毎に自動的に変化する表示内容を見れば分かるが、それとは別の方法で報知するように構成してもよい。その報知方法としては、性能表示手段95を構成する7セグ表示部の特定箇所(例えば7セグ表示部97aの「.(ドット)」)の表示態様(例えば点灯/消灯)を特定情報切替処理と対象期間切替処理とで異ならせる等が考えられる。
S136bの実行後はS133に移行する。また、S132で操作入力を検出していないと判定された場合(S132:No)についてもS133に移行する。S133では、切替タイマの値が0であるか否かを判定し、切替タイマの値が未だ0でない場合には(S133:No)、それまでと同じ表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
S133で切替タイマの値が0であれば(S133:Yes)、特定情報切替処理(図58(a))と対象期間切替処理(図58(b))とのうち、その時点で選択されている切替処理を実行することにより、表示対象を1段階変更する(S134b)。例えば特定情報切替処理(図58(a))が選択されている場合、切替タイマ=0判定前の特定情報がベース値BLであれば、切替タイマ=0判定後の特定情報は6000個出玉率D1Lとなり、切替タイマ=0判定前の特定情報が60000個出玉率DP3であれば、切替タイマ=0判定後の特定情報はベース値B3となる。
また例えば対象期間切替処理(図58(b))が選択されている場合、切替タイマ=0判定前の特定情報がベース値BLであれば、切替タイマ=0判定後の特定情報はベース値B1となり、切替タイマ=0判定前の特定情報が60000個出玉率DP3であれば、切替タイマ=0判定後の特定情報は60000個出玉率DPLとなる。
また、切替タイマに初期値(例えば5秒に対応する値)をセットした後(S135)、表示対象に対応する表示パターンデータを表示出力バッファにセットし(S130)、表示更新処理を終了する。
図59,図60は本発明の第8の実施形態を例示し、第1~第7の実施形態を一部変更して、計測期間が特定対象期間よりも短い6000個出玉率、24000個出玉率については、遊技者に有利な特定遊技状態が開始されることを条件に計測期間を開始するように構成した例を示している。
本実施形態では、図59に示すように、計測期間が特定対象期間(アウト数60000個)と一致しているベース値及び60000個出玉率については、第1~第7の実施形態(図33)と同様、初回計測期間は計測前期間の終了を条件に開始され、2回目以降の計測期間はその前の計測期間の終了、即ちアウト数が60000個に到達することを条件に開始されるが、計測期間が特定対象期間よりも短い6000個出玉率、24000個出玉率については、初回計測期間は計測前期間が終了し且つ特定遊技状態が開始されることを条件に開始され、2回目以降の計測期間はアウト数が6000個、24000個に到達することにより前の計測期間が終了し且つ特定遊技状態が開始されることを条件に開始されるようになっている。なお本実施形態では、この特定遊技状態を「大当り遊技」とする。
図60は、本実施形態の6000個出玉率に関する計測処理の一例を示している。この6000個出玉率計測処理は、性能表示集計除算処理S63(図25)で実行される。なお、24000個出玉率の計測処理については、計測期間に対応するアウト数が6000個から24000個に変更されるだけでそれ以外は6000個出玉率の場合と同じであるため、ここでは省略する。
6000個出玉率計測処理(図60)では、まず6000個出玉率の計測期間中であるか否かを判定し(S141)、計測期間中であれば(S141:Yes)、その計測期間中(Nセット目)におけるアウト数、セーフ数の計測を行う(S144)。そして、Nセット目の計測期間におけるアウト数が6000個に達したか否かを判定し(S145)、未だ6000個に達していない場合には(S145:No)そのまま6000個出玉率計測処理を終了する。
S145でNセット目の計測期間におけるアウト数が6000個に達したと判定された場合には(S145:Yes)、Nセット目の計測期間における出玉率を算出し(S146)、その出玉率が当該特定対象期間における6000個出玉率の最大値よりも大であることを条件に(S147:Yes)、S146で算出した6000個出玉率を当該特定対象期間における最大値として記憶し(S148)、6000個出玉率計測処理を終了する。
一方、S141で6000個出玉率の計測期間中でないと判定された場合には(S141:No)、特定遊技状態(ここでは大当り遊技)が開始されたか否かを判定し(S142)、特定遊技状態が開始されていない場合には(S142:No)そのまま6000個出玉率計測処理を終了するが、特定遊技状態が開始された場合には(S142:Yes)、Nセット目の計測期間を開始し(S143)、上述したS144以降の処理に移行する。
なお、本実施形態の場合には6000個出玉率、24000個出玉率の何れについても、計測期間が特定対象期間を跨ぐ場合が生じうる。この場合には、第1~第7の実施形態における24000個出玉率と同様、算出される出玉率はその計測期間終了時の特定対象期間に属するものとすればよい。
このように、計測期間が特定対象期間よりも短い6000個出玉率、24000個出玉率について、遊技者に有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技)が開始されることを条件に計測期間を開始することにより、遊技者に有利な特定遊技状態の発生を起点として最大出玉率(射幸性)を測定することが可能となる。
図61は本発明の第9の実施形態を例示し、第8の実施形態を一部変更して、計測期間が特定対象期間よりも短い6000個出玉率、24000個出玉率について、遊技者に有利な特定遊技状態が開始されることを条件に計測期間を開始するように構成する場合に、特定対象期間中に特定遊技状態が一度も発生しない場合であっても計測結果なしとなることを避けるべく、特定対象期間の更新時に計測中でない場合には計測期間を開始するように構成した例を示している。なお本実施形態では、特定遊技状態の開始時に開始される本来の計測期間を「通常計測期間」、特定対象期間の更新時に開始される計測期間を「仮計測期間」として区別する。
本実施形態の6000個出玉率計測処理では、図61に示すように、まず特定対象期間の更新(開始)タイミングであるか否かを判定し(S151)、特定対象期間の更新(開始)タイミングであれば(S151:Yes)、6000個出玉率の計測中であるか否かを判定する(S152)。そして、6000個出玉率の計測中であれば(S152:Yes)、S161以降の処理を実行する。
即ち、その計測期間中におけるアウト数、セーフ数の計測を行う(S162)と共に、当該計測期間におけるアウト数が6000個に達したか否かを判定し(S162)、未だ6000個に達していない場合には(S162:No)そのまま6000個出玉率計測処理を終了する。
S162で当該計測期間におけるアウト数が6000個に達したと判定された場合には(S162:Yes)、当該計測期間における出玉率を算出し(S163)、その出玉率が当該特定対象期間における6000個出玉率の最大値よりも大であることを条件に(S164:Yes)、S163で算出した6000個出玉率を当該特定対象期間における最大値として記憶し(S165)、6000個出玉率計測処理を終了する。
一方、特定対象期間の更新(開始)タイミングであって(S151:Yes)、6000個出玉率の計測中でない場合には(S152:No)、仮計測期間を開始する(S153)と共に、仮計測期間中フラグをONに設定する(S154)。このように本実施形態では、特定対象期間の更新時に6000個出玉率の計測期間中でなければ、とりあえず仮計測期間を開始すると共に、その計測期間が仮計測期間であることを記憶するようになっている。
その後、上述したS161以降の計測処理を実行する。但しこのとき、特定対象期間の更新と同時に特定遊技状態(大当り遊技)が開始された場合には(S155:Yes→S157:Yes→S158:Yes)、仮計測期間中フラグをOFFに切り替え(S159)、仮計測期間ではなく通常計測期間を開始する(S160)。即ち、特定対象期間の更新時には原則として仮計測期間が開始されるが、特定対象期間の更新と同時に特定遊技状態が開始された場合には、仮計測期間ではなく通常計測期間を開始するようになっている。
特定対象期間の更新後は(S151:No)、例えば仮計測期間中であれば(S155:Yes→S157:Yes)、S161以降の計測処理を実行する前に、特定遊技状態(大当り遊技)が開始されたか否かを判定し(S158)、特定遊技状態(大当り遊技)が開始された場合には(S158:Yes)、仮計測期間中フラグをOFFに切り替え(S159)、その時点から新たに通常計測期間を開始する(S160)。このように、仮計測期間中に特定遊技状態が開始された場合には、仮計測期間中の計測値は破棄して新たに通常計測期間を開始するようになっている。
また、例えば仮計測期間の終了後は(S151:No→S155:No)、特定遊技状態(大当り遊技)が開始されたか否かを監視する(S156)。そして、特定遊技状態(大当り遊技)が開始されると(S156:Yes)、仮計測期間中フラグをOFFに切り替える(S159)と共に、通常計測期間を開始し(S160)、S161以降の計測処理を実行する。その通常計測期間の終了後は、特定対象期間が更新されるまで(S151:Yes)、特定遊技状態が開始される毎に(S156:Yes)通常計測期間が開始される。
このように本実施形態では、特定対象期間の更新時に6000個出玉率等の計測中でない場合には、仮計測期間を開始するように構成されているため、特定対象期間中に特定遊技状態が一度も発生しない場合であっても確実に計測結果を得ることが可能である。
なお、仮計測期間による計測結果が得られた後、当該特定対象期間中に通常計測期間による計測結果が得られた場合には、仮計測期間による計測結果は使用せず破棄するように構成してもよい。
図62、図63は本発明の第10の実施形態を例示し、第1~第9の実施形態を一部変更して、計測期間が特定対象期間よりも短い6000個出玉率、24000個出玉率については、特定対象期間における最大値だけでなく最小値も計測し、表示するように構成した例を示している。
図62に示すように、本実施形態では、1~3回前の特定対象期間に対応する6000個出玉率、24000個出玉率については、その特定対象期間における最小値(第1最小特定情報)と最大値(第1最大特定情報)とを計測し、性能表示手段95に表示するようになっている。6000個出玉率、24000個出玉率における最小値と最大値とは、例えば識別表示における「.(ドット)」の位置の違いによって区別可能となっている。即ち、特定対象期間T1に対応する6000個出玉率では、最小値の識別表示は「11.」、最大値の識別表示は「1.1」となっている。もちろん、それ以外の方法で区別してもよい。
また本実施形態では、現特定対象期間TLに対しては、6000個出玉率、24000個出玉率は表示せず、リアルタイムのベース値BLと60000個出玉率DPLとを表示するように構成したが(図62)、特定対象期間TLに対しても6000個出玉率、24000個出玉率の最小値及び最大値を表示するようにしてもよい。
また本実施形態では、性能表示手段95の表示モードとして、各特定情報の値を識別表示と数値表示とで表示する通常モードに加えて、出玉率の値が適正範囲内にあるか否かを表示する出玉率チェックモードを設けている。通常モード/出玉率チェックモードの切り替えは、RAMクリアスイッチ92等の操作手段による操作入力(例えば長押し)に基づいて行うことが望ましい。また、通常モードをデフォルトとしてもよいし、出玉率チェックモードをデフォルトとしてもよい。
出玉率チェックモードでは、図63に示すように、性能表示手段95を構成する複数の7セグ表示部97a~97dのうちの7セグ表示部97aにより特定対象期間T1~T3の別を表示し、その他の7セグ表示部97b~97dにより、夫々6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率について、適正範囲内か否かを表示するようになっている。
6000個出玉率に対応する7セグ表示部97bについて具体的に説明すると、例えば7セグ表示部97bを構成する複数のセグメント(ドットを含めると8セグメント)の中から、適正範囲の上限に関する表示を行う第1セグメント(例えば上部の横セグメント)と、適正範囲の下限に関する表示を行う第2セグメント(例えば下部の横セグメント)とが夫々設定されており、6000個出玉率の値が適正範囲(例えば33~220%)内であれば第1,第2セグメントを共に点灯させ、適正範囲を超えていれば第1セグメントを点滅、第2セグメントを点灯させ、適正範囲未満であれば第2セグメントを点滅、第1セグメントを点灯させるようになっている。
24000個出玉率に対応する7セグ表示部97c、60000個出玉率に対応する7セグ表示部97dについても6000個出玉率に対応する7セグ表示部97bと同様の表示を行う。なお、24000個出玉率の適正範囲は6000個出玉率よりも狭く例えば40~150%に設定され、60000個出玉率の適正範囲は24000個出玉率よりも更に狭く例えば50~133%に設定されている。
図64、図65は本発明の第11の実施形態を例示し、第8~10の実施形態を一部変更して、計測期間が特定対象期間よりも短い6000個出玉率、24000個出玉率について、遊技者に有利な特定遊技状態(例えば大当り遊技)が開始されることを条件に計測期間を開始するように構成する場合に、複数セットの計測を並行して実行可能に構成した例を示している。
図64は、本実施形態における特定対象期間(アウト数60000個)と6000個出玉率の計測期間(アウト数6000個)との対応関係の一例を示している。なお、24000個出玉率についてもこれと同様である。図64より明らかなように、本実施形態では、大当り遊技(特定遊技状態の一例)が開始されると、計測期間中であるか否かに拘わらず、新たな計測期間を開始するようになっている。
また本実施形態では、複数のリングバッファを設け、計測期間が開始する毎に新たなリングバッファを使用してカウントを行うようになっている。なお、全てのリングバッファが使用中(計測中)の場合には、例えばリングバッファに空きができるまで新たな計測期間を開始しないようにしてもよい。
図65は、6000個出玉率の計測に用いるリングバッファの構造を示している。リングバッファは例えばN個用意されており、各リングバッファは、アウト数のカウントに用いるアウト数カウントバッファと、セーフ数のカウントに用いるセーフ数カウントバッファとで構成されている。6000個出玉率の計測期間の場合、アウト数の上限は6000個であるため、アウト数カウントバッファには2バイトが割り当てられ、そのうち例えば1バイト目のビット7~0と、2バイト目のビット4~0がアウト数のカウントに用いられる。
また、セーフ数は最大90000個(=6000×15)であるため、セーフ数カウントバッファには3バイトが割り当てられ、そのうち例えば1,2バイト目のビット7~0と、3バイト目のビット0がセーフ数のカウントに用いられる。そして、アウト数、セーフ数のカウントに用いられていないその他のビットのうちの1ビット、例えば5バイト目のビット7が、そのリングバッファの計測状況(使用状況)を示す計測状況フラグとして使用され、例えば非計測中(空き)の場合には0が、計測中の場合には1がセットされるようになっている。従って、例えばアウト球が検出された場合、全てのリングバッファのうち、計測状況フラグが1となっている全てのリングバッファのアウト数カウントバッファに1が加算される。
なお、24000個出玉率のリングバッファ(図示省略)についても、6000個出玉率の計測に用いるリングバッファと同様、アウト数カウントバッファに2バイト、セーフ数カウントバッファに3バイトが割り当てられ、例えば5バイト目のビット7が、そのリングバッファの計測状況を示す計測状況フラグとして使用されるようになっている。
図66は本発明の第12の実施形態を例示し、第1の実施形態を一部変更して、全ての特定情報で特定対象期間を共通にするのではなく、特定情報毎に、その特定情報の計測期間を特定対象期間として計測及び表示を行うようにした例を示している。
図66に示すように、本実施形態では第1の実施形態と同様、各特定情報の計測期間を、ベース値と60000個出玉率についてはアウト数60000個に、6000個出玉率についてはアウト数6000個に、24000個出玉率についてはアウト数24000個に夫々設定しているが、第1の実施形態とは異なり、各特定情報の計測期間をそのまま特定対象期間としている。これにより、過去の特定対象期間に対応する特定情報の値は全てその特定対象期間における最終値となっている。
また本実施形態では、図66に示すように、ベース値については現特定対象期間TLにおけるリアルタイムの値が表示対象となっているが、その他の3種類の出玉率については現特定対象期間TLにおけるリアルタイムの値は表示対象とはなっていない。もちろん、出玉率についても現特定対象期間TLにおけるリアルタイムの値を表示対象としてもよい。また、図66の例では、6000個出玉率と24000個出玉率については1~10回前の特定対象期間を表示対象としているが、何回前までの特定対象期間を表示対象とするかも任意である。
また本実施形態では、第1の実施形態と同様、性能表示手段95に表示する特定情報の種類等に関する表示切替を、RAMクリアスイッチ92を用いた操作入力に基づいて行うようになっている。即ち、RAMクリアスイッチ92の操作入力として「長押し」(第1操作入力)と「短押し」(第2操作入力)の2種類を設け、図66に示すように、「長押し」の操作入力に基づいて特定情報の種類を切り替え、「短押し」の操作入力に基づいて特定対象期間を切り替えるようになっている。また、「長押し」により特定情報の種類を切り替えたときの初期位置は予め定められており、本実施形態ではベース値BL、6000個出玉率D11、24000個出玉率D41、60000個出玉率DP1が特定情報切り替え後の初期位置に設定されている。
なお、長押しの操作入力による切替対象と短押しの操作入力による切替対象とは逆であってもよいし、特定情報の種類の切り替えと特定対象期間の切り替えとの何れか一方、例えば特定情報の種類の切り替えをRAMクリアスイッチ92等の操作入力に基づいて行い、他方、例えば特定対象期間の切り替えを所定時間毎に自動的に行うようにしてもよい。
図67は本発明の第13の実施形態を例示し、長押しと短押しの2種類の操作入力について、RAMクリアスイッチ92のオンエッジにより短押しの判定が成立し、ON検出の連続回数(継続時間)のカウント値に基づいて長押しの判定が成立するように構成した例を示している。なお本実施形態では、長押し判定が成立する場合にはその前に必ず短押し判定が成立することとなるため、図42に示す判定方法等とは異なり、長押しの操作入力のみを行うことができないという欠点がある。
図68は本発明の第14の実施形態を例示し、長押しと短押しの2種類の操作入力について、RAMクリアスイッチ92に関するON検出の連続回数(継続時間)をカウントし、そのカウント値が第1所定値以上となったときに短押しの判定が成立し、同じくカウント値が第2所定値(但し、第2所定値>第1所定値)以上となったときに長押しの判定が成立するように構成した例を示している。なお本実施形態も第13の実施形態(図67)と同様、長押し判定が成立する場合にはその前に必ず短押し判定が成立することとなるため、図42に示す判定方法等とは異なり、長押しの操作入力のみを行うことができないという欠点がある。
図69、図70は本発明の第15の実施形態を例示し、保安電子通信技術協会(保通協)で実施される試射試験において、大当り遊技中における大当りラウンド開始前の大当り開始インターバル中、大当りラウンド終了後の大当り終了インターバル中の少なくとも一部の期間(実際の遊技では止め打ちを行う場合が多い期間)については発射を停止するように構成した例を示している。このように構成することで、保通協での試射試験結果を、性能表示手段95により表示される出玉率等の特定情報に近づけることが可能である。
本実施形態では、図69に示すように、大当り遊技の開始時(大当り開始インターバルの開始時)に第1所定時間のタイマを設定し(第1所定時間≦大当り開始インターバル時間)、そのタイマ時間が経過するまで試験用発射信号をOFFにする。また、大当りラウンド終了時(大当り終了インターバルの開始時)に第2所定時間のタイマを設定し(第2所定時間≦大当り終了インターバル時間)、そのタイマ時間が経過するまで試験用発射信号をOFFにする。
また、この試験用発射信号を利用して保通協での試射試験を行う際には、図70(a),(b)に示すような回路構成を採用できる。図70(a)は、主制御基板82a側から発射制御基板91に対して発射制御信号を出力する場合の例を示している。この場合、試験機の発射制御基板91に、量産時には装着しない試射試験用のコネクタ111を装着し、このコネクタ111から試験用発射信号を入力する。そして、AND回路112の第1入力端子に試験用発射信号を、第2入力端子に発射制御信号を夫々入力し、出力端子を発射制御回路に接続する。なお、AND回路112の第1入力端子側(試験用発射信号側)の入力ラインにはプルアップ抵抗113を接続する。
保通協での試射試験時には、図69に示す発射制御信号と試験用発射信号とがAND回路112に入力され、それによって発射制御回路には試験用発射信号と同様の信号が出力されるため、大当り開始インターバル開始から第1所定時間経過するまでの期間と、大当り終了インターバル開始から第2所定時間経過するまでの期間中は発射が停止される。一方、量産機の発射制御基板91にはコネクタ111が装着されないため、AND回路112の第1入力端子側は常にONとなり、それによって発射制御回路には発射制御信号と同様の信号が出力される。これにより、量産機では従来通り発射制御信号に基づいて発射の許可/禁止を行うことが可能である。
また図70(b)は、主制御基板82a側から発射制御基板91に対して発射制御信号を出力しない場合の例を示している。この場合、試験機の発射制御基板91に、量産時には装着しない試射試験用のコネクタ111を装着し、このコネクタ111から試験用発射信号を入力して、プルアップ抵抗113が接続されたラインを経て発射制御回路に出力する。保通協での試射試験時には、この試験用発射信号に基づいて発射の許可/禁止を行うことで、大当り開始インターバル開始から第1所定時間経過するまでの期間と、大当り終了インターバル開始から第2所定時間経過するまでの期間中は発射が停止される。一方、量産機の発射制御基板91にはコネクタ111が装着されないため、量産機では従来通り発射制御信号に基づいて発射の許可/禁止を行うことが可能である。
図71、図72は本発明の第16の実施形態を例示し、性能表示手段95に表示可能なその他の特定情報を示している。図71には、「TY」、「総量出玉」、「MY」の3種類の特定情報を例示している。これら3種類の特定情報を、上述した各種出玉率に加えて、或いは各種出玉率に代えて、性能表示手段95に表示してもよい。
「TY」は、通常遊技状態(第1特定期間)よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(第2特定期間)における遊技実績に基づいて算出される第2特定情報の一例であり、いわゆる初当りから特別遊技状態(確変、時短)終了までの獲得玉数((セーフ数)-(アウト数))である。即ちTYは、初当りから特別遊技状態(確変、時短)終了までを計測期間とし、その期間中にセーフ数及びアウト数をカウントして、(セーフ数)-(アウト数)を算出することにより求められる。計測期間の開始時期は、初当りにおける大当り開始インターバルの開始時でもよいが、大当り開始インターバルの開始後、大当りラウンドの開始までの任意時点でもよい。なお、カウンタ値をクリアするタイミングとしては、計測期間の開始時、終了時等、計測期間中の値を算出した後であればいつでもよい。
また、このTYについて性能表示手段95に実際に表示する値としては、最大値(前回の値と比較して大きい方)、平均値、大きい方から所定数(例えば第1~3位をランキング形式で)、全ての値等が考えられる。なお、これらの表示値(算出値)をクリアするタイミングとしては、電源断時、RAMクリア時、設定変更時、所定のクリア手段(専用又は兼用)操作時等が考えられるが、クリア自体を行わないようにしてもよい。
また、TYの性能表示手段95への表示方法としては、上述した実施形態における各種出玉率と同様の方法で、ベース値等の他の特定情報と切り替えて表示することが可能である。なお、数値表示の桁数は2桁では足りないため、上述した実施形態における各種出玉率と同様、識別表示と数値表示とを所定時間(例えば2.5秒)ずつ交互に表示する(図40(b))ことが望ましい。またその場合でも、表示すべき値が5桁となる可能性があるため、これを4桁の性能表示手段95で表示すべく、数値表示に関しては例えば10個単位或いは100個単位で表示(例えば12345個を「1234」或いは「123」と表示)してもよい。もちろん、性能表示手段95を5桁以上表示可能な構成としてもよい。
「総量出玉」は、いわゆる初当りから特別遊技状態(確変、時短)終了までの大入賞口(大入賞手段64)によるセーフ数(賞球数)である。但し、初当り分は除かれ、特別遊技状態終了時の残保留によるセーフ数は含まれる。即ち総量出玉は、初当り終了時(特別遊技状態開始時)から特別遊技状態(確変、時短)終了時の残保留消化までを計測期間とし、その期間中に大入賞口(大入賞手段64)によるセーフ数をカウントすることにより求められる。なお、カウンタ値をクリアするタイミングとしては、計測期間の開始時、終了時等、計測期間中の値を算出した後であればいつでもよい。
また、この総量出玉について性能表示手段95に実際に表示する値としては、最大値(前回の値と比較して大きい方)、平均値、大きい方から所定数(例えば第1~3位をランキング形式で)、全ての値、所定数(例えば6400個)を超えた値、所定数(例えば6400個)を超えた回数等が考えられる。なお、これらの表示値(算出値)をクリアするタイミングとしては、電源断時、RAMクリア時、設定変更時、所定のクリア手段(専用又は兼用)操作時等が考えられるが、クリア自体を行わないようにしてもよい。
また、総量出玉の性能表示手段95への表示方法としては、上述した実施形態における各種出玉率と同様の方法で、ベース値等の他の特定情報と切り替えて表示することが可能である。
なお、この総量出玉は、いわゆる1種2種混合タイプのパチンコ機については初当り分も含める必要があり、いわゆる小当りRUSH機では小当りによる出玉も含める必要がある。
「MY」は、1日での最大の差玉をいう。従って計測期間は電源投入から電源断までであり、その期間中、例えば図72に示すMY計測処理を実行することにより計測される。なお、図72のMY計測処理はMYの最大値を表示対象とする場合のフローである。
本実施形態のMY計測処理(図72)では、まずアウト球を検知したか否かを判定し(S171)、アウト球を検知したことを条件に(S171:Yes)、続くS172~S175の処理を実行する。即ち、MYカウンタの値が0であるか否かを判定し(S172)、MYカウンタの値が0でない場合に(S172:No)、そのMYカウンタから1を減算する(S173)。そして、再びMYカウンタの値が0であるか否かを判定し(S174)、MYカウンタの値が0であれば(S174:Yes)、MYデータを0クリアする(175)。
また、セーフ球を検知したか否かを判定し(S176)、セーフ球を検知した場合には(S176:Yes)、MYカウンタに1を加算する(S177)。そして、MYカウンタとMYデータとを比較し(S178)、MYカウンタの方が大である場合に(S178:Yes)、そのMYカウンタの値をMYデータとして記憶する(S179)。
そして、MYデータとMY表示用データとを比較し(S180)、MYデータの方が大である場合に(S180:Yes)、そのMYデータの値をMY表示用データとして記憶し(S181)、MY計測処理を終了する。
なお、MYは1日毎に算出するため、各カウンタ値のクリアは電源断時に行うが、その他のタイミング、例えばRAMクリア時、設定変更時、所定のクリア手段(専用又は兼用)操作時等に各カウンタ値をクリアしてもよい。
また、このMYについて性能表示手段95に実際に表示する値としては、最大値(前回の値と比較して大きい方)、平均値、大きい方から所定数(例えば第1~3位をランキング形式で)、全ての値、所定数(例えば100000個)を超えた値、所定数(例えば100000個)を超えた回数等が考えられる。なお、これらの表示値(算出値)をクリアするタイミングとしては、電源断時、RAMクリア時、設定変更時、所定のクリア手段(専用又は兼用)操作時等が考えられるが、クリア自体を行わないようにしてもよい。
また、MYの性能表示手段95への表示方法としては、上述した実施形態における各種出玉率と同様の方法で、ベース値等の他の特定情報と切り替えて表示することが可能である。なお、数値表示の桁数は2桁では足りないため、上述した実施形態における各種出玉率と同様、識別表示と数値表示とを所定時間(例えば2.5秒)ずつ交互に表示する(図40(b))ことが望ましい。またその場合でも、表示すべき値が6桁となる可能性があるため、これを4桁の性能表示手段95で表示すべく、例えば100個単位で表示(例えば123456個を「1234」と表示)してもよい。もちろん、性能表示手段95を6桁以上表示可能な構成としてもよい。
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、性能表示手段95の表示桁数を5桁以上とすることにより、数値情報の必要桁数が多い場合でも、識別表示と数値表示との同時表示を可能としてもよい。また、識別表示と数値表示との両方、或いは数値表示のみについて、性能表示手段95上で所定方向(右から左)に1桁ずつ流れるように表示することにより、性能表示手段95の桁数よりも大きな桁数の情報を表示可能としてもよい。また、実施形態では性能表示手段95による識別表示を2桁としたが、識別表示を1桁に減らして数値表示の桁数を増やしてもよい。
性能表示手段95に表示する特定情報の種類数は任意であり、1種類でも複数種類でもよく、また複数種類表示する場合には特定情報の組み合わせは任意である。実施形態では、性能表示手段95に表示する特定情報として、「ベース値」、「出玉率(6000個出玉率、24000個出玉率、60000個出玉率)」、「TY」、「総量出玉」、「MY」を例示したが、その他の例えば「T1Y」、「1日の総獲得(セーフ)」、「総獲得の累積」等を表示対象としてもよい。ここで、「T1Y」は、大当り1回あたりの獲得球数
((セーフ数)-(アウト数))である。
実施形態では、性能表示手段95における表示対象の切り替えを、外部からの操作入力、或いは操作入力と自動切り替えとの組み合わせによって行うようにしたが、全て所定時間(例えば5秒)毎の自動切り替えで行うようにしてもよい。
また、遊技状態の切り替わりに応じて、性能表示手段95に表示する特定情報の種類を切り替えるように構成してもよい。例えば、遊技状態が通常遊技状態(左打ち期間)の場合には性能表示手段95にベース値を表示し、大当り遊技や特別遊技状態(右打ち期間)が開始された場合には性能表示手段95の表示対象をベース値から出玉率等に切り替えるようにしてもよい。この場合、性能表示手段95の切り替えは、大当り開始INTが始まったタイミングで行ってもよいし、アタッカー(大入賞手段64)が開放しているラウンド中、大当り終了INTが始まったタイミングで行ってもよいし、その後に確変状態等の特別遊技状態に突入したタイミングで行ってもよい。また、大当り遊技や特別遊技状態から通常遊技状態に戻った場合には、性能表示手段95の表示対象を出玉率等からベース値に切り替えるようにしてもよい。
実施形態では、サブ制御基板側での各演出手段の初期化・初期設定処理に関し、設定変更処理前はBA08H(電源投入時コマンド)の受信を契機として実行し、設定変更処理後はBA01H(イニシャライズコマンド)の受信を契機として実行するように構成したが(図45)、各処理の契機となるコマンドはこれらのコマンドに限られるものではなく、また設定変更の前後の各処理についてはコマンド受信以外の事項を契機として実行してもよい。例えば、処理態様が「設定変更」、「設定確認」の場合は実施形態のようにBA08H(電源投入時コマンド)の受信時とBA01H(イニシャライズコマンド)の受信時とに分けて各演出手段に関する初期化・初期設定処理を実行し、処理態様が「RAMクリア」、「バックアップ復帰」の場合には、演出手段の関する全ての初期化・初期設定処理をBA08H(電源投入時コマンド)の受信時、又はBA01H(イニシャライズコマンド)の受信時にまとめて実行するようにしてもよい。
なお、実施形態ではBA08H(電源投入時コマンド)の受信時とBA01H(イニシャライズコマンド)の受信時の両方で画面表示に関する情報を初期化するように構成しているため、ノイズ等、何らかの原因でBA08Hが欠落した(サブ制御基板83a側で受信できなかった)ような場合でも、液晶表示に関する内容が初期化されないまま遊技を開始してしまうリスクが低減される。
また、設定変更中は液晶画面にて設定変更中であることを示す表示を行うが、この表示に関する液晶表示レイヤーを、遊技中の演出に関する表示レイヤーや、その他のエラーに関する表示レイヤーなどよりも優先順位が高くなるように設定している。そのため、仮にBA08Hコマンドが正常に受信されず、液晶表示に関する内容が初期化されないまま設定変更に移行した場合であっても、設定変更中であることを示す表示が液晶画面に最優先で表示されるため、見た目上違和感のないように制御することが可能である。ちなみに、設定変更中であることを示す表示とは、「設定変更中」などの表示でもよいし、「単色黒で表現されるブラックアウト画面」のようなものであってもよい。
また、BA08Hコマンドが欠落した場合には、可動体の原点復帰処理が実行されないが、BA01Hコマンド受信時に可動体のイニシャライズが実行され、その際に原点復帰する。このように、BA08Hコマンドが欠落した場合であっても、可動体が原点位置に戻らずに遊技を開始してしまうことがないように構成している。
また、BA08Hコマンドが欠落した場合には、消灯・消音の設定が行われないまま設定変更に移行することとなるが、設定変更中は、ランプや音により設定変更中であることを示す旨の報知を行い、それらの演出プライオリティは、遊技中の演出に関する演出やエラーに関するプライオリティよりも優先順位が高くなるように設定されているため、BA08Hコマンド欠落時にも違和感のないように制御することが可能となっている。また、設定変更後にBA01Hコマンドを受信した際には、各演出に関する処理が初期設定されるので、正常な状態で遊技を開始することが可能である。
例えば設定確認に関するセキュリティ信号の出力期間については、設定確認処理中と設定確認処理後との何れか一方であってもよいし、それらの両方であってもよい。また、設定確認に関するセキュリティ信号の出力時間(所定時間)は、例えば50ms程度の短時間から30000ms或いはそれ以上の長時間までを任意に設定可能である。設定確認処理中と設定確認処理後とで異なるセキュリティ信号を出力するようにしてもよい。実施形態では設定確認処理の開始時に不正情報タイマに初期値を設定するように構成したが、設定確認処理の実行を示すフラグをセットするようにしてもよい。
実施形態では、設定変更中、設定確認中における性能情報表示手段97のダイナミック点灯制御において、点灯時(4ms)の間だけコモンデータを指定し、消灯時(12ms)の間はコモンデータを指定しない(クリアする)ように構成したが、遊技中に性能情報表示手段97にベース値を表示する場合と同様、4ms毎にコモンデータを切り替えるように構成してもよい。その場合、点灯時(4ms)の間は点灯用データを指定し、消灯時(12ms)の間は、消灯用データに切り替えて点灯制御することが望ましい。
また実施形態では、ダイナミック点灯を行うためのプログラムをモジュール化して、設定変更中と設定確認中とで共通のサブモジュールを呼び出すこととしたが、これに限らず、遊技中に性能情報表示手段97にベース値を表示する際に使用する点灯用モジュールを呼び出すように構成してもよい。
実施形態では、性能表示手段95の一部を設定表示手段94として使用するように構成したが、性能表示手段95の全部を設定表示手段94として使用してもよいし、設定表示手段94と性能表示手段95とを別々に設けてもよい。
実施形態では、性能表示手段95の動作確認表示中に領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合でも、動作確認表示は継続して実行するように構成した例を示したが、動作確認表示中に領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合には性能表示手段95の動作確認表示を中断するように構成してもよい。
この場合の第1の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、動作確認タイマを領域内RAMではなく、点滅周期タイマ等と同じく領域外RAMに記憶することが考えられる。これにより、領域外RAMに異常が生じた場合(図26のS71:Yes)、領域外RAMが初期化(クリア)されることにより(S72)、動作確認タイマは0となるため、それが動作確認表示中であった場合には動作確認表示はその時点で中断し、以後再開されることはない。
この第1の構成を更に変更し、例えば領域外RAMに異常が生じて領域外RAMが初期化(クリア)された場合には、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示を再度最初から実行することができる。このとき、領域外RAMが初期化されたタイミングが動作確認表示中であった場合に限り、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合に再度動作確認表示が行われることを防止できる。逆に、領域外RAMが初期化されたタイミングに拘わらず動作確認タイマに初期値をセットするように構成すれば、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合には再度動作確認表示が行われる。
また、領域外RAMがクリアされた場合に動作確認表示を中断する第2の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合、領域内RAMに記憶された動作確認タイマをクリアすることが考えられる。これにより、領域外RAMの異常により動作確認表示中に領域外RAMがクリアされた場合、動作確認タイマもクリアされて0となるため、動作確認表示はその時点で中断し、以後再開されることはない。
また、領域外RAMがクリアされた場合に動作確認表示を中断する第3の構成としては、例えば実施形態を一部変更し、領域外RAMに異常が生じて領域外RAMがクリアされた場合、領域内RAMに記憶された動作確認タイマに初期値をセットすることが考えられる。これにより、領域外RAMの異常により動作確認表示中に領域外RAMがクリアされた場合、動作確認表示を再度最初から実行することができる。このとき、領域外RAMが初期化されたタイミングが動作確認表示中であった場合に限り、動作確認タイマに初期値をセットするように構成してもよい。これにより、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合に再度動作確認表示が行われることを防止できる。逆に、領域外RAMが初期化されたタイミングに拘わらず動作確認タイマに初期値をセットするように構成すれば、動作確認表示の終了後に領域外RAMに異常が生じた場合には再度動作確認表示が行われる。
性能表示手段95の動作確認表示の態様については、7セグ表示部を全て同時に点滅させる全点滅に限られるものではなく、複数の7セグ表示部を順番に点滅させる順次点滅等でもよい。
設定変更機能に関連する設定変更機能部(RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93、設定表示手段94等)のうち、RAMクリアスイッチ92、設定変更操作手段93については外側から操作できるように主基板ケース82の外側(後側)に露出させておく必要があるが、設定表示手段94については外側から表示内容を視認できればよいため、主基板ケース82内に収容しておくことが望ましい。これにより、少なくとも設定表示手段94へのアクセスが困難となるため、例えば遊技者に有利な設定値に不正に変更しつつ、設定表示手段94には遊技者に不利な設定値を表示させておくようなゴト行為を防止できる。
設定変更機能は、大当り確率を変更するものであるため、ゴト行為の痕跡を容易に発見できるようにしておくことが重要である。そこで、各設定変更機能部に接続される電子部品(例えば、主制御CPU→電子部品1→電子部品2→設定変更機能部の順に接続されている場合には、電子部品1と電子部品2の少なくとも一方)については、主基板ケース82の管理番号表記部や開封履歴表記部等と前後に重ならない位置に配置することが望ましい。これにより、遊技機本体1の後方から主基板ケース82を視認した際(主基板ケース82の背面部分を通して主制御基板82aを視認した際)に、各設定変更機能部に接続される電子部品を容易に確認できる。また、管理番号表記部や開封履歴表記部に限らず、例えば設定可能な設定値の段階数(設定1~6等)や設定毎の大当り確率を表記したシールを主基板ケース82に貼付する場合にも同様の構成とすることが望ましい。
また、各設定変更機能部に接続される電子部品に限らず、例えばベース値を表示する性能表示手段95に接続されている電子部品(物理的に接続されているものに限らず、例えば主制御CPU→電子部品1→電子部品2→性能表示手段95の順に接続されている場合には、電子部品1と電子部品2の両方を含む)についても、同様の構成としておくことが望ましい。これにより、電子部品に対する何らかの不正により累計遊技におけるベース値を書き換えたりリセットするようなゴト行為が行われたとしても、その痕跡の発見が容易となる。
主基板ケース82に設けた各設定変更機能部の後側に位置するように裏カバー85を配置してもよい。これにより、裏カバー85を開放しない限り各設定変更機能部にアクセスできないため、ゴト行為の抑制という面では有利である。また、裏カバー85が主基板ケース82の後側に位置する構成を採用しつつ、各設定変更機能部と裏カバー85とが前後に重ならないように、裏カバー85の一部に開口部、切欠部等を設けてもよい。これにより、主基板ケース82の一部は裏カバー85と前後関係にあるので、裏カバー85を開放しない限り主基板ケース82を容易には取り外せないようにすることができ、ゴト行為を抑制することができると共に、ホール関係者が設定変更を行うために各設定変更機能部にアクセスする際には裏カバー85を開放する必要がなく、設定変更を容易に行うことができる。ホール関係者が設定変更を行う際のアクセスのし易さだけを考慮するならば、裏カバー85が主基板ケース82の後側には位置しないような構成としてもよい。
また、各設定変更機能部のうち、一部の機能部については裏カバー85と前後に重ならない位置に配置し、その他の機能部については裏カバー85と前後に重なる位置に配置してもよい。例えば、各設定変更機能部のうち、設定表示手段94(性能情報表示手段97)については裏カバー85と前後に重なる位置に配置し、その他の設定変更操作手段93、RAMクリアスイッチ92等については裏カバー85と前後に重ならない位置に配置してもよい。これにより、設定表示手段94についてはアクセスし難いため、設定情報の表示を変更するゴト行為を抑制できると共に、設定変更操作手段93、RAMクリアスイッチ92等については裏カバー85を開放することなくアクセスできるため、設定変更を容易に行うことができる。
また、実施形態のように設定キーを鍵穴部に差し込んでON/OFF操作を行う設定変更操作手段93の場合、その鍵穴部を裏カバー85と前後に重なる位置に配置してもよい。またこの場合、鍵穴部に設定キーを挿した状態では裏カバー85を閉鎖することができない構成としてもよい。例えば、裏カバー85を閉鎖した状態での鍵穴部とその後側の裏カバー85との間の隙間を、鍵穴部に挿した状態での設定キーの突出高さよりも小さくしておくことが考えられる。これにより、設定変更や設定確認を行った後の設定キーの抜き忘れを防止することが可能である。逆に、設定キーを挿した状態でも、裏カバー85を閉鎖することができる構成としてもよい。これにより、設定変更や設定確認を行った後、設定キーを挿しっぱなしの状態で裏カバー85を閉鎖したとしても、設定キーとの当接により裏カバー85や設定キーが損傷することを防止できる。
また、設定変更操作手段93の鍵穴部を裏カバー85と前後に重ならない位置に配置することにより、設定キーを挿した状態でも裏カバー85を閉鎖することができる構成としてもよい。この場合、裏カバー85を閉鎖した状態で、鍵穴部に挿した設定キーの頭部が裏カバー85よりも後側に突出するように構成してもよい。これにより、設定変更や設定確認を行った後、設定キーを挿しっぱなしの状態で裏カバー85を閉鎖した場合に、裏カバー85から設定キーが突出するため、設定キーの抜き忘れに気付きやすいという利点がある。
各設定変更機能部のうち、裏カバー85と前後に重なる位置に配置するものと、裏カバー85と前後に重ならない位置に配置するものの組み合わせは任意である。なお、設定表示手段94(性能情報表示手段97)を裏カバー85と前後に重なる位置に配置する場合には、裏カバー85における少なくとも設定表示手段94の後側に対応する部分については、裏カバー85を閉鎖した状態でも設定値を視認できるよう、光透過性とすることが望ましい。また、裏カバー85に設けられた放熱孔を、設定表示手段94と前後に重なる位置に配置してもよい。これにより、設定値を確認する際の視認性が高くなる。また、各設定変更機能部のうち、裏カバー85の放熱孔と前後に重なる位置に配置するものと、裏カバー85の放熱孔と前後に重ならない位置に配置するものの組み合わせは任意である(全て重なる位置でもよいし、全て重ならない位置でもよい)。
設定変更開始コマンド(BA76H)、設定変更終了コマンド(BA77H)、設定確認開始コマンド(BA60H)等の設定変更機能に関するコマンド(以下、設定情報コマンドという)を主制御基板82aからサブ基板へ送信するためのハーネス(以下、特定ハーネスという)については、裏カバー85と前後に重なる位置に配線することが望ましい。裏カバー85に複数の放熱孔がある場合には、特定ハーネスについては、放熱孔を避けた位置に配線することが望ましい。また、ここでいう「ハーネス」は、両端のコネクタ同士を繋ぐ複数本の信号線により構成されるが、上述のように裏カバー85と前後に重なる位置に配線したり、裏カバー85の放熱孔を避けて配線したりするのは、複数本の信号線のうち少なくとも設定情報コマンドが送信される信号線を含んでいればよい。これにより、遊技機後側から特定ハーネスへアクセスすることが困難となり、例えば特定ハーネスや特定ハーネスの信号線を挿脱して不正な電子部品を仕込むことにより本来の設定情報コマンドとは異なる情報を不正にサブ基板へ送信するようなゴト行為を抑制できる。
また特定ハーネスを、裏カバー85と前後に重ならない位置に配線したり、裏カバー85の放熱孔と前後に重なる位置に配線してもよい。これにより、遊技機後側からの特定ハーネスへのアクセスが容易になるとともに、特定ハーネスの遊技機後側からの視認性が高くなり、目視による確認を容易に行うことができる。また、特定ハーネスについては、複数の信号線の周りをビニール性等の特定部材などで覆うことで、アクセスを困難にしてもよい。またその場合であっても、前述した配置を採用することでより強固に不正行為を防止することができる。
実施形態では、設定表示手段94に表示する設定情報に「.(ドット)」を付加するか否かで、その設定情報が確定前のものか確定後のものであるかを識別可能としたが、例えば性能情報表示手段97を構成する7セグ表示部97a~97dのうち、設定表示手段94として利用していない7セグ表示部97b~97dの表示態様の違いによってその設定情報が確定前のものか確定後のものであるかを報知するようにしてもよい。
実施形態では、設定変更中や設定確認中であることを、サブ基板側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66等により報知するように構成したが、主制御基板82a側で制御する盤ランプや設定表示手段94により報知するようにしてもよい。ここで、サブ基板側で制御する電飾手段96とは、例えば遊技機の枠側に搭載されている可動体、操作手段、その他装飾部に設けられているLEDや、遊技機の遊技盤側に搭載されている可動体、始動口、アタッカー、センターケースなどの各種遊技部品に設けられているLEDのことである。一方、主制御基板82a側で制御する盤ランプとは、遊技機正面から視認可能となるように遊技盤16に設けられた遊技情報表示手段50(図5,図6)等である。
遊技情報表示手段50は、主制御基板82a側で決定する図柄抽選に関する様々な事項について、サブ制御基板を介さずに、主制御基板82aから直接信号を受けて、その内容を複数種類の発光表示手段により報知するようになっている。なお実施形態では、遊技情報表示手段50により構成される複数種類の発光表示手段として、普通図柄表示手段51、第1,第2特別図柄表示手段53,54、第1,第2特別保留個数表示手段55,56、普通保留個数表示手段52、変動短縮報知手段57、右打ち報知手段58、ラウンド数報知手段59を例示したが、もちろんそれらに限られるものではない。
そして、設定変更中及び/又は設定確認中に、遊技情報表示手段50を構成するLED60を所定の発光態様で発光させることにより、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するように構成してもよい。この場合の遊技情報表示手段50の発光態様は、そのLED60の全てを点灯、点滅等させるものでもよいし、上述した複数種類の発光表示手段のうちの一部を点灯、点滅等させるものでもよい。またこのとき、設定変更中と設定確認中とで発光態様を異ならせることで設定変更中であるか設定確認中であるかを識別可能としてもよいし、逆に設定変更中と設定確認中とで発光態様を同じにすることで設定変更中と設定確認中との何れであるかについては識別できないようにしてもよい。
また実施形態の場合、設定変更中や設定確認中は遊技が出来ない状態(具体的には、発射操作が不可能であったり、始動入賞口への入賞が無効であったり、図柄変動に係る処理を実行しない状態などであり、要するに主制御のプログラムとしてこれらの処理を行うためのタイマ割込み処理を未だ開始していない状態)であって、遊技情報表示手段50の各発光表示手段についても本来の発光表示を行うことができない。従って、設定変更中及び/又は設定確認中に、その旨を報知するべく遊技情報表示手段50をどのような発光態様で発光させても、それが図柄変動に関する報知であるとホール関係者が誤認してしまう可能性は低いが、設定変更中及び/又は設定確認中に遊技情報表示手段50を以下のように発光させることでより効果的な報知が可能である。
即ち、遊技情報表示手段50の発光表示手段の全部を点灯/消灯/点滅等させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、多くのLED60により視覚的に発光態様を確認し易くすることができる。また、特定単数の発光表示手段のみで報知する場合には、その発光表示手段の発光部が故障していた場合などは報知不可能となるが、全部の発光表示手段を使用して報知する場合にはその心配はない。
また、遊技情報表示手段50の複数種類の発光表示手段のうち、いずれか1つの発光表示手段を点灯/消灯/点滅等させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、全部の発光表示手段を使用して報知する場合に比べて発光制御のためのプログラム容量を少なくすることができる。またその場合、発光表示手段が単数の発光部(LED60)により構成されている場合には、複数の発光部により構成されている場合に比べて視認性は低下するが、主制御から点灯/消灯/点滅を示す制御信号を送信するプログラム容量を更に少なくすることができる。
また、遊技情報表示手段50の複数種類の発光表示手段のうち、少なくとも2以上を組み合わせて点灯/消灯/点滅等させることにより、設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、現在の状況が遊技中ではなく設定変更中或いは設定確認中であると認識させ易くすることができる。例えば、実施形態のように第2特別図柄が第1特別図柄に優先して変動表示されるパチンコ機の場合には、遊技中であれば第1特別図柄と第2特別図柄とが同時に変動することはないため、設定変更中や設定確認中にそれら第1特別図柄と第2特別図柄とに対応する発光表示手段(第1,第2特別図柄表示手段53,54)を同時に点灯等させることで、設定変更中或いは設定確認中であると認識させ易くすることができる。もちろんその他の2以上の発光表示手段により、遊技中には起こり得ない発光態様で設定変更中や設定確認中であることを報知するようにしてもよい。
また、遊技情報表示手段50の少なくとも1つの発光表示手段を、遊技中ではあり得ない発光態様で点灯/消灯/点滅等させることにより、設定変更中や設定確認中であることを報知してもよい。例えば、ラウンド数報知手段59が、遊技中は点滅状態で表示することがない場合に、このラウンド数報知手段59を点滅させることにより設定変更中や設定確認中であることを報知してもよい。
ここで、遊技情報表示手段50の発光表示手段の発光態様として、点灯/消灯/点滅等と説明したが、この場合の点灯、点滅とは、視覚的にそのように認識されるものをいうものとする。即ち、実施形態のようにダイナミック点灯方式により遊技情報表示手段50を制御する場合、点灯状態であっても実際には高速の点滅状態であるが、これは点灯状態とする。点滅状態とは、視覚的に点灯状態(高速の点滅)と消灯状態(消灯)とを所定間隔で繰り返す場合をいう。
また、遊技中に遊技情報表示手段50の発光表示手段を制御する場合にはダイナミック点灯方式とし、設定変更中や設定確認中に遊技情報表示手段50の発光表示手段を制御する場合にはスタティック点灯方式としてもよい。例えば、遊技中は4msのタイマ割込み処理の発生を許可しているため、4ms毎に繰り返し行われる処理を利用して、毎割込み毎に遊技情報表示手段50の発光表示手段のいずれの発光部に点灯に関するデータを送信するかを決定するコモンデータを切り替えることができ、これにより割込み毎に所定間隔で点灯/消灯を繰り返して行うダイナミック点灯制御を行うことが容易である一方、設定変更中や設定確認中は遊技が可能な状態となる前であり、この期間では未だ4msのタイマ割込み処理の発生を許可していないため、同様の処理を実行しようとした場合にはそれを実現するために必要なプログラム容量が大きくなってしまう。その点、設定変更中や設定確認中は遊技情報表示手段50の制御をスタティック点灯方式とすれば、遊技情報表示手段50の発光表示手段のうち、何れかの発光部に対して点灯に関するデータを送信するだけでいいので、ダイナミック点灯制御の場合よりも圧倒的にプログラム容量を少なくすることが可能である。このように、遊技中と設定変更中及び/又は設定確認中とで、遊技情報表示手段50の点灯制御方式を異ならせてもよい。
また、遊技情報表示手段50に、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するための発光表示手段を、遊技中に使用する発光表示手段とは別に設けてもよい。この場合、設定変更中であることを報知する発光表示手段と、設定確認中であることを報知する発光表示手段とを別に設けてもよい。1種類の発光表示手段(1又は複数個の発光部)で設定変更中と設定確認中とを報知する場合、設定変更中と設定確認中とで発光態様を異ならせることで設定変更中であるか設定確認中であるかを識別可能としてもよいし、逆に設定変更中と設定確認中とで発光態様を同じにすることで設定変更中と設定確認中との何れであるかについては識別できないようにしてもよい。
また、遊技情報表示手段50に、遊技中に使用する発光表示手段とは別に、設定変更中であることを報知する発光表示手段と設定確認中であることを報知する発光表示手段とを設ける場合、両者を隣接するように配置することが望ましいが、他の発光表示手段を挟むように配置してもよい。
また、性能表示手段95は、遊技中はベース値を表示する為に常時作動しているため、基本的に遊技中は消灯状態を長時間継続するという制御を行うことがない。そのため、設定変更中や設定確認中などの遊技中ではない状態では、あえて消灯状態を継続することで、現在の状態が遊技中ではないと認識させることができ、それにより設定変更中や設定確認中であることを報知することが可能である。このように、性能表示手段95の本来の表示態様を考慮し、点灯状態ではなく敢えて消灯状態とすることで、設定変更中や設定確認中であることを報知するようにしてもよい。これは、設定表示手段94と性能表示手段95とを別々に設ける場合も同様である。
続いて、設定変更中や設定確認中であることを主制御側で制御する遊技情報表示手段50(盤ランプ)や設定表示手段94、性能表示手段95により報知することによるメリットを以下に記載する。仮にサブ側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66のみによって設定変更中や設定確認中であることを報知する場合には、ゴト行為により、主制御基板とサブ制御基板とを接続する信号線を切断されてしまうと、設定変更中や設定確認中であることを報知することができなくなってしまい、例えばホール関係者に知られることのないまま、容易に設定変更や設定確認を行うことが可能になってしまう。一方、サブ側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66に加えて(或いは代えて)、主制御側で制御する遊技情報表示手段50(盤ランプ)や設定表示手段94、性能表示手段95により設定変更中や設定確認中であることを報知するようにすれば、仮に主制御基板とサブ制御基板とを接続する信号線を切断された場合であっても遊技情報表示手段50や設定表示手段94、性能表示手段95による報知は行われるため、ホール関係者がゴト行為に気付くことが可能となる。
また、遊技機前側から視認可能な遊技情報表示手段50と、遊技機後側から視認可能な設定表示手段94及び/又は性能表示手段95(性能情報表示手段97)とを用いて、設定変更中や設定確認中であることを報知するように構成すれば、遊技機の前側と後側の両方から設定変更中や設定確認中の状態を確認可能である。
また、設定変更中や設定確認中であることを、サブ側(演出制御基板83a)で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66(演出手段)では報知せず、主制御側で制御する遊技情報表示手段50や設定表示手段94、性能表示手段95により報知するように構成してもよいが、サブ側で制御する電飾手段96、スピーカ18,25、液晶表示手段66と、主制御側で制御する遊技情報表示手段50や設定表示手段94、性能表示手段95との両方で報知するように構成することにより例えば識別性がより向上する。
また、設定変更中及び/又は設定確認中であることを報知するための盤ランプとして遊技情報表示手段50を例示したが、主制御基板側で制御するものであればどのような発光手段でもよく、例えば盤側と枠側との何れに設けられているものでもよい。
実施形態では、RAMクリアスイッチ92を設定変更操作用に利用する例を示したが、RAMクリアスイッチ92以外の操作手段、例えば演出ボタン36等を設定変更操作用に利用してもよいし、設定変更操作手段93に、設定変更に関するON/OFF機能に加えて設定変更操作機能を持たせてもよい。また、設定変更操作専用の操作手段を設けてもよい。
設定変更操作手段93は、主制御基板82aとは別の基板に設けてもよい。例えば別途、設定変更操作基板を設け、これに設定変更操作手段93を設けてもよい。
実施形態では、設定値を設定1~6の6段階に変更可能な構成としたが、設定値の段階数は任意であり、2~5段階でもよいし7段階以上でもよい。
演出制御基板83aが設定変更終了コマンド(BA77H)を受信した場合に、設定変更期間が終了した旨を液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25等により報知するようにしてもよい。また、演出制御基板83aが例えば設定確認終了コマンド(BA67H)等を受信した場合に、設定確認期間が終了した旨を液晶表示手段66、電飾手段96、スピーカ18,25等により報知するようにしてもよい。
性能表示手段95の動作確認表示中に、遊技盤16に設けられた盤側可動体(盤可動演出手段67)や前枠3側に設けられた枠側可動体(枠第1可動演出手段26,枠第2可動演出手段27)による初期動作(イニシャル動作)を実行するようにしてもよい。また、性能表示手段95の動作確認表示が終了するまでに可動体の初期動作が終了するように構成することが望ましいが、盤側可動体と枠側可動体のいずれかの可動体についてのみ、動作確認表示中に初期動作が終了するように構成してもよい。また、性能表示手段95の動作確認表示が終了した後に、可動体の初期動作を実行するように構成してもよい。この場合には、当然ながら動作確認表示の終了後に初期動作が完了することとなる。
性能表示手段95の動作確認表示中は、遊技機前側のランプ・音・液晶のうちの少なくとも1つを用いて、動作確認表示中である旨を報知するようにしてもよい。これにより、性能表示手段95が動作確認表示中であることを、ホール従業員等が遊技機前側から確認することができる。性能表示手段95の動作確認表示中であっても、第1,第2特別図柄や普通図柄の変動表示を開始可能に構成してもよい。
設定値に関する各種履歴情報を記憶し、その履歴情報を所定の表示手段、例えば演出制御基板83a側で制御する表示手段(液晶表示手段66等)で表示可能としてもよい。この場合、設定変更処理や設定確認処理が行われた日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。またその場合、設定変更処理や設定確認処理の日時と共に、設定変更処理によって設定された設定値、設定確認処理により確認された設定値を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、例えばRTC(real-time clock)を搭載していないために設定変更等の日時を取得できない場合には、前回の設定変更からの通電経過時間を、例えば設定変更処理によって設定された設定値、設定確認処理により確認された設定値と共に記憶し、表示可能としてもよい。この場合、電源が投入される度にその時点から通電経過時間を蓄積カウントし、設定変更処理や設定確認処理を実行したときにその時点の通電経過時間の蓄積カウント値を履歴情報として記憶するように構成してもよい。更にその場合、通電経過時間の蓄積カウント値は設定変更処理を実行したときにクリアされ、設定確認処理を実行してもクリアされないように構成する。なお、例えばRTCを搭載している場合でも、設定変更等の日時と共に、或いは日時に代えて前回の設定変更からの通電経過時間を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、設定変更処理や設定確認処理の日時を履歴情報として記憶する場合、その履歴情報に基づいて例えば前回の設定変更からの経過時間等を算出し、表示可能としてもよい。また、特定のエラー情報が発生した場合にその旨を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。
設定値が異常値であると判定した場合には、その日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、設定値が異常値であると判定した後、正常な設定値が設定された場合に、その間の経過時間等を表示可能としてもよい。また、本来は遊技中に設定値が変更されたり、設定値が正常値から異常値になることはないが、ノイズやゴト行為により、遊技中にもかかわらず設定値に変更があった場合には、その日時を履歴情報として記憶し、表示可能としてもよい。また、RAMクリア処理やバックアップ復帰処理が行われた場合にも例えば履歴情報として記憶し、その日時や回数等を表示可能としてもよい。
履歴情報の表示は、設定確認処理中や設定変更処理中とすることが望ましい。また、設定確認処理中や設定変更処理中に所定の操作入力があった場合に、表示手段に履歴情報を表示するように構成してもよい。また、遊技中であっても所定の操作入力があった場合には、表示手段に履歴情報を表示するように構成してもよい。
以上のような履歴情報は、演出制御基板83a側にSRAMを設け、このSRAMに記憶するようにしてもよい。演出制御基板83aの演出制御CPUは、電源投入時にSRAMの情報を読み出して内部ワークに保存し、後述する所定のタイミングで、内部ワークの情報をSRAMに記憶する処理を行う。基本的には、履歴情報はSRAMに記憶するが、履歴情報に更新がある場合には、内部ワークの値を更新するようにしている。このように更新時には内部ワークの値を更新することで、更新の度にSRAMにアクセスする必要がなく、SRAMへのアクセス頻度を少なくでき、処理速度を高速化することができる。
また、更新した内部ワークの情報については、例えばその内部ワークに記憶された経過時間を参照し、所定時間が経過したと判断されたタイミングでSRAMに記憶するようにしてもよい。また、主制御基板82a側から演出制御基板83a側に、設定確認中コマンド、設定確認終了コマンド、設定変更中コマンド、設定変更完了コマンド等の所定のコマンドが送信されたタイミングで、内部ワークの値をSRAMに記憶するようにしてもよい。ここで、設定確認中コマンド、定確認終了コマンド、設定変更中コマンド、設定変更完了コマンドが送信された場合には、その時点で新たに履歴情報が追加されることとなるため、まず新たな履歴情報を内部ワークに記憶した上で、SRAMに記憶する処理を行うことが望ましい。またこの際、バックアップ用のデータをSRAMのバックアップ領域に記憶させておくようにしてもよい(以下、SRAMの履歴情報を記憶している領域をメイン領域とし、バックアップ用のデータを記憶している領域をバックアップ領域とする)。
また、内部ワークの情報についてサム値を算出し、これも同様にSRAMに記憶させておくようにしてもよい。これにより、例えば演出制御CPUの電源が投入されたタイミングや履歴情報を表示するタイミングでSRAMの履歴情報を内部ワークに読み出した場合に、読み出した内部ワークのサム値と記憶したサム値とを比較することで、履歴情報が正常か否かを判断することができる。ここで、内部ワークに読み出した履歴情報が正常ではない場合には、バックアップ用として記憶した履歴情報をSRAMから内部ワークに読み出すようにしてもよい。またこの際にも、読み出した内部ワークのサム値とバックアップ用に記憶したサム値とを比較して、正常なデータか否かを判断するようにしてもよい。そして、バックアップ用の履歴情報も正常ではないと判断された場合には、内部ワークの情報を初期化した上で、その初期化データをSRAMに書き込むようにしてもよい。この場合、SRAMのバックアップ領域に対しても初期化データを書き込むようにする。一方、バックアップ用の履歴情報が正常であると判断された場合には、内部ワークの情報をSRAMのメイン領域に書き込むようにする。これにより、正常ではないと判断されたメイン領域の履歴情報を正常なものに書き換えることができる。
SRAMの履歴情報が記憶されるメイン領域とバックアップ領域には、例えばチェックサム記憶領域(2バイト)、最新履歴位置情報記憶領域(2バイト)、経過時間記憶領域(4バイト)、履歴記憶領域(300バイト)等を夫々設けてもよい。ここで、チェックサム記憶領域には、サム値が記憶されている。また最新履歴位置情報記憶領域には、最新の履歴情報を記憶するための位置情報が記憶されている。例えば現在30履歴までを記憶している場合には、次に記憶する履歴情報は31個目になるので、最新履歴位置情報記憶領域には31履歴目の情報として記憶するための位置情報を記憶している。ここで、記憶可能な履歴情報の数を最大50個とした場合には、50履歴の次に新たな履歴を記憶する場合には、1履歴目の情報に上書きする形で記憶することとなるので、最新履歴位置情報記憶領域は、1履歴目を示す情報となる。なお、それらの例えば最大50個の履歴情報は上述した履歴記憶領域に記憶される。また経過時間記憶領域には、上述した通電経過時間の蓄積カウント値等が記憶される。
履歴情報の表示中は、遊技機前側の十字操作手段37、演出ボタン36等の操作手段を操作することによって履歴情報の切り替えを行えるようにしてもよい。例えば、最初に表示される画面を1ページ目とした場合に、ここには最新の履歴情報を1個目として、過去へ遡る形で所定個数(例えば10個目まで)の履歴情報が表示される。そして、例えば十字操作手段37の左右キーを操作することで、2ページ目へと切り替わり、11個目から20個目までの履歴情報が表示される。同様の操作により例えば5ページ目まで切替可能であり、それによって例えば全50履歴まで表示可能となる。そのため、ページの切替操作が行われたタイミングでは、次に表示されるページにて表示する必要がある履歴情報についてのみ、その情報がコマンドにより液晶制御CPUへ送信又は表示手段に送信されることとなる。また、履歴情報の1ページ目については、ページ切り替え用の操作手段(ここでは十字操作手段37の左右キー)とは別の操作手段(例えば演出ボタン36)が操作された場合にその表示を開始するようにしてもよい。また、何れかのページを表示中に、ページ切り替え用の操作手段(ここでは十字操作手段37の左右キー)とは別の操作手段(例えば演出ボタン36)が操作された場合には履歴情報の表示を終了するようにしてもよい。また、所定期間中(設定確認中、設定変更中等)は、所定の操作手段(ここでは演出ボタン36)を操作する毎に、履歴情報の表示と非表示とを切り替え可能としてもよい。
履歴情報の表示中は、ベース値を表示する性能表示手段95を非表示としておくことが望ましい。また、性能表示手段95の動作確認表示についても履歴情報の表示中は行わないようにすることが望ましい。また、履歴情報の表示中であっても、音量及び/又は光量の調整が有効となるように構成してもよい。この場合、履歴情報の表示中は、音量及び/又は光量の調整が有効であっても、履歴情報を表示している表示手段には調整が有効である旨の表示は行わないことが望ましいが、行う場合には履歴情報とは重ならない位置に表示することが望ましい。また、履歴情報の表示中は、音量及び/又は光量の調整の調整ができないようにしてもよい。
また、履歴情報の表示中は、少なくとも盤側の可動体のイニシャライズ動作を実行しないようにすることが望ましい。これにより盤側の可動体が表示手段(液晶表示手段66)の前側に移動して、表示画面の視認性を妨げてしまうことを防止することができる。また、枠側の可動体についても同様にイニシャライズ動作を実行しないようにしてもよい。但し、枠側の可動体については、液晶表示手段66等の表示画面を妨げる可能性がない場合にはイニシャライズを行うようにしてもよい。この場合、例えば演出ボタン36等の操作手段に搭載された振動手段や、エアーを噴出する送風手段28などについてもイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。これにより、枠側の可動体については、先にイニシャライズ動作を終了させておくことができるので、履歴情報の表示終了後、すなわち設定確認処理や設定変更処理の終了後に、盤側の可動体のイニシャライズを行うだけで済むため効率的である。またこれに限らず、履歴情報の表示終了後に、全ての可動体についてイニシャライズ動作を行うようにしてもよい。
上述した全ての実施形態、変更形態は、どのように組み合わせて構成してもよく、各実施形態、変更形態として記載した内容は個別の実施形態、変更形態のみに限定されるものではない。
また本発明は、アレンジボール機、雀球遊技機等の各種弾球遊技機の他、スロットマシン等の弾球遊技機以外の遊技機においても同様に実施することが可能である。