JP3055609U - プリント配線板用トレイ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】運搬時と保管時における振動・摩擦等による傷
や塵埃の侵入が防止され、ポリエチレン袋の廃棄の問題
が発生せず、しかも再利用が可能なプリント配線板用ト
レイの提供。 【解決手段】図１のａにおいて、トレイ１は、その外周
に１対の手掛部３、３を有し、またトレイ１には、プリ
ント配線板の収納部２を少なくとも１個設ける。収納部
２を２個以上有する場合には、異なる大きさの収納部２
を複数配置してもよい。収納部２は、凹部からなり、凹
部の内周壁１１は、すり鉢状に傾斜している。例えば、
３種類の異なったサイズのプリント配線板の収納凹部２
ａ，２ｂ，２ｃを有する。これらのプリント配線板の収
納凹部２ａ，２ｂ，２ｃは、中心を軸にしてそれぞれ３
０°ずつずらして配置されており、即ち収納凹部２ａと
２ｂとの角度は３０°回転した位置に配置され、また収
納凹部２ｂと２ｃとは、同様に３０°回転して配置され
ている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】本考案は、プリント配線板用トレイに関し、更に 詳しくはプリント配線板の製造部門から受理・組立部門に至る運搬と保管に使用 するプリント配線板用トレイに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、製造されたプリント配線板は、運搬時に振動・摩擦等 による傷がついたり、また運搬時や保管時に埃や塵を被るのを防止するために、 通常、１枚づつポリエチレン袋に入れ、更に１０枚ひとまとめにしてポリエチレ ン袋に入れたものを段ボールケース等に収納し、運搬又は保管等を行っていた。 そして、製造・出荷部門から受理・組立部門に至る各部門の受入れ検査等が介在 する際、プリント配線板の包装が開放され、各種の検査等が行われる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、前述の如き２重のポリエチ レン包装がされたものは、包装におけるポリエチレン袋入れの工程が２回と袋外 しの工程が２回行われるために作業効率が悪いばかりでなく、加えてポリエチレ ン袋の廃棄処理を行わなければならず、昨今の廃棄物処理問題を抱えるなか、問 題となっていた。

【０００４】 そこで、本考案者等は、このような運搬時と保管時における振動・摩擦等によ る傷や塵埃の侵入が防止されると共に、ポリエチレン袋の廃棄の問題が発生せず 、しかも再利用が可能な点を課題として種々検討したところ、複数のサイズのプ リント配線板の収納を兼ねることができるトレイを用い、更に該トレイの収納部 の内周壁に傾斜を設けると共に底部にボスを設けることによって、前記課題が解 決されることを見出し、この知見に基づいて本考案はなされたものである。

【０００５】 したがって、本考案が解決しようとする課題は、運搬時と保管時における振動 ・摩擦等による傷や塵埃の侵入が防止され、ポリエチレン袋の廃棄の問題が発生 せず、しかも再利用が可能なプリント配線板用トレイを提供するものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案の上記課題は、以下の請求項１〜請求項３の考案によってそれぞれ達成 される。

【０００７】 請求項１ 少なくともプリント配線板の収納部を有するトレイであって、該トレ イの外周壁には、少なくとも１対の手掛部を有し、前記収納部の内周壁はすり鉢 状の傾斜を有すると共に、該収納部は、異なったサイズのプリント配線板を少な くとも２種類以上の収納を兼ねることができるようにその角度をずらし、かつプ リント配線板の形状に合わせた収納凹部からなり、更に該収納凹部の４つの角部 及び中央部にはボスを有することを特徴とするプリント配線板用トレイ。 請求項２ 請求項１記載のプリント配線板用トレイの外周壁が下方向で外側に拡 大する傾斜を有することを特徴とするプリント配線板用トレイ。 請求項３ 異なったサイズのプリント配線板の各収納凹部付近に表示記号を有す ることを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のプリント配線板用トレイ。

【０００８】

【作用】本考案において、異なったサイズのプリント配線板の収納凹部をそ れぞれずらして配置することにより、１個のトレイでプリント配線板のサイズに 応じた収納凹部に収納して用いることができるので、作業効率がよく、かつ経済 的である。またトレイの外周壁がテーパ部を有するので、二つ以上を重ねること ができ、したがって塵埃の侵入が防止される。更にトレイの外周に１対の手掛部 を有するので、段ボール等のケースからの取り出しが乃至持ち歩きが容易である 。

【０００９】 更に本考案において、収納凹部の内周壁がテーパを有するので、プリント配線 板が密着・固定される。またこの収納凹部の底部の４つの角及び中央部にボスを 有するので、運搬時等の振動・摩擦等による傷の発生の防止やランド部（メッキ 処理）に対する振動・摩擦による傷を防止することができる。更に収納凹部には 、複数のプリント配線板を収納し得るようになっており、このうち所要のプリン ト配線板を収納した際、プリント配線板側面部と他のプリント配線板収納部との 間に隙間ができると共に底部の４つの角及び中央部にボスにより底部に空間がで きるので、その隙間に手を入れ、底部の空間を通してプリント配線板に手をかけ てプリント配線板を容易に取り出すことができる。更にまた収納凹部付近に表示 記号を設けたので、収納するプリント配線板の種類等が簡単に把握できる。

【００１０】

【考案の実施の形態】以下に本考案の実施の形態を説明するが、本考案は、 これに限定されるものではない。

【００１１】 図１は、本考案のプリント配線板用トレイを示す平面図乃至側面図であり、図 １のａは、その平面図を示す。図１のｂは、その側面図を示す。図１のａにおい て、トレイ１は、その外周に１対の手掛部３、３を有する。このようなトレイ１ を複数個重ねて段ボール等に収納する際、又は取り出す際にこの手掛部３、３を 持って収納又は取り出しを行うことにより簡単にその動作を行うことができる。 この手掛部３、３は、図１では、１対が設けられているが、４辺に２対設けてお いてもよい。

【００１２】 またトレイ１には、プリント配線板の収納部２を少なくとも１個設けるのがよ いが、トレイの大きさにより決まるが、好ましくは２個〜１０個がよく、更に好 ましくは４個〜６個である。また収納部２を２個以上有する場合には、異なる大 きさの収納部２を複数配置してもよい。収納部２は、凹部からなり、凹部の内周 壁１１は、すり鉢状に傾斜している。この傾斜によりプリント配線板９の収納時 にプリント配線板の側面の一部が密着・固定して隙間ができないので、振動や摩 擦が防止される。

【００１３】 図２は、本考案のトレイに設けられた収納部２の拡大平面図であり、この収納 部２には、異なったサイズ（品名）のプリント配線板を収納できるように異なっ たサイズのプリント配線板の収納凹部が複数、角度をずらして設けられている。 この例では３種類の異なったサイズのプリント配線板の収納凹部２ａ，２ｂ，２ ｃを有する。これらのプリント配線板の収納凹部２ａ，２ｂ，２ｃは、中心を軸 にしてそれぞれ３０°ずつずらして配置されており、即ち収納凹部２ａと２ｂと の角度は３０°回転した位置に配置され、また収納凹部２ｂと２ｃとは、同様に ３０°回転して配置されている。

【００１４】 更に収納凹部２ａと２ｃとは、同様に３０°回転して配置されている。この角 度は、複数サイズのプリント配線板の収納凹部の数により決まる。更にまた本考 案では、異なったサイズのプリント配線板の収納凹部２ａ，２ｂ，２ｃが適宜の 角度にずらして配置されていることにより、収納したプリント配線板９を取り出 す時に簡単かつ容易に取り出すことができる。

【００１５】 本考案において、収納凹部２ａ，２ｂ，２ｃには、それぞれ収納するプリント 配線板の名称や品番等の表示記号７を角部付近に設けて複数種類のプリント配線 板を対応した収納凹部２ａ，２ｂ，２ｃに容易に収納しうるようにしてある。ま た収納凹部２ａ，２ｂ，２ｃには、中央部にボス８を設けると共に収納凹部２ａ ，２ｂ，２ｃの角部には、それぞれ４個のボス４、ボス５及びボス６が設けられ ている。これにより運搬時等の振動・摩擦等による傷の発生の防止やランド部（ メッキ処理）に対する振動・摩擦による傷を防止することができる。

【００１６】 図３は、本考案のプリント配線板用トレイの側面断面図であり、図４は、本考 案のトレイに、プリント配線板が収納された状態を示す断面図である。図４にお いて、プリント配線板用トレイの収納凹部２ａ（又は２ｂ，２ｃ）には、プリン ト配線板９が収納されており、中央部のボス８と角部のボス４に支持され、これ により振動・摩擦から保護される。底部には空間を有し、またトレイ１の外周に は、側壁１０を有し、この側壁１０は、下方向に広がるテーパ部を有する。この テーパ部を有することにより、トレイ１を複数重ねることができ、しかも重ねる ことにより収納凹部２ａの空間が密閉されて、塵埃の侵入が防止され、この中に 収納されているプリント配線板９は塵埃から保護される。

【００１７】

【考案の効果】本考案によれば、異なったサイズのプリント配線板の収納凹 部をそれぞれずらして配置することにより、１個のトレイで複数サイズのプリン ト配線板をそのサイズに応じた収納凹部に収納して用いることができるので、作 業効率がよく、かつ経済的である。また収納凹部の角近辺には表示記号を有する ことにより、プリント配線板をその種類に応じて収納凹部を容易に確認すること ができるので、収納作業が効率的に行うことができる。

【００１８】 またトレイの外周の側壁がテーパ部を有するので、二つ以上を重ねることがで き、したがって塵埃の侵入が防止される。この場合、最上のトレイに収納されて いるプリント配線板の塵埃や水ぬれ防止のために、ダミートレイ（空のトレイ） を被せることができる。更にトレイの周囲に１対の手掛部を有するので、段ボー ル等のケースへの収納や取り出し、また取り出し後の持ち歩きが容易である。更 にまた本考案では、収納凹部の４つの角部及び中央部にはボスを有することによ り、プリント配線板のスルーホールに対する塵埃の侵入を防止することができ、 またランド部（メッキ処理）に対する振動・摩擦による傷を防止することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案のプリント配線板用トレイを示す平面図
乃至側面図である。

【図２】本考案のトレイに設けられた収納部２の拡大平
面図である。

【図３】本考案のプリント配線板用トレイの側面断面図
である。

【図４】本考案のトレイに、プリント配線板が収納され
た状態を示す断面図である。

【符号の説明】

１ プリント配線板用トレイ ２ 収納部 ２ａ，２ｂ，２ｃ 異なるサイズの収納凹部 ３ 手掛部 ４、５、６ ボスを有する角部 ７ 表示記号 ８ 中央部ボス ９ プリント配線板 １０ テーパ部又は傾斜（又は外周壁） １１ 内周壁

フロントページの続き (72)考案者 川口 満雄 埼玉県本庄市小島南４丁目１番１号 株式 会社 沖電気物流センター内 (72)考案者 島 秀憲 新潟県上越市福田町１番地 沖プリンテッ ドサーキット株式会社内 (72)考案者 武田 賢一 新潟県上越市福田町１番地 沖プリンテッ ドサーキット株式会社内

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくともプリント配線板の収納部を有す
   るトレイであって、該トレイの外周壁には、少なくとも
   １対の手掛部を有し、前記収納部の内周壁はすり鉢状の
   傾斜を有すると共に、該収納部は、異なったサイズのプ
   リント配線板を少なくとも２種類以上の収納を兼ねるこ
   とができるようにその角度をずらし、かつプリント配線
   板の形状に合わせた収納凹部からなり、更に該収納凹部
   の４つの角部及び中央部にはボスを有することを特徴と
   するプリント配線板用トレイ。
2. 【請求項２】請求項１記載のプリント配線板用トレイの
   外周壁が下方向で外側に拡大する傾斜を有することを特
   徴とするプリント配線板用トレイ。
3. 【請求項３】異なったサイズのプリント配線板の各収納
   凹部付近に表示記号を有することを特徴とする請求項１
   又は請求項２に記載のプリント配線板用トレイ。