JP3047817U - 防ダニ防塵性布団 - Google Patents

防ダニ防塵性布団

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都公 宮坂
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ヤサカ産業株式会社
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防ダニ及び防塵性能に優れ、それらを抗原と
するアレルギー性疾患を持つ者の使用に最適であると共
に、形態安定性や使用感も良好で、製造コスト的にも有
利な防ダニ防塵性布団を得る。 【解決手段】 ポリエステル固わたからなる中芯41の
上下両側をキルティング地3,3で包覆し、更にその外
表面を超極細長繊維の高密度織物からなる表裏側地2,
2で包覆すると共に、布団周縁部11において、表裏側
地2,2及び上下両側のキルティング地3,3の裁断面
を、超極細長繊維の高密度織物からなるテープ状生地5
を用いたバインディング仕上げにより包覆しつつ縫合一
体とした。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、防ダニ性及び防塵性を有する布団に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の布団は、表裏側地の間に中わたとして短繊維の製綿わたや合繊わたを充 填し、和とじ、またはキルティングにより一体としてなるものが一般的であった 。このような布団においては縫合の際に側地を貫通して針穴が形成されるため、 該針穴を通じて布団内部にダニが侵入し、繁殖し易く生体ダニは勿論、ダニの死 骸や排泄物等が責任抗原となってアレルギー性疾患を引き起こしたり、悪化させ たりするということは周知である。また、布団の針穴や縫合部分、或いは、繊維 の空隙を通じて中わたの短繊維が外部に散逸したり、側地自体から分離した繊維 等のハウスダストもアレルギー性疾患の抗原として指摘されている。
【0003】 そこで、素材の選択や縫製方法の改善、更には、ミシン針を使用せずに熱融着 等の手段で布団を製造したり、縫製後に針穴を閉鎖したりと、種々のダニ対策が 講じられているが、得てして構造が複雑化して製造の手間,コストが増大しがち で、所望する防ダニ,防塵性能と製造コスト、及び布団本来の機能を高次元で満 足させる製品が望まれていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は従来の布団の上記の点に鑑みて、防ダニ及び防塵性能に優れ、それら を抗原とするアレルギー性疾患を持つ者の使用に最適であると共に、形態安定性 や使用感も良好で、製造コスト的にも有利な防ダニ防塵性布団を得ることを目的 としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ポリエステル固わたからなる中芯の上下両側をキルティング地で包覆し、更に その外表面を超極細長繊維の高密度織物からなる表裏側地で包覆すると共に、布 団周縁部において、表裏側地及び上下両側のキルティング地の裁断面を、超極細 長繊維の高密度織物からなるテープ状生地を用いたバインディング仕上げにより 包覆しつつ縫合一体とした。また、キルティング地は、中央にポリエステルわた を挟み、その一側に綿織物を、他側に不織布を配してキルティングにより一体と してなるものであり、不織布の面をポリエステル固わたからなる中芯に接して用 いるようにした。
【0006】
【考案の実施の形態】
図1及び図2は、本考案防ダニ防塵性布団の代表的な実施形態を示すものであ る。図において、防ダニ防塵性布団1は、超極細長繊維の高密度織物からなる表 裏側地2,2、キルティング地3,3、及び中芯4から主に構成されている。
【0007】 布団1の表裏側地2,2の高密度織物に使用する超極細長繊維(太さ0.7D 以下)は剥離型複合紡糸法による分割繊維が好適に使用される。繊維素材として はポリエステル及びナイロンを用い、それらが1つの紡糸ノズルの中に相互に介 在するように、例えばノズル周方向に交互に配し、複合紡糸した後、2繊維の収 縮量の差による剥離特性を利用してポリエステルとナイロンとを分割し、分割相 当分の超極細長繊維を得るものである。
【0008】 本考案の布団1では、ポリエステル,ナイロン各8本、計16本に分割された 超極細長繊維(1本の太さ約0.2D)を20ノズル分、計320本の超極細長 繊維を1本の織糸として使用し、平織り組織の重畳織物構造に製織してなる高密 度織物を使用した。このような超極細長繊維の高密度織物は、帝人株式会社の製 造販売に係る商品名ミクロガードとして得ることができ、空隙のない極めて緻密 で平滑度の高い生地であるため、表裏側地2,2に使用することで、生体ダニは 勿論、ダニの死骸や排泄物さえも通過できず、布団1を極めて衛生的に保持でき る。
【0009】 尚、超極細長繊維としては、上述した剥離型複合紡糸法によるもの以外に、2 繊維を多芯型に複合紡糸した後、一方の繊維成分を除去して超極細長繊維を得る 高分子相互配列体繊維法によるもの等を使用できる。
【0010】 上記布団1の中芯4には、多数層からなるポリエステル繊維ウエブを、その層 間に同繊維に対する熱接着性を有する樹脂を散布しつつ積層し、加圧,加熱する ことで一体としたポリエステル固わたを使用する。
【0011】 また、キルティング地3は、中央にポリエステルわた32を挟み、その一側に 綿織物31を、他側に不織布33を配してキルティング34により一体としてな るものを用いる。
【0012】 布団1の製造に際しては、中芯4の上下両側に、該中芯4より一回り大きく裁 断されたキルティング地3,3を不織布33の面が中芯4に接するようにして重 ね、綿織物31の面が外側となるようにして中芯4を包覆し、更に、キルティン グ地3,3と同形状に裁断された表裏側地2,2を該キルティング地3,3の上 下両側に重ね、それらにより中芯4を二重に包覆する。
【0013】 そして、布団1の周縁部11において、上下のキルティング地3,3、表裏側 地2,2を合わせた状態で、表裏側地2,2と同じ超極細長繊維の高密度織物か らなるテープ状生地5を用い、バインディングを行い該テープ状生地5によって キルティング地3,3及び表裏側地2,2の裁断面を包覆しつつ縫合12し一体 とすることで、布団1は完成する。
【0014】 このうよにして形成された布団1は、先述した超極細長繊維の高密度織物から なる表裏側地2,2によってキルティング地3,3及び中芯4が完全に包覆され ているめ、布団1内部へのダニの侵入は阻止される。尚且つ、該布団1は使用者 との接触の殆ど無い布団周縁部11のみにおいて縫合12され、その他の外表面 には縫い目が一切存在しない構成としたため、ミシンの針穴を通じて布団内にダ ニが侵入,繁殖するといった事態も完全に防止できる。
【0015】 また、布団1内部のキルティング地3,3及び中芯4にほこりの出難い素材を 使用すると共に、上述の通り、表裏側地2,2にそれ自体の発塵が殆ど無い超極 細長繊維の高密度織物を使用し、且つ、布団周縁部11のみ縫合12する構成と したことにより、布団内から外部へのわたぼこり、繊維屑の散逸が防止されるた め、ハウスダストの発生を防止できる。
【0016】 更に、布団1は保形性の良好なポリエステル固わたを中芯4に使用し、該中芯 4と整合性の良い不織布33の面を該中芯4に接してキルティング地3,3を重 ね、それらを表裏側地2,2と共に周縁部で縫合一体としているため、布団1の 中央部に表裏側地2,2を貫通しての和とじやキルティングを施さなくても充分 な形態安定性が得られ、先述した防ダニ防塵構造の布団の実現を可能にしている 。尚且つ、中芯4に使用したポリエステル固わたによる保温断熱性,吸湿性に加 えて、キルティング地3によるクッション性、吸湿性によって布団自体として本 来要求される基本性能においても充分に優れたものとなっている。
【0017】 また、製造面でも、キルティング地3,3には多針キルティング機で連続キル ティングする製造方法を利用でき、且つ、所定の形状に裁断された各素材を重ね て周縁部11においてバイディング仕上げにより縫合一体とするのみであるため 、製造コスト面でも有利である。
【0018】
【考案の効果】
本考案の防ダニ防塵性布団は、上述の通り構成されているので、防ダニ及び防 塵性能に優れ、それらを抗原とするアレルギー性疾患を持つ物の使用に最適であ ると共に、形態安定性や使用感も良好で、製造コスト的にも有利である。
【提出日】平成9年10月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】考案の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】 【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、防ダニ性及び防塵性を有する布団に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の布団は、表裏側地の間に中わたとして短繊維の製綿わたや合繊わたを充 填し、和とじ、またはキルティングにより一体としてなるものが一般的であった 。このような布団においては縫合の際に側地を貫通して針穴が形成されるため、 該針穴を通じて布団内部にダニが侵入し、繁殖し易く生体ダニは勿論、ダニの死 骸や排泄物等が責任抗原となってアレルギー性疾患を引き起こしたり、悪化させ たりするということは周知である。また、布団の針穴や縫合部分、或いは、繊維 の空隙を通じて中わたの短繊維が外部に散逸したり、側地自体から分離した繊維 等のハウスダストもアレルギー性疾患の抗原として指摘されている。
【0003】 そこで、素材の選択や縫製方法の改善、更には、ミシン針を使用せずに熱融着 等の手段で布団を製造したり、縫製後に針穴を閉鎖したりと、種々のダニ対策が 講じられているが、得てして構造が複雑化して製造の手間,コストが増大しがち で、所望する防ダニ,防塵性能と製造コスト、及び布団本来の機能を高次元で満 足させる製品が望まれていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は従来の布団の上記の点に鑑みて、防ダニ及び防塵性能に優れ、それら を抗原とするアレルギー性疾患を持つ者の使用に最適であると共に、形態安定性 や使用感も良好で、製造コスト的にも有利な防ダニ防塵性布団を得ることを目的 としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
ポリエステル固わたからなる中芯の上下両側をキルティング地で包覆し、更に その外表面を超極細長繊維の高密度織物からなる表裏側地で包覆すると共に、布 団周縁部において、表裏側地及び上下両側のキルティング地の裁断面を、超極細 長繊維の高密度織物からなるテープ状生地を用いたバインディング仕上げにより 包覆しつつ縫合一体とした。また、キルティング地は、中央にポリエステルわた を挟み、その一側に綿織物を、他側に不織布を配してキルティングにより一体と してなるものであり、不織布の面をポリエステル固わたからなる中芯に接して用 いるようにした。
【0006】
【考案の実施の形態】
図1及び図2は、本考案防ダニ防塵性布団の代表的な実施形態を示すものであ る。図において、防ダニ防塵性布団1は、超極細長繊維の高密度織物からなる表 裏側地2,2、キルティング地3,3、及び中芯4から主に構成されている。
【0007】 布団1の表裏側地2,2の高密度織物の織糸に使用する超極細長繊維は剥離型 複合紡糸法による分割繊維が好適に使用される。繊維素材としてはポリエステル 及びナイロンを用い、それらが1つの紡糸ノズルの中に相互に介在するように、 例えばノズル周方向に交互に配し、複合紡糸した後、2繊維の収縮量の差による 剥離特性を利用してポリエステルとナイロンとを分割し、分割相当分の超極細長 繊維を得るものである。
【0008】 本考案の布団1では、ポリエステル,ナイロン各8本、計16本に分割された 超極細長繊維(1本の太さ約0.2D)を20ノズル分、計320本の超極細長 繊維を1本の織糸として使用し、平織り組織の重畳織物構造に製織してなる高密 度織物を使用した。このような超極細長繊維の高密度織物は、帝人株式会社の製 造販売に係る商品名ミクロガードとして得ることができ、空隙のない極めて緻密 で平滑度の高い生地であるため、表裏側地2,2に使用することで、生体ダニは 勿論、ダニの死骸や排泄物さえも通過できず、布団1を極めて衛生的に保持でき る。
【0009】 尚、超極細長繊維としては、上述した剥離型複合紡糸法によるもの以外に、2 繊維を多芯型に複合紡糸した後、一方の繊維成分を除去して超極細長繊維を得る 高分子相互配列体繊維法によるもの等を使用できる。
【0010】 上記布団1の中芯4には、ポリエステル固わたを使用する。また、キルティン グ地3は、中央にポリエステルわた32を挟み、その一側に綿織物31を、他側 に不織布33を配してキルティング34により一体としてなるものを用いる。
【0011】 布団1の製造に際しては、中芯4の上下両側に、該中芯4より一回り大きく裁 断されたキルティング地3,3を不織布33の面が中芯4に接するようにして重 ね、綿織物31の面が外側となるようにして中芯4を包覆し、更に、キルティン グ地3,3と同形状に裁断された表裏側地2,2を該キルティング地3,3の上 下両側に重ね、それらにより中芯4を二重に包覆する。
【0012】 そして、布団1の周縁部11において、上下のキルティング地3,3、表裏側 地2,2を合わせた状態で、表裏側地2,2と同じ超極細長繊維の高密度織物か らなるテープ状生地5を用い、バインディングを行い該テープ状生地5によって キルティング地3,3及び表裏側地2,2の裁断面を包覆しつつ縫合12し一体 とすることで、布団1は完成する。
【0013】 このうよにして形成された布団1は、先述した超極細長繊維の高密度織物から なる表裏側地2,2によってキルティング地3,3及び中芯4が完全に包覆され ているめ、布団1内部へのダニの侵入は阻止される。尚且つ、該布団1は使用者 との接触の殆ど無い布団周縁部11のみにおいて縫合12され、その他の外表面 には縫い目が一切存在しない構成としたため、ミシンの針穴を通じて布団内にダ ニが侵入,繁殖するといった事態も完全に防止できる。
【0014】 また、布団1内部のキルティング地3,3及び中芯4にほこりの出難い素材を 使用すると共に、上述の通り、表裏側地2,2にそれ自体の発塵が殆ど無い超極 細長繊維の高密度織物を使用し、且つ、布団周縁部11のみ縫合12する構成と したことにより、布団内から外部へのわたぼこり、繊維屑の散逸が防止されるた め、ハウスダストの発生を防止できる。
【0015】 更に、布団1は保形性の良好なポリエステル固わたを中芯4に使用し、該中芯 4と整合性の良い不織布33の面を該中芯4に接してキルティング地3,3を重 ね、それらを表裏側地2,2と共に周縁部で縫合一体としているため、布団1の 中央部に表裏側地2,2を貫通しての和とじやキルティングを施さなくても充分 な形態安定性が得られ、先述した防ダニ防塵構造の布団の実現を可能にしている 。尚且つ、中芯4に使用したポリエステル固わたによる保温断熱性,吸湿性に加 えて、キルティング地3によるクッション性、吸湿性によって布団自体として本 来要求される基本性能においても充分に優れたものとなっている。
【0016】 また、製造面でも、キルティング地3,3には多針キルティング機で連続キル ティングする製造方法を利用でき、且つ、所定の形状に裁断された各素材を重ね て周縁部11においてバイディング仕上げにより縫合一体とするのみであるため 、製造コスト面でも有利である。
【0017】
【考案の効果】
本考案の防ダニ防塵性布団は、上述の通り構成されているので、防ダニ及び防 塵性能に優れ、それらを抗原とするアレルギー性疾患を持つ物の使用に最適であ ると共に、形態安定性や使用感も良好で、製造コスト的にも有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施形態の防ダニ防塵性布団を示す一部
切開した斜視図である。
【図2】本考案実施形態の防ダニ防塵性布団を示す要部
断面図である。
【符号の説明】
1 布団 2 表裏側地 3 キルティング地 4 中芯 5 テープ状生地 11 周縁部 12 縫合 31 綿織物 32 ポリエステルわた 33 不織布 34 キルティング

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル固わたからなる中芯の上下
    両側をキルティング地で包覆し、更にその外表面を超極
    細長繊維の高密度織物からなる表裏側地で包覆すると共
    に、布団周縁部において、表裏側地及び上下両側のキル
    ティング地の裁断面を、超極細長繊維の高密度織物から
    なるテープ状生地を用いたバインディング仕上げにより
    包覆しつつ縫合一体としたことを特徴とする防ダニ防塵
    性布団。
  2. 【請求項2】 キルティング地は、中央にポリエステル
    わたを挟み、その一側に綿織物を、他側に不織布を配し
    てキルティングにより一体としてなるものであり、不織
    布の面をポリエステル固わたからなる中芯に接して用い
    るようにした請求項1記載の防ダニ防塵性布団。
JP1997009359U 1997-10-07 1997-10-07 防ダニ防塵性布団 Expired - Lifetime JP3047817U (ja)

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