JP3601543B2 - 低粘度化高誘電セルロース誘導体の製造方法 - Google Patents

低粘度化高誘電セルロース誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、高誘電セルロース誘導体、特には、カルボキシメチルシアノエチルセルロースを低粘度化する製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より高誘電セルロース誘導体としては、例えばシアノエチルセルロース等が知られている。
カルボキシメチルシアノエチルセルロースは、カルボキシメチル基によりイオン性と他の物質との反応性を有するとともに、シアノエチルセルロースと同様、シアノエチル基により高誘電性を有するものであり、透明な膜を形成しフィルム強度も高いという特性を有する。また、アルカリ中和によりカルボキシル基を酸型から塩型にすることにより水溶性となるものである。それ故、フィルム、シート、コーティング膜としての一般的用途のほかに、特に有機電子材料、例えば有機分散型エレクトロルミネッセンス用バインダーやコンデンサー材料として有用であり、また、帯電防止剤や電子写真感光体を含む複写機部材、液晶配向膜用部材、電着塗装用材料として有用であるが、用途によっては、溶液粘度を制御することにより、さらに適用性が拡大する場合があり、低粘度化したカルボキシメチルシアノエチルセルロースが求められている。
【0003】
一般に、セルロース誘導体の低粘度化手法としては、例えばカルボキシメチルセルロースの場合、▲1▼製造反応の際、原料セルロースを水酸化ナトリウムでマーセル化する工程で同時に過酸化水素等を添加して低分子量化した後、エーテル化剤と反応させる方法(例:特開昭55−110102)が、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロースの場合、▲2▼塩化水素ガス、塩化水素−メタノール溶液、塩化水素水溶液を接触させて低粘度化する方法(例:特公平4−76361)が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、▲1▼の場合、過酸化水素のような水溶性解重合触媒を効率よく作用させるために余分な水分を必要とし、結果としてエーテル化反応において反応効率が低いという問題があり、また、製造時に原料であるセルロースの分子量を低下する方法であることから生成物を低粘度化する場合には適用できないという問題がある。一方、▲2▼に示す方法では、カルボキシメチル基のようなイオン性基を有するセルロース誘導体では、低粘度化率が著しく小さいという問題がある。
従って、本発明の目的は、イオン性基を含有するセルロース誘導体、特には、カルボキシメチルシアノエチルセルロースを、反応段階ではなく、生成物を得た後の後処理として、より簡単に効率よく低粘度化する方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、硫酸第一鉄、酸化コバルト、アルミナから選ばれる一種の物質と、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレングリコールビスエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれる一種の物質とを、混水性有機溶媒の水溶液中に溶解あるいは分散し、それにグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換モル数が0.1〜1.0で、かつグルコース単位当たりのシアノエチル基の置換モル数が1.5以上であるカルボキシメチルシアノエチルセルロースである粉末の高誘電セルロース誘導体を湿潤させ、この湿潤混合物に過酸化水素を含有する混水性有機溶媒水溶液を添加し、加熱しながら解重合を行うものである。
【0006】
より具体的には、本発明においては、対カルボキシメチルシアノエチルセルロース重量比1〜3倍量で、かつ10〜50%、好ましくは15〜30%含水率の、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、アセトン、アセトニトリル等の混水性有機溶媒の水溶液を準備し、そこに対カルボキシメチルシアノエチルセルロース重量比で0.01〜1.50%、好ましくは0.1〜1.0%の硫酸第一鉄、酸化コバルト、アルミナから選ばれる一種の物質と0.05〜3%、好ましくは0.1〜1.5%のエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸、トランス−1,2−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレングリコールビスエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれる一種の物質とを、溶解あるいは分散する。
ここで、混水性有機溶媒水溶液の含水率が10%以下では試薬が充分に溶解あるいは分散せず、50%以上ではカルボキシメチルシアノエチルセルロースが著しく膨潤するため反応制御上問題となる。また、添加順序には特に制限はない。
【0007】
ついで、上述したようにして試薬を溶解あるいは分散した水溶液に粉末のカルボキシメチルシアノエチルセルロースを湿潤させる。ここで用いられるカルボキシメチルシアノエチルセルロースは、特願平5−271523に示されるもの、即ちカルボキシメチル基のグルコース単位当りの置換モル数が0.1〜1.0であり、シアノエチル基のグルコース単位当りの置換モル数が1.5モル以上のものが好適である。この湿潤混合物に、対カルボキシメチルシアノエチルセルロース重量比で0.5〜10%、好ましくは1〜7%の過酸化水素を含有する上記混水性有機溶媒水溶液を添加し、50℃程度の温度にて1〜3時間解重合を行う。過酸化水素水が1%以下の濃度では粘度の低下が促進されず、所望の粘度を有する低粘度生成物が得られない。また、7%以上では粘度の低下が著しく、得られたカルボキシメチルシアノエチルセルロースに要求される製膜性が損われる。粘度低下の度合いおよび粘度低下速度はともに過酸化水素濃度および処理温度に依存する。解重合の温度は常温以上が望ましいが、有機溶媒水溶液の濃度が変化しない条件であれば(例えば、高圧下)、特に上限はない。しかし、常圧では各溶媒水溶液の共沸点が実質的な上限となる。反応後、反応器からの移送等に充分な量のメタノール、エタノール、プロパノール等の混水性有機溶媒、好ましくは99%イソプロパノールを加え、反応液を濾別した後、乾燥する。解重合反応の停止は、還元剤を添加し、過酸化水素を不活性化することで実施される。
これにより、所望の範囲の粘度を有し、かつ要求される良好な製膜性を有するカルボキシメチルシアノエチルセルロースを調製することができる。
【0008】
【実施例】
以下に、本発明の合成例、実施例および比較例を挙げるが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
合成例
グルコース単位当り0.73モルのカルボキシメチル基を有し、5%水溶液粘度が16.2センチポアズであるカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(第一工業製薬社製セロゲン5A)100gを857gの水に溶解した後、原料カルボキシメチルセルロースナトリウム塩に対し0.5重量倍にあたる50gの苛性ソーダを含む25%苛性ソーダ溶液200gを添加した。次いで、反応試薬であるアクリロニトリル790gを加え、アセトンを666g投入し、30℃で8時間反応した。反応終了後、水層部を取りだし、pH2になるまで5%塩酸水を加え、触媒である苛性ソーダを中和するとともに、カルボキシメチルシアノエチルセルロースナトリウム塩を酸型にし沈殿させた。沈殿物を濾取し、pHが中性になるまで、純水によりスラリー洗浄を行い、濾取した。次いで、アセトンに溶解し、撹拌下純水中に投入し析出させ、再び、純水にてスラリー洗浄を数回行い、濾取乾燥することで、精製された酸型のカルボキシメチルシアノエチルセルロースを得た。得られたものは、グルコース単位当り1.83モルのシアノエチル基を有していた。また、5%N,N′−ジメチルホルムアミド溶液の粘度は14.7センチポアズであった。
【0009】
実施例
80%イソプロパノール水溶液100g中に対カルボキシメチルシアノエチルセルロース重量比が1.0%となるように硫酸第一鉄、おなじく1.5%となるようにエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩を加え分散した後、合成例で得られたカルボキシメチルシアノエチルセルロース60gを添加し、イソプロパノール水溶液含浸カルボキシメチルシアノエチルセルロースを調製した。これを50℃に加温し、2gの過酸化水素を含有する80%イソプロパノール水溶液50gを加え、2時間解重合反応を行った後、99%イソプロパノールにて反応生成物を洗浄濾別後、50℃にて減圧乾燥した。反応生成物の5%N,N′−ジメチルホルムアミド溶液の粘度は7.3センチポアズであり、粘度は約2分の1に低下した。
【0010】
比較例
合成例で得られたカルボキシメチルシアノエチルセルロース70gに12.6%の塩酸水3.5gを噴霧混合した。その後、200mlのガラス製反応器に入れ、反応器を80℃水浴中で回転させながら5時間反応し、減圧(80mmHg)下30分間塩化水素及び水を揮散させた。ついで、重炭酸ソーダ粉末0.68gを加えて充分混合した。反応生成物の5%N,N′−ジメチルホルムアミド溶液の粘度は13.3センチポアズであり、目的とする低粘度カルボキシメチルシアノエチルセルロースは得られなかった。また、局所的に黄色着色が激しいものであった。
【0011】
【発明の効果】
本発明により、カルボキシメチルシアノエチルセルロース等の高誘電セルロース誘導体を、後処理として、より簡単に効率よく低粘度化することができる。

Claims (3)

  1. 硫酸第一鉄、酸化コバルト、アルミナから選ばれる一種の物質と、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、ニトリロ三酢酸、トランス−シクロヘキサンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレングリコールビスエーテルジアミン四酢酸、トリエチレンテトラミン六酢酸から選ばれる一種の物質とを、混水性有機溶媒の水溶液中に溶解あるいは分散し、それにグルコース単位当たりのカルボキシメチル基の置換モル数が0.1〜1.0で、かつグルコース単位当たりのシアノエチル基の置換モル数が1.5以上であるカルボキシメチルシアノエチルセルロースである粉末の高誘電セルロース誘導体を湿潤させ、この湿潤混合物に過酸化水素を含有する混水性有機溶媒水溶液を添加し、加熱しながら解重合を行うことを特徴とする低粘度化高誘電セルロース誘導体の製造方法。
  2. 硫酸第一鉄およびエチレンジアミン四酢酸四ナトリウムを使用することを特徴とする請求項1記載の低粘度化高誘電セルロース誘導体の製造方法。
  3. 製造された低粘度化高誘電セルロース誘導体の5%N,N’−ジメチルホルムアミド溶液粘度が、3〜10cPの粘度を発現することを特徴とする請求項1記載の低粘度化高誘電セルロース誘導体の製造方法。
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