JP3057584U - 眼鏡用パッド取付具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂フレームに、フィット性の良好なパッド
を確実且つ容易に取り付ける。 【解決手段】 アーム２の上端に、眼鏡のレンズ保持枠
６の内側部分にビス固定される円弧状屈曲部１６を設
け、該屈曲部１６の先端に、レンズ保持枠６の内側部分
に設けた係止孔１０に挿入される係止軸１１を折曲形成
する。前記屈曲部１６が形成するビス挿通孔１５を挿通
するビス２３を、レンズ保持枠６の内側部分に設けたネ
ジ孔２１にねじ込むことによって、アーム２の上端を前
記内側部分に固定する。又アーム２の下端に、パッドを
取り付ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、樹脂フレームに取り付けられる眼鏡用パッド取付具に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

樹脂フレームのパッドは、通常、図５に示すようにフレームａと一体に成形さ れていたが、このような一体型のパッドｂは、各人の鼻の高さに合いにくい不具 合があった。そこで、かかる問題点を解決するために、従来のメタルフレームに おけると同様のフィット性を有するパッド取付具の開発が進められてきた。

【０００３】 図６〜７は該パッド取付具ｃの一例を示すものであり、樹脂フレームｄのブリ ッジ部ｅの背面ｆにビス固定される横長の固定片ｇの両端にアームｈ，ｈを斜め 下方に突設すると共に、各アームｈの下端に設けた取付け部ｊにパッドｋを取り 付ける構成を有しており、前記固定片ｇがその左右２点でブリッジ部ｅにビスｍ で固定されることによって、パッド取付具ｃが樹脂フレームｄに取り付けられる ものであった。

【０００４】 又図８〜９、図１０〜１１は前記パッド取付具ｃの他の例を示すものであり、 下端にパッドｋが取り付けられるアームｈの上端にアンカー部ｎが突設され、該 アンカー部ｎが樹脂フレームｄのレンズ保持枠ｐの内側部分ｑに埋め込まれるこ とによって、パッド取付具ｃが樹脂フレームｄに取り付けられるものであった。 なお、図８においてはアンカー部ｎが一本であるが、図１０においては、アンカ ー効果を高めるために、上下２本のアンカー部ｎ，ｎが設けられている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかる構成を有する従来のパッド取付具によるときには次のよ うな問題点があった。 ビス止め方式を採用する図６〜７に示すパッド取付具ｃによるときは、固定 片ｇがその左右２点でブリッジ部ｅにビス止めされるために、パッド取付具ｃを フレームに安定状態に固定できる利点があったが、形状が異なるフレームに共通 して使用できないために、フレーム形状に合わせた大きさや寸法を有する固定片 及びアームを具備したパッド取付具を何種類も設計製作せざるを得ず、従って製 造コストの上昇を招く問題があった。

【０００６】 又前記埋め込み方式を採用する図８〜９、図１０〜１１に示すパッド取付具 ｃは、フレームの左右に独立して取り付けられるものであるため、形状の異なる フレームに対しても共通して用いることができ、そのアンカー部ｎをフレームｄ の所要位置に埋め込むことによって該フレームｄに容易に固定できる利点があっ た。しかしながら、かかるパッド取付具を具える眼鏡が、例えば、高い外気温に 晒されて高温状態にある自動車の車内に置かれた場合、温度上昇に伴い樹脂が熱 膨張すると、アンカー部にガタツキが生じてパッドの取付け状態が不安定化し、 そのうちにパッド取付具が抜け落ちてしまうこともあった。これは、アンカー部 を複数設けたものにおいても同様であった。

【０００７】 又、前記パッド取付具を複数部品のロウ付により製作する場合は、そのロウ 付箇所が多いために製造能率が悪く、コスト上昇を招く問題もあった。 本考案は、かかる問題点を解決し得る眼鏡用パッド取付具の提供を目的とする ものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するため、本考案は以下の手段を採用する。 即ち本考案に係る眼鏡用パッド取付具（以下パッド取付具という）は、アーム の上端に、眼鏡のレンズ保持枠の内側部分にビス固定される固定部と、該内側部 分に設けた係止孔に挿入される係止軸とが設けられると共に、前記アームの下端 にはパッドの取付け部が設けられていることを特徴とするものである。

【０００９】 前記パッド取付具において、前記アームの上端に、円弧状の屈曲部を連設して ビス挿通孔を設けることとし、その屈曲部の先端で前記係止軸を屈曲形成するの がよい。

【００１０】 本考案に係るパッド取付具は、一本の線材を屈曲して全体を一連に形成するこ ととし、前記アームの上端に円弧状の屈曲部を連設してビス挿通孔を設けると共 に、その屈曲部の先端で前記係止軸を屈曲形成し、又前記アームの下端には、パ ッドの取付け部を屈曲形成するのがよい。この場合、前記円弧状の屈曲部は、レ ンズ保持枠の内側から外側に向けて屈曲する円弧状に形成するのがよい。

【００１１】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図１〜４において本考案に係るパッド取付具１は、アーム２の上端に、樹脂フ レーム３を用いた眼鏡５のレンズ保持枠６の内側部分７の背面側にビス固定され る固定部９と、該背面側に設けた係止孔１０（図３）に挿入される係止軸１１と が設けられると共に、前記アーム２の下端にはパッドの取付け部１２が設けられ てなるものである。

【００１２】 より具体的には、該パッド取付具１は、一本の線材を屈曲して全体を一連に形 成しており、中間でＺ字状に折れ曲がった前記アーム２の下端を上方向に折り曲 げると共にその上端を該アームに向けてＶ字状に屈曲させて楕円形状の取付け孔 １３を形成する一方、該アーム２の上端を、図３〜４に示すように、レンズ保持 枠６の内側から外側に向けて円弧状に折り曲げてその端部１４をアーム２に当接 状態としてビス挿通孔１５を形成し、このように折り曲げて形成した屈曲部１６ の先端に連ねて、前記レンズ保持枠６の内側部分の背面側上部に設けた前記係止 孔１０に挿入される前記係止軸１１を屈曲形成してなるものである。

【００１３】 図１〜２には、前記取付け部１２にパッド１７を取り付けた状態が示されてお り、該パッド１７の背面に設けた連結突部１９の有する周方向の溝２０が前記取 付け孔１３に嵌合した状態で取り付けられている。

【００１４】 かかる構成を有するパッド取付具１を樹脂フレーム３に固定するに先立ち、図 ３に示すように、レンズ保持枠６の内側部分７の背面側の上部所要部位に、ネジ 孔２１と前記係止孔１０とを上下に小間隔を置いて設けておく。

【００１５】 然して、図１〜２、図４に示すように、前記係止軸１１を係止孔１０に挿入さ せると共に前記ビス挿通孔１５を前記ネジ孔２１と位置合わせして後、座金２２ を介してビス２３をネジ孔２１にねじ込むと、パッド取付具１は前記内側部分７ に固定されることになる。

【００１６】 この固定状態は、係止軸１１とビス２３による２点止着構造であるため、単に １本のビスで固定されているのとは異なり、係止軸１１により回り止めされてネ ジが緩みにくい固定状態である。

【００１７】 本実施例においては、円弧状の屈曲部１６を、それがレンズ保持枠６の内側か ら外側に向けて屈曲するように配置して、該レンズ保持枠６に前記固定部９を固 定しているため、眼鏡着用状態においてアーム２が図２、図４に矢印で示すよう に弾性変形したときは、前記係止軸１１で一端が止められた屈曲部１６が小径と なるように変形し、該屈曲部１６がネジ軸部を締め付ける傾向となる。そのため 、眼鏡着用状態におけるビスの緩み防止が一層確実に達成されることになる。

【００１８】 〔その他の実施例〕 例えば図４において、前記円弧状の屈曲部１６の端部１４がアーム２にロウ 付されることもある。

【００１９】 アーム上端の固定部９は、ビス挿通孔を有する板状に形成されることもある 。

【００２０】 係止孔１０に挿入される係止軸１１は、ロウ付によって設けられることもあ る。

【００２１】 アーム下端のパッドの取付け部１２は、図６に示すと同様にして、パッドの 連結突部を挿入させる箱状に構成されることもある。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は、樹脂フレームを用いる眼鏡を各人の鼻の高さに良好にフィットする ように構成可能とするのは元より、以下の如き優れた効果を奏する。 本考案に係るパッド取付具は、フレームの左右に独立して取り付けられるた め、各種のフレームに共通して用いることができ、製造コストの低減を期し得る こととなる。

【００２３】 本考案に係るパッド取付具は、アームの上端に、ビス固定用の固定部と回り 止め用の係止軸とが設けられているため、該係止軸とビスによる２点止めにより 、パッド取付具を、回り止めを図りながらネジの緩みを防止して、レンズ保持枠 に確実に固定することができる。 従って、前記した従来のアンカー部埋め込み方式におけるような、熱膨張によ るガタツキ発生の恐れなく、前記した従来の２点ビス止め固定手段を採用するパ ッド取付具におけると同様に、安定した固定状態を維持できることになる。 又、固定部と係止軸とを近接して設けることができるため、パッド取付具を小 スペースで固定できる。従って、パッド取付具の取り付け部位の関係で眼鏡デザ インが制約を受ける恐れがない。 このように本考案は、前記従来のビス止め方式のものにおける固定状態の安定 的維持の利点と、前記従来の埋め込み方式におけるコンパクト取り付けの利点、 及び各種フレームに対する共通使用の利点を併有している。

【００２４】 特に、一本の線材を屈曲してパッド取付具を構成するときは、複数の部品を ロウ付する加工を全く必要とせずに曲げ加工だけでパッド取付具を形成できるた め、パッド取付具の製造能率の向上と製造コストの低減を期し得る。

【００２５】 一本の線材を屈曲してパッド取付具を構成する場合、アームの上端に連設す る屈曲部を、レンズ保持枠の内側から外側に向けて屈曲するように設ける場合は 、眼鏡着用状態においてアームが外向きに弾性変形するとき、前記屈曲部が小径 となるように変形することから該屈曲部がビスを締めつける傾向となり、従って 、眼鏡着用状態におけるビスの緩みが一層確実に防止されることになる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るパッド取付具をその使用状態で示
す斜視図である。

【図２】その正面図である。

【図３】パッド取付具のフレームへの固定構造を分解し
て示す斜視図である。

【図４】パッド取付具の固定部をフレームに固定した状
態を示す一部断面正面図である。

【図５】従来のパッド一体型の眼鏡を示す部分斜視図で
ある。

【図６】後付け方式の従来のパッド取付具を示す斜視図
である。

【図７】その取り付け状態を示す正面図である。

【図８】後付け方式の従来のパッド取付具の他の態様を
示す斜視図である。

【図９】その取り付け状態を示す正面図である。

【図１０】後付け方式の従来のパッド取付具のその他の
態様を示す斜視図である。

【図１１】その取り付け状態を示す正面図である。

【符号の説明】

１ パッド取付具 ２ アーム ３ 樹脂フレーム ６ レンズ保持枠 ７ 内側部分 ９ 固定部 １０ 係止孔 １１ 係止軸 １２ 取付け部 １３ 取付け孔 １５ ビス挿通孔 １６ 屈曲部 １７ パッド ２１ ネジ孔 ２３ ビス

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アームの上端に、眼鏡のレンズ保持枠の
   内側部分にビス固定される固定部と、該内側部分に設け
   た係止孔に挿入される係止軸とが設けられると共に、前
   記アームの下端にはパッドの取付け部が設けられている
   ことを特徴とする眼鏡用パッド取付具。
2. 【請求項２】 前記アームの上端に、円弧状の屈曲部が
   連設されてビス挿通孔が設けられると共に、その屈曲部
   の先端で前記係止軸が屈曲形成されていることを特徴と
   する請求項１記載の眼鏡用パッド取付具。
3. 【請求項３】 一本の線材を屈曲して全体が一連に形成
   されており、前記アームの上端に円弧状の屈曲部が連設
   されてビス挿通孔が設けられると共に、その屈曲部の先
   端で前記係止軸が屈曲形成されており、又前記アームの
   下端には、パッドの取付け部が屈曲形成されていること
   を特徴とする請求項１記載の眼鏡用パッド取付具。
4. 【請求項４】 一本の線材を屈曲して全体が一連に形成
   されており、前記アームの上端に、レンズ保持枠の内側
   から外側に向けて屈曲する円弧状の屈曲部が連設されて
   ビス挿通孔が設けられると共に、その屈曲部の先端で前
   記係止軸が屈曲形成されており、又前記アームの下端に
   は、パッドの取付け部が屈曲形成されていることを特徴
   とする請求項１記載の眼鏡用パッド取付具。