JP3052943B2 - ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法 - Google Patents

ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法

Info

Publication number
JP3052943B2
JP3052943B2 JP10279961A JP27996198A JP3052943B2 JP 3052943 B2 JP3052943 B2 JP 3052943B2 JP 10279961 A JP10279961 A JP 10279961A JP 27996198 A JP27996198 A JP 27996198A JP 3052943 B2 JP3052943 B2 JP 3052943B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paste
paste application
electronic component
application
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP10279961A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000107658A (ja
Inventor
晋吾 奥山
誠人 福田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP10279961A priority Critical patent/JP3052943B2/ja
Publication of JP2000107658A publication Critical patent/JP2000107658A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3052943B2 publication Critical patent/JP3052943B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Coating Apparatus (AREA)
  • Ceramic Capacitors (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品に電極ペ
ーストや抵抗ペースト、セラミックペースト(スラリ
ー)、絶縁ペーストなどを塗布するためのペースト塗布
装置、並びに該ペースト塗布装置を用いた電子部品の製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、表面実装を可能とするために、外
表面に外部電極が形成された様々な電子部品が用いられ
ている。この種の電子部品では、プリント回路基板など
への表面実装を可能とするために、電子部品素体の1つ
の面だけでなく、該1つの面に隣接する他の面にも及ぶ
ように電極が形成されている。
【0003】上記のような電子部品の一例を図12に示
す。図12に示す電子部品51は、公知の3端子型コン
デンサである。電子部品51では、誘電体セラミックス
よりなるセラミック焼結体52内に、複数の内部電極が
配置されている。一方電位に接続される内部電極は、セ
ラミック焼結体52の対向し合う一対の端面に形成され
た外部電極53,54に電気的に接続されている。ま
た、内部電極のうち他方電位に接続される内部電極は、
セラミック焼結体52の対向し合う一対の側面52a,
52bに形成された外部電極55,56に電気的に接続
されている。
【0004】外部電極55は、側面52aの中央領域に
おいて上下方向に延びており、さらにセラミック焼結体
52の上面52c及び下面52dにも至るように形成さ
れている。外部電極55が、セラミック焼結体52の上
面52c及び下面52dにも至るように形成されている
のは、上面52cまたは下面52d側からプリント回路
基板上に電極部品51を実装する際の半田付けを容易と
するためである。
【0005】ところで、上記外部電極55の形成は、電
極ペーストの塗布・焼き付けにより行われており、この
電極ペーストの塗布方法としては、以下の第1〜第3の
方法が知られている。
【0006】第1の電極ペースト塗布方法は、電極ペー
ストを塗布する部分に応じた開口部を有するマスクを用
い、スクリーン印刷法により電極ペーストを印刷する方
法である。
【0007】第2のペースト塗布方法は、特開平2−2
56225号公報に開示されている方法である。この方
法では、図13に示すように、容器61内に電極ペース
ト62が貯留されている。容器61には、管63を介し
て容器61よりも小さな加圧容器64が連通されてい
る。また、容器61の上方には、スリット板65が配置
されている。スリット板65には、例えば上述した外部
電極55の幅に応じた幅の貫通スリット65aが形成さ
れている。
【0008】電極ペーストの塗布に際しては、セラミッ
ク焼結体52をスリット板65上に載置する。この場
合、貫通スリット65aに、外部電極55を形成すべき
位置が一致するようにセラミック焼結体52を配置す
る。次に、加圧容器64の上方から圧力を加える。その
結果、電極ペースト62が貫通スリット65a内に圧入
され、かつセラミック焼結体52の側面52aに付与さ
れる。この場合、加圧容器64への圧力の加え方によっ
ては、貫通スリット65aからの電極ペースト62の突
出量を調整することにより、セラミック焼結体52の上
下面52c,52dにも付与できる。
【0009】第3の方法は、特開平2−33908号公
報に開示されている方法である。ここでは、図14に示
すように、複数本の溝71aが設けられた弾性板71が
用いられる。弾性板71の溝71a内に、電極ペースト
72が充填されている。電極ペーストの塗布に際して
は、セラミック焼結体52を、弾性板71の上面に圧接
する。この場合、セラミック焼結体52の側面52aに
帯状に電極ペーストが塗布されるが、弾性体71が弾性
を有するため、上記圧接により電極ペーストがセラミッ
ク焼結体52の側面52aだけでなく、破線で示すよう
に上下面52c,52dにも至るように塗布される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した第1の方法で
は、スクリーン印刷法を用いるため、電極ペースト塗布
工程が煩雑であるという問題があった。すなわち、スク
リーン印刷法では、1回の印刷により、電子部品素体の
1つの面にのみしか電極ペーストを付与することができ
ない。従って、例えば、セラミック焼結体52に外部電
極55を形成するための電極ペーストを付与する場合、
セラミック焼結体52の側面52a上にスクリーン印刷
法により電極ペーストを付与した後、さらに上面52c
に電極ペーストをスクリーン印刷により印刷し、次に下
面52dにスクリーン印刷法により電極ペーストを付与
しなければならなかった。
【0011】よって、電極ペーストを付与する度に、セ
ラミック焼結体52を整列し、電極ペーストを印刷し、
乾燥する工程を繰り返す必要があるため、工程が非常に
煩雑となり、コストが高くつくという問題があった。
【0012】また、スクリーン印刷に用いるマスクの清
浄性を保たなければ、最終的に得られる電極の精度が低
下する。従って、マスクを頻繁にクリーニングしなけれ
ばならなかった。
【0013】第2の方法では、貫通スリット65aの長
さをセラミック焼結体52の厚みよりも大きくしておけ
ば、セラミック焼結体52の側面52aだけでなく、上
面52c及び下面52dにも電極ペーストが一度の工程
で付与される。しかしながら、上面52c及び下面52
dにおける電極ペースト付着状態が、電極ペーストの粘
度や加圧力によってばらつきがちであり、上面52c及
び下面52dに電極ペーストを正確に塗布することが困
難であった。そのため、最終的に外部電極を焼き付けて
得られた電子部品の不良率が高くなりがちであった。
【0014】また、貫通スリット65a内に電極ペース
トが残りがちとなり、従ってスリット板65を頻繁にク
リーニングする必要があった。よって、作業能率が十分
でないという問題もあった。
【0015】第3の方法においては、弾性板71の溝7
1aに電極ペースト72を充填してから転写する必要が
あるため、転写後に溝71aに電極ペーストが残存す
る。従って、弾性板71を頻繁に掃除する必要があり、
やはり作業効率が十分でなかった。また、電極ペースト
72に含まれている有機溶剤の影響などにより、ゴムな
どからなる弾性板71が膨潤しがちであった。従って、
弾性板71を用いて、多数の電子部品素体に電極ペース
トを一度に塗布した場合、電極ペースト塗布精度がばら
つくという問題もあった。
【0016】本発明の目的は、電極ペーストなどのペー
ストを電子部品素体に塗布するに際し、ペーストを電子
部品素体の少なくとも1つの面に高精度に塗布すること
ができると共に、塗布に必要な部材のクリーニングなど
の煩雑な作業を簡略化することができるペースト塗布装
置、並びに該ペースト塗布装置を用いた電子部品の製造
方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電子部品素体にペーストを塗布するためのペースト
塗布装置であって、ペーストが貯留されたペースト容器
と、電子部品素体の少なくとも1つの外表面に当接され
て、ペーストを該電子部品素体外表面に帯状に塗布する
ペースト塗布面を有し、該ペースト塗布面の長さ方向寸
法が、電子部品素体のペースト塗布面が当接される面の
該長さ方向寸法より大きく、かつ該ペースト塗布面が長
さ方向中央領域で凹状とされているペースト塗布部材
と、前記ペースト塗布部材のペースト塗布面が前記ペー
ストに浸漬された状態と、前記電子部品素体の外表面に
ペースト塗布面が接触される状態との間で前記ペースト
塗布部材を移動させるようにペースト塗布部材に連結さ
れた駆動源とを備えることを特徴とする。
【0018】請求項2に記載の発明では、電子部品素体
にペーストを塗布するためのペースト塗布装置であっ
て、ペーストが貯留されたペースト容器と、電子部品素
体の少なくとも1つの外表面に当接されて、ペーストを
該電子部品素体外表面に帯状に塗布するペースト塗布面
を有し、該ペースト塗布面の長さ方向寸法が、電子部品
素体のペースト塗布面が当接される面の該長さ方向寸法
より大きく、該ペースト塗布面が長さ方向中央領域で凹
状とされており、かつ弾性材料で構成されているペース
ト塗布部材と、前記ペースト塗布部材のペースト塗布面
が前記ペーストに浸漬された状態と、前記電子部品素体
の外表面にペースト塗布面が接触される状態との間で前
記ペースト塗布部材を移動させるようにペースト塗布部
材に連結された駆動源とを備えることを特徴とする。
求項3に記載の発明は、電子部品素体の表面に、電極ペ
ーストを帯状に塗布し、焼き付けることにより外部電極
が形成される電子部品の製造方法であって、電子部品素
体の下方に配置された電極ペースト浴に、電子部品素体
の少なくとも1つの電極形成面に当接されるペースト塗
布面を有し、該ペースト塗布面の長さ方向寸法が、電子
部品素体のペースト塗布面が当接される面の該長さ方向
寸法より大きく、かつ該ペースト塗布面が長さ方向中央
領域で凹状とされているペースト塗布部材の少なくとも
ペースト塗布面を浸漬する工程と、前記ペースト塗布部
材を上方に移動し、ペースト塗布部材のペースト塗布面
を電子部品素体の1つの電極形成面に当接し、ペースト
塗布面上の電極ペーストを電子部品素体の電極形成面
及び該電極形成面に隣接する両側の面に至るように塗布
する工程と、前記ペーストを焼き付けて外部電極を形成
する工程とを備えることを特徴とする。
【0019】請求項4に記載の発明では、電子部品素体
の少なくとも1つの面に帯状にペーストを付与するため
のペースト塗布装置であって、ペーストが付与される凹
部が幅方向に沿って形成されたペースト塗布面を有し、
該ペースト塗布面が長さ方向中央領域で凹状とされてい
るペースト塗布部材と、前記ペースト塗布部材に連結さ
れており、かつペースト塗布部材のペースト塗布面を電
子部品素体の前記1つの面に当接させる駆動源とを備え
ることを特徴とする。請求項5に記載の発明は、電子部
品素体の少なくとも1つの面に帯状にペーストを付与す
るためのペースト塗布装置であって、ペーストが付与さ
れる凹部が幅方向に沿って形成されたペースト塗布面を
し、該ペースト塗布面が長さ方向中央領域で凹状とさ
れており、かつ該ペースト塗布面が弾性材料で構成され
ているペースト塗布部材と、前記ペースト塗布部材に連
結されており、かつペースト塗布部材のペースト塗布面
を電子部品素体の前記1つの面に当接させる駆動源とを
備えることを特徴とする。
【0020】請求項6に記載の発明では、前記ペースト
塗布部材が、第1の板状部材の両面に第2,第3の板状
部材を積層してなる積層構造を有し、前記ペースト塗布
面において、第1の板状部材が両側の第2,第3の板状
部材よりも後退されており、それによって前記幅方向に
沿った凹部が形成されている。
【0021】請求項7に記載の発明では、前記ペースト
塗布部材が、一対の板状部材を積層することにより構成
されており、前記ペースト塗布面において、一対の板状
部材面が外表面から貼り合わせ面に向かうにつれて後退
されており、それによって前記幅方向に沿った凹部が構
成されている。
【0022】請求項8に記載の発明では、前記ペースト
塗布面が、電子部品素体のペーストが塗布される面の長
さ寸法より大きい長さ寸法を有する
【0023】請求項9に記載の発明は、請求項に記載
のペースト塗布装置を用いた電子部品の製造方法であ
り、ペースト塗布装置のペースト塗布部材のペースト塗
布面の前記凹部内に電極ペーストを付与する工程と、前
記ペースト塗布部材のペースト塗布面を電子部品素体の
少なくとも1つの面に当接させる工程と、前記電子部品
素体の1つの面からペースト塗布部材を分離する工程
と、電極ペーストが付与された電子部品素体を熱処理し
て外部電極を形成する工程とを備えることを特徴とす
る。請求項10に記載の発明は、前記ペースト塗布部材
が、第1の板状部材の両面に第2,第3の板状部材を積
層してなる積層構造を有し、前記ペースト塗布面におい
て、第1の板状部材が両側の第2,第3の板状部材より
も後退されており、それによって前記凹部が形成されて
いる
【0024】
【発明の実施の形態】図1(a)及び(b)は、本発明
の第1の実施例に係るペースト塗布装置を説明するため
の部分切欠断面図である。
【0025】ペースト塗布装置1では、電極ペースト2
がペースト容器3内に貯留されている。ペースト容器3
は、上方に開口3aを有する。また、ペースト容器3の
底板3bには、貫通孔3cが形成されている。貫通孔3
cには、ペースト塗布部材4が貫通されている。ペース
ト塗布部材4は、本実施例では、金属や合成樹脂などか
らなる薄板状部材により構成されている。ペースト塗布
部材4の上端面がペースト塗布面4aを構成している。
【0026】また、ペースト容器3の上方には、電子部
品を支持する板状の支持部材5が配置されている。支持
部材5には、開口5aが形成されている。この開口5a
をまたぐように、電子部品素体としてのセラミック焼結
体52が載置されている。
【0027】本実施例の製造方法において最終的に得ら
れる電子部品を、図2に斜視図で示す。電子部品7は、
図12に示した従来の3端子型コンデンサと同様に構成
されている。従って、同一部分については、同一の参照
番号を付することにより、図12に関する説明を援用す
ることにより省略する。
【0028】図1に戻り、上記電子部品7を得るための
セラミック焼結体52の上方には、セラミック焼結体5
2を支持部材5上に位置決めした後に、その位置がずれ
ないように抑え部材としての抑え板6が配置されてい
る。
【0029】本実施例では、セラミック焼結体52の側
面52aに外部電極55を構成するための電極ペースト
を付与する。従って、電極ペーストは、セラミック焼結
体52の側面52aだけでなく、上面52c及び下面5
2dにも至るように付与される(図2参照)。
【0030】上記外部電極55を形成するために電極ペ
ースト2を塗布するものであるため、ペースト塗布部材
4の厚み、すなわちペースト塗布面4aの幅は、最終的
に形成される外部電極55の幅に応じた寸法とされてい
る。
【0031】また、ペースト塗布面4aの幅方向と直交
する方向の寸法、すなわち図1の紙面−紙背方向に沿う
長さ寸法は、セラミック焼結体52の厚み、すなわち側
面52aの厚み方向寸法よりも大きくされている。
【0032】ペースト塗布部材4は、図示しない往復駆
動源に連結されており、図1(a)に示すように、ペー
スト塗布面4aが電極ペースト2に浸漬された状態と、
図1(b)に示すように、ペースト塗布面4aがセラミ
ック焼結体52の側面52aに当接される状態との間で
上下方向に移動可能とされている。
【0033】次に、本実施例のペースト塗布装置1を用
いて、電極ペースト2をセラミック焼結体52に塗布す
る方法を説明する。まず、図1(a)に示すように、初
期状態では、ペースト塗布部材4は、下降位置にあり、
ペースト塗布面4aが電極ペースト2に浸漬されてい
る。支持部材5上にセラミック焼結体52の側面52a
が接するようにセラミック焼結体52を配置する。この
場合、ペースト塗布部材4により電極ペースト2が正し
い位置に塗布されるようにセラミック焼結体52の位置
が調整される。また、位置調整後に、抑え板6によりセ
ラミック焼結体52の位置が保持される。
【0034】次に、ペースト塗布部材4を上方に移動
し、ペースト塗布面4aをセラミック焼結体52の側面
52aに当接させる(図1(b))。従って、ペースト
塗布部材4を上方に移動させることにより、ペースト塗
布面4a上に支持された電極ペーストがセラミック焼結
体52の側面52aに付与される。この場合、ペースト
塗布面4aの長さ寸法が、セラミック焼結体52の側面
52aの厚み方向に延びる寸法よりも大きくされている
ので、電極ペースト2は、セラミック焼結体52の側面
52aだけでなく、上面52c及び下面52dにも至る
ように付与される。その後、電極ペーストは乾燥され
る。
【0035】次に、図2に示したセラミック焼結体52
の側面52b側に形成される外部電極56を得るため
に、同様にして電極ペーストを塗布し、乾燥する。しか
る後、電極ペーストが塗布されたセラミック焼結体52
を加熱し、電極ペーストを焼き付けることにより、外部
電極55,56を形成することができる。
【0036】なお、外部電極53,54については、従
来より公知の方法により、電極ペーストを付与し、上記
外部電極55,56を焼き付けにより完成させるに際
し、同時に焼き付けることにより形成することができ
る。
【0037】このようにして、ペースト塗布装置1を用
いて、外部電極55,56を形成するための電極ペース
トを付与することができ、かつ上記焼き付け工程を経て
外部電極53〜56が形成された電子部品7を得ること
ができる。
【0038】本実施例のペースト塗布装置1では、電極
ペースト2に浸漬されたペースト塗布面4aを用いてセ
ラミック焼結体52に電極ペーストを付与する。この場
合、ペースト塗布部材4は、ペースト塗布面4aが電極
ペースト2に浸漬された状態と、ペースト塗布面4aが
セラミック焼結体52に当接される状態とを繰り返すよ
うに移動されるだけである。
【0039】従って、従来法では、マスク、スリット板
65または弾性板71などを頻繁に清掃する必要があっ
たのに対し、本実施例のペースト塗布装置1では、この
ような煩雑な清掃作業を必要としない。よって、ペース
ト塗布工程の簡略化を図ることができ、電子部品のコス
トを低減することができる。
【0040】好ましくは、ペースト塗布部材4の少なく
ともペースト塗布面4aが弾性材料により構成される。
このような弾性材料としては、公知の天然ゴムや合成ゴ
ムを好適に用いることができる。ペースト塗布面4aを
弾性材料で構成することにより、ペースト塗布面4aが
セラミック焼結体52の側面52aに圧接された場合、
ペースト塗布面4aが変形し、ペースト塗布面4aに付
与されていた電極ペーストが側面52aだけでなく、上
面52c及び下面52dにも容易にまわり込んで付着す
る。従って、1回のペースト塗布工程により、外部電極
55を形成するための電極ペーストをより一層確実に付
与することができる。
【0041】加えて、ペースト塗布面4aが弾性材料で
構成されている場合、電極ペーストの塗布に際し、ペー
スト塗布面4aがセラミック焼結体52に圧接される
と、弾性によりペースト塗布面4aが変形するため、セ
ラミック焼結体52に接触した後にペースト塗布面4a
が移動し難い。従って、セラミック焼結体52に電極ペ
ーストを高精度に塗布することができる。
【0042】なお、ペースト塗布面4aのみを弾性材料
で構成してもよく、あるいは、ペースト塗布部材4の全
体を弾性材料で構成してもよい。また、金属などの剛性
部材の表面にゴムなどの弾性材料をコーティングするこ
とにより、ペースト塗布面4aを弾性材料で構成しても
よい。
【0043】さらに、好ましくは、図3に斜視図で示す
ように、ペースト塗布部材4のペースト塗布面4aは凹
状とされる。すなわち、セラミック焼結体52の厚み方
向に沿って延びるペースト塗布面4aの中央領域がへこ
まされているように、ペースト塗布面4aが凹状面とさ
れる。ペースト塗布面4aを凹状面とすることにより、
ペースト塗布面4aに付与された電極ペーストがセラミ
ック焼結体52の側面52aだけでなく、上面52c及
び下面52dにも至るように塗布することが容易とな
る。
【0044】図4は、第1の実施例の変形例を説明する
ための斜視図である。図1に示したペースト塗布装置1
では、ペースト塗布部材4の上方に1個のセラミック焼
結体52が配置されていたが、図4に示すように、ペー
スト塗布部材4の長さを長くし、1枚のペースト塗布部
材4を用いて、複数個のセラミック焼結体52に電極ペ
ーストを塗布するように構成してもよい。
【0045】さらに、特に図示はしないが、図4に示し
たペースト塗布部材4を複数列配置し、複数枚のペース
ト塗布部材4上において、それぞれ複数個のセラミック
焼結体52に電極ペーストを同時に塗布するように構成
してもよい。
【0046】このように、長いペースト塗布部材4を用
いたり、複数のペースト塗布部材4を同時に使用するこ
とにより、多数のセラミック焼結体52に同時に電極ペ
ーストを塗布することができる。
【0047】図5〜図7を参照して、本発明の第2の実
施例に係るペースト塗布装置を説明する。図5は、第2
の実施例で用いられるペースト塗布部材11を示す部分
切欠断面図である。ペースト塗布部材11は、図示しな
い駆動源に連結されて、上下方向に移動可能とされてい
る。この駆動源は、エアシリンダもしくは油圧シリンダ
などの往復駆動源や、モータなどの回転駆動源に回転駆
動力を往復駆動力に変換する変換機能を連結したものな
ど、任意の駆動装置により構成することができる。
【0048】ペースト塗布部材11の下面がペースト塗
布面を構成しており、該ペースト塗布面に、凹部11a
が形成されている。図5においては、導電ペースト2
は、ペースト塗布面全域に付与されている。
【0049】ペースト塗布部材11は、第1の実施例で
用いたペースト塗布部材4と同様に、紙面−紙背方向に
沿って延びる板状部材で構成されている。また、ペース
ト塗布面に付与された電極ペースト2が、セラミック焼
結体52の外表面に付与される。従って、セラミック焼
結体52の厚み方向に延びるように電極ペーストを付与
するために、ペースト塗布部材11は、セラミック焼結
体52の厚み方向寸法よりも大きな長さ寸法を有する。
なお、長さ寸法とは、ペースト塗布部材11の図5にお
ける紙面−紙背方向に沿う寸法をいうものとする。
【0050】本実施例では、ペースト塗布部材11は、
第1の板状部材12の両面に第2,第3の板状部材1
3,14を貼り合わせた積層構造を有する。この積層板
15の下面が上記ペースト塗布面とされている。また、
積層板15の下端においては、第1の板状部材12の下
端が第2,第3の板状部材13,14の下端よりも距離
Xだけ上方に位置しており、それによって前述した凹部
11aが形成されている。
【0051】上記第1〜第3の板状部材12〜14を構
成する材料については、特に限定されないが、剛性に優
れておりかつ高精度に電極ペーストを塗布し得るため、
例えば、ステンレスなどの金属が好適に用いられる。
【0052】また、上記板状部材12〜14の厚みにつ
いても、セラミック焼結体52の側面に形成される電極
幅に応じて適宜定められる。もっとも、後述の電極ペー
スト塗布方法で説明するように、凹部11aに付与され
た電極ペーストを付与した場合、電極ペーストは凹部1
1aの幅よりも外側に拡がる。従って、塗布に際しての
電極ペーストの拡がりの程度を考慮して、凹部11aの
幅を選択すればよい。
【0053】一例を挙げると、0.4mm程度の幅に電
極ペーストを塗布する場合、第1の板状部材12の厚み
を0.1mm、第2,第3の板状部材13,14の厚み
を0.1mmとし、凹部11aの深さ、すなわち図5の
距離Xを0.1mm程度とすればよい。もっとも、この
凹部11aの幅及び長さ並びに第2,第3の板状部材1
3,14の厚みについては、単に外部電極55の幅だけ
でなく、使用する電極ペーストの粘度などをも考慮して
選択する必要があり、従って、一義的には定め得ない。
【0054】次に、ペースト塗布部材11を用いて、前
述したセラミック焼結体52の側面52aに電極ペース
トを帯状に塗布する方法を説明する。図5に示すペース
ト塗布部材11を図示しない駆動源により駆動し、ペー
スト塗布部材11の下端を電極ペーストに押し当て、次
に電極ペーストからペースト塗布部材11を引き上げ
る。その結果、図5に示すように、凹部11a内を含む
ペースト塗布面全域に電極ペースト2が付着する。
【0055】次に、上記電極ペースト2が支持されてい
るペースト塗布部材11を、セラミック焼結体52の側
面52a上にペースト塗布面側から接触させる。その結
果、図6に示すように、凹部11a内に貯留されていた
電極ペースト2がセラミック焼結体52の側面52aに
接触される。
【0056】次に、図7に示すように、セラミック焼結
体52からペースト塗布部材11を分離する。その結
果、セラミック焼結体52の側面52aに電極ペースト
2Aが塗布される。
【0057】従って、本実施例のペースト塗布部材11
を用いた場合、上記凹部11aの幅及び深さ並びに第
2,第3の板状部材13,14の厚みを調整することに
より、同じ粘度の電極ペースト2を用いた場合であって
も、セラミック焼結体52上に塗布される電極ペースト
の幅を容易に調整することができる。加えて、上記凹部
11aの深さを調整することにより、電極ペースト2A
の厚みについても容易に調整することができる。
【0058】従って、塗布された電極ペーストを焼き付
けることにより、所望とする幅の外部電極を容易に形成
することができる。なお、塗布された電極ペーストの焼
き付け、並びに他の外部電極形成用電極ペーストの塗布
については、第1の実施例の場合と同様に、公知の外部
電極形成方法に従って行い得る。
【0059】好ましくは、ペースト塗布部材11の少な
くともペースト塗布面側を弾性材料で構成することによ
り、第1の実施例の場合と同様に、セラミック焼結体5
2の側面52aだけでなく、上面52c及び下面52d
にも電極ペーストが至るように塗布することがより一層
容易となる。この場合、積層板15の全体が弾性板で構
成されていてもよく、あるいは板状部材12〜14の下
端面のみがゴムなどの弾性材料で被覆されていてもよ
い。
【0060】さらに、図3に示したペースト塗布部材4
と同様に、ペースト塗布面側において、セラミック焼結
体52の厚み方向中央部分がへこんだ凹状となるように
ペースト塗布部材11のペースト塗布面を構成してもよ
い。
【0061】本実施例においても、ペースト塗布部材1
1の長さ、すなわち図5の紙面−紙背方向に沿う長さを
長くすることにより、多数のセラミック焼結体52の側
面に、ペースト塗布部材11を用いて一度に電極ペース
トを塗布することができる。また、複数のペースト塗布
部材11を配置し、各ペースト塗布部材11により複数
のセラミック焼結体に電極ペーストを塗布するように構
成すれば、一度に大量のセラミック焼結体に電極ペース
トを塗布することができる。
【0062】上記実施例では、ペースト塗布部材11
は、第1〜第3の板状部材12〜14を積層してなる積
層板15を用いて構成されていたが、1枚の板状部材で
ペースト塗布部材11を構成してもよい。すなわち、1
枚の板状部材の下面に凹部11aを形成し、それによっ
てペースト塗布面を構成してもよい。
【0063】もっとも、上記実施例のように、第1〜第
3の板状部材12〜14を積層した構造の場合には、各
板状部材12〜14の厚み及び第1の板状部材12の下
端面の位置を調整することにより、前述したように、電
極ペーストの塗布幅及び塗布厚みを容易に調整すること
ができる。
【0064】図8は、第2の実施例のペースト塗布装置
の変形例を説明するための部分切欠断面図である。図5
に示したペースト塗布部材11では、積層板15の下面
に断面矩形の凹部11aが形成されていたが、凹部の断
面形状については矩形のものに限定されず、図8に示す
ように、断面略V字状の溝を形成して凹部21aを形成
してもよい。
【0065】また、図8に示すペースト塗布部材21で
は、一対の板状部材22,23を積層することにより構
成されている。すなわち、ペースト塗布面において、一
対の板状部材22,23の外側主面から貼り合わせ面に
向かうにつれて板状部材22,23の下面が後退されて
おり、それによって断面V字状の溝が形成されている。
この場合、板状部材22,23の外側に、図5に示した
第2,第3の板状部材13,14をさらに積層してもよ
い。
【0066】また、一対の板状部材22,23を積層す
る代わりに、1枚の板状部材の下面に断面V字状の溝を
形成し、凹部21aを形成してもよい。断面V字状の溝
を形成することにより凹部21aを構成した場合には、
凹部21aの幅及び深さを調整するだけでなく、断面V
字状の溝の内角α(図8参照)を調整することによって
も、電極ペースト塗布厚みを制御することができる。上
記内角αの大きさについても特に限定されず、電極ペー
スト塗布厚みに応じて適宜選択することができ、通常、
90°〜150°程度とすればよい。
【0067】図9〜図11は、図5に示したペースト塗
布部材11の他の変形例を説明するための断面図であ
る。図9に示すように、ペースト塗布部材31では、第
1の板状部材32の両側に第2,第3の板状部材33,
34が積層されている。もっとも、第1の板状部材32
と、第2,第3の板状部材33,34とは接合されてお
らず、第2,第3の板状部材33,34は、第1の板状
部材32に対して移動可能に積層されている。
【0068】第1の板状部材32の下面は、第2,第3
の板状部材33,34の下面よりも上方に位置してお
り、それによってペースト塗布部材11(図5)の凹部
11aと同様の凹部31aが構成されている。
【0069】また、第1の板状部材32は、水平方向に
延びる支持板35の下面に接合されている。すなわち、
第1の板状部材32は、水平方向に延びる支持板35の
下面から下方に突出するように配置されている。
【0070】他方、支持板35には、板状部材33,3
4を挿通させるスリット35a,35bが形成されてい
る。第2,第3の板状部材33,34は、スリット35
a,35bを貫通して支持板35の下方に延びている。
また、板状部材33,34の上端は、水平方向に折り曲
げられており、折り曲げ部33a,34aが、支持板3
5の上方において、支持板35の上面35cと対向され
ている。この折り曲げ部33a,34aと、支持板35
の上面35cとの間に、それぞれ、付勢手段としてのば
ね36,37が配置されている。ばね36,37は、そ
れぞれ、支持板35の上面35cと、折り曲げ部33
a,34aの下面とに接触するように配置されており、
常時は折り曲げ部33a,34aを支持板35の上面3
5cから遠ざかる方向に、すなわち上方に付勢してい
る。なお、付勢手段としては、コイルばねで構成された
ばね36,37の他、板ばねなどの他のばね状部材を用
いても構成してもよい。
【0071】本実施例のペースト塗布部材においては、
下面がペースト塗布面とされており、ペースト塗布部材
11の凹部11aと同様に機能する凹部31aが形成さ
れているので、ペースト塗布部材11と同様にセラミッ
ク焼結体52の側面52aに電極ペーストを帯状に容易
に塗布することができる。また、凹部31aの幅、深さ
及び第2,第3の板状部材33,34の厚みを調整する
ことにより、塗布される電極ペーストの幅及び厚みを容
易に調整することができる。
【0072】さらに、上記付勢手段としてのばね36,
37を組み合わせることにより、セラミック焼結体に、
より多くの電極ペーストを付与することができ、電極ペ
ースト厚みを容易に厚くし得る。これを、図10及び図
11を参照して説明する。
【0073】ペースト塗布部材31を、図示しない電極
ペースト層にその下面から接触させ、ペースト塗布面に
設けられた凹部31aに電極ペースト2を付着させる。
しかる後、ペースト塗布部材31を図示しない駆動源に
より移動し、図10に示すように、セラミック焼結体5
2の側面52aにペースト塗布面側から接触させる。こ
の場合、図10に矢印Bで示すように、第2,第3の板
状部材33,34に上方から圧力を加え、板状部材3
3,34の下面33a,34aをセラミック焼結体52
の側面52aに圧接させる。
【0074】しかる後、ペースト塗布部材31をセラミ
ック焼結体52から分離すると共に、ばね36,37に
加えていた力を開放する。その結果、図11に示すよう
に、セラミック焼結体52の側面52a上に電極ペース
ト2Aが付与される。この場合、ペースト塗布部材31
の上方への移動に際し、ばね36,37の付勢力によ
り、第2,第3の板状部材33,34がより速やかにセ
ラミック焼結体52の側面52aから遠ざかる。
【0075】従って、板状部材32に対して第2,第3
の板状部材33,34が上方に移動することにより、凹
部31a内に支持されていた電極ペースト2が凹部31
aの背面から容易に剥がれる。よって、凹部31aに貯
留されていた電極ペーストを、より多くセラミック焼結
体52の側面52aに付与することができ、それによっ
て電極ペースト塗布厚みを効果的に高めることができ
る。
【0076】加えて、凹部31a内の電極ペースト残存
量が少なくなるため、繰り返し使用しているうちに凹部
31aに残存した電極ペーストを清掃する作業を簡略化
することができる。
【0077】さらに、本実施例のペースト塗布部材31
では、第2,第3の板状部材33,34の板状部材32
に対する移動量を調整することによっても、電極ペース
ト塗布厚みを容易に制御することができる。なお、ペー
スト塗布部材31においても、凹部31aは、横断面が
V字状の溝となるような形状としてもよい。
【0078】なお、上述した実施例及び変形例では、セ
ラミック焼結体52の側面52aに電極ペーストを塗布
するためのペースト塗布装置を示したが、上記ペースト
塗布装置は、例えば抵抗ペーストや絶縁ペーストなどの
他の機能材料ペーストを電子部品素体外表面に付与する
用途にも用いることができる。すなわち、本発明におい
て用いられるペーストについては、電極ペーストに限定
されるものではない。
【0079】また、図5〜図11における実施例におい
ても、ペースト塗布部材のペースト塗布面へのペースト
付与を、図1で示した実施例と同様に、ペースト塗布部
材のペースト中の浸漬、上昇によって行ってもよい。
【0080】
【発明の効果】請求項1に記載の発明に係るペースト塗
布装置では、ペースト塗布部材のペースト塗布面がペー
ストに浸漬された状態と、電子部品素体の外表面にペー
スト塗布面が接触される状態との間で上記ペースト塗布
部材が駆動源により移動される。従って、ペースト塗布
部材のペースト塗布面にペースト容器中のペーストを付
着させた後、ペースト塗布部材のペースト塗布面を電子
部品素体の外表面に接触させることにより、電子部品素
体の外表面にペーストを容易に塗布することができる。
【0081】この場合、ペースト塗布部材のペースト塗
布面の前述した幅寸法を変更することにより、電極ペー
ストの塗布幅を容易に制御することができる。従って、
電子部品素体の少なくとも1つの面、好ましくは3つの
面にペーストを容易にかつ高精度に付与することができ
る。
【0082】また、ペースト塗布面にペーストを付着さ
せ、該ペーストを電子部品素体に付与するため、ペース
ト塗布部材において、煩雑なクリーニング作業を必要と
せず、従って、ペースト塗布装置における清掃作業の簡
略化を果たすことが可能となる。
【0083】請求項2に記載の発明では、ペースト塗布
部材のペースト塗布面が弾性材料で構成されているの
で、ペースト塗布面にペーストを付着させた後、ペース
ト塗布面を電子部品素体の1つの面に接触させた場合、
ペースト塗布面が弾性により変形する。従って、電子部
品素体の1つの面だけでなく、該1つの面に隣接する他
の面にも至るように電極ペーストを容易に塗布すること
ができる。
【0084】しかも、ペースト塗布面を電子部品素体に
圧接させた場合に、弾性によりペースト塗布面が変形す
るので、圧接後にはペースト塗布面が電子部品素体の外
表面に対して位置ずれを生じ難い。従って、電極ペース
トをより一層高精度に塗布することができる。
【0085】請求項3に記載の発明に係る電子部品の製
造方法では、電子部品素体の下方に配置されたペースト
浴に、電子部品素体の少なくとも1つの電極形成面に当
接されるペースト塗布面を有する上記ペースト塗布部材
の少なくともペースト塗布面を浸漬した後、ペースト塗
布部材を上方に移動し、ペースト塗布面を電子部品素体
の少なくとも1つの電極形成面に当接することにより、
ペーストが電子部品素体の電極形成面に塗布される。従
って、上記ペースト塗布面の前述した幅寸法を選択する
ことにより、電極ペースト塗布幅を自由にコントロール
することができる。
【0086】また、ペースト塗布部材を、電子部品素体
の面に部分的に当接させて電極ペーストを塗布するもの
であるため、煩雑なクリーニング作業を簡略化すること
ができる。
【0087】すなわち、特開平2−256225号公報
や特開平2−33908号公報に開示されているペース
ト塗布装置では、スキージング作業が必要であったり、
塗布装置の煩雑な清掃作業が必要であったのに対し、請
求項3に記載の発明では、このような煩雑なスキージン
グ作業を必要とせず、かつ清掃作業についても簡略化す
ることができる。よって、電子部品の製造に際し、電極
ペースト塗布工程の効率を高め得るため、電子部品の生
産性を高め得る。
【0088】請求項4に記載の発明では、ペースト塗布
面が少なくとも弾性体で構成されているので、ペースト
塗布部材のペースト塗布面を電子部品素体に圧接させる
ことにより、電子部品素体の1つの面だけでなく、該1
つの面に隣接する他の面にも至るようにペーストを容易
に塗布することができる。また、圧接によりペースト塗
布面が弾性変形するため、圧接後に位置ずれが生じ難
く、従って、ペーストを高精度に電子部品素体の外表面
に塗布することができる。
【0089】請求項5に記載の発明では、ペースト塗布
部材のペースト塗布面に凹部が形成されているので、駆
動源を駆動し、ペースト塗布面の凹部にペーストを付着
させた後、ペースト塗布面を電子部品素体の外表面に接
触させることにより、凹部に蓄えられていたペーストが
電子部品素体の外表面に容易に付与される。この場合、
凹部の前述した幅寸法及び深さ並びにペーストの粘度を
調整することにより、ペーストの塗布幅及び塗布厚みを
容易に調整することができる。従って、所望とする幅及
び厚みとなるようにペーストを高精度に塗布することが
できる。
【0090】請求項6に記載の発明では、電子部品素体
の1つの外表面と、該外表面に隣接する外表面に至るよ
うにペーストが塗布されるが、この場合、ペースト塗布
部材が電子部品素体の外表面に当接された際に、ペース
ト塗布面において凹部が第1の電子部品素体外表面の両
側の面を結ぶ方向途中に位置するように形成されている
ので、凹部内のペーストが、凹部の幅方向両側に移動
し、従って、1つの面だけでなく両側の面にもまわり込
み、両側の面にもペーストが塗布される。従って、例え
ば電子部品素体の側面だけでなく、上面及び下面にも至
るような外部電極を形成するのに好適なペースト塗布装
置を提供することができる。
【0091】請求項7に記載の発明では、ペースト塗布
部材が、第1の板状部材の両面に第2,第3の板状部材
を積層した積層構造を有し、第1の板状部材が第2,第
3の板状部材よりもペースト塗布面から後退されて、凹
部が形成されている。従って、第1の板状部材の後退さ
れている量、並びに第1の板状部材の厚みを制御するこ
とにより、凹部の幅及び深さを容易に調整することがで
きる。従って、凹部の幅及び深さと共に、第2,第3の
板状部材の厚みを調整することにより、凹部の長さ方向
及び幅方向両側に拡がって塗布される電極ペーストの塗
布幅及び塗布厚みを容易に調整することができる。
【0092】請求項8に記載の発明では、ペースト塗布
部材が一対の板状部材を貼り合わせて構成されており、
ペースト塗布面において、一対の板状部材が外表面から
貼り合わせ面に向かうにつれて後退されており、それに
よって凹部が構成されている。従って、一対の板状部材
の凹部の断面形状を調整することにより、ペースト塗布
幅及び塗布厚みを容易に調整することができる。
【0093】請求項9に記載の発明に係る電子部品の製
造方法では、請求項5〜8に記載の各ペースト塗布装置
のペースト塗布部材のペースト塗布面に凹部内にペース
トを付与した後、ペースト塗布面を電子部品素体の少な
くとも1つのペースト塗布面に当接させ、しかる後電子
部品素体のペースト塗布面からペースト塗布部材を分離
する。従って、凹部に付与されていたペーストが、電子
部品素体のペースト塗布面に付与されるので、該凹部の
幅及び長さを調整することにより、ペースト塗布幅及び
ペースト塗布厚みを容易に調整することができる。よっ
て、上記のようにして塗布されたペーストを焼き付ける
ことにより、所望とする幅及び厚みの外部電極を容易に
形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)は、それぞれ、本発明の第1
の実施例に係るペースト塗布装置の正面断面図。
【図2】第1の実施例でペーストが塗布され、最終的に
ペーストが焼き付けられることにより完成された電子部
品の外観を示す斜視図。
【図3】第1の実施例で用いられるペースト塗布部材の
変形例を示す斜視図。
【図4】第1の実施例の他の変形例を説明するための斜
視図。
【図5】第2の実施例に係るペースト塗布装置で用いら
れるペースト塗布部材を示す正面断面図。
【図6】第2の実施例に係るペースト塗布装置を用いて
セラミック焼結体にペーストを塗布する工程を説明する
ための部分切欠正面断面図。
【図7】図6に示した工程に引き続き、ペースト塗布部
材をセラミック焼結体から分離した状態を示す部分切欠
正面断面図。
【図8】第2の実施例に係るペースト塗布装置のペース
ト塗布部材の変形例を説明するための部分切欠正面断面
図。
【図9】第2の実施例に係るペースト塗布装置のさらに
他の変形例を説明するための正面断面図。
【図10】図9に示したペースト塗布装置を用いてセラ
ミック焼結体にペーストを塗布する工程を説明するため
の正面断面図。
【図11】図10に示した工程に引き続き、ペーストを
塗布した後の状態を示す部分切欠正面断面図。
【図12】従来のペースト塗布装置で電極ペーストが塗
布され、最終的に焼き付けられて外部電極が形成された
電子部品を示す斜視図。
【図13】従来のペースト塗布装置の第1の例を説明す
るための正面断面図。
【図14】従来のペースト塗布装置の他の例を説明する
ための斜視図。
【符号の説明】
1…ペースト塗布装置 2…電極ペースト 2A…電極ペースト 3…ペースト容器 4…ペースト塗布部材 4a…ペースト塗布面 11…ペースト塗布部材 11a…凹部 12…第1の板状部材 13,14…第2,第3の板状部材 21…ペースト塗布部材 21a…凹部 22,23…板状部材 31…ペースト塗布部材 31a…凹部 32…第1の板状部材 33,34…第2,第3の板状部材 36,37…付勢手段としてのばね
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−301184(JP,A) 特開 平5−190404(JP,A) 特開 平4−234194(JP,A) 特開 平9−246124(JP,A) 特公 昭53−5332(JP,B2) 特公 平4−19908(JP,B2) 実公 平8−4131(JP,Y2) 実公 昭57−58794(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05C 1/02 101 B05D 1/28 H01G 4/12 430 H01G 13/00 391 B05D 1/28

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品素体にペーストを塗布するため
    のペースト塗布装置であって、 ペーストが貯留されたペースト容器と、 電子部品素体の少なくとも1つの外表面に当接されて、
    ペーストを該電子部品素体外表面に帯状に塗布するペー
    スト塗布面を有し、該ペースト塗布面の長さ方向寸法
    が、電子部品素体のペースト塗布面が当接される面の該
    長さ方向寸法より大きく、かつ該ペースト塗布面が長さ
    方向中央領域で凹状とされているペースト塗布部材と、 前記ペースト塗布部材のペースト塗布面が前記ペースト
    に浸漬された状態と、前記電子部品素体の外表面にペー
    スト塗布面が接触される状態との間で前記ペースト塗布
    部材を移動させるようにペースト塗布部材に連結された
    駆動源とを備えることを特徴とする、ペースト塗布装
    置。
  2. 【請求項2】 電子部品素体にペーストを塗布するため
    のペースト塗布装置であって、 ペーストが貯留されたペースト容器と、 電子部品素体の少なくとも1つの外表面に当接されて、
    ペーストを該電子部品素体外表面に帯状に塗布するペー
    スト塗布面を有し、該ペースト塗布面の長さ方向寸法
    が、電子部品素体のペースト塗布面が当接される面の該
    長さ方向寸法より大きく、該ペースト塗布面が長さ方向
    中央領域で凹状とされており、かつ弾性材料で構成され
    ているペースト塗布部材と、 前記ペースト塗布部材のペースト塗布面が前記ペースト
    に浸漬された状態と、前記電子部品素体の外表面にペー
    スト塗布面が接触される状態との間で前記ペースト塗布
    部材を移動させるようにペースト塗布部材に連結された
    駆動源とを備えることを特徴とする、ペースト塗布装
    置。
  3. 【請求項3】 電子部品素体の表面に、電極ペーストを
    帯状に塗布し、焼き付けることにより外部電極が形成さ
    れる電子部品の製造方法であって、 電子部品素体の下方に配置された電極ペースト浴に、電
    子部品素体の少なくとも1つの電極形成面に当接される
    ペースト塗布面を有し、該ペースト塗布面の長 さ方向寸
    法が、電子部品素体のペースト塗布面が当接される面の
    該長さ方向寸法より大きく、かつ該ペースト塗布面が長
    さ方向中央領域で凹状とされているペースト塗布部材の
    少なくともペースト塗布面を浸漬する工程と、 前記ペースト塗布部材を上方に移動し、ペースト塗布部
    材のペースト塗布面を電子部品素体の1つの電極形成面
    に当接し、ペースト塗布面上の電極ペーストを電子部品
    素体の電極形成面及び該電極形成面に隣接する両側の
    面に至るように塗布する工程と、 前記ペーストを焼き付けて外部電極を形成する工程とを
    備えることを特徴とする、電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 電子部品素体の少なくとも1つの面に帯
    状にペーストを付与するためのペースト塗布装置であっ
    て、 ペーストが付与される凹部が幅方向に沿って形成された
    ペースト塗布面を有し、該ペースト塗布面が長さ方向中
    央領域で凹状とされているペースト塗布部材と、 前記ペースト塗布部材に連結されており、かつペースト
    塗布部材のペースト塗布面を電子部品素体の前記1つの
    面に当接させる駆動源とを備えることを特徴とする、ペ
    ースト塗布装置。
  5. 【請求項5】 電子部品素体の少なくとも1つの面に帯
    状にペーストを付与するためのペースト塗布装置であっ
    て、 ペーストが付与される凹部が幅方向に沿って形成された
    ペースト塗布面を有し、該ペースト塗布面が長さ方向中
    央領域で凹状とされており、かつ該ペースト塗布面が弾
    性材料で構成されているペースト塗布部材と、 前記ペースト塗布部材に連結されており、かつペースト
    塗布部材のペースト塗布面を電子部品素体の前記1つの
    面に当接させる駆動源とを備えることを特徴とする、ペ
    ースト塗布装置。
  6. 【請求項6】 前記ペースト塗布部材が、第1の板状部
    材の両面に第2,第3の板状部材を積層してなる積層構
    造を有し、前記ペースト塗布面において、第1の板状部
    材が両側の第2,第3の板状部材よりも後退されてお
    り、それによって前記幅方向に沿った凹部が形成されて
    いる、請求項またはに記載のペースト塗布装置。
  7. 【請求項7】 前記ペースト塗布部材が、一対の板状部
    材を積層することにより構成されており、前記ペースト
    塗布面において、一対の板状部材面が外表面から貼り合
    わせ面に向かうにつれて後退されており、それによって
    前記幅方向に沿った凹部が構成されている、請求項
    たはに記載のペースト塗布装置。
  8. 【請求項8】 前記ペースト塗布面が、電子部品素体の
    ペーストが塗布される面の長さ寸法より大きい長さ寸法
    を有する、請求項4〜7のいずれかに記載のペースト塗
    布装置。
  9. 【請求項9】 請求項に記載のペースト塗布装置のペ
    ースト塗布部材のペースト塗布面の前記凹部内に電極ペ
    ーストを付与する工程と、 前記ペースト塗布部材のペースト塗布面を電子部品素体
    の少なくとも1つの面に当接させる工程と、 前記電子部品素体の1つの面からペースト塗布部材を分
    離する工程と、 電極ペーストを焼き付けて外部電極を形成する工程とを
    備えることを特徴とする電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記ペースト塗布部材が、第1の板状
    部材の両面に第2,第3の板状部材を積層してなる積層
    構造を有し、前記ペースト塗布面において、第1の板状
    部材が両側の第2,第3の板状部材よりも後退されてお
    り、それによって前記凹部が形成されている、請求項9
    に記載の電子部品の製造方法。
JP10279961A 1998-10-01 1998-10-01 ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法 Expired - Lifetime JP3052943B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10279961A JP3052943B2 (ja) 1998-10-01 1998-10-01 ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10279961A JP3052943B2 (ja) 1998-10-01 1998-10-01 ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000107658A JP2000107658A (ja) 2000-04-18
JP3052943B2 true JP3052943B2 (ja) 2000-06-19

Family

ID=17618352

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10279961A Expired - Lifetime JP3052943B2 (ja) 1998-10-01 1998-10-01 ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3052943B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3823050B2 (ja) * 2001-12-07 2006-09-20 株式会社 日立インダストリイズ ペースト塗布機
US7152291B2 (en) 2002-04-15 2006-12-26 Avx Corporation Method for forming plated terminations
JP4314976B2 (ja) * 2003-11-17 2009-08-19 株式会社村田製作所 グラビアロール、グラビアロールの摩耗量確認方法及び電子部品の製造方法
KR100714582B1 (ko) 2005-09-14 2007-05-07 삼성전기주식회사 전자부품의 도전성 페이스트 도포장치 및 방법
JP2011192968A (ja) 2010-02-19 2011-09-29 Murata Mfg Co Ltd コンデンサ及びその製造方法
JP2014168746A (ja) * 2013-03-04 2014-09-18 Ricoh Co Ltd 粘性材料の塗布装置、粘性材料の塗布方法、及び固体撮像装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000107658A (ja) 2000-04-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4154538B2 (ja) 圧電アクチュエータ
JP3052943B2 (ja) ペースト塗布装置及び電子部品の製造方法
JP3469904B2 (ja) ターミネーションストライプを形成する方法
US9373451B2 (en) Electronic component manufacturing apparatus and electronic component manufacturing method
JP4849123B2 (ja) 積層コンデンサの製造方法
JP4529809B2 (ja) 電子部品の製造方法および電子部品の製造装置
KR100332968B1 (ko) 전자부품을 제조하는 방법 및 그것을 제조하는 장치
JP2001210886A (ja) 積層型圧電アクチュエータ
JPH0855766A (ja) チップ電子部品の外部電極形成装置
JPH09275046A (ja) 電子部品の端子電極形成方法及び転写方法
JPH05175088A (ja) 複合チップ素子及びその製造方法
JP2003007575A (ja) 電子部品の電極形成方法
JP2002151367A (ja) 電子部品の製造装置および電子部品の製造方法
JP4127306B2 (ja) 電子部品の製造装置および電子部品の製造方法
JP5228887B2 (ja) 電子部品の製造方法
JP2949580B1 (ja) 電子部品の電極形成方法及び導電ペースト塗布装置
KR102648789B1 (ko) 전자부품의 제조 방법 및 장치
JPH09162084A (ja) 電子部品の製造方法
JPS62156807A (ja) チツプ部品の電極形成方法
JP7398122B2 (ja) 電子部品の製造方法及びペースト塗布装置
JP4904931B2 (ja) スリット板およびその製造方法ならびにペースト塗布装置
JP4442375B2 (ja) セラミック電子部品の製造方法および導電ペーストの付与装置
JP3402275B2 (ja) 電子部品の製造方法及び製造装置
JPH0897108A (ja) ディップ装置及び電子部品の外部電極形成方法
JPH04263410A (ja) 電子部品及び外部電極用導電性ペ―ストの付着方法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090407

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 13

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140407

Year of fee payment: 14

EXPY Cancellation because of completion of term