JP3049983B2 - 電気自動車用エンジン駆動発電機の制御装置 - Google Patents

電気自動車用エンジン駆動発電機の制御装置

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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)
  • Hybrid Electric Vehicles (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、モータ、電池及びエン
ジン駆動発電機を搭載した電気自動車に関し、特にその
電気自動車用エンジン駆動発電機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気自動車はモータを駆動源とする車両
である。モータを駆動するための電力は、車載の電池の
他、エンジン駆動発電機によって得られる。エンジン駆
動発電機は、エンジン及びエンジンの機械出力により駆
動される発電機から構成されており、発電機の発電出力
は、モータの駆動電力として使用される他、電池の充電
電力としても使用される。このようなシステム構成を有
する電気自動車は、シリーズハイブリッド車(SHV)
と呼ばれる。
【0003】このような構成においてエンジンのエミッ
ションを改善し燃費率を良好に保つためには、エンジン
の回転数をエミッション最良域・燃費最良域に属する回
転数とすればよい。特開昭51−39813号公報に
は、エンジンの回転数を一定とする技術が開示されてい
る。この公報に開示されている装置においては、エンジ
ン駆動発電機が所定の目標発電電力の下に制御され、負
荷変動に対しては発電機の界磁電流を制御することによ
り、発電出力が上述の発電電力となるよう、すなわち一
定値となるよう、制御が行われている。また、この目標
発電電力は、車両が低速走行している場合と高速走行し
ている場合とで異なる値に設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに車両が高速走行している場合(高負荷時)と低速走
行している場合(低負荷時)とで発電出力を切り替える
構成においても、高負荷時・低負荷時それぞれについて
設定されている目標発電電力は予め定められた固定値と
なっている。一方で、モータへの入力電力は、同じ走行
状態であっても、車両間のばらつき、車両の経時変化、
操縦者の運転の仕方等によって異なる。従って、電池の
充放電収支は、これらの要因によって変動することとな
り、車全体としての効率にも大きな差が生じる。また、
この電池の充放電収支変動は、当該電池の寿命の短縮の
原因となる。
【0005】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、車両間のばらつ
き、車両(モータ等)の経時変化、操縦者の運転の仕方
等によるモータへの入力電力の変動にも拘らず、バッテ
リの充放電収支が良好で、車両全体の効率及びバッテリ
の寿命等が良好な電気自動車を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明の制御装置は、図1に示されるような
構成を備える。すなわち、モータAと、モータAに電力
を供給する充放電可能な電池Bと、エンジンC及びこの
エンジンCの機械出力により駆動されモータA及び車載
の電池Bに電力を供給する発電機Dを有するエンジン駆
動発電機Eとを備えた電気自動車に搭載される電気自動
車用エンジン駆動発電機の制御装置において、エンジン
駆動発電機E及び電池BからモータAへの入力電力を検
出する入力電力検出手段Fと、検出した電力の所定時間
の平均値を求める平均値演算手段Gと、予め設定されて
いる目標電力を求めた平均値に応じて更新設定する目標
電力更新手段Hと、設定した目標電力に応じてエンジン
駆動発電機Eの発電電力を制御する発電電力制御手段I
と、備えることを特徴とする。
【0007】また、本発明の請求項2に係る制御装置
は、目標電力として複数種類の値が予め設定されてお
り、車速に応じていずれかの値を選択して更新設定及び
発電電力制御に供することを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明においては、まず、エンジン駆動発電機
E及び電池BからモータAへの入力電力が検出される。
検出された入力電力は平均値演算手段Gによって平均化
され、この平均化により得られた平均値に基づき目標電
力の更新設定が実行される。更に、この目標電力に応じ
て、エンジン駆動発電機Eの発電電力が制御される。従
って、車両間のばらつき、モータの経時変化、操縦者の
運転の仕方等に起因した入力電力変動に応じ、エンジン
駆動発電機Eの発電電力の目標値(目標電力)が更新
定されることとなるため、電池Bの充放電収支変動が小
さくなり、電池Bの劣化が防止されると共に、車両全体
の効率も向上する。
【0009】また、請求項2においては、上述した目標
電力が例えば高速走行時、低速走行時等それぞれに異な
る値に設定される。更新設定の対象となる目標電力は、
車速に応じて選択される。更新設定を受けた目標電力
は、発電電力制御に使用される。このような構成とする
ことにより、請求項2においては、目標電力の更新幅が
小さくなり、エンジンCの出力の変動幅が小さくなるた
め、低燃費・低エミッションの状態を維持可能となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。
【0011】図2には、本発明の一実施例に係るSHV
のシステム構成が示されている。この図に示されるシス
テムは、トランスアクスル10等を介して駆動輪12に
連結されたモータ14を備えている。モータ14は三相
交流誘導モータであり、インバータ16から供給される
三相交流電力によって駆動される。インバータ16は、
電池18から供給される直流電力及び整流器20を介し
てエンジン駆動発電機22から供給される直流電力を、
ECU24の制御の下に三相交流電力に変換し、モータ
14に供給する。モータ14は、車両操縦者のアクセル
操作、ブレーキ操作等を示す車両信号を入力すると共
に、図示しない回転数センサによりモータ14の回転数
を検出しつつ、トルク指令値を演算する。このトルク指
令値は、モータ14から出力させるべきトルクの値を示
している。ECU24は、求めたトルク指令値に基づき
インバータ16を構成する各スイッチング素子のスイッ
チング動作を制御することにより、モータ14から、必
要なトルクを出力させる。
【0012】エンジン駆動発電機22は、エンジン2
5、増速機26及び発電機28を備えている。エンジン
25の出力軸は、増速機26を介して発電機28に連結
されており、発電機28の発電出力は整流器20によっ
て整流される。増速機26は、エンジン25の出力回転
数を、発電機28の入力に適する回転数まで高める機構
である。このエンジン駆動発電機22は、ECU24に
よって制御される。
【0013】ECU24は、エンジン25のスロットル
開度等を制御する機能を有している。すなわち、エンジ
ン25の回転数は、スロットル開度の制御等により、常
に良好なエミッション・良好な燃費率となるよう制御さ
れる。また、ECU24は、発電機28の界磁電流を制
御する。ECU24は、これらエンジン25及び発電機
28の制御により、エンジン駆動発電機22の発電出力
を、所定の目標電力となるよう制御する。
【0014】ECU24によってエンジン駆動発電機2
2の制御に使用される目標電力は、低速時、高速時それ
ぞれに異なる値に設定されている。ECU24は、この
目標発電電力を、電流センサ30及び電圧センサ32の
出力に基づき、更新する機能を有している。電流センサ
30は、インバータ16への入力電流Iinを検出するセ
ンサであり、電圧センサ32は、インバータ16への入
力電圧Vinを検出するセンサである。ECU24は、具
体的には、これら電流Iin及び電圧Vinに基づきインバ
ータ16を介してモータ14に入力される電力を計算
し、計算した入力電力の平均値を求め、求めた平均値に
基づき目標電力を更新している。
【0015】図3には、本実施例の特徴に係る制御フロ
ー、すなわち目標電力の更新に係る動作の流れが示され
ている。
【0016】この図に示される動作は、ECU24に内
蔵されるタイマーからの割り込みによって開始する。E
CU24は、まず、車速に係る判定100を実行する。
車速は、例えばモータ14に付設した回転数センサ(図
示せず)から回転数情報として得られ、あるいは他の各
種の車速センサから得られる。ECU24は、ステップ
100において、車速Vが所定のしきい値Vth以下であ
るか否かを判定する。このしきい値Vthは、例えば60
km/h等に設定する。ステップ100は、車両が低速
走行しているか否かの判定に相当する。
【0017】ステップ100において、V≦Vthと判定
された場合、ECU24は、低速走行時に係る動作(1
02〜114)を実行する。すなわち、ECU24は、
まず、電流センサ30の検出値Iin及び電圧センサ32
の検出値Vinに基づき、インバータ16を介してモータ
14に入力される電力PMLを計算する(102)。EC
U24は、計算した電力PMLを変数SMLに積算し(10
4)、変数iをインクリメントした上で(106)、メ
インルーチンに戻る。
【0018】このような動作が所定回数KL だけ繰り返
されると(108)、ECU24は、変数PMLをKL
除することにより、モータ14への平均入力電力P
ML(−)を計算する(110)。ECU24は、計算に
より得られた平均入力電力PML(−)を電池18の充放
電効率ηBat により除することにより、エンジン駆動発
電機22の目標電力である低速側発電量PGeL を更新す
る(112)。この後、変数i及びSMLが0にセットさ
れ(114)、メインルーチンに移行する。
【0019】また、ステップ100において、V>Vth
と判定された場合には、ECU24は、高速時に係るス
テップ116〜128を実行する。ステップ116にお
いては、ECU24は、電流センサ30の検出値I及び
電圧センサ32の検出値Vに基づきインバータ16を介
してモータ14に入力される電力PMHを計算する。ここ
に、ステップ102において求められる入力電力PML
区別するため、変数の添え字を変えている(以下同
様)。続くステップ118においては、入力電力PMH
変数SMHに積算され、変数jがインクリメントされた後
(120)、メインルーチンに戻る。
【0020】このような動作がj=KH 回繰り返される
と(122)、ECU24は、変数SMHをKH で除する
ことにより、モータ14への平均入力電力PMH(−)を
計算する(124)。ECU24は、求めた平均入力電
力PMH(−)を電池18の充放電効率ηBat で除するこ
とにより、エンジン駆動発電機22の目標電力である高
速側発電量PGeH を更新する(126)。この後、EC
U24は、変数j及びSMHを0にリセットし(12
8)、メインルーチンに戻る。
【0021】このように、本実施例においては、エンジ
ン駆動発電機22の目標電力として使用される低速側発
電量PGeL 及び高速側発電量PGeH が、モータ14への
平均入力電力PML(−)又はPMH(−)により更新され
る。従って、車両間のばらつきや経時変化、操縦者の運
転の仕方等により、インバータ16を介してモータ14
に入力される電力PML又はPMHが変化した場合であって
も、電池18の充放電収支変動が生じにくく、この結
果、電池18の寿命が伸びまた車両全体の効率も向上す
る。すなわち、エンジン駆動発電機22を構成する発電
機28は、電池18からインバータ16を介してモータ
14に流出した電力が、平均的にみて、発電機28から
整流器20を介して電池18に流入する電力により相殺
・補償されることとなるよう、目標制御されるため、電
池18の充放電収支変動が抑制される。
【0022】また、この実施例においては、エンジン駆
動発電機22の制御に係る目標電力が、低速側と高速側
とで異なる値に設定されており、またその更新動作も別
途実行される。従って、低速側、高速側それぞれでみた
場合に、目標電力である低速側発電量PGeL 又は高速側
発電量PGeH の更新幅が小さくなる。この結果、エンジ
ン駆動発電機22の発電出力の制御を発電機28の界磁
電流の制御等として実行している場合において、エンジ
ン25の負荷変動が抑制されることとなり、エミッショ
ンや燃費が常に良好な状態を維持可能となる。
【0023】なお、図3に示される動作においては、電
池18の充放電効率ηBat を定数として取り扱ってい
た。しかし、これは、変数として取り扱うこともでき
る。電池18の充放電効率ηBat は、例えば、電池18
の劣化に応じて変化するから、ステップ112及び12
6において使用される充放電効率ηBat を、別途検出さ
れる劣化度に応じて補正することにより、電池18の劣
化の進行に応じた目標電力(低速側発電量PGeL 及び高
速側発電量PGeH )の更新を実行することができる。な
お、電池18の劣化度は、現時点における電池18の満
充電時の電力量を、電池18が劣化していないとき(新
品のとき)の満充電電力量で除した値であるから(特願
平4−70650号参照)、これらの情報をECU24
が記憶しておき、記憶している内容に応じて充放電効率
ηBat を更新するようにすればよい。
【0024】また、以上の説明においては、目標電力の
設定及びその更新動作を低速時と高速時に分け行なって
いたが、これは、低速時、高速時に分けずに行っても構
わない。また、この目標電力更新動作は、好ましくは、
エンジン25が低燃費・低エミッションで動作する回転
数領域、例えば1200〜2800rpmで実施する。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
エンジン駆動発電機E及び電池BからモータAへの入力
電力を検出し、検出した入力電力の平均値を求め、求め
た平均値により目標電力を更新しつつエンジン駆動発電
機Eの発電電力を制御するようにしたため、車両間のば
らつき、経時変化、操縦者の運転の仕方等によりモータ
Aの入力電力が変動した場合であっても電池Bの充放電
収支変動が抑制されることとなり、電池Bの寿命の長期
化、車両全体の効率の向上等の効果が得られる。また、
本発明の請求項2によれば、エンジン駆動発電機Eに対
する発電電力の目標制御を、車速に応じて異なる目標電
力を用いて行なうようにしたため、目標電力の更新幅が
小さくなり、エンジンCのエミッション及び燃費を常に
良好に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例に係るSHVのシステム構成
を示すブロック図である。
【図3】この実施例におけるECUの制御フローを示す
フローチャートである。
【符号の説明】
A,14 モータ B,18 電池 C,25 エンジン D,28 発電機 E,22 エンジン駆動発電機 F 入力電力検出手段 G 平均値演算手段 H 目標電力更新手段 I 発電電力制御手段 24 ECU 30 電流センサ 32 電圧センサ Iin 電流センサの検出値 Vin 電圧センサの検出値 V 車速 Vth 車速の判定しきい値 PML,PMH モータへの入力電力 PML(−),PMH(−) モータへの平均入力電力 ηBat 電池の充放電効率 PGeL ,PGeH 低速側及び高速側発電量(目標電力)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、モータに電力を供給する充放
    電可能な電池と、エンジン及びこのエンジンの機械出力
    により駆動されモータ及び車載の電池に電力を供給する
    発電機を有するエンジン駆動発電機と、を備えた電気自
    動車に搭載される電気自動車用エンジン駆動発電機の
    御装置において、 エンジン駆動発電機及び電池からモータへの入力電力を
    検出する入力電力検出手段と、 検出した電力の所定時間の平均値を求める平均値演算手
    段と、 予め設定されている目標電力を求めた平均値に応じて
    設定する目標電力更新手段と、 設定した目標電力に応じてエンジン駆動発電機の発電電
    力を制御する発電電力制御手段と、 を備えることを特徴とする電気自動車用エンジン駆動発
    電機の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電気自動車用エンジン駆
    動発電機の制御装置において、 目標電力として複数種類の値が予め設定されており、車
    速に応じていずれかの値を選択して更新設定及び発電電
    力制御に供することを特徴とする電気自動車用エンジン
    駆動発電機の制御装置。
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