JP3054044U - 溶接ナット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャップ機能を有する溶接ナットを一部材に
より簡単容易に製作できるようにし、安価に提供するこ
と。 【解決手段】 中心部にねじ孔２ａを有し、かつ、一端
部に溶接用フランジ部３を一体に形成してなる筒状のナ
ット本体２の他端部に、これの外周部から軸方向外方に
突出し、かつ、ねじ孔２ａの他端開口部前方を被覆する
薄肉椀状の絞り込み被覆部４を一体に形成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、中心部にねじ孔を有する筒状のナット本体の一端部に溶接用フラン ジ部を一体に形成してなる溶接ナットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、例えば自動車の車体を構成する金属板に適宜部品を取付けるために用い られる溶接ナットは、中心部にねじ孔を有する筒状のナット本体の一端部に、溶 接用フランジ部を一体に形成し、該フランジ部を金属板における取付位置に宛が った上で両者を溶接することにより、該ナットを金属板に取付けるようにしてい る。

【０００３】 その場合、上記ナットのねじ孔部分やねじ込まれたボルトの先端部にほこりや 雨水などが付着したり侵入したりするのを防止するため、上記ナット本体の他端 部に、上記ねじ孔の他端開口部前方を被覆する椀状のキャップを溶接により取付 けたものが知られている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、上記した溶接ナットにあっては、フランジ部を有するナット本体と は別にキャップが必要で、構成部品が二部材となっているばかりか、これら両部 材を面倒な溶接作業により結合する必要がある。そのため、該ナットの製作が非 常に面倒であり、その上、椀状のキャップを製造する複雑な機械が特別に必要と なりコスト高となる問題があった。

【０００５】 そこで、本考案は上記キャップ効果が期待できながら、構成部品を一部材とし てその製作が簡単容易にでき、その上、安価な溶接ナットの提供を課題とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するため、本考案は、中心部にねじ孔を有する筒状のナット本 体の一端部に溶接用フランジ部を一体に形成してなる溶接ナットにおいて、上記 ナット本体の他端部に、これの外周部から軸方向外方に突出し、かつ、上記ねじ 孔の他端開口部前方を被覆する薄肉椀状の絞り込み被覆部を一体に形成したこと を特徴とする。

【０００７】 上記の手段を用いることにより、キャップ機能を有する溶接ナットを一部材に より簡単容易に製作でき、その上、特別なキャップを製造するための製造機を不 要にして安価に提供することが可能となる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面に基づいて説明する。 図１〜４は、本実施の形態に係る溶接ナットを示し、該ナット１は、中心部に ねじ孔２ａを有する筒状のナット本体２の長さ方向一端部に溶接用フランジ部３ を一体に形成すると共に、ナット本体２の長さ方向他端部に、これの外周部から 軸方向外方に突出し、かつ、上記ねじ孔２ａの他端開口部前方を被覆する薄肉椀 状の絞り込み被覆部４を一体に形成したものである。また、上記フランジ部３の 前面には、複数個の溶接用突起３ａ…３ａが一体に設けられている。

【０００９】 上記ナット１の製造方法としては、まず、圧造成形機により、図４に示すよう な一端に突起３ａ…３ａ付きフランジ部３を、また他端に薄肉の円筒部４Ａを有 する筒状のナット本体２を成形する。次いで、ナット本体２の中心貫通孔２Ａに ねじ孔２ａを形成し、その後、上記円筒部４Ａをプレス加工により椀状に絞り込 んで被覆部４を形成する。なお、上記円筒部４Ａをプレス加工により椀状に絞り 込むとき、該円筒部４Ａの開口部を完全に閉鎖するのが好ましいが、図面に示す ような小さな孔が残ることがあってもほこりや雨水などの侵入を防ぐことができ ればそのままでもよい。また、やや大きな孔が残る場合には、この孔に樹脂など を詰め込んで該孔を塞ぐようにすればよい。

【００１０】 そして、上記溶接ナットの使用に際しては、図５に示すように、例えば自動車 における車体を構成する金属板５の取付位置に上記ナット１を溶接により取り付 ける。その場合、金属板５に形成された取付孔５ａに溶接ナット１のねじ孔２ａ を位置合わせしながらフランジ部３における突起３ａ…３ａを金属板５に突き合 わせる。そして、金属板５をアースした上で溶接機８により溶接ナット１に電流 を流して該ナット１を金属板５にスポット溶接する。次に、金属板５に取付部材 ６を重ね合わせた上で、ボルト７のねじ部７ａを金属板５と取付部材６とに設け られた取付孔５ａ，６ａに挿通し、該ねじ部７ａを溶接ナット１のねじ孔２ａに 螺合する。これにより、金属板５に取付部材６が固定されることになる。

【００１１】 その固定時、上記ねじ孔２ａの他端開口部前方を被覆する薄肉椀状の絞り込み 被覆部４により、溶接ナット１のねじ孔２ａ及びボルト７のねじ部７ａが被覆さ れるので、ねじ孔２ａ部分やねじ込まれたねじ部７ａ先端にほこりや雨水などが 付着したり或いは侵入したりするのが防止される。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、中心部にねじ孔を有し、かつ、一端部に溶接用 フランジ部を一体に形成してなる筒状のナット本体の他端部に、これの外周部か ら軸方向外方に突出し、かつ、上記ねじ孔の他端開口部前方を被覆する薄肉椀状 の絞り込み被覆部を一体に形成したから、キャップ機能を有する溶接ナットを一 部材により簡単容易に製作でき、その上、特別なキャップを製造するための製造 機を不要にして安価に提供することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案に係る溶接ナットの縦断面図である。

【図２】 同正面図である。

【図３】 同底面図である。

【図４】 同溶接ナットの製造途中の形状を示す縦断面
図である。

【図５】 同溶接ナットの使用状態を示す縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 溶接ナット ２ ナット本体 ２ａ ねじ孔 ３ フランジ部 ４ 被覆部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中心部にねじ孔を有する筒状のナット本
   体の一端部に溶接用フランジ部を一体に形成してなる溶
   接ナットであって、上記ナット本体の他端部に、これの
   外周部から軸方向外方に突出し、かつ、上記ねじ孔の他
   端開口部前方を被覆する薄肉椀状の絞り込み被覆部を一
   体に形成したことを特徴とする溶接ナット。