JP3053900B2 - グルタチオンの安定化法及びそれを含有する飲料 - Google Patents

グルタチオンの安定化法及びそれを含有する飲料

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昇二 嶋田
良樹 和田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グルタチオンの安定化
法及びそれを含有する飲料に係り、特に分岐サイクロデ
キストリンを加えてなるグルタチオン含有酵母エキスを
含有せしめた飲料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来よりグルタチオンは、我々人間のか
らだの中で、非常に重要な働きをしている生体の成分で
あることが知られている。
【0003】グルタチオンは、もともとからだの中で、
主として肝臓の中で合成されることも知られているが、
からだの中のグルタチオンは当然のこととして栄養の供
給が不足した時、またストレスやアルコール類を飲んだ
ときなどに、その量が大きく低下することも知られてい
る。
【0004】そして、このグルタチオンがからだの中で
不足し、働きが不充分となると、これがいろいろな障害
の発生の引き金となることも知られている。
【0005】従って、からだの不調の時などに、グルタ
チオンを補給することはからだにとって良いことであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、グルタ
チオンは一般の成分と違って、結晶のように純品なもの
は得られにくく、他の成分と混合した組成物中に存在し
ており、しかも変質しやすい性質を有している。特にグ
ルタチオンは水溶液の状態では、非常に不安定で分解及
び酸化反応を受け易く、更にこれらの反応は温度の上昇
とともに急速に進行する。
【0007】そこで、グルタチオンを安定化させる方法
が色々検討されており、サイクロデキストリンによる安
定化方法も提案されているが、従来のサイクロデキスト
リンでは、グルタチオンを安定化できたとしても、溶解
性が悪く飲料用に適さないという欠点がある。そのた
め、日常生活の中でグルタチオンが手軽に補給・摂取で
きにくい点に問題があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この問題
点を解決すべく鋭意研究した結果、酵母のなかのグルタ
チオンをグルタチオン含有酵母エキスとして抽出し、こ
のグルタチオンに分岐サイクロデキストリンを加えるこ
とにより、酵母エキス中のグルタチオンを安定化させ、
これを飲料に含有せしめたのである。
【0009】本発明でいう飲料とは、豆乳,牛乳,果
汁,清涼飲料,栄養飲料,スポーツ飲料,炭酸飲料など
をいう。
【0010】また、本発明でいうグルタチオン含有酵母
エキスとは、酒類,醤油,味噌,パンなどに使用される
酵母から抽出されたグルタチオンを含有する酵母エキス
をいう。
【0011】酵母からのグルタチオン含有酵母エキスの
抽出方法は、従来一般に行われている、熱抽出法,自己
消化法,酵素処理法,高圧処理法などいずれの方法でも
良いが、特にグルタチオン含有率の高い方法が実用的効
果が大きい。
【0012】本発明において、飲料中のグルタチオン含
有酵母エキスは1.0〜5.0重量%の範囲で含有せし
めることが好ましく、1.O重量%以下ではグルタチオ
ンの補給・摂取量が弱く、また5.0重量%以上になる
と飲料の風味を損なうので好ましくない。
【0013】また本発明でいう分岐サイクロデキストリ
ンとは、分岐型のサイクロデキストリンが主成分となる
サイクロデキストリンであつて溶解性の優れたものであ
ればα型,β型,γ型の選択はなく、またその混合型で
あつても良い。このような点から、本発明の場合は純度
の高い分岐サイクロデキストリンが特に好ましい。
【0014】本発明でいう分岐サイクロデキストリンと
はサイクロデキストリンとマルトースと効率よく結合さ
せて製造したもので、その製造方法が特に限定される必
要はないが、例えばブドウ糖が6〜8個環状に連なった
サイクロデキストリンにマルトースの枝が付いたマルト
シルサイクロデキストリン等をいう。
【0015】分岐サイクロデキストリンの第一の特徴は
水に対する溶解度が高いことである。従来のサイクロデ
キストリンは、水に対する溶解度が低い。特にβ−サイ
クロデキストリンは、25℃で100mlの水に約1.
85gしか溶解しないが、分岐サイクロデキストリンは
25℃で100mlの水に約162g溶解するといわれ
ており、従来のサイクロデキストリンの約6倍、α−サ
イクロデキストリンの約13倍、β−サイクロデキスト
リンの約100倍の溶解度がある。
【0016】分岐サイクロデキストリンをグルタチオン
含有酵母エキスに加える方法としては、特に限定される
必要はないが、例えば酵母から抽出した酵母エキスの溶
液に、均一になるよう分岐サイクロデキストリンを溶液
で添加し混合することでたりる。
【0017】本発明において、グルタチオン含有酵母エ
キスに加える分岐サイクロデキストリンの量は、該酵母
エキスに対し10重量%以上が必要であり、好ましくは
30〜100重量%が実用的である。分岐サイクロデキ
ストリンが10重量%以下では、目的とするグルタチオ
ンの保存安定効果が殆ど得られにくい。しかしあまり分
岐サイクロデキストリンを多く加えると、飲料の風味を
損なうので好ましくない。
【0018】以上、このようにして得たグルタチオン含
有酵母エキスは、そのまま水溶液や濃縮したペースト
状、あるいは更に粉末化することにより、本発明の実施
に応じ得る。
【0019】以下に実施例により、本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】また、本発明においてグルタチオン量は、
高速液体クロマトにより測定できる。ちなみにカラムは
Nucleosil 10−C18[ケムコ社製]、移
動相はギ酸アンモニウム・ギ酸(0.025M):メタ
ノール(9:1V/V)、流速は2.0ml/min、
ラム温度は25℃、検出器はUV−280nmである。
【0021】
【実施例1〜3】パン酵母より抽出したグルタチオン含
有酵母エキス粉末(オリエンタル酵母製)と、分岐サイ
クロデキストリン粉末(塩水港精糖製:イソエリート
(商品名)よりの調整品)を、第1表の通り各々の比で
組合せ、これを200倍重量の水で溶解し、よく混合し
て、酵母エキス中のグルタチオンの安定化をはかる。こ
のグルタチオン含有酵母エキスをビン容器に充填密栓し
て、溶液中のグルタチオンの経時的安定性を試験した。
その結果を第1表に示した。
【0022】第1表から明らかな通り、対照区のサイク
ロデキストリン無添加区に較べ実施例1〜3のグルタチ
オンは、8週間後においてもほとんど分解ないしは変化
していないことがわかる。
【0023】
【実施例4】上記、実施例1に準じて得た、分岐サイク
ロデキストリンを加えてなるグルタチオン含有酵母エキ
ス溶液を果汁人り清涼飲料に2重量%含有せしめた。こ
れを10名(女子5名,男子5名)のパネラーによつ
て、2点比較法で元の果汁入り清涼飲料を比較試飲した
ところ、風味の違いは感じさせないとの結果を得た。
尚、分析の結果、該飲料に含有されるグルタチオンは
0.03重量%であった。
【0024】
【実施例5】上記、実施例2に準じて得たグルタチオン
含有酵母エキス溶液をナチュラルミネラル水、砂糖、ク
エン酸、塩化カリウム、アミノ酸、を用いた清涼飲料中
に3重量%含有せしめた。これを、ビン容器に充填・密
栓後、80℃で15分間加熱処理して殺菌工程を経た。
次に、25℃の温度条件で6ケ月経過後、該飲料中のグ
ルタチオンを測定したところ充填直後に対し92%のグ
ルタチオンが変化なく含有されていた。
【0025】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように、サイク
ロデキストリンを加えてなるグルタチオン含有酵母を含
有せしめた飲料は飲料中において風味を損なわずグルタ
チオンが変質することなく長期にわたって安定に溶解保
持されることができる。従って、本発明の飲料を飲むこ
とによつてグルタチオンが容易にかつ手軽に補給・摂取
することができ、からだの中においてグルタチオンの機
能を充分に発揮することの期待できる飲料である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A23L 1/28 A23L 2/00 - 2/52 JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 飲料において、グルタチオン含有酵母エ
    キスに対し分岐サイクロデキストリンを30〜100重
    量%を加えてなる該グルタチオン酵母エキスを、飲料に
    対し1.0〜50重量%を含有せしめ、実質的グルタチ
    オン含量として0.1〜1.0重量%に含有調整してな
    る飲料。
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