JP3052972B2 - 感圧性接着剤とその接着シ―ト類 - Google Patents

感圧性接着剤とその接着シ―ト類

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JP3052972B2 JP4101808A JP10180892A JP3052972B2 JP 3052972 B2 JP3052972 B2 JP 3052972B2 JP 4101808 A JP4101808 A JP 4101808A JP 10180892 A JP10180892 A JP 10180892A JP 3052972 B2 JP3052972 B2 JP 3052972B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光重合したアクリル系
の感圧性接着剤と、この接着剤を基材の片面または両面
に設けてシ―ト状やテ―プ状などとした接着シ―ト類と
に関する。
【0002】
【従来の技術】アクリル系の感圧性接着剤は、粘着力,
凝集力および耐老化性などにすぐれるものとして、広く
用いられている。特に、最近では、耐熱用途として、電
子部品の組み立て時などのハンダ付け工程において、部
品の貼り合わせ固定用テ―プや、マスキングテ―プなど
としての需要が高まつている。
【0003】アクリル系の感圧性接着剤は、一般に、ア
ルキル基の炭素数が2〜14個であるアクリル酸アルキ
ルエステルを主体とし、必要に応じて少量のアクリル酸
などの極性単量体や、スチレン、酢酸ビニルなどの高い
ガラス転移温度を与える単量体成分などを共重合し、剥
離特性やタツクなどのバランスをとるようにしている。
また、耐熱性や凝集力を向上させる目的で、架橋が施さ
れる。
【0004】このようなアクリル系の感圧性接着剤の製
造に際しては、通常、有機溶剤中で単量体を溶液重合し
たのち、これに粘着付与樹脂や架橋剤などを配合して接
着剤組成物を調製し、これを基材上に塗工後、多量の有
機溶剤を加熱除去して、シ―ト状やテ―プ状などの接着
シ―ト類を得るようにしている。
【0005】しかし、重合時の有機溶剤への連鎖移動の
ために平均分子量はせいぜい100万以下にとどまり、
架橋しないと保持性能に欠け、架橋しても100℃以上
の高温になると凝集力が低下し、保持性能が著しく低下
する。このため、ハンダ付け工程における固定用テ―プ
やマスキングテ―プなどに用いると、使用中にずれや糊
はみ出しが起こる問題があつた。しかも、これらのテ―
プ中には接着剤の製造に用いた低沸点の有機溶剤が残存
し、これが高温で気化,膨張して、接着面の発泡、フク
レ、ずれなどを引き起こしたり、気化したガスによつて
電子部品が腐食するなどの問題があつた。
【0006】これに対し、近年、有機溶剤の使用に起因
した安全や環境衛生上の観点から、アクリル系の感圧性
接着剤において、光重合型のものが提案されている。た
とえば、米国特許第4,181,752号明細書には、
アクリル酸アルキルエステルと改質用単量体とを基材上
で光重合させることにより、有機溶剤を使わずに感圧性
接着剤を得る方法が開示されている。また、これと同様
の接着剤を剥離ライナ―上で得て、これを基材上に転写
するようにした転写型の感圧性接着剤も知られている。
【0007】このような光重合型のものによれば、有機
溶剤の使用に起因した前記種々の問題が一切回避される
と共に、比較的弱い強度の光を照射することによつてポ
リマ―の分子量を高くすることができ、高い架橋度と大
きな凝集力を有する感圧性接着剤が得られるものと期待
されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年、
耐熱用途への要求特性は、さらに高度化する傾向にあ
り、特に長期高温下での感圧性接着剤の耐久性,信頼性
が必要となつてきている。たとえば、長期高温下での使
用に際し、感圧性接着剤の分解,酸化が起こり、感圧性
接着剤の硬化,流れ出し,分解ガスの発生などから、感
圧性接着剤の性能低下と周辺部の汚染が問題となつてい
る。
【0009】従来の光重合型の感圧性接着剤は、既述の
ように、高い架橋度と大きな凝集力は得られるものの、
上記の長期高温安定性の点で十分とはいえず、これが耐
熱用途への使用を阻んでいた。
【0010】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑み、長期高温安定性が良好である、耐熱性にすぐれた
感圧性接着剤と、その接着シ―ト類とを提供することを
目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、光重合させるべ
き接着剤組成物中に長期高温下での酸化,分解を抑制す
るラジカル連鎖禁止剤を光重合を阻害しない程度に配合
したときに、前記従来のような劣化がみられない、長期
高温安定性にすぐれる感圧性接着剤が得られることを見
い出し、本発明を完成するに至つた。
【0012】すなわち、本発明は、つぎのa〜c三成
分; a)アルキル基の炭素数が平均2〜14個である(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル70〜100重量%
と、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体3
0〜0重量%とからなる単量体100重量部 b)ラジカル連鎖禁止剤0.02〜7重量部 c)光重合開始剤0.01重量部以上1重量部未満 を含む組成物の光重合物からなり、その重合率が95重
量%以上であることを特徴とする感圧性接着剤と、この
接着剤の層が基材の片面または両面に設けられてなるシ
―ト状やテ―プ状などとされた接着シ―ト類とに係るも
のである。
【0013】
【発明の構成・作用】本発明の組成物に用いられる(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルは、a成分としての単
量体の主成分となるものであつて、好ましくは非タ―シ
ヤリ―アルキルアルコ―ルの単官能不飽和(メタ)アク
リレ―トが用いられ、アルキル基の炭素数が2〜14個
のものから選ばれる。このような単量体としては、たと
えば、エチル(メタ)アクリレ―ト、ブチル(メタ)ア
クリレ―ト、イソアミル(メタ)アクリレ―ト、n−ヘ
キシル(メタ)アクリレ―ト、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレ―ト、イソオクチル(メタ)アクリレ―
ト、イソノニル(メタ)アクリレ―ト、デシル(メタ)
アクリレ―ト、ドデシル(メタ)アクリレ―トなどが挙
げられ、これらのうちの1種または2種以上を使用す
る。
【0014】この(メタ)アクリル酸アルキルエステル
と共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体は、上記の
(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合すること
により、官能基や極性基の導入による接着性の改良、ま
たは共重合体のガラス転移温度をコントロ―ルして凝集
力や耐熱性を改善,改質するために用いられる。このよ
うな単量体としては、たとえば、アクリル酸、イタコン
酸、スルホプロピルアクリレ―ト、ヒドロキシアルキル
アクリレ―ト、シアノアルキルアクリレ―ト、アクリル
アミド、置換アクリルアミド、N−ビニルカプロラクタ
ム、アクリロニトリル、2−メトキシエチルアクリレ―
ト、アクリル酸グリシジル、酢酸ビニルなどが挙げら
れ、これらのうちの1種または2種以上を使用する。
【0015】上記の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ルとこれと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体と
の使用割合としては、主成分となる(メタ)アクリル酸
アルキルエステルが70〜100重量%、好ましくは8
5〜95重量%で、これと共重合可能なモノエチレン性
不飽和単量体が30〜0重量%、好ましくは15〜5重
量%となるようにするのがよく、このような範囲で使用
することにより接着性、凝集力などのバランスをうまく
とることができる。
【0016】本発明の組成物に用いられるb成分として
のラジカル連鎖禁止剤としては、トリエチレングリコ―
ル−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒ
ドロキシフエニル)プロピオネ―ト〕、1・6−ヘキサ
ンジオ―ル−ビス〔3−(3・5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシフエニル)プロピオネ―ト〕、2・4−ビ
ス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3
・5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1・3・5−トリア
ジン、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3・5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオ
ネ―ト〕、2・2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3・
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピ
オネ―ト〕、オクタデシル−3−(3・5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオネ―ト、N・
N´−ヘキサメチレンビス(3・5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシ−ヒドロシンナムアミド、3・5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシ−ベンジルフオスフオネ―
ト−ジエチルエステル、1・3・5−トリメチル−2・
4・6−トリス(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)ベンゼン、ビス(3・5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸エチル)カルシ
ウム、トリス−(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシベンジル)−イソシアヌレイト、オクチル化ジフエ
ニルアミン、2・4−ビス〔(オクチルチオ)メチル〕
−O−クレゾ―ル、N・N´−ビス〔3−(3・5−ジ
−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオニ
ル〕ヒドラジン、トリス(2・4−ジ−t−ブチルフエ
ニル)フオスフアイト、2・2・4−トリメチル−1・
2−ジヒドロキノリン、ポリ(2・2・4−トリメチル
−1・2−ジヒドロキノリン)、6−エトキシ−1・2
−ジヒドロ−2・2・4−トリメチルキノリン、テトラ
ビスメチレン−3−(3´−5´−ジ−t−ブチル−4
´−ヒドロキシフエニル)プロピオネ―トメタン、フエ
ニル−1−ナフチルアミン、ジフエニルアミン、4・4
´−ビス(α・α−ジメチルベンジル)ジフエニルアミ
ン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフエニル
アミン、N・N´−ジ−2−ナフチル−p−フエニレン
ジアミン、N・N´−ジフエニル−p−フエニレンジア
ミン、N−フエニル−N´−イソプロピル−p−フエニ
レンジアミン、N−フエニル−N´−(1・3−ジメチ
ルブチル)−p−フエニレンジアミン、N−フエニル−
N´−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロピル)−p−フエニレンジアミン、2・6−ジ−t−
ブチル−4−メチルフエノ―ル、2・6−ジ−t−ブチ
ル−4−エチルフエノ―ル、(α−メチルベンジル)フ
エノ―ル、ジ−(α−メチルベンジル)フエノ―ル、ト
リ−(α−メチルベンジル)フエノ―ル、2・2´−メ
チレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフエノ―
ル)、2・2´−メチレンビス(4−メチル−6−t−
ブチルフエノ―ル)、4・4´−ブチリデンビス(3−
メチル−6−t−ブチルフエノ―ル)、4・4´−チオ
ビス(3−メチル−6−t−ブチルフエノ―ル)、2・
5−ジ−t−ブチルヒドロキノン、2・5−ジ−t−ア
ミルハイドロキノン、2−メルカプトベンヅイミダゾ―
ル、2−メルカプトメチルベンヅイミダゾ―ル、ビス
(2−メルカプトベンヅイミダゾ―ル)ジンク、ビス
(2−メルカプトメチルベンヅイミダゾ―ル)ジンク、
ジエチルチオカルバミン酸ニツケル、ジブチルジチオカ
ルバミン酸ニツケル、1・3−ビス(ジメチルアミノプ
ロピル)−2−チオ尿素、トリブチルチオ尿素、トリス
(ノニルフエニル)ホスフアイト、チオジプロピオン酸
ジラウリル、1・1・3−トリス(3−t−ブチル−6
−メチル−4−ヒドロキシフエニル)ブタン、3・9−
ビス{2−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフエニル)プロピオニルオキシ〕−1・1−
ジメチルエチル}−2・4・8・10−テトラオキサス
ピロ〔5・5〕ウンデカン、ビス(ノニルフエニル)ペ
ンタエリスリト―ル−ジ−ホスフアイト、ビス(2・4
−ジ−t−ブチルフエニル)ペンタエリスリト―ル−ジ
−ホスフアイト、ビス(2・6−ジ−t−ブチル−4−
メチルフエニル)ペンタエリスリト―ル−ジ−ホスフア
イト、2・2−メチレンビス(4・6−ジ−t−ブチル
フエニル)オクチルホスフアイト、トリスフエニルホス
フアイト、テトラキス〔メチレン−3−(ドデシルチ
オ)プロピオネ―ト〕メタンなどがある。
【0017】また、つぎの化学式(I)〜(V)で表わ
される化合物なども、ラジカル連鎖禁止剤の1種として
使用できる。 P(O−C10213 …(I)
【0018】
【化1】
【0019】
【化2】
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】本発明の組成物においては、上記の各種化
合物の中からその1種または2種以上を、b成分のラジ
カル連鎖禁止剤として使用する。その使用量は、前記a
成分の単量体100重量部に対して0.02〜7重量
部、好適には0.1〜3重量部である。0.02重量部
より少ないと、長期高温安定性が悪くなり、7重量部よ
り多いと、このラジカル連鎖禁止剤は一般に光重合反応
の連鎖停止剤として作用するため、重合を阻害してポリ
マ―の低分子量化を引き起こし、高温での接着力や凝集
力を低下させる原因となり、いずれも好ましくない。
【0023】本発明の組成物に用いられるc成分として
の光重合開始剤には、ベンゾインメチルエ―テル、ベン
ゾインイソプロピルエ―テルなどのベンゾインエ―テル
類、アニゾインメチルエ―テルなどの置換ベンゾインエ
―テル類、2・2−ジエトキシアセトフエノン、2・2
−ジメトキシ−2−フエノンアセトフエノンなどの置換
アセトフエノン類、2−メチル−2−ヒドロキシプロピ
オフエノンなどの置換−α−ケト―ル類、2−ナフタレ
ンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド
類、1−フエノン−1・1−プロパンジオン−2−(o
−エトキシカルボニル)オキシムなどの光活性オキシム
類がある。
【0024】これらの光重合開始剤は、前記a成分の単
量体100重量部に対し、0.01重量部以上1重量部
未満の範囲、好ましくは0.05重量部以上1重量部
の範囲で用いられる。0.01重量部より少ないとモ
ノマ―が多く残存しやすく、逆に1重量部以上となると
ポリマ―の分子量が低下し、接着剤の凝集力の低下をき
たしやすい。
【0025】本発明の組成物には、接着剤の剪断強さを
増加させるために、必要に応じて交叉結合剤としての多
官能(メタ)アクリレ―トを少量添加することができ
る。このような多官能(メタ)アクリレ―トとしては、
たとえば、トリメチロ―ルプロパントリ(メタ)アクリ
レ―ト、ペンタエリスリト―ルテトラ(メタ)アクリレ
―ト、1・2−エチレングリコ―ルジ(メタ)アクリレ
―ト、1・6−ヘキサンジオ―ルジ(メタ)アクリレ―
トなどが挙げられる。
【0026】これらの多官能(メタ)アクリレ―トを添
加する場合は、前記a成分の単量体100重量部に対
し、通常0.02〜5重量部、好適には0.1〜3重量
部の範囲で用いるのがよく、この範囲内において、2官
能の場合は多く、3官能やそれ以上の官能基数の場合は
少なくすればよい。
【0027】本発明の組成物の調製においては、まず、
前記a成分の単量体と上記c成分の光重合開始剤とを一
緒に混合し、このプレミツクスを部分的に重合して、約
500〜5,000センチポイズの範囲の粘度となるコ
―テイング可能なシロツプ状にする。あるいは、上記の
単量体と光重合開始剤とのプレミツクスに、ヒユ―ムド
シリカのようなチキソトロ―プ剤を混合してコ―テイン
グ可能なシロツプ状にしてもよい。
【0028】つぎに、前記b成分のラジカル連鎖禁止剤
と要すれば交叉結合剤としての多官能(メタ)アクリレ
―トや追加の光重合開始剤を混合することにより、光重
合用の組成物が調製される。この組成物には、さらに必
要により充てん剤、顔料、老化防止剤、粘着付与樹脂な
どの公知の各種の添加剤を、紫外線の照射による光重合
を妨げない範囲で添加することができる。
【0029】本発明においては、このように調製される
組成物に紫外線を照射して光重合物とする。紫外線の照
射は、窒素ガスなどの不活性ガスで置換された酸素のな
い雰囲気中で行われるか、あるいは紫外線透過性のフイ
ルムによる被覆で空気がしや断された状態で行われる。
【0030】光重合に用いる紫外線は、波長範囲が約1
80〜460nm(ナノメ―トル)の電磁放射性である
が、これより長波長または短波長の電磁放射性を用いて
もよい。紫外線源としては、水銀ア―ク、炭素ア―ク、
低圧水銀ランプ、中・高圧水銀ランプ、メタルハライド
ランプなどの一般の照射装置が用いられる。紫外線の強
度は、被照射体までの距離や電圧の調節によつて適宜設
定できる。
【0031】このようにして得られる光重合物は、重合
率が通常95重量%以上、好ましくは96重量%以上と
なり、十分に高い分子量を有して、良好な粘着力、接着
力および凝集力を備え、特に高温での凝集力が大きく、
かつ長期高温下での耐久性,信頼性にすぐれており、耐
熱性の良好なアクリル系の感圧性接着剤として、ハンダ
付け工程での電子部品の貼り合わせ固定用テ―プやマス
キングテ―プなど高温での耐熱用途に対し、幅広く使用
することができる。
【0032】本発明の接着シ―ト類は、上記の用途目的
などに対し、上述の方法で形成される耐熱性の良好なア
クリル系の感圧性接着剤を、基材の片面または両面に設
けて、シ―ト状やテ―プ状の形態としたものである。こ
こで、基材としては、不織布や紙などの多孔質材料や、
各種のプラスチツクフイルムが用いられ、耐熱用途に対
しては、特にポリイミドフイルム、ポリエステルフイル
ム、ポリテトラフルオロエチレンフイルム、ポリエ―テ
ルエ―テルケトンフイルム、ポリエ―テルサルフオンフ
イルム、ポリメチルペンテンフイルムなどの耐熱性フイ
ルムが好ましく用いられる。これら基材の厚さは、通常
25〜125μm程度であり、またこの基材上に設けら
れるアクリル系の感圧性接着剤の層の厚さは、通常10
〜100μm程度である。
【0033】本発明の接着シ―ト類の製造は、たとえ
ば、剥離ライナ―上に上述の方法によつて所望厚みのア
クリル系の感圧性接着剤の層を形成したのち、これを基
材の片面または両面に転写することによつて行うことが
できる。また、剥離ライナ―を使用せず、基材上に直接
光重合用の組成物を塗布または含浸させ、これに紫外線
を照射する方法にて製造してもよい。基材の種類などに
応じて適宜の手法を採用することができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、本発明においては、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする単量体
に光重合開始剤と共にラジカル連鎖禁止剤を光重合を阻
害しない程度に含ませてこれを光重合させるようにした
ことにより、粘着力、接着力および凝集力を高度に満足
し、長期高温安定性も良好である、耐熱分野での使用に
十分に耐えうるアクリル系の感圧性接着剤とその接着シ
―ト類を提供することができる。
【0035】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載してより具体
的に説明する。なお、以下において部とあるのは重量部
を意味するものとする。
【0036】実施例1 イソノニルアクリレ―ト60部、ブチルアクリレ―ト2
8部、アクリル酸12部、光重合開始剤としての2・2
−ジメトキシ−2−フエニルアセトフエノン(チバガイ
ギ―コ―ポレ―シヨン製の商品名イルガキユア651)
0.1部を用いて、プレミツクスを調製した。これを窒
素雰囲気中で紫外線に暴露することにより、部分的に重
合して粘度が約4,500センチポイズのコ―テイング
可能なシロツプを得た。
【0037】この部分重合したシロツプ100部に、ラ
ジカル連鎖禁止剤としてのテトラビスメチレン−3−
(3´−5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオネ―トメタン0.4部と、交叉結合剤と
してのトリメチロ―ルプロパントリアクリレ―ト0.1
部とを添加混合し、この組成物を厚さが25μmのポリ
イミドフイルム上にコ―テイングし、窒素ガス雰囲気下
で光強度5mw/cm2 の高圧水銀ランプより900mj/cm
2 の紫外線を照射して光重合させ、厚さが50μmの光
重合物の層を有する接着シ―トを作製した。
【0038】実施例2 ラジカル連鎖禁止剤としてのテトラビスメチレン−3−
(3´−5´−ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフエ
ニル)プロピオネ―トメタンの使用量を1.5部とした
以外は、実施例1と同様にして、接着シ―トを作製し
た。
【0039】実施例3 2−エチルヘキシルアクリレ―ト90部、アクリル酸1
0部、イルガキユア651(前出の光重合開始剤)0.
1部を用いて、実施例1と同様にして粘度が約5,00
0センチポイズのコ―テイング可能なシロツプを得た。
【0040】このシロツプ100部に、ラジカル連鎖禁
止剤としてのテトラビスメチレン−3−(3´−5´−
ジ−t−ブチル−4´−ヒドロキシフエニル)プロピオ
ネ―トメタン0.4部と、交叉結合剤としての1・6−
ヘキサンジオ―ルジアクリレ―ト1.0部とを添加混合
し、この組成物を厚さが25μmのポリイミドフイルム
上にコ―テイングし、窒素ガス雰囲気下で高圧水銀ラン
プより900mj/cm2の紫外線を照射して光重合させ、
厚さが50μmの光重合物の層を有する接着シ―トを作
製した。
【0041】実施例4 ラジカル連鎖禁止剤として、オクタデシル−3−(3・
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピ
オネ―トを0.4部用いた以外は、実施例3と同様にし
て、接着シ―トを作製した。
【0042】比較例1 ラジカル連鎖禁止剤を添加しなかつた以外は、実施例1
と全く同様にして、接着シ―トを作製した。
【0043】比較例2 ラジカル連鎖禁止剤を添加しなかつた以外は、実施例3
と全く同様にして、接着シ―トを作製した。
【0044】比較例3 2−エチルヘキシルアクリレ―ト90部、アクリル酸1
0部、酢酸エチル210部、2・2´−アゾビスイソブ
チロニトリル0.4部をフラスコに仕込み、系内を十分
に窒素ガスで置換したのち60〜80℃に加熱撹拌して
溶液重合を行い、粘度が120ポイズ、重合率が99.
2重量%、固型分が31.4重量%の感圧性接着剤溶液
を得た。
【0045】この溶液100部に対し、架橋剤としての
多官能イソシアネ―ト化合物2.0部を添加混合し、こ
れを厚さが25μmのポリイミドフイルム上にコ―テイ
ングし、熱風乾燥機中で40℃で5分間乾燥後130℃
で5分間乾燥処理し、乾燥後の接着剤層の厚さが50μ
mの接着シ―トを作製した。
【0046】以上の実施例1〜4および比較例1〜3の
各接着シ―トにつき、光重合物の重合率、接着力、保持
力、ハンダ耐熱性および長期高温安定性(加熱重量減少
率)を調べた。その結果を後記の表1にまとめて示す。
なお、これらの測定は以下の要領で行つたものである。
【0047】<重合率>重合率を測定しようとする試料
1 g(0.1g程度)をとり、130℃で3時間乾燥
機中で保存したのちに、再び試料X2 gを測定する。こ
のX1 ,X2 の重量から、重合率=(X2 /X1 )×1
00(%)として、算出した。
【0048】<接着力>JIS Z−1522に準じ、
被着体としてステンレス板を用いて測定した。接着力は
g/20mm幅で表示した。
【0049】<保持力>表面が鏡面状のステンレス板
(30mm×120mm×3.0mm)の長尺方向の一端に、
接着面積が20mm×10mmとなるように、接着シ―ト
(幅10mm)を貼り合わせ、30分間放置したのち、1
00℃で500gの荷重をかけ、ズレにより落下する時
間を測定した。なお、表中の※は凝集破壊にて落下した
ことを示している。
【0050】<ハンダ耐熱性>表面が鏡面状のステンレ
ス板(50mm×50mm×0.4mm)に、10mm角に切断
した実施例および比較例の接着シ―トをハンドロ―ラで
気泡が入らないように注意深く貼り合わせ、30分間室
温で放置したのち、このステンレス板をシ―ト貼付面を
上にして、260℃に溶融したハンダ浴に浮かせた状態
で10秒間処理した。処理後のシ―ト貼付状態を目視で
観察し、接着剤の発泡と、接着異常(ウキ,シワ,ハガ
レ,ズレ)の有無を判別し、それぞれつぎのように評価
した。 ○:変化・異常なし △:多少の変化・異常あり ×:はなはだしい変化・異常あり
【0051】<加熱重量減少率>サンプルを約0.1g
切り出し、所定のアルミカツプに移し、150℃の熱風
循環乾燥炉中で加熱し、50時間経過後アルミカツプご
と取り出し、下記の式にしたがつて加熱重量減少率を測
定した。
【0052】
【表1】
【0053】上記の表1の結果からも明らかなように、
本発明の実施例1〜4の接着シ―トは、高温での耐熱保
持性、特にハンダ耐熱性にすぐれていると共に、長期高
温安定性の指標である加熱重量減少率が比較例1〜3の
ものに比べて格段に少なく、良好な品質特性を備えてい
るものであることがわかる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳永 泰之 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 守山 高明 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (72)発明者 井上 徹雄 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電工株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−104956(JP,A) 特開 昭57−47308(JP,A) 特開 平2−276879(JP,A) 特開 平3−119081(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 つぎのa〜c三成分; a)アルキル基の炭素数が平均2〜14個である(メ
    タ)アクリル酸アルキルエステル70〜100重量%
    と、これと共重合可能なモノエチレン性不飽和単量体3
    0〜0重量%とからなる単量体100重量部 b)ラジカル連鎖禁止剤0.02〜7重量部 c)光重合開始剤0.01重量部以上1重量部未満を含
    む組成物の光重合物からなり、その重合率が95重量%
    以上であることを特徴とする感圧性接着剤。
  2. 【請求項2】 基材の片面または両面に、請求項1に記
    載の感圧性接着剤の層が設けられてなる接着シ―ト類。
  3. 【請求項3】 基材が耐熱性フイルムからなる請求項2
    に記載の接着シ―ト類。
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