JP3051206B2 - 酸素センサ - Google Patents

酸素センサ

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  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Fluid Adsorption Or Reactions (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄型で消費電力が小さ
く、検知性能の良好な限界電流式酸素センサに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】いわゆ
る酸素センサと言われているものには、大きく分けてガ
ルバニ式、濃淡電池式、限界電流式の3つのタイプがあ
る。このなかで、限界電流式の酸素センサは濃淡電池式
で用いられるような基準エアが不要であり、またガルバ
ニ式のような定期的な校正も不要である点で使用しやす
く、近年では、家電製品等の一部にも装着されるように
なってきた。
【0003】限界電流式の酸素センサは、酸素イオンの
伝導体である固体電解質の基板の両面に電極を設けると
ともに、酸素ガスが一方の電極に到達するのを構造的に
制限しておき、この電極間に電圧を印加して酸素ガスの
イオン電流を生じさせ、電極間に流れる電流値(限界電
流値)を測定することにより酸素ガスの濃度を測定する
ものであり、代表的には図5に示す構造を有する。図5
に示す酸素センサ10においては、固体電解質基板2の
両面に多孔質の電極3a、3bが設けられており、電極
3aを陰極とするように電源が接続されている。陰極3
a側には、上記の固体電解質基板2と封止板5とスペー
サ4とにより内部室7が形成されており、この内部室7
は、多孔質の電極3a、3bの孔部、及び固体電解質基
板2に設けられた微小の拡散孔8によりのみ外部に連通
している。また、この酸素センサ10では、封止板5上
にヒータ6が形成されている。固体電解質のイオン伝導
度は高温になるにつれて大きくなるが、イオン伝導度を
高める目的で酸素センサ自体を400℃程度に加熱する
ためにこのヒータ6が設けられている。なお、固体電解
質基板2はジルコニア系の材料(たとえばジルコニア/
イットリア)から形成され、また電極3a、3bは、白
金系の材料から形成されるのが一般的である。
【0004】上記の構造とすると、センサの外部から多
孔質の電極3b及び拡散孔8を通して内部室7に流入し
た酸素ガスは、多孔質の電極3aを通過して固体電解質
基板2の表面に到達し、電極3aと固体電解質基板2と
の界面でイオン化されて酸素イオンとなる。電極3a、
3b間に電圧が印加されているので(電極3aが陰極で
ある)、酸素イオンは電極3bに向かって移動する。そ
して電極3bで酸素イオンが再び酸素分子となり、電極
3bの孔部を通過して外部に放出される。このように、
酸素のイオン化及びイオンのガス化に伴う電荷の移動が
生じるので、電源とセンサを繋いだ回路に電流が流れ
る。回路に流れる電流は、印加電圧を大きくするとそれ
に伴い増大するが、固体電解質基板2に設けた拡散孔8
からの酸素ガスの流入速度よりも陰極における酸素分子
のイオン化速度が大きい場合には、流入するガス量が制
限される(律速になる)ことになり、電極に印加する電
圧を大きくしていっても、ある特定の電圧値以上では回
路を流れる電流値が実質的に変わらなくなる。この状態
は限界電流状態と呼ばれるが、この限界電流状態におけ
る電流値(限界電流値)は酸素ガスの分圧(濃度)を反
映したものであり、この限界電流値を測定することで酸
素ガスの分圧(濃度)を検知する。
【0005】このタイプの酸素センサ素子では、その構
造から、素子の熱容量をそれほど小さくすることができ
ず、消費電力が大きくなる欠点を有する。上述した通
り、近年、酸素センサは各種家電製品にも実装されるよ
うになり、低消費電力化は特に重要である。消費電力を
小さくするには、作動温度を下げることが考えられる
が、そのためには固体電解質のイオン伝導度を大幅に増
大させるか、電極の性能を増大させるかの改善をしなけ
ればならない。しかしながら、これらを実現するのは実
際には困難である。
【0006】そこで、センサのサイズを小さくして消費
電力を小さくすることが目指されるが、具体的には、素
子を薄膜型にすることが考えられる。センサを薄膜型に
すれば生産コストの大幅な低減も期待され、さらに、固
体電解質基板の薄肉化によりインピーダンスを小さくす
ることができ、よって検出電流値も大きくすることがで
きる利点を有する。
【0007】このような理由から、薄膜型の酸素センサ
が多方面から研究開発されており、多くの提案がなされ
ている。
【0008】その中の代表的な例として、図6に示すよ
うな薄膜型の酸素センサがある。この酸素センサ20で
は、多孔質の基板12上に、陰極となる多孔質の電極3
aと、緻密な固体電解質層14と、陽極となる多孔質の
電極3bとが順に形成されてなり、陰極3aは緻密な固
体電解質層14により覆われている。また、多孔質の基
板12の反対側の面にヒータ6が形成されている。この
酸素センサ10では、酸素ガスの流入(陰極3aへの酸
素ガス流)の律速状態は、多孔質の基板12の細孔によ
り達成される。
【0009】また、図7に示すような薄膜型の酸素セン
サ30も提案されている。ここで酸素センサ30は、多
孔質の基板12上に陽極となる多孔質の電極3bと、緻
密な固体電解質層14と、陰極となる多孔質の電極3a
とが順に形成されており、多孔質の陽極3bは緻密な固
体電解質層14により覆われている。さらに、陰極3a
と、緻密な固体電解質層14と、陽極3bとがなす積層
部分は、多孔質の保護膜層17により覆われており、こ
の多孔質の保護膜層17により、陰極3aへの酸素ガス
流の律速状態が達成される。なお、ヒータ6は多孔質の
基板12の反対側の面に形成されている。
【0010】上記した2つの酸素センサにおいては、い
ずれも多孔質の電極間に緻密な固体電解質層を形成して
おく方式を採用しているが、薄型の酸素センサとするに
は、電極に挟まれる固体電解質層を薄膜化することが必
要である。通常、ある基板上に薄膜を形成する場合に、
PVDやCVDが主として採用されるが、多孔質の基板
上にPVDやCVDにより緻密な薄膜を形成するのは、
一般に困難である。図6及び図7に示す酸素センサ20
及び30を製造する場合、多孔質の基板12上にまず多
孔質の薄い電極(酸素センサ20では電極3a、酸素セ
ンサ30では電極3b)を形成し、その上に緻密な固体
電解質薄層を形成しなければならないが、上記したよう
に、PVDやCVDではこの緻密な固体電解質薄層を規
格通りに形成するのは困難である。また、PVDやCV
Dによらずに他の方法により固体電解質層を形成しよう
とすると、固体電解質層はかなり厚くなってしまい、セ
ンサの薄型化を達成することができなくなる。
【0011】また、特に図6に示す酸素センサ20にお
いては、多孔質の基板12の細孔が酸素の拡散律速を与
えることになるが、酸素センサの量産を考えた場合、基
板となるような比較的厚い多孔質板においては、その多
孔度、細孔の径の分布、基板の厚さ等にある程度のバラ
ツキが生じることは否めない。多孔質の基板にこのよう
なバラツキが存在すると、当然のことながら酸素センサ
における限界電流値にもバラツキが生じることになり、
好ましくない。
【0012】さらに、図6及び図7に示す酸素センサ2
0及び30では、多孔質基板12の一方の面に、素子加
熱用のヒータ6を形成するが、多孔質の基板上に抵抗値
のそろった薄膜状のヒータを形成するのは極めて難し
い。というのは、基板の凹凸がヒータ薄膜の膜構造に反
映し、ヒータ抵抗値のバラツキが生じるからである。
【0013】したがって、本発明の目的は、上述した各
欠点を克服し、薄型で消費電力が小さく、検知性能の良
好な限界電流式酸素センサを提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、緻密で、かつ電気絶縁性の高い基
板の一方の面上に、それぞれが酸素ガスが拡散しうる孔
径を有する多孔質の材料からなる薄膜状陰極と、薄い固
体電解質層と、薄膜状陽極とをその順に積層した構造の
酸素センサとすれば、比較的容易に電極と固体電解質層
との積層部を形成することができ、また、上記の多孔質
の積層部(電極と固体電解質層)における多孔度、細孔
の径の分布等も比較的容易に規定できるので、薄型で、
検知性能の良好な限界電流式酸素センサとすることがで
きることを発見し、本発明を完成した。
【0015】すなわち、本発明の限界電流式酸素センサ
は、緻密で、かつ電気絶縁性の高い基板の一方の面上
に、酸素ガスが拡散しうる孔径を有する多孔質の薄膜状
陰極と、酸素イオン伝導性を有するとともに酸素ガスが
拡散しうる孔径を有する多孔質の固体電解質薄層と、酸
素ガスが拡散しうる孔径を有する多孔質の薄膜状陽極と
がその順に積層されてなることを特徴とする。
【0016】
【実施例】以下、本発明を添付図面を参照して詳細に説
明する。図1は本発明の一実施例による酸素センサを示
す概略断面図である。酸素センサ1は、緻密で電気絶縁
性の高い材料からなるセンサ基板16と、酸素ガスが拡
散しうる孔径を有する多孔質の薄膜状電極3a、3b
と、やはり酸素ガスが拡散しうる孔径を有する多孔質の
薄い固体電解質層18とを有し、緻密な材料からなるセ
ンサ基板16の一方の面上に、多孔質の電極3aと、多
孔質の薄い固体電解質層18と、多孔質の電極3bとが
その順に積層されている。ここで、多孔質の電極3aが
陰極に、多孔質の電極3bが陽極となるように結線され
ており、両電極は外部電源及び電流計(ともに図示せ
ず)に接続されている。図からわかるように、陰極3a
と陽極3bとは多孔質の薄い固体電解質層18により離
隔されている。
【0017】また、センサ基板16の他方の面上には、
蛇行する薄肉のヒータ6が形成されており、外部電源
(図示せず)に接続している。
【0018】センサの基板16は、緻密で、かつ電気絶
縁性の高い材料から形成されている。このセンサの基板
16としては、Al2 3 あるいはSiO2 等のセラミック
スを用いることができる。
【0019】基板16が緻密なものであると、その面上
に、スパッタリング等の手法で所望の多孔度を有する多
孔質電極3aを容易に形成することができる。また、電
極の形成面の反対側の面に設けるヒータ6を、抵抗値の
バラツキが少ないように形成することができる。
【0020】なお、緻密な基板16の厚さは使用する材
質により異なるが、基本的にはセンサ部を支持するのに
十分な強度があればできるだけ薄いほうが好ましく、ア
ルミナ材を使用した場合では、約200μmで十分であ
る。
【0021】緻密な基板16上に設けられる陰極3a及
び固体電解質層18の上に設けられる陽極3bは、触媒
活性化電極として機能するため、Pt、Pd、Ag、Rh、In等
の金属材料、もしくはこれらの合金材料、又は、シンタ
リングを防止するためにこれらの金属材料のうちの少な
くとも1種と、ジルコニアや窒化硼素等の難焼結材との
混合物を用いるのが好ましい。特にPt、又はPtとジルコ
ニアの混合物を用いるのが好ましい。
【0022】各電極は、前述の通り、スパッタリング法
により形成することができる。スパッタリングで多孔質
膜(電極3a)を成膜する場合には、上記した緻密な基
板16の表面粗さをあらかじめ所望の粗さに調節してや
ることで、その多孔度を調節することができる。また、
成膜時のスパッタリングの条件(特に、ガス圧、基板の
温度、スパッタの出力)を調節することでも多孔度を調
節することができる。なお、スパッタリング法では、ガ
ス圧を10mTorr 〜50mTorr 程度に制御しておけば、
所望の多孔度を有する多孔質膜(電極)を容易に形成す
ることができる。
【0023】貫通機構の開孔総面積Sと固体電解質層の
厚さlとの比S/lは限界電流の値を決める重要な因子
である。たとえば、固体電解質層の厚さを5μmとした
場合、開孔面積率が0.05%程度では限界電流値は2
0〜30μAである。この場合の開孔の個々の孔径はサ
ブミクロンのオーダーの値である。
【0024】固体電解質層18を形成する材料として
は、酸素イオン伝導体であるジルコニア系セラミックス
を用いる。このとき、ジルコニアに安定化剤としてイッ
トリア、カルシア、セリア等の少なくとも1種を添加し
たものを用いるのがよい。
【0025】本発明では、上述の通り多孔質の陰極3a
上に多孔質の固体電解質層18と、やはり多孔質の陽極
3bとを順に積層した構造とするが、一旦、所望の多孔
度を有する陰極3aを緻密な基板16上に形成すれば、
その上には、スパッタリング法により、陰極3aと同等
の多孔度を有する固体電解質層18を容易に形成するこ
とができる。同様にして、この固体電解質層18の上
に、さらに、固体電解質層18と同様な多孔度を有する
陽極3bを容易に形成することができる。
【0026】なお、両電極及び固体電解質層における平
均の細孔径は、上述の通りサブミクロン以下の大きさと
なるが、この程度の大きさの細孔内を酸素分子が拡散す
る場合には、その拡散はいわばクヌッセン拡散となる。
クヌッセン拡散では、拡散の状態は気体分子同士の衝突
に支配されるのではなく、気体分子と多孔質層における
細孔壁との衝突に支配されることになる。本発明では、
酸素分子の拡散律速状態を所望のものとするように(酸
素センサの検知性能を所望のものとするために)、固体
電解質層及び電極の厚み及び固体電解質層の細孔径を適
宜設定する。
【0027】緻密な基板16のもう一方の面に形成され
るヒータ6は、基板16上に面状または線状に発熱体を
形成してなるものであり、白金ペーストを用いたスクリ
ーン印刷やフォトリソグラフィー等の方法で形成するこ
とができる。ヒータ6は酸素センサの温度を所望の高温
(300〜500℃程度)に保ち、固体電解質層18の
イオン伝導度を良好にするために設けられる。
【0028】なお、電極3a、3b及びヒータ6に接続
するリード線としては白金線等を用いることができる。
【0029】以上に示した酸素センサ1による酸素濃度
の検知原理を、先に示した図1及び図2により説明す
る。
【0030】まず、大気中の酸素は陽極3b、固体電解
質層18の細孔を通過して陰極3aに到達する。陽極3
b及び固体電解質層18ともに多孔質であるので大気中
の酸素分子は容易に陰極3aに到達することができる。
陰極3aに到達した酸素分子はそこでイオン化される。
両電極間には電圧が印加されているので、イオン化され
た酸素分子は固体電解質層18を通って陽極3b側に移
動し、陽極3bに到達した時点で再び酸素分子となり、
大気中に放出される。
【0031】上述した通り、陽極3b及び固体電解質層
18の細孔により酸素分子の拡散律速が達成されるの
で、通常の限界電流式センサと同様にして、両電極間に
流れる電流値を測定することにより酸素濃度が測定でき
る。
【0032】以上、本発明を添付図面を参照して説明し
たが、本発明はこれに限定されず、本発明の思想を逸脱
しない限り、種々の変更を施すことができる。たとえ
ば、固体電解質層18及び陰極3aの側面部からの酸素
の流入を防止する目的で、固体電解質層18と陰極3a
の外周部全体に、電気的絶縁性を有し、かつ、酸素を透
過させない緻密な層を設ける構造とすることもできる。
【0033】以下の具体的実施例により、本発明をさら
に詳細に説明する。実施例1 図1に示す構造のガス検知素子を以下の要領で作成し
た。まず、緻密な基板16として、2mm角のアルミナ板
(密度99.99 %、厚さ0.2mm )を用いた。
【0034】次に、このアルミナ板の一方の表面上に、
RFスパッタリング法により白金からなる多孔質の陰極
3aを形成した。この陰極3aの厚さは0.3μmであっ
た。なお、スパッタリングの条件は、スパッタ出力3.8
W/cm2 、基板温度300 ℃、アルゴンガス圧25mTorr
とした。
【0035】基板16上に陰極3aを形成したのち、ア
ルゴンガス/酸素ガスの混合ガスを用い、このガス圧30
mTorr で、スパッタ出力2.5 W/cm2 、基板温度300 ℃
の条件で、ターゲット材としてZrO2 /Y2 3 を用
い、Y23 を8モル%含有するZrO2 からなる多孔質
の固体電解質層18を形成した。この固体電解質層18
の厚さは5μmであった。
【0036】さらに、上記で得た固体電解質層18の上
に、陰極3aの形成と同様の条件で陽極3bを形成し
た。陽極3bの厚さは0.3 μmであった。
【0037】次に、薄膜法により、その抵抗値を35オー
ムに制御した白金からなるヒータ6を緻密な基板16の
もう一方の面に形成した。
【0038】上記で得られた酸素センサを大気中で、約
600℃で60分間の熱処理を行い、多孔質の電極及び固
体電解質層の歪みを除去するとともに、固体電解質層に
おける酸素の安定化を図った。
【0039】得られた酸素センサの電極間に電圧を印加
し、電極印加電圧と酸素センサの出力(電流値)との関
係を調べた。なお、この試験は大気中で行った。結果を
図3に示す。
【0040】図3からわかるように、本実施例における
酸素センサでは、電極印加電圧が0.7V以上で、出力
がプラトー域に入り、限界電流が得られた。
【0041】実施例2 固体電解質層の形成を熱CVD法により行った以外は、
実施例1と同様にして酸素センサを作成した。
【0042】なお、熱CVD法では、Zr(DPM)4
Y(DPM)3 とを出発物質とし、約600℃での反応
を行った。
【0043】得られた酸素センサについて、実施例1と
同様にして電極印加電圧と酸素センサの出力(電流値)
との関係を調べた。なお、この試験は、大気中で、30
0〜500℃の複数のセンサ作動温度で行った。結果を
図4に示す。
【0044】図4からわかるように、熱CVD法による
固体電解質層を有する酸素センサも、良好に酸素濃度の
検知をすることができる。また、センサの作動温度依存
性をみると、高温であるほど低い印加電圧で限界電流が
得られることがわかる。また、約350℃以上に作動温
度を設定すれば、良好な酸素検知を行うことができ、酸
素センサの寿命も長くなることが期待できる。
【0045】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明による酸素セ
ンサは、緻密な基板上に、多孔質の陰極、多孔質の固体
電解質層及び多孔質の陽極を積層する構造を有するの
で、積層部分の多孔質部の多孔度を制御して形成するの
が容易となり、もって、高精度の酸素センサとなる。ま
た、固体電解質層をスパッタリングやCVD法により形
成することができるので、固体電解質層を薄くすること
ができ、もって酸素センサを薄型にできる。
【0046】また、緻密な基板を用いるので、その一方
の面に設けられるヒータの抵抗値も高精度に製作するこ
とが容易となり、高信頼性の酸素センサとなる。特に、
小型化、低電流化を達成するには、ヒータの厚さ及び線
巾を小さくすることができるので、好都合である。
【0047】本発明の酸素センサは、一般家庭用のルー
ムモニタから、工業用の酸欠モニタ、酸素濃度制御用の
酸素濃度検知装置等に幅広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による酸素センサを示す概略
断面図である。
【図2】図1に示す酸素センサの酸素検知原理を説明す
る模式図である。
【図3】実施例1における印加電圧と出力電流値の関係
を示すグラフである。
【図4】実施例2における印加電圧と出力電流値の関係
を示すグラフである。
【図5】従来の限界電流式ガス検知素子の一例を示す概
略断面図である。
【図6】従来の限界電流式ガス検知素子のもう一つの例
を示す概略断面図である。
【図7】従来の限界電流式ガス検知素子の別な例を示す
概略断面図である。
【符号の説明】
1、10、20 酸素センサ 3a、3b 電極 6 ヒータ 12 多孔質基板 14 緻密な固体電解質層 16 緻密な基板 17 多孔質保護層 18 多孔質固体電解質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大矢 裕之 埼玉県熊谷市熊谷810番地 株式会社リ ケン熊谷事業所内 (72)発明者 中野内 幸雄 埼玉県熊谷市熊谷810番地 株式会社リ ケン熊谷事業所内 (56)参考文献 特開 昭64−78149(JP,A) 特開 昭55−166040(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 27/41

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 限界電流式の酸素センサにおいて、緻密
    で、かつ電気絶縁性の高い基板の一方の面上に、多孔質
    の薄膜状陰極と、酸素イオン伝導性を有するとともに酸
    素ガスが拡散しうる孔径を有する多孔質の固体電解質薄
    層と、酸素ガスが拡散しうる孔径を有する多孔質の薄膜
    状陽極とがその順に積層されてなることを特徴とする酸
    素センサ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の酸素センサにおいて、
    前記基板の他方の面上にヒータが形成されていることを
    特徴とする酸素センサ。
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