JP3049161B2 - マルチチップ薄膜多層配線板の製造方法 - Google Patents

マルチチップ薄膜多層配線板の製造方法

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JP3049161B2
JP3049161B2 JP30901992A JP30901992A JP3049161B2 JP 3049161 B2 JP3049161 B2 JP 3049161B2 JP 30901992 A JP30901992 A JP 30901992A JP 30901992 A JP30901992 A JP 30901992A JP 3049161 B2 JP3049161 B2 JP 3049161B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマルチチップ薄膜多層配
線板の製造方法に関し、特には金属製回路パターンの形
成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、複数のマルチチップを実装す
るための配線板として、多層配線板、いわゆるマルチチ
ップモジュール(MCM: Multichip Modules )が製造
されている。この種の多層配線板は半導体チップの高密
度実装に適しているため、これを用いることは装置全体
の小型化等を図るうえで好都合である。
【0003】また、近年においてはこれらの機器に対す
る高速化・高密度化の要請が強く、そのため、従来より
も更に微細な配線を有するマルチチップ薄膜多層配線板
を得るための試験・研究等が各方面でなされている。
【0004】マルチチップ薄膜多層配線板は、一般に樹
脂製の絶縁層と金属薄膜製の回路パターンとを交互に積
層することによって製造される。また、回路パターン
は、通常複数種の金属層によって構成されている。この
種の金属層を形成する方法としては、例えばドライプロ
セスまたはウェットプロセスのいずれかが考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ドライプロセスを採用
した場合、回路パターンは例えばクロムや銅等の金属を
絶縁層に対してスパッタリングすることによって作製さ
れる。しかし、スパッタリングには大型の装置が必要で
あるため、作製コストの低減を図るには不向きである。
一方、ウェットプロセスを選択した場合、回路パターン
は例えばクロムや銅を絶縁層上にめっきすることによっ
て作製される。しかし、この方法には、金属層と絶縁層
との密着性が悪くなるという欠点がある。
【0006】このようなことから、通常は両者を組み合
わせた方法、つまり絶縁層上にスパッタリングすること
によってクロム薄層と銅薄層とを形成した後に銅めっき
層を形成するという方法が提案されている。
【0007】ところが、この改良法によってマルチチッ
プ薄膜多層配線板を作製した場合、以下のような不都合
が生じる。例えば、銅は酸化し易い性質を有することか
ら、銅薄層と銅めっき層との密着性を確保するために
は、銅めっき層の形成前に硫酸等による表面活性化処理
または塩化パラジウム等による触媒化処理が必要にな
る。しかし、このような処理を行うことになると、作製
工程の煩雑化が避けられない。しかも、前記処理を施す
ことにより銅薄層の表面が浸食をうけ、ひいては回路パ
ターンの電気特性が損なわれる等の不利益が生じる場合
がある。
【0008】また、回路パターンにおいて最下層となる
スパッタクロム薄層は、内部応力が大きく靱性が低いと
いう欠点を有している。よって、熱衝撃等に遭遇したと
きに、配線板にクラックが発生し易くなる。
【0009】更に、作製された回路パターン上には、例
えばポリイミド樹脂等の塗布によって絶縁層が形成され
る。しかし、最表層の銅めっき層と樹脂層との間では化
学反応が起こるため、樹脂層の電気特性及び機械特性が
低下するという不都合が生じる。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、作製工程が簡単であるにも関わら
ず密着性や平滑性等に優れた回路パターンが形成でき、
かつクラックの発生も確実に防止することができるマル
チチップ薄膜多層配線板の製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、感光性樹脂製の絶縁層と金属製の回
路パターンとを交互に積層形成してなるマルチチップ薄
膜多層配線板の製造方法において、前記感光性樹脂製の
絶縁層上にアルミニウム層を形成すると共にそのアルミ
ニウム層上に貴金属層を形成し、前記アルミニウム層及
び貴金属層の二層を回路パターン状にエッチングした
後、その上に銅めっき層を形成し、かつその銅めっき層
上に感光製樹脂と反応しない金属をめっきすることによ
り被覆層を形成して、回路パターンを設け、前記回路パ
ターン上に感光性樹脂製の絶縁層を形成することを繰り
返し行っている。
【0012】この場合、アルミニウム層の厚さ及び貴金
属層の厚さをそれぞれ0.05μm〜0.2μmにする
ことが望ましい。また、被覆層をニッケル、クロム、パ
ラジウム、アルミニウム、チタンから選択される少なく
ともいずれかを用いて形成することも望ましい。
【0013】
【作用】アルミニウム層上に形成された貴金属層は極め
て酸化し難いものであるため、従来必要とされていた表
面活性化処理等を行うことなく、貴金属層上に密着性に
優れた銅めっき層を形成することが可能となる。よっ
て、作製工程が煩雑になることがない。しかも、本方法
によれば、貴金属層の表面は平滑性の良い自然な状態に
維持されるため、好適な回路パターンが形成される。
【0014】また、回路パターンにおいて最下層となる
アルミニウム層は、従来のクロム層のように高内部応力
かつ低靱性のものではないため、クラックの発生が確実
に防止される。
【0015】以下、本発明のマルチチップ薄膜多層配線
板の製造方法を工程順に詳細に説明する。本発明では、
例えば窒化アルミニウム(AlN)基板やアルミナ(A
2 3)基板等のようなセラミックス焼結体基板が用
いられる。このような基板の表面には、従来公知の方法
によって複数種の金属からなる薄膜配線パターンが形成
され、かつその上には感光性樹脂製の絶縁層が形成され
る。これらはマルチチップ薄膜多層配線板における第一
層めの回路パターン及び絶縁層となる。
【0016】次に、第二層め以降の回路パターン及び絶
縁層の形成方法を述べる。絶縁層上にはアルミニウム
(Al)層が形成されると共に、そのAl層上には貴金
属層が形成される。その後、Al層及び貴金属層からな
る導体層は、エッチング液の処理によって回路パターン
状にエッチングされる。この場合、金属薄膜の形成方法
としてスパッタリングを採用することが望ましい。その
理由は、前記方法によれば密着性、緻密性及び平滑性に
優れた金属薄層を比較的容易に形成できるからである。
【0017】Al層は、感光性樹脂と反応し易い銅(C
u)が絶縁層中に拡散して、絶縁層の物理特性を害する
ことを防止する役目を果たしている。なお、Alを選択
した理由は、Alは下地ポリイミド層との密着性が良く
て内部応力も低いうえ、貴金属やCu用のエッチング液
によって容易にエッチングできるためである。従って、
導体層を回路パターン状にエッチングする場合でも、一
種類のエッチング液のみを処理すれば良いという利点が
ある。
【0018】Al層の厚さは0.05μm〜0.2μm
であることが望ましい。この厚さが0.05μm未満で
あると、拡散防止効果を充分に果たすことができなくな
る。一方、この厚さが0.2μmを越えると、回路パタ
ーンの形成精度が低下してしまう。
【0019】貴金属とは、容易に化学変化を受けず、空
気中で熱しても酸化され難い金属のことをいう。これに
該当する金属としては、例えば金(Au)、銀(Ag)
及び白金族(Pt,Ru,Rh,Pd,Os,Ir)等
がある。この貴金属層は、Al層とその上面に析出され
るCuめっき層との密着性を向上させる役割を果たして
いる。
【0020】前記貴金属層の厚さは0.05μm〜0.
2μmであることが望ましい。この厚さが0.05μm
未満であると、Cuめっき層の密着性を充分に向上させ
ることができない。一方、この厚さが0.2μmを越え
ると、回路パターンの形成精度が低下してしまう。な
お、この程度の厚さの範囲であれば、貴金属を用いたこ
とにより高コストになるということはない。
【0021】次いで、回路パターン状の導体部の表面に
めっきを施すことによってCuめっき層が形成され、そ
の層の上に更にめっきまたはスパッタリングを施すこと
によって感光性樹脂と反応しない金属からなる被覆層が
形成される。これらの層をめっきによって形成する場
合、電解めっき、無電解めっきのどちらの方法も適用す
ることが可能である。
【0022】Cuめっき層は、通常、他の三層に比べて
厚く形成される。従って、実質的にはこの層が電気を導
通させるための導体層として機能することになる。ま
た、このCuめっき層は厚さ3μm〜10μmの範囲内
で形成されることが好ましい。
【0023】この被覆層は、ニッケル(Ni)、クロム
(Cr)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(A
l)、チタン(Ti)から選択される少なくともいずれ
かを用いて形成されることが望ましい。これらの金属は
感光性樹脂と反応するものではないため、Cuめっき層
と感光性樹脂との間に介在させることによって両者間の
反応を防止できるからである。また、被覆層の厚さは
0.3μm〜2.0μm程度であることが良い。
【0024】先に列挙した金属のなかでも特にNiを選
択することが良い。その理由は、Niの薄膜は電解めっ
きまたは無電解めっきによって比較的安価に形成するこ
とができるからである。
【0025】複数種の金属によって構成された回路パタ
ーン上には、感光性樹脂の塗布及びその露光・現像によ
って、絶縁層が形成される。このとき使用される感光性
樹脂としては、例えば感光性ポリイミド樹脂やBCB樹
脂がある。また、絶縁層の上下の回路パターン同士を接
続する媒介として、前記絶縁層にはフォトリソグラフィ
ー技術またはエッチング法等によってバイアホールが形
成される。そして、以上のような手順に従って回路パタ
ーン及び絶縁層の形成を繰り返すことにより、所望のマ
ルチチップ薄膜多層配線板が製造される。
【0026】このようにして得られた配線板には、緻密
性、密着性及び平滑性に優れた回路パターンが確実にか
つ比較的容易に形成されると共に、クラックの発生が防
止されることによって配線板全体に優れた強度も付与さ
れる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を具体化した各実施例1〜3及
び比較例を図面に基づき詳細に説明する。 〔実施例1〕図1(a)〜図1(e)には実施例1のマ
ルチチップ薄膜多層配線板の製造方法が示されている。
また、本実施例1の主な特徴は、貴金属層を形成する材
料としてAgが選択されていることである。
【0028】工程(1):セラミックス焼結体基板とし
てアルミナ基板(Al2 3 =93%)1を選択し、そ
の基板1上にTi,Mo,Niの順に第一層めの回路パ
ターンC1 を形成した。
【0029】工程(2):スピンコートを用いて、前記
基板1上に感光性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−31
00)を厚さが28μmになるように塗布した。 工程(3):前記感光性ポリイミド樹脂膜I1 をプリベ
ークした後、露光・現像を行い、更にその感光性ポリイ
ミド樹脂膜I1 に対して380℃,30分間のキュア処
理を施した。なお、この樹脂膜I1 はいわゆる第一層め
の絶縁層である。
【0030】工程(4):真空スパッタ装置(徳田製作
所製:CFS−8EP)を用い、アルゴン雰囲気中にて
樹脂膜I1 に対する逆スパッタを行った。その際、ガス
圧を0.4Paとし、スパッタ時間を2分間とした。
【0031】次いで、同真空スパッタ装置によって、前
記樹脂膜I1 上に0.2μmのAl層L1 を形成した。
また、そのAl層L1 上に同真空スパッタ装置によって
0.12μmのAg層L2 を形成した(図1(a) 参
照)。Alスパッタではガス圧を0.3Paとし、スパ
ッタ時間を14分とした。また、Agスパッタではガス
圧を0.3Paとし、スパッタ時間を9分とした。
【0032】工程(5):Ag層L2 上にフォトレジス
ト(東京応化製:OFPR−2)2を厚さ1.0μmに
なるように塗布して乾燥を行った後、フォトレジスト2
を露光・現像してAg層L2 の所定部分を露出させた。
そして、HF/HNO3 =1:3の溶液を用いてAg層
L2 及びAl層L1 をエッチングすることにより、二層
構造のプレ回路パターンPcを形成した(図1(b) 参
照)。また、剥離液中でフォトレジスト2を剥離した。
【0033】工程(6):スピンコートを用いて、感光
性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−3100)を厚さが
28μmになるように塗布した。この感光性ポリイミド
樹脂膜I1 をプリベークした後、露光・現像を行い、更
にその感光性ポリイミド樹脂膜に対して380℃,30
分間のキュア処理を施した。そして、フォトレジスト2
の非形成部分にチャンネル型パターンI2aを形成した
(図1(c) 参照)。
【0034】工程(7):下記のめっき浴を用いて無電
解Cuめっきを施した。そして、アディティブ法によっ
て、プレ回路パターンPc上に厚さ5μmのCuめっき
層L3 を形成した。
【0035】CuSO4 ・5H2 O:0.08mol/l ,
HCHO:0.15mol/l ,NaOH:0.15mol/
l , EDTA・4Na:0.10mol/l ,KNi(C
N)3 :10mg/l, α・α’−ディピリジル:少量。
【0036】pH:12.5, 浴温:50℃, めっ
き時間:40分間。 工程(8):次いで、下記のめっき浴を用いて無電解N
iめっきを施した。そして、Cuめっき層L3 の上面に
厚さ1μmのNiめっき層L4 を形成した(図1(d) 参
照)。
【0037】NiCl・6H2 O:30g/l , NaH
2 PO2 ・H2 O:10g/l ,NaC6 5 7 ・2H
2 O:10g/l pH:4〜6, 浴温:90℃, めっき時間:4分
間。
【0038】工程(9):四層からなる第二層めの回路
パターンC2 上にスピンコートを用いて感光性ポリイミ
ド樹脂(東レ製:UR−3100)を塗布した。その
際、塗布厚を30μmとした。前記感光性ポリイミド樹
脂膜I2 をプリベークした後、露光・現像を行い、所定
部分にバイアホールとなる穴3を形成した(図1(e) 参
照)。更にその感光性ポリイミド樹脂膜I2 に対して3
80℃,30分間のキュア処理を施した。
【0039】工程(10):前記工程(4)から工程
(9)を繰り返し行い、4層のマルチチップ薄膜多層配
線板を作製した。得られた薄膜多層配線板の特性を調査
した結果を表1に示す。SEMによる観察を行ったとこ
ろ、回路パターンC2 の断面は極めて緻密であり、かつ
その表面も平滑であることがわかった。また、クラック
等が観察されることは全くなく、配線板に優れた強度が
付与されていることが示唆された。次に、ピール強度を
測定したところ、2.3kg/mm2 という好適な値が得ら
れた。ゆえに、回路パターンC2 の密着性にも優れてい
ることがわかった。 〔実施例2〕次に、図2(a)〜図2(d)に基づい
て、以下の各工程からなる実施例2のマルチチップ薄膜
多層配線板の製造方法を説明する。本実施例2は貴金属
層を形成する材料としてPdが用いられている点、及び
チャンネル型パターンが形成されない点に特徴がある。
【0040】工程(1):セラミックス焼結体基板とし
てホットプレスで作製されたAlN基板(AlN:Y2
3 =95:5)1を選択し、その基板1上にTi,M
o,Niの順に第一層めの回路パターンC1 を形成し
た。
【0041】工程(2):スピンコートを用いて、前記
基板1上に感光性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−31
00)を厚さが20μmになるように塗布した。 工程(3):前記感光性ポリイミド樹脂膜I1 をプリベ
ークした後、露光・現像を行い、更にその感光性ポリイ
ミド樹脂膜I1 に対して380℃,30分間のキュア処
理を施した。
【0042】工程(4):前述の真空スパッタ装置を用
い、アルゴン雰囲気中にて樹脂膜I1 に対する逆スパッ
タを行った。その際、ガス圧を0.4Paとし、スパッ
タ時間を4分間とした。
【0043】次いで、同真空スパッタ装置によって、前
記樹脂膜I1 上に0.1μmのAl層L1 を形成した。
また、そのAl層L1 上に同真空スパッタ装置によって
0.08μmのPd層L2 を形成した。Alスパッタで
はガス圧を0.3Paとし、スパッタ時間を7分とし
た。また、Pdスパッタではガス圧を0.3Paとし、
スパッタ時間を6分とした。
【0044】工程(5):次いで、下記のめっき浴を用
いてPd層L2 上に無電解Cuめっきを施し、厚さ8μ
mのCuめっき層L3 を形成した(図2(a) 参照)。 CuSO4 ・5H2 O:0.05mol/l , HCHO:
0.12mol/l ,NaOH:0.15mol/l , EDT
A・4Na:0.10mol/l ,KNi(CN)3 :10
mg/l, α・α’−ディピリジル:少量。
【0045】pH:12.5, 浴温:70℃, めっ
き時間:50分間。 工程(6):Cuめっき層L3 上にフォトレジスト(東
京応化製:OMR−83)4を厚さ2.2μmになるよ
うに塗布して乾燥を行った後、フォトレジスト4を露光
・現像してCuめっき層L3 を部分的に露出させた。そ
して、HF:HNO3 :H2 O=1:2:5の溶液を用
いて、Cuめっき層L3 、Pd層L2 及びAl層L1 を
エッチングした。この処理により、三種の金属からなる
金属導体層を回路パターン状にした(図2(b) 参照)。
【0046】工程(7):次いで、下記のめっき浴を用
いて無電解Niめっきを施した。そして、回路パターン
状の金属導体層の上面及び側面に、厚さ2μmのNiめ
っき層L4 を形成した(図2(c) 参照)。
【0047】NiCl・6H2 O:30g/l , NaH
2 PO2 ・H2 O:10g/l ,NaC6 5 7 ・2H
2 O:10g/l pH:4〜6, 浴温:90℃, めっき時間:10分
間。
【0048】工程(8):四層からなる第二層めの回路
パターンC2 上にスピンコートを用いて感光性ポリイミ
ド樹脂(東レ製:UR−3100)を塗布した。その
際、塗布厚を26μmとした。感光性ポリイミド樹脂膜
I2 をプリベークした後、露光・現像を行い、所定部分
にバイアホールとなる穴3を形成した(図2(d) 参
照)。更にその感光性ポリイミド樹脂膜I2 に対して3
80℃,30分間のキュア処理を施した。
【0049】工程(9):前記工程(4)から工程
(8)を繰り返し行い、6層のマルチチップ薄膜多層配
線板を作製した。得られた薄膜多層配線板の特性を調査
した結果を表1に示す。SEMによる観察を行ったとこ
ろ、前記実施例1と同様に回路パターンC2 の断面は極
めて緻密であり、かつその表面も平滑であることがわか
った。また、クラック等が観察されることは全くなく、
配線板に優れた強度が付与されていることが示唆され
た。次に、ピール強度を測定したところ、前記実施例1
より更に優れた2.6kg/mm 2 という値が得られた。ゆ
えに、回路パターンC2 の密着性にも優れていることが
わかった。 〔実施例3〕次に、図3に基づいて、以下の各工程から
なる実施例3のマルチチップ薄膜多層配線板の製造方法
を説明する。本実施例3は貴金属層を形成する材料とし
てPtが用いられている点に特徴がある。
【0050】工程(1):セラミックス焼結体基板とし
てAlN基板(AlN:Y2 3 =96:4)1を選択
し、その基板1上にTi,Mo,Niの順に第一層めの
回路パターンC1 を形成した。
【0051】工程(2):スピンコートを用いて、前記
基板1上に感光性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−31
40)を厚さが24μmになるように塗布した。 工程(3):前記感光性ポリイミド樹脂膜I1 をプリベ
ークした後、露光・現像を行い、更にその樹脂膜I1 に
対して380℃,30分間のキュア処理を施した。
【0052】工程(4):前述の真空スパッタ装置を用
い、アルゴン雰囲気中にて樹脂膜I1 に対する逆スパッ
タを行った。その際、ガス圧を0.4Paとし、スパッ
タ時間を2分間とした。
【0053】次いで、同真空スパッタ装置によって、前
記樹脂膜I1 上に0.1μmのAl層L1 を形成した。
また、そのAl層L1 上に同真空スパッタ装置によって
0.05μmのPt層L2 を形成した。Alスパッタで
はガス圧を0.3Paとし、スパッタ時間を7分とし
た。また、Ptスパッタではガス圧を0.3Paとし、
スパッタ時間を5分とした。
【0054】工程(5):Pt層L2 上にフォトレジス
ト(東京応化製:OFPR−2)を厚さ1.0μmにな
るように塗布して乾燥を行った後、フォトレジストを露
光・現像してPt層L2 を部分的に露出させた。そし
て、HF/HNO3 =1:3の溶液を用いてPt層L2
及びAl層L1 をエッチングすることにより、二層構造
のプレ回路パターンPcを形成した。
【0055】工程(6):スピンコートを用いて、感光
性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−3100)を厚さが
16μmになるように塗布した。この感光性ポリイミド
樹脂膜I1 をプリベークした後、露光・現像を行い、チ
ャンネル型パターンI2aを形成した。
【0056】工程(7):アディティブ法によって、下
記のめっき浴を用い無電解Cuめっきを施し、プレ回路
パターンPc上に厚さ6μmのCuめっき層L3 を形成
した。
【0057】CuSO4 ・5H2 O:0.08mol/l ,
HCHO:0.15mol/l ,NaOH:0.15mol/
l , EDTA・4Na:0.10mol/l ,KNi(C
N)3 :10mg/l, α・α’−ディピリジル:少量。
【0058】pH:12.5, 浴温:70℃, めっ
き時間:45分間。 工程(8):次いで、下記のめっき浴を用いて無電解N
iめっきを施した。そして、Cuめっき層L3 の上面に
厚さ2μmのNiめっき層L4 を形成した(図3参
照)。
【0059】NiCl・6H2 O:30g/l , NaH
2 PO2 ・H2 O:10g/l ,NaC6 5 7 ・2H
2 O:10g/l pH:4〜6, 浴温:90℃, めっき時間:10分
間。
【0060】工程(9):四層からなる第二層めの回路
パターンC2 上にスピンコートを用いて感光性ポリイミ
ド樹脂(東レ製:UR−3100)を塗布した。その
際、塗布厚を24μmとした。前記感光性ポリイミド樹
脂膜I2 をプリベークした後、露光・現像を行い、所定
部分にバイアホールとなる穴を形成した。更にその感光
性ポリイミド樹脂膜I2 に対して380℃,30分間の
キュア処理を施した。
【0061】工程(10):前記工程(4)から工程
(9)を繰り返し行い、4層のマルチチップ薄膜多層配
線板を作製した。得られた薄膜多層配線板の特性を調査
した結果を表1に示す。SEMによる観察を行ったとこ
ろ、前記実施例1,2と同様に回路パターンC2 の断面
は極めて緻密であり、かつその表面も平滑であることが
わかった。また、クラック等が観察されることは全くな
く、配線板に優れた強度が付与されていることが示唆さ
れた。次に、ピール強度を測定したところ、2.5kg/
mm2 という前記実施例同様の好適な値が得られた。ゆえ
に、回路パターンC2 の密着性にも優れていることが確
認された。 〔比較例〕続いて、比較例のマルチチップ薄膜多層配線
板の製造方法について説明する。比較例の主な特徴は、
前記各実施例にて示した貴金属の代わりに、卑金属に属
するCuがスパッタ材料として選択されていることであ
る。
【0062】工程(1):セラミックス焼結体基板とし
てホットプレスで作製したAlN基板(AlN:Y2
3 =95:5)を選択し、その基板上にTi,Mo,N
iの順に第一層めの回路パターンを形成した。
【0063】工程(2):スピンコートを用いて、前記
基板上に感光性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−310
0)を厚さが20μmになるように塗布した。 工程(3):前記感光性ポリイミド樹脂膜をプリベーク
した後、露光・現像を行い、更にその感光性ポリイミド
樹脂膜に対して380℃,30分間のキュア処理を施し
た。
【0064】工程(4):各実施例1〜3にて使用した
真空スパッタ装置を用い、アルゴン雰囲気中にて樹脂膜
に対する逆スパッタを行った。その際、ガス圧を0.4
Paとし、スパッタ時間を2分間とした。
【0065】次いで、同真空スパッタ装置によって、前
記樹脂膜上に0.1μmのCr層を形成した。また、そ
のCr層上に同真空スパッタ装置によって0.1μmの
Cu層を形成した。Crスパッタではガス圧を0.3P
aとし、スパッタ時間を10分とした。また、Cuスパ
ッタではガス圧を0.3Paとし、スパッタ時間を5分
とした。
【0066】工程(5):Cu層上にフォトレジスト
(東京応化製:OFPR−2)を厚さ1.0μmになる
ように塗布して乾燥を行った後、フォトレジストを露光
・現像してCu層を部分的に露出させた。
【0067】次に、HF:HNO3 :H2 O=1:3:
5の溶液を用いてCu層をエッチングした後、50%H
Cl溶液を用いてCr層をエッチングした。この処理に
より、二層構造のプレ回路パターンを形成した。また、
剥離液を用いてフォトレジストを剥離した。
【0068】工程(6):スピンコートを用いて、感光
性ポリイミド樹脂(東レ製:UR−3100)を厚さが
12μmになるように塗布した。この感光性ポリイミド
樹脂膜をプリベークした後、露光・現像を行い、更にこ
の樹脂膜に対して380℃,30分間のキュア処理を施
した。そして、フォトレジストの非形成部分にチャンネ
ル型パターンを形成した。
【0069】工程(7):実施例1の工程(7)及び
(8)に準じて、プレ回路パターン上に厚さ5μmのC
uめっき層を形成し、かつCuめっき層上面に厚さ1μ
mのNiめっき層を形成した。
【0070】工程(8):更に、実施例1の工程(9)
に準じて、三種の金属からなる第二層めの回路パターン
上に感光性ポリイミド樹脂膜を形成し、その樹脂膜に部
分的にバイアホールとなる穴を形成した。
【0071】工程(9):工程(4)から工程(8)を
繰り返し行い、4層のマルチチップ薄膜多層配線板を作
製した。得られた薄膜多層配線板の特性を調査した結果
を同様に表1に示す。SEMによる観察を行ったとこ
ろ、回路パターンと樹脂膜との境界付近には反応層が確
認された。また、ピール強度を調査したところ、1.4
kg/mm2 という前記各実施例1〜3よりも低い値が得ら
れた。それゆえ、比較例の方法では密着性の良い回路パ
ターンを形成できないことがわかった。また、回路パタ
ーンの平滑性や緻密性も各実施例1〜3より劣ってい
た。
【0072】加えて、比較例ではプレ回路パターンを形
成する際に二種のエッチング液でエッチングする必要が
あり、製造工程的に煩雑であった。
【0073】
【表1】
【0074】これらの結果を勘案すると、上述のような
欠点のない各実施例の製造方法が比較例の製造方法に比
して総合的に優れているということは明白である。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のマルチチ
ップ薄膜多層配線板の製造方法によれば、作製工程が簡
単であるにも関わらず密着性や平滑性等に優れた回路パ
ターンが形成でき、かつクラックの発生も確実に防止す
ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、実施例1のマルチチップ薄
膜多層配線板の製造方法を説明するための部分概略正断
面図である。
【図2】(a)〜(d)は、実施例2のマルチチップ薄
膜多層配線板の製造方法を説明するための部分概略正断
面図である。
【図3】実施例3のマルチチップ薄膜多層配線板の製造
方法を説明するための部分概略正断面図である。
【符号の説明】
I1 ,I2 (感光性樹脂製の)絶縁層、C1 ,C2
回路パターン、L1アルミニウム層、L2 貴金属層、
L3 銅めっき層、L4 被覆層としてのNiめっき
層。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性樹脂製の絶縁層(I1 ,I2 )と金
    属製の回路パターン(C1 ,C2 )とを交互に積層形成
    してなるマルチチップ薄膜多層配線板の製造方法におい
    て、 前記感光性樹脂製の絶縁層(I1 )上にアルミニウム層
    (L1 )を形成すると共にそのアルミニウム層(L1 )
    上に貴金属層(L2 )を形成し、 前記アルミニウム層(L1 )及び貴金属層(L2 )の二
    層を回路パターン状にエッチングした後、その上に銅め
    っき層(L3 )を形成し、かつその銅めっき層(L3 )
    上に感光製樹脂と反応しない金属をめっきすることによ
    り被覆層(L4 )を形成して、回路パターン(C2 )を
    設け、 前記回路パターン(C2 )上に感光性樹脂製の絶縁層
    (I2 )を形成することを繰り返し行うことを特徴とし
    たマルチチップ薄膜多層配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記アルミニウム層(L1 )の厚さを0.
    05μm〜0.2μmにすることを特徴とした請求項1
    に記載のマルチチップ薄膜多層配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記貴金属層(L2 )の厚さを0.05μ
    m〜0.2μmにすることを特徴とした請求項1または
    2に記載のマルチチップ薄膜多層配線板の製造方法。
  4. 【請求項4】前記被覆層(L4 )をニッケル、クロム、
    パラジウム、アルミニウム、チタンから選択される少な
    くともいずれかを用いて形成することを特徴とした請求
    項1乃至3のいずれか一項に記載のマルチチップ薄膜多
    層配線板の製造方法。
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