JP3057608B2 - 平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 この発明は、車両用トルク分配型遊星歯車装置に関す
る。その遊星歯車装置は、ハウジングに設けられた遊星
歯車機構を有しており、ハウジングは遊星歯車機構によ
って相互に結合される一対の駆動軸の周りに回転可能で
ある。

発明の背景 一般に、差動歯車装置は、一対の駆動軸がハウジング
に関して反対方向に回転するのを許容するために、一対
の駆動軸を相互に連結する複数の部品からなる遊星歯車
機構を含んでいる。駆動軸は、共通の軸の周りに回転す
る。そして、いわゆるサイドギヤが二つの駆動軸の内側
の端部にそれと一緒に回転するように固定されている。
このサイドギヤは、遊星歯車機構の太陽歯車として動作
する。太陽歯車は、いわゆるエレメントギヤまたは結合
歯車によって相互に連結されている。エレメントギヤま
たは結合歯車は、遊星歯車機構の遊星歯車になってい
る。遊星歯車は、太陽歯車と駆動軸との共通軸に対して
種々に偏心し、かつ傾斜した軸の周りに回転可能に設け
られている。

通常、太陽歯車の軸と遊星歯車の軸との相対的位置が
遊星歯車機構を構成する歯車列の種類を決定する。平行
軸は、平歯車またははすば歯車を組みつけるために用い
られる（例えば、米国特許2269734（Powell）、2382846
（Barber）および3768336（Wharton）参照）。直交軸
は、軸間に偏心があるか否かにより、傘歯車かウォーム
歯車を組みつけるために用いられる。すなわち、傘歯車
は、太陽歯車の軸と遊星歯車の軸とが交差するときに用
いられる。一方、ウォーム歯車は、歯車の軸が交差しな
いときに用いられる（後者の例として、米国特許137365
7参照） 差動歯車装置の中の全ての遊星歯車列は、駆動軸の端
部間の相対的な逆回転を可能にする（例えば、差動）。
相対的な逆回転は、２つの駆動軸の端部が異なる速度で
駆動されるのを許容するのに必要である。太陽歯車／サ
イドギヤの傾斜した歯面を介して駆動軸に伝達されるト
ルクは、差動歯車装置の中の歯車用軸受の表面に対して
推力を生じる。（そのような軸受の表面は、ハウジング
に形成されるジャーナルから構成してもよく、あるいは
歯車が収容される孔の端部であってもよく、あるいは歯
車の端面または端軸とハウジングとの間に配置される特
別のワッシャであってもよい。）。推力は、遊星歯車列
の噛み合う歯車によって伝達される他の荷重と共に、駆
動軸間の相対回転に対する摩擦抵抗を発生させる。この
摩擦抵抗は、デフハウスに作用するトルクと釣り合って
いる。釣り合った摩擦抵抗は、遊星歯車機構の特有のバ
イアス比が達成されるまで２つの駆動軸が相対回転する
のを妨げるために、二つの駆動軸の間に異なった量のト
ルクを生じさせる。一旦、摩擦抵抗が負けて差動回転が
始まると、２つの駆動軸間に異なるトルクがバイアス比
にしたがって配分される。相対回転する２つの駆動軸間
に実質的に一定の割合でトルクを分配する差動歯車装置
は、「トルク分配」差動歯車装置として扱われている。

２つの駆動軸間に異なった量のトルクを生じさせる能
力は、車両の牽引能力の改善に大きく寄与する。通常、
従来の差動歯車装置を有する車両の一方の駆動輪が牽引
力をロスしたとき、他の駆動輪に分配されるトルク量も
同様に減少する。しかしながら、一方の駆動輪が牽引力
をロスして２つの駆動軸間に差動が生じるときに、トク
ル分配差動歯車装置は、より良い牽引力を有する駆動輪
に増加した量のトルクを分配する。そのような増加した
トルクは、差動歯車装置の特有のバイアス比によって決
定される。

いくつかの周知のトルク分配型差動歯車装置は、直交
する軸を有する遊星歯車機構を使用しているが、他のも
のは平行な軸を有する歯車機構を使用している。後者の
タイプの例としては、米国特許1938649（Welsh）、2000
223（Dupras）および2479638（Randall）がある。上に
引用されたFinefrock特許は、直交軸とウォーム歯車機
構を用いたトルク分配型差動歯車装置の一例である。

一般に、平行軸のはすば歯車機構に用いられる歯車
は、直交軸のウォーム歯車タイプのトルク分配歯車機構
に用いられる歯車よりも製造することが容易である。し
かしながら、後者が前者と同一数の太陽要素と遊星要素
とで製造された場合、後者の歯車の噛み合いと支持軸受
との間により大きな摩擦抵抗を発生させる。そして、こ
れが順番により大きなトルクバイアスおよび／またはバ
イアスに対する増大した制御力を創造する。ウォーム歯
車タイプの差動歯車装置においては、太陽歯車／サイド
ギヤは、一対のウォーム歯車であり、それらはハウジン
グの本体部の中の遊星歯車の対に組み込まれた複数のい
わゆるエレメントギヤによって相互に結合されている。
対をなすエレメントギヤの回転軸は互いに平行である
が、サイドギヤの共通の回転軸とは捩れの関係にある。
典型的には、サイドギヤは、その周囲から等しく離れた
位置においてハウジングに組付けられた三対のエレメン
トギヤによって相互に結合されている。

ウォーム歯車タイプの差動歯車装置の遊星歯車／エレ
メントギヤは、実際には結合歯車である。例えば、各エ
レメントギヤの中央部は、ウォームホイルとして形成さ
れている。一方、それぞれの軸端部は平歯車として形成
されている。ウォーム歯車タイプのトルク分配差動歯車
装置の歯車列は、次のようなものである。どの特定の対
のエレメントギヤにおいても、第１のエレメントギヤの
ウォームホイル部は、一のサイドギヤと噛み合い、第２
のエレメントギヤのウォームホイル部は、他のサイドギ
ヤと噛み合う。各エレメントギヤの平歯車部は、互いに
噛み合う。

典型的な平行タイプのトルク分配差動歯車装置（上で
引用したDupras文献に開示されたようなもの）もまた二
つの駆動軸の端部に太陽歯車／サイドギヤを固定し、こ
れらのサイドギヤを複数対の遊星歯車で相互に結合して
いる。各遊星歯車は、それと対をなす歯車と噛み合って
いる。対をなす各歯車は、二つのサイドギヤの一方とそ
れぞれ噛み合う。しかしながら、上記のウォーム歯車タ
イプのエレメントギヤとは著しく異なり、平行軸の差動
歯車機構においては、遊星歯車に一つの中央部と二つの
端部とが形成されていない。その代わり、各遊星歯車の
一方の軸端部は、サイドギヤとそれぞれ噛み合ってお
り、他方の軸端部は、対をなす遊星歯車と噛み合ってい
る。この形態の遊星歯車もまた、複数対の遊星歯車の代
わりに、遊星歯車をサイドギヤの全周にわたって連続的
に噛み合うように組みつけた平行軸遊星歯車装置に用い
られている。例えば、米国特許第1869528号（Trbojevic
h）および第3738192号（Belansky）を参照されたい。す
なわち、全ての公知の平行軸トルク分配差動歯車装置に
おいては、遊星歯車の対は、一方の軸端部においてのみ
互いに噛み合っており、それらのそれぞれの負荷は、と
きどきではあるが、主としてそれらの軸の組み付け支持
体の一端部だけで支持されている。

私の発明は、そのような平行軸トルク分配差動歯車装
置の遊星歯車組み付け支持体における荷重バランスを改
良し、さらにそのような差動歯車装置に摩擦面を増大さ
せ、それにより大きなバイアス比を制御することができ
るようにするものである。さらに、私の平行軸差動歯車
装置は、今までのウォームタイプの直交軸差動歯車装置
において知られているだけであるような分離した二重噛
み合いを有する新規な遊星歯車の対を含む。

発明の要約 この発明は、トルク分配タイプの車両用差動歯車装置
において使用するための改良された平行軸遊星歯車列を
含む。私の差動歯車装置の太陽歯車／サイドギヤは、共
通軸を有する駆動軸の端部に固定されるように適合させ
られており、それらは結合歯車からなる少なくとも一対
の遊星歯車によって相互に連結されている。一対の各結
合歯車は、サドギヤの一つとそれぞれ噛み合っており、
各結合歯車は、それと対をなす結合歯車と噛み合う二つ
の分離した噛み合い領域をそれぞれ有する。各結合歯車
において、二つの噛み合い部はサイドギヤと噛み合って
いる歯車部を跨ぐ。好ましい具体例においては、噛み合
い部は、結合歯車の２つの軸端部にそれぞれ配置されて
いる。

各結合歯車の三つの噛み合い部は、平歯車またはヘリ
カル歯車として設計することができ、三つの部分のそれ
ぞれは異なる歯にすることができる。しかしながら、一
つの好ましい具体例においては、各対の結合歯車は、大
きさが等しく、捩れ方向が反対方向である捩れ歯に設計
された複数セットの噛み合い部を有する。好ましい遊星
機構の各サイドギヤもまた、捩れ方向が反対である点を
除いて同様である捩れ歯を有している。

他の好ましい具体例においては、全ての結合歯車が同
一になっている。しかし、各結合歯車の二つの分離した
噛み合い領域は、反対方向の捩れ角を有している。同様
に、二つのサイドギヤは両方共に同一方向の捩れを有し
ている。この歯車機構は、結合歯車に軸方向の推力を創
造し、各連結歯車の推力を受ける端面は、トルクバイア
スを増大し、および／または制御するために用いること
ができる付加的な摩擦面になる。（そのように端部の推
力が増大した歯車機構は、これとともに同日にJ.S.Dye
とG.B.Tsengの出願人名で出願された「平行軸差動歯車
装置のための端部推力設計」という名称の普通に指定さ
れた米国特許出願に開示されており、その開示は参照と
して取り入れられている。） さらに、好ましい結合歯車は、二組だけの相互に分離
した歯を有している。二つの噛み合い部は、各結合歯車
の外側の軸端部にそれぞれ配置されているけれども、各
歯車の噛み合い部の一方は、サイドギヤと噛み合ってい
る歯車の噛み合い部と連続している。そして、各結合歯
車のこの連続した噛み合い領域は、空間によって他方の
歯車領域から分離されている。空間は、結合歯車がそれ
と対をなす結合歯車と噛み合うサイドギヤと接触するの
を避けるためのクリアランスを生じさせる。

対をなす遊星歯車のためのこの発明の新規な設計は、
先行技術を越えた重要な改良を提供する。それは、これ
らの歯車に作用する荷重をそれらの軸支持体の外端部に
できり限り接近して位置させる。さらに、各対の結合歯
車に分配された歯車から歯車へ伝達される荷重は、より
一層適切に平衡させられる。この説明はまた、上に示し
たように、トルクバイアスを増大および／または大きく
制御させるための摩擦面を提供する。

図面 図１は、この発明によるトルク分配型差動歯車装置の
好ましい具体例を示す透視図であり、遊星歯車機構を示
すために一部は取り除かれている。図２および図３は、
図１に示す歯車機構を得るために可能である二つの歯車
設計の象徴的な図である。

詳細な説明 図１に示すように、差動歯車装置10は、ハウジング12
を有している。このハウジングは、２つの駆動軸14、16
の各端部を収容し、かつ支持している。２つの駆動軸は
いずれも軸18と同心に組み付けられている。駆動軸14,1
6の各端部には、サイドギヤ20,22がそれぞれ固定されて
いる。各サイドギヤは、図示の遊星歯車機構の太陽歯車
としてそれぞれ働く。サイドギヤ20,22の回りには、二
対の遊星歯車がサイドギヤから等しく離れて配置されて
いる。二対の遊星歯車は、結合歯車24,26と28,30とから
それぞれ構成されている。

各遊星歯車の対のうちの一方の結合歯車は、二つのサ
イドギヤの一方と噛み合っている。すなわち、結合歯車
24,28はサイドギヤ20と噛み合っており、結合歯車26,30
はサイドギヤ22と噛み合っている。さらに、各対の結合
歯車は、それぞれの軸端部において互いに噛み合ってい
る。この関係は、簡略化を目的として作成された図2,3
の象徴図に最もよく表されている。基本的な遊星歯車機
構は包まれていない。そこで、象徴的配置では二つのサ
イドギヤ20,22を反対側に図示し、共通軸18を図示のよ
うに分けている。

図２に示すように、各結合歯車24,26は、軸端部（分
離領域）32,34をそれぞれ有している。軸端部32,34は、
対をなす結合歯車の反対側の軸端部とそれぞれ噛み合っ
ている。各結合歯車の反対側の端部は、歯を有する大き
な連続噛み合い領域36,38になっている。各連続噛み合
い領域は、第１の歯車部（分離領域）40,42と第２の歯
車部48,50とをそれぞれ有している。第１の歯車部40,42
は、対をなす結合歯車の軸端部34,32とそれぞれ噛み合
っている。第２の歯車部48,50は、サイドギヤ20,22とそ
れぞれ噛み合っている。互いに噛み合う軸端部32,34と
第１の歯車部40,42とは、第２の歯車部48,50とサイドギ
ヤ20,22との噛み合い部分を跨いでいる。

好ましい具体例においては、各結合歯車は、一つの軸
体から製造される。しかしながら、各結合歯車の３つの
異なる噛み合い部は、それらが一体として回転するよ
う、例えば共通の軸にスプラインで相互に適切に結合す
るならば、別個の素材から製造することも可能である。

各結合歯車は、周知の手段の一つによってハウジング
12に適切に組み付けられる。例えば、各結合歯車は、ケ
ーシング12に形成された適切な軸受に、軸ピン、または
歯車素材の軸端部に形成されたジャーナルによって支持
される。

図３に示すこの発明のさらに好ましい具体例では、数
個の部品からなる遊星歯車機構を製造するために設計の
異なる二つの歯車が要求されるだけである。サイドギヤ
20′,22′は、同一の右捩れに設計されている。全ての
結合歯車24′,26′,28′,30′は、同一に設計されてい
る。すなわち、全ての結合歯車は、サイドギヤの右捩れ
歯（Ｒ）と噛み合う左捩れ歯（Ｌ）を有する連続噛み合
い領域36′,38′、およびサイドギヤと同一方向の捩れ
歯を有し、それ故相手となる結合歯車の軸端部40′,4
2′との噛み合いに供される軸端部32′,34′と一緒に製
造されている。

この発明の好ましい形態においては、連続噛み合い領
域36,36′,38,38′は、全領域を通じて同様な捩れ角で
かつ同様な設計の歯を有している。しかしながら、各結
合歯車の軸端部40′,42′を異なる歯に設計することも
可能であり、そのようにすれば各対の結合歯車の軸端部
はサイドギヤ20,22と噛み合う歯と異なる歯を含むこと
になる。

基本的な歯車設計を２つしか必要としないようにする
ことは製造を簡単にするのであるが、図３に示す歯車機
構はいくつかの設計には適切でないかもしれない。サイ
ドギヤ20′,22′に作用する推力が平衡しないからであ
る。対照的に図２の遊星歯車機構では、サイドギヤ20が
右捩れ歯（Ｒ）を有し、サイドギヤ22が左捩れ歯（Ｌ）
を有している。また、結合歯車24は、連続噛み合い領域
36と軸方向端部32との両方に左捩れ歯（Ｌ）を有してい
る。一方、結合歯車26は、その両方の噛み合い領域に右
捩れ歯（Ｒ）を有している。図２の設計では、４つの異
なる歯車要素が必要である。

また、サイドギヤ20,22および結合歯車24,26が捩れ歯
を有しているので、それらの噛み合いによって結合歯車
24,26に軸方向を向くスラスト力（推力）が作用し、そ
のスラスト力によって結合歯車24,26の端面24a,24b;26
a,26bがハウジング12の支持面12a,12bに押し付けられ
る。端面24a,24b;26a,26bおよび支持面12a,12bは、結合
歯車24,26の軸線と直交する平面とされており、結合歯
車24,26が相対回転すると、押圧接触面間に摩擦トルク
が発生する。この点は、他の対の結合歯車についても同
様である。そして、各結合歯車に発生する摩擦トルクに
よって大きなトルクバイアス比が得られる。勿論、図３
に示す実施例においても同様である。

なお、端面24a,24b;26a,26b支持面12a,12bに同時に押
し付けられることはなく、端面24a,24bの一方と端面26
a,26bの一方とが支持面12aまたは12bに押し付けられ
る。いずれの端面がいずれの支持面に押し付けられるか
は、サイドギヤ20,22および結合歯車24,26の捩れ方向と
回転方向によって定まる。

好ましい結合歯車はまた空間領域44,44′,46,46′を
含む。この空間領域は、それが形成された結合歯車が当
該結合歯車と対をなす結合歯車と噛み合うサイドギヤ／
太陽歯車に干渉するのを避けるためのクリアランスを生
じさせる。このことは、図１に示す透視図で最もよく理
解することができる。

図１に示す複数の部品からなる遊星歯車機構は、180
゜離れて配置された二対の結合歯車しか有していない
が、この発明の好ましい具体例は、サイドギヤの周りに
120゜離れた三対の遊星歯車を含む。勿論、この発明
は、サイドギヤと同心の一つの円周上に配置された遊星
結合歯車で構成することも可能である。そのように配置
すれば、他の全ての結合歯車は反対側のサイドギヤとそ
れぞれ噛み合い、またそれに隣接する結合歯車の両方と
二つの領域で噛み合うようになるであろう。

上記のように、各結合歯車がそれと対をなす結合歯車
と噛み合う軸方向に離れた二つの領域（分離領域）は、
各結合歯車がサイドギヤと噛み合う箇所を跨ぐ。さら
に、連続噛み合い領域36,38は、歯車の中央部に配置さ
れるのでなく、むしろ支持される二つの軸端部の一方に
接近して配置される。同様に、各対の結合歯車が互いに
噛み合う分離領域は、歯車の軸端部に隣接して配置され
ている。それにより、分離領域は、遊星歯車の対の各々
を支持する支持体によって共有される荷重をより適切に
分配する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭48−78369（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−97346（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−76938（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−165049（ＪＰ，Ａ) 米国特許2550750（ＵＳ，Ａ)

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一つの差動ハウジング（12）と、 捩れ歯を有し、かつ一対の駆動軸の軸端部（14,16）を
   収容し、それらと共に共通の軸（18）の回りに回転する
   よう、上記ハウジング（12）に配置された一対の円筒状
   のサイドギヤ（20,22）；（20′,22′）と、 捩れ歯を有し、かつ上記ハウジング（12）に支持された
   少なくとも一対の円筒状の結合歯車（24,26）；（24′,
   26′）とを備え、 各対の各結合歯車は、上記サイドギヤの一方と噛み合う
   とともに、対をなす結合歯車と噛み合い、 上記サイドギヤと結合歯車との噛み合いは、上記駆動軸
   の軸端部（14,16）を相互に駆動する関係において連結
   し、 上記結合歯車は、その軸が上記サイドギヤの共通軸（1
   8）と平行になるように上記ハウジングに支持されてい
   る平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置において、 上記各対の結合歯車は、軸方向に離れた二つの分離領域
   （32,40;34,42）；（32′,40′;34′,42′）で互いに噛
   み合っており、二つの分離領域は、各結合歯車がサイド
   ギヤ（20,22）；（20′,22′）と噛み合う部分（48,5
   0）；（48′,50′）を跨いでおり、少なくとも一対の結
   合歯車が、上記ハウジング（12）の支持面（12a,12b）
   と摩擦係合する少なくとも一つの端面（24aまたは24b,2
   6aまたは26b）；（24′ａまたは24′b,26′ａまたは2
   6′ｂ）を有し、この端面および上記支持面が結合歯車
   の軸と直交する平面に形成されていることを特徴とする
   平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置。
2. 【請求項２】各対の結合歯車が噛み合う上記分離領域が
   上記結合歯車の軸端部にそれぞれ近接して配置されてい
   る請求項１の平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置。
3. 【請求項３】上記一対のサイドギヤ（20,22）が互いに
   逆方向の捩れ角で傾斜した歯をそれぞれ有しており、各
   対の結合歯車（24,26）が互いに逆方向の捩れ角の噛み
   合い歯をそれぞれ有している請求項１の平行軸の結合歯
   車を有する差動歯車装置。
4. 【請求項４】上記一対のサイドギヤ（20′,22′）が互
   いに同一方向の捩れ角で傾斜した歯をそれぞれ有してお
   り、上記各対の結合歯車（24′,26′）が、軸方向に離
   れ、かつ互いに逆方向の捩れ角を有する二対の分離領域
   （32′,40′;34′,42′）をそれぞれ有している請求項
   １の平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置。
5. 【請求項５】各対の上記結合歯車（24,26;24′,26′）
   が、上記分離領域（32,40;34,42）；（32′,40′;34′,
   42′）の両方に噛み合う捩れ歯を有している請求項１の
   平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置。
6. 【請求項６】各対の結合歯車（24,26;24′,26′）が噛
   み合う上記分離領域の一方（40,42）；（40′,42′）
   が、各結合歯車がサイドギヤ（20,22）；（20′,22′）
   と噛み合う領域（48,50）；（48′,50′）に連続して、
   連続噛み合い領域（36,38）；（36′,38′）を形成する
   請求項１の平行軸の結合歯車を有する差動歯車装置。
7. 【請求項７】各結合歯車の上記連続噛み合い領域（36,3
   8）；（36′,38′）が、対をなす結合歯車と噛み合う他
   の領域（32,34）；（32′,34′）から空間領域（44,4
   6）；（44′,46′）によって分離されており、その空間
   領域（44,46）；（44′,46′）は、各結合歯車がそれと
   対をなす結合歯車と噛み合うサイドギヤ（20,22）；（2
   0′,22′）と接触するのを避けるためのクリアランスを
   生じさせる請求項６の平行軸の結合歯車を有する差動歯
   車装置。
8. 【請求項８】各結合歯車の上記連続噛み合い領域は、そ
   れと対をなす結合歯車およびサイドギヤとそれぞれ噛み
   合うための二つの別個の領域に分離されており、 上記二つの別個の領域は、上記結合歯車がそれと対をな
   す結合歯車と噛み合う上記別個の噛み合い領域が、上記
   サイドギヤと噛み合う上記別個の噛み合い領域の捩れ歯
   と逆方向の捩れ歯を有するように、歯車の歯が設計され
   ている請求項６の平行軸の結合歯車を有する差動歯車装
   置。