JP3052566B2 - 鉛蓄電池およびその製造法 - Google Patents
鉛蓄電池およびその製造法Info
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- JP3052566B2 JP3052566B2 JP4111074A JP11107492A JP3052566B2 JP 3052566 B2 JP3052566 B2 JP 3052566B2 JP 4111074 A JP4111074 A JP 4111074A JP 11107492 A JP11107492 A JP 11107492A JP 3052566 B2 JP3052566 B2 JP 3052566B2
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- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉛蓄電池の、とくにそ
の同極性の複数の極板の耳部とコネクタを接続するスト
ラップおよびその製造法に関するものである。
の同極性の複数の極板の耳部とコネクタを接続するスト
ラップおよびその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、鉛蓄電池のメンテナンスフリー化
を目的として極板の格子体には鉛−カルシウム(Pb−
Ca)系合金が広く用いられている。
を目的として極板の格子体には鉛−カルシウム(Pb−
Ca)系合金が広く用いられている。
【0003】また、この格子体を用いた極板群に接続す
るセル間接続体(コネクタ)や極柱などには、鋳造性に
優れた鉛−アンチモン(Pb−Sb)系合金が用いられ
ている。
るセル間接続体(コネクタ)や極柱などには、鋳造性に
優れた鉛−アンチモン(Pb−Sb)系合金が用いられ
ている。
【0004】そして、鉛−カルシウム(Pb−Ca)系
合金からなる格子体を用いた極板の耳部と、鉛−アンチ
モン(Pb−Sb)系合金からなるコネクタとは、スト
ラップにより一体に接続されている。
合金からなる格子体を用いた極板の耳部と、鉛−アンチ
モン(Pb−Sb)系合金からなるコネクタとは、スト
ラップにより一体に接続されている。
【0005】このとき、これらの接続は次のようにして
行っている。まず、Pb−Ca系合金の格子体を用いた
極板群の耳部にくし型のストラップ形成用治具をはめ込
み、ついでこの治具で形成された凹部に前記耳部に隣接
するようにPb−Sb系合金からなるコネクタを設置す
る。
行っている。まず、Pb−Ca系合金の格子体を用いた
極板群の耳部にくし型のストラップ形成用治具をはめ込
み、ついでこの治具で形成された凹部に前記耳部に隣接
するようにPb−Sb系合金からなるコネクタを設置す
る。
【0006】そして、ストラップ形成用治具の上部に突
出した極板の耳部それ自体かあるいは耳部にストラップ
形成用足し鉛を加えてこれらをガスバーナーなどで溶か
し、ストラップを形成すると同時にコネクタの下部を溶
接している。
出した極板の耳部それ自体かあるいは耳部にストラップ
形成用足し鉛を加えてこれらをガスバーナーなどで溶か
し、ストラップを形成すると同時にコネクタの下部を溶
接している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
鉛蓄電池における複数の極板の耳部とコネクタとの接続
では、ガスバーナーによる溶湯の強い撹拌作用によって
Pb−Ca系合金とPb−Sb系合金の大部分が接合し
ていた。そして、この異種合金の接合部分において、と
くに硫酸電解液が常に面するストラップの下部では腐食
が進行して接合部分が破断することがあった。これは、
この接合部分において極板の耳部に含まれるカルシウム
(Ca)とコネクタに含まれるアンチモン(Sb)との
化合物が生成しこれにより接合部分の耐食性が低下した
ためであると考えられる。そこで、コネクタを構成する
素材にアンチモン(Sb)を含まない純鉛や鉛合金を用
いることや実開昭60−123867号公報に見られる
ようにPb−Ca系合金からなる格子体の耳部とPb−
Sb系合金からなるコネクタとの間に純鉛または鉛合金
からなる部分を配することが提案され、カルシウム(C
a)とアンチモン(Sb)の化合物の生成を抑制してい
る。しかし、これはアンチモン(Sb)がコネクタまた
は極板の耳部とコネクタとの間の接続部分に存在しない
ため、これらの部分が柔かくなって機械的強度が低下す
るという問題が生じていた。また、従来の鉛蓄電池の極
板の耳部とコネクタとの接続方法では、極板の耳部とコ
ネクタの一部をストラップ形成用足し鉛とともにガスバ
ーナーにより溶かしてストラップを形成していたので、
バーナーの強い加熱と勢いによる撹拌によって、Pb−
Ca合金とPb−Sb合金とが混ざりあい、幅広い範囲
でCaとSbの化合物が生成されていた。
鉛蓄電池における複数の極板の耳部とコネクタとの接続
では、ガスバーナーによる溶湯の強い撹拌作用によって
Pb−Ca系合金とPb−Sb系合金の大部分が接合し
ていた。そして、この異種合金の接合部分において、と
くに硫酸電解液が常に面するストラップの下部では腐食
が進行して接合部分が破断することがあった。これは、
この接合部分において極板の耳部に含まれるカルシウム
(Ca)とコネクタに含まれるアンチモン(Sb)との
化合物が生成しこれにより接合部分の耐食性が低下した
ためであると考えられる。そこで、コネクタを構成する
素材にアンチモン(Sb)を含まない純鉛や鉛合金を用
いることや実開昭60−123867号公報に見られる
ようにPb−Ca系合金からなる格子体の耳部とPb−
Sb系合金からなるコネクタとの間に純鉛または鉛合金
からなる部分を配することが提案され、カルシウム(C
a)とアンチモン(Sb)の化合物の生成を抑制してい
る。しかし、これはアンチモン(Sb)がコネクタまた
は極板の耳部とコネクタとの間の接続部分に存在しない
ため、これらの部分が柔かくなって機械的強度が低下す
るという問題が生じていた。また、従来の鉛蓄電池の極
板の耳部とコネクタとの接続方法では、極板の耳部とコ
ネクタの一部をストラップ形成用足し鉛とともにガスバ
ーナーにより溶かしてストラップを形成していたので、
バーナーの強い加熱と勢いによる撹拌によって、Pb−
Ca合金とPb−Sb合金とが混ざりあい、幅広い範囲
でCaとSbの化合物が生成されていた。
【0008】本発明はこのような課題を解決するもの
で、Pb−Ca系合金からなる格子体を用いた極板の耳
部とPb−Sb系合金からなるコネクタとの接続部分の
強度を保つとともに耐食性を向上させ、この接続部分の
破断を防止することができる鉛蓄電池とその製造法を提
供するものである。
で、Pb−Ca系合金からなる格子体を用いた極板の耳
部とPb−Sb系合金からなるコネクタとの接続部分の
強度を保つとともに耐食性を向上させ、この接続部分の
破断を防止することができる鉛蓄電池とその製造法を提
供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために、本発明の鉛蓄電池は鉛−カルシウム(Pb
−Ca)系合金製格子体を用いた複数の極板の耳部にス
トラップを形成するとともにこのストラップに鉛−アン
チモン(Pb−Sb)系合金かからなるコネクタを溶接
した鉛蓄電池であって、前記ストラップとコネクタとの
間において、鉛(Pb)または鉛−錫(Pb−Sn)系
合金からなる第1層と、その上部にカルシウム(Ca)
とアンチモン(Sb)を含有する鉛合金からなる第2層
とを形成したものである。
するために、本発明の鉛蓄電池は鉛−カルシウム(Pb
−Ca)系合金製格子体を用いた複数の極板の耳部にス
トラップを形成するとともにこのストラップに鉛−アン
チモン(Pb−Sb)系合金かからなるコネクタを溶接
した鉛蓄電池であって、前記ストラップとコネクタとの
間において、鉛(Pb)または鉛−錫(Pb−Sn)系
合金からなる第1層と、その上部にカルシウム(Ca)
とアンチモン(Sb)を含有する鉛合金からなる第2層
とを形成したものである。
【0010】また、本発明の鉛蓄電池の製造法は、鉛−
カルシウム(Pb−Ca)系合金製格子体を用いた極板
の耳部にストラップ形成用治具をはめ込んでストラップ
形成用凹部を構成した後、鉛−アンチモン(Pb−S
b)系合金からなるコネクタを凹部内の所定の位置に設
置し、この凹部に突出した極板の耳部とコネクタとをス
トラップ形成用足し鉛とともに溶かしてストラップを形
成し、極板群の耳部とコネクタを接続する鉛蓄電池の製
造法において、前記ストラップ形成用凹部の所定の位置
に前記コネクタを設置した後、前記極板群の耳部の上部
とコネクタとの間に鉛(Pb)または鉛−錫(Pb−S
n)合金の溶湯を流し込んで耳部の上端よりも下部の位
置にカルシウム(Ca)とアンチモン(Sb)を含まな
い鉛合金からなる第1層を形成し、ついで前記第1層の
上部に、耳部とコネクタを前記ストラップ形成用足し鉛
とともに溶かして鉛合金の第2層を形成して前記第1層
と第2層とによりストラップを形成するものである。
カルシウム(Pb−Ca)系合金製格子体を用いた極板
の耳部にストラップ形成用治具をはめ込んでストラップ
形成用凹部を構成した後、鉛−アンチモン(Pb−S
b)系合金からなるコネクタを凹部内の所定の位置に設
置し、この凹部に突出した極板の耳部とコネクタとをス
トラップ形成用足し鉛とともに溶かしてストラップを形
成し、極板群の耳部とコネクタを接続する鉛蓄電池の製
造法において、前記ストラップ形成用凹部の所定の位置
に前記コネクタを設置した後、前記極板群の耳部の上部
とコネクタとの間に鉛(Pb)または鉛−錫(Pb−S
n)合金の溶湯を流し込んで耳部の上端よりも下部の位
置にカルシウム(Ca)とアンチモン(Sb)を含まな
い鉛合金からなる第1層を形成し、ついで前記第1層の
上部に、耳部とコネクタを前記ストラップ形成用足し鉛
とともに溶かして鉛合金の第2層を形成して前記第1層
と第2層とによりストラップを形成するものである。
【0011】
【作用】本発明の鉛蓄電池ではPb−Ca系合金からな
る格子体を用いた極板群の耳部とPb−Sb系合金から
なるコネクタとの間に、とくに硫酸電解液が常に面する
ストラップの下部にPbまたはPb−Sn系合金からな
る第1層が存在するため、従来に見られたようにPb−
Ca系合金とPb−Sb系合金の大部分が直接接合する
ことはなくCaとSbの化合物が生成することによる腐
食の進行を抑制することができる。
る格子体を用いた極板群の耳部とPb−Sb系合金から
なるコネクタとの間に、とくに硫酸電解液が常に面する
ストラップの下部にPbまたはPb−Sn系合金からな
る第1層が存在するため、従来に見られたようにPb−
Ca系合金とPb−Sb系合金の大部分が直接接合する
ことはなくCaとSbの化合物が生成することによる腐
食の進行を抑制することができる。
【0012】また、この極板群の耳部とコネクタとの間
には、前記第1層の上部にアンチモンを含有する合金か
らなる第2層を形成しているのでこれらの接続強度を保
つことができる。
には、前記第1層の上部にアンチモンを含有する合金か
らなる第2層を形成しているのでこれらの接続強度を保
つことができる。
【0013】また、本発明の製造法では、ストラップ形
成用凹部の所定の位置にコネクタを設置した後、極板の
耳部とコネクタとの間にPbまたはPb−Sn合金の溶
湯を流し込みこれを凝固させているので、確実にCaと
Sbを含まない鉛合金からなる第1層を形成することが
できる。そして、前記第1層は極板群の耳部の上端より
も下部の位置に形成されており、前記第1層の上部にお
いて、その上方に突出した耳部のみをコネクタおよびス
トラップ形成用足し鉛とともにガスバーナーで溶かすこ
とにより、従来よりバーナーの勢いによる溶湯の撹拌を
軽減して溶接を行うことができる。
成用凹部の所定の位置にコネクタを設置した後、極板の
耳部とコネクタとの間にPbまたはPb−Sn合金の溶
湯を流し込みこれを凝固させているので、確実にCaと
Sbを含まない鉛合金からなる第1層を形成することが
できる。そして、前記第1層は極板群の耳部の上端より
も下部の位置に形成されており、前記第1層の上部にお
いて、その上方に突出した耳部のみをコネクタおよびス
トラップ形成用足し鉛とともにガスバーナーで溶かすこ
とにより、従来よりバーナーの勢いによる溶湯の撹拌を
軽減して溶接を行うことができる。
【0014】したがって、極板群の耳部とコネクタとの
接続時にPb−Ca系合金とPb−Sb系合金が撹拌さ
れることによって大部分が混ざり合い、この混ざり合っ
た部分において腐食が進行することを抑制することがで
きる。
接続時にPb−Ca系合金とPb−Sb系合金が撹拌さ
れることによって大部分が混ざり合い、この混ざり合っ
た部分において腐食が進行することを抑制することがで
きる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照にしなが
ら説明する。図1(A)(B)(C)は、本発明の鉛蓄
電池の複数の極板の耳部を接続するストラップと、これ
にコネクタを接続する際の工程を示す断面図である。
ら説明する。図1(A)(B)(C)は、本発明の鉛蓄
電池の複数の極板の耳部を接続するストラップと、これ
にコネクタを接続する際の工程を示す断面図である。
【0016】図1(A)に示したように本発明の鉛蓄電
池ではカルシウム(Ca)0.08重量%と錫(Sn)
1.0重量%含むPb−Ca−Sn合金の格子体を用い
た複数の極板1の耳部2にくし型のストラップ形成用治
具3をはめ込む。ついでこの治具で形成されたストラッ
プ形成用凹部の所定の位置にアンチモン(Sb)2.6
重量%とひ素(As)0.3重量%含むPb−Sb−A
s合金からなるコネクタ4を設置する。
池ではカルシウム(Ca)0.08重量%と錫(Sn)
1.0重量%含むPb−Ca−Sn合金の格子体を用い
た複数の極板1の耳部2にくし型のストラップ形成用治
具3をはめ込む。ついでこの治具で形成されたストラッ
プ形成用凹部の所定の位置にアンチモン(Sb)2.6
重量%とひ素(As)0.3重量%含むPb−Sb−A
s合金からなるコネクタ4を設置する。
【0017】ついで、図1(B)に示したように極板群
1の耳部2とコネクタ4との間に錫1.0重量%含む鉛
−錫(Pb−Sn)合金の溶湯を流し込んでこれを凝固
させ、鉛−錫合金からなる第1層5を前記耳部2の上端
よりも下部の位置に形成する。
1の耳部2とコネクタ4との間に錫1.0重量%含む鉛
−錫(Pb−Sn)合金の溶湯を流し込んでこれを凝固
させ、鉛−錫合金からなる第1層5を前記耳部2の上端
よりも下部の位置に形成する。
【0018】そして、図1(C)に示したように前記第
1層5の上部に、これより上方へ突出した耳部2とコネ
クタ4の下部を錫を1.0重量%含む鉛−錫(Pb−S
n)合金からなるストラップ形成用足し鉛6とともにガ
スバーナーで加熱溶解する。この際バーナーの勢いを弱
め従来よりも撹拌作用を軽減することでカルシウム(C
a)とアンチモン(Sb)が混在する鉛合金からなる第
2層7を形成する。
1層5の上部に、これより上方へ突出した耳部2とコネ
クタ4の下部を錫を1.0重量%含む鉛−錫(Pb−S
n)合金からなるストラップ形成用足し鉛6とともにガ
スバーナーで加熱溶解する。この際バーナーの勢いを弱
め従来よりも撹拌作用を軽減することでカルシウム(C
a)とアンチモン(Sb)が混在する鉛合金からなる第
2層7を形成する。
【0019】このようにして作製した前記第1層と第2
層とからなるストラップ部分を図2に示す。
層とからなるストラップ部分を図2に示す。
【0020】図2に示したように、本発明の鉛蓄電池で
は複数の極板1の耳部2とコネクタ4を接続するストラ
ップ8は、鉛または鉛−錫合金からなる第1層5とCa
とSbを含有する鉛合金からなる第2層7とから形成さ
れている。
は複数の極板1の耳部2とコネクタ4を接続するストラ
ップ8は、鉛または鉛−錫合金からなる第1層5とCa
とSbを含有する鉛合金からなる第2層7とから形成さ
れている。
【0021】そして、上記のような本発明の製造法によ
り作製した6セル12V仕様の鉛蓄電池を本発明の鉛蓄
電池Aとした。
り作製した6セル12V仕様の鉛蓄電池を本発明の鉛蓄
電池Aとした。
【0022】また、比較例としてストラップ形成用治具
の凹部内の耳部とコネクタの一部をガスバーナーで溶か
してストラップを形成した鉛蓄電池を比較電池Bとし、
ストラップ形成用治具の凹部内の耳部とコネクタをコネ
クタと同じ組成のストラップ形成用足し鉛とともにガス
バーナーで溶かしてストラップを形成した鉛蓄電池を比
較電池Cとした。
の凹部内の耳部とコネクタの一部をガスバーナーで溶か
してストラップを形成した鉛蓄電池を比較電池Bとし、
ストラップ形成用治具の凹部内の耳部とコネクタをコネ
クタと同じ組成のストラップ形成用足し鉛とともにガス
バーナーで溶かしてストラップを形成した鉛蓄電池を比
較電池Cとした。
【0023】ここで、比較電池BおよびCの極板の耳部
とコネクタの各合金組成は、本発明の電池Aと同様にし
た。
とコネクタの各合金組成は、本発明の電池Aと同様にし
た。
【0024】これら本発明の電池Aと比較電池Bおよび
比較電池Cを用いて耐食性の評価試験を行った。耐食性
の評価試験は、60℃において14.8Vの電圧により
定電圧過充電を行った後、1週間ごとに加速度5Gで1
0分間振動試験を行った。この試験結果を(表1)に示
す。
比較電池Cを用いて耐食性の評価試験を行った。耐食性
の評価試験は、60℃において14.8Vの電圧により
定電圧過充電を行った後、1週間ごとに加速度5Gで1
0分間振動試験を行った。この試験結果を(表1)に示
す。
【0025】
【表1】
【0026】(表1)に示したように、比較電池Cでは
1週間でストラップの下の部分に著しい腐食が見られ
た。また、比較電池Bでは3週間で極板の耳部とコネク
タを接続するストラップが変形し、亀裂が起こって腐食
が進行し始めていた。
1週間でストラップの下の部分に著しい腐食が見られ
た。また、比較電池Bでは3週間で極板の耳部とコネク
タを接続するストラップが変形し、亀裂が起こって腐食
が進行し始めていた。
【0027】これに対して本発明の電池Aでは、6週間
経過後も腐食は見られなかった。これは、比較電池Bお
よびCでは溶接時のガスバーナーの勢いによる溶湯の激
しい撹拌により、極板の耳部とコネクタを接続している
ストラップの大部分にカルシウム(Ca)とアンチモン
(Sb)の化合物が生成して酸化による腐食が進行した
からである。
経過後も腐食は見られなかった。これは、比較電池Bお
よびCでは溶接時のガスバーナーの勢いによる溶湯の激
しい撹拌により、極板の耳部とコネクタを接続している
ストラップの大部分にカルシウム(Ca)とアンチモン
(Sb)の化合物が生成して酸化による腐食が進行した
からである。
【0028】これに対して、本発明の鉛蓄電池Aでは極
板の耳部とコネクタとの間のストラップに鉛−錫(Pb
−Sn)合金からなる第1層を形成してカルシウム(C
a)とアンチモン(Sb)の化合物の生成を抑制するこ
とにより硫酸電解液に面したストラップ下部の腐食を低
減するとともに、カルシウム(Ca)とアンチモン(S
b)を含有する鉛合金からなる第2層を形成してストラ
ップの強度を保つことができたためであると考えられ
る。
板の耳部とコネクタとの間のストラップに鉛−錫(Pb
−Sn)合金からなる第1層を形成してカルシウム(C
a)とアンチモン(Sb)の化合物の生成を抑制するこ
とにより硫酸電解液に面したストラップ下部の腐食を低
減するとともに、カルシウム(Ca)とアンチモン(S
b)を含有する鉛合金からなる第2層を形成してストラ
ップの強度を保つことができたためであると考えられ
る。
【0029】なお、本実施例では、極板群の耳部とコネ
クタとの間の第1層に鉛−錫合金を用いたが、純鉛(P
b)を使用した場合でもほぼ同様の効果が得られた。
クタとの間の第1層に鉛−錫合金を用いたが、純鉛(P
b)を使用した場合でもほぼ同様の効果が得られた。
【0030】
【発明の効果】以上のように、本発明の鉛蓄電池は鉛−
カルシウム(Pb−Ca)系合金を格子体に用いた極板
の耳部と鉛−アンチモン(Pb−Sb)系合金からなる
コネクタとを接続するストラップを鉛(Pb)または鉛
−錫(Pb−Sn)系合金からなる第1層と、その上部
に形成したカルシウム(Ca)とアンチモン(Sb)を
含有する鉛合金からなる第2層とによって形成している
ので、硫酸電解液に常に面したストラップ下部の腐食を
抑制することができるとともに、ストラップの強度も高
く保つことができる。
カルシウム(Pb−Ca)系合金を格子体に用いた極板
の耳部と鉛−アンチモン(Pb−Sb)系合金からなる
コネクタとを接続するストラップを鉛(Pb)または鉛
−錫(Pb−Sn)系合金からなる第1層と、その上部
に形成したカルシウム(Ca)とアンチモン(Sb)を
含有する鉛合金からなる第2層とによって形成している
ので、硫酸電解液に常に面したストラップ下部の腐食を
抑制することができるとともに、ストラップの強度も高
く保つことができる。
【図1】(A)(B)(C)本発明の鉛蓄電池の極板の
耳部を接続するストラップとこれにコネクタを接続する
際の過程を示す断面図
耳部を接続するストラップとこれにコネクタを接続する
際の過程を示す断面図
【図2】本発明の鉛蓄電池のストラップ部分を示す断面
図
図
1 極板 2 極板の耳部 3 ストラップ形成用治具 4 コネクタ 5 鉛−錫合金からなる第1層 6 ストラップ形成用足し鉛 7 カルシウムとアンチモンを含有した鉛合金からなる
第2層 8 ストラップ
第2層 8 ストラップ
フロントページの続き (72)発明者 高見 宣行 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−88751(JP,A) 特開 昭63−88752(JP,A) 特開 平4−368772(JP,A) 特開 昭63−231870(JP,A) 特開 昭58−157065(JP,A) 特開 平4−206458(JP,A) 特開 昭63−231871(JP,A) 特開 平5−275074(JP,A) 特開 平5−13065(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 2/20 - 2/34
Claims (2)
- 【請求項1】鉛−カルシウム(Pb−Ca)系合金製格
子体を用いた極板の耳部にストラップを形成して極板群
とし、このストラップに鉛−アンチモン(Pb−Sb)
系合金製コネクタを溶接した鉛蓄電池であって、前記ス
トラップとコネクタとの間において、鉛(Pb)または
鉛−錫(Pb−Sn)系合金からなる第1層と、その上
部にカルシウム(Ca)とアンチモン(Sb)を含有す
る鉛合金からなる第2層とを形成した鉛蓄電池。 - 【請求項2】鉛−カルシウム(Pb−Ca)系合金製格
子体を用いた複数の極板の耳部にストラップ形成用治具
をはめ込んでストラップ形成用凹部を構成した後、鉛−
アンチモン(Pb−Sb)系合金製コネクタを前記凹部
内の所定の位置に設置し、この凹部に突出した極板の耳
部と前記コネクタの一部をストラップ形成用足し鉛とと
もに溶かして極板群を形成する鉛蓄電池の製造法であっ
て、前記ストラップ形成用凹部の所定の位置に前記コネ
クタを設置した後、前記極板の耳部の上部とコネクタと
の間に鉛(Pb)または鉛−錫(Pb−Sn)合金の溶
湯を流し込んで前記耳部の上端よりも下部の位置にカル
シウム(Ca)とアンチモン(Sb)を含まない鉛また
は鉛合金からなる第1層を形成し、ついでこの第1層の
上方に突出した耳部とコネクタの一部を前記ストラップ
形成用足し鉛とともに溶かして鉛合金の第2層を形成し
てこの第1層と第2層とによりストラップを形成する鉛
蓄電池の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4111074A JP3052566B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 鉛蓄電池およびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4111074A JP3052566B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 鉛蓄電池およびその製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05307951A JPH05307951A (ja) | 1993-11-19 |
JP3052566B2 true JP3052566B2 (ja) | 2000-06-12 |
Family
ID=14551728
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4111074A Expired - Fee Related JP3052566B2 (ja) | 1992-04-30 | 1992-04-30 | 鉛蓄電池およびその製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3052566B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5359193B2 (ja) * | 2008-10-29 | 2013-12-04 | パナソニック株式会社 | 鉛蓄電池 |
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