JPH0745948A - 多層配線板及びその製造方法 - Google Patents

多層配線板及びその製造方法

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JPH0745948A
JPH0745948A JP18629693A JP18629693A JPH0745948A JP H0745948 A JPH0745948 A JP H0745948A JP 18629693 A JP18629693 A JP 18629693A JP 18629693 A JP18629693 A JP 18629693A JP H0745948 A JPH0745948 A JP H0745948A
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JP
Japan
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layer
interlayer insulating
metal
wiring board
copper
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JP18629693A
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English (en)
Inventor
Kota Noda
宏太 野田
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/38Improvement of the adhesion between the insulating substrate and the metal
    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05KPRINTED CIRCUITS; CASINGS OR CONSTRUCTIONAL DETAILS OF ELECTRIC APPARATUS; MANUFACTURE OF ASSEMBLAGES OF ELECTRICAL COMPONENTS
    • H05K3/00Apparatus or processes for manufacturing printed circuits
    • H05K3/46Manufacturing multilayer circuits
    • H05K3/4644Manufacturing multilayer circuits by building the multilayer layer by layer, i.e. build-up multilayer circuits

Abstract

(57)【要約】 【目的】 層間絶縁層の平滑性及び均一性を向上させか
つ導体パターンの密着性及び形成精度等を確実に向上さ
せることと、製造工程を簡略化して製造コストを低減す
ること。 【構成】 基板1上に樹脂をスピンコートし、層間絶縁
層L1 を形成する。層間絶縁層I1 〜I5 に対する逆ス
パッタリングにより、層間絶縁層I1 〜I5 の表面を処
理する。導体パターンC2 〜C6 の密着性を向上し得る
クロム等の金属及び銅のスパッタリングにより、層間絶
縁層I1 〜I5 の処理面TS 上に2種の金属からなる下
地層ULを形成する。下地層UL上にめっきレジスト3
を形成した状態で銅めっきを施し、下地層UL上の所定
部分に銅めっき層L3 を形成する。めっきレジスト3及
びその下に位置している下地層ULをエッチングし、下
地層ULと銅めっき層L3 とからなる導体パターンC2
〜C6 を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層配線板及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大規模かつ高速度のコンピュータシステ
ム等を実現する場合、通常、小型で高集積のICチップ
等を使用し、それを高速化に適した構造にして配線板に
実装することが重要な課題となる。このため、近年にお
いては、ICチップ等を搭載するための配線板について
も、多層化及び導体パターンの細線化・薄膜化(いわゆ
るファイン化)等といった高速化・高密度化対策が要求
されている。
【0003】配線板に金属製の導体パターンを形成する
方法としては、銅張積層板を出発材料とするサブトラク
ティブ法が以前から広く知られている。また、最近では
サブトラクティブ法に変わる別の方法として、無電解め
っきのみで導体パターンを形成するアディティブ法が注
目されている。ここで、アディティブ法(フルアディテ
ィブ法)による一般的な多層配線板の製造手順について
簡単に触れる。
【0004】まず、内層導体パターンを有する基板表面
には、層間絶縁層を形成するためのアディティブ用接着
剤がロールコータ等によって塗布される。この接着剤
は、粗化剤に対して可溶なフィラーを樹脂マトリクスに
分散させたものである。前記接着剤は露光現像及び硬化
処理を経た後、クロム酸等の粗化剤によって粗化され
る。その結果、接着剤層中のフィラーが部分的に溶解さ
れ、接着剤層の表面に粗化面が形成される。接着剤層の
粗化面にはめっきの最初の析出に必要な触媒核が付与さ
れ、更に露光現像によりめっきレジストが形成される。
この後、レジスト非形成部分に無電解銅めっきを施すこ
とにより、導体パターンが形成される。
【0005】以上のような導体パターン形成の手順を必
要に応じて繰り返すことにより、基板上に層間絶縁層と
導体パターンとが交互に積層形成された、いわゆるビル
ドアップ多層配線板を得ることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のフル
アディティブプロセスでは、上述したように接着剤塗布
・粗化・触媒核付与・無電解銅めっきという工程が要求
されるため、作業全体が煩雑なものとなっている。しか
しながら、層間絶縁層との間に所定の密着力を確保し、
剥離し難い導体パターンを得るためには、上記のいずれ
の工程をも省略することができないという事情がある。
【0007】また、フルアディティブプロセスでは、基
板表面に接着剤を塗布する一般的な手段としてロールコ
ータが使用されている。ロールコータは、平行な溝を有
しかつ所定の間隙を隔てて配置された一対のロールと、
上側のロールに近接して配置されたドクターバーとから
なる塗布装置として従来より知られるものである。
【0008】しかし、このような装置を用いて接着剤を
薄く塗布しようとしても、膜厚制御が困難になり、平滑
で均一な層間絶縁層を得ることができないという問題が
生じる。この場合、層間絶縁層の粗化によって表面に凹
凸ができ易くなり、結果として導体パターンの形成精度
や配線板の電気特性等が悪化してしまう。
【0009】更に、粗化工程にて用いられる化学薬品に
は、クロム酸や過マンガン酸カリウム等のように、概し
て人体に対して有害なものが多い。従って、配線板の製
造業者は、化学薬品の廃棄を慎重に行うなどというよう
に、何らかの公害対策を図る必要がある。ところが、こ
のような対策を行うと、必然的にコスト高になるという
問題がある。
【0010】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、その第1の目的は、化学薬品による層間絶縁層
の粗化を行うことなく、剥離し難い導体パターンを得る
ことができる多層配線板を提供することにある。
【0011】本発明の第2の目的は、層間絶縁層の膜厚
制御が容易であるため層間絶縁層の平滑性及び均一性を
向上させることができ、かつ導体パターンの密着性及び
形成精度等を確実に向上させることができる多層配線板
の製造方法を提供することにある。
【0012】本発明の第3の目的は、製造工程を簡略化
することができ、しかも製造コストを低減することが可
能な多層配線板の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、樹脂製の層間絶縁層
と金属製の導体パターンとを基板上に交互に積層形成し
てなる多層配線板において、導体パターンの密着性を向
上し得る金属をスパッタリングすることにより形成され
る金属薄層と、前記金属薄層上に形成される銅めっき層
とによって構成される導体パターンを備えた多層配線板
をその要旨としている。
【0014】請求項2に記載の発明では、樹脂製の層間
絶縁層と金属製の導体パターンとを基板上に交互に積層
形成してなる多層配線板において、導体パターンの密着
性を向上し得る金属をスパッタリングすることにより形
成される金属薄層と、前記金属薄層上に銅をスパッタリ
ングすることにより形成される銅薄層と、前記銅薄層上
に形成される銅めっき層とによって構成される導体パタ
ーンを備えた多層配線板をその要旨としている。
【0015】請求項3に記載の発明では、樹脂製の層間
絶縁層と金属製の導体パターンとを基板上に交互に積層
形成する多層配線板の製造方法において、少なくとも下
記(a) 〜(e) の工程、即ち、(a) 基板上に樹脂をスピン
コートすることにより、層間絶縁層を形成する工程、
(b) 前記層間絶縁層に対して逆スパッタリングを行うこ
とにより、前記層間絶縁層の表面を処理する工程、(c)
導体パターンの密着性を向上し得る金属をスパッタリン
グし、かつ必要に応じて銅をスパッタリングすることに
より、前記層間絶縁層の処理面上に1種または2種の金
属からなる下地層を形成する工程、(d) 前記下地層上に
めっきレジストを形成した状態で銅めっきを施すことに
より、前記下地層上の所定部分に銅めっき層を形成する
工程、(e) 前記めっきレジスト及びそのめっきレジスト
下に位置している下地層をエッチングすることにより、
下地層と銅めっき層とによって構成される導体パターン
を形成する工程を順次行うことを特徴とした多層配線板
の製造方法をその要旨としている。
【0016】請求項4に記載の発明では、樹脂製の層間
絶縁層と金属製の導体パターンとを基板上に交互に積層
形成する多層配線板の製造方法において、少なくとも下
記(a) 〜(f) の工程、即ち、(a) 基板上に樹脂をスピン
コートすることにより、層間絶縁層を形成する工程、
(b) 前記層間絶縁層に対して逆スパッタリングを行うこ
とにより、前記層間絶縁層の表面を処理する工程、(c)
導体パターンの密着性を向上し得る金属をスパッタリン
グし、かつ必要に応じて銅をスパッタリングすることに
より、前記層間絶縁層の処理面上に1種または2種の金
属からなる下地層を形成する工程、(d) 前記下地層上に
レジストを形成した状態でエッチングを行うことによ
り、その下地層を所定のパターン状にする工程、(e) パ
ターン状にエッチングされた下地層から前記レジストを
剥離する工程、(f) 前記下地層に対して無電解銅めっき
または電解銅めっきを施すことにより、下地層と銅めっ
き層とによって構成される導体パターンを形成する工程
を順次行うことを特徴とした多層配線板の製造方法をそ
の要旨としている。
【0017】
【作用】本発明の多層配線板によると、金属薄膜形成用
の金属として導体パターンの密着性を向上し得る金属が
使用されているため、剥離し難い導体パターンを得るこ
とができる。また、本発明において、金属薄層はスパッ
タリングという物理的な成膜法によって形成されること
が特徴的である。そして、スパッタリングによる金属薄
層は、一般に緻密かつ平滑で付着力に優れたものとなる
ことが知られている。ゆえに、このような金属薄層が銅
めっき層の下地となる本発明によると、化学薬品による
層間絶縁層の粗化を行わなくとも、導体パターンの密着
性を向上させることが可能になる。
【0018】そして、本発明の多層配線板の製造方法に
よると、スピンコートによって樹脂を塗布することとし
ているため、肉薄の層間絶縁層を得ようとする場合でも
容易に膜厚制御を行うことができる。よって、層間絶縁
層の平滑性及び均一性を向上させることができ、その結
果として導体パターンの密着性及び形成精度等も確実に
向上させることができる。また、この製造方法による
と、逆スパッタリングによって層間絶縁層の表面が処理
されることになるため、導体パターンの形成に先立って
化学薬品による粗化を行う必要がなくなる。ゆえに、製
造工程が簡略化され、しかも製造コストが低減される。
【0019】以下、本発明の多層配線板を製造方法を工
程順に詳細に説明する。本発明では、層間絶縁層と導体
パターンとを交互に積層形成するための基板として、セ
ラミックス焼結体製、金属製、プラスティック製の基板
を用いることができる。
【0020】セラミックス焼結体製の基板としては、例
えば窒化アルミニウム(AlN)基板、アルミナ(Al
2 3 )基板、窒化ホウ素(BN)基板、窒化珪素(S
34 )基板、ムライト(3Al2 3 ・2Si
2 )基板等がある。金属製の基板としては、例えばり
ん青銅基板、アルミニウム(Al)基板、アルマイト基
板、鉄(Fe)基板、銅(Cu)基板等がある。放熱性
等を重視した多層配線板を作製するときには、セラミッ
クス焼結体製の基板を選択することが良く、なかでも特
に熱伝導率の高い窒化アルミニウム基板を選択すること
が良い。また、低コスト性や加工性等を重視した多層配
線板を作製するときには、金属製またはプラスティック
製の基板を選択することが好ましい。
【0021】前記基板の表面には、スパッタリング等と
いった従来公知の成膜法により、必要に応じて1種また
は複数種の金属からなる第1層めの導体パターンが形成
される。導体パターンが形成された基板上には、第1層
めの層間絶縁層を形成するために、感光性または非感光
性の樹脂がスピンコートされる。スピンコート法とは、
水平に載置した基板上に流動物を供給した状態で基板を
回転させ、遠心力によって基板全体に流動物を薄くかつ
均一に行き渡らせる塗布方法である。そして、このよう
なスピンコート法を実施するにあたっては、通常、スピ
ンコータと呼ばれる塗布装置が使用される。
【0022】層間絶縁層用の樹脂はとしては、例えばポ
リイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、BT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂、BCB(ジビニル
シロキサンビスベンゾシクロブテン)樹脂、ポリエステ
ル樹脂、変成ポリイミド樹脂、変成BT樹脂、変成エポ
キシ樹脂、トリアジン樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリ
サルフォン樹脂、ポリエーテルサルフォン樹脂、ポリエ
ーテルイミド樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、フ
ェノール樹脂、ユリア樹脂等がある。
【0023】なかでも、使用する樹脂として、例えばエ
ポキシ樹脂やBT樹脂等のように比較的安価なものを選
択することが好ましい。その理由は、これらのような樹
脂を用いることは多層配線板の低コスト化を図るうえで
有利だからである。また、使用する樹脂として、銅との
反応性が低いものを選択したり、硬化収縮量の小さなも
のを選択することが好ましい。上記の条件を満たす樹脂
としては、例えばエポキシ樹脂やBT樹脂等がある。
【0024】なお、先に列挙した層間絶縁層形成用の樹
脂に感光性を付与しておくことが好ましい。その理由
は、感光性を付与した樹脂であれば露光・現像といった
フォトリソグラフィを行うことができ、層間絶縁層の形
成精度をより向上させることが可能だからである。ま
た、層間絶縁層には、各層間の電気的導通を図るインタ
スティシャルバイアホール(以下、単にIVHと略す)
を形成するための穴が必要に応じて形成される。
【0025】スピンコータによって塗布される樹脂の厚
さは5μm〜70μm程度であることが良く、最終的に
得られる層間絶縁層の厚さは3μm〜50μm程度であ
ることが良い。塗布される樹脂の厚さが5μm未満であ
ると、導体パターンを樹脂によって完全に被覆できなく
なる場合が生じ得る。一方、この厚さが50μmを越え
ると、スピンコート法の利点を生かすことができなくな
る。また、層間絶縁層の厚さを前記範囲内とすること
は、好適な電気特性を保持しつつ配線板全体の薄層化を
図るうえで好ましいからである。
【0026】次に、第2層め以降の導体パターン及び層
間絶縁層を形成する手順について説明する。第1層めの
層間絶縁層には、金属のスパッタリングに先立って逆ス
パッタリングが行われる。逆スパッタリングとは、不活
性ガス雰囲気下においてターゲット材側を陰極にしかつ
基板側を陽極にして行う通常のスパッタリングとは異な
り、前記の陰極・陽極を逆にして行うスパッタリングの
ことを指す。即ち、逆スパッタリングを実施すると、不
活性ガスのイオンが基板側に引き寄せられ、そのときの
衝撃によって基板の表面が処理されることになる。そし
て、このような逆スパッタリングを経ることにより、層
間絶縁層の表面がいわば「物理的に粗化された」状態に
なる。このような逆スパッタリングによる処理の利点
は、処理後に同じ装置内にて直ちに金属のスパッタリン
グを行うことができることである。
【0027】逆スパッタリング時において高真空槽内に
満たされる不活性ガスとしては、例えば窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、ネオン、クリプトン等がある。不活性ガ
スをアルゴンにすると、スパッタリングによって形成さ
れる金属薄層の密着性が良くなるという利点がある。ま
た、不活性ガスを窒素にすると、金属薄層をエッチング
したときの残渣が残り難くなり、導体パターン間の絶縁
性が良くなるという利点がある。
【0028】表面処理された第1層めの層間絶縁層の処
理面上には、導体パターンの密着性を向上し得る金属の
スパッタリングによって金属薄層が形成される。そし
て、この金属薄層上には、銅のスパッタリングによって
銅薄層が形成される。この結果、層間絶縁層の処理面上
に1種または2種の金属からなる下地層が設けられた状
態となる。
【0029】ここで導体パターンの密着性を向上し得る
金属とは、例えばクロム、ニッケル、チタン、鉄、タン
グステン、モリブデン、アルミニウム、コバルト等を指
すものである。これらの金属のスパッタリングによって
得られる金属薄層は、緻密かつ平滑で層間絶縁層に対す
る付着力に優れたものとなるからである。また、上記の
金属薄層は、酸化剤を含まない単純な組成のエッチャン
トによって容易に除去することができるため、パターン
形成に好都合だからである。前記銅薄層は、金属薄層に
対する銅めっきの付着性を高め、銅めっき層と金属薄層
との間の密着性を向上させるために、必要に応じて形成
される。
【0030】この場合、金属薄層の厚さを0.05μm
〜0.3μm程度とし、銅薄層の厚さを0.05μm〜
0.6μm程度とすることが好ましい。また、下地層の
トータルでの厚さは約1.0μm以下であることが良
い。
【0031】金属薄膜の厚さが前記範囲より下である
と、層間絶縁層との密着性にばらつきが生じ、剥離や膨
れなどの不都合が生じ易くなる。一方、金属薄層の厚さ
が前記範囲より上であると、スパッタリングに時間やコ
ストがかかるにも関わらず、得られる効果に大差がな
い。銅薄層の厚さが前記範囲より下であると、銅めっき
層の密着性を充分に向上できなくなる虞れがある。一
方、銅薄層の厚さが前記範囲より上であると、スパッタ
リングに時間やコストがかかるにも関わらず、得られる
効果に大差がない。
【0032】なお、スパッタリングする金属としてニッ
ケルを選択した場合には、金属薄層上への銅のスパッタ
リングを省略することも可能である。その理由は、ニッ
ケルに対する銅めっきの付着性は比較的良く、必ずしも
銅薄層を形成する必要がない場合があるからである。
【0033】下地層上には所定のめっきレジストが形成
され、この状態で電解銅めっきまたは無電解銅めっきが
施される。その結果、下地層の表面に銅めっき層が形成
される。
【0034】前記銅めっき層は、電気を導通させるため
の実質的な導体層として機能する金属層であることか
ら、下地層に比べていくぶん厚めに形成される。但し、
銅めっき層が厚くなり過ぎると、表面の段差が大きくな
り、スピンコータによる樹脂の塗布に支障を来す虞れが
ある。かかる事情を鑑みると、銅めっき層の厚さを2μ
m〜30μmの範囲内に、より好ましくは2μm〜10
μmの範囲内に設定することが良い。
【0035】銅めっき層を形成した後、不要となっため
っきレジスト及びそのめっきレジスト下に位置している
下地層は、エッチングによって除去される。この処理に
よって、1種または2種の金属からなる下地層と、銅め
っき層とによって構成される第1層めの導体パターンが
得られる。
【0036】この場合、製造時間の短縮化・工程簡略化
を達成するために、例えば銅とニッケル、銅とクロム、
銅とチタンというように、複数種の金属を同時に溶解で
きるエッチャントを用いることが好ましい。上記のよう
なエッチャントの一例としては、銅とニッケルとを同時
に溶解し得るふっ酸と硝酸との混合水溶液が挙げられ
る。
【0037】また、第1層めの導体パターンを形成する
方法として、予めレジストを形成した状態で下地層をパ
ターン状にエッチングした後、そのレジストを剥離して
銅めっき層を形成するという方法を採ることも可能であ
る。そして、いずれかの方法によって導体パターンが形
成された基板上には再び樹脂がスピンコートされること
によって、第2層めの層間絶縁層が形成される。そし
て、以上のようなプロセス(樹脂のスピンコート、スパ
ッタリングによる下地層の形成及び銅めっき層の形成)
は、必要に応じて繰り返し行われる。
【0038】
〔実施例1〕
工程(1):基板として、りん青銅基板(Cu:Sn:
P=95:4.8:0.2)1を選択し、このりん青銅
基板1上の第1層めの導体パターンC1 に黒化処理を施
した。
【0039】工程(2):層間絶縁層形成用の樹脂とし
て、下記の組成からなる感光性エポキシ樹脂を用意し
た。 クレゾールノボラックアクリレート樹脂:66重量%,
ビスフェノールA型樹脂:21重量%, 増感剤:6重
量%,硬化剤:3重量%, 光重合剤:3重量%, 界
面調整剤:1重量%.そして、図1(a)に示されるよ
うに、この樹脂をスピンコータ(ミカサ製,商品名:I
H−DX)を用いて、りん青銅基板1上に塗布した。な
お、最終的に得られる層間絶縁層I1 の厚さが20μm
となるように、本実施例では塗布する樹脂の厚さを30
μmに設定した。
【0040】工程(3):感光性エポキシ樹脂をプリベ
ークした後、露光・現像を行い、更にその感光性エポキ
シ樹脂に対して180℃,60分間のキュア処理を施し
た。以上の処理によって、図1(b)に示されるよう
に、直径約30μmのIVH形成用の穴2を備える第1
層めの層間絶縁層I1 を得た。
【0041】工程(4):次に真空スパッタリング装置
(徳田製作所製,CFS−8EP)を用い、窒素雰囲気
中にて層間絶縁層I1 に対する逆スパッタリングを行っ
た。その際、ガス圧を0.8Paとし、スパッタリング
時間を2分間とした。この逆スパッタリングによって、
層間絶縁層I1 上に処理面TS を形成した。
【0042】工程(5):次いで、同じ真空スパッタリ
ング装置を用いてクロムをスパッタリングすることによ
り、層間絶縁層I1 の処理面TS 上に金属薄層としての
厚さ0.1μmのクロム薄層L1 を形成した。更に、同
じ真空スパッタリング装置を用いて銅をスパッタリング
することにより、クロム薄層L1 上に0.2μmの銅薄
層L2 を形成した。その結果、図1(c)に示されるよ
うに、クロム及び銅の2種の金属からなる厚さ0.3μ
mの下地層ULを得た。
【0043】なお、本実施例において、クロムのスパッ
タリングではガス圧を0.8Paとし、スパッタリング
時間を10分とした。また、銅のスパッタリングではガ
ス圧を0.8Paとし、スパッタリング時間を20分と
した。
【0044】工程(6):次に、スピンコータを用いて
下地層UL上にめっきレジスト形成用の感光性樹脂(東
京応化製,OMR−83/60cps )を塗布した。な
お、最終的に得られるめっきレジスト3の厚さが1μm
となるように設定した。そして、プリベーク、露光・現
像及びポストベークを行った。
【0045】その結果、図1(d)に示されるように、
L/S=30μm/50μmの導体パターンC2 を形成
するためのチャンネル状のめっきレジスト3を下地層U
L上に形成した。
【0046】工程(7):次に、下記の電解銅めっき浴
を用いて電解銅めっきを実施することにより、図1
(e)に示されるように、下地層UL上に厚さ10μm
の電解銅めっき層L3 を形成した。
【0047】H2 SO4 ・5H2 O:210g/l , H
2 SO4 :60g/l ,塩素イオン:25mg/l, 添加
剤:少量, 浴温:28℃,カソード電流密度:2.5
A/dm2 , 処理時間:10分. 工程(8):次に、りん青銅基板1を専用の剥離液(東
京応化製,OMR剥離液)でエッチングすることによっ
て、不要になっためっきレジスト3を下地層ULから剥
離した。更に、10%硝酸水溶液をエッチャントとして
用いることにより、まずめっきレジスト3下に位置して
いた銅薄層L2 をエッチングした。続いて、20%塩酸
水溶液をエッチャントとして用いることにより、同じく
めっきレジスト3下に位置していたクロム薄層L1 をエ
ッチングした。その結果、図1(f)に示されるよう
に、クロム薄層L1 と銅薄層L2 とからなる下地層UL
及び電解銅めっき層L3 によって構成される導体パター
ンC2 を得た。
【0048】工程(9):前記工程(2)から工程
(8)を繰り返し行うことにより、第3層め以降の導体
パターンC3 〜C6 と第2層め以降の層間絶縁層I2 〜
I5 とを順次形成した。そして、最終的に図2に示され
るようなビルドアップ層を有する多層配線板6を得た。
【0049】上記の一連の工程によって得られた多層配
線板6を用いて、導体パターンC2 〜C6 のラインL
の幅の寸法精度、層間絶縁層I1 〜I5 の膜厚の寸法
精度、及び導体パターンC2 〜C6 のプル強度を調査
した。それらの結果を表1に示す。
【0050】導体パターンC2 〜C6 を実測したとこ
ろ、ラインLの幅は設定値である30μmに極めて近似
した値をとることがわかった。同様に、層間絶縁層I1
〜I5の膜厚についても、設定値である20μmに極め
て近似した値をとることがわかった。また、プル強度を
測定したところ、2.0 kgf/mm2を上回る好適な値が得
られた。 〔実施例2,3〕 工程(1)〜工程(4):実施例1の工程(1)〜工程
(4)に準拠した。
【0051】工程(5):前述した真空スパッタリング
装置を用いてチタンをスパッタリングすることにより、
層間絶縁層I1 の処理面TS 上に金属薄層としての厚さ
0.1μmのチタン薄層L1 を形成した。更に、同じ真
空スパッタリング装置を用いて銅をスパッタリングする
ことにより、チタン薄層L1 上に0.2μmの銅薄層L
2 を形成した。その結果、図1(c)に示されるよう
に、チタン及び銅の2種の金属からなる厚さ0.3μm
の下地層ULを得た。
【0052】工程(6)〜工程(9):その後、実施例
1の工程(6)〜工程(9)に準拠し、最終的に図2に
示されるような多層配線板6を得た。この多層配線板6
を用いて上述の調査した結果を表1に示す。その結果、
導体パターンC2 〜C6 のライン幅も層間絶縁層I1 〜
I5 の膜厚も、実施例1と同様に設定値に極めて近似し
た値をとることがわかった。また、プル強度を測定した
ところ、2.0 kgf/mm2を上回る好適な値が得られた。
【0053】そして、表1に示されるように、金属薄層
L1 の形成材料をチタンからニッケルに代えた実施例3
についても、実施例1,2と同様に好適な結果が得られ
た。また、実施例3の場合、ふっ酸:硝酸=1:3水溶
液という1種のエッチャントのみによって、銅薄層L2
とニッケル薄層L1 とを同時にエッチングできるという
利点があった。 〔実施例4〜6〕 工程(1):実施例4では、基板としてアルミナ基板
(Al2 3 =92%)4を選択した。そして、そのア
ルミナ基板4上にチタン、モリブデン及びニッケルをス
パッタリングすることにより、第1層めの導体パターン
C1 を形成した。
【0054】工程(2):実施例1にて使用した樹脂を
スピンコータを用いて塗布することにより、第1層めの
導体パターンC1 上に層間絶縁層I1 を形成した。な
お、本実施例4では最終的に得られる層間絶縁層I1 の
厚さが10μmとなるように、塗布する樹脂の厚さを1
7μmに設定した。
【0055】工程(3)〜工程(5):実施例1の工程
(3)〜工程(5)に準拠した。 工程(6):次に、スピンコータを用いて下地層UL上
に実施例1にて使用しためっきレジスト形成用の感光性
樹脂を塗布し、プリベーク、露光・現像及びポストベー
クを行った。その結果、図1(d)に示されるように、
L/S=15μm/20μmの導体パターンC2 を形成
するためのチャンネル状のめっきレジスト3を下地層U
L上に形成した。
【0056】工程(7):次に、実施例1にて使用した
電解銅めっき浴を用いて電解銅めっきを実施することに
より、図1(e)に示されるように、下地層UL上に厚
さ6μmの電解銅めっき層L3 を形成した。
【0057】工程(8)〜工程(9):その後、実施例
1の工程(8)〜工程(9)に準拠し、最終的に図2に
示されるような多層配線板6を得た。この多層配線板6
を用いて上述の調査した結果を表1に示す。その結果、
導体パターンC2 〜C6 のライン幅も層間絶縁層I1 〜
I5 の膜厚も、実施例1と同様に設定値に極めて近似し
た値をとることがわかった。また、プル強度を測定した
ところ、2.0 kgf/mm2を上回る好適な値が得られた。
【0058】そして、表1に示されるように、金属薄層
L1 の形成材料をクロムからチタンに代えた実施例5、
及びクロムからニッケルに代えた実施例6についても、
実施例4と同様に好適な結果が得られた。また、実施例
6の場合、ふっ酸:硝酸=1:3水溶液という1種のエ
ッチャントのみによって、銅薄層L2 とニッケル薄層L
1 とを同時にエッチングできるという利点があった。 〔実施例7〜9〕 工程(1):実施例7では、基板として窒化アルミニウ
ム基板(AlN:Y23 =96:4)1を選択した。
そして、その窒化アルミニウム基板1上にチタン、モリ
ブデン及びニッケルをスパッタリングすることにより、
第1層めの導体パターンC1 を形成した。
【0059】工程(2):実施例1にて使用した樹脂を
スピンコータを用いて塗布することにより、第1層めの
導体パターンC1 上に層間絶縁層I1 を形成した。な
お、本実施例7では最終的に得られる層間絶縁層I1 の
厚さが5μmとなるように、塗布する樹脂の厚さを10
μmに設定した。
【0060】工程(3)〜工程(5):実施例1の工程
(3)〜工程(5)に準拠した。 工程(6):次に、スピンコータを用いて下地層UL上
に実施例1にて使用しためっきレジスト形成用の感光性
樹脂を塗布し、プリベーク、露光・現像及びポストベー
クを行った。その結果、図1(d)に示されるように、
L/S=4μm/6μmの導体パターンC2 を形成する
ためのチャンネル状のめっきレジスト3を下地層UL上
に形成した。
【0061】工程(7):次に、実施例1にて使用した
電解銅めっき浴を用いて電解銅めっきを実施することに
より、図1(e)に示されるように、下地層UL上に厚
さ1.5μmの電解銅めっき層L3 を形成した。
【0062】工程(8)〜工程(9):その後、実施例
1の工程(8)〜工程(9)に準拠し、最終的に図2に
示されるような多層配線板6を得た。この多層配線板6
を用いて上述の調査した結果を表1に示す。
【0063】その結果、実施例1,2に比較して極めて
ファインなものであるにも関わらず、導体パターンC2
〜C6 のライン幅も層間絶縁層I1 〜I5 の膜厚も、設
定値に極めて近似した値をとることがわかった。次いで
プル強度を測定したところ、2.0 kgf/mm2を上回る好
適な値が得られた。
【0064】そして、表1に示されるように、金属薄層
L1 の形成材料をクロムからチタンに代えた実施例8、
及びクロムからニッケルに代えた実施例9についても、
実施例7と同様に極めて好適な結果が得られた。また、
実施例9の場合、ふっ酸:硝酸=1:3水溶液という1
種のエッチャントのみによって、銅薄層L2 とニッケル
薄層L1 とを同時にエッチングできるという利点があっ
た。 〔実施例10〕 工程(1)〜工程(4):実施例1の工程(1)〜工程
(4)に準拠した。
【0065】工程(5):真空スパッタリング装置を用
いてニッケルをスパッタリングすることにより、層間絶
縁層I1 の処理面TS 上に厚さ0.1μmのニッケル薄
層L1 (=1種の金属のみからなる下地層UL)を形成
した。なお、スパッタリング時のガス圧及び時間につい
ては、実施例1の条件に準じた。
【0066】工程(6)〜工程(7):実施例1の工程
(6)〜工程(7)に準拠した。 工程(8):まず、りん青銅基板1を専用の剥離液でエ
ッチングすることによって、めっきレジスト3を下地層
ULから剥離した。次に、20%塩酸水溶液をエッチャ
ントとして用い、めっきレジスト3下に位置していたニ
ッケル薄層L1をエッチングした。その結果、ニッケル
薄層L1 及び電解銅めっき層L3 によって構成される導
体パターンC2 を得た。
【0067】工程(9):工程(2)〜工程(8)を繰
り返し行うことにより、第3層め以降の導体パターンC
3 〜C6 と第2層め以降の層間絶縁層I2 〜I5 とを順
次形成した。そして、最終的に図3に示されるような多
層配線板7を得た。
【0068】この多層配線板7を用いて上述の調査した
結果を表1に示す。その結果、導体パターンC2 〜C6
のライン幅も層間絶縁層I1 〜I5 の膜厚も、実施例1
等の多層配線板6と同様に設定値に極めて近似した値を
とることがわかった。また、プル強度を測定したとこ
ろ、2.0 kgf/mm2を上回る好適な値が得られた。
【0069】つまり、本実施例10では下地層ULを薄
くかつ1種の金属のみによって構成しているにも関わら
ず、実施例1〜9と同程度の性能が得られるということ
になる。しかも、このような構成を採用した場合には、
スパッタリングの時間等も少なくなり、工程的にもコス
ト的にも有利になる。 〔実施例11〕 工程(1)〜工程(5):実施例2の工程(1)〜工程
(5)に準拠して、図4(a)〜図4(c)に示される
ように、層間絶縁層I1 上に下地層ULを形成した。
【0070】工程(6):次に、スピンコータを用いて
下地層UL上にレジスト形成用の感光性樹脂(ヘキスト
社製,商品名:AZ−4200)を塗布した。なお、本
実施例では最終的に得られるレジスト5の厚さが3μm
となるように設定した。
【0071】そして、プリベーク、露光・現像及びポス
トベークを行い、図4(d)に示されるように、L/S
=15μm/20μmの導体パターンC2 を形成するた
めのチャンネル状のレジスト5を下地層UL上に形成し
た。
【0072】工程(7):次に、10%硝酸水溶液をエ
ッチャントとして用いることにより、前記レジスト5下
に位置していた銅薄層L2 をエッチングした。続いて、
20%塩酸水溶液をエッチャントとして用いることによ
り、同じくレジスト5下に位置していたクロム薄層L1
をエッチングした。その結果、図4(e)に示されるよ
うに、下地層ULを所定のパターン状にした。
【0073】工程(8):次に、下記の無電解銅めっき
浴を用いて、無電解銅めっきを実施した。この無電解銅
めっきにより、図4(f)に示されるように、パターン
状にエッチングされた下地層UL上に、厚さ6μmの無
電解銅めっき層L3 を形成した。
【0074】CuSO4 ・5H2 O:0.05mol/l ,
HCHO:0.12mol/l ,NaOH:0.15mol/
l , EDTA・4Na:0.10mol/l ,KNi(C
N)3 :10mg/l, α・α’−ディピリジル:少量,
pH=12.5, 浴温:60℃, 処理時間:2時
間.その結果、クロム薄層L1 と銅薄層L2 とからなる
下地層UL及び無電解銅めっき層L3 によって構成され
る導体パターンC2 を得た。
【0075】工程(9):前記工程(2)〜工程(8)
を繰り返し行うことにより、第3層め以降の導体パター
ンC3 〜C6 と第2層め以降の層間絶縁層I2 〜I5 と
を順次形成した。そして、最終的に図2に示されるよう
なビルドアップ層を有する多層配線板6を得た。
【0076】この多層配線板6を用いて上述の調査した
結果を表1に示す。その結果、導体パターンC2 〜C6
のライン幅も層間絶縁層I1 〜I5 の膜厚も、実施例1
等の多層配線板6と同様に設定値に極めて近似した値を
とることがわかった。また、プル強度を測定したとこ
ろ、2.0 kgf/mm2を上回る好適な値が得られた。 〔比較例〕 工程(1):銅張積層板(FR−4)を基板として選択
し、従来公知の方法に従って第1層めの内層導体パター
ンを形成した後、黒化処理を施した。
【0077】工程(2):層間絶縁層形成用の樹脂とし
て、下記の組成からなる感光性エポキシ樹脂を用意し、
この樹脂をロールコータを用いて基板上に塗布した。 クレゾールノボラックアクリレート樹脂:53重量%,
ビスフェノールA型樹脂:17重量%,エポキシ樹脂フ
ィラー:19重量%, 増感剤:5重量%,硬化剤:2
重量%, 光重合剤:3重量%, 界面調整剤:1重量
%.なお、最終的に得られる層間絶縁層の厚さが55μ
mとなるように、塗布する樹脂の厚さを90μmに設定
した。 工程(3):前記樹脂をプリベークした後、露光・現像
及び150℃,180分間のキュア処理することによ
り、第1層めの層間絶縁層を形成した。
【0078】工程(4):酸化クロム(CrO3 )を約
60分間処理することにより、層間絶縁層の表面を粗化
した後、粗化面にPd−Sn触媒核を付与した。次い
で、ロールコータによって感光性エポキシ樹脂を30μ
mの厚さに塗布した。そして、この樹脂を乾燥しかつ露
光・現像することにより、L/S=75μm/75μm
の導体パターンを形成するためのチャンネル状のめっき
レジストを得た。
【0079】工程(5):Pd−Sn触媒核を活性化さ
せた後、下記の組成の厚付け用無電解銅めっき浴を用い
て無電解銅めっきを実施した。この無電解銅めっきによ
り、めっきレジスト非形成部分に厚さ30μmの無電解
銅めっき層を形成した。
【0080】CuSO4 ・5H2 O:0.05mol/l ,
HCHO:0.12mol/l ,NaOH:0.15mol/
l , EDTA・4Na:0.10mol/l ,KNi(C
N)3 :10mg/l, α・α’−ディピリジル:少量,
pH=12.5, 浴温:60℃, 処理時間:6時
間. 工程(6):前記工程(2)〜工程(5)を繰り返し行
うことにより、第3層め以降の導体パターンと第2層め
以降の層間絶縁層とを順次形成した。そして、最終的に
ビルドアップ層を有するアディティブ多層配線板を得
た。
【0081】比較例の多層配線板を用いて上述の調査し
た結果を表1に示す。その結果、導体パターンのライン
幅の寸法誤差が、実施例1〜11のときと比べて大きく
なるという結果が得られた。また、層間絶縁層の膜厚の
寸法誤差についても同様の結果が得られた。つまり、比
較例の多層配線板の場合、層間絶縁層の平滑性等の悪化
や粗化に起因する表面の凹凸によって、導体パターンの
形成精度や配線板の電気特性等の悪化がもたらされるも
のと予想された。更に、プル強度を測定したところ、実
施例1〜11の約半分以下の値である1.0 kgf/mm2
いう低い値に止まった。
【0082】また、比較例の製造方法と実施例1〜11
の製造方法とを比較した場合、粗化工程と厚付け無電解
銅めっき工程とを必要とする前者のほうが概して製造時
間が長くなることが確認された。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】なお、本発明は上記各実施例のみに限定さ
れることはなく、例えばビルドアップ層の層数を増加ま
たは減少させることなどの発明の趣旨を逸脱しない範囲
内での変更が勿論可能である。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の多層配線
板では導体パターンの密着性を向上し得る金属のスパッ
タリングを行うことを特徴としているため、化学薬品に
よる層間絶縁層の粗化を行うことなく、剥離し難い導体
パターンを得ることができるという優れた効果を奏す
る。
【0087】また、本発明の多層配線板の製造方法で
は、層間絶縁層を形成するための樹脂をスピンコータに
よって塗布するという方法を採用している。このため、
この製造方法によると、層間絶縁層の膜厚制御が容易に
なり、もって層間絶縁層の平滑性及び均一性を向上させ
ることができ、かつ導体パターンの密着性及び形成精度
等を確実に向上させることができるという優れた効果を
奏する。
【0088】そして、同じくこの製造方法によれば、逆
スパッタリングによる層間絶縁層の表面処理を行うこと
としているため、化学薬品による粗化が不要になる。よ
って、製造工程を簡略化することができ、しかも製造コ
ストを低減することができるという優れた効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(f)は実施例1〜9の多層配線板の
製造方法を説明するための部分概略断面図である。
【図2】図1の多層配線板を示す部分概略断面図であ
る。
【図3】実施例10の多層配線板を示す部分概略断面図
である。
【図4】(a)〜(f)は実施例11の多層配線板の製
造方法を説明するための部分概略断面図である。
【符号の説明】
1…基板としてのりん青銅基板または窒化アルミニウム
基板、3…めっきレジスト、4…基板としてのアルミナ
基板、5…レジスト、6,7…多層配線板、I1 ,I2
,I3 ,I4 ,I5 …層間絶縁層、C1 ,C2 ,C3
,C4 ,C5 ,C6 …導体パターン、L1 …金属薄層
としてのクロム薄層またはニッケル薄層、L2 …銅薄
層、L3 …(電解または無電解)銅めっき層、UL…下
地層、TS …処理面。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂製の層間絶縁層(I1 ,I2 ,I3 ,
    I4 ,I5 )と金属製の導体パターン(C2 ,C3 ,C
    4 ,C5 ,C6 )とを基板(1,4)上に交互に積層形
    成してなる多層配線板(6,7)において、 導体パターン(C2 〜C6 )の密着性を向上し得る金属
    をスパッタリングすることにより形成される金属薄層
    (L1 )と、 前記金属薄層(L1 )上に形成される銅めっき層(L3
    )とによって構成される導体パターン(C2 〜C6 )
    を備えた多層配線板。
  2. 【請求項2】樹脂製の層間絶縁層(I1 ,I2 ,I3 ,
    I4 ,I5 )と金属製の導体パターン(C2 ,C3 ,C
    4 ,C5 ,C6 )とを基板(1,4)上に交互に積層形
    成してなる多層配線板(6,7)において、 導体パターン(C2 〜C6 )の密着性を向上し得る金属
    をスパッタリングすることにより形成される金属薄層
    (L1 )と、 前記金属薄層(L1 )上に銅をスパッタリングすること
    により形成される銅薄層(L2 )と、 前記銅薄層(L2 )上に形成される銅めっき層(L3 )
    とによって構成される導体パターン(C2 〜C6 )を備
    えた多層配線板。
  3. 【請求項3】樹脂製の層間絶縁層(I1 ,I2 ,I3 ,
    I4 ,I5 )と金属製の導体パターン(C2 ,C3 ,C
    4 ,C5 ,C6 )とを基板(1,4)上に交互に積層形
    成する多層配線板(6,7)の製造方法において、少な
    くとも下記(a) 〜(e) の工程を順次行うことを特徴とし
    た多層配線板の製造方法: (a) 基板(1,4)上に樹脂をスピンコートすることに
    より、層間絶縁層(I1 〜I5 )を形成する工程、 (b) 前記層間絶縁層(I1 〜I5 )に対して逆スパッタ
    リングを行うことにより、前記層間絶縁層(I1 〜I5
    )の表面を処理する工程、 (c) 導体パターン(C2 〜C6 )の密着性を向上し得る
    金属をスパッタリングし、かつ必要に応じて銅をスパッ
    タリングすることにより、前記層間絶縁層(I1 〜I5
    )の処理面(TS )上に1種または2種の金属からな
    る下地層(UL)を形成する工程、 (d) 前記下地層(UL)上にめっきレジスト(3)を形
    成した状態で銅めっきを施すことにより、前記下地層
    (UL)上の所定部分に銅めっき層(L3 )を形成する
    工程、 (e) 前記めっきレジスト(3)及びそのめっきレジスト
    (3)下に位置している下地層(UL)をエッチングす
    ることにより、下地層(UL)と銅めっき層(L3 )と
    によって構成される導体パターン(C2 〜C6 )を形成
    する工程。
  4. 【請求項4】樹脂製の層間絶縁層(I1 ,I2 ,I3 ,
    I4 ,I5 )と金属製の導体パターン(C2 ,C3 ,C
    4 ,C5 ,C6 )とを基板(1,4)上に交互に積層形
    成する多層配線板(6,7)の製造方法において、少な
    くとも下記(a) 〜(f) の工程を順次行うことを特徴とし
    た多層配線板の製造方法: (a) 基板(1,4)上に樹脂をスピンコートすることに
    より、層間絶縁層(I1 〜I5 )を形成する工程、 (b) 前記層間絶縁層(I1 〜I5 )に対して逆スパッタ
    リングを行うことにより、前記層間絶縁層(I1 〜I5
    )の表面を処理する工程、 (c) 導体パターン(C2 〜C6 )の密着性を向上し得る
    金属をスパッタリングし、かつ必要に応じて銅をスパッ
    タリングすることにより、前記層間絶縁層(I1 〜I5
    )の処理面(TS )上に1種または2種の金属からな
    る下地層(UL)を形成する工程、 (d) 前記下地層(UL)上にレジスト(5)を形成した
    状態でエッチングを行うことにより、その下地層(U
    L)を所定のパターン状にする工程、 (e) パターン状にエッチングされた下地層(UL)から
    前記レジスト(5)を剥離する工程、 (f) 前記下地層(UL)に対して無電解銅めっきまたは
    電解銅めっきを施すことにより、下地層(UL)と銅め
    っき層(L3 )とによって構成される導体パターン(C
    2 〜C6 )を形成する工程。
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