JP3048711B2 - 部品装着装置における外力測定回路 - Google Patents

部品装着装置における外力測定回路

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JP3048711B2 JP3308703A JP30870391A JP3048711B2 JP 3048711 B2 JP3048711 B2 JP 3048711B2 JP 3308703 A JP3308703 A JP 3308703A JP 30870391 A JP30870391 A JP 30870391A JP 3048711 B2 JP3048711 B2 JP 3048711B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば半導体チップ等
の各種部品をプリント基板等の装着面上の所定位置に装
着するための部品装着装置に関し、特に、部品保持ヘッ
ド部に対して作用する外力を測定する回路に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、プリント基板上の所定位置に電子
部品を自動的に装着する装置として、X軸、Y軸及びZ
軸方向の移動制御が可能な往復装置の出力部に、部品を
吸着保持すべき吸着ヘッド機構を取り付けた電子部品自
動装着装置が知られている。
【0003】図6は、出願人が開発した吸着ヘッド機構
(4)を示しており、支持アーム(40)に軸受(40
1)(402)を介して垂直に支持された外筒(44)を具
え、該外筒(44)の内部に内筒(45)が配置され、外筒(44)
に対して軸方向の移動が可能で且つ相対回転不能に係合
している。
【0004】内筒(45)の中央孔(46)は図示省略する真空
ポンプに連繋している。又、内筒(45)の下端部には、吸
着ノズル(41)を挟圧保持する一対の挟圧アーム(42)(42)
が取り付けられている。
【0005】外筒(44)の下端部に一体に設けたドラム部
(49)の開口端面には、図7に示す如き円板状のバネ板部
材(61)が外周部にてねじ止め固定され、該バネ板部材(6
1)の内周部は、内筒(45)にねじ止め固定されている。
又、バネ板部材(61)の表面にストレインゲージ(62)(62)
が貼着され、電子部品を基板に押圧する際の押圧力を測
定するための力検出器(6)を構成している。
【0006】上記吸着ヘッド機構(4)の支持アーム(40)
を往復装置の出力部に取り付けることによって、電子部
品自動装着装置が構成される。
【0007】該装置においては、吸着ヘッド機構(4)の
吸着ノズル(41)によって電子部品(3)を真空吸着し、該
電子部品(3)をプリント基板の上方位置まで移動させ、
その後、該吸着ヘッド機構(4)を降下せしめて、電子部
品(3)をプリント基板上の所定位置に装着する。
【0008】又、電子部品(3)がプリント基板に接触し
た時点で、更に吸着ヘッド機構(4)を下方へ駆動して、
電子部品(3)を基板表面に塗布された所謂クリーム半田
の層へ押し付け、該電子部品をプリント基板に仮固定す
ることが行なわれる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで上記電子部品
自動装着装置においては、往復装置の誤動作等によっ
て、吸着ヘッド機構(4)が、所定の電子部品装着位置の
上方からずれた異常な位置から降下を開始した場合、プ
ログラムされた所定の部品装着位置まで高速で降下する
過程で、吸着ノズル(41)が基板上の他の部品等と衝突し
て、ノズルの先端部が損傷する虞れがある。
【0010】そこで、従来は、力検出器(6)の出力を監
視して、吸着ヘッド降下中に該検出器出力が所定の閾値
を越えたとき、往復装置の動作を非常停止せしめること
によって、吸着ノズルを保護していた。
【0011】ところが、上記吸着ヘッド機構(4)におい
ては、支持アーム(40)、外筒(44)等の基体部に対して、
内筒(45)、吸着ノズル(41)等の保持ヘッド部が相対的に
上下動可能であって、吸着ヘッド機構の降下に伴う加速
及び減速によって、保持ヘッッド部には慣性力が作用す
るから、力検出器(6)によって測定された力と、吸着ノ
ズル(41)に対して作用する外力との間には差が生じる。
従って、力検出器(6)の出力値に基づく監視では、所期
の非常停止動作が実現出来ない問題がある。
【0012】本発明の目的は、吸着ノズルに作用する外
力を正確に測定出来る部品装着装置を提供し、吸着ノズ
ルの損傷を確実に防止することである。
【0013】
【課題を解決する為の手段】本発明に係る部品装着装置
は、部品装着面に対して接近離間する往復機構の出力部
に、部品保持機構を取り付けて構成され、該部品保持機
構は、往復機構の出力部に固定された基体部と、基体部
に対して前記往復移動方向の相対移動が可能に連繋した
部品保持ヘッド部と、基体部と部品保持ヘッド部とを連
結する弾性連結部と、基体部と部品保持ヘッド部の間に
介装されて両者の相対変位を測定する変位センサーとを
具えている。
【0014】又、外力測定回路は、前記変位センサーの
出力値と前記弾性連結部の弾性係数に基づいて部品保持
ヘッド部が受ける力を検出する力検出手段と、部品保持
機構の部品保持ヘッド部が装着面へ接近する過程で、前
記力検出手段の検出結果に対し、少なくとも往復機構の
出力部の加速度と部品保持ヘッド部の質量を考慮した補
正演算を施して、部品保持ヘッド部に対して作用する外
力を算出する演算手段とを具えている。
【0015】
【作用】力検出手段の検出値には、部品保持ヘッド部に
作用する外力と、部品保持ヘッド部の慣性力とが含まれ
ている。従って、演算手段によって、力検出手段の検出
値から部品保持ヘッド部の慣性力を減算することによっ
て、部品保持ヘッド部に作用する外力が得られることに
なる。ここで部品保持ヘッド部の慣性力は、例えば、部
品保持ヘッド部の質量に対して往復機構の出力部の加速
度を乗算することによって、その近似値を得ることが出
来る。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る部品装着装置における外力
測定回路によれば、部品保持ヘッド部(吸着ノズル)に作
用する外力を正確に測定出来、これによって、吸着ノズ
ルの損傷を確実に防止することが可能となる。
【0017】
【実施例】図4乃至図8は、本発明を実施すべき電子部
品自動装着装置の具体的な構成を示しており、先ず該装
置のメカニズムについて説明する。
【0018】図4に示す如く電子部品自動装着装置(2)
は、機台上に、プリント基板(31)を搬送するための一対
のコンベヤ(32)(33)を具えると共に、電子部品を載置す
るための部品トレイ(30)を具え、更にコンベヤ(32)(33)
を挟んで両側には、テープ(38)に収容された電子部品を
1ピッチずつ送るテープフィーダユニット(37)と、電子
部品を縦積みした状態で収納する部品マガジン(39)を配
置している。
【0019】電子部品を吸着保持するための吸着ヘッド
機構(4)をX軸方向及びY軸方向へ移動させるX−Yテ
ーブルは、機台上にY軸方向へ架設された一対のY軸方
向ガイド体(35)(36)と、該ガイド体に摺動可能に係合し
Y軸方向に駆動されるX軸方向ガイド体(34)とを具え、
吸着ヘッド機構(4)は、X軸方向ガイド体(34)上にX軸
方向へ往復駆動可能に取り付けられている。
【0020】吸着ヘッド機構(4)は、図5に示す如くX
軸方向ガイド体(34)上にヘッド昇降機構(5)を介して保
持されている。ヘッド昇降機構(5)は、X軸方向ガイド
体(34)に対して摺動可能に係合したZ軸方向ガイド体(5
3)を具え、該Z軸方向ガイド体(53)には、一対の軸受(5
5)(56)によって垂直に支持されたボールねじ(52)が配置
されている。該ボールねじ(52)には、Z軸方向ガイド体
(53)に摺動可能に係合して上下動を案内された昇降ブロ
ック(54)が螺合している。
【0021】ボールねじ(52)の上端部には、Z軸方向ガ
イド体(53)上に設置されたモータ(51)が連結されてい
る。又、昇降ブロック(54)には、吸着ヘッド機構(4)に
突設した支持アーム(40)が固定されている。
【0022】従って、モータ(51)の駆動によってボール
ねじ(52)が回転すると、ねじ推力によって昇降ブロック
(54)が昇降駆動され、これに伴って吸着ヘッド機構(4)
が昇降することになる。
【0023】吸着ヘッド機構(4)は、図6及び図7にて
前述した通りの構成であって、前記一対の挟圧アーム(4
2)(42)は、図8の如く内筒(45)の下端部に枢支連結さ
れ、両アーム間にスプリング(43)が張設されている。こ
れによって、吸着ノズル(41)は、両挟圧アーム(42)(42)
によって着脱可能に挟圧保持され、保持された状態で、
ノズル孔は内筒(45)の中央孔(46)と連通することにな
る。
【0024】尚、図6の如く、外筒(44)にはタイミング
ベルト(48)によって駆動されるプーリ(47)が取り付けら
れており、図示省略する駆動機構によって外筒(44)を所
定角度だけ回転させて、吸着ノズル(41)に保持した電子
部品(3)の向きを任意に変えることが可能となってい
る。
【0025】上記電子部品自動装着装置(2)は、図1に
示すマイクロコンピュータ(1)によって動作が制御され
ている。ストレインゲージ(62)から出力される変位デー
タはA/D変換器(13)を介してマイクロコンピュータ
(1)へ供給されている。
【0026】又、モータ(51)にはモータ回転速度を検出
するためのエンコーダ(14)が装備されており、該エンコ
ーダから出力されるパルスがカウンター(15)にてカウン
トされ、前記吸着ヘッド機構(4)の高さ位置が検出さ
れ、該位置データはマイクロコンピュータ(1)へ供給さ
れる。
【0027】マイクロコンピュータ(1)には、前記A/
D変換器(13)から変位データ及び、前記カウンター(15)
からの位置データに基づいてモータ制御信号を作成する
プログラムが登録されており、作成されたモータ制御信
号はD/A変換器(11)を介してモータドライバー(12)へ
供給される。
【0028】マイクロコンピュータによるモータ制御
は、吸着ヘッド機構(4)を部品装着位置上方の待機位置
から高速で部品装着位置近傍の第1制御切換え位置まで
降下せしめる際の位置制御と、吸着ヘッド機構(4)を第
1制御切換え位置から部品が基板に衝突する第2制御切
換え位置まで降下せしめる際の速度制御と、衝突後の力
制御の3段階から構成される。
【0029】位置制御 図2は位置制御のためのフィードバック制御系を示して
いる。マイクロコンピュータ(1)内には、吸着ヘッド機
構の位置変化の目標値Zrとして、図9(a)に示す様に
最終目標値Z1に至る滑らかなS字状カーブが予め設定
されている。このときの吸着ヘッド機構の降下速度は、
図9(b)の如く最初の一定期間は徐々に増速し、一定速
度期間を経て、最後の一定期間は徐々に減速する台形状
の変化となる。又、このときの吸着ヘッド機構の加速度
は、図9(c)の如くステップ状に変化する。
【0030】図2の如く、位置変化の目標値Zrと、前
記カウンターを含む制御対象(22)からの位置データZと
の偏差がマイクロコンピュータ(1)によって算出され
る。そして、その算出結果に応じたモータ制御信号が作
成されて、前記モータ(51)を含む駆動系(21)へ出力され
るのである。尚、電子部品の基板への装着が完了した後
の吸着ヘッド機構の上昇駆動時においても、上記同様の
位置制御が行なわれる。
【0031】位置制御の過程では、誤動作に基づく吸着
ノズルの損傷を防止するために、マイクロコンピュータ
によって図3に示す割込み手続きが実行される。即ち、
ステップS1にて、力検出器の出力fs、即ち前記スト
レインゲージ(62)から出力される変位データにバネ板部
材(61)の弾性係数を乗算して得られる力データを取り込
む。次にステップS2で前記カウンター(15)の出力、即
ち位置データZを取り込んだ後、ステップS3にて位置
データの2次導関数を算出して吸着ヘッド機構の加速度
データを得る。
【0032】続いてステップS4にて、前記内筒(45)、
吸着ノズル(41)及び挟圧アーム(42)(42)の質量mと前記
加速度データの積をとって、部品保持ヘッド部の慣性力
を算出する。そして、ステップS5では力検出器出力f
sから慣性力を減算して、吸着ノズルに実際に作用する
外力(補正値)を算出する。
【0033】次に、ステップS6にて、前記補正値が所
定の閾値Fよりも上回ったか否かを判断し、YESの場
合は誤動作の発生と判断してステップS7へ移行し、吸
着ヘッド機構を上昇駆動する。これによって、誤動作に
基づく吸着ノズルの損傷を確実に防止出来る。
【0034】尚、上記位置制御から後述の速度制御への
切換えは、図9(b)に示す如く、吸着ヘッド機構の減速
過程での降下速度が所定の閾値V0に一致した時点で行
なわれる。
【0035】速度制御 速度制御においては、実際の装着動作によって発生する
衝撃力を前記力検出器によって実測し、該実測データか
ら衝突速度と衝撃力の相互関係を解析し、該関係に基づ
いて、その後の衝突速度を決定する。
【0036】最初に衝撃力を実測する際の衝突速度は、
その際の衝撃力が許容限度の衝撃力よりも充分に低い値
となる様、装着部品の種類に応じて予め適当な値に設定
する。ここで、衝突速度と衝撃力とは概ね比例関係を有
しているから、少なくとも1点における実測データ(衝
突速度及び衝撃力)によって両者の比例係数が判明す
る。
【0037】従って、以後の装着動作においては、最初
の装着動作によって得た比例係数に基づいて、或いは複
数回の装着動作によって蓄積したデータから得た比例係
数に基づいて、部品が損傷を受けない限度の衝撃力に応
じた適切な衝突速度を設定するのである。尚、この様に
して設定された衝突速度を用いて、前述の位置制御にお
ける降下速度の閾値V0が決定される。
【0038】力制御 力制御は、前記速度制御によってプリント基板(31)の表
面に設置された電子部品(3)を更にプリント基板(31)側
へ押圧し、電子部品装着を完了する過程で行なわれる制
御であって、マイクロコンピュータ(1)内に予め設定し
た加圧力の立上り波形を目標値として、モータ(51)をフ
ィードバック制御し、電子部品に加わる圧力を規定値以
下に抑制するものである。
【0039】上記加圧力の立上り波形としては、最終目
標値に向かって漸増するランプ状或いは一次遅れ状の波
形が設定され、電子部品に加わる力は前記力検出器によ
って実測する。そして、目標値と実測値の偏差に応じて
モータ(51)を駆動するのである。
【0040】上記速度制御及び力制御によれば、電子部
品の損傷を防止出来る効果が得られる。
【0041】図10(a)(b)は夫々、上記位置制御、速
度制御及び力制御を経て電子部品を基板に装着した際の
力検出器の出力波形Aと、本発明に係る補正処理を経て
得られる外力の波形Bを比較して示したものである。図
10(a)に現われている加速度変化に基づく変動Vが図
10(b)では消滅している。従って、補正外力を監視す
ることによって、誤動作時のノズルの損傷を確実に防止
することが出来る。
【0042】上記実施例の説明は、本発明を説明するた
めのものであって、特許請求の範囲に記載の発明を限定
し、或は範囲を減縮する様に解すべきではない。又、本
発明の各部構成は上記実施例に限らず、特許請求の範囲
に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0043】例えば、上記実施例では、吸着ヘッド機構
(4)全体の加速度と、吸着ノズル(41)等の部品保持ヘッ
ド部の加速度とが略同一と見做したが、バネ板部材(61)
の弾性係数等に基づいて、部品保持ヘッド部の正確な加
速度を算出することも可能である。又、前記位置制御に
て得られる外力の補正値は、誤動作に基づく吸着ノズル
の損傷防止以外の制御にも利用出来る。更に又、本発明
は、電子部品自動装着装置以外の種々の部品装着装置、
例えばロボットを用いた自動組立て装置等にも実施出来
るのは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施すべき電子部品自動装着装置の全
体構成を示すブロック図である。
【図2】位置制御系を示すブロック図である。
【図3】位置制御における外力測定手続きを示すフロー
チャートである。
【図4】電子部品自動装着装置の外観を示す斜視図であ
る。
【図5】ヘッド昇降機構に取り付けられた吸着ヘッド機
構の外観を示す斜視図である。
【図6】吸着ヘッド機構の断面図である。
【図7】力検出器の構成を示す一部破断斜視図である。
【図8】吸着ヘッド機構のノズル部の拡大断面図であ
る。
【図9】吸着ヘッド機構の位置、速度及び加速度の変化
を示すグラフである。
【図10】位置制御における力検出器出力及び補正外力
の波形図である。
【符号の説明】
(2) 電子部品自動装着装置 (3) 電子部品 (4) 吸着ヘッド機構 (41) 吸着ノズル (5) ヘッド昇降機構 (51) モータ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01L 5/00 B25J 13/08 B25J 15/06 H01L 21/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 部品装着面に対して接近離間する往復機
    構の出力部に、部品保持機構を取り付けて構成され、該
    部品保持機構は、往復機構の出力部に固定された基体部
    と、基体部に対して前記往復移動方向の相対移動が可能
    に連繋した部品保持ヘッド部と、基体部と部品保持ヘッ
    ド部とを連結する弾性連結部と、基体部と部品保持ヘッ
    ド部の間に介装されて両者の相対変位を測定する変位セ
    ンサーとを具えている部品装着装置において、 前記変位センサーの出力値と前記弾性連結部の弾性係数
    に基づいて、部品保持ヘッド部が受ける力を検出する力
    検出手段と、 部品保持機構の部品保持ヘッド部が装着面へ接近する過
    程で、前記力検出手段の検出結果に対し、少なくとも往
    復機構の出力部の加速度と部品保持ヘッド部の質量を考
    慮した補正演算を施して、部品保持ヘッド部に対して作
    用する外力を算出する演算手段とを具えたこと特徴とす
    る部品装着装置における外力測定回路。
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