JP3048846B2 - オレフィン系装丁用シートの製造方法 - Google Patents
オレフィン系装丁用シートの製造方法Info
- Publication number
- JP3048846B2 JP3048846B2 JP17599694A JP17599694A JP3048846B2 JP 3048846 B2 JP3048846 B2 JP 3048846B2 JP 17599694 A JP17599694 A JP 17599694A JP 17599694 A JP17599694 A JP 17599694A JP 3048846 B2 JP3048846 B2 JP 3048846B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sheet
- weight
- resin
- antioxidant
- agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、オレフィン系装丁用
シートの製造方法に関し、特に手帳や辞書等の表紙用に
適した柔軟な装丁用シートを提供するものである。
シートの製造方法に関し、特に手帳や辞書等の表紙用に
適した柔軟な装丁用シートを提供するものである。
【0002】
【従来の技術】手帳や辞書等の表紙に使用される装丁用
シートとして、発泡タイプの塩化ビニル樹脂からなる装
丁用シートが旧くから知られており、塩化ビニル樹脂に
可塑剤としてジオクチルフタレートの他、安定剤、充填
剤、顔料および発泡剤等を加えて得られた可塑化塩化ビ
ニル樹脂を布帛や不織布等の支持体シート上にカレンダ
法で貼着し、発泡させて製造されている。しかしなが
ら、この可塑化塩化ビニル樹脂からなる装丁用シート
は、可塑剤のブリードによってシート表面がべたつき、
汚れが発生するという問題があった。
シートとして、発泡タイプの塩化ビニル樹脂からなる装
丁用シートが旧くから知られており、塩化ビニル樹脂に
可塑剤としてジオクチルフタレートの他、安定剤、充填
剤、顔料および発泡剤等を加えて得られた可塑化塩化ビ
ニル樹脂を布帛や不織布等の支持体シート上にカレンダ
法で貼着し、発泡させて製造されている。しかしなが
ら、この可塑化塩化ビニル樹脂からなる装丁用シート
は、可塑剤のブリードによってシート表面がべたつき、
汚れが発生するという問題があった。
【0003】また、オレフィン系樹脂、例えばポリエチ
レンやポリプロピレンを架橋させた発泡タイプのオレフ
ィン系シートが知られている。更に、ポリプロピレン系
装丁用素材が特公昭52−30660号公報および特公
昭52−22661号公報等によって知られているが、
架橋タイプのポリエチレン系発泡シートやポリプロピレ
ン系発泡シートは、手帳としての柔軟性が不足し、特に
反発弾性が大きいため加工が困難であった。また、特公
昭52−30660号公報および特公昭52−2266
1号公報等で知られたポリプロピレン系装丁用素材は、
剛性が大きいため、截ち切りのファイル用には好適であ
っても、手帳用には不向きであった。
レンやポリプロピレンを架橋させた発泡タイプのオレフ
ィン系シートが知られている。更に、ポリプロピレン系
装丁用素材が特公昭52−30660号公報および特公
昭52−22661号公報等によって知られているが、
架橋タイプのポリエチレン系発泡シートやポリプロピレ
ン系発泡シートは、手帳としての柔軟性が不足し、特に
反発弾性が大きいため加工が困難であった。また、特公
昭52−30660号公報および特公昭52−2266
1号公報等で知られたポリプロピレン系装丁用素材は、
剛性が大きいため、截ち切りのファイル用には好適であ
っても、手帳用には不向きであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、従来の可
塑化塩化ビニル樹脂からなる発泡タイプの装丁用シート
と同様の柔軟性を有し、手帳や辞書の表紙用に好適であ
り、しかも可塑剤がブリードすることのない装丁用シー
トを提供するものである。
塑化塩化ビニル樹脂からなる発泡タイプの装丁用シート
と同様の柔軟性を有し、手帳や辞書の表紙用に好適であ
り、しかも可塑剤がブリードすることのない装丁用シー
トを提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの第1の手段は、支持体シートにエチレン−メチルメ
タクリル酸エステル共重合体樹脂、分解型発泡剤、ホス
ファイト系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤および滑剤
からなる樹脂配合物をカレンダ法によって貼着し、次い
で表面処理剤の塗布、加熱発泡、エンボス、ウレタン系
処理剤の塗布を施し、しかるのち発泡層を支持体シート
と平行にスライスすることを特徴とする。
めの第1の手段は、支持体シートにエチレン−メチルメ
タクリル酸エステル共重合体樹脂、分解型発泡剤、ホス
ファイト系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤および滑剤
からなる樹脂配合物をカレンダ法によって貼着し、次い
で表面処理剤の塗布、加熱発泡、エンボス、ウレタン系
処理剤の塗布を施し、しかるのち発泡層を支持体シート
と平行にスライスすることを特徴とする。
【0006】上記の支持体シートとしては、紙、布帛、
不織布等が使用可能であり、紙としては目付量20〜2
00g/m2 のクラフト紙、混抄紙等、布帛としてはレ
ーヨン糸やレーヨン・綿混紡糸等で製織された織物、ま
た不織布としてはポリエステル繊維からなる不織布等が
それぞれ好ましい。
不織布等が使用可能であり、紙としては目付量20〜2
00g/m2 のクラフト紙、混抄紙等、布帛としてはレ
ーヨン糸やレーヨン・綿混紡糸等で製織された織物、ま
た不織布としてはポリエステル繊維からなる不織布等が
それぞれ好ましい。
【0007】この発明では、上記支持体シートの表面に
エチレン−メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂、
分解型発泡剤、抗酸化剤および滑剤からなる樹脂配合物
が貼着される。上記のエチレン−メチルメタクリル酸エ
ステル共重合体樹脂は、エチレンおよびメチルメタクリ
レートを共重合して得られた樹脂であり、この共重合体
におけるメチルメタクリレートの含有量は、加工性の点
で10〜20重量%が好ましく、このメチルメタクリレ
ートの含有量が10重量%未満では樹脂の流れ性が悪く
なり、反対に20重量%を超えると、ロール粘着が発生
し、加工性が低下する。
エチレン−メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂、
分解型発泡剤、抗酸化剤および滑剤からなる樹脂配合物
が貼着される。上記のエチレン−メチルメタクリル酸エ
ステル共重合体樹脂は、エチレンおよびメチルメタクリ
レートを共重合して得られた樹脂であり、この共重合体
におけるメチルメタクリレートの含有量は、加工性の点
で10〜20重量%が好ましく、このメチルメタクリレ
ートの含有量が10重量%未満では樹脂の流れ性が悪く
なり、反対に20重量%を超えると、ロール粘着が発生
し、加工性が低下する。
【0008】また、分解型発泡剤は、温度199℃以上
に加熱することによって窒素ガスを発生するものが好ま
しく、アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニ
トリル等が例示される。なお、この分解型発泡剤の配合
量は、上記のエチレン−メチルメタクリル酸エステル共
重合体樹脂100重量部に対し2〜7重量部が好まし
い。
に加熱することによって窒素ガスを発生するものが好ま
しく、アゾジカルボン酸アミド、アゾビスイソブチロニ
トリル等が例示される。なお、この分解型発泡剤の配合
量は、上記のエチレン−メチルメタクリル酸エステル共
重合体樹脂100重量部に対し2〜7重量部が好まし
い。
【0009】この発明では、抗酸化剤としてホスファイ
ト系抗酸化剤とフエノール系抗酸化剤とが混合使用され
る。上記のエチレン−メチルメタクリル酸エステル共重
合体樹脂100重量部に対するホスファイト系抗酸化剤
の配合量は0.05〜0.3重量部が、またフエノール
系抗酸化剤の配合量は0.05〜0.3重量部がそれぞ
れ好ましい。
ト系抗酸化剤とフエノール系抗酸化剤とが混合使用され
る。上記のエチレン−メチルメタクリル酸エステル共重
合体樹脂100重量部に対するホスファイト系抗酸化剤
の配合量は0.05〜0.3重量部が、またフエノール
系抗酸化剤の配合量は0.05〜0.3重量部がそれぞ
れ好ましい。
【0010】滑剤は、上記エチレン−メチルメタクリル
酸エステル共重合体樹脂のロール活性を改善して混練用
ロールやカレンダロールへの巻付きを解消し、カレンダ
加工を可能にするための加工助剤であり、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム
等の高級脂肪酸の金属塩が使用可能であるが、特にアク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルを主成分とした
アクリル系加工助剤がプレートアウト性およびロール滑
性などの点で好ましい。この滑剤の配合量は、上記のエ
チレン−メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂10
0重量部に対して0.05〜0.5重量部が好ましい。
酸エステル共重合体樹脂のロール活性を改善して混練用
ロールやカレンダロールへの巻付きを解消し、カレンダ
加工を可能にするための加工助剤であり、ステアリン酸
亜鉛、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム
等の高級脂肪酸の金属塩が使用可能であるが、特にアク
リル酸エステル、メタクリル酸エステルを主成分とした
アクリル系加工助剤がプレートアウト性およびロール滑
性などの点で好ましい。この滑剤の配合量は、上記のエ
チレン−メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂10
0重量部に対して0.05〜0.5重量部が好ましい。
【0011】上記の樹脂配合物には、必要に応じて顔料
を1〜20重量%の範囲で添加することができる。ま
た、本発明の目的を阻害しない範囲で上記のエチレン−
メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂以外の樹脂を
添加することができる。
を1〜20重量%の範囲で添加することができる。ま
た、本発明の目的を阻害しない範囲で上記のエチレン−
メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂以外の樹脂を
添加することができる。
【0012】上記の樹脂配合物は、バンバリーミキサー
および2本ロールのウォームアップロール等で混練した
後、逆L字形4本ロールカレンダ等のカレンダにおいて
前記支持体シートの片面に積層される。この場合、上記
樹脂配合物の固形分付量は、100〜500g/m2 が
好ましい。また、カレンダロールの温度は、130〜1
40℃が好ましい。
および2本ロールのウォームアップロール等で混練した
後、逆L字形4本ロールカレンダ等のカレンダにおいて
前記支持体シートの片面に積層される。この場合、上記
樹脂配合物の固形分付量は、100〜500g/m2 が
好ましい。また、カレンダロールの温度は、130〜1
40℃が好ましい。
【0013】上記のように支持体シートに積層された樹
脂配合物層の表面には、続いて表面処理剤の塗布、加熱
発泡、エンボス、ウレタン系処理剤の塗布を順に施す。
上記の表面処理剤は、型ロールの離型性向上を目的とし
て塗布されるものであり、変性アクリル系処理剤、アク
リル系処理剤、ウレタン系処理剤、オレフィン系処理剤
等の使用が可能であり、その塗布量は、固形分付量2〜
5g/m2 が好ましい。なお、この表面処理剤の塗布に
際しては、上記樹脂配合物層の表面をポリウレタン系処
理剤、オレフィン系処理剤等のプライマーで処理するこ
とができる。
脂配合物層の表面には、続いて表面処理剤の塗布、加熱
発泡、エンボス、ウレタン系処理剤の塗布を順に施す。
上記の表面処理剤は、型ロールの離型性向上を目的とし
て塗布されるものであり、変性アクリル系処理剤、アク
リル系処理剤、ウレタン系処理剤、オレフィン系処理剤
等の使用が可能であり、その塗布量は、固形分付量2〜
5g/m2 が好ましい。なお、この表面処理剤の塗布に
際しては、上記樹脂配合物層の表面をポリウレタン系処
理剤、オレフィン系処理剤等のプライマーで処理するこ
とができる。
【0014】上記の支持体シートと樹脂配合物層からな
る積層シートは、表面処理剤の乾燥後、発泡炉内で加熱
することにより、樹脂配合物層の発泡が行われる。好ま
しい温度は190〜220℃であり、加熱時間は1〜2
分が好ましい。そして、この発泡後、発泡層の軟化点以
上の温度、好ましくは150〜170℃において発泡層
のエンボス加工を行い、この発泡層の表面にシボ状の凹
凸を成形する。更に、風合いおよび箔押し適性の向上を
目的とする後処理として、発泡層の表面にウレタン系処
理剤を塗布し、乾燥する。
る積層シートは、表面処理剤の乾燥後、発泡炉内で加熱
することにより、樹脂配合物層の発泡が行われる。好ま
しい温度は190〜220℃であり、加熱時間は1〜2
分が好ましい。そして、この発泡後、発泡層の軟化点以
上の温度、好ましくは150〜170℃において発泡層
のエンボス加工を行い、この発泡層の表面にシボ状の凹
凸を成形する。更に、風合いおよび箔押し適性の向上を
目的とする後処理として、発泡層の表面にウレタン系処
理剤を塗布し、乾燥する。
【0015】そして、最終のウレタン系処理剤の塗布を
行った後、発泡層を支持体シートと平行にスライスし、
得られた発泡層のみを装丁用に使用する。また、前記の
課題を解決するための第2の手段は、上記の支持体シー
トとして離型性の支持体シートを使用し、ウレタン系処
理剤の塗布後に上記の支持体シートを剥離することを特
徴とし、この場合も剥離後の発泡層のみを装丁用に使用
する。
行った後、発泡層を支持体シートと平行にスライスし、
得られた発泡層のみを装丁用に使用する。また、前記の
課題を解決するための第2の手段は、上記の支持体シー
トとして離型性の支持体シートを使用し、ウレタン系処
理剤の塗布後に上記の支持体シートを剥離することを特
徴とし、この場合も剥離後の発泡層のみを装丁用に使用
する。
【0016】
【作用】第1の手段および第2の手段によれば、未架橋
の独立気泡からなる発泡層のみの装丁用シートが可塑剤
を使用せずに製造される。そして、樹脂としてエチレン
−メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂を使用する
ので、その共重合比率の設定により適度な加工性が得ら
れ、かつホスファイト系抗酸化剤およびフェノール系抗
酸化剤を併用するので、樹脂としてエチレン−メチルメ
タクリル酸エステル共重合体樹脂を使用しているにもか
かわらず、その加工時に熱劣化の生じることがなく、混
練用のロールおよびカレンダロールへの粘着が防止さ
れ、カレンダによって支持体シートに樹脂配合物を貼着
することが可能になり、そのためエクストルーダによる
押出し加工に比べて柔軟な装丁用シートが得られ、さら
に樹脂中の触媒残渣が不活性化され、耐候性が向上す
る。しかも、この装丁用シートは、発泡層が上記のよう
に未架橋の独立気泡で構成されるので、しなやかで、柔
軟な、かつさらりとした風合いを備えており、また可塑
剤を含有しないので、可塑剤のブリードに伴う問題が解
消する。
の独立気泡からなる発泡層のみの装丁用シートが可塑剤
を使用せずに製造される。そして、樹脂としてエチレン
−メチルメタクリル酸エステル共重合体樹脂を使用する
ので、その共重合比率の設定により適度な加工性が得ら
れ、かつホスファイト系抗酸化剤およびフェノール系抗
酸化剤を併用するので、樹脂としてエチレン−メチルメ
タクリル酸エステル共重合体樹脂を使用しているにもか
かわらず、その加工時に熱劣化の生じることがなく、混
練用のロールおよびカレンダロールへの粘着が防止さ
れ、カレンダによって支持体シートに樹脂配合物を貼着
することが可能になり、そのためエクストルーダによる
押出し加工に比べて柔軟な装丁用シートが得られ、さら
に樹脂中の触媒残渣が不活性化され、耐候性が向上す
る。しかも、この装丁用シートは、発泡層が上記のよう
に未架橋の独立気泡で構成されるので、しなやかで、柔
軟な、かつさらりとした風合いを備えており、また可塑
剤を含有しないので、可塑剤のブリードに伴う問題が解
消する。
【0017】この発明では、上記のようにホスファイト
系抗酸化剤の使用によってロール滑性を向上する一方、
フェノール系抗酸化剤の使用によって樹脂に耐熱性を付
与し、その併用によってカレンダ加工を可能にし、これ
によって柔軟な装丁用シートを得るものである。ただ
し、ホスファイト系抗酸化剤の配合量が0.05重量%
未満の場合は、樹脂のドローダウンが生じて加工が不可
能となり、反対に0.3重量%を超えた場合は、ブリー
ドおよびブルームが発生する。また、フェノール系抗酸
化剤の配合量が0.05重量%未満の場合は、樹脂の耐
熱性が低下して加工が不可能となり、反対に0.3重量
%を超えた場合はブリードおよびブルームが発生する。
系抗酸化剤の使用によってロール滑性を向上する一方、
フェノール系抗酸化剤の使用によって樹脂に耐熱性を付
与し、その併用によってカレンダ加工を可能にし、これ
によって柔軟な装丁用シートを得るものである。ただ
し、ホスファイト系抗酸化剤の配合量が0.05重量%
未満の場合は、樹脂のドローダウンが生じて加工が不可
能となり、反対に0.3重量%を超えた場合は、ブリー
ドおよびブルームが発生する。また、フェノール系抗酸
化剤の配合量が0.05重量%未満の場合は、樹脂の耐
熱性が低下して加工が不可能となり、反対に0.3重量
%を超えた場合はブリードおよびブルームが発生する。
【0018】
【0019】
【0020】
実施例1 下記の表1に示す配合の樹脂配合物をバンバリーミキサ
ーにより5分間混練し、続いて2本ロールのウォームア
ップロールにより6分間混練し、しかるのち逆L字形4
本ロールカレンダにより、上記の樹脂配合物をレーヨン
製1/2綾織物(目付量180g/m2 )の生機からな
り下引き加工を施した支持体シートの片面に0.4mmの
厚みに貼着した。
ーにより5分間混練し、続いて2本ロールのウォームア
ップロールにより6分間混練し、しかるのち逆L字形4
本ロールカレンダにより、上記の樹脂配合物をレーヨン
製1/2綾織物(目付量180g/m2 )の生機からな
り下引き加工を施した支持体シートの片面に0.4mmの
厚みに貼着した。
【0021】 表 1 エチレン−メチルメタクリル酸共重合体樹脂 (住友化学(株)製、商品名「アクリフトCM−2008) 100重量部 アゾジカルボン酸アミド(発泡剤) (大塚化学(株)製、商品名「AZ−H」) 5.0重量部 ホスファイト系抗酸化剤 (旭電化工業(株)製、商品名「AO−60」) 0.1重量部 フェノール系抗酸化剤 (旭電化工業(株)製、商品名「PEP−36」) 0.1重量部 アクリル系滑剤 (旭電化工業(株)製、商品名「LS−5」) 0.3重量部 顔料(特殊色料工業(株)製、商品名「MBE−10690」)5.0重量部
【0022】支持体シートと樹脂配合物とからなる積層
シートの樹脂層表面にプライマー(セイコー化成(株)
製、商品名「US−200CL−1」)をグラビアコー
ター(120線/平方インチ)により塗布(ドライ付量
2.5g/m2 )、乾燥し、次いで変性アクリル樹脂系
の表面処理剤(セイコー化成(株)製、商品名「584
−6」)100重量部と顔料8重量部の混合物を塗布
(ドライ付量2.5g/m2 )、乾燥した。しかるの
ち、この積層シートを温度210℃の発泡炉に2分間通
して発泡させ、合計厚み0.9mmの発泡積層シートを得
た。
シートの樹脂層表面にプライマー(セイコー化成(株)
製、商品名「US−200CL−1」)をグラビアコー
ター(120線/平方インチ)により塗布(ドライ付量
2.5g/m2 )、乾燥し、次いで変性アクリル樹脂系
の表面処理剤(セイコー化成(株)製、商品名「584
−6」)100重量部と顔料8重量部の混合物を塗布
(ドライ付量2.5g/m2 )、乾燥した。しかるの
ち、この積層シートを温度210℃の発泡炉に2分間通
して発泡させ、合計厚み0.9mmの発泡積層シートを得
た。
【0023】次いで、上記発泡積層シートの発泡層表面
に150℃の温度下でエンボス加工を施して皮革様のシ
ボ模様を成形し、更にウレタン系表面処理剤(セイコー
化成(株)製、商品名「U−65」)50重量部、同じ
くウレタン系表面処理剤(セイコー化成(株)製、商品
名「U−15」)50重量部の混合物をグラビアコータ
ー(120線/平方インチ)でドライ付量が2.5g/
m2 となるように塗布し、100℃で30秒間乾燥し、
その発泡層をバンドナイフスプリッティング型スリッタ
(北村機械工業株式会社製、商品名「No.10B」)
でスリットし、厚み0.6mmの発泡層のみからなり、柔
軟で、辞書や手帳の表紙用として好適なオレフィン系装
丁用シートを得た。
に150℃の温度下でエンボス加工を施して皮革様のシ
ボ模様を成形し、更にウレタン系表面処理剤(セイコー
化成(株)製、商品名「U−65」)50重量部、同じ
くウレタン系表面処理剤(セイコー化成(株)製、商品
名「U−15」)50重量部の混合物をグラビアコータ
ー(120線/平方インチ)でドライ付量が2.5g/
m2 となるように塗布し、100℃で30秒間乾燥し、
その発泡層をバンドナイフスプリッティング型スリッタ
(北村機械工業株式会社製、商品名「No.10B」)
でスリットし、厚み0.6mmの発泡層のみからなり、柔
軟で、辞書や手帳の表紙用として好適なオレフィン系装
丁用シートを得た。
【0024】実施例2 上記実施例1の支持体シートをレーヨン1/2綾織物か
ら離型性のポリエステルタフタ(緯糸密度210本/イ
ンチ)に変更する以外は、実施例1と全く同様にして発
泡積層シートを得、更に同様にエンボス加工と表面処理
を行い、しかるのちポリエステルタフタ(支持体シー
ト)を剥離し、発泡層のみからなり、柔軟で、辞書や手
帳の表紙用として好適なオレフィン系装丁用シートを得
た。
ら離型性のポリエステルタフタ(緯糸密度210本/イ
ンチ)に変更する以外は、実施例1と全く同様にして発
泡積層シートを得、更に同様にエンボス加工と表面処理
を行い、しかるのちポリエステルタフタ(支持体シー
ト)を剥離し、発泡層のみからなり、柔軟で、辞書や手
帳の表紙用として好適なオレフィン系装丁用シートを得
た。
【0025】
【0026】比較例1 上記の実施例1において、その樹脂配合物のホスファイ
ト系およびフェノール系の抗酸化剤を双方とも省略し、
実施例1のアクリル系滑剤の代わりにオレイン酸アミド
を主成分とする滑剤(ライオン油脂(株)製、商品名
「アーモスリップCP−P」)を0.2重量部、また帯
電防止剤(ライオン油脂(株)製、商品名「アーモスタ
ット515」)を0.3重量部それぞれ添加する以外
は、実施例1と同様にして装丁用シートを製造しようと
したが、抗酸化剤を使用しなかったため、エチレン−メ
チルメタクリル酸共重合体樹脂が加工時の熱により酸化
劣化して溶融粘度が低下し、ロールに粘着してカレンダ
加工が不可能であった。
ト系およびフェノール系の抗酸化剤を双方とも省略し、
実施例1のアクリル系滑剤の代わりにオレイン酸アミド
を主成分とする滑剤(ライオン油脂(株)製、商品名
「アーモスリップCP−P」)を0.2重量部、また帯
電防止剤(ライオン油脂(株)製、商品名「アーモスタ
ット515」)を0.3重量部それぞれ添加する以外
は、実施例1と同様にして装丁用シートを製造しようと
したが、抗酸化剤を使用しなかったため、エチレン−メ
チルメタクリル酸共重合体樹脂が加工時の熱により酸化
劣化して溶融粘度が低下し、ロールに粘着してカレンダ
加工が不可能であった。
【0027】比較例2 上記比較例1の樹脂配合物にアクリル系滑剤(三菱レイ
ヨン(株)製、商品名「メタブレン2−1000」)を
0.1重量部付加する以外は、比較例1と同様にして装
丁用シートを製造しようとしたが、抗酸化剤を使用しな
かったため、比較例1と同様にカレンダ加工が不可能で
あった。
ヨン(株)製、商品名「メタブレン2−1000」)を
0.1重量部付加する以外は、比較例1と同様にして装
丁用シートを製造しようとしたが、抗酸化剤を使用しな
かったため、比較例1と同様にカレンダ加工が不可能で
あった。
【0028】比較例3 上記の実施例1において、その樹脂配合物のホスファイ
ト系抗酸化剤の配合を省略する代わりにフェノール系抗
酸化剤の配合量を0.2重量部に倍増し、その他は実施
例1と同様にしてオレフィン系装丁用シートを製造した
ところ、ホスファイト系抗酸化剤を使用しなかっため、
比較例1と同様にカレンダ加工が不可能であった。
ト系抗酸化剤の配合を省略する代わりにフェノール系抗
酸化剤の配合量を0.2重量部に倍増し、その他は実施
例1と同様にしてオレフィン系装丁用シートを製造した
ところ、ホスファイト系抗酸化剤を使用しなかっため、
比較例1と同様にカレンダ加工が不可能であった。
【0029】比較例4 上記の実施例1において、その樹脂配合物のフェノール
系抗酸化剤の配合を省略する代わりにホスファイト系抗
酸化剤の配合量を0.2重量部に倍増し、その他は実施
例1と同様にしてオレフィン系装丁用シートを製造した
ところ、フェノール系抗酸化剤を使用しなかっため、比
較例1と同様にカレンダ加工が不可能であった。
系抗酸化剤の配合を省略する代わりにホスファイト系抗
酸化剤の配合量を0.2重量部に倍増し、その他は実施
例1と同様にしてオレフィン系装丁用シートを製造した
ところ、フェノール系抗酸化剤を使用しなかっため、比
較例1と同様にカレンダ加工が不可能であった。
【0030】
【発明の効果】請求項1に記載された発明は、支持体シ
ートにエチレン−メチルメタクリル酸エステル共重合体
樹脂、分解型発泡剤、ホスファイト系抗酸化剤、フェノ
ール系抗酸化剤および滑剤からなる樹脂配合物をカレン
ダ法によって貼着し、次いで表面処理剤の塗布、加熱発
泡、エンボス、ウレタン系処理剤の塗布を施し、しかる
のち発泡層を支持体シートと平行にスライスすることを
特徴とするオレフィン系装丁用シートの製造方法である
から、未加硫の独立気泡からなる発泡層のみで形成され
た装丁用シートが容易に製造され、得られた装丁用シー
トは、支持体シートを有するものに比べて一層柔軟であ
り、かつさらりとした風合いを備え、辞書や手帳用の装
丁用として好適であり、しかも可塑剤を含有しないの
で、可塑剤のブリードがなく、このブリードに伴う表面
のべたつきや汚れが解消する。
ートにエチレン−メチルメタクリル酸エステル共重合体
樹脂、分解型発泡剤、ホスファイト系抗酸化剤、フェノ
ール系抗酸化剤および滑剤からなる樹脂配合物をカレン
ダ法によって貼着し、次いで表面処理剤の塗布、加熱発
泡、エンボス、ウレタン系処理剤の塗布を施し、しかる
のち発泡層を支持体シートと平行にスライスすることを
特徴とするオレフィン系装丁用シートの製造方法である
から、未加硫の独立気泡からなる発泡層のみで形成され
た装丁用シートが容易に製造され、得られた装丁用シー
トは、支持体シートを有するものに比べて一層柔軟であ
り、かつさらりとした風合いを備え、辞書や手帳用の装
丁用として好適であり、しかも可塑剤を含有しないの
で、可塑剤のブリードがなく、このブリードに伴う表面
のべたつきや汚れが解消する。
【0031】請求項2に記載された発明は、請求項1記
載の発明における支持体シートとして離型性の支持体シ
ートを使用し、ウレタン系処理剤の塗布後に上記の支持
体シートを剥離する方法であるから、請求項1に記載さ
れた発明と同様に発泡層のみからなる柔軟な装丁用シー
トが得られる。
載の発明における支持体シートとして離型性の支持体シ
ートを使用し、ウレタン系処理剤の塗布後に上記の支持
体シートを剥離する方法であるから、請求項1に記載さ
れた発明と同様に発泡層のみからなる柔軟な装丁用シー
トが得られる。
【0032】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B29K 75:00 C08L 23:02 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B29C 59/00 - 59/18 B32B 27/00 - 27/42 B32B 31/00 - 31/30 D06N 3/00 - 3/18
Claims (2)
- 【請求項1】 支持体シートにエチレン−メチルメタク
リル酸エステル共重合体樹脂、分解型発泡剤、ホスファ
イト系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤および滑剤から
なる樹脂配合物をカレンダ法によって貼着し、次いで表
面処理剤の塗布、加熱発泡、エンボス、ウレタン系処理
剤の塗布を施し、しかるのち発泡層を支持体シートと平
行にスライスすることを特徴とするオレフィン系装丁用
シートの製造方法。 - 【請求項2】 離型性の支持体シートにエチレン−メチ
ルメタクリル酸エステル共重合体樹脂、分解型発泡剤、
ホスファイト系抗酸化剤、フェノール系抗酸化剤および
滑剤からなる樹脂配合物をカレンダ法によって貼着し、
次いで表面処理剤の塗布、加熱発泡、エンボス、ウレタ
ン系処理剤の塗布を施し、しかるのち上記の支持体シー
トを剥離することを特徴とするオレフィン系装丁用シー
トの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17599694A JP3048846B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | オレフィン系装丁用シートの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17599694A JP3048846B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | オレフィン系装丁用シートの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0820661A JPH0820661A (ja) | 1996-01-23 |
JP3048846B2 true JP3048846B2 (ja) | 2000-06-05 |
Family
ID=16005890
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17599694A Expired - Fee Related JP3048846B2 (ja) | 1994-07-04 | 1994-07-04 | オレフィン系装丁用シートの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3048846B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2961429B1 (fr) * | 2010-06-22 | 2014-02-21 | Enduction Et De Flockage Soc D | Materiau enduit de resine et son procede de fabrication |
JP5464769B1 (ja) * | 2013-11-20 | 2014-04-09 | 東洋クロス株式会社 | 装丁用表紙材 |
CN107353469B (zh) * | 2017-06-30 | 2021-02-19 | 泰山体育产业集团有限公司 | 一种开孔化学交联聚烯烃发泡材料及其制备方法 |
-
1994
- 1994-07-04 JP JP17599694A patent/JP3048846B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
「増補プラスチックおよびゴム用添加剤実用便覧」(昭和62年2月20日)(株)化学工業社発行、p.160 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0820661A (ja) | 1996-01-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6217982B1 (en) | Thermoplastic polymer alloy composition | |
US3406127A (en) | Method for reclaiming scrap polymers | |
JP3048846B2 (ja) | オレフィン系装丁用シートの製造方法 | |
JPH0344904B2 (ja) | ||
JP4291954B2 (ja) | 表面加飾したゴム状オレフィン系軟質樹脂架橋発泡状表皮 | |
US3654065A (en) | Flat-shaped articles of vinyl polymers and process of producing same | |
JP3145073B2 (ja) | 装飾シート及びその製造方法 | |
JPH07137189A (ja) | 熱可塑性エラストマー組成物からなる積層体 | |
JPH10251461A (ja) | カレンダー成形用組成物 | |
JPS59232854A (ja) | 金型絞付用軟質ポリ塩化ビニルシ−ト積層体 | |
JP2004292674A (ja) | 生分解性軟質発泡シート | |
JP3864336B2 (ja) | 自動車のドア部用表皮材 | |
JP3652896B2 (ja) | 装丁用表紙素材およびその製造方法 | |
JP3482303B2 (ja) | オレフィン系樹脂組成物、壁紙及び壁紙の製造方法 | |
JP4181245B2 (ja) | 発泡シート | |
JPS62172041A (ja) | 発泡バッキングカーペットの製造方法 | |
JP4671833B2 (ja) | ポリプロピレン系合成皮革 | |
JP2004196934A (ja) | ウレタン系樹脂発泡シート | |
JP3763116B2 (ja) | 熱可塑性樹脂組成物 | |
JPH11181166A (ja) | オレフィン系共重合体組成物及び装飾シート | |
JP2606364Y2 (ja) | シート状成形物 | |
JP2000079659A (ja) | レザ―調物品用素材及びそれが基材に積層されたレザ―調物品 | |
JP2745818B2 (ja) | スタンピングモールド用複合シート及びその成形品並びにその製造方法 | |
JPH04153376A (ja) | ドライクリーニング可能な合成樹脂製レザー | |
JP3545246B2 (ja) | ポリオレフィン系樹脂発泡体シート |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |