JP3051956B2 - 印刷用インキ類の包装用容器とその製造方法 - Google Patents

印刷用インキ類の包装用容器とその製造方法

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JP3051956B2
JP3051956B2 JP9240918A JP24091897A JP3051956B2 JP 3051956 B2 JP3051956 B2 JP 3051956B2 JP 9240918 A JP9240918 A JP 9240918A JP 24091897 A JP24091897 A JP 24091897A JP 3051956 B2 JP3051956 B2 JP 3051956B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として粘稠性の
ある印刷用インキ類の包装用容器とその製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】印刷用イ
ンキ類は、一般にはスチール缶その他の金属製の容器ま
たはプラスチック容器に充填されて包装されている。
【0003】これらの容器は、その内側面にインキ類が
付着して残存していることが多く、これを再利用するの
は不純物混入の問題があり困難なものとされている。ま
た金属製の容器の場合は、焼却処理できないこともあっ
て、使用後の処理が困難な産業廃棄物として放置されて
いることが多く、その廃棄処理がきわめて面倒なものと
なっていた。特に、そのまま放置されると環境を悪化す
る等の問題があった。また樹脂製の缶の場合は、紙を主
体とする缶に比較して燃焼時高熱量を要し、燃焼時の有
機ガス発生あるいは使用する樹脂の種類もしくは燃焼温
度によっては有害物質を発生させ環境汚染を惹き起こす
という問題があり、その使用は好ましいものではない。
【0004】そこで、印刷用インキ類の容器として、使
用後の焼却処理を容易に可能にするために、容器本体を
紙材を主体層とする所謂紙缶を容器本体に利用すること
としたものであり、このような容器は既に提案されてい
る(特許第2609997号公報)。
【0005】しかしながら、前記提案の印刷用インキの
包装用容器は、容器本体の胴部に使用する材料(紙材を
主体とする積層材料)が、紙管式に螺旋状に巻回して筒
状に形成したものを所定の長さに切断して用いることか
ら、胴部は上下で同径の筒状をなしている。
【0006】そのため、印刷用インキ類の充填までの空
の容器の輸送や保管等の取扱い、あるいは使用後の廃棄
処理までの輸送等の取扱いの際、容器本体を入れ子に重
ね合せることができず、嵩が高くて取扱い難く、効率の
悪いものとなっている。
【0007】このような問題を解消するためには、容器
本体を入れ子に重ね合せ可能なテーパ状に形成すればよ
い。しかし、紙材を主体とする積層材料からテーパ状を
なす容器本体の胴部を形成するには、該積層材料を前記
胴部の展開形状に裁断しておいて、これを筒状に巻回し
て端部同士を接合して構成する必要があるが、容器とし
ての使用上の強度保持のために、素材である前記積層材
料の主体となる紙材に比較的厚みの大きい紙が使用され
ることから、前記展開形状の積層材料の端部同士を重ね
合せて接合したのでは、容器内に厚みによる段差が生じ
ることになり、インキ類の容器としては適さない。
【0008】そうかと言って、前記展開形状に裁断され
た積層材料の端部同士を単に突き合せ接合して構成する
のでは、該接合部分の接合強度およびシール性に問題が
あり、この種のインキ類の容器としては実用化に供し得
ない。特に、胴部上端の開口縁部を外側にカール状に巻
締め加工した場合、この巻締め部分で前記突き合せ部の
間が開いて隙間が生じ、開口縁部の上面に封緘用シート
材をシールしても、前記隙間により気密シール性が損な
われることになる。したがって、突き合せ部の気密シー
ル性を確保することが、この形態の容器を実用化する上
で重要な要素となる。
【0009】本発明は、上記に鑑みてなしたものであ
り、印刷用インキ類の包装用容器として、紙材を主体層
とする容器本体を、入れ子に重ね合せることができるテ
ーパ状に形成して輸送等の取扱いを容易にするととも
に、展開形状から突き合せ接合して構成するものであっ
ても、その突き合せ部の気密シール性および接合強度を
良好に保持でき、その実用化を可能にする容器およびそ
の製造方法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段および作用】上記の課題を
解決する本発明の印刷用インキ類の包装容器は、紙材を
主体とする容器本体と、これに被嵌される蓋とからな
り、容器本体の胴部が開口側ほど径大のテーパ状をな
し、その開口縁部が外側へのカール状に巻締められてな
る容器であって、前記容器本体の胴部は、展開形状から
形成されており、少なくとも2層の紙層を主体層として
その内側表面に樹脂皮膜層を設けた積層構造をなし、前
記主体層の各紙層が周方向に位置をずらせて積層されて
いて、それぞれの端部同士が異なった位置で突き合せ状
態をなすように各紙層が接着されて接合され、最内紙層
の突き合せ部の内側において、前記樹脂皮膜層と同系の
テープ状樹脂が、突き合された両端部に跨って加熱ロー
ラにより胴部下端側から上端側に向って余剰の樹脂分を
押し上げるように押圧されて熱融着され、容器内側から
外側へのカール状をなす開口縁部における前記突き合せ
部の隙間を前記樹脂でシールされてなることを特徴とす
る。
【0011】この包装用容器によれば、容器本体が紙材
を主体とするもので、使用後の焼却による廃棄処理が容
易に可能である。また容器本体の胴部がテーパ状をなす
もので入れ子に重ね合せることができるため、使用まで
の空の容器の輸送や保管等の取扱い、使用後の廃棄処理
のための取扱いの際には、多数の容器本体を入れ子に重
ね合せて嵩低くでき、廃棄物を減容化して容易に効率よ
く取扱うことができる。
【0012】そればかりか、展開形状から形成された容
器本体の胴部は、主体層の各紙層が周方向に位置をずら
せて接着されて、それぞれの端部同士が異なった位置で
突き合せ状態をなすように接合されているために、各紙
層の突き合せ部が他の紙層の連続により補強されること
になって、外部加圧に伴う突き合せ部の破裂などの損傷
を防止するのに必要かつ充分な補強効果を有する。
【0013】しかも最内紙層以外の紙層の突き合せ部
は、最内紙層およびその内側の樹脂皮膜層によりシール
状態に保持され、また最内紙層の突き合せ部は内側の樹
脂皮膜層がこれと同系のテープ状樹脂の熱融着されるこ
とにより、良好な気密シール性が確保される。
【0014】特に、前記テープ状樹脂が突き合された両
端部に跨がって、加熱ローラにより胴部下端側から上端
側に向って余剰の樹脂分を押し上げるように押圧されて
熱融着されているため、テープ状樹脂が加熱ローラの押
圧により内側の樹脂皮膜層による表面と面一になり、ま
た樹脂が突き合わせ部の隙間にも押し込まれることにな
って該部分のシール性が高くなるばかりか、前記加熱ロ
ーラの押圧により溶融する余剰の樹脂分が下端側から上
端側へ押し上げられて、開口縁部の突き合わせ部の隙
間、特に外側への巻締めにより拡開することになる突き
合せ部の隙間を前記樹脂が埋めることになり、これによ
り開口縁部の上面においても良好な気密シール性を確保
できる。
【0015】それゆえ、本発明の容器は、内側表面の樹
脂皮膜層によるインキ類の浸透防止作用とも相まって、
紙材を主体層とし、かつ展開形状から突き合せ接合され
るものであっても、インキ類の包装用容器として問題な
く使用できることになる。
【0016】請求項2の発明は、上記の包装用容器の製
造方法であって、容器本体の製造工程において、前記容
器本体の胴部の主体層となる複数の各紙層を、前記胴部
の展開形状に裁断するとともに、最内紙層の内側面にこ
れに対応した展開形状の樹脂皮膜層を積層しておいて、
前記各紙層を、円周方向に所要角度ずつ位置をずらせて
かつそれぞれの側端同士を突き合せるように順次巻回し
て各紙層同士を接着して積層し、テーパ状の筒状の胴部
を形成し、次に、最内紙層の突き合せ部の内側におい
て、前記樹脂皮膜層と同系のテープ状樹脂を、前記突き
合された両端部に跨って、加熱ローラにより胴部下端側
から上端側に向って移動させながら押圧することによ
り、余剰の樹脂分を上端側へ押し上げ寄せるようにして
熱融着するとともに、前記筒状胴部の上端部を外側にカ
ール状に巻締めて開口縁部を形成して、この開口縁部の
外側表面になる前記最内紙層の突き合わせ部の隙間を前
記樹脂でシールし、この後、前記胴部の下端部に底板部
を接合することを特徴とするものである。
【0017】前記の製造方法において、胴部の主体層を
構成する各紙層を、上端側で内面側の紙層ほどやや長く
なるように形成しておくのが好ましく、これにより紙層
の厚みが大きなものであっても、上端部を外側へカール
状に巻締めたときの形状が良好なものになる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基いて説明する。
【0019】図1は本発明の包装用容器の容器本体の一
部を欠截した斜視図、図2は同容器本体の横断面図、図
3は同容器本体の一部の拡大断面斜視図を示している。
図4〜図6は容器本体の胴部の製造過程を示し、図4は
胴部の各層を重ね合せた状態のまま展開した平面図、図
5は胴部の各層を筒状に突き合せ接合した状態の斜視
図、図6はその一部の拡大断面図、図7はテープ状樹脂
の熱融着状態を示す一部の斜視図である。
【0020】図において、(1)は紙材を主体層(10)
として形成された容器本体を示し、(2)は前記容器本
体(1)に被嵌される合成樹脂製あるいは紙製等の蓋を
示す。
【0021】容器本体(1)は、図のように胴部(3)
が開口側ほど径大のテーパ状をなして、空の状態で入れ
子に重ね合せることができるようになっている。胴部
(3)の上端の開口縁部(4)は外側へのカール状に巻
締められて形成され、また胴部(3)の下端部には底板
部(5)が接合されている。
【0022】前記容器本体(1)の胴部(3)は、少な
くとも2層の紙層、例えば図のように3層の紙層(11
a)(11b)(11c)を主体層とし、その最内紙層(11
a)の内側表面に、図示する実施例のように酸素バリア
層としてのアルミ箔(12)を積層し、さらにポリプロピ
レン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂その他の
熱可塑性の合成樹脂フィルムの積層あるいは樹脂コーテ
ィングによる樹脂皮膜層(13)を積層した積層構造をな
しており、これら各層が所定の展開形状から形成されて
いる。
【0023】特に前記主体層(10)である各紙層(11
a)(11b)(11c)は、周方向に位置をずらせて積層
されていて、それぞれの端部同士が異なった位置で突き
合せ状態をなすように各紙層(11a)(11b)(11c)
が接着されて接合されている。(14a)(14b)(14
c)はそれぞれの突き合せ部を示す。
【0024】そして最内紙層(11a)の突き合せ部(14
a)の内側で該紙層(11a)にアルミ箔(12)とともに
積層された前記樹脂皮膜層(13)がシール状態に接合さ
れている。
【0025】この胴部(3)の上端部が、図3のように
巻締め加工により外側にカールせしめられて開口縁部
(4)として形成され、これにより保形強度を保持する
とともに、該開口縁部(4)の上面に露出する樹脂皮膜
層(13)を利用して、後述の封緘用シート材(6)を熱
シールできるように設けられている。
【0026】前記主体層(10)の紙材(紙層)として
は、比較的厚みがあって腰が強くかつ防湿性も良好な紙
材、例えば雑誌、新聞、段ボール紙等の裁ち屑やチップ
を使用するパルプ純度の比較的高いクラフト再生紙等が
特に好適に用いられる。この主体層(10)としての厚み
は、1.0〜4.0mmの範囲が、巻締め加工や折り曲
げ加工および保形強度の点から特に好適なものである
が、その紙材の材質等によっては前記範囲外の厚みにす
ることもできる。
【0027】前記の容器本体(1)を製作するには、ま
ず、主体層(10)となる前記各紙層(11a)(11b)
(11c)を、テーパ状をなす胴部(3)の展開形状、す
なわち環形円の分割形に裁断しておく。またアルミ箔
(12)と樹脂皮膜層(13)については、アルミ箔(12)
と樹脂皮膜層(13)としての樹脂フィルムとを積層した
複合フィルム材を、最内紙層(11a)の内側面に積層し
ておき、該紙層(11a)とともに前記展開形状に裁断す
るか、あるいは裁断された最内紙層(11a)の片面に前
記複合フィルム材を積層して所定の展開形状に裁断す
る。紙層の裁断後に、アルミ箔(12)および樹脂皮膜層
(13)を最内紙層(11a)に順次積層することもでき
る。
【0028】なお、各紙層(11a)(11b)(11c)の
上端側(大径の円弧の側)は、図4および図6のように
内面側の紙層ほどやや長く(例えば0.5〜1.0m
m)なるように形成しておくのが、胴部上端部を外側へ
カール状に巻締めたときの形状保持の点から好ましい。
【0029】そして、胴部(3)に対応したテーパ状を
なす型(図示せず)を使用し、この型の外周に、前記主
体層(10)になる各紙層(11a)(11b)(11c)を、
最内紙層(11a)から順に、図5のように円周方向に所
要角度例えば1/3ずつ位置をずらせて巻回して積層
し、テーパ状をなす筒状の胴部(3)を形成する。
【0030】すなわち、アルミ箔(12)と樹脂皮膜層
(13)が積層された最内紙層(11a)を、前記樹脂皮膜
層(13)を内側にして前記型の周囲に巻回して端部同士
を突き合せて接合する。次にこの紙層(11a)の上に、
中間の紙層(11b)を前記紙層(11a)の突き合せ部
(14a)とは周方向にずらせた位置で側端同士突き合せ
るように巻回して両紙層(11a)(11b)を接着し、さ
らにこの紙層(11b)の上に、外側の紙層(11c)を突
き合せ部(14a)(11b)とは位置をずらせて側端同士
を突き合せるように巻回して各紙層同士を接着する。こ
れにより、前記各紙層(11a)(11b)(11c)の突き
合せ部(14a)(14b)(14c)が、それぞれ他の紙層
の連続により補強されることになって、充分な接合およ
び保形強度を保有することになる。
【0031】前記のほか、口径の安定を図るために、前
記とは逆に各紙層(11a)(11b)(11c)を、最外紙
層から巻回して整形し、順次内紙層を巻回形成して積層
することもできる。
【0032】なお、各紙層(11a)(11b)(11c)を
図4のように積層しておいて、これを各紙層の側端同士
を突き合せるように巻回して接合して構成することもで
きないではないが、厚みが比較的大きくなることから、
前記のように各紙層(11a)(11b)(11c)を順次巻
回して積層するのが、巻回接合作業が容易になり特に好
ましい。
【0033】いずれにしても、前記最内紙層(11a)の
突き合せ部(14a)では、内側表面のアルミ箔(12)お
よび樹脂皮膜層(13)も突き合せ状態になる。この突き
合せ部(14a)の内側面の樹脂皮膜層(13)(13)同士
を熱融着手段によりシール状態に接合するが、その手段
として、前記樹脂皮膜層(13)と同系のテープ状樹脂
(15)を、図7のように加熱ローラ(7)の押圧により
突き合わされた両端部に跨って熱融着し、突き合せ部
(14a)を該樹脂(15)によりシールする。このテープ
状樹脂(15)の熱融着は、筒状胴部(3)の上端部を外
側にカール状に巻締め加工を施して開口縁部(4)を形
成する前でもよいし、巻締め加工の後でもよい。
【0034】特にこの際、加熱ローラ(7)で、胴部
(3)の下端から上端側に向って移動させながら押圧す
ることにより、熱融着される樹脂(15)の余剰分を上端
側へ押し上げ寄せるようにして融着するのがよく、これ
により前記巻締めによる開口縁部(4)において外側表
面になる前記最内紙層(11a)の突き合せ部(14a)の
隙間が大きく開いても、この隙間を前記樹脂(15)によ
り埋めることになって、開口縁部(4)でも確実にシー
ルできることになる。
【0035】図示説明を省略するが、前記のテープ状樹
脂(15)に代えて、最内紙層(11a)の突き合せ部(14
a)に内側より前記樹脂皮膜層(13)と同系の溶融樹脂
を内側面と略面一に塗着して、突き合せ部(14a)を該
樹脂によりシール状態に接合することも可能である。特
に、開口縁部(4)の巻締め後に前記樹脂を塗着するこ
ともできる。この場合にも、前記最内紙層(11a)の突
き合せ部(14a)の隙間をシール状態に保持できる。
【0036】上記した胴部(3)の巻回形成において、
最内紙層(11a)に積層したアルミ箔(12)と樹脂皮膜
層(13)との複合フィルム材の両側端部(13a)(13
a)を、図8のように紙層(11a)より長くしておい
て、紙層(11a)を巻回する際、図9のように該紙層
(11a)の突き合せ部(14a)の間から前記側端部(13
a)(13a)を外側に引き出すようにして、紙層(11
a)の端部同士を突き合せ接合し、さらにその外側に次
の紙層(11b)を巻回して、前記側端部(13a)(13
a)を挟み込んだ状態に積層することもできる。
【0037】この場合、前記両側端部(13a)(13a)
が重ね合せ状態になって、アルミ箔(12)は隙間なく接
合されることになる。それゆえ、この突き合せ部(14
a)の内側に、上記同様にテープ状樹脂(15)を熱融着
するか、あるいは溶融樹脂を塗着することにより、該突
き合せ部(14a)の気密シール性およびアルミ箔(12)
による酸素バリア性がさらに良好に保持される。
【0038】また図10のように、アルミ箔(12)を主
体層(10)を構成する複数層のうちの2層の紙層、最内
紙層(11a)と次の紙層(11b)との間に積層させてお
くこともできる。このアルミ箔(12)は、きわめて薄肉
(例えば10〜数10ミクロン)のものであるため、図
のように端部同士を重ね合せるように巻回して積層する
ことができる。それゆえ、アルミ箔(12)による酸素バ
リア性がさらに良好に保持される。
【0039】さらに、図11のように、最内紙層(11
a)に積層したアルミ箔(12)と樹脂皮膜層(13)との
複合フィルム材の一方の端部(13a)を、最内紙層(11
a)の端部より延設しておいて、紙層(11a)を巻回し
突き合せ接合する際に、前記延設端部(13a)を他端部
の内側に打合せて、その内側に上記同様に樹脂皮膜層
(13)と同系のテープ状樹脂の熱融着あるいは溶融樹脂
の塗着することにより、シール状態に接合することもで
きる。この場合にも、アルミ箔(12)および樹脂皮膜層
(13)が打合せ状態になるために、該突き合せ部(14
a)の気密シール性およびアルミ箔(12)による酸素バ
リア性が良好に保持される。
【0040】そして、前記のように上端部に巻締めによ
る開口縁部(4)を形成した後、胴部(3)の下端部
に、前記胴部(3)と同様の積層紙材(10)よりなる底
板部(5)を接合する。
【0041】この接合手段として、例えば図12に示す
ように、胴部(3)の下端部を内側に折り返すととも
に、円形平板状の底板部(5)の周縁を下向きに折曲し
て、該底板部(5)を開口側から嵌め込み、該折曲片
(51)を前記折返し部(31)に挟み込んでかつ該折返し
部(31)上に載接した状態にして接着し、さらに胴部
(3)と底板部(5)の樹脂皮膜層(13)(13)同士を
熱融着手段により接合一体化させる。この際、底板部
(5)の厚みが大きい場合には、図のように、主体層
(10)のうち、少なくとも内面側のアルミ箔(12)およ
び樹脂皮膜層(13)が積層された内側紙層(11a)を残
すように、他の紙層を周縁で切欠しておいて、残した紙
層(11a)の周縁を下向きに折曲して、前記折返し部
(31)に挟み込んで熱融着するのがよい。
【0042】このほか、底板部(5)を胴部(3)内の
下部に嵌め込んで、前記折返し部(31)の上に載接した
状態でシール状態に接着することもできるが、気密シー
ル性や強度上は、前記のように挟み込んだ状態に接合す
るのが好ましい。
【0043】さらに前記のように構成される容器本体
(1)の胴部(3)が上端から下端までテーパ状をなす
ものであると、複数の容器本体(1)を入れ子に重ね合
せた場合に、胴部(3)(3)同士が密着して分離し難
くなる。したがって前記の密着を防止する手段を設ける
のが望ましい。
【0044】この重ね合せ時の密着防止手段として、例
えば図12に示すように、テーパ状に傾斜した胴部
(3)の折返しによる下端部分を、底板部(5)の円周
と同一かあるはそれ以上の適度の拡大構造に形成してお
くのがよい。
【0045】すなわち、前記のように形成されている
と、複数の容器本体(1)を入れ子に重ねた時に、前記
下端部が下側の容器本体(1)の胴部(3)内面に当接
して(図12の鎖線)、胴部(3)(3)間に隙間
(S)が生じることで密着が阻止され、容易に分離でき
るとになる。
【0046】また、図13のように、最外紙層(11c)
の突き合せ部(14a)における少なくとも一方の側端部
に突片(11c′)を設けておいて、該突片(11c′)を
胴部(3)の外側面に張出した状態に突き合せ接合し
て、胴部(3)外面に凸起部を形成しておき、容器本体
(1)を入れ子に重ね合せる際、上下の容器本体(1)
(1)間に前記突片(11c′)による凸起部により空隙
を保有することで、両容器本体(1)(1)の密着を阻
止するようにしてもよい。
【0047】こうして製造される容器本体(1)の外側
表面には、使用上の体裁や手触り等を配慮して、特殊な
印刷可能な片コート紙を貼着したり、特殊な樹脂ラミネ
ート加工を施すか、あるいは印刷表示を施したラベルを
貼着しておく。
【0048】また前記蓋(2)は、ポリエチレンやポリ
プロピレン等のポリオレフィン系樹脂およびポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系樹脂その他の合成
樹脂の成形体よりなるもので、前記容器本体(1)の開
口縁部(4)に嵌合する周縁部(21)の内周に周方向の
凸条(22)を有しており、カール状の巻締めによる開口
縁部(4)に対し弾力的に係止状態に被着できるように
形成されている。
【0049】また前記の蓋(2)を前記のように容器本
体(1)の開口縁部(4)に被着した状態において、周
縁部(21)に若干熱収縮させるか変形させて、開口縁部
(4) に対し密着させるようにすると、被着状態がさら
に強固になり、気密シール性も良好になる。
【0050】なお、前記蓋(2)が紙製の場合は、パル
プ等の紙料を型により抄造して所定形状に成形したもの
が好適に用いられる。
【0051】いずれの場合も、開封時に被着された蓋
(2)を容易に取外せるように、蓋(2)の周縁部(2
1)の一部につまみ片を設けたり、引裂き開封操作を容
易にするミシン目状の切込み線やノッチ状の切込みを設
けておくのが好ましい。
【0052】上記の構成による包装用容器にインキを充
填し包装する場合、図14のように、容器本体(1)に
包装対象の印刷用インキ(イ)を充填するとともに、容
器本体(1)内のインキ(イ)の上に従来同様に上部空
気層との間を遮断する目的でグラシン紙を貼る(図示せ
ず)。あるいは図のように容器本体(1)内におけるイ
ンキ(イ)の上方部空間の空気を窒素ガス等の不活性ガ
スに置換した状態で、酸素バリア性のよい封緘用シート
材(6)を容器本体(1)の開口縁部(4)に対し熱シ
ールして封緘する。この場合において、上記したように
最内紙層(11a)の突き合せ部(14a)が開口縁部
(4)の上面および外面まで完全に接合されていると、
封緘用シート材(6)を熱シールした場合の気密シール
性が良好に保持される。この後、さらに蓋(2)を前記
のように被着する。
【0053】前記の封緘用シート材(6)は、酸素バリ
ア性のよい合成樹脂フィルム等のシート材であれば、種
々の素材を利用できるが、中でも図15に拡大して示す
ように外側層としてのポリエチレンテレフタレート(P
ET)等の合成樹脂フィルム(61)と中間層としてのア
ルミ箔(62)と、内側シーラント層としてのポリプロピ
レン等の合成樹脂フィルム(63)の積層構造をなすもの
が、容器本体(1)の開口縁部(4)に対する熱融着性
が良好で、かつ酸素バリア性に優れ、特に好適に使用で
きる。
【0054】容器本体(1)の胴部(3)がテーパ状を
なす本発明の包装用容器であると、インキの自動充填包
装の際、テーパ状をなす胴部が嵌合し係止する支持枠部
が多数連接された搬送手段を用いて、多数の容器本体
(1)を一定間隔に安定性よく支持した状態で充填工程
に搬送できる。また前記の封緘用シート材(6)を開口
縁部(4)に熱シールする際は、容器本体(1)を巻締
めによる開口縁部(4)の下で支持できるので、胴部が
テーパ状をなすものであっても、上方から加熱加圧して
シールすることが問題なく可能になる。
【0055】そして、上記のように構成される本発明の
包装用容器であれば、紙材を主体とする容器本体(1)
を焼却により廃棄処理することができるばかりか、テー
パ状をなす容器本体(1)の多数を入れ子に重ね合せる
ことができ、使用までのあるいは使用後の廃棄処理にお
ける空容器の輸送や保管等の取扱いを容易にする。
【0056】また、展開形状から形成された容器本体
(1)の胴部(3)は、主体層(10)の各紙層(11a)
(11b)(11c)が周方向に位置をずらせて積層され
て、それぞれの端部同士が異なった位置で突き合せ状態
をなすように接合されているために、各紙層の突き合せ
部(14a)(14b)(14c)が他の紙層で補強されて、
充分な接合および保形強度を保有する。
【0057】しかも最内紙層(11a)以外の紙層(11
b)(11c)の突き合せ部(14b)(14c)は、最内紙
層(11a)およびその内側面の樹脂皮膜層(13)により
シール状態に保持され、また最内紙層(11a)の突き合
せ部(14a)は内側の樹脂皮膜層(13)が同系のテープ
状樹脂(15)の熱融着により接合一体化されて、この部
分の気密シール性が開口縁部(4)まで良好に保持され
る。そのため、充填される印刷用インキ類の保護を良好
になし、かつインキ類の変質等を確実に防止できる。
【0058】
【発明の効果】上記したように本発明の印刷用インキ類
の包装用容器は、容器本体が紙材を主体層とし、かつ入
れ子に重ね合せ得るテーパ状をなしているので、使用後
には焼却により廃棄処理できるとともに、使用までの輸
送や保管、あるいは使用後の廃棄処理のための空容器の
取扱いを容易にし、輸送等の作業性を向上できるばかり
か、特にテーパ状をなす容器本体の胴部を、展開形状か
ら突き合せ接合して構成するにも拘らず、突き合せ部の
シール性および接合強度を良好に保持できる。それゆ
え、内側表面の樹脂皮膜層によるインキ類の浸透防止作
用とも相まって、紙材を主体層とし、かつ展開形状から
突き合せ接合されるものであっても、インキ類の容器と
して問題なく使用でき、かつ内容物であるインキ類の保
護を良好になすことができる。
【0059】また本発明の製造方法によれば、前記の効
果を有する容器を容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例の包装用容器の容器本体を示
す一部欠截斜視図である。
【図2】同上の容器本体の横断面図である。
【図3】同上の容器本体の一部の拡大断面斜視図であ
る。
【図4】容器本体の製造過程における胴部の各層を重ね
合せた状態のまま展開した平面図である。
【図5】同上の胴部の各層を筒状に突き合せ接合した状
態の斜視図である。
【図6】同上の一部の拡大断面図である。
【図7】胴部のテープ状樹脂の熱融着状態を示す一部の
斜視図である。
【図8】最内紙層に積層したアルミ箔および樹脂皮膜層
の接合形態の他の例を示す展開状態の斜視図である。
【図9】同上の巻回接合状態の一部の拡大断面図であ
る。
【図10】アルミ箔の積層形態の他の例を示す一部の拡
大断面図である。
【図11】最内紙層に積層したアルミ箔および樹脂皮膜
層の接合形態の他の例を示す一部の拡大断面図である。
【図12】胴部と底板部の接合状態を示す一部の拡大断
面図である。
【図13】密着を防止する手段の他の例を示す一部の断
面斜視図である。
【図14】本発明の包装用容器の印刷用インキ類の充填
した包装状態の断面図である。
【図15】同上の一部の拡大断面図である。
【符号の説明】
(1) 容器本体 (2) 蓋 (3) 胴部 (4) 開口縁部 (5) 底板部 (6) 封緘用シート材 (7) 加熱ローラ (10) 主体層 (11a) 最内紙層 (11b) 中間の紙層 (11c) 外側の紙層 (12) アルミ箔 (13) 樹脂被膜層 (14a)(14b)(14c) 突き合せ部 (15) テープ状樹脂 (21) 周縁部 (31) 折返し部 (51) 折曲片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 3/00 - 3/30 B31B 49/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙材を主体とする容器本体と、これに被嵌
    される蓋とからなり、容器本体の胴部が開口側ほど径大
    のテーパ状をなし、その開口縁部が外側へのカール状に
    巻締められてなる容器であって、 前記容器本体の胴部は、展開形状から形成されており、
    少なくとも2層の紙層を主体層としてその内側表面に樹
    脂皮膜層を設けた積層構造をなし、前記主体層の各紙層
    が周方向に位置をずらせて積層されていて、それぞれの
    端部同士が異なった位置で突き合せ状態をなすように各
    紙層が接着されて接合され、最内紙層の突き合せ部の内
    において、前記樹脂皮膜層と同系のテープ状樹脂が、
    突き合された両端部に跨って加熱ローラにより胴部下端
    側から上端側に向って余剰の樹脂分を押し上げるように
    押圧されて熱融着され、容器内側から外側へのカール状
    をなす開口縁部における前記突き合せ部の隙間を前記樹
    脂でシールされてなることを特徴とする印刷用インキ類
    の包装用容器。
  2. 【請求項2】紙材を主体とする容器本体と、これに被嵌
    される蓋とからなり、容器本体の胴部が開口側ほど径大
    のテーパ状をなし、その開口縁部がカール状に巻締めら
    れてなる容器の製造方法であって、容器本体の製造工程
    において、 前記容器本体の胴部の主体層となる複数の各紙層を、前
    記胴部の展開形状に裁断するとともに、最内紙層の内側
    面にこれに対応した展開形状の樹脂皮膜層を積層してお
    いて、 前記各紙層を、円周方向に所要角度ずつ位置をずらせて
    かつそれぞれの側端同士を突き合せるように順次巻回し
    て各紙層同士を接着して積層し、テーパ状の筒状の胴部
    を形成し、 次に、最内紙層の突き合せ部の内側において、前記樹脂
    皮膜層と同系のテープ 状樹脂を、前記突き合された両端
    部に跨って、加熱ローラにより胴部下端側から上端側に
    向って移動させながら押圧することにより、余剰の樹脂
    分を上端側へ押し上げ寄せるようにして熱融着するとと
    もに、前記筒状胴部の上端部を外側にカール状に巻締め
    て開口縁部を形成して、この開口縁部の外側表面になる
    前記最内紙層の突き合わせ部の隙間を前記樹脂でシール
    し、 この後、前記胴部の下端部に底板部を接合することを特
    徴とする印刷インキ類の包装用容器の製造方法
  3. 【請求項3】前記胴部の主体層を構成する各紙層を、上
    端側で内面側の紙層ほどやや長くなるように形成してお
    くことを特徴とする請求項2に記載の印刷インキ類の包
    装用容器の製造方法
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