JP3051586B2 - 難燃性ポリエステル共重合体 - Google Patents

難燃性ポリエステル共重合体

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、含リンジカルボン酸化
合物で変性されている難燃性合成線状ポリエステル共重
合体に関するものである。更に詳しくは、ポリエチレン
テレフタレート或はポリブチレンテレフタレートを主成
分とするポリエステルを製造するに際し、含リンジカル
ボン酸化合物を添加共重合せしめることを特徴とする難
燃性ポリエステル共重合体に関するものである。
【0002】ポリエチレンテレフタレートに代表される
芳香族ポリエステルは、優れた力学的性質を有している
ため、繊維,フィルム,その他のプラスチック成形物と
して広範囲に利用され極めて有用な素材である。併しな
がら、燃焼し易いという欠点を有しており、近年火災に
対する認識の高まりに伴い、難燃化が強く要望されてい
る現状にある。特に燃焼時に有毒ガス(シアン,ハロゲ
ン)の発生が問題視されており、従って有毒ガスの発生
しない難燃化製品の開発が待望されている状況下にあ
る。
【0003】
【従来の技術】ポリエステルを難燃化する試みは従来よ
り種々検討されている。例えば、繊維,フィルムなどの
成形物に難燃化剤を後処理する方法、成形時に難燃化剤
を練り込む方法が知られている。しかし、後処理法では
処理が煩雑であったり不均一であったり、成形物の風合
いを粗硬にしたり、洗濯などで難燃性が低下したりする
等の種々の欠点を有する。又練り込み方法では成形時に
難燃化剤が昇華したり、着色したり或は成形物の機械的
特性を著しく低下させる。更には繊維製品等の成形物を
ドライクリーニングした際に難燃化剤の脱落やブリード
アウトが起り、その結果性能低下や汚染による衛生上の
問題を生ずる等の多くの欠点を有する。
【0004】かかる欠点を改善する方法として、ポリエ
ステルの分子主鎖中の難燃性を付与する原子の一つであ
るリン原子を導入する所謂共重合方法が有効であり、近
年種々の検討がなされて多くの提案がある。例えば特公
昭36−21050号,特公昭38−9447号に、ホ
スホン酸又はホスホン酸エステル類を添加する方法が開
示されている。しかし、このホスホン酸エステル類は一
般に沸点が低いため重合時に系外に留出される或はポリ
エステル製造時に三次元的副反応を起こし成形加工を困
難又は不能となる等の欠点を有する。特公昭36−20
771号には、比較的沸点の高いホスホン酸ビスグリコ
ールエステルを添加共重合する方法が開示されている。
然し乍ら、沸点が高いにも拘らず、重合中に自己縮合に
よる環状の低沸点物が生起し系外へ揮発するものが少な
くないという欠点を有する。
【0005】特公昭53−13479号及び特開昭50
−53354号に、カルボキシホスフィン酸を共重合す
ることが開示されている。かかるホスフィン化合物は揮
発性がなく優れた耐燃性を有している。然しながら、エ
ステル形成性官能基がカルボキシル基とリン酸結合のP
−OH基のため、僅かに反応速度が異なりやや均一性に
欠ける。更に耐熱性の点ではP−O−C結合はP−C結
合に比べ劣るという若干の欠点を有する。又特公昭55
−41610号に、オキサホスファンオキシドとイタコ
ン酸から誘導した含リンジカルボン酸化合物を共重合
する方法が開示されている。この方法も優れた耐燃性を
有している。しかし、複雑な多環構造化合物であるため
立体障害による結晶性,融点,物性等の低下,或は僅か
な光や熱で分子切断が生じ易いという欠点を有する。
【0006】ドイツ特許出願公告公報第1232348
号に、ビス−(p−カルボキシフェニル)−ホスフィン
酸を共重合したポリエステルが開示されているが、染色
改善等のポリエステル変性を目的としたもので、リン含
有量も少なく難燃性は殆ど賦与されない。一方、米国特
許出願公告公報第4127566号に、ビス−(カルボ
キシエチル)メチルホスフィンオキシドを共重合したポ
リエステルが開示されている。このものは良好な難燃性
を示すが、共重合ポリマーの融点低下が大きく、且つ耐
熱性がやや低いという欠点を有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、かか
る従来技術の諸欠点を改善し、少量で有効且つ無公害な
難燃化共重合成分を見い出すことである。
【0008】本発明の第1の目的は、ポリエステル本来
の力学的特性,熱的特性を低下せしめることなく、繊
維、フィルム、樹脂成形物に成形加工し得、白度,耐光
性並びに耐洗濯性に優れた難燃性ポリエステル共重合体
を提供するにある。本発明の第2の目的は、難燃化共重
合成分がポリエステルの重合時或は成形加工時に揮発や
分解或は系外飛散がなく、重合阻害しない耐熱性に優れ
た有用なものである難燃性ポリエステル共重合体を提供
するにある。本発明の第3の目的は、接炎時に人体に有
害なガスの発生がなく極めて自己消性に優れ、工業的
生産が容易且つ安価に製造し得る難燃性ポリエステル共
重合体を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、難燃化共
重合成分につき種々検討し鋭意研究を行なった結果、難
燃性能の観点からP−C結合を有するホスフィンオキシ
ドが、またエステル形成性官能基は線状ポリマーとする
ために二個で対称形であること、この二個の官能基が同
じ反応速度を有すること、そして沸点が高く揮発しない
こと等の点からジカルボン酸基を、更にP−置換基がア
リル基にすることにより著しく耐熱性が向上することを
見出し本発明を完成した。
【0010】即ち本発明は、一般式(I)
【化2】 (式中、Rは炭素原子数6〜9のアリール基,又はアラ
ルキル基,R’は水素原子又は炭素原子数1〜4のアル
キル基,又はヒドロキシアルキル基,R”はH又はメチ
ル基を示す。)で表わされる含リンジカルボン酸化合物
又はその誘導体の少なくとも一種を、ポリエステル中の
リン原子含有量が2,000〜30,000ppmとな
るように共重合せしめたことを特徴とする難燃性ポリエ
ステル共重合体である。
【0011】本発明のポリエステル共重合体に使用する
ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸,イソフタル
酸,2.6−ナフタレンジカルボン酸,1.5−ナフタ
レンジカルボン酸,4.4−ジフェニルジカルボン酸,
ビス−(4−カルボキシフェニル)エーテル,ビス−
(4−カルボキシフェニル)スルホン,1.2−ビス
(4−カルボキシフェノキシ)エタン,5−ナトリウム
スルホイソフタル酸,5−スルホプロポキシイソフタル
酸,ジフェニルp.p’−ジカルボン酸,p−フェニレ
ンジ酢酸,ジフェニルオキシド−p.p’−ジカルボン
酸,trans−ヘキサヒドロテレフタル酸、及びそれ
らのアルキルエステル,アリールエステル,エチレング
リコールエステルなどのエステル形成性誘導体が挙げら
れる。中でも特に有用なものとしては、テレフタル酸,
2.6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とし、これら
の芳香族ジカルボン酸及びアジピン酸,セバシン酸,ア
ゼライン酸,デカメチレンジカルボン酸等の脂肪族ジカ
ルボン酸及びその他のエステル形成性誘導体の1種以上
を10モル%を限度として少量混合して使用することが
できる。
【0012】一方グリコール成分としては、エチレング
リコール,1.2−プロピレングリコール,1.4−ブ
タンジオール,トリメチレングリコール,1.6−ヘキ
サンジオール,1.4−シクロヘキサンジオール,ネオ
ペンチルグリコール,1.4−シクロヘキサンジメタノ
ール,ビスフェノールA,ビスフェノールS,ジエチレ
ングリコール,ポリエチレングリコール,ポリプロピレ
ングリコールなどが挙げられる。中でも有用なエチレン
グリコール,1.4−ブタンジオールを主成分とし、そ
の他のグリコール成分及びエステル成形性誘導体の1種
以上をジオール成分の10モル%を限度とする少量を混
合して使用することができる。
【0013】またオキシカルボン酸成分としては、4−
オキシ安息香酸,4−ヒドロキシエトキシ安息香酸,オ
キシピバリン酸などがあげられるが、これらも必要に応
じ少量添加することができる。
【0014】本発明のポリエステル共重合体が実質的に
線状ポリマーであるならば、必要に応じて少量の一官能
性化合物、例えば安息香酸,ベンゾイル安息香酸,酢
酸,メトキシポリエチレングリコールなど、或は三官能
性以上の化合物、例えばグリセリン,ペンタエリスリト
ール,リン酸化合物及びこれらのエステル形成性誘導体
を添加することもできる。
【0015】本発明によるポリエステルはかかるジカル
ボン酸及びジオール成分並びにリン含有連鎖成員よりな
り、そしてリン含有連鎖成員が一般式
【化3】 (式中、Rは6〜8個のC原子を有するアリール基,又
はアラルキル基,R”は水素又はメチル基を示す)を有
する構造単位である。
【0016】上記式で解るように、分子構造はP−C結
合のホスフィンオキシド骨格を有する左右対称形であ
り、エステル形成性の二つの官能基は共にカルボキシル
基で反応速度は同じである。残基Rはアリル基として
は、例えばC6 5 ,C6 4 −Me,C6 3 −(M
e)2 ,C6 4 −Et,アラルキル基としては、例え
ばC6 5 −CH2 ,C6 4 (Me)−CH2 ,C6
5 −CH2 CH2 ,C63 −(Me)2 −CH2
どが挙げられる。中でも有用なものは、フェニル基,ト
ルイル基であり、特に耐熱性に優れたフェニル基が最も
好ましい。残基R″はH,CH3 である。C2 5 以上
は立体障害を生ずるので好ましくなく、中でもHが好ま
しい。
【0017】上記の特別な構造単位を連鎖成員として含
有するポリエステル共重合体は、例えばテレフタル酸を
主成分とするジカルボン酸成分とエチレングリコールを
主成分とするグリコール成分より、公知の方法でポリエ
ステルを製造するに際し、前記一般式
【化1】で表される含リンジカルボン酸を添加共重合せ
しめて得られる。この含リンジカルボン酸は遊離のジカ
ルボン酸或は環状酸無水物であってもよく、またアルキ
ルエステル,グリコールエステルであってもよい。その
添加の時期は、エステル交換反応工程、或は重縮合前、
重縮合中または重縮合完了の僅か前に、必要に応じて選
び添加する。かかる添加時期によって本発明の物が制約
を受けるものではないが、均質な共重合体を得るために
重縮合中迄の工程で添加することが好ましい。当然のこ
とながら、エステル交換反応及び重縮合反応は公知の触
媒の使用下で行なうことは勿論のことである。
【0018】かかる共重合ポリエステルの製造時或は成
形加工時に、顔料,艶消し剤,蛍光増白剤,熱安定剤,
紫外線吸収剤,酸化防止剤,制電剤及び有機アミン,有
機カルボン酸アミドなどのエーテル結合抑制剤等,必要
に応じて種々使用してもよい。
【0019】一般式(I)で表わされる含リンジカルボ
ン酸成分の量は、得られるポリエステル中のリン原子含
有量が2,000〜30,000ppm、好ましくは
3,000〜20,000ppm、更に好ましくは5,
000〜15,000ppmとなるように添加する。勿
論使用するジカルボン酸及びグリコール成分の組成によ
って異なるが、概ね全酸成分の2〜20モル%の範囲内
である。2,000ppm未満では難燃性に乏しく、一
方30,000ppmより多い場合は、難燃効果が飽和
される上にポリエステル本来の諸特性を著しく低下せし
めるので好ましくない。勿論高含量のポリエステル共重
合体を一旦製造し、目的のリン含有量となるように通常
のポリエステルと混合して成形加工することも出来る。
【0020】本発明の一般式(I)で表される含リンジ
カルボン酸化合物としては、ビス−(2−カルボキシメ
チル)フェニルホスフィンオキシド、ビス−(2−カル
ボキシメチル)m−トルイルホスフィンオキシド、ビス
−(2−カルボキシメチル)p−トルイルホスフィンオ
キシド、ビス−(2−カルボキシメチル)キシリルホス
フィンオキシド、ビス−(2−カルボキシメチル)ベン
ジルホスフィンオキシド、ビス−(2−カルボキシメチ
ル)m−エチルベンジルホスフィンオキシド、及びこれ
らの環状酸無水物、或はこれらのメチルエステル、エチ
ルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、エチ
レングリコールエステル、プロピレングリコールエステ
ル、ブタンジオールとのエステルなどが挙げられる。
【0021】これらの含リンジカルボン酸化合物はp−
置換ジクロロホスフィンにマロン酸エステル類を反応し
て製造する方法、或はp−置換ジクロロホスフィン又は
ジクロロホスフィンオキシドとグリニャール試薬、或は
有機金属化合物を反応して製造する方法がある。しか
し、反応収率、操作性、品質等の観点から前者のp−置
換ホスフィンにマロン酸エステル類、例えばマロン酸エ
チル、マロン酸メチル等を反応して製造する方法が好ま
しい。
【0022】例えばビス−(2−カルボキシメチル)フ
ェニルホスフィンオキシドは、ジクロロフェニルホスフ
ィンとマロン酸エチルを反応させた後、酸性にし次いで
加熱処理して得られる化合物を、過酸化水素などの酸化
剤を用いて酸化することにより得られる。
【0023】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明の難燃性ポリエ
ステル共重合体は、ポリエステルの主鎖中に難燃性を付
与するリン原子が導入されているので、成形物に加工す
る過程或は成形物の使用中や洗濯等の処理で溶出や脱落
がなく難燃性能が低下することのない恒久性を有した有
用なものである。また難燃性を付与する原子がリン原子
のみで、成形物が炎と接しても人体に有害なガスの発生
がなく、極めて安全性が高い有用なものである。
【0024】本発明で得られた難燃性ポリエステル共重
合体は、通常の方法により繊維及び糸に紡糸し、延伸し
そして後処理できる上、製織,製編も特別な配慮をする
ことなく通常の織機,編機を使用することが出来る。ま
た通常のポリエステルやカチオン可染ポリエステルなど
と混合紡糸、或は複合紡糸をしたり、前記ポリエステル
綿,アクリル等の他の繊維と混合した糸を、他の繊維糸
を用いて多層構造の織編物とするなど、公知の技術によ
り各種の難燃性ポリエステル繊維製品を得ることが出来
る。更にフィルムや箔,或はボトルなどの成形加工品も
通常の方法で押出,圧縮或は射出成形により容易に難燃
性製品を得ることができる。かかる繊維製品及び成形体
を例示すれば、例えば厚地織物,衣料,カーペット,カ
ーテン,不織布,ズック,ボトル,フィルム,構造部
品,機械的伝導部品等が挙げられる。
【0025】
【実施例】以下実施例により本発を具体的に説明する。
実施例中「部」とあるのは全て「重量部」を意味する。
固有粘度「η」は、フェノール/テトラクロロエタン=
6/4の混合溶剤中20℃で常法により求めた。融点は
DSCの吸熱ピークで求めた。また難燃性の評価は、4
5°コイル法による接炎回数(JIS L−1091
D)、或は限界酸素指数(JIS K−7201)法に
準じて測定し示した。
【0026】反応例1 攪拌機、滴下漏斗、窒素導入管、還流冷却器を取り付け
た1lの四口フラスコを設置し、窒素ガスをフローしな
がら300ccのエタノ−ルを加える。次いで氷冷下攪
拌しながら23.8gの金属ナトリウムの小片を徐々に
加える。金属ナトリウムがすべて消失した後、反応液を
50℃まで昇温させ更に166gのマロン酸ジエチルを
2時間要して滴下する。その後、92gのジクロロフェ
ニルホスフィンを徐々に滴下し、反応液が中性を示す時
点まで2時間反応した。この際、激しい発熱が生じるの
で、必要であれば水浴或いは氷浴で冷却する。
【0027】反応終了後、溶媒を留去し、残渣に水を加
え生じた塩化ナトリウムと反応物を分離した。その後、
塩化ナトリウムを除去した反応混合物を130ccの濃
塩酸と水の混合物中に入れ、溶液が均一になるまで6時
間還流温度で加熱した、その後、溶媒を留去し残渣をメ
タノ−ルで再結晶し、98.6gのビス−(2−カルボ
キシメチル)−フェニルホスフィンを得た。この物の元
素分析結果、理論値によく合致していた。 理論値 C;53.11,H;4.90,P;14.5
8 分析値 C;52.87,H;4.59,P;14.3
【0028】反応例2 反応例1により得られた83gのビス−(2−カルボキ
シメチル)−フェニルホスフィンを2.5倍の酢酸に溶
解し、内温を60℃に保ち均一に溶解させた。攪拌下、
68gの30%過酸化水素を内温60−70℃に保ちな
がら約1時間要して滴下した。その後、75℃で15分
間、更に活性炭を加え100℃まで上昇させ15分間加
熱攪拌した。冷却後、エバポレ−タ−で酢酸を留去し、
88gのビス−(2−カルボキシ)−フェニルホスフィ
ンオキシドを得た。この物の元素分析結果、理論値によ
く合致していた。 理論値 C;49.60,H;4.58,P;12.7
9 分析値 C;49.35,H;4.29,P;12.4
【0029】実施例1 ジメチルテレフタレート95部、エチレングリコール7
2部、及び上記反応例により得たビス−(カルボキシメ
チル)フェニルホスフィンオキシド7部、酢酸亜鉛0.
04部を反応容器に投入し、150℃から220℃に加
熱して生成するメタノールを連続的に系外に留去しなが
ら3時間エステル交換反応を行なわせた後、更に三酸化
アンチモン0.03部を添加し、徐々に昇温しつつ内圧
を減じ、最終的に280℃,0.3mmHgで3時間重
縮合を行った。次いで、このポリマーを索状に押出し切
断して2.5mmφX3mmの大きさのペレットとし
た。得られたポリマーは、固有粘度「η」0.60、融
点248℃であった。
【0030】このペレットを水分率0.005%まで乾
燥した後、エクストルーダにて、紡糸温度288℃巻取
り速度800m/分で溶融紡糸し、続いて倍率3.9
倍、延伸速度1000m/分、85℃のローラヒータで
延伸し、150℃のプレートヒータでセットして、75
d/24fの延伸糸を得た。糸質は引張強度4.7〜
5.8g/d、伸度30〜40%と良好であった。
【0031】この延伸糸を2本合糸し、筒編機で筒編み
し精練した後、難燃性の試験を行なった。難燃性試験
は、筒編物を重さ1g,長さ100mmになるように切
り取り、45°コイル法のよる接炎回数を求めた。
【0032】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 63/692 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中、Rは炭素原子数6〜9のアリール基,又はアラ
    ルキル基,R’は水素原子又は炭素原子数1〜4のアル
    キル基,又はヒドロキシアルキル基,R”はH又はメチ
    ル基を示す。)で表わされる含リンジカルボン酸化合物
    又はその誘導体の少なくとも一種を、ポリエステル中の
    リン原子含有量が2,000〜30,000ppmとな
    るように共重合せしめたことを特徴とする難燃性ポリエ
    ステル共重合体。
  2. 【請求項2】 ポリエステルがテレフタル酸又はそのエ
    ステル形成性誘導体を主成分とする二官能性カルボン酸
    成分とエチレングリコール又はそのエステル形成性誘導
    体を主成分とするグリコール成分とよりなる請求項1記
    載の難燃性ポリエステル共重合体。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の難燃性ポリエステル共重
    合体からなる繊維。
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