JP3053315B2 - 透水性舗装を構築する舗装版であるセメントコンクリート - Google Patents

透水性舗装を構築する舗装版であるセメントコンクリート

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JP3053315B2 JP5106086A JP10608693A JP3053315B2 JP 3053315 B2 JP3053315 B2 JP 3053315B2 JP 5106086 A JP5106086 A JP 5106086A JP 10608693 A JP10608693 A JP 10608693A JP 3053315 B2 JP3053315 B2 JP 3053315B2
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  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本件発明は、道路その他敷地の舗
を行うのに当って構築する舗装版であるセメントコン
クリートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の舗装道路の構築は一般的に言っ
て、構築に時間がかかり、その結果交通渋滞を来たし、
また、透水性が悪く、降雨時には自動車がスリップして
交通事故をおこす原因をつくり、更に、径時変化によっ
て道路陥没と言う事故をおこす原因をつくる欠点を内蔵
していた。
【0003】即ち、これまでの舗装道路構築は、土層を
つき固め、砂層を敷設し、その上にクラッシャラン、粒
度調整砕石等を敷積した基礎工事を行った上に、鉄筋を
敷設し或は敷設しないで、セメントコンクリートを所定
の厚さに敷設して締め固める作業を行った後養生期間を
おき構築すると言う工法、或は前記基礎工事を行った上
にアスファルトを所定の厚さに敷設して締め固めると言
う工法によって構築されていた。
【0004】前記前者の工法は、セメントコンクリート
を混練した水を水和反応によって固結するまでに時間が
かかり、そのため、その期間だけ交通制限を行う必要が
あり、交通渋滞の原因となる。前記後者の工法は、押圧
熱処理を行うので、前者の工法ほど時間はかからない
が、しかし、両工法による道路構築法によって構築され
た舗装道路は透水性に欠ける点で共通する不都合があっ
た。
【0005】透水性に欠ける舗装道路の不都合は、降雨
時における自動車運転中にスリップして交通事故をひき
おこす原因となり、更に、道路陥没をひきおこす原因と
なるだけではなく雨水の処理は都市型河川氾濫、下水道
施設負担の増大となる。
【0006】最近この点を重視して透水性舗装道路の構
築に強い関心が配われるようになってその研究が進めら
れ、社団法人日本道路協会から、昭和59年2月20日
発行されたアスファルト舗装要綱に、主として歩道につ
いてではあるがその一例が示されている。
【0007】即ち、同案によれば道路の排水には表面排
水と地下排水とがある。舗装の破損は直接または間接に
水が原因になって起こることが多いので、排水工は決し
てゆるがせにしてはならないとし、表面排水とは降雨な
どに際して、路面を流れる水、および近接する地帯から
道路面に流入する水を処理することをいうとし、路面を
流れる水の処理を容易にするために、路面の横断こう配
は1.5〜2%を標準とするとし、表面排水は一般に、
路側に設けた側溝で処理するとし、地下排水は、路床お
よび路盤の排水を目的とし、路面下の地下水位を低下さ
せること、地下のたまり水または路面から浸透してくる
水を排水すること、および道路に隣接する地帯から浸透
してくる水をしゃ断することなどをいうとし、路床路盤
の排水が悪いと、路床土や路盤材料の強度が低下して支
持力が減少したり、アスファルト混合物のアスファルト
分と骨材とのはく離を促進したりするので、表層や隣接
地帯をとおって浸透してきた水や地下水面から上昇して
きた水は、すみやかに除去しなければならないとし、切
土の場合は、現則として山側に地下排水を行うというも
のである。
【0008】そして、表面排水、地下排水を効率的に発
揮する施工例の一例として図1に示す施工例が記載され
ている。その施工例は、山腹に構築する舗装道路を例に
とったもので図1に示すように山腹1を切開いて基礎工
事を施した路床面2に山腹側と山裾側にまたがる砕石層
3、砂層4を形成して、その砂層4面にアスファルト、
コンクリート等などで舗装道路5を敷設し、山腹1側に
は、前記砂層4に連続し且つ、下部に孔あき管6を施設
した砕石溝或は砂溝7を構築し、該砕石溝或は砂溝7上
に主側溝8を施設とするとともに山裾10側に補助側溝
9を施設すると言う構築方法である。
【0009】この構築方法は山腹から流れた雨水や或は
雪どけ水は矢印A示すように主側溝8に流れ込むように
し、道路表面に降った雨水、雪どけ水は表面排水として
矢印Bで示すように主側溝8並に補助側溝9に流れ込む
と言う機能を発揮する構成となっている。山腹に浸透し
た雨水や雪どけ水は地下水となって矢印Cに流下し、砕
石溝或は砂溝7に透み込み、更に路床2に透み込むと言
う現象をおこす。路床2に透み込んだ水は、毛管水とし
て矢印D山裾面や砂層4に向って上昇し、砕石層3に侵
み込んだ水は砕石溝側或は砂溝7並に山裾10側に流れ
出ることになる。
【0010】従って、上記構造の道路は、上面があたか
も舗装路盤によって蓋をされ、路床から上昇する毛管水
は蒸発することなく舗装路盤下の砕石層に侵み込み、砕
石層に侵み込んだ水は砕石層を水路として砕石溝並びに
山裾面に流れる。砕石溝に流れ込んだ水は孔あき管に流
れ込んで排水される。
【0011】上記施工例に従って構築された舗装道路
は、長期間この現象が継続すると、路床の土砂が毛管水
と共に砕石層に上昇し、砕石層からは、上昇した水と共
に土砂が砕石溝側や、山裾側に流出現象を呈し、遂には
路床中に窪みができて路盤陥没の原因となる。
【0012】地盤は、四季、天候或は温度の変化に応じ
て、水分を吸収し、或は蒸発させている。即ち、雨水、
雪どけ水は勿論、夜露、朝露などを、地中に浸透し、こ
れが高温時には毛管水として低温時よりも大量に浸透し
た水を地表から蒸発すると言ういわゆる息吹き現象を生
じ、地盤が受ける水分に対して常に自然調節が行なわれ
ている。
【0013】地表面に透水性の悪いセメントコンクリー
トやアスファルトを敷きつめて舗装を施して道路を構築
すると言う工事を行うことは、表面排水による地盤に対
する水の浸透、地下排水による地盤から生ずる毛細管現
象を阻止すると言う地盤の息吹きに逆行する自然の節理
に反した手段を講じる結果を来すことになる。その結
果、基礎工事を行った地盤を経時的に破壊し、ついては
道路陥没と言う事故をおこすことになる。
【0014】近年、透水性を十分考慮した舗装道路構築
方法の研究開発が進んでいる。その一例を示すと特開昭
59−150806号、特開昭59−206502号、
特開平3−43502号の各公報に記載された発明があ
る。前記各公報に記載された発明の概略は、粗骨材であ
る砕石を混練した転圧コンクリートを用い、或は粗骨材
である砕石と粘結剤を混合したセメントを混練した特殊
セメントを用いて透水性良好な舗装道路を構築する施工
法である。その共通する思想はコンクリート構造物を構
成する粗骨材である砕石の間に空隙を作って透水性を良
好にしようとするものである。
【0015】しかし、この施工法によって構築した舗装
道路は骨材に粗骨材である砕石を使用すると言う点で透
水性は十分発揮できるが、敷設した粗骨材である砕石
間に経時的に土砂等が侵入して空隙の目詰りをおこして
しまうので定期的に、これを取除く作業を行わなければ
透水性を長期にわたって保持できないという欠点を有す
る。それだけでなくこの施工法が敷設された粗骨材であ
る砕石を空隙を介在させて粘結するという基本思想に立
脚しているものであるから、粒調砕石を混入して混
練したセメントコンクリートを敷詰めて構築した従来工
法による舗装道路よりは強度的に劣ると言う欠陥を内蔵
するものとなる。
【0016】本発明は、上記実情に鑑み、いわゆる表面
排水については、側溝に流し込むと言う考え方でなく、
自然の節理に順応して地層に浸透させると言う考え方に
基いて、その透水性を良好にするものである。本発明は
近年開発研究が進められている砕石の間に空隙を設ける
と言う考え方に基く工法によって構築された舗装道路
装版のもつ欠陥と言われる空隙の目詰りを生じるのを阻
止し、且つ骨材である砕石に粗骨材だけを選んで使用す
るのでなく、これに細骨材を混入して、締め固め(固
結)時間を短縮し、その締め固め(固結)が十分で、且
つ水の滲透性が十分な舗装版を構築し、強度的にも高強
度を保ち良好な透水性を保つことができるようにするも
のである。更に地下排水については、浸透してくる水の
蒸発を舗装道路の舗装版で遮断すると言う考え方でな
く、浸透した水を自然の節理に順応して地層から蒸発さ
せると言う考え方に基づいて舗装道路の舗装版を構築
るものである。本発明は、これまで以上に良好な透水性
をもたせて表面排水、地下排水に関して、自然の節理に
適応できる舗装道路の舗装版としてのセメントコンクリ
ート版を提供できるようにしようとするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】粗骨材と細骨材とを混合
した砕石とセメントとを塩化マグネシウム、塩化カルシ
ウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、炭酸コバルトを
溶解した水溶液で混練したセメントコンクリートを以て
砕石間の空隙をなくす敷設を行うとともに、該砕石を粘
結するセメントコンクリートのセメント部分に超極細管
を入り組ませて形成させ、該超極細管を以てポーラス状
を呈する締め固めたセメントコンクリートとして構成し
たことを特徴とする透水性舗装を構築する舗装版である
セメントコンクリート版。
【0018】
【作用】本発明によるセメントコンクリートは、添加剤
の働きにより、セメントコンクリートに混練されている
セメントの水分は水和反応が促進され固結が早まり、セ
メントコンクリート中に混合されている砕石と砕石の粘
結を強化し、且つ骨材に粗骨材及び粒調砕石である細骨
材を混合して用いるので砕石と砕石の間に圧入されたセ
メントは強固に硬化しポーラス状に固結する。
【0019】
【実施例】本発明は、上記した解決課題を解決するた
め、透水性良好な舗装道路を構築すると言うだけでな
く、それと共に頑丈な強度をもったセメントコンクリー
トによる舗装道路を短時間で構築しようとするものであ
る。従って、セメントコンクリート配合材について粒径
の大きい骨材だけを使用したときは透水性良好なセメン
トコンクリートによる舗装道路が作れることになるが、
これだけを使用することは強度的には良策でなく、又粒
径の小さい骨材だけを選択使用するときは、強度を増す
ことはできるがこれだけを使用することも透水性の点か
らみて良策ではない。
【0020】本発明を実施するのに当って使用する砕石
は、敷設するセメントコンクリート版の要求に応じて、
粗骨材と細骨材を従来例にならって選択して粒度調整を
行って使用する。また、セメントコンクリートについて
の配合は、作業に適したワーカビリチーが得られ、硬化
後に所要の品質を満たすように定めなければならない。
作業に適したワーカビリチーには、材料分離に対する抵
抗性をもつこと、および使用する舗装機械により所要の
平坦性が得られ、かつ敷設する骨材間に圧入充填されて
十分な締固めが行えることが要求される。また、硬化後
の品質には、所要の強度をもち、耐久性、すりへり抵抗
性が大きく、品質のばらつきが少ないことが要求され
る。
【0021】ところで、本発明を実施するにはこれだけ
でなく、混練されるセメントは十分な締固め強度を発揮
するよう調合しなければならないがそれだけでなく透水
性のあるものとして調合したものを使用しなければなら
ない。
【0022】以上の目的を達成するため本発明の実施に
用いるコンクリートは、粗骨材に細骨材を混入して粒度
調整を行った砕石と、水溶性無機質混和剤を溶解した水
溶液とセメントを混練したものである。前記水溶液を形
成するために用いる水溶性無機質混和剤としては、一例
として塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナトリ
ウム、硫酸カリウム、炭酸コバルトが用いられる。
【0023】上記したセメントコンクリートの混合割合
は、敷設するセメントコンクリートの強度、透水性度の
要求によって決められる。例えば骨材1m3 に対し上記
混和剤1.2kgと30リットルの水にセメント120
kgを溶解、混練したものである。このセメントコンク
リートを基礎工事を施した地盤に敷設し、セメント作業
を行ってセメントコンクリート版を作る。
【0024】本発明を実施するのに用いる上記一例とし
て示したセメントコンクリートの構成材としてコンクリ
ートに混合する水溶性無機質混和剤は、固結したセメン
コンクリートに浸透性(10−3cm/sec以
上)、良好なブリージング性(0.022cm/cm
、普通セメントのみの場合は0.167cm/c
)を付与するものである。この水溶性無機質混和
剤の特性により、基礎工事を施した地盤に敷設されて固
結するセメントコンクリートは、混練過程で、セメント
と砕石の粘結を良好にし、固結されたセメントコンクリ
ート版の強度を強化する役割を果たすことになる。ま
た、水溶液を添加したセメントと砕石を混練したコンク
リートの固結を促進し、更に、固結する過程では水和反
応にともなって透水性を発揮する極細管を作った状態で
固結され、この固結されたセメントコンクリートに混合
された砕石は固結したセメントコンクリートにより強力
に粘結されることが判った。また、前記極細管の形成状
態は、砕石間の間隙に混入したセメントが固結する過程
いわゆる極細管を不規則に入り組んで形成した状態で
いわゆるポーラス状に締め固められる現象を呈して固結
してセメントコンクリート版が作られることが判った。
即ち、本発明によるコンクリート版は、前記公知技術の
ように、コンクリート版を構成する砕石(骨材)の間に
空隙を形成して透水性を良好にしようとするものではな
く、粗骨材と細骨材とセメントを前記水溶液でを混合
し、砕石の間の空隙を少なくし、前記状態のポーラス状
を呈するセメントコンクリートとして砕石を粘結するこ
とによって強度の高い且つ、透水性良好な舗装道路を構
築する舗装版であるセメントコンクリート版を作ろうと
するものである。
【0025】以上の現象を呈して締め固められたセメン
トコンクリート版を敷設して基礎工事を施した地盤上に
構築されるセメントコンクリート舗装の表面排水はセメ
ントコンクリート版を流れるだけでなく該コンクリート
から基礎工事を施した地盤に浸透される。また、本は
発明を実施したセメントコンクリート舗装は、セメント
コンクリート版の締め固め状態が上記した現象を呈して
締め固められているので、地下水は、骨材を混練された
セメント、ポーラス状に締め固められ、これが、自然
の節理に従って毛細管現象を呈してセメントコンクリー
ト版から蒸発される。この現象をおこすことによって、
基礎工事を施した地盤に水が溜るとか或いは基礎工事を
施した地盤中で水が流動すると言う現象がおきることを
防止することができる。
【0026】更に本発明によるセメントコンクリート版
の強度についての実験結果については、従来のセメント
コンクリート版と比較すると下記の表に示すところから
明らかなように 厚さ15cm K30=38kg/cm3 厚さ30cm K30=280kg/cm3 と言う試験結果を得た。
【0027】尚、本発明の実施例での説明では舗装道路
を施工するときの使用について説明したが、これに限ら
ず、その他の敷地に施工できることは勿論である。又、
基礎工事を施した地盤とは舗装道路を作るため砕石を敷
設し、砂層を形成した工事を施した地盤だけでなく土層
をつき固めるだけの作業を施した地盤でもよい。更に、
上記の強度が得られることによって歩道ばかりでなく車
道にも施工が可能である。又、土路盤(ローム)のN値
3の所に直接本工法のセメントコンクリートを打設した
セメントコンクリート版〔配合、骨材(粒調砕石1/m
3 )に対しセメント120kg、混和剤1.2kg、水
30リットル〕は平板載荷試験に於てK30=38kg/
cm3 (施工厚15cm)K30=280kg/cm
3 (施工厚30cm)の強度を得ている。これは本工法
のセメント混合物が施工時にセメントコンクリート版か
ら土路盤に浸透し、セメントコンクリート版が土路盤と
密着固するためで、透水性10-2/sec以上、施工後
3時間で交通開放の性能を得ている。
【0028】
【発明の効果】上記の通り本発明によれば、転圧コンク
リート舗装の表面排水が完全に行われ、従来の浸透性不
十分なセメントコンクリート舗装のセメントコンクリー
ト版では果すことのできなかった如き不都合のおきるこ
とを阻止することができ、更に地下排水についても、本
発明を実施したセメントコンクリート舗装のセメントコ
ンクリート版によって自然の摂理に従った毛細管現象に
よって処理することができるので地下排水による地層の
変化を阻止して道路破壊と言うような不都合の生じるの
を阻止することができるだけでなく強固なセメントコン
クリート舗装とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の施工法による山腹に構築する舗装道路の
構築法解説図
【符号の説明】
1 山腹 2 路床 3 砕石層 4 砂層 5 舗装道路 8 主側溝 9 補助側溝

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗骨材と細骨材とを混合した砕石とセメ
    ントとを塩化マグネシウム、塩化カルシウム、硫酸ナト
    リウム、硫酸カリウム、炭酸コバルトを溶解した水溶液
    で混練したセメントコンクリートを以て砕石間の空隙を
    なくす敷設を行うとともに、該砕石を粘結するセメント
    コンクリートのセメント部分に超極細管を入り組ませて
    形成させ、該超極細管を以てポーラス状を呈する締め固
    めたセメントコンクリートとして構成したことを特徴と
    する透水性舗装を構築する舗装版であるセメントコンク
    リート版。
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