JP3103899B2 - 非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質二次電池

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JP3103899B2
JP3103899B2 JP03130682A JP13068291A JP3103899B2 JP 3103899 B2 JP3103899 B2 JP 3103899B2 JP 03130682 A JP03130682 A JP 03130682A JP 13068291 A JP13068291 A JP 13068291A JP 3103899 B2 JP3103899 B2 JP 3103899B2
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リチウム複合酸化物を
正極とし、電池内圧の上昇に応じて作動する電流遮断手
段とを備えた非水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子技術の進歩により電子機器の
高性能化、小型化、ポータブル化が進み、これら電子機
器に使用される高エネルギー密度二次電池の要求が強ま
っている。従来より、これらの電子機器に使用される二
次電池としては、ニッケル・カドミウム電池や鉛電池等
が知られているが、これら電池は放電電位が低く、エネ
ルギー密度の高い電池を得るという点では未だ不十分で
ある。近年、リチウムやリチウム合金、もしくは炭素材
料のようなリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な物
質を負極として用い、また正極にリチウムコバルト複合
酸化物等のリチウム複合酸化物を使用する非水電解質二
次電池の研究・開発が行われている。この非水電解質二
次電池は、電池電圧が高く、高エネルギー密度を有し、
自己放電も少なく、且つサイクル特性に優れている。
【0003】ところで、一般に電池は、密閉型の構造で
ある場合、何らかの原因で電池内圧が上昇すると電池の
急速な破損が起こって電池がその機能を失い、或いは周
辺機器に対しても損傷を与えてしまうことがある。特
に、上述のような非水電解質二次電池を密閉型構造で作
製した場合、何らかの原因で充電時に所定以上の電気量
の電流が流れて過充電状態になると電池電圧が高くな
り、電解液等が分解やガス発生を生じて、電池内圧が上
昇する。そして、このような過充電状態が続くと、電解
質や活物質の急速な分解といった異常反応が起こり、電
池温度が急速に上昇してしまうこともある。
【0004】かかる問題についての対策として、電池内
圧の上昇に応じて作動する電流遮断手段を備え、正極に
炭酸リチウムを含有する非水電解質二次電池が提案され
ている。この二次電池においては、例えば過充電状態が
進むと正極中の炭酸リチウムが電気化学的に分解されて
炭酸ガスが発生する。このガス発生により電池内圧が上
昇し始めると、この内圧の上昇により前記電流遮断手段
が作動し、充電電流が遮断される。これにより、電池内
部の異常反応の進行が停止され、電池温度の急速な上昇
や電池内圧の上昇が防止される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、近年、電池の
急速充電化に伴い、より高い充電電流での安全性が要求
されている。このため、上記電流遮断手段を備え、且つ
正極に炭酸リチウムを含有する非水電解質二次電池にお
いては、従来の充電電流では過充電時における安全性を
確保することができたが、更に高い電流で過充電を行う
と、急速な温度上昇を伴う発熱や比較的急速な破損とい
った損傷状態を呈することがある。そこで本発明は、電
流遮断手段を備えた非水電解質二次電池をさらに高い電
流で過充電しても、急速な温度上昇を伴う発熱や比較的
急速な破損が防止され、安全性の高い非水電解質二次電
池を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上述の目的
を達成するために検討を重ねた結果、リチウム複合酸化
物を主体とする正極の表面に炭酸リチウムで被われた部
分を持たせることにより、急速な温度上昇を伴う発熱や
比較的急速な被損が防止されることを見出し、本発明に
至ったものである。即ち、本発明の非水電解質二次電池
は、LiX MO2 (但し、Mは遷移金属の少なくとも1
種を表し、0.05≦X≦1.10である。)を含有す
る正極と、リチウムをドープ・脱ドープし得る負極と、
非水電解質と、を備えてなり、上記正極が表面に炭酸リ
チウムに被覆された部分を有することを特徴とするもの
である。
【0007】本発明において、正極にはLix MO
2 (ただし、Mは遷移金属の少なくとも1種を表し、好
ましくはCoまたはNiの少なくとも1種を表す。ま
た、Xは0.05≦X≦1.10である。)を含んだ活
物質が使用される。かかる活物質としては、LiCoO
2 ,LiNiO2 ,LiNiy Co(1-y) 2 (但し、
0.05≦X≦1.10,0<y<1)で表される複合
酸化物が挙げられる。上記複合酸化物は、たとえばリチ
ウム,コバルト,ニッケルの炭酸塩を出発原料とし、こ
れら炭酸塩を組成に応じて混合し、酸素存在雰囲気下6
00℃〜1000℃の温度範囲で焼成することにより得
られる。また、出発原料は炭酸塩に限定されず、水酸化
物,酸化物からも同様に合成可能である。本発明におい
ては、この正極の表面に炭酸リチウムにより被覆された
部分をもたせる。上記正極の表面に炭酸リチウムで被わ
れた部分を持たせる手段としては、例えば活物質合成時
に炭酸リチウムを残留させる方法や、活物質を合成した
後、得られた活物質に炭酸リチウムを混合して所定の温
度で炭酸リチウムを再溶融させる方法等が考えられる
が、これに限られるものではない。炭酸リチウムの導入
量は、正極活物質中0.5〜15重量%とされることが
好ましい。このように正極の表面に炭酸リチウムに被覆
された部分が形成されていることを確認する方法として
は、例えばエネルギー分散型X線分光法(EDX)によ
り正極活物質表面に存在する元素を解析する方法があ
る。
【0008】一方、負極には、本発明では例えば炭素材
料を用いるが、この炭素材料としては、リチウムをドー
プ・脱ドープ可能なものであれば良く、熱分解炭素類、
コークス類(ピッチコークス,ニードルコークス、石油
コークス等)、グラファイト類、ガラス状炭素類、有機
高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を
適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性
炭等が挙げられる。あるいは、炭素材料以外に、金属リ
チウム,リチウム合金(たとえば、リチウム−アルミ合
金)の他、ポリアセチレン、ポリピロール等のポリマー
も使用可能である。
【0009】電解液としては、例えばリチウム塩を電解
質とし、これを有機溶媒に溶解させた電解液が用いられ
る。ここで有機溶媒としては、特に限定されるものでは
ないが、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネー
ト、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクトン、
テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、
1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル、
ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等の単
独もしくは2種類以上の混合溶媒が使用可能である。
【0010】電解質としては、LiClO4 ,LiAs
6 ,LiPF6 ,LiBF4 ,LiB(C65
4 ,LiCl,LiBr,CH3 SO3 Li,CF3
3 Li等が使用可能である。また、上記電流遮断手段
としては、通常この種の電池に設けられる電流遮断手段
が何れも採用可能であり、電池の内圧に応じて電流を遮
断できるものであれば如何なるものであっても良い。
【0011】
【作用】炭酸リチウムで表面を被ったLiCoO2 を正
極に用いることにより、より高い電流での過充電で電池
の急速な温度上昇を伴う発熱や比較的急速な破損が防止
される。この理由は明らかではないが、次のように考え
られる。即ち、炭酸リチウムは、過充電で電気化学的に
分解されて炭酸ガスを発生させることにより、過充電で
の安全性を確保している。ここで、炭酸リチウムを正極
中の正極活物質にただ単に混合するだけでは、炭酸リチ
ウムの反応面積は小さい。このため、より高い充電電流
で過充電をした時には、炭酸リチウムの分解反応が間に
合わず、電池内での異常反応が進行する可能性がある。
しかし、活物質表面に部分的に炭酸リチウムの層を設け
て活物質表面を被うことにより、炭酸リチウムの表面
積、すなわち反応面積が増大する。これにより、より高
い充電電流で過充電しても、炭酸リチウムの分解が速や
かに進み炭酸ガスの発生が促進されて、電池内での異常
反応の進行が抑制でき、電池の急速な温度上昇を伴う発
熱や比較的急速な破損の防止が可能になったものと思わ
れる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例について実験結
果にもとづき説明する。先ず、後述の各実施例において
作製した非水電解質二次電池の構造を図1に示す。この
非水電解質二次電池は、図1に示すように、負極集電体
9に負極活物質を塗布してなる負極1と、正極集電体1
0に正極活物質を塗布してなる正極2とを、セパレータ
3を介して巻回し、この巻回体の上下に絶縁板4を載置
した状態で電池缶5に収納してなるものである。前記電
池缶5には、電池蓋7が封口ガスケット6を介してかし
こめることによって取付けられ、それぞれ負極リード1
1及び正極リード12を介して負極1或いは正極2と電
気的に接続され、電池の負極或いは正極として機能する
ように構成されている。
【0013】そして、本実施例の非水電解質二次電池で
は、前記正極リード12は電流遮断用薄板8に溶接され
て取付けられ、この電流遮断用薄板8を介して電池蓋7
との電気的接続が図られている。このような構成を有す
る電池においては、電池内部の圧力が上昇すると、図2
に示すように、前記電流遮断用薄板8が押し上げられて
変形する。すると、正極リード12が電流遮断用薄板8
と溶接された部分を残して切断され、電流が遮断され
る。
【0014】実施例1 正極活物質(LiCoO2 )の合成を次のように行っ
た。先ず、炭酸リチウムと炭酸コバルトをLi/Co
(モル比)=1.15になるように混合し、空気中で9
00℃、5時間焼成した。この材料についてX線回折測
定を行った結果、LiCoO2 と炭酸リチウムとの混合
物であることが判った。また、この材料中の炭酸リチウ
ム量を定量したところ、6.2重量%の炭酸リチウムを
含んでいた。なお、上記炭酸リチウム量は、試料を硫酸
で分解し生成したCO2 を塩化バリウムと水酸化ナトリ
ウム溶液中に導入して吸収させた後、塩酸標準溶液で滴
定することによりCO2 を定量し、そのCO2 量から換
算して求めた。
【0015】その後、自動乳鉢を用いてこの材料を粉砕
してLiCoO2 を得た。このようにして得られたLi
CoO2 を正極活物質として用い、この正極活物質91
重量%、導電材としてグラファイト6重量%、結着剤と
してポリフッ化ビニリデン3重量%の割合で混合して正
極合剤を作成し、これをN−メチル−2−ピロリドンに
分散してスラリー状とした。そして、このスラリーを正
極集電体10である帯状のアルミニウム箔の両面に塗布
し、乾燥後ローラープレス機で圧縮成形して正極2を作
成した。
【0016】次に、負極活物質は、出発物質に石油ピッ
チを用い、これを酸素を含む官能基を10〜20%導入
(いわゆる酸素架橋)した後、不活性ガス中1000℃
で焼成し、得られたガラス状炭素に近い性質を有する難
黒鉛炭素材料を用いた。この炭素材料についてX線回折
測定を行った結果、(002)面の面間隔は3.76Å
で、また真比重は1.58であった。この炭素材料90
重量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量%
の割合で混合して負極合剤を作成し、これをN−メチル
−2−ピロリドンに分散させてスラリー状とした。そし
て、このスラリーを負極集電体である帯状の銅箔の両面
に塗布し、乾燥後ローラープレス機で圧縮成形して負極
1を作成した。
【0017】そして、これら帯状の正極2、負極1及び
25μmの微孔性ポリプロピレンフィルムから成るセパ
レータ3を順々に積層してから渦巻型に多数回、巻回す
ることにより巻回体を作成した。続いて、ニッケルメッ
キを施した鉄製の電池缶5の底部に絶縁板4を挿入し、
上記巻回体を収納した。そして、負極の集電をとるため
にニッケル製の負極リード11の一端を負極1に圧着
し、他端を電池缶5に溶接した。また、正極の集電をと
るためにアルミニウム製の正極リード12の一端を正極
2にとりつけ、他端を電池内圧に応じて電流を遮断する
電流遮断装置8を持つ電池蓋7に溶接した。この電池缶
5の中にプロピレンカーボネート50容量%とジエチル
カーボネート50容量%混合溶媒中にLiPF6 1 mo
l溶解させた電解液を注入した。そして、アスファルト
を塗布した絶縁封口ガスケット6を介して電池缶5をか
しめることで、電池蓋7を固定し直径14mm,高さ5
0mm円筒型電池を作成した。
【0018】実施例2 正極活物質(LiCoO2 )の合成を次のように行っ
た。先ず、炭酸リチウムと炭酸コバルトをLi/Co
(モル比)=1になるように混合し、空気中で900
℃、5時間焼成した。この材料についてX線回折測定を
行った結果、JCPDSカードのLiCoO2 と良く一
致していた。その後、自動乳鉢を用いて上記材料を粉砕
してLiCoO2 を得た。このようにして得られたLi
CoO2 93.8重量%と炭酸リチウム6.2重量%と
を良く混合した後、空気中で750℃、5時間焼成して
正極活物質を得た。この正極活物質中の炭酸リチウム量
を定量したところ6.2重量%であった。そして、自動
乳鉢を用いてこの正極活物質を粉砕し、得られた正極活
物質91重量%、導電材としてグラファイト6重量%、
結着剤としてポリフッ化ビニリデン3重量%の割合で混
合して正極を作成し、これ以外は実施例1とまったく同
様にして円筒型電池を作成した。
【0019】比較例1 正極活物質(LiCoO2 )の合成を次のように行っ
た。先ず、炭酸リチウムと炭酸コバルトをLi/Co
(モル比)=1になるように混合し、空気中で900
℃、5時間焼成した。この材料についてX線回折測定を
行った結果、JCPDSカードのLiCoO2 と良く一
致していた。また、この正極活物質中の炭酸リチウムを
定量したところほとんど検出されず0%であった。その
後、自動乳鉢を用いて上記材料を粉砕してLiCoO2
を得た。このようにして得られたLiCoO2 を正極活
物質として用い、この正極活物質91重量%、導電材と
してグラファイト6重量%、結着剤としてポリフッ化ビ
ニリデン3重量%の割合で混合して正極を作成し、これ
以外は実施例1とまったく同様にして円筒型電池を作成
した。
【0020】比較例2 上述の比較例1で得られたLiCoO2 を用い、LiC
oO2 93.8重量%・炭酸リチウム6.2重量%とし
て得られる混合品を91重量%、導電材としてグラファ
イトを6重量%、結着剤としてポリフッ化ビニリデン3
重量%の割合で混合して正極を作成し、これ以外は実施
例1とまったく同様にして円筒型電池を作成した。
【0021】上述の各実施例及び比較例で得られた電池
を各々20個づつ用意し、これら電池を電流1.5A,
及び3.7Aで過充電状態にして、電池の急速な温度上
昇を伴う発熱や比較的急速な破損が生じた電池(損傷
品)の発生率を調査した。この結果を表1に示す。
【表1】
【0022】表1に示すように、充電電流1.5Aでの
過充電では、炭酸リチウムを含有しない比較例1を除い
て損傷品の発生はなかった。そして、さらに高い充電電
流3.7Aでの過充電では、活物質合成時に炭酸リチウ
ムを残留させた実施例1と、活物質合成後に炭酸リチウ
ムを混合して750℃で炭酸リチウムを再溶融させた実
施例2では、損傷品の発生がなかったのに対して、活物
質合成後に単に炭酸リチウムを混合した比較例2では、
炭酸リチウムを含有しない比較例1と同様に殆どの電池
に損傷が見られた。
【0023】そこで、実施例1の活物質合成時に炭酸リ
チウムを残留させた正極活物質、及び比較例2の活物質
合成後に炭酸リチウムを混合した正極活物質ついてX線
回折測定を行った。この結果を図3及び図4に示す。図
3は、実施例1の活物質合成時に炭酸リチウムを残留さ
せた正極活物質のX線回折図であり、図4は比較例2の
活物質合成後に炭酸リチウムを混合した正極活物質のX
線回折図である。図3及び図4に示すように、実施例1
の正極活物質と比較例2の正極活物質のX線回折図に大
きな差はなく、LiCoO2 と炭酸リチウムの混合物で
あることが判った。
【0024】次に、ケベックス(KEVEX)社製のエ
ネルギー分散型X線分光分析(EDX)装置を用いて、
上述の実施例1の正極活物質と比較例2の正極活物質の
微小領域の表面の元素分析を行った。この結果を図5及
び図6に示す。図5は、実施例1の活物質合成時に炭酸
リチウムを残留させた正極活物質の表面スペクトルを示
し、図6は比較例2の活物質合成後に炭酸リチウムを混
合した正極活物質の表面スペクトルを示す。
【0025】図6より、比較例2の活物質合成後に炭酸
リチウムを混合した正極活物質については、Coのスペ
クトルが顕著に現れた。また、粒子一つ一つについて元
素分析を行うと、Coのスペクトルの有る部分と無い部
分が存在し、Coのスペクトルが有る部分は、図7に示
すように、LiCoO2 に相当しており、一方Coのス
ペクトルが無い部分は、図8に示すように、炭酸リチウ
ムに相当していた。このことから、比較例2の正極活物
質では、LiCoO2 と炭酸リチウムは分かれて混在し
た状態で存在していることが判った。これに対して、図
5に示すように、実施例1の活物質合成時に炭酸リチウ
ムを残留させた正極活物質については、LiCoO2
相当するCoのスペクトルが顕著に現れずにピーク強度
が弱く、そして粒子一つ一つについて元素分析を行って
もCoのスペクトルの強度は若干変化するものの、比較
例2の正極活物質であったようなCoのスペクトルの大
きな変化はなかった。
【0026】このことから、活物質合成時に炭酸リチウ
ムを残留させた正極活物質は、活物質合成後に炭酸リチ
ウムを混合した正極活物質のように、LiCoO2 と炭
酸リチウムが分かれて混在した状態で存在しているので
はなく、炭酸リチウムがLiCoO2 の表面を被った状
態で存在していることがわかる。そのため、LiCoO
2 に相当するCoのスペクトルが顕著に現れずにピーク
強度が弱くなっている。また、実施例2の活物質合成後
に炭酸リチウムを混合して750℃で炭酸リチウムを再
溶融させた正極活物質は、X線回折図及びEDXの結果
は実施例1と同じであった。このことから、実施例2の
正極活物質は、実施例1の正極活物質と同様に、炭酸リ
チウムがLiCoO2 表面を被った状態で存在している
と考えられる。
【0027】従って、正極中の炭酸リチウムがLiCo
2 にただ単に混在した状態から、LiCoO2 表面を
被った状態にすることにより、より高い電流で過充電し
ても電池の急速な温度上昇を伴う発熱や比較的急速な破
損の防止が可能となった。なお、本実施例では、正極活
物質としてLiCoO2 を用いたが、他の正極活物質
(たとえば、LiX Niy Co(1-y) 2 (但し0.0
5≦X≦1.10,0<y≦1))でも同様な効果が確
認された。
【0028】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明においては、表面が炭酸リチウムに被われた部分を持
つLix MO2 を正極に使用することにより、さらに高
い電流で過充電しても、過充電に伴う電池内部の異常反
応が阻止され、電池の急速な温度上昇を伴う発熱や比較
的急速な破損を防止できる。従って、高エネルギー密度
でサイクル特性に優れ、かつ安全性の高い非水電解質二
次電池を提供することができる。また、この非水電解質
二次電池の工業的及び商業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解質二次電池の構成例を示す概
略断面図である。
【図2】電流遮断手段の動作状態を示す概略断面図であ
る。
【図3】活物質合成時に炭酸リチウムを残留させた正極
活物質のX線回折図である。
【図4】活物質合成後に炭酸リチウムを混合した正極活
物質のX線回折図である。
【図5】活物質合成時に炭酸リチウムを残留させた正極
活物質のエネルギー分散型X線分光法(EDX)による
表面スペクトルを示す特性図である。
【図6】活物質合成後に炭酸リチウムを混合した正極活
物質のEDXによる表面スペクトルを示す特性図であ
る。
【図7】活物質合成後に炭酸リチウムを混合した正極活
物質の粒子毎の元素分析結果において、Coのスペクト
ルの有る部分のEDXによる表面スペクトルを示す特性
図である。
【図8】活物質合成後に炭酸リチウムを混合した正極活
物質の粒子毎の元素分析結果において、Coのスペクト
ルの無い部分のEDXによる表面スペクトルを示す特性
図である。
【符号の説明】
1・・・負極 2・・・正極 3・・・セパレータ 8・・・電流遮断用薄板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−87152(JP,A) 特開 平4−206267(JP,A) 特開 平4−328278(JP,A) 特開 昭60−127669(JP,A) 特開 平3−49155(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 - 4/04 H01M 4/36 - 4/62

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiX MO2 (但し、Mは遷移金属の少
    なくとも1種を表し、 0.05≦X≦1.10である。)を含有する正極と、 リチウムをドープ・脱ドープし得る負極と、 非水電解質と、 を備えてなり、上記正極が表面に炭酸リチウムに被覆さ
    れた部分を有することを特徴とする非水電解質二次電
    池。
  2. 【請求項2】 電池内圧の上昇に応じて作動する電流遮
    断手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の非
    水電解質二次電池。
  3. 【請求項3】 リチウムをドープ・脱ドープし得る負極
    が難黒鉛炭素材料であることを特徴とする請求項1記載
    の非水電解質二次電池。
JP03130682A 1991-04-26 1991-05-02 非水電解質二次電池 Expired - Lifetime JP3103899B2 (ja)

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JP03130682A JP3103899B2 (ja) 1991-05-02 1991-05-02 非水電解質二次電池
US07/962,583 US5427875A (en) 1991-04-26 1992-04-24 Non-aqueous electrolyte secondary cell
PCT/JP1992/000541 WO1992020112A1 (en) 1991-04-26 1992-04-24 Nonaqueous electrolyte secondary battery
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