JP2004079423A - 鉛蓄電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】キャストオンストラップ法(以降、COS法という)により単電池(以降、セルという)間を接続する際に、COS法の構造上の欠点である希硫酸の這い上がりによるセル間の短絡を抑制すると共に、セル間接続部の鉛量を削減し、重量効率の優れた鉛蓄電池を提供することにある。
【解決手段】COS法によりセル間が接続された鉛蓄電池において、セル間接続部の厚みがストラップ部の厚みの30%以上、かつ90%以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 図2
【解決手段】COS法によりセル間が接続された鉛蓄電池において、セル間接続部の厚みがストラップ部の厚みの30%以上、かつ90%以下であることを特徴とするものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄電池の単電池(以降、セルという)の電圧はその種類によって異なるが1.2V〜3.6Vである。これら蓄電池を使用する機器側はもっと高い電圧を必要とすることが多く、通常、セルを直列に接続して高電圧にして使用されているケースが多い。その場合、リード線等を用いてセル間を外部接続して高電圧にする場合もあるが、鉛蓄電池では多セルが一体に形成され、セル間をあらかじめ内部接続して6Vあるいは12V電池として使用されるいわゆるモノブロックタイプが広く使用されている。
【0003】
上記、鉛蓄電池のセル間を内部接続する方法は3つに大別される。
【0004】
1番目の方法は抵抗溶接法と言われるもので、極板耳部を束ねるストラップから突出した鉛板同士を電槽セル間隔壁に空けた孔を通して接触させ、その部分に高電圧をかけ、接触抵抗の発熱により該鉛板を溶融・固化する方法である。この方法は信頼性に優れているが、ストラップから鉛板が突出した部分は蓄電池反応に寄与しないためエネルギー密度の点でマイナス要因となる。また、ストラップ形成とセル間接続が別の工程となり工程が増す欠点も有している。
【0005】
2番目の方法は、またがり方式といわれるもので、ストラップから上方向に伸びた鉛ポールをセル間隔壁上部で溶接する方法で、セル間の電流経路が長くなり電圧ロスが増すことおよびストラップ形成とセル間接続が別工程であり工程が増す欠点を有している。
【0006】
3番目の方式はキャストオンストラップ法(Cast on Strap、以降、COS法と呼ぶ)といわれるものでストラップを延長してストラップ同士でセル間を接続する方法である。図1はその一例を示す要部断面図で、1はセル間隔壁、2は極板耳部、3a、3bはストラップ、4aはセル間接続部、5は蓋、6はストラップおよびセル間隔壁部を埋没させるための充填剤層をそれぞれ示す。
【0007】
図1に示すように、ストラップ形成と同時にセル間の接続が行え、生産性が優れ、しかも電流経路が他の接続方法に比べて短く電圧降下の点でも有利である。しかし、その構造上、セル間隔壁が充填剤層に埋没している距離が短く、電解液である希硫酸がセル間隔壁を這い上がりセル間の短絡が発生し易い欠点を有している。また、ストラップ部は、極板耳部の一部を溶融し溶融鉛と一体に固化して形成される構造なので、極板耳部が機械的振動によってストラップから容易に外れないように強固に固定する必要があり一定の厚みを要する。したがって、セル間接続部とストラップとが同じ厚みの場合、重量が重くなる欠点をも有している。
【0008】
本発明は上記COS法によるセル間接続の欠点を改善するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
発明が解決しようとする課題は、COS法によりセル間を接続する際にCOS法の欠点である電解液の這い上がりによるセル間の短絡を抑制すると共に、セル間接続部の鉛量を削減し、重量効率の優れた鉛蓄電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段として、請求項1によれば、キャストオンストラップ方法(COS法)により単電池(セル)間が接続された鉛蓄電池において、単電池(セル)間接続部の厚みがストラップ部の厚みの30%以上、かつ90%以下であることを特徴とするものである。
【0011】
COS法でモノブロックタイプの鉛蓄電池のセル間を接続する場合、従来では既出の図1に示すように極板耳部を束ねるストラップ部とセル間接続部が同じ厚みに形成されている。上述したように、ストラップ部は極板耳部を束ねて保持しなけれならないので、一定の厚みは必要であるが、セル間接続部は電流を流す機能のみなのでストラップ部程の厚みを必要としないことに発明者は着目し、接続部の厚みをストラップの厚みより薄くすることを試みた。その結果、セル間隔壁部が充填剤層に埋没される距離が長くなるので電解液がセル間隔壁を這い上がり難くなり、セル間の短絡を抑制できることを見出した。さらに、セル間接続部を薄くすることにより鉛量を減じることができ蓄電池の重量削減にも寄与する。その際、セル間接続部の厚みはストラップ厚みの30%以上、90%以下にすることが好ましい。すなわち、30%以上薄くすると、その部分での電気抵抗が増し、特に、放電時の電圧降下の弊害があらわれる。また、90%以上厚くした場合にはセル間隔壁の充填剤層に埋没される距離が従来品とほとんど変わらなくなるので電解液の這い上がりの抑制効果が得られない。また、鉛の重量削減の点でもほとんど効果がなくなってしまう。以上から、セル間接続部の厚みをストラップ厚みの30%以上、90%以下にすることが好ましいといえる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例により詳細に説明する。
【0013】
【実施例】
図2は本発明の実施例を示す要部断面図で、4bは本発明のセル間接続部を示す。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
【0014】
図2に示すように本発明のセル間接続部4bは、ストラップ部の厚みに比して薄くなっている。そのことによって、セル間隔壁部1が充填剤層6に埋没されている距離が長くなり、電解液が這い上がり難く、それによるセル間の短絡を抑制できることが理解できる。
【0015】
COS法において、セル間接続部の厚みをストラップ部より薄くするにはいくつかの方法が上げられる。
(1)板耳部に塗布するフラックス量を調節することによりセル間接続部を薄くする方法。
【0016】
COS法では、極板群(エレメント)を倒立させ、極板耳部を溶融鉛を満たした鋳型に浸漬して溶融・固化させてストラップおよびセル間接続部を形成する。その際、溶融鉛と極板耳部とのなじみをよくするために鋳型に浸漬する前に極板耳部にフラックスを塗布している。発明者は、このフラックス量を調節することによりセル間接続部の厚みを薄くできることを見出した。すなわち、ストラップを形成する部分では極板耳部同士の間隔が狭いために毛管現象により極板耳部に沿って溶融鉛が吸い上げられる。フラックス量を多くすると表面張力が低下し吸い上げ量が増加する。そのことによって、セル間接続部分の溶融鉛が極板耳部に引っ張られ、結果としてセル間接続部が薄くなる。
(2)ストラップおよびセル間接続部を形成する際の鋳型内での溶融鉛の固化条件を調節する方法。
【0017】
発明者は、極板耳部の固化よりもセル間接続部の固化を遅らせることによって固化の早い極板耳部に溶融鉛が引っ張られ、セル間接続部が薄くなることを見出した。その方法の一つとして、セル間接続部の鋳型温度をストラップ部より高くする方法が上げられる。
(3)ストラップを形成する鋳型の構造を変える方法。
【0018】
図3は、セル間接続部の厚みを薄くするための鋳型構造の一例を示す要部断面図で、7はストラップおよびセル間接続部形成用鋳型、8は鋳型内に設けた突起をそれぞれ示す。他の構成部品は図1および図2と同じ番号を付記する。
【0019】
図3に示すように鋳型7のセル間接続部に位置する部分に突起8を設けることによって溶融・固化後、セル間接続部下部に凹部が形成されその分薄くできる。
【0020】
図4は、他の方法を示す要部断面図で、移動鋳型部品9を設けることにより図3とは反対側に凹部を形成し、セル間接続部を薄くする方法である。
【0021】
図5は、図3および図4の両方式を実施したもので、セル間接続部をより薄くできることは容易に理解できる。
【0022】
次に、本発明の特徴であるセル間接続部の厚みがストラップ厚みの30%以上、90%以下の効果を具体的に示すために、正・負極板にPb−0.07質量%Ca−1.3質量%Sn合金からなる鋳造格子をそれぞれ用い、通常の活物質を塗布した正極板3枚、負極板4枚構成の公称容量・定格容量、12V・24Ah(20hR)の制御弁式鉛蓄電池を用いて試験を行った。
【0023】
上記(2)の方法により厚みの種々異なるセル間接続部を有するエレメントを作製し、これらを用いた制御弁式鉛蓄電池について、15CA放電(C:定格容量、A:電流の単位)(360A)の1秒目電圧とセル間接続部厚みとの関係を求めた。その結果を図6に示す。電圧降下は、ストラップ部の厚みとセル間接続部の厚みとが同じである従来品に対する電圧降下比率(%)で表した。
【0024】
図6に示すようにエレメント厚みに対して30%以上薄くすると高率放電での電圧降下が大きくなることが分かる。厚み30%での電圧降下量は、2.5%で許容できる範囲であるが、40%以上の厚みの方が好ましいといえる。一方、90%では当然、電圧降下に関しては問題ないが90%程度では、セル間隔壁の充填層内での位置が従来品とあまり変わらず、電解液移動によるセル間の短絡抑制効果が小さい。したがって、セル間接続部を薄くする場合、ストラップ厚みに対して、40%以上、80%以下がより好ましいといえる。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、多セルが一体になったモノブロックタイプの鉛蓄電池のセル間接続にCOS法を適用した場合に、従来では、ストラップとセル間接続部とが同じ厚みであったのに対して、エレメント厚みに対してセル間接続部の厚みを30%以上、90%以下の厚みにすることにより、セル間接続部が充填剤層に深く埋没されるのでそれにしたがってセル間隔壁の埋没する距離も長くなる。そのことによって電解液が這い上がり難くなり、セル間の短絡が抑制されると共にセル間接続部を薄くできるので使用鉛量が少なくなり、蓄電池重量の削減にも寄与し、その工業的効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のセル間接続部の構造を示す要部断面図。
【図2】本発明の実施例のセル間接続部の構造を示す要部断面図。
【図3】セル間接続部を薄くする方法1を示す要部断面図。
【図4】セル間接続部を薄くする方法2を示す要部断面図。
【図5】セル間接続部を薄くする方法3を示す要部断面図。
【図6】セル間接続部の厚みと15CA放電の電圧降下との関係を示す図。
【符号の説明】
1 セル間隔壁
2 極板耳部
3a、3b ストラップ
4a、4b セル間接続部
5 蓋
6 充填剤層
7 鋳型
8 鋳型内の突起
9 移動鋳型部品
【発明の属する技術分野】
鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
蓄電池の単電池(以降、セルという)の電圧はその種類によって異なるが1.2V〜3.6Vである。これら蓄電池を使用する機器側はもっと高い電圧を必要とすることが多く、通常、セルを直列に接続して高電圧にして使用されているケースが多い。その場合、リード線等を用いてセル間を外部接続して高電圧にする場合もあるが、鉛蓄電池では多セルが一体に形成され、セル間をあらかじめ内部接続して6Vあるいは12V電池として使用されるいわゆるモノブロックタイプが広く使用されている。
【0003】
上記、鉛蓄電池のセル間を内部接続する方法は3つに大別される。
【0004】
1番目の方法は抵抗溶接法と言われるもので、極板耳部を束ねるストラップから突出した鉛板同士を電槽セル間隔壁に空けた孔を通して接触させ、その部分に高電圧をかけ、接触抵抗の発熱により該鉛板を溶融・固化する方法である。この方法は信頼性に優れているが、ストラップから鉛板が突出した部分は蓄電池反応に寄与しないためエネルギー密度の点でマイナス要因となる。また、ストラップ形成とセル間接続が別の工程となり工程が増す欠点も有している。
【0005】
2番目の方法は、またがり方式といわれるもので、ストラップから上方向に伸びた鉛ポールをセル間隔壁上部で溶接する方法で、セル間の電流経路が長くなり電圧ロスが増すことおよびストラップ形成とセル間接続が別工程であり工程が増す欠点を有している。
【0006】
3番目の方式はキャストオンストラップ法(Cast on Strap、以降、COS法と呼ぶ)といわれるものでストラップを延長してストラップ同士でセル間を接続する方法である。図1はその一例を示す要部断面図で、1はセル間隔壁、2は極板耳部、3a、3bはストラップ、4aはセル間接続部、5は蓋、6はストラップおよびセル間隔壁部を埋没させるための充填剤層をそれぞれ示す。
【0007】
図1に示すように、ストラップ形成と同時にセル間の接続が行え、生産性が優れ、しかも電流経路が他の接続方法に比べて短く電圧降下の点でも有利である。しかし、その構造上、セル間隔壁が充填剤層に埋没している距離が短く、電解液である希硫酸がセル間隔壁を這い上がりセル間の短絡が発生し易い欠点を有している。また、ストラップ部は、極板耳部の一部を溶融し溶融鉛と一体に固化して形成される構造なので、極板耳部が機械的振動によってストラップから容易に外れないように強固に固定する必要があり一定の厚みを要する。したがって、セル間接続部とストラップとが同じ厚みの場合、重量が重くなる欠点をも有している。
【0008】
本発明は上記COS法によるセル間接続の欠点を改善するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
発明が解決しようとする課題は、COS法によりセル間を接続する際にCOS法の欠点である電解液の這い上がりによるセル間の短絡を抑制すると共に、セル間接続部の鉛量を削減し、重量効率の優れた鉛蓄電池を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
課題を解決するための手段として、請求項1によれば、キャストオンストラップ方法(COS法)により単電池(セル)間が接続された鉛蓄電池において、単電池(セル)間接続部の厚みがストラップ部の厚みの30%以上、かつ90%以下であることを特徴とするものである。
【0011】
COS法でモノブロックタイプの鉛蓄電池のセル間を接続する場合、従来では既出の図1に示すように極板耳部を束ねるストラップ部とセル間接続部が同じ厚みに形成されている。上述したように、ストラップ部は極板耳部を束ねて保持しなけれならないので、一定の厚みは必要であるが、セル間接続部は電流を流す機能のみなのでストラップ部程の厚みを必要としないことに発明者は着目し、接続部の厚みをストラップの厚みより薄くすることを試みた。その結果、セル間隔壁部が充填剤層に埋没される距離が長くなるので電解液がセル間隔壁を這い上がり難くなり、セル間の短絡を抑制できることを見出した。さらに、セル間接続部を薄くすることにより鉛量を減じることができ蓄電池の重量削減にも寄与する。その際、セル間接続部の厚みはストラップ厚みの30%以上、90%以下にすることが好ましい。すなわち、30%以上薄くすると、その部分での電気抵抗が増し、特に、放電時の電圧降下の弊害があらわれる。また、90%以上厚くした場合にはセル間隔壁の充填剤層に埋没される距離が従来品とほとんど変わらなくなるので電解液の這い上がりの抑制効果が得られない。また、鉛の重量削減の点でもほとんど効果がなくなってしまう。以上から、セル間接続部の厚みをストラップ厚みの30%以上、90%以下にすることが好ましいといえる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明を実施例により詳細に説明する。
【0013】
【実施例】
図2は本発明の実施例を示す要部断面図で、4bは本発明のセル間接続部を示す。他の構成部材は図1と同じ番号を付記する。
【0014】
図2に示すように本発明のセル間接続部4bは、ストラップ部の厚みに比して薄くなっている。そのことによって、セル間隔壁部1が充填剤層6に埋没されている距離が長くなり、電解液が這い上がり難く、それによるセル間の短絡を抑制できることが理解できる。
【0015】
COS法において、セル間接続部の厚みをストラップ部より薄くするにはいくつかの方法が上げられる。
(1)板耳部に塗布するフラックス量を調節することによりセル間接続部を薄くする方法。
【0016】
COS法では、極板群(エレメント)を倒立させ、極板耳部を溶融鉛を満たした鋳型に浸漬して溶融・固化させてストラップおよびセル間接続部を形成する。その際、溶融鉛と極板耳部とのなじみをよくするために鋳型に浸漬する前に極板耳部にフラックスを塗布している。発明者は、このフラックス量を調節することによりセル間接続部の厚みを薄くできることを見出した。すなわち、ストラップを形成する部分では極板耳部同士の間隔が狭いために毛管現象により極板耳部に沿って溶融鉛が吸い上げられる。フラックス量を多くすると表面張力が低下し吸い上げ量が増加する。そのことによって、セル間接続部分の溶融鉛が極板耳部に引っ張られ、結果としてセル間接続部が薄くなる。
(2)ストラップおよびセル間接続部を形成する際の鋳型内での溶融鉛の固化条件を調節する方法。
【0017】
発明者は、極板耳部の固化よりもセル間接続部の固化を遅らせることによって固化の早い極板耳部に溶融鉛が引っ張られ、セル間接続部が薄くなることを見出した。その方法の一つとして、セル間接続部の鋳型温度をストラップ部より高くする方法が上げられる。
(3)ストラップを形成する鋳型の構造を変える方法。
【0018】
図3は、セル間接続部の厚みを薄くするための鋳型構造の一例を示す要部断面図で、7はストラップおよびセル間接続部形成用鋳型、8は鋳型内に設けた突起をそれぞれ示す。他の構成部品は図1および図2と同じ番号を付記する。
【0019】
図3に示すように鋳型7のセル間接続部に位置する部分に突起8を設けることによって溶融・固化後、セル間接続部下部に凹部が形成されその分薄くできる。
【0020】
図4は、他の方法を示す要部断面図で、移動鋳型部品9を設けることにより図3とは反対側に凹部を形成し、セル間接続部を薄くする方法である。
【0021】
図5は、図3および図4の両方式を実施したもので、セル間接続部をより薄くできることは容易に理解できる。
【0022】
次に、本発明の特徴であるセル間接続部の厚みがストラップ厚みの30%以上、90%以下の効果を具体的に示すために、正・負極板にPb−0.07質量%Ca−1.3質量%Sn合金からなる鋳造格子をそれぞれ用い、通常の活物質を塗布した正極板3枚、負極板4枚構成の公称容量・定格容量、12V・24Ah(20hR)の制御弁式鉛蓄電池を用いて試験を行った。
【0023】
上記(2)の方法により厚みの種々異なるセル間接続部を有するエレメントを作製し、これらを用いた制御弁式鉛蓄電池について、15CA放電(C:定格容量、A:電流の単位)(360A)の1秒目電圧とセル間接続部厚みとの関係を求めた。その結果を図6に示す。電圧降下は、ストラップ部の厚みとセル間接続部の厚みとが同じである従来品に対する電圧降下比率(%)で表した。
【0024】
図6に示すようにエレメント厚みに対して30%以上薄くすると高率放電での電圧降下が大きくなることが分かる。厚み30%での電圧降下量は、2.5%で許容できる範囲であるが、40%以上の厚みの方が好ましいといえる。一方、90%では当然、電圧降下に関しては問題ないが90%程度では、セル間隔壁の充填層内での位置が従来品とあまり変わらず、電解液移動によるセル間の短絡抑制効果が小さい。したがって、セル間接続部を薄くする場合、ストラップ厚みに対して、40%以上、80%以下がより好ましいといえる。
【0025】
【発明の効果】
以上、説明したように、多セルが一体になったモノブロックタイプの鉛蓄電池のセル間接続にCOS法を適用した場合に、従来では、ストラップとセル間接続部とが同じ厚みであったのに対して、エレメント厚みに対してセル間接続部の厚みを30%以上、90%以下の厚みにすることにより、セル間接続部が充填剤層に深く埋没されるのでそれにしたがってセル間隔壁の埋没する距離も長くなる。そのことによって電解液が這い上がり難くなり、セル間の短絡が抑制されると共にセル間接続部を薄くできるので使用鉛量が少なくなり、蓄電池重量の削減にも寄与し、その工業的効果が大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のセル間接続部の構造を示す要部断面図。
【図2】本発明の実施例のセル間接続部の構造を示す要部断面図。
【図3】セル間接続部を薄くする方法1を示す要部断面図。
【図4】セル間接続部を薄くする方法2を示す要部断面図。
【図5】セル間接続部を薄くする方法3を示す要部断面図。
【図6】セル間接続部の厚みと15CA放電の電圧降下との関係を示す図。
【符号の説明】
1 セル間隔壁
2 極板耳部
3a、3b ストラップ
4a、4b セル間接続部
5 蓋
6 充填剤層
7 鋳型
8 鋳型内の突起
9 移動鋳型部品
Claims (1)
- キャストオンストラップ方法により単電池(セル)間が接続された鉛蓄電池において、単電池(セル)間接続部の厚みがストラップ部の厚みの30%以上、かつ90%以下であることを特徴とする鉛蓄電池。
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004079423A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010192252A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Gs Yuasa Corp | 電池及び電池の製造方法 |
CN110870100A (zh) * | 2018-05-31 | 2020-03-06 | 古河电池株式会社 | 铅蓄电池 |
-
2002
- 2002-08-21 JP JP2002240779A patent/JP2004079423A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010192252A (ja) * | 2009-02-18 | 2010-09-02 | Gs Yuasa Corp | 電池及び電池の製造方法 |
CN110870100A (zh) * | 2018-05-31 | 2020-03-06 | 古河电池株式会社 | 铅蓄电池 |
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