JP3051163B2 - ポリエーテルアクリレートを含有する光学ガラス繊維用一次被膜 - Google Patents

ポリエーテルアクリレートを含有する光学ガラス繊維用一次被膜

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Description

【発明の詳細な説明】 関連のある出願との相互関係 本願は、1989年9月6日に出願した米国特許出願第07
/403,596号明細書に一部係属している。
技術分野 本発明は、高い硬化速度、増大された硬化被膜付着力
および安定性、減少された吸水力および顕著な低温性能
を示す光学ガラス繊維用一次被膜に関する。
発明の背景 光学ガラス繊維は、しばしば二重に重ねられた光硬化
した被膜で被覆されている。ガラスと接触する被膜は、
比較的に軟質な一次被膜である。照射された外側被膜
は、著しく硬質の二次被膜であり、これは、取扱力に対
する望ましい耐性、例えば繊維をケーブル被覆する際に
対面するものを備えている。
光学ガラス繊維を、通常は紫外線を使用して光硬化被
膜組成物で被覆することは、今日よく知られている。光
硬化組成物は、迅速な硬化速度の故に選択される。より
迅速な速度は、一般に、光学ガラス繊維の製造を増大さ
せるために望ましい。
(メタ)アクリレート末端基を有するポリウレタンを
包含する常用の組成物から得られた被膜は、一次被膜と
して利用するには硬質すぎ、殊に低い使用温度で乏しい
付着力およびミクロ的曲げに対する耐性を示す。低いガ
ラス転移温度(Tg)を有するポリエーテルアクリレート
単量体を適当な可撓性を得るのに十分な量で前記組成物
に添加する場合には、被膜の耐水性および付着力は、通
常減少されており、これは望ましいことではない。
また、ガラス繊維の表面に付着させかつ吸水力に抵抗
するために硬化された一次被膜の能力は保持されるのだ
けれども、さらに光硬化組成物の硬化速度を増大させる
ことも望ましい。
本発明によれば、(メタ)アクリレート末端基を有す
るポリウレタン、アルコキシル化フェノールの(メタ)
アクリレートおよび低いTgを有するモノ(メタ)アクリ
レートを有することを特徴とする、光学ガラス繊維用一
次被膜として適当な組成物が得られる。この組成物から
得られた被膜は、良好な付着力、可撓性、耐水性および
低温ミクロ的曲げ耐性を示す。
発明の総括 光学ガラス繊維のための一次被膜を得るのに適した光
硬化可能な液体被膜組成物が開示されている。この被膜
組成物は、(1)数平均分子量約500〜約2000ダルトン
を有するプレポリマー、ジイソシアネートおよびヒドロ
キシ(メタ)アクリレートの反応生成物である数平均分
子量約2500〜約10000ダルトンを有する(メタ)アクリ
レート末端基を有するポリウレタン(“アクリレート化
ポリウレタン”)を被膜組成物の全重量に対して約40〜
約80重量%;(2)C2〜C4酸化アルキレンでアルコキシ
ル化されかつフェノール1モル当たり酸化物約1〜約10
モルを含有する未置換またはC1〜C10アルキル置換フェ
ノールの(メタ)アクリレートを約5〜約50重量%;か
つ(3)約−45℃以下のガラス転移温度(Tg)を有する
少なくとも1つのアルキルアクリレートを約5〜約30重
量%含有する。
更に、この組成物は、約40℃よりも高いTgを有しかつ
被膜組成物の全重量に対して約1〜約15重量%の範囲内
の量で存在する強い水素結合能力を有するモノエチレン
性不飽和物質を包含することができる。
また、常用の光開始剤は、紫外線および近紫外線波長
範囲の可視光線によって重合を開始させるために存在す
る。
光ガラス繊維上に本発明による被膜組成物から得られ
た被膜は、常用の一次被膜と比較して、良好な付着力な
らびに増大された加水分解安定性および熱安定性、減少
された吸水性および顕著な低温性能、例えば改善された
ミクロ的曲げ耐性を備えている。
前記のように、ポリエーテルアクリレート単量体は、
(メタ)アクリレート末端基を有するポリウレタンを包
含する組成物から得られた被膜中に可撓性を導入するた
めに利用することができる。しかし、このポリエーテル
アクリレート単量体は、通常、被膜の耐水性および付着
力を減少させる。これとは異なり、本発明による組成物
は、前記に組成物の成分“(2)”として記載されたフ
ェノールを基礎とする(メタ)アクリレートポリエーテ
ルを利用し、軟質さおよび可撓性をアクリル化されたポ
リウレタンから得られた被膜中に導入し、望ましい程度
の耐水性および付着力を維持する。このポリエーテルの
使用は、常用のものではない。それというのも、ポリエ
ーテルは、典型的に耐水性および付着力を減少させるか
らである。また、硬化速度は増大され、このことは、望
ましいことである。
好ましい実施態様の詳細な記載 本発明は、数多くの異なる形での実施態様が可能であ
るのだけれども、本発明による好まし実施態様が記載し
てある。しかし、本発明の開示は、発明の原理の例示と
して考慮されるべきであり、本発明を記載した実施態様
に限定することを意図するものではない。
光学ガラス繊維のための一次被膜を得るのに適した光
硬化可能な液体被膜組成物が開示されている。この被膜
組成物は、次のもの:(1)数平均分子量約500〜約200
0ダルトンを有するプレポリマー、ジイソシアネートお
よびヒドロキシ(メタ)アクリレートの反応生成物であ
る数平均分子量約2500〜約10000ダルトンを有する(メ
タ)アクリレート末端基を有するポリウレタン(アクリ
レート化ポリウレタン)を被膜組成物の全重量に対して
約40〜約80重量%;(2)C2〜C4酸化アルキレンでアル
コキシル化されかつフェノール1モル当たり酸化物約1
〜約10モルを含有する未置換またはC1〜C10アルキル置
換フェノールの(メタ)アクリレート〔アルコキシル化
フェノールの(メタ)アクリレート〕を約5〜約50重量
%;かつ(3)約−45℃以下のガラス転移温度(Tg)を
有する少なくとも1つのアルキルアクリレートを約5〜
約30重量%含有する。
“ダルトン”の用語は、種々の文法形式で使用される
ように、炭素12の1/12の質量である質量単位を定める。
“(メタ)アクリレート”の用語およびその種々の文
法的形は、アクリル酸またはメタクリル酸と、ヒドロキ
シ基含有化合物との反応生成物であるエステルと同一で
ある。
“アルキルアクリレート”の用語は、例えばヘキシル
アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプ
チルアクリレート、n−オクチルアクリレートおよびイ
ソオクチルアクリレートのようなアルキル置換アクリレ
ートと同一である。
“ガラス転移温度”の用語は、その種々の文法的形で
参照物質の単独重合体がガラス質の状態から可塑性の状
態に変化する温度として定義される。
(メタ)アクリレート末端基を有するポリウレタン
は、プレポリマーと、有機ジイソシアネートと、ヒドロ
キシ(メタ)アクリレートとの反応生成物である。
プレポリマーは、末端(メタ)アクリレート官能基が
ジイソシアネートの使用によって添加される酸素原子お
よび/または窒素原子を有することができる炭素鎖であ
る。プレポリマーの選択は、オリゴマー含有組成物から
得られた被膜の物理的性質に影響を及ぼす。
プレポリマーは、イソシアネート基、例えばヒドロキ
シ基、メルカプト基、アミン基または類似の基と反応す
る平均で少なくとも約2個のプレポリマー官能基を有す
る。この場合、1つの好ましいプレポリマー官能基は、
ヒドロキシ基である。
プレポリマーの数平均分子量は、約500〜約3000、有
利に約800〜約2000ダルトンである。
プレポリマーは、本質的にポリカーボネート、ポリエ
ステル、ポリエーテルおよびこれらの混合物からなる群
から選択される。
上記の全てのプレポリマーは、アルコキシル化フェノ
ールの(メタ)アクリレートと一緒に利用する場合に改
善された結果を提供するにも拘わらず、ポリカーボネー
トジオールは、殊に加水分解安定性および酸化安定性の
観点から見て卓越した結果を生じ、したがって好まし
い。
ポリカーボネートジオールは、常法でジエチルカーボ
ネートまたはジフェニルカーボネートとジオールとのア
ルコーリシスによって得られる。ジオールは、約2個〜
約12個の炭素原子、有利に約4個〜約8個の炭素原子を
有するアルキレンジオール、例えば1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、1,12−ドデカンジオール
および類縁物である。また、これらのジオールの混合物
を利用することもできる。ポリカーボネートジオール
は、カーボネート基以外に骨格中にエーテル結合を含有
することができる。従って、アルキレンエーテルジオー
ルのポリカーボネート共重合体および前記のアルキレン
ジオールは、適当である。適当なアルキレンエーテルジ
オールは、トリエチレングリコール、トリプロピレング
リコールおよび類縁物を包含する。この共重合体は、ポ
リカーボネートジオール単独重合体と比較して、低い弾
性率を示す硬化された被膜を生じ、ならびに液体被膜組
成物の結晶化度を示す。また、ポリカーボネートジオー
ルと、ポリカーボネート共重合体ジオールとの混合物を
利用することもできる。
適当なポリカーボネートジオールは、ピー・ピー・ジ
ー社(PPG Industries)から商業的に入手できるデュ
ラカルブ(Duracarb)122およびパームタン社(Permuth
ane,Inc.,MA)から商業的に入手できるパーマノール(P
ermanol)KM 10−1733を包含する。デュラカルブ122
は、ジエチルカーボネートと、ヘキサンジオールとのア
ルコーリシスによって得られる。
例示されたポリエステルは、ポリブチレンアジペー
ト、ポリカプロラクトンおよび類縁物を包含する。
例示されたポリエーテルは、ポリ(プロピレンオキシ
ド)、ポリ(テトラメチレングリコール)および類縁物
を包含する。
多種多様なジイソシアネートは、単独でかまたは相互
の混合物の形で利用することができる。
代表的なジイソシアネートは、イソホロンジイソシア
ネート(IPDI)、トルエンジイソシアネート、メチレン
ジフェニルジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチレ
ンジシクロヘキサンジイソシアネート、2,2,4−トリメ
チルヘキサメチレンジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、4−クロロ−1,3−フェニレンジイ
ソシアネート、4,4′−ビフェニレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフチレンジイソシアネート、1,4−テトラメ
チレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソ
シアネート、1,10−デカメチレンジイソシアネート、1,
4−シクロヘキシレンジイソシアネートおよび類縁物を
包含する。好ましいジイソシアネートは、IPDIである。
ヒドロキシ(メタ)アクリレートは、モノ(メタ)ア
クリレートまたはポリ(メタ)アクリレートであること
ができる。この場合には、一価のモノアクリレートが好
ましい。イソシアネート基とヒドロキシ(メタ)アクリ
レートのヒドロキシ基との反応は、(メタ)アクリレー
ト末端基を有するウレタンを形成するウレタン結合を生
じる。
適当な一価アクリレートは、ヒドロキシC2〜C4アルキ
ルアクリレートおよびポリアクリレートである。このア
クリレートの例は、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、グリセリル
ジアクリレートおよび類縁物である。また、これらのア
クリレートの混合物も適当である。また、上記アクリレ
ートのメタクリレート相当品を利用することもできる。
プレポリマーと、ジイソシアネートと、ヒドロキシア
クリレートとの反応は、常法であり、かつ適当な容器中
で実施される。プレポリマージオール:ジイソシアネー
ト:ヒドロキシ(メタ)アクリレートのモル比は、それ
ぞれ約1:2:2〜約5:6:2の範囲内であることができる。こ
れらの反応体は、低いTgアルキルアクリレート希薄単量
体と一緒にして、容器中でウレタン形成反応のための最
小量の触媒、例えばジブチル錫ジラウレート約0.03〜約
0.1、有利には約0.04重量%と混合される。乾燥ガス、
例えば乾燥空気、窒素、二酸化炭素または類縁物の散布
は、反応に不利な影響を及ぼし得る湿分が存在しないこ
とを保証するために利用される。この反応は、約40℃〜
約80℃の温度でプレポリマージオールのヒドロキシ官能
基およびジイソシアネートの遊離窒素−炭素−酸素基
(NCO)の実質的に全部を消費するのに十分な時間の間
行なわれる。
アクリル化されたポリウレタンを製造する1つの好ま
しい方法は、ジイソシアネート、ヒドロキシ(メタ)ア
クリレート、低いTgのアルキルアクリレート希薄単量体
および触媒を容器中で混合することにある。散布量は、
この混合物中に装入される。この反応は、上記温度範囲
の下端の温度、例えば約40℃〜約60℃で、ヒドロキシ
(メタ)アクリレートのヒドロキシ官能基の実質的に全
部を消費するのに十分な時間の間行なわれる。この時間
は、典型的には約1〜約3時間である。ヒドロキシ官能
基の実質的に全部が消費された後に、プレポリマーは、
連続的に混合しながら容器中に装入され、温度は、上記
温度範囲の上端の温度、例えば約60℃〜約80℃に上昇さ
れる。この温度は、遊離NCOおよびプレポリマー官能基
の実質的に全部を消費するのに十分な時間の間維持され
る。この時間は、典型的には約7〜約10時間である。
アクリル化されたポリウレタンの数平均分子量は、約
2500〜約10000、有利に約3000〜約5000ダルトンであ
る。
また、被膜組成物は、C2〜C4酸化アルキレンでアルコ
キシル化されている未置換またはC1〜C10、有利にC8〜C
9アルキル置換フェノールの(メタ)アクリレートを包
含し、したがってこの被膜組成物は、フェノール1モル
当たり酸化物約1〜約10モルを含有する。有利に、アル
コキシル化されたフェノールの(メタ)アクリレート
は、フェノール1モル当たり酸化物約3.5〜約4モルを
含有する。
適当な酸化アルキレンは、酸化エチレン、酸化プロピ
レン、酸化ブチレンおよびこれらの混合物を包含する。
この場合には、酸化エチレンが好ましい。
代表的なアルコキシル化されたアクリレートは、フェ
ノキシエチルアクリレート、エトキシル化ノニルフェノ
ールアクリレートおよびプロポキシル化ノニルフェノー
ルアクリレートを包含する。
アルコキシル化されたフェノールの商業的に入手でき
る例示的なアクリレートは、アルコキシル化ノニルフェ
ノールアクリレート、例えば東亜合成(Toa Gosei),
日本、からのアロニックス(Aronix)M−111、アロニ
ックス(Aronix)M−113およびアロニックス(Aroni
x)M−117を包含する。
更に、被膜組成物は、約−45℃以下、有利に約−60℃
以下のTgを有する少なくとも1つのアルキルアクリレー
トを包含する。アルキルアクリレートのTgは、約−90℃
と同程度に低くともよい。このアルキルアクリレート
は、低温ミクロ的曲げ耐性を増大させる。
適当なアルキルアクリレートは、n−ヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘプチルア
クリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチル
アクリレート、n−ノニルアクリレートおよび類縁物を
包含する。また、これらのアルキルアクリレートの混合
物も適当である。
更に、被膜組成物は、高いTgおよび水素結合のための
強い能力を有するモノエチレン性不飽和物質を含有す
る。モノエチレン性不飽和物質は、典型的に約40℃より
も高いTgを有し、かつN−ビニル単量体、例えばN−ビ
ニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、これらの
混合物および類縁物によって例示される。モノエチレン
性不飽和物質のTgは、約120℃と同程度の高さであるこ
とができる。
本発明による被膜組成物を硬化させるために利用され
る光の波長は、幾分選択された光開始剤に依存して変動
することができる。この場合、実地において利用される
光は、通常、約200〜約400ナノメートル(nm)に拡がっ
ている紫外線範囲内にある。しかし、より長い波長の
光、例えば約600nmまで、有利に約520nmまでの波長を有
する光を利用することができる。
利用される光開始剤は、光硬化可能なエチレン性不飽
和被膜の常用の成分である。好ましい光開始剤は、アリ
ールケトン、例えばベンゾフェノン、アセトフェノン、
ジエトキシアセトフェノン、ベンゾイン、アントラキノ
ンおよび類縁物である。市販の光開始剤は、ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトンでありかつチバ−ガイギ
社(Ciba−Geigy Corp.,Ardsley,NY)から入手すること
ができるイルガキュア(Irgacure)194によって例示さ
れる。
揮発性の有機溶剤は、本発明による被膜組成物中には
利用しないのが好ましい。
アクリレート化されたポリウレタンは、被膜組成物の
全重量に対して約40〜約80、有利に約45〜約70重量%の
範囲内の量で組成物中に存在する。
アルコキシル化されたフェノールのアクリレートは、
被膜組成物の全重量に対して約5〜約50、有利に約10〜
約35重量%の量で被膜組成物中に存在する。
約−45℃未満のTgを有するアルキルアクリレートは、
被膜組成物の全重量に対して約5〜約30、有利に約10〜
約20重量%の量で存在する。
高いTgを有するモノエチレン性物質は、被膜組成物の
全重量に対して約1〜約15、有利に約2〜約4重量%の
範囲内の量で被膜組成物中に存在することができる。
光開始剤は、被膜組成物の全重量に対して約0.5〜約
6、有利に約1〜約4重量%の範囲内の量で被膜組成物
中に存在する。
25℃の温度でブルックフィールド粘度計を使用して測
定した被膜組成物の粘度は、約3000〜約12000センチポ
アズ(cp)、有利に約4000〜約10000cpである。
この場合、硬化された被膜を軟質化しかつ耐水性の減
少なしにガラスに適当な付着力を得るために、ポリエー
テル基は、アルコキシル化フェノール官能基の(メタ)
アクリレート中に存在するものと思われる。このこと
は、典型的にはエーテル基が耐水性および湿分付着力を
減少させる感水性を導入するという予想されない結果を
生じる。
更に、被膜組成物は、常用の付着促進剤、安定剤およ
び抑制剤を包含することができる。
シランカップリング剤は、常用の付着促進剤でありか
つ典型的には約1重量%の量で存在させることができ
る。例示的なシランカップリング剤は、MEMOの商品名で
ヒュルス社(Huels,Bristol,PA)から商業的に入手でき
るγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランお
よびA−189の商品名でユニオン・カーバイド社(Union
Carbide)から商業的に入手できるγ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシランを包含する。常用の安定剤、例
えば硬化した組成物に対して紫外線安定性を備えさせる
ヒンダードアミンは、約1重量%未満の量で存在させる
ことができる。例示的な安定剤は、チヌビン(Tinuvi
n)770の商品名でチバ・ガイギ社(Ciba−Geigy Corp.,
Ardsley、NY)から商業的に入手できるビス(2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケートおよびイ
ルガノックス(IRGANOX)1035の商品名でチバ・ガイギ
社(Ciba−Geigy Corp.)から商業的に入手できるチオ
ジエチレン(3,5−ジ−第三ブチル−4−ヒドロキシ)
ヒドロシンナメートを包含する。アクリル化されたポリ
ウレタンの製造の間にフリーラジカル重合は、約0.1重
量%未満の量のフェノチアジンまたはブチル化ヒドロキ
シトルエンのような薬剤を使用することによって阻止す
ることができる。
本発明による組成物は、常法を利用してガラス繊維に
適用することができる。
次の実施例は、例示のために表わされているが、しか
しこれに限定されるものではない。
実施例1 2つの被膜組成物の比較 (メト)アクリレート末端基を有するポリウレタン
を、2−ヒドロキシエチルアクリレート、イソホロンジ
イソシアネート、ジブチル錫ジラウレート、オクチル/
デシルアクリレートおよびフェノチアジンを下記第I表
中に記載された量で適当な容器中で混合することによっ
て得た。撹拌し、乾燥空気の散布量を与え、かつ反応の
間維持した。混合物の温度を約40℃に上昇させ、この温
度で約2時間維持した。その後に、ポリカーボネートジ
オールを容器中に導入し、かつ混合物と混合した。混合
物の温度を約70℃に上昇させ、かつこの温度で遊離NCO
の実質的に全部を消費するのに十分な時間の間維持し
た。
上記のアクリル化されたポリウレタンのアリコートを
被膜組成物に利用される種々の割合の他の成分と混合
し、本発明による被膜組成物AおよびBを生じる。これ
らの他の成分と、アクリル化されたポリウレタンとの割
合を第II表中に示す。
第II表の組成物AおよびBを、成分を混合し、かつ20
分間60℃に加熱しながら成分中に混入することによって
得た。
被膜組成物AおよびBは、光学ガラス繊維用一次被膜
を得るために十分に適合している。このことは、組成物
AおよびBに利用されるアクリル化ポリウレタンを使用
する場合に以前は不可能であった。それというのも、耐
水性の損失を生じた可撓性および軟質さ、硬化速度およ
び/またはガラスに対する付着力を改善するために、常
用のアクリル化ポリウレタン含有組成物を変性していた
からである。硬化速度〔ジュール/cm2(J/cm2)〕なら
びに物理的性質、即ち弾性率〔メガパスカル(MP
a)〕、および乾燥付着力および湿潤付着力(グラム)
は、下記の第III表中に表わされている。硬化速度およ
び物理的性質を測定する方法は、以下に記載されてい
る。
硬化速度〔ジュール/cm2(J/cm2)〕は、ヒュージョ
ン・キュアリング・システムズ社(Fusion Curing Syst
ems,Rockville,MD)の“D"灯を利用することにより厚さ
3ミル(mil)の被膜の最終的弾性率95%を得るために
必要とされるJ/cm2の数を示す。“D"灯は、約200〜約47
0ナノメートルの波長を有する電磁線を発し、この場合
ピークの電磁線は、約380ナノメートルであり、かつ電
磁線の出力は、線数1インチ当たり約300ワットであ
る。
得られた硬化速度は、工業標準によって迅速であると
考えられる。光学ガラス繊維の被膜工業では、通常、約
1.0J/cm2の硬化速度を有する一次被膜組成物が利用され
る。
被膜の弾性率を定める被膜を、パシフィック・サイエ
ンティフィック社(Pacific Scientific,Silver Sprin
g,MD)のバード棒(Bard bar)を使用することによりガ
ラス板上に厚さ3ミルの被膜を延伸することによって得
た。この被膜を“D"灯を使用して硬化させた。この被膜
を完全に硬化させるために約1J/cm2の用量で硬化させ
た。次に、この被膜を16時間の最少時間で23±2℃およ
び相対湿度50±5%で状態調節した。
幅0.5インチの6個の試験片を被膜から延伸方向と平
行に切断した。それぞれの試験片の寸法を3回測定し、
その平均を得た。次に、これらの試験片の弾性率をイン
ストロン社(Instron Corp.,Canton,MA)のインストロ
ンモデル(Instron Model)4201を使用しその取扱い説
明書の記載に従って操作して測定した。
ガラスに対する乾燥付着力および湿潤付着力を測定す
るために、被膜を、バード棒(Bird bar)を使用して厚
さ3ミルの被膜をガラス板上に延伸することによって得
た。この被膜を“D"灯を使用して硬化させた。
次に、この被膜を7日間の時間で温度23±2℃および
相対湿度50±5%で状態調節した。被膜の一部分を利用
して乾燥付着力を試験した。乾燥付着試験に続いて、さ
らに湿潤付着力について試験すべき被膜の残りを24時間
の時間で温度23±2℃および相対湿度95%で状態調節し
た。ポリエチレンワックス/水のスラリー層を後状態調
節した被膜の表面に塗布し、湿分を保持した。
付着力試験を一般的な試験装置を含む装置、例えばイ
ンストロン社(Instron Corp.,Canton,MA)から商業的
に入手できるインストロンモデル(Instron Model)420
1および水平方向の支持体および試験装置内に位置した
滑車を備えた装置を利用して実施した。
状態調節後、一様でありかつ欠陥がないと思われる試
験片を延伸方向に切断した。それぞれの試験片は、6イ
ンチの長さおよび1インチの幅であり、かつ裂け目も切
れ目も有していなかった。それぞれの試験片をガラス板
から先ず1インチ引き剥した。ガラス板を滑車に隣接し
た試験片の結び付けた端部で水平方向に締め付けた。線
材を試験片の引き剥し端部に結合させ、試験片に沿って
延ばし、次いで試験片と垂直方向に滑車へと通した。線
材の自由端部を試験装置の上あごで締め付け、次に試験
を実施した。試験を平均的力の値が相対的に一定になる
まで連続させた。
本発明は、詳細に記載した特別の実施態様により記載
したが、しかしこれは例示的なものにすぎず、本発明
は、これによって限定されるものではない。前記の開示
から変更および変法も可能であり、当業者であれば、本
発明の精神を逸脱することなしに再構成することができ
る。従って、開示された生成物のかかる変法および変更
は、本発明および本発明の特許請求の範囲の要旨および
範囲内で考えられることである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08G 18/67 C03C 25/02 B (72)発明者 ジマーマン,ジョン エム. アメリカ合衆国 イリノイ 60195 ホ フマン エステイツ ショアウッド ド ライヴ 4450 (72)発明者 ビショップ,ティモシー イー. アメリカ合衆国 イリノイ 60102 ア ルゴンクィン リヴァーウッド ドライ ヴ 1720 (72)発明者 デーラー,ジョン エル. アメリカ合衆国 イリノイ 60017 ア ーリントン ハイツ ウェスト ローノ ーク 1607 (56)参考文献 特開 平3−59017(JP,A) 特開 平2−47122(JP,A) 特開 平2−135211(JP,A) 特開 昭60−83907(JP,A) 特開 昭61−21117(JP,A) 特開 昭61−20008(JP,A) 特開 昭61−162511(JP,A) 特開 昭62−216946(JP,A) 特開 昭63−130608(JP,A) 特開 昭63−130609(JP,A) 特開 昭63−312309(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 4/00 C09D 171/02 C09D 175/16 CA(STN) CAOLD(STN) REGISTRY(STN)

Claims (15)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学ガラス繊維のための一次被覆を得るの
    に適した光硬化可能な液体被膜組成物において、 (1)(i)数平均分子量約500〜約2000ダルトンを有
    し、 (a)アルキレンジオールから得られたポリカーボネー
    トジオール、 (b)ポリアルキレンオキシドとアルキレンジオールの
    ポリカーボネートとの共重合体または (c)(a)またはポリエーテルジオール、および
    (b)との混合物から成るプレポリマー (ii)ジイソシアネートおよび (iii)ヒドロキシ(メタ)アクリレート の反応生成物である数平均分子量約2500〜約10000ダル
    トンを有する(メタ)アクリレート末端基を有するポリ
    ウレタンを被膜組成物の全重量に対して約40〜約80重量
    %; (2)非置換またはC1〜C10アルキル−置換フェノール
    のアルキレンオキシド付加生成物の(メタ)アクリレー
    ト、ここで該付加生成物は、該フェノールをC2〜C4アル
    キレンオキシドでオキシアルキル化することによって得
    られ、フェノール1モルに対し約1〜約10モルのオキシ
    ドを含有する、を約5〜約50重量%;かつ (3)約−45℃以下のTgを有する少なくとも1つのアル
    キルアクリレートを約5〜約30重量%含有することを特
    徴とする、光硬化可能な液体被膜組成物。
  2. 【請求項2】請求項1の(2)成分中のアルキレンオキ
    シドがエチレンオキシドである、請求の範囲第1項記載
    の被膜組成物。
  3. 【請求項3】請求項1の(2)成分が、フェノール1モ
    ル当たり約3.5〜約4モルのエチレンオキシドを含有す
    る、請求の範囲第1項記載の被膜組成物。
  4. 【請求項4】請求項1の(2)成分のフェノール環がC8
    〜C9アルキル基で置換されている、請求の範囲第1項記
    載の被膜組成物。
  5. 【請求項5】請求項1の(2)成分が約10〜約35重量%
    の量で存在し、かつ請求項1の(1)成分が約45〜約70
    重量%の範囲内の量で存在する、請求の範囲第1項記載
    の被膜組成物。
  6. 【請求項6】プレポリマーが (a)約2〜約12個の炭素原子を有するアルキレンジオ
    ールから得られたポリカーボネートジオール、 (b)ポリアルキレンオキシドおよびアルキレンジオー
    ルのポリカーボネート共重合体または (c)(a)またはポリエーテルジオール、および
    (b)との混合物である、請求の範囲第1項記載の被膜
    組成物。
  7. 【請求項7】プレポリマーが (a)約4〜約8個の炭素原子を有するアルキレンジオ
    ールから得られたポリカーボネートジオール、 (b)ポリアルキレンオキシドおよびアルキレンジオー
    ルのポリカーボネート共重合体または (c)(a)またはポリエーテルジオール、および
    (b)との混合物である、請求の範囲第1項記載の被膜
    組成物。
  8. 【請求項8】請求項6および7記載のアルキレンジオー
    ルが約4〜約8個の炭素原子を有する、請求の範囲第1
    項記載の被膜組成物。
  9. 【請求項9】プレポリマーが約800〜約2000ダルトンの
    数平均分子量を有する、請求の範囲第1項記載の被膜組
    成物。
  10. 【請求項10】ポリウレタンが約3000〜約5000ダルトン
    の数平均分子量を有する、請求の範囲第1項記載の被膜
    組成物。
  11. 【請求項11】さらに約40℃よりも高いTgおよび強い水
    素結合能力を有するモノエチレン性不飽和化合物約1〜
    約15重量%を含有する、請求の範囲第1項記載の被膜組
    成物。
  12. 【請求項12】モノエチレン性不飽和化合物がN−ビニ
    ル単量体である、請求の範囲第11項記載の被膜組成物。
  13. 【請求項13】さらに約40℃よりも高いTgおよび強い水
    素結合能力を有するモノエチレン性不飽和化合物約2〜
    約4重量%を含有する、請求の範囲第1項記載の被膜組
    成物。
  14. 【請求項14】プレポリマー:ジイソシアネート:ヒド
    ロキシ(メタ)アクリレートのモル比がそれぞれ約1:2:
    2〜約5:6:2の範囲内にある、請求の範囲第1項記載の被
    膜組成物。
  15. 【請求項15】請求の範囲第1項記載の組成物で被覆さ
    れた光学繊維。
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