JP3052811B2 - モール及びそのブロー成形方法 - Google Patents

モール及びそのブロー成形方法

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JP3052811B2
JP3052811B2 JP31362295A JP31362295A JP3052811B2 JP 3052811 B2 JP3052811 B2 JP 3052811B2 JP 31362295 A JP31362295 A JP 31362295A JP 31362295 A JP31362295 A JP 31362295A JP 3052811 B2 JP3052811 B2 JP 3052811B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,自動車等に用いるモールの構造
及びそのブロー成形方法に関する。
【0002】
【従来技術】例えば,自動車等においては,その装飾
用,保護用として,合成樹脂製のモールが用いられてい
る。例えば,図14に示すごとく,自動車のボディ側面
に設けるサイドモール89は,軽量化,緩衝効果向上の
ために,一般部84に中空部83を設けてある。また,
サイドモール89は,長手方向における片方に,中実状
の端末部85を有する。端末部85は,例えば自動車の
ドア開閉時におけるボディとの干渉を防止するために,
一般部84よりも厚みを薄くしてある。
【0003】かかる中空部83及び端末部85を有する
サイドモール89の製造方法としては,ブロー成形方法
がある。そして,ブロー成形を行うには,例えば図15
に示した金型9を用いる。金型9は,図15に示すごと
く,第1金型91と第2金型92とよりなり,両型を閉
じたときに形成される空間部分がサイドモール89の外
形状となる。
【0004】また第2金型92は,サイドモール89の
中空部83内へガスを注入するためのガス吹込機93及
び吹込針931を有する。一方,第1金型91は,その
キャビティ面910に連通させたエア抜き穴924と,
エア抜きパイプ926と,両者の間に設けたエア通路9
25とを有する。
【0005】そして,ブロー成形を行うに当たっては,
上記第1金型91と第2金型92とを互いに離隔した状
態に置き,その中へ軟化状態にあるチューブ状の合成樹
脂のパリソン80を吐出し,その後該パリソン80を囲
むように上記第1金型91と第2金型92とを閉じる。
【0006】そして,上記パリソン80の中空部801
内に上記吹込針931を差し込み,該吹込針931より
空気を供給するこれにより,パリソン80は膨らみ,そ
の外周面が両型91,92に押し付けられ,ブロー成形
される。このとき,型内の滞留空気は,エア抜きパイプ
926,エア通路925,エア抜き穴924を通じて除
去する。次いで,冷却することにより,上記サイドモー
ル89が得られる。
【0007】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のブ
ロー成形方法においては,次の問題がある。即ち,上記
サイドモール89は,上記中実の端末部85を有する
が,この端末部85に連なる一般部84において,いわ
ゆるヒケ等の欠陥841(図14)が発生する場合があ
る。
【0008】この現象は,次の原因によると考えられ
る。つまり,後述する図7(a),(b)に示すごと
く,上記端末部85は,軟化状態にあるチューブ状のパ
リソン80により形成された2枚のシート層81,82
とを積層させて中空部83を閉塞し(a),さらに第1
金型91と第2金型92とを近接移動させて2枚のシー
ト層81,82を押しつぶして形成する。そして,端末
部85の厚みが2枚のシート層81,82の合計厚みよ
りも薄くなった分,その余剰樹脂88が上記閉塞された
中空部83の方へ流れ込む(b)。
【0009】そのため,一般部84の端部における中空
部83には,流れ込んだ余剰樹脂88が溜まり,樹脂溜
部が形成される。そして,この樹脂溜部の厚み(T6)
が厚すぎる場合には,その外表面側と内部との冷却速
度,即ち硬化速度が大きく異なり,上記ヒケ等の欠陥が
発生すると考えられる。
【0010】上記のごとく,意匠面にヒケ等の欠陥が発
生した場合には,そのモールは不良品となる。そのた
め,従来より,薄肉の端末部を有するモールの品質向上
策が強く求められている。
【0011】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,薄肉の端末部を有していても,ヒケ等の
欠陥がない優れた品質を有する,モール及びそのブロー
成形方法を提供しようとするものである。
【0012】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,意匠面を構成す
るシート層と裏面を構成するシート層とからなると共に
中空部を有する一般部と,該一般部の長手方向において
少なくともその片方に設けた中実状の端末部とからな
り,かつ上記意匠面には上記端末部から上記一般部に向
けて傾斜したテーパー部を有すると共に,上記端末部の
厚みは上記一般部を構成する上記2つのシート層の合計
厚みより薄く形成されているモールを,金型を用いてブ
ロー成形する方法において,上記金型は,上記意匠面を
成形するための第1金型と,上記裏面を成形するための
第2金型とを有し,かつ,上記第2金型は,上記第1金
型における上記テーパー部成形用の上記テーパー型面の
方向へ近接するように傾斜突出する傾斜突出型面を有し
ていることを特徴とするモールのブロー成形方法にあ
る。
【0013】本発明において最も注目すべきことは,上
記ブロー成形に用いる上記第2金型は,上記傾斜突出型
面を有し,該傾斜突出型面は上記テーパー型面の方向へ
近接していることである。
【0014】また,上記ブロー成形は,次のように行
う。まず軟化状態にある合成樹脂からなる2つのシート
層を,離隔した第1金型と第2金型との間に吐出し,第
1金型と第2金型とを近接移動させる。これにより,上
記2つのシート層が端末部において積層され,これらの
内部に閉塞された中空部が形成される。さらに第1金型
と第2金型とを近接移動させることにより,端末部が2
つのシート層の合計厚みよりも薄くなる。そして,その
余剰樹脂が上記中空部内に充填される。
【0015】次いで,上記2つのシート層により形成さ
れた中空部内に空気を供給すると共に,金型内に滞留し
ている空気を除去する。これにより,2つのシート層は
膨らみ,その外周面が第1金型及び第2金型に押し付け
られ,ブロー成形される。
【0016】次に,本発明における作用につき説明す
る。本発明のモールのブロー成形方法においては,上記
第2金型に上記傾斜突出型面を設けてある。また,該傾
斜突出型面は上記第1金型のテーパー型面の方向へ近接
するように設けられている。そのため,上記2つのシー
ト層を挟んで第1金型と第2金型とを近接移動させた際
に形成される上記閉塞された中空部は,上記傾斜突出型
面とテーパー型面との間において,意匠面と裏面とが近
接した状態で成形される。つまり,従来よりも厚みの薄
い中空部となる。
【0017】そのため,さらに第1金型と第2金型とを
さらに近接移動させた場合に上記余剰樹脂により形成さ
れる樹脂溜まり部の厚みは,従来よりも薄くなる。それ
故,冷却硬化時における,表面と内部との冷却速度等の
差が従来よりも緩和され,ヒケ等の品質欠陥の発生を抑
制することができる。
【0018】また,請求項2の発明のように,次に示す
ブロー成形方法がある。即ち,意匠面を構成するシート
層と裏面を構成するシート層とからなると共に中空部を
有する一般部と,該一般部の長手方向において少なくと
もその片方に設けた中実状の端末部とからなり,かつ上
記意匠面には上記端末部から上記一般部に向けて傾斜し
たテーパー部を有するモールを,金型を用いてブロー成
形する方法において,上記金型は,上記意匠面を成形す
るための第1金型と,上記裏面を成形するための第2金
型とを有し,かつ,上記第2金型は,上記第1金型にお
ける上記テーパー部成形用のテーパー型面の方向へ近接
するように傾斜突出する傾斜突出型面を有し,上記意匠
面を構成する上記シート層と上記裏面を構成する上記シ
ート層とを,上記第1金型及び上記第2金型との間に位
置させこれを近接させることにより,上記2つのシート
層を端末部において積層して閉塞された中空部を形成す
ると共に該中空部には上記テーパー部の上記シート層と
上記裏面の上記シート層との間に狭小部を形成し,次い
で,上記第1金型及び第2金型をさらに近接移動させる
ことにより,上記端末部における上記2つのシート層か
ら生じる余剰樹脂を上記狭小部へ充填させることを特徴
とするモールのブロー成形方法をとることもできる。
【0019】この場合には,上記狭小部に対して上記余
剰樹脂が充填される。そのため,樹脂溜まり部の厚み
は,従来よりも薄い。それ故,冷却硬化時における,表
面と内部との冷却速度等の差が従来よりも緩和され,ヒ
ケ等の品質欠陥の発生を抑制することができる。
【0020】次に,請求項3の発明のように,上記第2
金型における上記傾斜突出型面は,上記モールの長手方
向において,上記第1金型における上記テーパー部成形
用のテーパー型面の傾斜開始位置(図1,A)よりも,
一般部側において傾斜が開始(図1,B)されているこ
とが好ましい。これにより,端末部の厚みが局部的に薄
くなることを防止することができる。
【0021】次に,請求項4の発明のように,上記2つ
のシート層は,パイプ状の合成樹脂からなるパリソンに
より形成することが好ましい。これにより,意匠面を構
成するシート層と裏面を構成するシート層とが同じ厚み
の場合に非常に容易にブロー成形することができる。
【0022】また,請求項5の発明にように,上記2つ
のシート層は,上記意匠面用及び上記裏面用の2枚のシ
ートにより形成することもできる。この場合には,意匠
面を構成するシート層の厚みと裏面を構成するシート層
の厚みとを容易に変更することができる。さらに,上記
2つのシート層の材質を変更することもできる。例え
ば,意匠面用として透明な樹脂と有色の樹脂との二重構
造のシートを用い,一方裏面用として通常のシートを用
いることにより,高光沢の意匠面を有するモールを得る
ことができる。
【0023】次に,上記ブロー成形方法により得られた
モールとしては,次のモールがある。即ち,請求項5の
発明のように,意匠面を構成するシート層と裏面を構成
するシート層とからなると共に中空部を有する一般部
と,該一般部の長手方向において少なくともその片方に
設けた中実状の端末部とからなり,かつ上記意匠面には
上記端末部から上記一般部に向けて傾斜したテーパー部
を有すると共に,該端末部の厚みは上記一般部を構成す
る上記2つのシート層の合計厚みより薄く形成されてい
るモールであって,上記一般部の端部には上記裏面から
上記意匠面の方向へ突出した傾斜凹部を有することを特
徴とするモールがある。
【0024】本発明のモールにおいて最も注目すべきこ
とは,上記端末部の厚みは,上記一般部を構成する上記
2つのシート層の合計厚みよりも薄く,かつ,上記一般
部の端部には上記傾斜凹部を有することである。
【0025】次に,本発明のモールにおける作用につき
説明する。本発明のモールにおいては,上記端末部の厚
みが上記のごとく,薄肉である。この場合には,従来で
あれば,そのブロー成形時における端末部から発生する
余剰樹脂が一般部の端部に溜まって厚みの厚い樹脂溜部
となり,これが原因で意匠面側にヒケ等の品質不良が発
生していた。
【0026】これに対して,本発明のモールは,上記傾
斜凹部を有する。そのため,該傾斜凹部とテーパー部と
の間の厚みは,従来に比べて十分に薄い。それ故,ブロ
ー成形時に発生する余剰樹脂による樹脂溜部は従来より
も厚みが薄く,得られた上記モールにおいては,ヒケ等
の品質不良がない。
【0027】
【発明の実施の形態】
実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるモール及びそのブロー成形
方法につき,図1〜図7を用いて説明する。本例におい
ては,自動車用サイドモールをブロー成形した。本例の
サイドモール8は,図1〜図4に示すごとく,意匠面8
10を構成するシート層81と裏面820を構成するシ
ート層82とからなると共に中空部83を有する一般部
84と,一般部84の長手方向においてその片方に設け
た中実状の端末部85とからなる。
【0028】また,サイドモール8は,意匠面810に
は,端末部85から一般部84に向けて傾斜したテーパ
ー部811を有する。また図2に示すごとく,端末部8
5の厚み(T1)は,一般部84における2つのシート
層81,82の合計厚み(T2+T3)よりも薄く形成
されている。また,サイドモール8は,一般部84の端
部には裏面820から意匠面810の方向へ突出した傾
斜凹部821を有する。
【0029】次に,このサイドモール8をブロー成形す
るための金型1は,図1,図5,図6に示すごとく,上
記意匠面810を成形するための第1金型11と,上記
裏面820を成形するための第2金型12とを有する。
第2金型12は,第1金型11における上記テーパー部
811成形用のテーパー型面111の方向へ近接するよ
うに傾斜突出する傾斜突出型面121を有する。
【0030】また,図1,図6に示すごとく,第1金型
11及び第2金型12は,それぞれテーパー型面111
及び傾斜突出型面121の外方に端末部85を成形する
ための端末部成形面115,125をそれぞれ有する。
また,上記金型1は,図5に示すごとく,第1金型11
及び第2金型12の後部には,型支持板911,921
を設けてある。この型指示板911,921には,両型
を閉止,開放するための油圧シリンダ916,926を
連結してある。
【0031】また,図5に示すごとく,金型1の上方に
は,第1金型11と第2金型12との間に軟化状態のチ
ューブ状合成樹脂からなるパリソン80を吐出するため
のダイヘッド23を設けてある。ダイヘッド23には,
合成樹脂材料800を溶融すると共にダイヘッド23に
軟化状態の合成樹脂を供給する成形機22を接続してあ
る。また,ダイヘッド23は,チューブ状のパリソン8
0内に,ブロー成形の前に圧縮空気を供給する空気供給
機を有する(図示略)。
【0032】また,図5,図6に示すごとく,上記第2
金型12には,ブロー成形時にパリソン80内に空気を
注入するためのガス吹込器93を設けてある。また,第
1金型11には,図6に示すごとく,エア抜き孔92
4,エア通路925,エア抜きパイプ926を設けてあ
る。
【0033】次に,サイドモール8をブロー成形するに
当たっては,図5に示すごとく,第1金型11と第2金
型12とを開いた状態において,ダイヘッド23より従
来と同様に軟化状態にある合成樹脂のパリソン80を吐
出する。このパリソン80の中空部801には,ダイヘ
ッド23より圧縮空気が供給される。
【0034】そして,パリソン80が十分に吐出された
時点で,図6に示すごとく,第1金型11と第2金型1
2とを,油圧シリンダ916,926を作動させること
により徐々に近接移動させる。このとき,パリソン80
よりなる2つのシート層81,82は,図1(a)に示
すごとく,端末部成形面115,125により挟持され
て,積層する。これにより,閉塞された中空部83が形
成される。
【0035】この中空部83は,図1(a)に示すごと
く,テーパー部811のシート層81と裏面820のシ
ート層82との間に狭小部87を形成する。次いで,図
1(b)に示すごとく,さらに第1金型11と第2金型
12とを近接移動させる。これにより,端末部成形面1
15,125により2つのシート層81,82が押しつ
ぶされて所定の厚みになる。このとき,パリソン80か
らなる2つのシート層81,82から生じる余剰樹脂8
8が上記狭小部87に充填され,樹脂溜まり部が形成さ
れる。
【0036】次いで,図6に示すごとく,従来と同様
に,パリソン80の中空部801内にガス吹込器93の
吹込針931が送入され,中空部801内に圧縮空気が
注入される。これにより,パリソン80は膨張させら
れ,その外周面が第1金型11及び第2金型12の型面
に押し付けられる。また,このブロー成形の際には,第
1金型11側において,金型1内の滞留空気がエア抜き
孔924,エア通路925を経て外部へ除去される。
【0037】次に,パリソン80が金型1内において冷
却されて固化した後,第1金型11と第2金型12とを
開く。これにより,上記サイドモール8が得られる。な
お,本例においては,パリソン80の合成樹脂として,
ポリプロピレン樹脂を用いた。
【0038】次に,本発明品との比較のために,従来品
として比較品1を準備し,品質状況等を比較した。比較
品1は,図7に示すごとく,上記傾斜凹部を設けていな
いサイドモールであって,傾斜突出型面を有していない
従来の金型9(図15参照)を用いてブロー成形した。
その他の寸法,条件等は,本発明品と同様にした。
【0039】品質状況を比較した結果,本発明品は意匠
面810の外観が非常に滑らかで,ヒケ等の品質欠陥が
何ら認められなかったのに対し,比較品1においてはテ
ーパー部にヒケが見られた。本発明品のサイドモール8
の品質が良好であった理由は,図1(b),図7(b)
に示すごとく,端末部85側から余剰樹脂88が流れ込
んで生成した樹脂溜部の厚み(T6)が,本発明品の方
が比較品1に比べて薄いからであると考えられる。
【0040】実施形態例2 本例においては,図8(a),(b)に示すごとく,実
施形態例1における金型1に比べて,テーパー型面11
1及び傾斜突出型面121の傾斜が緩やかであると共に
端末部成形面115,125が長い金型102を用い
て,サイドモール802をブロー成形した。その他は,
実施形態例1と同様である。
【0041】この金型102を用いてサイドモール80
2をブロー成形するに当たっては,実施形態例1と同様
に,パリソン80を第1金型11及び第2金型12によ
り挟み込んで行う。このとき,サイドモール802は,
図8(a)に示したごとく,狭小部87を形成し,さら
に図8(b)に示すごとく,第1金型11と第2金型1
2とをさらに近接移動させることにより,端末部85の
余剰樹脂88が狭小部87に流れ込んで樹脂溜部が形成
される。その後,実施形態例1と同様の手順によりサイ
ドモール802が得られる。
【0042】次にサイドモール802と比較するため
に,図9(a),(b)に示すごとく,上記傾斜突出型
面121を有していない従来の金型902を用いて比較
品2をブロー成形した。得られた比較品2は,図9
(b)に示すごとく,上記傾斜凹部を有さず,サイドモ
ール802に比べて樹脂溜部の厚み(T6)が厚い。
【0043】次に,上記本例のサイドモール802及び
比較品2の品質状況を確認した。その結果,サイドモー
ル802は,何ら品質欠陥が見られなかったが,比較品
2においては,上記樹脂溜部の意匠面810側にヒケの
発生が見られた。これにより,サイドモールの端末部8
5が長い場合においても,上記傾斜突出型面121によ
り上記傾斜凹部821及び広範囲にわたる狭小部87を
形成することによって,十分に品質向上効果が得られる
ことがわかる。その他は,実施形態例1と同様である。
【0044】実施形態例3 本例においては,図10(a),(b)に示すごとく,
実施形態例1における金型1に比べて,端末部成形面1
15,125が長い金型103を用いて,サイドモール
803をブロー成形した。金型103におけるテーパー
型面111と傾斜突出型面121とは,図10(a),
(b)に示すごとく,一定間隔を保って平行に設けてあ
る。
【0045】この金型103を用いてサイドモール80
3をブロー成形するに当たっては,実施形態例1と同様
に,パリソン80を第1金型11及び第2金型12によ
り挟み込んで行う。このとき,サイドモール803は,
図10(a)に示したごとく,狭小部87を形成し,さ
らに図10(b)に示すごとく,第1金型11と第2金
型12とをさらに近接移動させることにより,端末部8
5の余剰樹脂88が狭小部87に流れ込んで樹脂溜部が
形成される。その後,実施形態例1と同様の手順により
サイドモール803が得られる。
【0046】次にサイドモール803と比較するため
に,図11(a),(b)に示すごとく,上記傾斜突出
型面121を有していない従来の金型903を用いて比
較品3をブロー成形した。得られた比較品3は,図11
(b)に示すごとく,上記傾斜凹部を有さず,サイドモ
ール803に比べて樹脂溜部の厚み(T6)が厚い。
【0047】次に,上記本例のサイドモール803及び
比較品3の品質状況を確認した。その結果,サイドモー
ル803は,何ら品質欠陥が見られなかったが,比較品
3においては,上記樹脂溜部の意匠面810側にヒケの
発生が見られた。これにより,上記テーパー型面111
と傾斜突出型面121とが平行であっても十分に品質向
上効果があることがわかる。その他は,実施形態例1と
同様である。
【0048】実施形態例4 本例においては,図12に示すごとく,サイドモールに
おける傾斜凹部とテーパー部との間の断面形状を,その
両側を厚くし,中央部のみ実施形態例1と同様に薄くし
た。その他は,実施形態例1と同様である。この場合に
おいても,ヒケ等の品質欠陥は見られず,実施形態例1
と同様の効果が得られた。また,サイドモールにおける
傾斜凹部は,必ずしも全幅に設ける必要はないことがわ
かる。
【0049】実施形態例5 本例においては,図13に示すごとく,サイドモールに
おける傾斜凹部とテーパー部との間の断面形状を,その
片側側面の空間を無くした。その他は,実施形態例1と
同様である。この場合においても,ヒケ等の品質欠陥は
見られず,実施形態例1と同様の効果が得られた。
【0050】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,薄肉の
端末部を有していても,ヒケ等の欠陥がない優れた品質
を有する,モール及びそのブロー成形方法を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,(a)型閉め直前の状
態,(b)型閉め完了の状態,をそれぞれ示す説明図。
【図2】実施形態例1のサイドモールの側面図。
【図3】実施形態例1のサイドモールの裏面図。
【図4】実施形態例1のサイドモールの,図2のC−C
線矢視断面図。
【図5】実施形態例1における,金型の構成を示す説明
図。
【図6】実施形態例1における,金型を閉じた状態を示
す説明図。
【図7】実施形態例1における,比較品1の,(a)型
閉め直前の状態,(b)型閉め完了の状態,をそれぞれ
示す説明図。
【図8】実施形態例2における,(a)型閉め直前の状
態,(b)型閉め完了の状態,をそれぞれ示す説明図。
【図9】実施形態例2における,比較品2の,(a)型
閉め直前の状態,(b)型閉め完了の状態,をそれぞれ
示す説明図。
【図10】実施形態例3における,(a)型閉め直前の
状態,(b)型閉め完了の状態,をそれぞれ示す説明
図。
【図11】実施形態例3における,比較品4の,(a)
型閉め直前の状態,(b)型閉め完了の状態,そそれぞ
れ示す説明図。
【図12】実施形態例4のサイドモールにおける,テー
パー部と傾斜凹部との間の断面図。
【図13】実施形態例5のサイドモールにおける,テー
パー部と傾斜凹部との間の断面図。
【図14】従来例のサイドモールの斜視図。
【図15】従来例における,金型の構成を示す説明図。
【符号の説明】
1,102,103,9...金型, 11,91...第1金型, 111...テーパー型面, 12,92...第2金型, 121...傾斜突出型面, 8...サイドモール, 81,82...シート層, 810...意匠面, 820...裏面, 821...傾斜凹部, 83...中空部, 84...一般部, 85...端末部, 87...狭小部, 88...余剰樹脂,

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 意匠面を構成するシート層と裏面を構成
    するシート層とからなると共に中空部を有する一般部
    と,該一般部の長手方向において少なくともその片方に
    設けた中実状の端末部とからなり,かつ上記意匠面には
    上記端末部から上記一般部に向けて傾斜したテーパー部
    を有すると共に,上記端末部の厚みは上記一般部を構成
    する上記2つのシート層の合計厚みより薄く形成されて
    いるモールを,金型を用いてブロー成形する方法におい
    て,上記金型は,上記意匠面を成形するための第1金型
    と,上記裏面を成形するための第2金型とを有し,か
    つ,上記第2金型は,上記第1金型における上記テーパ
    ー部成形用の上記テーパー型面の方向へ近接するように
    傾斜突出する傾斜突出型面を有していることを特徴とす
    るモールのブロー成形方法。
  2. 【請求項2】 意匠面を構成するシート層と裏面を構成
    するシート層とからなると共に中空部を有する一般部
    と,該一般部の長手方向において少なくともその片方に
    設けた中実状の端末部とからなり,かつ上記意匠面には
    上記端末部から上記一般部に向けて傾斜したテーパー部
    を有するモールを,金型を用いてブロー成形する方法に
    おいて,上記金型は,上記意匠面を成形するための第1
    金型と,上記裏面を成形するための第2金型とを有し,
    かつ,上記第2金型は,上記第1金型における上記テー
    パー部成形用のテーパー型面の方向へ近接するように傾
    斜突出する傾斜突出型面を有し,上記意匠面を構成する
    上記シート層と上記裏面を構成する上記シート層とを,
    上記第1金型及び上記第2金型との間に位置させこれを
    近接させることにより,上記2つのシート層を端末部に
    おいて積層して閉塞された中空部を形成すると共に該中
    空部には上記テーパー部の上記シート層と上記裏面の上
    記シート層との間に狭小部を形成し,次いで,上記第1
    金型及び第2金型をさらに近接移動させることにより,
    上記端末部における上記2つのシート層から生じる余剰
    樹脂を上記狭小部へ充填させることを特徴とするモール
    のブロー成形方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記第2金型
    における上記傾斜突出型面は,上記モールの長手方向に
    おいて,上記第1金型における上記テーパー部成形用の
    テーパー型面の傾斜開始位置よりも,一般部側において
    傾斜が開始されていることを特徴とするモールのブロー
    成形方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記2つのシート層は,パイプ状の合成樹脂からなるパ
    リソンにより形成することを特徴とするモールのブロー
    成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記2つのシート層は,上記意匠面用及び上記裏面用の
    2枚のシートにより形成することを特徴とするモールの
    ブロー成形方法。
  6. 【請求項6】 意匠面を構成するシート層と裏面を構成
    するシート層とからなると共に中空部を有する一般部
    と,該一般部の長手方向において少なくともその片方に
    設けた中実状の端末部とからなり,かつ上記意匠面には
    上記端末部から上記一般部に向けて傾斜したテーパー部
    を有すると共に,該端末部の厚みは上記一般部を構成す
    る上記2つのシート層の合計厚みより薄く形成されてい
    るモールであって,上記一般部の端部には上記裏面から
    上記意匠面の方向へ突出した傾斜凹部を有することを特
    徴とするモール。
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