JP3056926B2 - 法面形成方法及び法面型枠 - Google Patents

法面形成方法及び法面型枠

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JP3056926B2
JP3056926B2 JP5287536A JP28753693A JP3056926B2 JP 3056926 B2 JP3056926 B2 JP 3056926B2 JP 5287536 A JP5287536 A JP 5287536A JP 28753693 A JP28753693 A JP 28753693A JP 3056926 B2 JP3056926 B2 JP 3056926B2
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鈴木  茂
徹 関山
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ゼオン化成株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は法面形成方法及び法面型
枠に係り、特に盛土工等において急勾配法面を安全に施
工できるとともに、均一な法面勾配を確保できるように
した法面形成方法及び法面型枠に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、盛土斜面等の施工技術において、
所定の引張強度を有する繊維状シートあるいは格子状マ
ットからなる補強材を盛土材料と交互に積層敷設して盛
土部分全体のせん断抵抗力を増加させ、斜面のすべり抵
抗性を高め、急傾斜勾配の盛土法面の施工を行えるよう
にした補強土工法が種々開発されてきている。この補強
土工法に使用される補強材は「ジオテキスタイル」と呼
ばれ、透水性合成繊維シート、格子状グリッド(以下、
グリッド材という。)、格子状ネット等、各補強土工法
の特徴に合致した補強材が種々開発されている。これら
のうちグリッド材は、合成繊維束を粗く編んで格子状マ
ットを形成し、材料表面に補強樹脂コーティングを行っ
たり、孔あきポリマーシートを2軸方向に延伸して格子
状マットを構成した補強材で、格子の網目に相当する開
口部面積の比率が大きい格子構造をなしている。
【0003】このようなグリッド材を補強材として用
い、所定勾配の法面を形成する先行技術として特開平3
−51423号公報に開示された盛土形成方法がある。
同工法では法面を所定勾配に形成するために図5に示し
たような法面形成用の型枠50が使用されている。この
型枠50は山形鋼(アングル材)を法面の勾配に等しい
傾斜角をなす2本のL字形部材51を所定間隔をあけて
配置し、その上端51aと後端51b位置同士を山形鋼
からなる連結部材52で連結した枠体53と、この枠体
53に周辺部が溶接接合された格子状の溶接金網からな
る格子状部材55とから構成されている。このとき必要
に応じて角度保持のためのブレース材56を取り付ける
ようになっている。
【0004】この型枠50を使用して法面を形成するに
は、図6(a)に示したようにまず所定の基盤面上にグ
リッド材57を敷設し、このグリッド材57上の法面形
成位置に型枠50を載置固定し、その背面側を型枠50
の天端位置まで盛土材58で盛り立て、その状態でグリ
ッド材57の端部57aを型枠50の背面位置まで巻き
返してその位置でパイプ材等の接合部材59で上下位置
になるグリッド材57同士を連結して定着するようにな
っている。そしてこの手順を繰り返して所定高さまで盛
土を行い、最後に土のう60で型枠50の上端を安定さ
せて盛土を完了させるようになっている。この法面形成
方法では、従来法面形成位置に土のうを積み上げて整形
し、補強土の端部を定着しながら盛土を繰り返していた
法面形成作業の効率化が行え、また均一な勾配の法面が
形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記盛土形成方法では
図6(a)に示したように法面位置で側面からみて略L
字形をなす型枠50が上下方向に接して積み上げられ、
法面が構成されている。このとき型枠の背面に盛土され
る盛土材58は所定土層厚の撒き出しと転圧とが繰り返
され、型枠50の天端位置まで盛り立てられる。したが
って多段に型枠が積み上げられた状態で盛土面を転圧す
ると、下層への載荷重により地盤全体が同図(a)内に
破線で示したように一様に沈下しようとする。ところ
が、型枠50のL字形部材51が上下位置にある型枠5
0のL字形部材51にそれぞれ接して配置されているた
め、型枠背面の地盤が沈下すると、図6(b)に示した
ように型枠50同士が接触して競ってしまい、型枠50
が形成された法面から押し出され、積み上げた型枠50
の前面が不揃いになり、均一な法面勾配が確保できない
という問題がある。また、型枠が著しく変位するような
場合には背面の地表面にひび割れ61等が発生して風化
の進行を早め、法面崩壊に進行してしまうというおそれ
もある。
【0006】 さらに、図5に示したような形状の型枠
50では法面部分の格子状部材55は図7に示したよう
に上端の連結部材52でしか支持されていないので、盛
土及び上載荷重による側圧(図7で矢印で示されてい
る)が作用すると剛性の小さい格子状部材が破線で示し
たように外側にはらみ出してしまう。また、型枠50の
長手方向に関しても格子状部材55はL字形部材51部
分では堅固に固着されているが、中央部では十分に指示
されていないため、型枠の長手方向にもはらみ出してし
まい、横方向に並べられた型枠の連結部分に大きな負担
がかかるという問題もある。
【0007】そこで、本発明の目的は上述した従来の技
術が有する問題点を解消し、法面の背面地盤の沈下等が
生じたり、法面に側圧が作用した場合にも均一な法面勾
配を確保できるとともに整形された法面の変形を防止で
きるようにした法面形成方法及び法面型枠を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、法面形成方法としての本発明は樹脂格子状体を地盤
面に敷設し、該樹脂格子状体上の法面形成部に所定法面
勾配をなす法面板と底板からなる法面型枠を載置固定
し、該法面型枠の裏面位置の前記樹脂格子状体上に該法
面型枠の天端高さとほぼ同じ高さまで盛土するととも
に、該盛土の天端位置の地表面に段差部を設けるよう
に、その前面が法面に一致した断面台形形状の土ブロッ
クを形成し、該土ブロックを転圧整形後、前記樹脂格子
状体の端末部を前記法面型枠と前記土ブロックとを包み
込むように前記土ブロック上に巻き返し、該土ブロック
の背面位置まで巻き返されかつ前記段差部の低い部分ま
で延在した前記樹脂格子状体の端末部上に定着用盛土材
を撒き出し転圧して形成した前記土ブロックとほぼ等し
い地盤高となる土層内に前記端末部を定着し、以後所定
法面高さになるまで前記手順を順次繰り返し、法面を形
成するようにしたことを特徴とするものである。
【0009】 前記発明に使用される法面型枠としての
本発明は、所定法面勾配とほぼ等しい角度をなすように
略L字形に形成された支持フレームと、該支持フレーム
に両側端が固着された状態で所定角度をなした法面板と
底板とを構成し、該法面板の上部が前記支持フレームの
上端より所定長さだけ延出するような寸法に設定された
格子状部材と、該格子状部材の両側端の支持フレーム
に、前記法面板にさし渡され連結された連結部材とから
なることを特徴とする。
【0010】
【作用】法面形成方法としての本発明によれば、樹脂格
子状体を地盤面に敷設し、該樹脂格子状体上の法面形成
部に所定法面勾配をなす法面板と底板からなる法面型枠
を載置固定し、該法面型枠の裏面位置の前記樹脂格子状
体上に該法面型枠の天端高さとほぼ同じ高さまで盛土す
るとともに、該盛土の天端位置に土ブロックを併せて形
成し、該土ブロックを転圧整形後、前記樹脂格子状体の
端末部を前記法面型枠と前記土ブロックとを包み込むよ
うに前記土ブロック上に巻き返し、該土ブロックの背面
位置まで巻き返された前記樹脂格子状体の端末部上に定
着用盛土材を撒き出し転圧して前記端末部を地山内に定
着し、以後所定法面高さになるまで前記手順を順次繰り
返し、法面を形成したことにより、均一な勾配の法面を
順次確実に形成できるとともに、前記法面型枠が積み重
ねられた際に法面型枠同士が接触せず、緩衝部分として
の土層が積層されるので、盛土部分が沈下を伴うような
場合に法面型枠が競って傾いたりせず、均一な勾配の法
面を保持することができる。
【0011】また、前記発明に使用される法面型枠とし
ての本発明によれば、所定法面勾配とほぼ等しい角度を
なすように略L字形に形成された支持フレームに格子状
部材の両端を固着し、該支持フレームに両側端が固着さ
れた状態で所定角度をなした法面板と底板とを構成し、
このとき該法面板の上部が前記支持フレームの上端より
所定長さだけ延出するような寸法に設定し、前記法面板
の高さ方向のほぼ中間位置に連結部材を配置して前記格
子状部材の両側端に固着された支持フレームを連結した
ので、前記法面板に作用する土圧により前記格子状部材
がはらみ出し変形するのを防止することができる。
【0012】
【実施例】以下本発明による法面形成方法及び法面型枠
の一実施例を添付図面を参照して説明する。図1は本発
明による法面形成方法により形成した盛土部の一例を示
した断面図である。本実施例では4段の法面型枠1を使
用した急勾配盛土工の例が示されているが、盛土勾配、
盛土高さは設計上、種々設定されるものであり、本実施
例ではその一例を示している。同図において、符号10
は基礎地盤を所定の高さ(レベル)に整形して設けた基
盤面Gに敷設された樹脂格子状体たるグリッド材を示し
ている。このグリッド材10は強化延伸工程を経て所定
の繊維束状のポリエステル繊維構造体を編目が所定寸法
の格子状となるようにたて糸及びよこ糸(たて糸及びよ
こ糸をストランドとも呼ぶ。)を交織し、その表面をポ
リ塩化ビニル樹脂で被膜した柔軟性を有する格子状マッ
トである。
【0013】 本実施例で使用したグリッド材の機械的
性質として、ポリエステル繊維構造体は引張荷重作用方
向に配置されるたて糸の引張強度が2〜15(tf/
m)程度に設定されている。また、編目の格子寸法は約
10〜50mmの範囲で各種設定されている。ユーザー
はこれらの強度、寸法のグリッド材のうち、盛土材の土
質定数、盛土部分の所要せん断強度等により好適なサイ
ズを使用することができる。本実施例では20×20m
mの格子寸法のグリッド材が使用されている。この程度
のサイズのグリッド材は通常の盛土材を使用して急勾配
盛土に使用された際に、グリッド材で上下層に仕切られ
た盛土材の土粒子のインターロッキング効果を十分引き
出せ、上下層の盛土材とグリッド材とが一体的にすべり
等に抵抗することができ、盛土形成において好適なもの
である。
【0014】盛土部分には図2に示した法面型枠1が基
盤面G上に敷設されたグリッド材10の法面形成位置に
上下方向に2段積みされている。この法面型枠1を包み
込むようにしてグリッド材10の端部10aが巻き返さ
れ、その端部10aが法面型枠1の上端位置に形成され
た盛土材14の土ブロック13の背面13aで、定着用
に撒き出し転圧された盛土材14により地盤内に定着さ
れている。そしてグリッド材10定着部分がほぼ水平盤
Hを形成するように転圧され、さらにその水平盤H上に
次層のグリッド材10が敷設され、同様の盛土転圧工程
により法面型枠1の2段分の盛土が行われている。
【0015】ここで、図1に示したような急勾配盛土に
おけるグリッド材10の敷設長さ及び上下配置ピッチに
ついて説明する。図1に示したように地盤内に敷設され
たグリッド材10の最奥部の端部10bは盛土内の仮想
線Aより深く位置するように設定されている。この仮想
線Aは盛土範囲に発生する土塊の内的安定(円弧すべ
り、せん断による破断、引き抜け)に対してすべて安全
となるような領域を含むように設定されている。これに
より盛土部分にすべりが発生してもすべり面がグリッド
材10を横切る位置において、土塊すべり作用力をグリ
ッド材10の引張抵抗力により負担することができ、す
べりに確実に抵抗できる。
【0016】また、グリッド材10の上下配置ピッチは
設置する法面型枠1の高さの倍数(通常、1段、または
2段)とし、設計上、必要となるグリッド材10のせん
断抵抗力等の各種設計値から設定することが好ましい。
なお、図示していないが、盛土内の間隙水圧が上昇する
と斜面崩壊の危険性が増大するので、グリッド材を敷設
するとともに、水抜きパイプやドレーン材等の地下水排
水工を併せて施すことが好ましい。これによりグリッド
材の補強効果を保持することができる。
【0017】次に、法面型枠1の構成について図2を参
照して説明する。この法面型枠1は図5に示した型枠と
同様の目的で使用されるが、構成上、次のような特徴を
有している。この法面型枠1は法面の勾配に等しい傾斜
角のL字形をなす支持フレーム2を有している。この支
持フレーム2は山形鋼(アングル材)の加工材で法面形
成時の法面定規に相当する斜部材2Aと、地盤面に載置
されるベース材2Bとを前記傾斜角となるように溶接接
合したものである。この支持フレーム2は2本が所定間
隔をあけて配置され、1本の連結部材3により連結され
ている。この連結部材3は背面から作用する土圧合力位
置にほぼ一致するような高さに配置され、両端部3a、
3bが支持フレーム2の斜部材2Aのフランジ内面に固
着されている。これにより連結部材3は支持フレーム2
の間隔を保持するとともに、法面型枠1の背面から作用
する土圧に抵抗する土圧抵抗部材としての機能も有す
る。
【0018】本実施例では連結部材3には軽量箱型鋼が
使用されているが、所定の曲げ剛性と強度とが得られれ
ば山形鋼等、種々の部材を使用することができる。ま
た、本実施例では法面型枠1の法面投影高さは50cm
に設定され、連結部材3の取付段数も1段であるが、設
定された法面型枠1の高さが大きい場合には、法面の変
形防止のために連結部材3を複数段設置することも好ま
しい。さらに、法面型枠1の斜部材2Aの角度を保持す
るために図2に示したように平鋼等からなるブレース材
4を配置しても良い。
【0019】 さらに格子状部材としての溶接金網5が
支持フレーム2の斜部材2Aとベース部材2Bの各外面
フランジとが連結部材3とに支持されるように溶接接合
されている。これにより法面型枠1は斜部材2A及び連
結部材3によって支持された溶接金網5により法面板6
が、ベース材2Bによって支持された溶接金網5によ
り底板7が構成される。本実施例では格子寸法が約5c
m角の溶接金網が使用されている。この格子寸法は前述
のグリッド材10の格子寸法よりかなり大きく設定され
ているが、本実施例では溶接金網の内面に不織布からな
る緑化マット(後述する)が固定ピン(図示せず)によ
り取り付けられている。このため約5cm角程度の格子
寸法に設定されていても背面土砂が法面に流出すること
がない。したがって溶接金網5の寸法は緑化マット等が
施工されていない場合には法面型枠1の背面に盛土材1
4を保持できる程度に細かく設定することが好ましい。
【0020】また、以上の構成から明らかなように連結
部材3は法面板6の高さ方向のほぼ中間位置に設置され
ているので、法面型枠1に盛土による側圧が作用する場
合、支持フレーム2で支持された法面板6の溶接金網5
と連結部材3とで作用土圧に抵抗し、特に連結部材3に
より溶接金網5のはらみ出しが有効に防止される。この
とき法面板6を構成する溶接金網5の上部5aは支持フ
レーム2の上端2aから7.5cm程度延出しており、
盛土材14はこの溶接金網5の天端位置レベルまで盛り
立てられる。したがって法面型枠1は図1に示したよう
に積み上げられた状態で上下位置にある支持フレーム2
の間に所定厚さの土層15が介在することになる。この
ため盛土が転圧されたり、上載荷重によって沈下するよ
うな場合にも、このこの土層15部分が緩衝材として一
様に沈下する。また、グリッド材10を巻き返した部分
でも上側の法面型枠1が土ブロック13を含む土層15
の沈下とともに、下側の法面型枠1の溶接金網5部分に
沿って水平を保持して沈下する。このため法面型枠1同
士が競って傾いたり、法面がはらみ出したりすることな
く均一な法面勾配を確保することができる。
【0021】なお、本実施例では格子状部材として溶接
金網が使用されているが、その他平織金網、エキスパン
ドメタル、メタルラス等種々のものを使用することがで
きる。さらに所定の強度と耐久性を有し、耐火性能が優
れたものであれば樹脂ネットも使用することができる。
その際、支持フレーム2と連結部材3への固定は所定の
取付金具で行うようにすることが好ましい。
【0022】また、法面型枠1は隣接した支持フレーム
2の側面フランジ面が接するように複数個を一列に並べ
て法面の一段を構成するように配置し、側面フランジ面
を連結ボルト等の固定部材20で連結するようになって
いる。また、法面型枠1を基盤面Gや盛土面に固定する
にはベース材2Bに形成された固定孔21を利用してア
ンカーボルト22を地面に打ち込み、法面型枠1全体を
固定すれば良い。
【0023】次に、本発明による法面形成方法の施工手
順について、グリッド材10を敷設してから盛土し、そ
のグリッド材10の端部を定着するまでの1サイクルを
例に図3及び図4を参照して説明する。なお、図面の都
合上、ステップ1(図中、S1と記す)からステップ3
までを図3に、それ以後のステップを図4に示してあ
る。まず、均し機械(図示せず)によりほぼ水平に均さ
れた基盤面G(または1サイクル前の盛土天端面)にグ
リッド材10を敷設する。このグリッド材10の地中に
埋設される端部10bは前述のように設計限界すべり面
の外側まで延設し、他端10aは巻き返し代分を確保し
て斜面に沿って延ばしておく。そして法面形成位置に法
面型枠1Aを載置し、アンカーボルト22を地盤面Gに
打ち込んで法面型枠1Aを固定する。このとき法面型枠
1Aの溶接金網5の内側面に緑化マット23を樹脂製の
固定ピン等で取着しておくことが好ましい(ステップ
1)。
【0024】この緑化マット23は保水性のある不織布
等からなり、芝等の種子と肥料や培養土が配合された所
定幅のロール状に加工されており、溶接金網5を覆うよ
うな寸法に切断され、法面型枠1Aの法面板6と底板7
の一部に貼着されている。この緑化マット23は法面施
工後、所定期間で芝等の種子が発芽し、法面の盛土内に
根付いて繁殖することにより法面表層を保護でき、降雨
等により法面土砂が洗い流されて斜面崩壊が生じるのを
有効に防止できる。
【0025】さらに図3のステップ1の状態から所定の
土層厚で盛土材14を撒き出し、転圧しながら法面型枠
1Aの法面板6の溶接金網5の天端位置まで盛土する。
そして緑化マット23の上端を折り込み、法面勾配が均
一になるように上側の法面型枠1Bを設置固定する(ス
テップ2)。さらにステップ3に示したように法面型枠
1Bの背面に盛土を行い、溶接金網5の天端まで盛土を
行ったら、地表面に段差部13bを設けるように前面1
3aが法面位置に一致する断面台形状の土ブロック13
を形成する。この土ブロック13は均し機械(図示せ
ず)により十分に締固めを行い、比較的堅固なブロック
に仕上げることが好ましい。
【0026】この状態から図4のステップ4に示したよ
うに2段に積み上げた法面型枠1A、1Bと土ブロック
13とを包み込むようにグリッド材10の端部10aを
上方に巻き上げ、端部10aを土ブロック13の背面位
置まで延ばす。このときグリッド材10は端部10aが
土ブロック13の背面位置まで十分覆えるような長さに
設定しておくことが好ましい。そして段差部13bの低
い部分まで延びているグリッド材端部10a上に定着用
の盛土材14を撒き出す(ステップ5)。
【0027】この状態で盛土材14を転圧するとステッ
プ5に矢印で示したように法面を覆うように巻き返され
たグリッド材10を上方に引っ張り上げるような緊張力
がグリッド材10に導入される。したがって定着用の盛
土材14をステップ6に示したように水平盤Hを形成す
るように転圧することによりグリッド材10に所定の緊
張力を加えながらグリッド材10を法面に沿って張り上
げていくことができる。これにより法面に対して法面を
外方から押さえるような拘束力を与えることができると
ともに、斜面に沿って若干引張力を加えた状態でグリッ
ド材10が施工されるので、均一な法面勾配の見栄えの
良い法面を形成することができる。以後、この1サイク
ルの盛土作業を繰り返していくことにより所定高さの法
面を形成することができる。さらに盛土終了後、一定の
期間が経ると緑化マット23の芝30が発芽、生長して
法面の表面全体を覆うようになり、法面保護の役割を果
たすことができる(図4(S6)参照)。
【0028】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、法面型枠を使用して急勾配法面を安全にかつ
確実に施工できるとともに、施工に伴い生じる沈下によ
っても法面が均一な勾配を確保でき、また盛土による作
用側圧に対しても抵抗性を備えているので、法面のはら
み出し等の変形を防止でき、高品質の法面を提供するこ
とができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による法面形成方法の一実施例により形
成された盛土斜面の一例を示した断面図。
【図2】本発明の法面型枠の一例を示した斜視図。
【図3】本発明による法面形成方法により法面を施工す
る施工手順を示した概略施工順序図。
【図4】本発明による法面形成方法により法面を施工す
る施工手順を示した概略施工順序図。
【図5】従来の同種の法面形成方法に使用される法面型
枠の一例を示した斜視図。
【図6】図5に示した法面型枠で形成された法面の変形
の一例を示した断面図。
【図7】図5に示した法面型枠の変形の一例を示した部
分断面図。
【符号の説明】
1,1A,1B 法面型枠 2 支持フレーム 2A 斜部材 2B ベース材 3 連結部材 5 溶接金網 6 法面板 7 底板 10 グリッド材 13 土ブロック 14 盛土材 23 緑化マット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E02D 17/18 - 17/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂格子状体を地盤面に敷設し、該樹脂
    格子状体上の法面形成部に所定法面勾配をなす法面板と
    底板からなる法面型枠を載置固定し、該法面型枠の裏面
    位置の前記樹脂格子状体上に該法面型枠の天端高さとほ
    ぼ同じ高さまで盛土するとともに、該盛土の天端位置
    地表面に段差部を設けるように、その前面が法面に一致
    した断面台形形状の土ブロックを形成し、該土ブロック
    を転圧整形後、前記樹脂格子状体の端末部を前記法面型
    枠と前記土ブロックとを包み込むように前記土ブロック
    上に巻き返し、該土ブロックの背面位置まで巻き返され
    かつ前記段差部の低い部分まで延在した前記樹脂格子状
    体の端末部上に定着用盛土材を撒き出し転圧し、前記土
    ブロックとほぼ等しい地盤高となる土層内に前記端末部
    定着し、以後所定法面高さになるまで前記手順を順次
    繰り返し、法面を形成するようにしたことを特徴とする
    法面形成方法。
  2. 【請求項2】所定法面勾配とほぼ等しい角度をなすよう
    に略L字形に形成された支持フレームと、該支持フレー
    ムに両側端が固着された状態で所定角度をなした法面板
    と底板とを構成し、該法面板の上部が前記支持フレーム
    の上端より所定長さだけ延出するような寸法に設定され
    た格子状部材と、該格子状部材の両側端の支持フレーム
    に、前記法面板にさし渡され連結された連結部材とから
    なることを特徴とする法面型枠。
JP5287536A 1993-10-22 1993-10-22 法面形成方法及び法面型枠 Expired - Fee Related JP3056926B2 (ja)

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