JP3049279B2 - キトサン及びその製造方法と、高分子凝集剤 - Google Patents

キトサン及びその製造方法と、高分子凝集剤

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JP3049279B2 JP9238989A JP23898997A JP3049279B2 JP 3049279 B2 JP3049279 B2 JP 3049279B2 JP 9238989 A JP9238989 A JP 9238989A JP 23898997 A JP23898997 A JP 23898997A JP 3049279 B2 JP3049279 B2 JP 3049279B2
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憲司 辰巳
慎二 和田
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工業技術院長
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キトサン及びその
製造方法と、高分子凝集剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】キトサンを高分子凝集剤として使用する
ことは広く行われている。しかし、従来のキトサンの場
合、その凝集性能は未だ満足し得るものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高められた
凝集性能を有するキトサン及びその製造方法と、そのキ
トサンからなる高分子凝集剤を提供することをその課題
とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、アミノ基の一部が下
記一般式(1)
【化1】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示し、R3は低
級アルキレン基を示す)で表される置換アミノ基を含有
し、かつ下記一般式(2)が提供される。
【化2】 −N=CH−〔R4〕n−CH=N− (2) (式中、R4はアルキレン基を示し、nは0又は1を示
す)で表される架橋基を含有することを特徴とするキト
サンが提供される。また、本発明によれば、キトサンに
含まれるグルコサミン単位に対して、第1級アミノ基の
含量割合が10〜80モル%、前記一般式(1)の置換
アミノ基の含有割合が20〜90モル%及び前記一般式
(2)の架橋基の含有割合が0.2〜10モル%である
キトサンが提供される。また、本発明によれば、前記キ
トサンを製造する方法において、キトサンに、下記一般
式(3)
【化3】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示し、R3は低
級アルキレン基を示し、Xはハロゲンを示す)で表され
る置換アミノ化合物を反応させた後、下記一般式(4)
【化4】 OHC〔R4〕nCHO (4) (式中、R4はアルキレン基を示し、nは0又は1を示
す)で表されるジアルデヒド化合物を反応させることを
特徴とする前記の方法が提供される。さらに、本発明に
よれば、前記キトサンからなる高分子凝集剤が提供され
る。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いるキトサンは従来公
知のもので、キチンの脱アセチル化によって得られる。
この場合の脱アセチル化度は50〜99%、好ましくは
65〜95%である。また、キトサンの数平均分子量は
50,000〜1,000,000、好ましくは10
0,000〜700,000である。
【0006】本発明において、キトサンに対して置換ア
ミノ基を導入するために用いる置換アミノ化合物は、前
記一般式(3)で表されるものである。前記一般式
(3)において、低級アルキレン基R3としては、炭素
数1〜6、好ましくは2〜4のアルキレン基が用いられ
る。また、低級アルキル基R1、R2としては、炭素数1
〜6のアルキル基、好ましくは1〜4のアルキル基が用
いられる。ハロゲンXとしては、塩素又は臭素原子が好
ましく用いられる。本発明において好ましく用いられる
置換アミノ化合物は、ジエチルアミノエチルクロリド及
びジメチルアミノエチルクロリドである。
【0007】本発明において、キトサンに対して架橋基
を導入するために用いるジアルデヒド化合物は、前記一
般式(4)で表されるものである。前記一般式(4)に
おいて、アルキレン基R4の炭素原子数は特に制約され
ず、通常、1〜18、好ましくは1〜8、より好ましく
は1〜6である。nは0又は1を示す。nが0の場合に
は、そのジアルデヒド化合物は、グリオキサール(OH
C−CHO)を示す。nが1の場合には、そのジアルデ
ヒド化合物には、グルタルアルデヒド、スクシンジアル
デヒド等が包含される。
【0008】本発明のキトサンを製造するには、水中に
キトサンと前記一般式(3)の置換アミノ化合物を加
え、反応終了後のpHが4〜7.5となるようにアルカ
リを添加して、pHを7〜13とする。反応終了時のp
Hが7.5より高くなる条件では、キトサンは可溶化さ
れず、一方、反応終了時のpHが4より低くなる条件で
は、反応不足である。置換アミノ化合物は、塩、例えば
塩酸塩や硫酸塩として添加される。この場合のアルカリ
としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、四ほう
酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム等
が用いられる。キトサンとしては、粉末状のものでもフ
レーク状のものでも用いられる。このアルカリ性水中に
おいて、キトサンは溶解せずに懸濁して懸濁液を形成す
るが、この懸濁液は、置換アミノ化合物の存在下で加温
すると、キトサンと置換アミノ化合物との反応が起り、
ハロゲン化水素の生成によるpHの低下もあって、キト
サンは可溶化され、さらにキトサンと置換アミノ化合物
との反応が進み、キトサン分子中には、前記一般式
(1)で表される置換アミノ基が導入される。置換アミ
ノ化合物の使用割合は、キトサン中に含まれるグルコサ
ミン単位1モル当り、0.5〜20モル、好ましくは1
〜10モルの割合である。反応温度は10〜90℃、好
ましくは30〜80℃である。
【0009】このようにして、キトサン中に含まれるア
ミノ基(−NH2)と前記置換アミノ化合物とが反応し
て、そのキトサン中のアミノ基は、前記一般式(1)で
表される置換アミノ基に置換される。この置換アミノ基
がキトサン中に含まれる割合は、キトサンに含まれるグ
ルコサミン単位1モル当り、0.1〜1.0モル、好ま
しくは0.2〜0.9モルである。この割合は、反応温
度、反応時間等の反応条件により調節することができ
る。
【0010】前記のようにして得た反応液は、キトサン
のアミノ基と置換アミノ化合物との反応により副生する
ハロゲン化水素により中和され、反応液のpHは低下さ
れ、そのpHは、通常、4〜7.5である。これは、前
記のとおり、置換アミノ基の反応が十分に起り、しかも
キトサンが溶解する条件である。そしてまた、このpH
の条件は、ジアルデヒド化合物との反応に適した条件で
もある。ジアルデヒド化合物との反応は、pH4以下で
は進行せず、pHが7を超えるとキトサンが不溶性とな
るからである。本発明では、この反応液に前記一般式
(4)のジアルデヒド化合物を架橋剤(連結剤)として
添加し、反応させる。この場合の反応温度は10〜60
℃、好ましくは20〜50℃である。必要なら、アルカ
リを加えてpHを上げ、反応速度を速くすることもでき
る。この反応により、ジアルデヒド化合物を介して少な
くとも2分子のキトサンが連結される。即ち、1つのキ
トサン分子に含まれる第1級アミノ基(−NH2)にジ
アルデヒド化合物の1つのアルデヒド基が反応し、他方
のキトサン分子に含まれる第1級アミノ基(−NH2
にジアルデヒド化合物の他方のアルデヒド基が反応す
る。この場合、第1級アミノ基の含有量が大きいと、ジ
アルデヒド化合物を添加しても極めて近傍の第1級アミ
ノ基を架橋してしまい、高重合度化にならない。本発明
は、置換アミノ基を導入することにより、キトサンの第
1級アミノ基を減少させ、残留する少数の第1級アミノ
基を架橋することにより高重合度のキトサンを得るもの
である。このようにして得られるキトサンは、その分子
中に前記一般式(4)で表される架橋基(連結基)を有
し、高分子量化されたものである。
【0011】本発明のキトサンにおいて、そのキトサン
に含まれる第1級アミノ基、前記一般式(1)で表され
る置換アミノ基及び前記一般式(2)で表される架橋基
の割合(モル%)を示すと、キトサンに含まれるグルコ
サミン単位に対して、第1級アミノ基の割合は0〜90
モル%、好ましくは10〜80モル%、前記一般式
(1)の置換アミノ基の割合は10〜100モル%、好
ましくは20〜90モル%、前記一般式(2)の架橋基
の割合は0.2〜10モル%、好ましくは0.2〜7モ
ル%である。
【0012】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0013】実施例1 フラスコに粉末状のキトサン(脱アセチル化度:85モ
ル%、数平均分子量:580,000)0.2gを加
え、次にジエチルアミノエチルクロリド塩酸塩をキトサ
ンのグルコサミン単位の5倍モルに相当する量加え、さ
らに水10mlを加えた後、2N水酸化ナトリウム水溶
液1.5mlを加え、60℃で2時間撹拌下で反応させ
たところ、キトサン粉末は可溶化され、pH約5.0の
反応液が得られた。次に、この反応液に、グルタルアル
デヒド水溶液(0.5wt%)を、キトサンのグルコサ
ミン単位1モル当り、グルタルアルデヒドのモル数で、
約0.012モルの割合で添加し、40℃で2時間振と
うしながら反応させた。このようにして得られたキトサ
ン水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加えてキトサンを
沈殿させ、この沈殿を濾別し、乾燥してキトサン[I]
を得た。このものは、分析の結果、キトサンのグルコサ
ミン単位1モル当り、第1級アミノ基:41モル%、ジ
エチルアミノエチル基:42モル%、ジアルデヒド由来
の架橋基:1.6モル%を含有するものであった。
【0014】次に前記キトサン[I]の凝集性能を調べ
るために、以下のようにして実験を行った。 (実験A)微粒子状石炭(灰分:38.6wt%、粒度
74μm以下)の5wt%の懸濁水20ml中に前記キ
トサン[I]の0.1wt%水溶液を撹拌下で徐々に加
えて、微粒子状石炭が実質的に凝集するのに要するキト
サン[I]の添加量を調べたところ、その添加量は0.
75mg/lであり、通常のキトサンの約3分の1であ
った。
【0015】(実験B)微粒子状カオリンの3wt%の
懸濁水20ml中に前記キトサン[I]の0.1wt%
水溶液を撹拌下で徐々に加えて、微粒子状カオリンが実
質的に凝集するのに要するキトサン[I]の添加量を調
べたところ、その添加量は0.8mg/lであり、通常
のキトサンの約3分の1であった。
【0016】
【発明の効果】本発明のキトサンは、高分子凝集剤とし
て有利に適用され、その凝集性能は従来のキトサンより
も大幅に向上したものである。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基の一部が下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示し、R3は低
    級アルキレン基を示す)で表される置換アミノ基を含有
    し、かつ下記一般式(2) 【化2】 −N=CH−〔R4〕n−CH=N− (2) (式中、R4はアルキレン基を示し、nは0又は1を示
    す)で表される架橋基を含有することを特徴とするキト
    サン。
  2. 【請求項2】 キトサンに含まれるグルコサミン単位に
    対して、第1級アミノ基の含有割合が10〜80モル
    %、前記一般式(1)の置換アミノ基の含有割合が20
    〜90モル%及び前記一般式(2)の架橋基の含有割合
    が0.2〜10モル%である請求項1のキトサン。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のキトサンを製造する方
    法において、キトサンに、下記一般式(3) 【化3】 (式中、R1及びR2は低級アルキル基を示し、R3は低
    級アルキレン基を示し、Xはハロゲンを示す)で表され
    る置換アミノ化合物を反応させた後、下記一般式(4) 【化4】 OHC〔R4〕nCHO (4) (式中、R4はアルキレン基を示し、nは0又は1を示
    す)で表されるジアルデヒド化合物を反応させることを
    特徴とする前記の方法。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2のキトサンからなる高分
    子凝集剤。
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