JP3049727B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JP3049727B2 JP02092697A JP9269790A JP3049727B2 JP 3049727 B2 JP3049727 B2 JP 3049727B2 JP 02092697 A JP02092697 A JP 02092697A JP 9269790 A JP9269790 A JP 9269790A JP 3049727 B2 JP3049727 B2 JP 3049727B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、非水電解質二次電池に関するものであり、
特に、内圧の上昇に応じて電流を遮断する手段を備え、
過充電時にこの電流遮断手段が確実に作動するようにし
た非水電解質二次電池に関するものである。
〔発明の概要〕
正極活物質としてリチウム化合物を用いた正極と、リ
チウムをドープしかつ脱ドープしえる負極と、非水電解
質と、電池内圧の上昇に応じて作動する電流遮断手段と
をそれぞれ備えた非水電解質二次電池において、 前記正極活物質を第1の活物質(LixNiyCo1-yO2;但
し、0<x1及び0y0.50)と第2の活物質(Li
x′Niy′Co1-y′O2;但し、0<x′1及び0.50
y′1.0)とから主として構成し、上記正極活物質の
全体を100重量部として上記第2の活物質を0.5〜70重量
部含むことによって、 過充電時に上記電流遮断手段を確実に作動させうるよ
うにしたものである。
〔従来の技術〕
負極に対してドープ及び脱ドープされる物質としてリ
チウムを使用し電解質に非水電解質を使用した、いわゆ
る非水電解質電池は、自己放電が少なく保存性に優れた
電池として知られており、特に、5〜10年という長期間
使用が要求される電子腕時計や種々のメモリーバックア
ップ用電源として、広く利用されるようになっている。
これらの従来から使用されている非水電解質電池は通
常一次電池であるが、長期間経済的に使用できる電源と
しての再充電可能な非水電解質二次電池に対する要望が
多く、各方面で研究が進められている。その中で、特
に、負極に金属リチウムやリチウム合金あるいは炭素質
材料を使用し、正極にリチウム・コバルト複合酸化物等
のリチウム化合物を使用する非水電解質二次電池は、電
池電圧が高く、高エネルギー密度が得られ、かつサイク
ル特性に優れているため、メモリーバックアップや小型
電子機器の電源として、期待されている。
ところで、一般に、電池は、密閉形の構造である場
合、何らかの原因で電池内圧が上昇すると、電池の比較
的急速な破損が起って電池がその機能を失い、あるいは
周辺機器に対しても損傷を与えてしまうことがある。
上述のような非水電解質二次電池においては、充電時
に、通常以上の電流が流れて過充電状態となると、電解
液が分解してガスが発生することによって、電池内圧が
上昇する場合がある。
また、上述のような過充電状態が続くと、電解質や活
物質の急速な分解といった異常反応が進んで、電池の温
度が急速に上昇してしまうこともある。
かかる問題についての対策として、本願の発明者の一
人は、先に他の発明者と共に特願昭63−265783号におい
て、防爆型密閉電池を提案した。この防爆型密閉電池
は、電池内圧の上昇に応じて作動する電流遮断装置を備
えている。次に、この電池について、本願の第1図及び
第2図を参照して説明する。
上記防爆型密閉電池は、第1図に示すように、電池要
素が収納される円筒状の外装缶1の上部に電流遮断装置
25を備えている。この電流遮断装置25は、上記外装缶1
の上端部の内周面に設けられた環状のガスケット2と、
このガスケット2に嵌入支持されかつ中間蓋体を兼ねる
防爆弁3と、この防爆弁3の下面に接して設置されたほ
ぼ円形のストリッパー4と、上記外装缶1を閉塞する閉
塞用蓋体5とから、主として構成されている。そして、
上記ガスケット2、防爆弁3、閉塞用蓋体5は、上記外
装缶1にかしめられて取付けられている。
上記外装缶1内には、正極31と負極32とが電解液を浸
み込ませた一対のセパレータ33a、33bを挟んで巻芯21上
に渦巻型に巻回されて構成される巻回体35が、電池要素
として収納されると共に、この巻回体35の上部には、シ
ート状の絶縁板7が形成されている。状態絶縁板7の中
央部には、その一端側を正極31に取付けられた正極リー
ド板8を挿通するための挿通孔10が、穿設されている。
正極リード板8は、ストリッパー4の挿通孔11から下方
に臨む防爆弁3の突起3aの下面に、超音波溶接等の手法
で接続されている。このとき、正極リード板8は、スト
リッパー4の下面及び防爆弁3の突起3aを橋渡しする状
態となる。
一方、上記巻回体35が収納されている外装缶1の上端
部12には、上記ガスケット2が嵌入されている。このガ
スケット2は、外装缶1内に収納されているセパレータ
33a、33bに浸み込んでいる電解液がこの電池の外部に漏
れるのを防ぐために、上記外装缶1の内部を密封してい
る。そして、このガスケット2は、正極と負極とのショ
ートを防止するために、絶縁材料、例えば合成樹脂材料
により形成されている。
防爆弁3は、アルミニウム、ニッケルあるいはそれら
の合金から成り、上記ガスケット2の径よりもやや短径
の円盤状をなすと共に、上記ガスケット2に嵌入されて
いる。防爆弁3の中心部には、下方に突出する突部3aが
設けられ、さらにその上面には、突起3aの付け根近傍か
ら放射状に延びる複数本の直線状溝と、これらの直線状
溝の内側端を結ぶ円形状溝とにより形成された薄肉部15
が設けられている。
防爆弁3の下側に設置されたストリッパー4は、アル
ミニウム等の材料で形成され、その中心部に防爆弁3の
突起3aが挿通される挿通孔11を有し、その上面に絶縁膜
16が被着形成されている。そして、ストリッパー4の下
面と突起3aの下面とを橋渡しするようにして、正極リー
ド板8が突起3aの下面に溶接されている。
上記防爆弁3の上方には、この防爆弁3と面対向する
ように、閉塞用蓋体5が設けられている。この閉塞用蓋
体5は、正極端子を構成しており、上記防爆弁3の径よ
りもやや短径の円盤状をなし、上記防爆弁3の周端部に
設けられた鍔部17内にその外周端を収納されている。
この閉塞用蓋体5は、硬質金属材料により形成され、
この例では、ステンレス板により形成されていて、この
電池の強度を高めている。更に、この閉塞用蓋体5に
は、二つのガス抜き穴19、20が穿設されている。
上記ガスケット2、防爆弁3及び閉塞用蓋体5は、上
記外装缶1の上端部12により外装缶1の外周囲からこの
電池の軸心に向かってかしめられることによって、この
上端部12に取付けられている。なお、上述のように、か
しめ取付けされた防爆弁3及び閉塞用蓋体5と、外装缶
1とは、ガスケット2を介して一体化されて、この電池
の絶縁が図られている。
特に図示しないが、上記外装缶1の下部において、巻
回体35の下部端面と外装缶1の底面との間に、中心に挿
通孔が設けられた絶縁板が配置され、またこの挿通孔を
通して負極32から延びる負極リード端子が外装缶1の底
面に溶接されている。
上述のように構成された電流遮断装置25を備えた電池
は、例えば過充電状態が進んで電池内部の化学変化によ
りガスが発生・充満し、そのガスの充満により電池内の
内圧が上昇し始めると、この内圧の上昇により防爆弁3
が変形する。更に詳しくは、第2図に示すように、防爆
弁3の突起3aが、内圧方向、即ち閉塞用蓋体5の方向に
押圧されて、上方に移動する。突起3aの上方への移動に
より、突起3aの下面に溶接されていた正極リード板8が
その溶接部分において破断または剥離して、充電電流が
遮断される。なお、上記電流遮断装置25が作動する電池
内圧は、適宜に設定しえる。
充電が極度に進むなどして、電池内部で大量にガスが
発生した場合は、防爆弁3の薄肉部15が開裂して、ガス
を閉塞用蓋体5の方向に導き、更にガス抜き穴19、20を
介して大気中に排気させる。
以上のように、上記防爆型密閉電池は、例えば過充電
されて電池内圧が上昇すると充電電流を遮断することの
できる電流遮断装置25を備えているから、電池内部の異
常な反応の進行を停止させることができて、電池内圧の
上昇や急速な温度上昇を防止することができる。
上記電池に用いることの可能な非水電解質二次電池用
の巻回体35は、例えば次のようにして得ることができ
る。
即ち、まず正極活物質としてのリチウム・コバルト複
合酸化物(LiCoO2)を次のように合成する。市販の炭酸
リチウム粉末(Li2Co3)と炭酸コバルト(CoCO3)とを
リチウム原子及びコバルト原子の比率が1:1となるよう
に計量し、振動ミルを用いて充分に混合した後、空気雰
囲気中で電気炉を用いて900℃で5時間焼成し、その
後、自動乳鉢を用いて粉砕して、LiCoO2粉末を得る。
得られたLiCoO2のX線回析パターンを第3図に示す。
このX線回析パターンから、この製造方法で生成したも
のは、粉末X線回析データの標準として広く利用されて
いるJCPDS(Joint Comm−ittee on Powder Diffraction
Standards)カードのLiCoO2と合致していることが確認
できた。
次に、正極31を次のようにしてつくる。上述の合成さ
れたリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2)を正極活
物質として用い、この正極活物質91重量部に導電材とし
てグラファイト6重量部、結着剤としてポリフッ化ビニ
リデン3重量部を加えてから混合して、正極合剤をつく
る。そして、これらの正極合剤を溶剤N−メチル−2−
ピロリドンに分散させて、スラリーにする。次に、これ
らの正極合剤スラリーを、正極集電体としての帯状のア
ルミニウム箔の両面に均一に塗布して乾燥し、その後
に、ローラープレス機により圧縮成型して、帯状の正極
31を得る。
また、負極32を次のようにしてつくる。粉砕したピッ
チコークスを負極活物質として用い、このピッチコーク
ス90重量部及び結着剤としてのポリフッ化ビニリデン10
重量部を加えてから混合して、負極合剤とする。そし
て、この負極合剤を溶剤N−メチル−2−ピロリドンに
分散させて、スラリーにする。次に、この負極合剤スラ
リーを、負極集電体としての帯状の銅箔の両面に均一に
塗布して、乾燥する。乾燥後に、ローラープレス機によ
り圧縮成型して、帯状の負極32を得る。
次いで、帯状の正極31と、帯状の負極32と、厚さ25μ
mの微孔性ポリプロピレンフィルムからなる一対のセパ
レータ33a、33bとを、負極32、セパレータ33a、正極3
1、セパレータ33bの順序で積層してから、この積層体を
巻芯21上に渦巻型に多数回巻回することによって、巻回
体35を作製する。
そして、以上のような巻回体35及び非水電解質(六フ
ッ化リン酸リチウムを1モル/l溶解した炭酸プロピレン
と、1.2−ジメトキシエタンとを混合して得たもの)を
用いて、第1図に示した構造と同一の電流遮断装置25を
備えた非水電解質二次電池を作製できる。この場合、上
記非水電解質二次電池は、例えば直径20.5mm、高さ42mm
の円筒形とすることができ、通常に充電されると、約4.
1Vの電圧で使用できるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところが、上記非水電解質二次電池20個を作製し、こ
れらを電流2Aで2時間ほど充電して過充電状態にしてみ
ると、18個(90%)の電池が急速な温度上昇を伴う発熱
や比較的急速な破損といった損傷状態を呈した。
本発明者らがこの原因を鋭意調査したところ、次のよ
うなことが判明した。即ち、上述のような非水電解質二
次電池は、過充電されて電池電圧が約4.8V程度になる
と、正極活物質(LiCoO2)が分解して、酸素ガスが発生
する。この酸素ガスが負極中のリチウムと異常にかつ急
速に反応して、電流が上述の損傷状態に陥る。そして、
後述する第9図中に従来例として示すように、電池電圧
が約4.8Vであるときには、電池内圧はそれほど上昇しな
い。従って、上述した電流遮断装置が作動する前に、酸
素ガスと負極中のリチウムとの異常反応が急速に進行し
てしまう。
二次電池のかかる過充電についての防止対策として
は、上述したように電池自体に電流遮断手段を設けるこ
と以外に、例えば二次電池の充電装置に過充電防止機能
を設けることなどがある。しかし、例えばそのような防
止機能がない充電装置で充電した場合などを考慮する
と、上記電流遮断手段が確実に作動しえることは、安全
対策上重要である。本発明は、電流遮断手段を備えた非
水電解質二次電池を過充電しても、上記電流遮断手段が
確実に作動する非水電解質二次電池を提供することを目
的とする。
〔課題を解決するための手段〕 上記目的を達成するために、本発明は、正極活物質と
してリチウム化合物を用いた正極と、リチウムをドープ
しかつ脱ドープしえる負極と、非水電解質と、内圧の上
昇に応じて作動する電流遮断手段とをそれぞれ備えた非
水電解質二次電池において、上記正極活物質が第1の活
物質と第2の活物質とから主として構成され、上記第1
の活物質が、LixNiyCo1-yO2(但し、0<x1及び0
y<0.50)から成り、上記第2の活物質が、Lix′N
iy′Co1-y′O2(但し、0<x′1及び0.50y′
1.0)から成り、上記正極活物質の全体を100重量部とし
て上記第2の活物質が0.5〜70重量部含まれている。
上記第2の活物質は、望ましくは2〜50重量部含まれ
る。
また、上記第1又は第2の活物質は、それぞれ一種類
である必要はなく、上記条件を満足させる範囲内でそれ
ぞれ2種類又はそれより多い種類のものを併用してもよ
い。
また、上記負極の負極活物質としては、金属リチウ
ム、リチウム合金、ポリアセチレンのような導電性ポリ
マー、コークスのような炭素質材料などを用いることが
でき、これらは何れもリチウムをドープしかつ脱ドープ
し得るものである。また、非水電解質としては、例えば
リチウム塩を電解質としこれを有機溶剤(非水溶媒)に
溶解した非水電解質を使用することができる。
ここで、有機溶剤としては、例えばプロピレンカーボ
ネート、エチレンカーボネート、1.2−ジメトキシエタ
ン、1.2−ジエトキシエタン、γ−ブチロラクトン、テ
トラヒドロフラン、1.3−ジオキソラン、4−メチル−
1.3−ジオキソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、
メチルスルホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル
等の単独もしくは2種以上の混合溶剤が使用できる。電
解質も、従来より公知のものがいずれも使用可能であ
り、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H54、Li
Cl、LiBr、CH3SO3Li、CF3SO3Li等がある。
また、上記電流遮断手段としては、第1図及び第2図
を参照して説明した電池の電流遮断装置を用いることが
できるが、これに限定されるものではなく、電池内圧の
上昇に応じて電流を遮断できるものであればよい。
〔作用〕
上記第1の活物質と上記第2の活物質とから主として
構成されると共に正極活物質の全体を100重量部として
上記第2の活物質が0.5重量部以上含まれている正極活
物質を正極に用いた非水電解質二次電池においては、過
充電されて電池電圧が上昇すると、上記第2の活物質が
触媒的な働きをして非水電解質の分解が促進されるか
ら、ガスが発生する。従って、電池内圧は、この非水電
解質の分解ガスによって比較的ゆるやかに上昇する。そ
して、この分解ガスが発生する分解電圧は、正極活物質
が分解して酸素ガスを発生し、この酸素ガスと負極中の
リチウムとが急速に反応を起こすような高い電圧ではな
いから、電池が急速な発熱や比較的急速な破損を起こす
ことがなく、電池内圧の上昇によって確実に電流遮断手
段が作動する。従って、過充電に伴う電池内部の異常反
応を阻止できる。しかも、上記第2の活物質が70重量部
以下しか含まれていないので、放電電圧及びエネルギー
密度の低下並びに自己放電も少ない。
〔実施例〕
以下、本発明を適用した実施例について、第1図〜第
9図を参照して説明する。
この場合、正極31の正極活物質の構成が異なることを
除いて、従来の技術の項で説明したのと全く同様にし
て、電流遮断装置を備えた非水電解質二次電池を作製し
た。そして、正極31は、次のようにしてつくった。
即ち、第1の活物質としては、LixNiyCo1-yO2におい
てxがほぼ1でyが0である従来例で説明したリチウム
・コバルト複合酸化物(LiCoO2)を用いた。また、第2
の活物質としては、LixNiyCo1-yO2においてxがほぼ1
でyが0.9であるリチウム・ニッケル・コバルト複合酸
化物(LiNi0.9Co0.1O2)を次のように合成して用いた。
市販の炭酸リチウム粉末(Li2Co3)、炭酸ニッケル粉
末(NiCo3)及び炭酸コバルト粉末(CoCO3)をリチウム
原子、コバルト原子及びニッケ原子の比率が1:0.1:0.9
となるように計量し、振動ミルを用いて充分に混合した
後、空気雰囲気中で電気炉を用い900℃で5時間焼成
し、その後、自動乳鉢ほ用いて粉砕して、LiNi0.9Co0.1
O2粉末を得た。
なお、以下では、LixNiyCo1-yO2におけるxの値は特
にことわらない限り、ほぼ1である。
以上のようなLiCoO290重量%とLiNi0.9Co0.1O210重量
%とを混合して得られる混合品を正極活物質とし、これ
以外は既述の場合と全く同様にして、第1図に示す電流
遮断装置25を備えた非水電解質二次電池を作製した。こ
の電池を、後掲の第1表に示すように、便宣上、電池I
とする。
なお、本発明の効果を確認するために、上述のLixNiy
Co1-yO2において、yの値を0.3、0.5、0.7、1.0と変え
たリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物を、上述の
場合と同様な手法によって、それぞれ合成した。
以上の複合酸化物のX線回析パターンを第4図〜第8
図に示すが、上述のように合成されたリチウム・ニッケ
ル・コバルト複合酸化物LixNiyCo1-yO2のyの値が異な
っても、y=0であるLiCoO2の基本組成の時に示される
X線回析パターン(第3図)は変化することがなく、た
だyの値に応じて面間隔のみ変化している。即ち、LiCo
O2とLixNiyCo1-yO2とは、結晶構造が同様であるが、層
間距離が異なる物質であるといえる。
なお、リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物は、
上述の合成例に限られず、リチウム、ニッケル、コバル
トの各水酸化物又は各酸化物を用いて焼成することによ
り合成した場合にも、同様に得ることができ、またその
焼成温度は600〜900℃の範囲とすることができる。
以上の計5種類のリチウム・ニッケル・コバルト複合
酸化物を正極活物質として単独で用いて、第1表に示
す、非水電解質二次電池A〜Fを同様にして作製した。
更に、上記リチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物と
リチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO2)とを第1表に
示す重量比で混合して得られる混合品を、正極活物質と
して用いて、非水電解質二次電池G、H、J、Kを同様
にして作製した。
ここで二次電池H、I、Jは本発明による実施例であ
り、二次電池A〜G、Kは比較例である。
次に、上述の非水電解質二次電池A〜Kを各々20個づ
つ作製した。そして、これらの電池を電流2Aで2時間充
電して過充電状態にすることによって、電池に急速な発
熱や比較的急速な破損が生じるといった電池の損傷品の
発生率を調べた。その結果を、第1表に示す。なお、同
表には、既に述べた従来例の場合についても合せて示し
てある。
電解液の分解のしやすさを調べるために、LixNiyCo
1-yO2において、y=0、0.1、0.3、0.5、0.7、0.9、1.
0とした計7種類の複合酸化物を、正極活物質としてそ
れぞれ単独で用いた7種類の非水電解質二次電池につい
て、過充電時における電池電圧と電池内圧とを測定し、
その結果を第9図に示した。なお、y=0であるLiCoO2
は、従来例の場合である。また、電池内圧が上昇したそ
れぞれの電池を分解し、発生ガスを捕集して分析したと
ころ、電解液が分解して発生したガスであることが確認
できた。従って、第9図における電池内圧の上昇は、電
解液の分解ガスによるということができる。同図から、
LixNiyCo1-yO2におけるyの値が大きいものほど、上記
分解ガスが発生しやすいといえるので、電解液の分解電
圧は上記yの値が大きくなると低下する。即ち、y=0
であるLiCoO2(従来例)、y=0.1であるLiNi0.1Co0.9O
2及びy=0.3であるLiNi0.3Co0.7O2のそれぞれの場合
は、上記分解電圧は約4.8V前後である。またy=0.5で
あるLiNi0.5Co0.5O2、y=0.7であるLiNi0.7Co0.3O2
y=0.9であるLiNi0.9Co0.1O2及びy=1であるLiNiO2
のそれぞれの場合は、上記分解電圧は約4.5V前後であ
る。
これらのリチウム・ニッケル・コバルト複合酸化物
は、電解液の分解を早める触媒的効果を有していると考
えられる。
以上の第9図の結論をもとに、第1表における電池A
〜Kの電池損傷品発生率をみると、yが0.5以上であるL
ixNiyCo1-yO2を正極活物質として多少でも含有している
電池C、D、E、F、H、I、Jは、全く損傷していな
いことが明らかである。即ち、ニッケルを含まないリチ
ウム・コバルト複合酸化物に上述のリチウム・ニッケル
・コバルト複合酸化物を少量添加するだけでも、その効
果があらわれて、電池内圧の上昇し始める電圧、即ち電
解液の分解電圧が低くなることが確認された。
また、yが0.5未満であるLixNiyCo1-yO2を正極活物質
として多少でも含有している電池A、B、G、Kは、従
来例の場合と同じような損傷をかなり起こしている。即
ち、yが0.5未満のLixNiyCo1-yO2は、上記触媒的効果を
あまり期待できないといえる。
また、電池C、D、EのようにLixNiyCo1-yO2を単独
で非水電解質二次電池の正極活物質として用いること
は、特開昭63−299056号公報に開示されている。正極活
物質としての上記LixNiyCo1-yO2(y≠0)とLiCoO2
を比較すると、前者の場合は、後者の場合に較べて、特
にyの値が大きくなると放電電圧が多少低目になってエ
ネルギー密度も低くなり、また自己放電もしやすくな
る。
電池H、I、Jは、放電電圧の高いLiCoO2を正極活物
質として用いることができると共に、電池が損傷してし
まう高い充電電圧になる前に確実に電流遮断装置が作動
し、電池が急速に発熱したり比較的急速に破損するとい
った損傷状態に陥らないことが確認された。
なお、電池HとKとを比較してみると、正極活物質内
のニッケルとコバルトとのモル比はほぼ同じであるにも
かかわらず、上記電池損傷品発生率は全く違う結果とな
っていることがわかる。
以上の結果から、電解液の分解が約4.6V以上で起こる
ものは、過充電時に、電解液の分解と同時に正極活物質
の分解も起こりはじめて酸素を発生し、この酸素と負極
中のリチウムとが急速に反応するので、好ましくない。
つまり、正極活物質中にリチウム・ニッケル・コバル
ト複合酸化物LixNiyCo1-yO2(0.2x1)のyの値が
0.50〜1.0の範囲のものが混合されていると、適切な電
圧にて電解液が分解するのであって、単に正極活物質内
のニッケルとコバルトのモル比だけでは、電解液の分解
電圧は決定されない。そして、このようなリチウム・ニ
ッケル・コバルト複合酸化物が全正極活物質中に0.5重
量%、より好ましくは2重量%含まれればその効果があ
らわれ、また70重量%、より好ましくは50重量%含まれ
ていても放電電圧はそれほど低くなることはない。ま
た、他の正極活物質として、LiMnO2等が少量含まれてい
てもよい。
なお、第1の正極活物質として、上述したLiCoO2以外
にも、0<y<0.5であるLixNiyCo1-yO2(0<x1、
好ましくは0.2x1)を用いることが可能である。
また、本実施例は渦巻型の円筒形二次電池に適用した
が、電池内圧の上昇によって作動する電流遮断手段を備
えた非水電解質二次電池であれば、形状は特に限定され
ない。また、上記非水電解質は固体であってもよく、こ
の場合、従来より公知の固体電解質を用いることができ
る。
〔発明の効果〕
本発明は、上述のとおり構成されているので、電流遮
断手段を備えた非水電解質二次電池を過充電しても、上
記電流遮断手段が確実に作動して過充電に伴う電池内部
の異常反応を阻止できる。しかも、放電電圧及びエネル
ギー密度の低下並びに自己放電も少ない。従って、高エ
ネルギー密度でサイクル特性に優れかつ安全性の高い非
水電解質二次電池を提供でき、その工業的及び商業的価
値は大である。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は、本発明を適用しえる非水電解質二
次電池の一例を示すものであって、第1図は、電池内圧
の上昇に応じて作動する電流遮断装置を備えた非水電解
質二次電池の上半部分の概略的な縦断面図、第2図は、
上記電流遮断装置が作動した場合の非水電解質二次電池
の第1図と同様の縦断面図である。第3図〜第8図は、
本発明を説明するためのLixNiyCo1-yO2(x≒1)のX
線回析による回析パターンを示すものであって、第3図
は、y=0、第4図は、y=0.1、第5図は、y=0.3、
第6図は、y=0.5、第7図は、y=0.7、第8図は、y
=0.9である場合のX線回析パターンの曲線図である。
第9図はLixNiyCo1-yO2(x≒1)のyの値を7通りに
変えた場合のそれぞれの過充電時における電流電圧と電
池内圧との関係を示す曲線図である。 なお、図面に用いられた符号において、 25……電流遮断装置(電流遮断手段) 31……正極 32……負極 である。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 尚之 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1― 1 株式会社ソニー・エナジー・テック 郡山工場内 (72)発明者 山本 佳克 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1― 1 株式会社ソニー・エナジー・テック 郡山工場内 (72)発明者 遠藤 正幸 福島県郡山市日和田町高倉字下杉下1― 1 株式会社ソニー・エナジー・テック 郡山工場内 (56)参考文献 特開 昭63−121260(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/58 H01M 10/40

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極活物質としてリチウム化合物を用いた
    正極と、リチウムをドープしかつ脱ドープしえる負極
    と、非水電解質と、電池内圧の上昇に応じて作動する電
    流遮断手段とをそれぞれ備えた非水電解質二次電池にお
    いて、 上記正極活物質が、第1の活物質と第2の活物質とから
    主として構成され、 上記第1の活物質が、LixNiyCo1-yO2(但し、0<x
    1及び0y<0.50)から成り、 上記第2の活物質が、Lix′Niy′Co1-y′O2(但し、0
    <x′1及び0.50y′1.0)から成り、 上記正極活物質の全体を100重量部として上記第2の活
    物質が0.5〜70重量部含まれていることを特徴とする非
    水電解質二次電池。
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