JP3048391B2 - 既設管のライニング工法 - Google Patents

既設管のライニング工法

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JP3048391B2
JP3048391B2 JP18491A JP18491A JP3048391B2 JP 3048391 B2 JP3048391 B2 JP 3048391B2 JP 18491 A JP18491 A JP 18491A JP 18491 A JP18491 A JP 18491A JP 3048391 B2 JP3048391 B2 JP 3048391B2
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16LPIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16L57/00Protection of pipes or objects of similar shape against external or internal damage or wear

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  • Protection Of Pipes Against Damage, Friction, And Corrosion (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、老朽化した既設管を更
生する際に実施される既設管のライニング工法に関す
る。さらに詳述すれば、合成樹脂製の帯状体を螺旋状に
巻回して製造される螺旋管を、直接、既設管内に挿入し
て、挿入された螺旋管にて既設管をライニングする既設
管のライニング工法に関する。
【0002】
【従来の技術】上水道や下水道として使用される埋設管
には、古くから金属管やヒューム管が採用されている。
このような埋設管は、長期の使用によって老朽化し、割
れや腐蝕が生じて漏水するおそれがある。このため、最
近では、老朽化した埋設管等の既設管内に合成樹脂製の
管を挿入してライニングすることが行われている。
【0003】既設管のライニング工法の一つに、合成樹
脂製の帯状体を螺旋状に巻回することにより製造される
螺旋管により既設管をライニングする方法がある。この
方法は、例えば特開昭61-48690号公報に開示されてい
る。該公報に開示された方法は、既設管の端部開口に対
向させて、螺旋管を製造し得る製管機を設置して実施さ
れる。該製管機には、各側縁部同士が相互に係合し得る
合成樹脂製の帯状体が順次供給され、製管機は該帯状体
を螺旋状に巻回すると共に、その巻回により相互に隣り
合った帯状体の側縁部同士を係合させることにより、順
次螺旋管を製造する。製造される螺旋管は、順次、回転
しつつ製管機から導出される。そして、該製管機から導
出される螺旋管は、直接、既設管内へ導入され、該既設
管内を回転しつつ推進される。既設管の略全域にわたっ
て螺旋管が挿入されると、該螺旋管と既設管との間にセ
メントモルタル等の裏込め材が充填されて該螺旋管が既
設管内に固定される。これにより、既設管が該螺旋管に
てライニングされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなライニング
工法において、本願発明者らは、帯状体を螺旋管に巻回
する際に、帯状体の係合される側縁部間に、線材を係止
させて、係合された帯状体の側縁部間の抵抗を増加させ
る方法を開発した。このようにして、螺旋管を製造すれ
ば、螺旋管を構成する帯状体の側縁部間の抵抗が線材に
より増加するため、小径の螺旋管が製造される。そし
て、既設管内に、このような小径の螺旋管を挿通させた
後に、螺旋管を製造する場合と同様に帯状体を供給する
ことにより螺旋管を構成する帯状体に推進力を付与しつ
つ、線材を帯状体の側縁部間から離脱させれば、線材が
離脱された部分から、順次、各帯状体の側縁部同士が滑
動して、螺旋管は、回転しつつ拡径される。そして、拡
径された螺旋管は、既設管内周面にほぼ接した状態にな
る。
【0005】このようにして、既設管に挿通された螺旋
管を順次拡径すれば、螺旋管は既設管内周面全体にわた
って、ほぼ接した状態になる。しかし、拡径された螺旋
管が既設管内周面に接した状態になると、該既設管内周
面から螺旋管に摩擦抵抗が加わる。通常、螺旋管は、拡
径された部分と拡径されていない部分とが円錐台状にな
っており、拡径された部分に既設管内周面から高抵抗を
受けると、拡径されていない螺旋管部分を推進される帯
状体により、拡径された部分が軸心方向に移動する速度
が速くなるために、その円錐台状部分の軸方向長さが順
次小さくなり、螺旋管は、帯状体に推進力が付与されて
いるにも拘らず、螺旋管を拡径することができなくなる
おそれがある。
【0006】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
であり、その目的は、既設管内を比較的小径状態で挿通
された螺旋管を、確実に既設管内周面に接する状態に、
その全体にわたって確実に拡径し得る既設管のライニン
グ工法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の既設管のライニ
ング工法は、各側縁部が相互に係合し得る帯状体に推進
力を付与して螺旋状に巻回する工程と、その巻回により
相互に隣接する帯状体の側縁部同士の間に線材を係止さ
せてその側縁部同士の摩擦抵抗を増加させた状態で係合
させ、螺旋管を製造する工程と、製造された螺旋管を既
設管内に順次挿入して、螺旋管を該既設管内に挿通させ
る工程と、該螺旋管における帯状体先端を既設管に固定
した状態で、該螺旋管を構成する帯状体に推進力を付与
しつつ、前記線材を螺旋管から離脱させて、螺旋管の該
線材が離脱された部分から帯状体の相互に係合された側
縁部同士を滑動させて、該螺旋管を拡径する工程と、を
包含し、前記螺旋管を拡径する工程において、帯状体に
付与される推進力が予め設定された上限値に達した場合
に線材が、順次拡径されている螺旋管における円錐台状
部分の軸方向長さが一定となる線材巻取り速度よりも
速で離脱されるようになっており、その上限値が、螺旋
管を製造する際の製造開始時と終了時における帯状体に
付与される推進力と、螺旋管の拡径作業に要する推定時
間とに基づいて、補正されることを特徴としてなり、そ
のことにより上記目的が達成される。
【0008】
【作用】本発明のライニング工法では、推進力が付与さ
れた帯状体の側縁部同士が線材により高摩擦抵抗状態と
されて螺旋管が製造され、該螺旋管が既設管内を挿通さ
れる。該螺旋管は、帯状体先端部が固定された状態で、
該帯状体に推進力が付与されつつ、線材が離脱されて拡
径状態とされる。線材は、帯状体に付与される推進力が
予め設定された所定の上限値よりも大きくなった場合
に、順次拡径されている螺旋管における円錐台状部分の
軸方向長さが一定となる線材巻取り速度よりも高速で螺
旋管から離脱される。その上限値は、螺旋管を製造する
際の製造開始時および開始終了時の帯状体に付与される
推進力の差、および拡径作業に要する推定時間に基づい
て順次補正されるので、その上限値は拡径位置に応じた
適切なものとなる。
【0009】
【実施例】以下に本発明を実施例について説明する。
【0010】本発明の既設管のライニング工法は、例え
ば、図1に示すように、既設管であるコンクリート製の
下水管81を更生する際に実施される。本発明方法は、ま
ず、合成樹脂製の帯状体10を、油圧モーター22により駆
動される製管機20により螺旋管10'とする。該製管機20
は、下水管81の一端部が接続されたマンホール82内に設
置されており、製管された螺旋管10'は、順次、下水管8
1内に導入される。このとき、螺旋管10'は、少なくとも
底部以外が下水管81内周面に接触しないように、下水管
81の内径に対して十分に小さい外径とされる。
【0011】本発明方法に使用される帯状体10は、図3
に示すような断面形状をしている。該帯状体10は、ポリ
塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカー
ボネート、ポリエステル、あるいはこれらの樹脂をガラ
ス繊維で補強した樹脂等の材料により成形される。
【0012】該帯状体10は、帯板状の基板12の背面に多
数の断面T字状の補強リブ19が設けられている。該基板
12の一方の側縁部の背面には、嵌合突条13が立設されて
いる。基板12の他方の側縁部は、嵌合突条13が設けられ
た基板12側縁部が係合し得るように基板12の厚みだけ背
面側に段落ちした段落ち部14になっており、その段落ち
部14に、嵌合突条13が若干の間隙を有した状態で嵌入し
得る嵌合凹溝15が設けられている。
【0013】このような帯状体10は、嵌合突条13、補強
リブ19、嵌合凹溝15が立設された基板12背面側が外周側
になるように、螺旋状に巻回され、嵌合突条13が嵌合凹
溝15内の空間に嵌合されることにより、所定径の螺旋管
とされる。このとき、段落ち部14における側縁部16が、
隣接する補強リブ19に係止される。
【0014】帯状体10は、帯状体ドラムに巻回されて、
マンホール82の近傍の地上に配置されており、該帯状体
ドラムから帯状体10が順次繰り出されて、図2に示すよ
うに、マンホール82内に設置されて油圧モーター22によ
り駆動される製管機20により螺旋管10'とされる。該製
管機20は、該製管機20内に導入される帯状体10を、所定
の螺旋角を有して円筒周面上に配設された製管ローラ21
により強制的に屈曲して、該帯状体10を螺旋状に巻回す
る。そして、図4に示すように、螺旋状に巻回された帯
状体10の嵌合凹溝15内の空間内に、新たに製管機20内に
導入される帯状体10の嵌合突条13が挿入される。嵌合突
条13が嵌合凹溝15内の空間内に挿入されると、該嵌合突
条13が嵌合凹溝15に抜け止めされ、相互に隣り合う帯状
体10の側縁部同士が係止される。このとき、段落ち部14
の側縁部16が、嵌合突条13に隣接する補強リブ19に係止
される。
【0015】本発明のライニング工法では、このよう
に、製管機20にて螺旋状に巻回された帯状体10の嵌合凹
溝15の空間内へ、新たに製管機20内へ導入される帯状体
10における嵌合突条13が嵌合される際に、嵌合凹溝15が
配設された段落ち部14と、該段落ち部14内に嵌合された
基板12における嵌合突条13配設側の側縁部との対向面間
に、帯状線材30が介装される。
【0016】該帯状線材30は、段落ち部14内に位置する
基板の端面と該段落ち部14との対向面間にその一方の側
縁部が位置される。該帯状線材30は、例えば、帯状体10
よりも柔らかい材質の合成樹脂内に、抗張体として長手
方向に延びる多数のガラス繊維が幅方向に並設されて構
成されている。該帯状線材30の幅寸法は、大きいほど好
ましいが、通常は、段落ち部14内に位置する基板12の端
面と嵌合突条13との距離(3〜6mm)程度とされてい
る。該帯状線材30の厚さは、段落ち部14と該段落ち部14
内の基板12側縁部との両者を確実に圧接して両者が滑動
することを確実に防止し得るように、1〜2mm程度にな
っている。
【0017】該帯状線材30は、嵌合突条13を嵌合凹溝15
の空間内に挿入する際に、該嵌合突条13に隣接する基板
12の側縁部および側端縁に沿って配設される。そして、
嵌合突条13が嵌合凹溝15の空間内に挿入されると、該帯
状線材30が段落ち部14と該段落ち部14内に嵌合された基
板12側縁部および側端縁との間に挟まれる。該帯状線材
30は、段落ち部14と該段落ち部14内に嵌合された基板12
側縁部とを傾斜状態とし、嵌合凹溝15内に挿入された嵌
合突条13を、嵌合凹溝15に強く係止させる。これによ
り、基板12における嵌合突条13と該嵌合突条13に隣接す
る補強リブ19との間の部分が段落ち部14との対向面に強
く面圧着され、螺旋状に巻回された帯状体10の側縁部同
士は強固に係止される。このとき、段落ち部14に連設さ
れた側縁部16の先端は、嵌合突条13に隣接する補強リブ
19に係止され、該段落ち部14が該段落ち部14内に嵌合さ
れた基板12に強く押し付けられ、螺旋管とされた帯状体
10の側縁部同士を一層強固に係止する。嵌合凹溝15内に
挿入された嵌合突条13は、嵌合凹溝15内から抜け止めさ
れており、従って、製管機20により製造される螺旋管1
0'は拡径することなく、所定の径に維持されて、下水管
81内を推進される。
【0018】該帯状線材30は、図5に示すように、製管
機20近傍に配設された帯状線材ドラム32から繰り出され
る。該帯状線材ドラム32は、繰り出される帯状線材30に
張力を付与すべく、帯状線材30を繰り出し方向とは反対
方向に付勢している。該帯状線材ドラム32から繰り出さ
れた帯状線材30は、一対のテンションローラ33および34
にそれぞれ半周にわたって巻き掛けられた後に、帯状線
材ガイド35に案内されて、帯状体10における基板12の所
定の側縁部に沿わせて引き出される。該帯状線材ガイド
35は、帯状線材30が帯状体10に対して所定の角度となる
ように該帯状線材30を案内する。
【0019】このようにして、相互に隣り合う帯状体10
の側縁部同士が強固に係止された螺旋管10'が製造され
ると、該螺旋管10'は、製管機20から、直接、下水管81
内へ挿入される。そして、該螺旋管10'は、下水管81内
を、回転しつつ軸方向に推進される。このとき、螺旋管
10'の外径は、下水管81の内径よりも十分に小さいため
に、螺旋管10'は、その底部を除いて下水管81内周面に
ほとんど接触することなく、下水管81内を円滑に推進す
る。また、螺旋管10'が下水管81内周面に接触しても、
その径が小さいために、該螺旋管10'が下水管81内周面
から受ける抵抗が小さく、該螺旋管10'は、下水管81内
を円滑に推進する。そして、螺旋管10'の推進方向先端
が、下水管81の端部に到達すると、図2に示すように、
製管機20による螺旋管10'の製造を一旦停止して、該螺
旋管10'先端部の帯状線材30を、所定量だけ離脱させ、
該螺旋管10'先端部を、製管時における螺旋管10'の回転
方向とは反対方向に回転させることにより拡径して、該
螺旋管10'における帯状体10先端部を下水管81の端部に
固定する。
【0020】このような状態で、製管機20は再び駆動さ
れ、該製管機20に帯状体10が送給されて螺旋管10'を構
成する帯状体10に推進力が付与される。このとき、製管
機20の駆動と同時に、螺旋管10'おける段落ち部14と、
該段落ち部14内に係合されている基板12の側縁部との間
に挟まれた帯状線材30を、螺旋管10'が固定された側か
ら、順次離脱させる。これにより、該螺旋管10'の段落
ち部14と該段落ち部14内の基板12の側縁部とが間隙を有
する状態となり、段落ち部14と該段落ち部14内の基板12
の側縁部との間の強固な圧着状態が解除され、嵌合凹溝
15内に挿入されている嵌合突条13は、該嵌合凹溝15内を
円滑に滑動し得る状態となる。そして、油圧モーター22
により製管機20が駆動されると、下水管81内を挿通する
螺旋管10'の帯状体に推進力が付与され、該螺旋管10'に
おける帯状体10先端部が下水管81に固定されているため
に、該帯状体10の嵌合凹溝15と該嵌合凹溝15内に嵌合さ
れた嵌合突条13とが相互に滑動して、該螺旋管10'は先
端側から順に拡径される。拡径された螺旋管10'は、下
水管81内周面にほぼ密着した状態になる。
【0021】このように、螺旋管10'を拡径して、下水
管81内周面にほぼ密着させる際に、該螺旋管10'から帯
状線材30を確実に離脱させるために、例えば、図5に示
すように、螺旋管10'内に配設された帯状線材離脱具40
が使用される。該帯状線材離脱具40は、該螺旋管10'内
周面に転接して帯状線材30の離脱方向に該帯状線材30を
牽引する。そして、螺旋管10'から離脱された帯状線材3
0は、マンホール82内に配設されたローラ51を介して、
地上に配設された巻取り装置50により巻取られる。
【0022】螺旋管10'から帯状線材30が離脱されつ
つ、該螺旋管10'を構成する帯状体10が推進されると、
螺旋管10'の外径は、下水管81に対して十分に小さい状
態から、順次、円錐台状になった後に、該下水管81内周
面に接する状態とされる。このとき、図5に示すよう
に、拡径されていない状態の螺旋管10'の外径をd、下
水管81内周面に接する状態にまで拡径された螺旋管10'
の外径をD、順次拡径されている螺旋管10'における円
錐台状部分の軸方向長さをLとすると、螺旋管10'を構
成する帯状体10の推進速度V1と、螺旋管10'から離脱さ
れる帯状線材30の巻取り速度V2とを、次の関係を保つ
ようにすれば、円錐台状部分の軸方向長さLは一定にな
り、螺旋管10'の拡径作業が安定的に行われる。
【0023】
【数1】
【0024】しかし、通常は、製管機20により製造され
る螺旋管10'は、常に所定の外径dとなるように製管さ
れるものではなく、また、拡径された螺旋管10'も、下
水管81の内径が一定でないために、常に所定の外径Dに
拡径されるものでもない。このため、順次、拡径してい
る螺旋管10'の円錐台状部分における軸方向長さLは、
一定にはならず、常時、変動する。螺旋管10'における
円錐台状部分の軸方向長さLを一定に保つためには、随
時、螺旋管10'の拡径される前の外径dおよび拡径され
た後の外径Dを測定し、上記(1)式から、帯状線材30の
巻取り速度V2を算出し、その値を巻取りモーター53へ
フィードバックして制御する必要がある。ところが、実
際には、螺旋管10'の外径dおよびDを短時間に測定す
ることは容易ではないために、本発明では、次のような
現象を利用して、螺旋管10'の円錐台状部分の軸方向長
さLを所定長さよりも短くならないように、帯状線材30
の巻取り速度V2を制御している。つまり、上記(1)式よ
り求められる理論値としての巻取り速度V2に対して若
干遅い速度V2'で帯状線材30を巻取れば、帯状線材30が
螺旋管20から離脱される速度に対して、螺旋管10'にお
ける拡径される部分の軸方向移動速度が速くなり、従っ
て、螺旋管10'における順次拡径されている円錐台状部
分の長さLが、順次、短くなる傾向になる。このよう
に、円錐台状部分の長さLが短くなると、螺旋管10'を
拡径するために要する帯状体の推進力が増加し、製管機
20に対する負荷も増大する。さらに、円錐台状部分の軸
方向長さLが短くなると、ついには製管機20により帯状
体10を螺旋管に製管できなくなる。反対に、巻取り速度
の理論値V2に対して、若干、速い速度V2''にて帯状線
材を巻取れば、螺旋管10'における円錐台状部分の軸方
向長さLが順次長くなる傾向になり、螺旋管10'を拡径
するために要する帯状体10の推進力が減少し、製管機20
に対する負荷も減少する。さらに、円錐台状部分の軸方
向長さLが長くなっても、推進力はわずかしか減少せ
ず、製管機20に対する負荷の変動も少なく、製管作業に
は何ら支障は生じないが、拡径作業が不安定になるおそ
れがある。
【0025】このため、本発明方法では、螺旋管10'に
おける順次拡径されている円錐台状部分Lの長さが、所
定の長さよりも短くならないように、巻取り装置50によ
る帯状線材30の巻取り速度V2を制御する。該巻取り装
置50にて巻取られる帯状線材30は、図5に示すように、
巻取り装置50により巻取られる。巻取り装置50における
駆動源である巻取りモーター53は、該制御装置60の出力
により、所定の回転速度で回転される。また、製管機20
の駆動源である油圧モーター22には、油圧ユニット24か
ら圧油が送給されており、その送給路25には該油圧モー
ター22に送給される圧油の油圧を測定する圧力ゲージ23
が取り付けられている。該圧力ゲージ23の出力は制御装
置60に与えられている。
【0026】螺旋管10'を拡径させる場合には、該螺旋
管10'の先端側部分から帯状線材30を離脱させた状態
で、巻取り装置50を駆動させて、帯状線材30を順次螺旋
管10'から離脱するように巻取るとともに、製管機20を
駆動して、帯状体10を螺旋管10'に沿って順次推進させ
る。このとき、製管機20による帯状体10の推進速度V1
に対して、制御装置60は、巻取り装置50による帯状線材
30の巻取り速度V2が、前記(1)式において、次式の関係
を満足するように、該巻取り装置50における巻取りモー
ター53を制御する。
【0027】
【数2】
【0028】このようにして、順次、螺旋管10'を拡径
すると、帯状線材30が螺旋管10'から離脱させる速度に
対して、螺旋管10'の拡径される部分の軸心方向への移
動速度が速くなって、拡径された状態の螺旋管10'と、
拡径されていない状態の螺旋管10'との間の円錐台状部
分における軸心方向長さLが順次短くなり、螺旋管10'
を拡径させるために必要な力が増加して、該帯状体10に
加わる負荷が増大することにより、該製管機20の駆動源
である油圧モーター22へ送給される圧油の油圧が上昇す
る。
【0029】本発明では、油圧モーター22に送給される
圧油の油圧に対して、予め設定された基準値よりも大き
い上限値が設定されており、油圧モーター22の油圧が上
限値に達した場合に、帯状線材30の巻き取り速度を、所
定時間にわたって高速にする。
【0030】帯状線材30の巻き取り速度を高速にするた
めの油圧モーター22における油圧の上限値は、本実施例
では、小径の螺旋管10'の製管が終了した時点における
油圧モーター22の駆動に要した油圧に対して、さらに、
帯状体の嵌合部を滑動させるために必要な駆動力を油圧
モーター22が出力し得るための油圧を加えて設定され
る。この上限値としては、螺旋管10'の拡径作業を開始
した直後の数秒間の油圧モーター22における油圧の平均
値に対して所定値を加えた値を設定してもよい。また、
拡径が開始された直後に、所定時間毎に油圧モーター22
における油圧を測定して、平均化し、その最大値と最小
値との差が油圧制御幅を越えたときにおける最大値を上
限値として設定してもよい。
【0031】このようにして、適当に油圧の上限値が設
定されると、螺旋管10'の拡径作業が開始され、巻取り
装置50により帯状線材30を巻き取りつつ、油圧モーター
22の駆動により、帯状体10に推進力が付与される。そし
て、油圧モーター22における油圧が、予め設定した上限
値に達すると、巻取り装置50による帯状線材30の巻き取
り速度が所定時間にわたって高速化され、螺旋管10'に
おける順次拡径している円錐台状部分の軸方向長さLが
長くなる。
【0032】このような螺旋管10'の拡径作業時におい
て、帯状体10を推進させるための油圧モーター22に加わ
る負荷は、拡径作業開始から順次減少するため、帯状線
材30の巻き取り速度を高速化するための油圧モーター22
の油圧の上限値を一定にしておくと、螺旋管10'におけ
る円錐台状部分の軸方向長さLが、帯状線材30の巻き取
り速度を高速化する必要があるような状態になっている
にもかかわらず、帯状線材30の巻き取り速度は高速化さ
れない。従って、螺旋管10'における円錐台状部分の軸
方向長さLは十分に長くならず、拡径作業が進につれ
て、油圧モーター22における油圧が順次上昇するおそれ
がある。このため、下水管81に対する螺旋管10'の拡径
作業位置に基づいて、帯状線材30の巻き取り速度を高速
化するための油圧モーター22における油圧の上限値を補
正する必要がある。
【0033】本発明では、下水管81内に挿入される螺旋
管10'を製管機20により製造する際に、予め、製管開始
直後および製管終了直前における該製管機20の油圧モー
ター22の油圧を測定する。この場合、製管開始直後は、
油圧の状態が不安定であるので、そのような不安定な状
態の油圧を測定しないようにする。また、それぞれの測
定において、油圧の変動の影響を防止するために、1秒
おきに3回程度、油圧を測定してそれらの平均値を採用
することが好ましい。また、製管に要した時間も測定し
ておく。
【0034】製管作業が終了すると、測定した製管作業
終了時における油圧と、製管作業開始時における油圧と
の差を演算するとともに、製管に要した時間から、次の
螺旋管10'の拡径作業に要する時間を推定する。拡径作
業に要する時間は、例えば、次の式により推定される。
ただし、t1は拡径作業に要する推定時間、t2は製管に
要する時間である。
【0035】
【数3】
【0036】そして、製管作業の終了時における油圧の
測定値と製管作業開始時における油圧の測定値との差
を、拡径作業に要する推定時間により除することによ
り、拡径作業時における単位時間当りの油圧モーター22
における油圧の減少量を推定する。そして、予め設定さ
れた帯状線材30の巻き取り速度を高速化する際の上限値
を、拡径作業を単位時間が経過する毎に、得られた油圧
の減少量を順次減じて、得られた値を上限値として新た
に設定する。
【0037】このようにして、拡径作業が開始されて、
帯状線材の巻き取り速度を高速化するため油圧モーター
22における油圧の上限値を、単位時間が経過する毎に新
たに設定しつつ、拡径作業が実施される。そして、油圧
モーター22の油圧がその上限値に達することにより、帯
状線材30の巻き取り速度が、所定時間にわたって、前述
の速度V2(直径200mm管を250mmに拡径する場合には、4
0 m/分程度)よりも高速(300 m/分程度)にされる。
これにより、螺旋管10'からの帯状線材30の離脱速度が
速くなり、該螺旋管10'における、順次拡径している円
錐台状部分の軸方向長さLが長くなる。その結果、螺旋
管10'を拡径するために要する力が減少して、製管機20
の油圧モーター22における負荷が減少する。そして、所
定時間が経過すると、帯状線材30の巻き取り速度は、前
述のV2にまで低下される。
【0038】以下同様に、単位時間が経過する毎に新た
に上限値が設定されて、その上限値に基づいて巻き取り
装置50が制御される。
【0039】このように、螺旋管10'の拡径作業中にお
いて、帯状線材30の巻き取り速度を高速化するための油
圧モーター22の油圧の上限値を、順次減少させているた
めに、拡径に要する推進力が小さい拡径作業開始直後
と、拡径に要する推進力が著しく増加する拡径終了直前
とのいずれにおいても、適切な拡径に要する推進力を付
与でき、また、単位時間毎にその上限値を補正している
ために、拡径位置を適切に把握でき、従って、螺旋管1
0'の拡径作業を、終了まで円滑に行える。さらには、油
圧モーター22における油圧のみを監視すればよいため
に、帯状線材30の巻取り速度を監視するためのエンコー
ダ等が不要になるという利点もある。
【0040】
【発明の効果】本発明の既設管のライニング工法は、こ
のように、螺旋管を拡径する際に、帯状体に付与される
推進力が予め設定された上限値になると、螺旋管から離
脱される線材の離脱速度を順次拡径されている螺旋管に
おける円錐台状部分の軸方向長さが一定となる線材巻取
り速度よりも高速にしているために、円滑に螺旋管を拡
径できる。設定された上限値は、螺旋管の製造時におけ
る帯状体の推進力と拡径作業に要する推定時間とに基づ
いて順次補正されるために、帯状体の既設管に対する拡
径位置に応じた推進力が帯状体に付与され、適切に拡径
作業が実施される。また、推進力に関する情報のみを監
視すればよいために、線材の離脱速度を監視するための
センサー等が不要になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のライニング工法の実施工程を示す断面
図。
【図2】本発明のライニング工法の別の工程を示す断面
図。
【図3】本発明のライニング工法の実施に使用される帯
状体の断面図。
【図4】図3に示す帯状体の側縁部同士が係止された状
態の要部断面図。
【図5】本発明のライニング工法における製造された螺
旋管の拡径状態を示す模式図。
【符号の説明】
10 帯状体 10' 螺旋管 12 基板 13 嵌合突条 13b 挿入部 13c 係止部 14 段落ち部 15 嵌合凹条 15a 係止部 20 製管機 22 油圧モーター 23 圧力ゲージ 30 帯状線材 50 巻取り装置 53 巻取りモーター 60 制御装置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各側縁部が相互に係合し得る帯状体に推
    進力を付与して螺旋状に巻回する工程と、その巻回によ
    り相互に隣接する帯状体の側縁部同士の間に線材を係止
    させてその側縁部同士の摩擦抵抗を増加させた状態で係
    合させ、螺旋管を製造する工程と、製造された螺旋管を
    既設管内に順次挿入して、螺旋管を該既設管内に挿通さ
    せる工程と、該螺旋管における帯状体先端を既設管に固
    定した状態で、該螺旋管を構成する帯状体に推進力を付
    与しつつ、前記線材を螺旋管から離脱させて、螺旋管の
    該線材が離脱された部分から帯状体の相互に係合された
    側縁部同士を滑動させて、該螺旋管を拡径する工程と、
    を包含し、前記螺旋管を拡径する工程において、帯状体
    に付与される推進力が予め設定された上限値に達した場
    合に線材が、順次拡径されている螺旋管における円錐台
    状部分の軸方向長さが一定となる線材巻取り速度よりも
    高速で離脱されるようになっており、その上限値が、螺
    旋管を製造する際の製造開始時と終了時における帯状体
    に付与される推進力と、螺旋管の拡径作業に要する推定
    時間とに基づいて、補正されることを特徴とする既設管
    のライニング工法。
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