JP2607738B2 - 既設管のライニング工法 - Google Patents

既設管のライニング工法

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JP2607738B2 JP2182113A JP18211390A JP2607738B2 JP 2607738 B2 JP2607738 B2 JP 2607738B2 JP 2182113 A JP2182113 A JP 2182113A JP 18211390 A JP18211390 A JP 18211390A JP 2607738 B2 JP2607738 B2 JP 2607738B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、老朽化した既設管を更正する際に実施され
る既設管のライニング工法に関する。さらに詳述すれ
ば、合成樹脂製の帯状体を螺旋状に巻回して製造される
螺旋管を、直接、既設管内に挿入して、挿入された螺旋
管にて既設管をライニングする既設管のライニング工法
に関する。
(従来の技術) 上水道や下水道として使用される埋設関には、古くか
ら金属管やヒューム管が採用されている。このような埋
設管は、長期の使用によって老朽化し、割れや腐蝕が生
じて漏水するおそれがある。このため、最近では、老朽
化した埋設管等の既設管内に合成樹脂製の管を挿入して
ライニングすることが行われている。
既設管のライニング工法の一つに、合成樹脂製の帯状
体を螺旋状に巻回することにより製造される螺旋管によ
り既設管をライニングする方法がある。この方法は、例
えば特開昭61−48690号公報に開示されている。該公報
に開示された方法は、既設管の端部開口に対向させて、
螺旋管を製造し得る製造機を設置して実施される。該製
管機には、各側縁部同士が相互に係合し得る合成樹脂製
の帯状体が順次供給され、製管機は該帯状体を螺旋状に
巻回すると共に、その巻回により相互に隣り合った帯状
体の側縁部同士を係合させることにより、順次螺旋管を
製造する。製造される螺旋管は、順次、回転しつつ製管
機から導出される。そして、該製管機から導出される螺
旋管は、直接、既設管内へ導入され、該既設管内を回転
しつつ推進される。既設管の略全域にわたって螺旋管が
挿入されると、該螺旋管と既設管との間にセメントモル
タル等の裏込め材が充填されて該螺旋管が既設管内に固
定される。これにより、既製管が該螺旋管にてライニン
グされる。
(発明が解決しようとする課題) このようなライニング工法において、本願発明者ら
は、帯状体を螺旋管に巻回する際に、帯状体の係合され
る側縁部間に、線材を係止させて、係合された帯状体の
側縁部間の抵抗を増加させる方法を開発した。このよう
にして、螺旋管を製造すれば、螺旋管を構成する帯状体
の側縁部間の抵抗が線材により増加するため、小径の螺
旋管が製造される。そして、既設管内に、このような小
径の螺旋管を挿通させた後に、螺旋管を製造する場合と
同様に帯状体を供給することにより螺旋管を構成する帯
状体に推進力を付与しつつ、線材を帯状体の側縁部間か
ら離脱させれば、線材が離脱された部分から、順次、各
帯状体の側縁部同士が滑動して、螺旋管は、回転しつつ
拡径される。そして、拡径された螺旋管は、既設管内周
面にほぼ接した状態になる。
このようにして、既設管を挿通された螺旋管を順次拡
径すれば、螺旋管は既設管内周面全体にわたって、ほぼ
接した状態になる。しかし、拡径された螺旋管が既設管
内周面に接した状態になると、該既設管内周面から螺旋
管に摩擦抵抗が加わる。通常、螺旋管は、拡径された部
分と拡径されていない部分との間が円錐台状になってお
り、拡径された部分に既設管内周面から高抵抗を受ける
と、拡径されていない螺旋管部分を推進される帯状体に
より、拡径された部分と円錐台状の部分との境が軸方向
に移動する速度が速くなるために、その円錐台状部分の
軸方向長さが順次小さくなり、螺旋管は、帯状体に推進
力が付与されているにも拘らず、螺旋管を拡径すること
ができなくなるおそれがある。
本発明は、上記従来の問題を解決するものであり、そ
の目的は、既設管内を比較的小径状態で挿通された螺旋
管を、確実に既設管内周面に接する状態に、その全体に
わたって確実に拡径し得る既設管のライニング工法を提
供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の既設管のライニング工法は、各側縁部が相互
に係合し得る帯状体を螺旋状に巻回する工程と、その巻
回により相互に隣接する帯状体の側縁部同士に線材を係
止させてその側縁部同士の摩擦抵抗を増加させた状態で
係合させて、螺旋管を製造する工程と、製造された螺旋
管を既設管内に順次挿入して、螺旋管を該既設管内に挿
通させる工程と、該螺旋管における帯状体先端を既設管
に固定した状態で、該螺旋管を構成する帯状体に推進力
を付与しつつ、前記線材を螺旋管から離脱させて、螺旋
管の該線材が離脱された部分から帯状体に相互に係合さ
れた側縁部同士を滑動させて、該螺旋管を拡径する工程
と、を包含し、前記螺旋管を拡径する工程において、帯
状体に付与される推進力が所定の上限値に達した場合
に、線材が下式を満足する速度Vで離脱されるようにな
っており、推進力が上限値よりも低い状態が所定時間に
わたって継続した場合に、その上限値がいままでの上限
値よりも低くなるように補正されることを特徴としてな
り、そのことによって上記目的が達成される。
また、本発明の既設管のライニング工法は、各側縁部
が相互に係合し得る帯状体を螺旋状に巻回する工程と、
その巻回により相互に隣接する帯状体の側縁部同士に線
材を係止させてその側縁部同士の摩擦抵抗を増加させた
状態で係合させて、螺旋管を製造する工程と、製造され
た螺旋管を既設管内に順次挿入して、螺旋管を該既設管
内に挿通させる工程と、該螺旋管における帯状体先端を
既設管に固定した状態で、該螺旋管を構成する帯状体に
推進力を付与しつつ、前記線材を螺旋管から離脱させ
て、螺旋管の該線材が離脱された部分から帯状体に相互
に係合された側縁部同士を滑動させて、該螺旋管を拡径
する工程と、を包含し、前記螺旋管を拡径する工程にお
いて、帯状体に付与される推進力が所定の上限値に達し
た場合に、線材が下式を満足する速度Vで離脱されるよ
うになっており、推進力の上昇時であって上限値に達す
るまでの期間に推進力の上昇率が一定値以下になった場
合に、その上限値がいままでの上限値よりも低くなるよ
うに補正されることを特徴としてなり、そのことにより
上記目的が達成される。
(作用) 本発明のライニング工法では、帯状体の側縁部同士が
線材により高摩擦抵抗状態とされて螺旋管が製造され
て、該螺旋管が既設管内を挿通される。該螺旋管は、帯
状体先端部が固定された状態で、該帯状体に推進力が付
与されつつ、線材が離脱されて拡径状態とされる。線材
は、帯状体に付与される推進力が所定の上限値よりも大
きくなった場合に、高速で螺旋管から離脱される。その
上限値は、該上限値よりも若干低い状態が所定時間にわ
たって継続すると、該上限値よりも小さい値に補正され
る。
また、その上限値は、その推進力が一旦上限値に達し
た後の上昇値にその実質的な変動幅が所定範囲内になっ
た場合に、その上限値よりも小さい値に補正される。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
本発明の既設管のライニング工法は、例えば、第1図
に示すように、既設管であるコンクリート製の下水管81
を更正する際に実施される。本発明方法は、まず、合成
樹脂製の帯状体10を、油圧モーター22により駆動される
製管機20により螺旋管10′とする。該製管機20は、下水
管81の一端部が接続されたマンホール82内に設置されて
おり、製管された螺旋管10′は、順次、下水管81内に導
入される。このとき、螺旋管10′は、少なくとも底部以
外が下水管81内周面に接触しないように、下水管81の内
径に対して十分に小さい外径とされる。
本発明方法に使用される帯状体10は、第3図に示すよ
うな断面形状をしている。該帯状体10は、ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネー
ト、ポリエステル、あるいはこれらの樹脂をガラス繊維
で補強した樹脂等の材料により成形される。
該帯状体10は、帯板状の基板12の背面に多数の断面T
字状の補強リブ19が設けられている。該基板12の一方の
側縁部の背面には、嵌合突条13が立設されている。基板
12の他方の側縁部は、嵌合突条13が設けられた基板12側
縁部が係合し得るように基板12の厚みだけ背面側に段落
ちした段落ち部14になっており、その段落ち部14に、嵌
合突条13が若干の間隙を有した状態で嵌入し得る嵌合凹
溝15が設けられている。
このような帯状体10は、嵌合突条13、補強リブ19、嵌
合凹溝15が立設された基板12背面側が外周側になるよう
に、螺旋状に巻回され、嵌合突条13が嵌合凹溝15内の空
間に嵌合されることにより、所定径の螺旋管とされる。
このとき、段落ち部14における側縁部16が、隣接する補
強リブ19に係止される。
帯状体10は、帯状体ドラムに巻回されて、マンホール
82の近傍の地上に配置されており、該帯状体ドラムから
帯状体10が順次繰り出されて、第2図に示すように、マ
ンホール82内に設置されて油圧モーター22により駆動さ
れる製管機20により螺旋管10′とされる。該製管機20
は、該製管機20内に導入される帯状体10を、所定の螺旋
角を有して円筒周面上に配設された製管ローラ21により
強制的に屈曲して、該帯状体10を螺旋状に巻回する。そ
して、第4図に示すように、螺旋状に巻回された帯状体
10の嵌合凹溝15内の空間内に、新たに製管機20内に導入
される帯状体10の嵌合突条13が挿入される。嵌合突条13
が嵌合凹溝15内の空間内に挿入されると、該嵌合突条13
が嵌合凹溝15に抜け止めされ、相互に隣り合う帯状体10
の側縁部同士が係止される。このとき、段落ち部14の側
縁抜16が、嵌合突条13に隣接する補強リブ19に係止され
る。
本発明のライニング工法では、このように、製管機20
にて螺旋状に巻回された帯状体10の嵌合凹溝15の空間内
へ、新たに製管機20内へ導入される帯状体10における嵌
合突条13が嵌合される際に、嵌合凹溝15が配設された段
落ち部14と、該段落ち部14内に嵌合された基板12におけ
る嵌合突条13配設側の側縁部との対向面間に、帯状線材
30が介装される。
該帯状線材30は、段落ち部14内に位置する基板の端面
と該段落ち部14との対向面間にその一方の側縁部が位置
される。該帯状線材30は、例えば、帯状体10よりも柔ら
かい材質の合成樹脂内に、抗張体として長手方向に延び
る多数のガラス繊維が幅方向に並設されて構成されてい
る。該帯状線材30の幅寸法は、大きいほど好ましいが、
通常は、段落ち部14内に位置する基板12の端面と嵌合突
条13との距離(3〜6mm)程度とされている。該帯状線
材30の厚さは、段落ち部14と該段落ち部14内の基板12側
縁部との両者を確実に圧接して両者が滑動することを確
実に防止し得るように、1〜2mm程度になっている。
該帯状線材30は、嵌合突条13を嵌合凹溝15の空間内に
挿入する際に、該嵌合突条13に隣接する基板12の側縁部
および側端縁に沿って配設される。そして、嵌合突条13
が嵌合凹溝15の空間内に挿入されると、該帯状線材30が
段落ち部14と該段落ち部14内に嵌合された基板12側縁部
および側端縁との間に挟まれる。該帯状線材30は、段落
ち部14と該段落ち部14内に嵌合された基板12側縁部とを
傾斜状態とし、嵌合凹溝15内に挿入された嵌合突条13
を、嵌合凹溝15に強く係止させる。これにより、基板12
における嵌合突条13と該嵌合突条13に隣接する補強リブ
19との間の部分が段落ち部14との対向面に強く面圧着さ
れ、螺旋状に巻回された帯状体10の側縁部同士は強固に
係止される。このとき、段落ち部14に連設された側縁部
16の先端は、嵌合突条13に隣接する補強リブ19に係止さ
れ、該段落ち部14が該段落ち部14内に嵌合された基板12
に強く押し付けられ、螺旋管とされた帯状体10の側縁部
同士を一層強固に係止する。嵌合凹溝15内に挿入された
嵌合突条13は、嵌合凹溝15内から抜け止めされており、
従って、製管機20にて製造される螺旋管10′は拡径する
ことなく、所定の径に維持されて、下水管81内を推進さ
れる。
該帯状線材30は、第5図に示すように、製管機20近傍
に配設された帯状線材ドラム32から繰り出される。該帯
状線材ドラム32は、繰り出される帯状線材30に張力を付
与すべく、帯状線材30を繰り出し方向とは反対方向に付
勢している。該帯状線材ドラム32から繰り出された帯状
線材30は、一対のテンションローラ33および34にそれぞ
れ半周にわたって巻き掛けられた後に、帯状線材ガイド
35に案内されて、帯状体10における基板12の所定の側縁
部に沿わせて引き出される。該帯状線材ガイド35は、帯
状線材30が帯状体10に対して所定の角度となように該帯
状線材30を案内する。
このようにして、相互に隣り合う帯状体10の側縁部同
士が強固に係止された螺旋管10′が製造されると、該螺
旋管10′は、製管機20から、直接、下水管81内へ挿入さ
れる。そして、該螺旋管10′は、下水管81内を、回転し
つつ軸方向に推進される。このとき、螺旋管10′の外径
は、下水管81の内径よりも十分に小さいために、螺旋管
10′はその底部を除いて下水管81内周面にほとんど接触
することなく、下水管81内を円滑に推進する。また、螺
旋管10′が下水管81内周面に接触しても、その径が小さ
いために、該螺旋管10′が下水管81内周面から受ける抵
抗が小さく、該螺旋管10′は、下水管81内を円滑に推進
する。そして、螺旋管10′の推進方向先端が、下水管81
の端部に到達すると、第2図に示すように、製管機20に
よる螺旋管10′の製造を一旦停止して、該螺旋管10′先
端部の帯状線材30を、所定量だけ離脱させ、該螺旋管1
0′先端部を、製管時における螺旋管10′の回転方向と
は反対方向に回転させることにより拡径して、該螺旋管
10′における帯状体10先端部を下水管81の端部に固定す
る。
このような状態で、製管機20は再び駆動され、該製管
機20に帯状体10が送給されて、螺旋管10′を構成する帯
状体10に推進力が付与される。このとき、製管機20の駆
動と同時に、螺旋管10′おける段落ち部14と、該段落ち
部14内に係合されている基板12の側縁部との間に挟まれ
た帯状線材30を、螺旋管10′が固定された側から、順次
離脱させる。これにより、該螺旋管10′の段落ち部14と
該段落ち部14内の基板12の側縁部とが間隙を有する状態
となり、段落ち部14と該段落ち部14内の基板12の側縁部
との間の強固な圧着状態が解除され、嵌合凹溝15内に挿
入されている嵌合突条13は、該嵌合凹溝15内を円滑に滑
動し得る状態となる。そして、油圧モーター22により製
管機20が駆動されると、下水管81内を挿通する螺旋管1
0′の帯状体に推進力が付与され、該螺旋管10′におけ
る帯状体10先端部が下水管81に固定されているために、
該帯状体10の嵌合凹溝15と該嵌合凹溝15内に嵌合された
嵌合突条13とが相互に滑動して、該螺旋管10′は先端側
から順に拡径される。拡径された螺旋管10′は、下水管
81内周面にほぼ密着した状態になる。
このように、螺旋管10′を拡径して、下水管81内周面
にほぼ密着させる際に、該螺旋管10′から帯状線材30を
確実に離脱させるために、例えば、第5図に示すよう
に、螺旋管10′内に配設されて該螺旋管10′内周面に転
接し帯状線材30の離脱方向に該帯状線材30を牽引する適
当な帯状線材離脱具40が用いられる。そして、螺旋管1
0′から離脱された帯状線材30は、マンホール82内に配
設されたローラ51を介して、地上に配設された巻取り装
置50により巻取られる。
螺旋管10′から帯状線材30が離脱されつつ、該螺旋管
10′を構成する帯状体10が推進されると、螺旋管10′の
外径は、下水管81に対して十分に小さい状態から、順
次、拡径した円錐台状になった後に、該下水管81内周面
に接する状態とされる。このとき、第5図に示すよう
に、拡径されていない状態の螺旋管10′の外径をd、下
水管81内周面に接する状態にまで拡径された螺旋管10′
の外径をD、順次拡径されている螺旋管10′における円
錐台状部分の軸方向長さをLとすると、螺旋管10′を構
成する帯状体10の推進速度V1と、螺旋管10′から離脱さ
れる帯状線材30の巻取り速度V2とを、次の関係を保つよ
うにすればLは一定になり、螺旋管10′の拡径作業が安
定的に行われる。
しかし、通常は、製管機20により製造される螺旋管1
0′は、常に所定の外径dとなるように製管されるもの
ではなく、また、拡径された螺旋管10′も、下水管81の
内径が一定でないために、常に所定の外径Dに拡径され
るものでもない。このため、順次、拡径している螺旋管
10′の円錐台状部分における軸方向長さLは、一定には
ならず、常時、変動する。螺旋管10′における円錐台状
部分の軸方向長さLを一定に保つためには、随時、螺旋
管10′の拡径される前の外径dおよび拡径された後の外
径Dを測定し、上記(1)式から、帯状線材30の巻取り
速度V2を算出し、その値を巻取りモーター53へフィード
バックして制御する必要がある。ところが、実際には、
螺旋管10′の外径dおよびDを短時間に測定することは
容易ではないために、本発明では、次のような現象を利
用して、螺旋管10′の円錐台状部分の軸方向長さLを所
定長さよりも短くならないように、帯状線材30の巻取り
速度V2を制御している。つまり、上記(1)式より求め
られる理論値としての巻取り速度V2に対して若干遅い速
度V2′で帯状線材30を巻取る場合には、帯状線材30が螺
旋管20から離脱される速度に対して、螺旋管10′におけ
る拡径される部分の軸方向移動速度が速くなり、従っ
て、螺旋管10′における順次拡径されている円錐台状部
分の長さLが、順次、短くなる傾向になる。このよう
に、円錐台状部分の長さLが短くなると、螺旋管10′を
拡径するために要する帯状体の推進力が増加し、製管機
20に対する負荷も増大する。さらに、円錐台状部分の軸
方向長さLが短くなると、ついには製管機20により帯状
体10を螺旋管に製管できなくなる。反対に、巻取り速度
の理論値V2に対して、若干、速い速度V2″にて帯状線材
を巻取る場合には、螺旋管10′における円錐台状部分の
軸方向長さLが順次長くなる傾向になり、螺旋管10′を
拡径するために要する帯状体10の推進力が減少し、製管
機20に対する負荷も減少する。さらに、円錐台状部分の
軸方向長さLが長くなっても、推進力はわずかしか減少
せず、製管機20に対する負荷の変動も少なく、製管作業
には何ら支障は生じないが、拡径作業が不安定になるお
それがある。
このため、本発明方法では、螺旋管10′における順次
拡径されている円錐台状部分Lの長さが、所定の長さよ
りも短くならないように、巻取り装置50による帯状線材
30の巻取り速度V2を制御する。該巻取り装置50には、第
5図に示すように、帯状線材30の巻取り速度を検出する
ための例えばロータリーエンコーダを用いた巻取り速度
検出器52が取り付けられており、該巻取り速度検出器52
の出力が、制御装置60に入力されている。巻取り装置50
における駆動源である巻取りモーター53は、該制御装置
60の出力により、所定の回転速度で回転される。他方、
製管機20の駆動源である油圧モーター22には、該油圧モ
ーター22内の油圧を測定する圧力センサ23が取り付けら
れており、該圧力センサ23の出力は制御装置60に与えら
れている。
螺旋管10′を拡径させる場合には、該螺旋管10′の先
端側部分から帯状線材30を離脱させた状態で、巻取り装
置50を駆動させて、帯状線材30を順次螺旋管10′から離
脱するように巻取るとともに、製管機20を駆動して、帯
状体10を螺旋管10′に沿って順次推進させる。このと
き、製管機20による帯状体10の推進速度V1に対して、制
御装置60は、巻取り装置50による帯状線材30の巻取り速
度V2が、前記(1)式において、次式の関係を満足する
ように、該巻取り装置50における巻取りモーター53を制
御する。
このようにして、順次、螺旋管10′を拡径すると、帯
状線材30が螺旋管10′から離脱させる速度に対して、螺
旋管10′の拡径される部分の軸心方向への移動速度が速
くなり、拡径された状態の螺旋管10′と、拡径されてい
ない状態の螺旋管10′との間の円錐台状部分における軸
心方向長さLが順次短くなり、螺旋管10′を拡径させる
ために必要な力が増加して、該帯状体10に加わる負荷が
増大し、該製管機20の駆動源である油圧モーター22の油
圧が上昇する。
本発明では、油圧モーター22の油圧に対して、予め設
定された基準値よりもそれぞれ大きい上限値および下限
値が設定されており、油圧モーター22の油圧が上限値に
達した場合に、帯状体30の巻き取り速度を高速にし、下
限値に達した場合に巻き取り速度を前記V2になるように
低下する。
油圧モーター22における油圧の上限値および下限値
は、例えば、螺旋管10′の製造が終了した時点での油圧
モーター22の油圧を基準値として、該基準値よりも所定
値β(≧0)だけ大きい値が初期下限値として設定さ
れ、また、その基準値に対してα(≧β)だけ大きい値
が初期上限値として設定される。あるいは、螺旋管10′
の拡径作業が開始された後の数秒間の油圧モーター22に
おける油圧の平均値を、基準値として設定され、所定値
αおよびβだけ大きい値が初期上限値および初期下限値
としてそれぞれ設定される。
このようにして、初期上限値および初期下限値が設定
された状態で、螺旋管10′の拡径作業が開始されると、
制御装置60は、0.5秒毎に油圧モーター22の油圧を、圧
力センサ23により順次読み込む。そして、3回の連続し
て読み込まれた油圧を平均化することにより、帯状体10
に付与される実質的な推進力を測定する。油圧の平均値
は、次の平均値が入力されるまで、制御装置60に記憶さ
れる。
このようにして、螺旋管10′の拡径作業を続けると、
油圧モーター22の油圧が、初期上限値よりも所定値(例
えば2kg・f/cm2)だけ低い閾値を越えた状態になる場合
がある。このような状態になると、制御装置60はタイマ
ーを起動させて、所定時間(2〜3秒程度)にわたって
油圧モーター22の油圧を監視する。そして、油圧モータ
ー22の油圧が、その所定時間内に初期上限値にまで達し
ない場合には、その上限値を補正し、油圧が閾値を越え
てから所定時間(2〜3秒程度)の間に記憶されている
油圧の平均値を、油圧の上限値として、新たに制御装置
60に設定される。同時に、新たに設定された上限値に対
して所定値(4〜5kg・f/cm2)だけ低い値が、油圧の下
限値として設定される。
螺旋管10′の拡径作業時において、螺旋管10′におけ
る帯状体10の摩擦係数が大きい場合、あるいは下水管の
沈下等による螺旋管10′との摩擦が大きい場合には、製
管機における油圧モーター22の油圧が上昇するが、螺旋
管10′における帯状線材30が係合した帯状体10部分と、
該帯状体10から離脱されていない帯状線材30とが滑動
し、油圧モーター22の油圧が設定された上限値にまで達
しないおそれがある。このような状態では、線材30の巻
取り速度が変更されないために、線材30が係合された螺
旋管10′の帯状線材30が滑動する部分が拡径されるおそ
れがある。このため、線材30の巻き取り速度を上昇させ
る上限値近くまで油圧モーター22の油圧が上昇している
ものの、その上限値に達しない状態が、所定時間にわた
って継続する場合には、異常であるとして、予め設定さ
れた上限値よりも低い制御装置60に記憶された油圧の平
均値が、上限値として新たに設定される。
従って、このようにして新たに上限値が設定される
と、油圧モーター22の油圧が、その上限値に達すること
により、帯状線材30の巻き取り速度が、前述の速度V2
りも高速にされる。これにより、螺旋管10′からの帯状
線材30の離脱速度が速くなり、該螺旋管10′における、
順次拡径している円錐台状部分の軸方向長さLが長くな
る。その結果、螺旋管10′を拡径するために要する力が
減少して、製管機20の油圧モーター22における負荷が減
少する。そして、油圧モーター22の油圧が下限値に達す
ると、帯状線材の巻き取り速度は、前述のV2にまで低下
される。
以下同様に、新たに設定された上限値に対して、その
上限値近くまで油圧モーター22の油圧が上昇して、その
状態が所定時間にわたって継続すると、より低い上限値
および下限値が新たに設定され、それらにより帯状線材
の巻き取り速度が制御される。
油圧モーター22における油圧の上限値および下限値を
新たに設定する別の方法を説明する。例えば、螺旋管1
0′の拡径作業を開始すると油圧モーター22の油圧は、
漸次上昇する。そして、油圧モーター22の油圧が初期設
定上限値に達すると、帯状線材30の巻き取り速度が高速
にされ、それにより、油圧モーター22の油圧が低下す
る。油圧モーター22の油圧が初期設定下限値に達する
と、帯状線材30の巻き取り速度が所定速度V2となるよう
に低速化され、油圧モーター22の油圧が漸次上昇され
る。このときに、制御装置60は、0.5秒毎にその油圧を
測定して、連続する3回の測定値の平均値を演算する。
このようにして、順次、得られる油圧の平均値を、直前
に得られた2つの油圧の平均値と比較して、その差をそ
れぞれ演算する。そして、その差が、例えば、1kg・f/c
m2以内になっている場合には、異常であるとして、比較
した3つの平均値のさらに平均値を演算し、その演算結
果を新たな上限値として設定するように補正する。下限
値は、前述の場合と同様に、新たに設定される上限値に
対して所定値だけ低い値が設定される。
なお、前記各実施例では、製管機20を駆動する油圧モ
ーター22の油圧に対して上限値および下限値を設定し、
油圧がその範囲内になるように帯状線材の巻き取り速度
を制御するようにしたが、油圧モーター22の油圧に対す
る上限値のみを設定して、油圧がその上限値に達した場
合に所定時間にわたって帯状線材の巻き取り速度を高速
にするようにしてもよい。この場合には、油圧の下限値
の設定および下限値の補正が必要でないために、制御が
簡略化される。
(発明の効果) 本発明の既設管のライニング工法は、このように、螺
旋管を拡径する際に、帯状体に付与される推進力が予め
設定された上限値になると、螺旋管から離脱される線材
の離脱速度を高速にしているために、円滑に螺旋管を拡
径できる。その上限値は、既設管や螺旋管の状況により
変更されるために、螺旋管の拡径作業が停止されるおそ
れがなく安定的に作業が行われる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図は本発明のライニング工法の実施工
程をそれぞれ示す断面図、第3図は帯状体の断面図、第
4図は側縁部同士が係止された帯状体の要部断面図、第
5図は製造された螺旋管の拡径状態を示す模式図であ
る。 10……帯状体、10′……螺旋管、12……基板、13……嵌
合突条、13b……挿入部、13c……係止部、14……段落ち
部、15……嵌合凹条、15a……係止部、20……製管機、2
2……油圧モーター、23……圧力センサ、30……帯状線
材、50……巻取り装置、52……巻取り検出器、巻取りモ
ーター、60……制御装置。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各側縁部が相互に係合し得る帯状体を螺旋
    状に巻回する工程と、 その巻回により相互に隣接する帯状体の側縁部同士に線
    材を係止させてその側縁部同士の摩擦抵抗を増加させた
    状態で係合させて、螺旋管を製造する工程と、 製造された螺旋管を既設管内に順次挿入して、螺旋管を
    該既設管内に挿通させる工程と、 該螺旋管における帯状体先端を既設管に固定した状態
    で、該螺旋管を構成する帯状体に推進力を付与しつつ、
    前記線材を螺旋管から離脱させて、螺旋管の該線材が離
    脱された部分から帯状体に相互に係合された側縁部同士
    を滑動させて、該螺旋管を拡径する工程と、を包含し、 前記螺旋管を拡径する工程において、帯状体に付与され
    る推進力が所定の上限値に達した場合に、線材が下式を
    満足する速度Vで離脱されるようになっており、推進力
    が上限値よりも低い状態が所定時間にわたって継続した
    場合に、その上限値がいままでの上限値よりも低くなる
    ように補正されることを特徴とする既設管のライニング
    工法。
  2. 【請求項2】各側縁部が相互に係合し得る帯状体を螺旋
    状に巻回する工程と、 その巻回により相互に隣接する帯状体の側縁部同士に線
    材を係止させてその側縁部同士の摩擦抵抗を増加させた
    状態で係合させて、螺旋管を製造する工程と、 製造された螺旋管を既設管内に順次挿入して、螺旋管を
    該既設管内に挿通させる工程と、 該螺旋管における帯状体先端を既設管に固定した状態
    で、該螺旋管を構成する帯状体に推進力を付与しつつ、
    前記線材を螺旋管から離脱させて、螺旋管の該線材が離
    脱された部分から帯状体に相互に係合された側縁部同士
    を滑動させて、該螺旋管を拡径する工程と、を包含し、 前記螺旋管を拡径する工程において、帯状体に付与され
    る推進力が所定の上限値に達した場合に、線材が下式を
    満足する速度Vで離脱されるようになっており、推進力
    の上昇時であって上限値に達するまでの期間に推進力の
    上昇率が一定値以下になった場合に、その上限値がいま
    までの上限値よりも低くなるように補正されることを特
    徴とする既設管のライニング工法。
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