JP2764393B2 - 羽毛布団 - Google Patents

羽毛布団

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JP2764393B2
JP2764393B2 JP2038496A JP2038496A JP2764393B2 JP 2764393 B2 JP2764393 B2 JP 2764393B2 JP 2038496 A JP2038496 A JP 2038496A JP 2038496 A JP2038496 A JP 2038496A JP 2764393 B2 JP2764393 B2 JP 2764393B2
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五郎 吉川
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、羽毛布団の全表面
及び全周囲に縫い目が無い羽毛布団に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特公平6−49015号公報には、表地
と裏地との間に帯状隔壁布を格子状に取り付けて内部に
区画室を複数形成し、該各区画室に羽毛を充填した羽毛
布団が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記羽毛布団に代表さ
れる従来の羽毛布団は、区画室を形成する帯状隔壁布が
表地と裏地とに接着剤にて接着されているが、羽毛布団
の周囲は表地の縁部と裏地の縁部とに縁布を被せた後、
縫着することにより形成されているため、羽毛布団の周
囲に形成された微細な隙間や縫い目の針穴から羽毛布団
内にダニ等が入り込んだり、最初から羽毛に寄生してい
るダニ等が内部から外へ這い出すという問題点や、羽毛
の先毛がはみ出すという問題点があった。
【0004】また、この隙間や針穴は羽毛布団を使用す
ればするほど拡大してくるため、ダニ等の出入りや羽毛
のはみ出しは顕著になるという問題点があった。
【0005】そこで、本発明は、上記問題点を解決する
ために、羽毛布団の全表面は勿論、全周囲に縫い目が無
い構造とすることを技術的課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記技術的課題は、次の
通りの本発明によって解決できる。
【0007】即ち、本発明に係る羽毛布団は、羽毛2を
充填した区画室3を表地5と裏地7との間に複数形成し
てなる羽毛布団において、表地5の縁部5aと裏地7の
縁部7aとの間に帯状布材9を介在させて縫着し断面三
層構造とした羽毛布団1の縁部8を表地5から裏地7に
かけて縫い目を覆うように断面コ字状に縁布10を接着
したものである。
【0008】また、本発明に係る羽毛布団は、羽毛2を
充填した区画室3を表地5と裏地7との間に複数形成し
てなる羽毛布団において、表地5の縁部5aと裏地7の
縁部7aとの間に帯状布材9を介在させてそれぞれ接着
し断面三層構造とした羽毛布団1の縁部8を表地5から
裏地7にかけて該縁部8を覆うように断面コ字状に縁布
10を接着したものである。
【0009】また、本発明は前記各羽毛布団において、
区画室3が表地5と裏地7とに接着した帯状隔壁布4に
より仕切られているものである。
【0010】さらに、本発明は同じく前記各羽毛布団に
おいて、区画室3を表地5と裏地7との間に納められた
袋体11としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づき説明する。
【0012】実施の形態1.図1は本発明に係る羽毛布
団の実施の形態を図示した平面図、図2は図1に示す羽
毛布団のA−A’線断面を図示する部分断面図であり、
これらの図において、1は羽毛2を充填した区画室3を
碁盤目状に複数形成してなる羽毛布団であり、該区画室
3は、一側端に平坦面部4aを有する断面T字状の帯状
隔壁布4の平坦面部4aを羽毛布団1の表地5に接着剤
6にて碁盤目状に接着し、該帯状隔壁布4の他側端4b
と羽毛布団1の裏地7に同様に接着された平坦面部4a
を有する断面T字状の帯状隔壁布4の他側端4bとを縫
着することにより形成されている。
【0013】また、8は表地5の縁部5aと裏地7の縁
部7aとの間に帯状布材9を挟んで縫着した断面三層構
造の羽毛布団1の縁部であり、該縁部8は、羽毛布団1
の全周囲に縫い目が現れないように表地5から裏地7に
かけて縁部8を覆うように断面コ字状に縁布10を接着
剤6にて接着されている。
【0014】本実施の形態では、羽毛布団1の縁部8を
表地5の縁部5aと裏地7の縁部7aと帯状布材9とに
より断面三層構造とした後、該縁部8を縫着したので、
表地5の縁部5aと裏地7の縁部7aとの間の隙間を帯
状布材9により埋めた構造となり、これにより区画室3
内の羽毛2が帯状布材9により阻まれ、羽毛2の毛先が
隙間からはみ出すことがない。また、羽毛布団1の縁部
8の縫い目は縁布10によって塞がれ、羽毛布団1の全
周囲には縫い目が無い状態となるので、微細な隙間や針
穴からダニ等が入り込むこともなく、最初から羽毛に寄
生しているダニ等が内部から外へ這い出すこともない。
【0015】なお、本実施の形態における羽毛布団1の
表地5及び裏地7の布地は材質が綿、シルク或いは合成
繊維のものを使用すればよく、帯状隔壁布4、帯状布材
9及び縁布10の布地は材質が綿、シルク或いは合成繊
維のバイアステープを使用すればよく、その形態として
は織物又は不織布いずれであってもよい。
【0016】また、接着剤6は、粘着性接着剤、熱硬化
性接着剤或いは熱軟化性接着剤いずれを使用してもよ
い。
【0017】実施の形態2.図3は本発明に係る羽毛布
団の実施の形態を図示した図2と同様の断面を示す部分
断面図であり、同図において、図1及び図2と同一符号
は同一又は相当部分を示す。
【0018】本実施の形態は、第一の実施の形態の変形
例であり、羽毛布団1の縁部8は縫着せず、表地5の縁
部5a、帯状布材9及び裏地7の縁部7aを接着剤6で
それぞれ接着した後、羽毛布団1の縁部8を表地5から
裏地7にかけて覆うように断面コ字状に縁布10を接着
剤6にて接着したものである。
【0019】本実施の形態においても、全周囲に縫い目
が無い羽毛布団を得ることができる。
【0020】また、本実施の形態では、縫製工程におい
て使用した針が残っていないかを充分検査した後に全周
囲を接着によって閉じるから、従来行っていた全周囲を
縫製した後の検針作業が不要となり、これにより作業効
率がよくなり、安全性が確保できる。
【0021】さらに、本実施の形態では、表地5と裏地
7とに接着された帯状隔壁布4の他側端4b,4b同志
を縫着することにより区画室3を形成したが、該他側端
4b,4b同志を接着剤6にて接着することにより区画
室3を形成すれば、羽毛布団1の製造工程において、針
を全く使用しないこととなり、羽毛布団1内に針が混入
することもなく、寝具製品にとって一番の問題点である
検針工程が不必要であり、PL法にも適合した安全な羽
毛布団を得ることができる。
【0022】なお、実施の形態1及び2では、区画室を
碁盤目状に設けたが、区画室の形状はこれに限定するも
のではなく、ダイヤ形状や亀甲形状のもの等任意の形状
であってもよいことはいうまでもない。
【0023】実施の形態3.図4は本発明に係る羽毛布
団の実施の形態を図示する部分断面図であり、同図にお
いて、図1及び図3と同一符号は同一又は相当部分を示
し、11は羽毛2を充填した布製の袋体である。
【0024】本実施の形態における羽毛布団は、袋体1
1に羽毛2を充填して羽毛布団1の表地5と裏地7との
間に複数納め、区画室としたものである。
【0025】本実施の形態においても、全周囲に縫い目
が無くそして安全な羽毛布団を得ることができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき説明す
る。
【0027】図5は本発明に係る羽毛布団の縁部を図示
した断面図であり、縁布と接着剤と表地の縁部と帯状布
材と裏地の縁部との配置の状態を示したものである。同
図において、図1及び図3と同一符号は同一又は相当部
分を示す。
【0028】表地5として綿ダウンプルーフプリント地
を使用し、裏地7として綿ダウンプルーフの無地を使用
し、縁布10には綿のバイアステープを使用した。ま
た、帯状隔壁布4及び帯状布材9には合成繊維の無地の
布を使用した。
【0029】接着剤はフィルム状ホットメルト型接着剤
(東洋紡(株)製:品名:JF3000)6を使用した。
【0030】帯状隔壁布4は平坦面部4aに前記ホット
メルト型接着剤6を適用し、熱圧着機(スリ−ボンド
(株)製:特公平6-49015 号公報図2記載のもの)にて
表地5と裏地7とにそれぞれ接着した。その際、各区画
室3に羽毛2を充填できるように、各帯状隔壁布4が交
差する位置には開口部(図示せず)を形成した。
【0031】その後、相対する帯状隔壁布4の他側端4
b,4bを合わせて縫着し、表地5と裏地7との間に区
画室3を形成した(図3参照)。
【0032】次に、検針機にて針の有無を検査して針が
残っている場合には取り除き、その後、図4に示すよう
に、両面にホットメルト型接着剤6を適用した帯状布材
9を、表地5の縁部5aと裏地7の縁部7aとで上下よ
り挟むと共に各区画室3に羽毛2を充填する充填口を設
ける位置に離型紙を挟んだ後、同様に、前記熱圧着機に
て接着して羽毛布団1の縁部8を形成し、各区画室3内
に羽毛2を充填した。
【0033】続いて、羽毛布団1の縁部8に挟まった離
型紙を取り除き、充填口を塞いだ後、該縁部8にホット
メルト型接着剤6を適用し、その上から両端をそれぞれ
折り返した縁布10を被せて、前記熱圧着機にて接着し
て製品とした。
【0034】
【発明の効果】以上説明した通りの本発明によれば、羽
毛布団の全表面及び全周囲には縫い目が無いので、羽毛
布団内にダニ等の害虫が入り込んだり、羽毛に最初から
寄生しているダニ等が内部から外へ這いだす心配がな
く、また、羽毛の先毛がはみ出すことも無いので、肌触
りのよい衛生的な羽毛布団を提供することができる。
【0035】従って、本発明の産業上利用性は非常に高
いといえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る羽毛布団の実施の形態を図示した
平面図である。
【図2】図1に示す羽毛布団のA−A’線部分断面図で
ある。
【図3】本発明に係る羽毛布団の実施の形態を図示した
図2と同様の断面を示す部分断面図である。
【図4】本発明に係る羽毛布団の実施の形態を図示した
部分断面図である。
【図5】本発明に係る羽毛布団の縁部を図示した断面図
である。
【符号の説明】
1 羽毛布団 2 羽毛 3 区画室 4 帯状隔壁布 4a 平坦面部 4b 他側端 5 表地 5a 表地の縁
部 6 接着剤 7 裏地 7a 裏地の縁部 8 羽毛布団の
縁部 9 帯状布材 10 縁布 11 袋体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 羽毛2を充填した区画室3を表地5と裏
    地7との間に複数形成してなる羽毛布団において、表地
    5の縁部5aと裏地7の縁部7aとの間に帯状布材9を
    介在させて縫着し断面三層構造とした羽毛布団1の縁部
    8を表地5から裏地7にかけて縫い目を覆うように断面
    コ字状に縁布10を接着したことを特徴とする羽毛布
    団。
  2. 【請求項2】 羽毛2を充填した区画室3を表地5と裏
    地7との間に複数形成してなる羽毛布団において、表地
    5の縁部5aと裏地7の縁部7aとの間に帯状布材9を
    介在させてそれぞれ接着し断面三層構造とした羽毛布団
    1の縁部8を表地5から裏地7にかけて該縁部8を覆う
    ように断面コ字状に縁布10を接着したことを特徴とす
    る羽毛布団。
  3. 【請求項3】 区画室3が表地5と裏地7とに接着した
    帯状隔壁布4により仕切られてなる請求項1又は2記載
    の羽毛布団。
  4. 【請求項4】 区画室3が表地5と裏地7との間に納め
    られた袋体11である請求項1又は2記載の羽毛布団。
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