JP3047633U - 護岸兼魚巣用ブロック - Google Patents

護岸兼魚巣用ブロック

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JP3047633U
JP3047633U JP1997008723U JP872397U JP3047633U JP 3047633 U JP3047633 U JP 3047633U JP 1997008723 U JP1997008723 U JP 1997008723U JP 872397 U JP872397 U JP 872397U JP 3047633 U JP3047633 U JP 3047633U
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耕三 山元
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南日コンクリート株式会社
小牧建設株式会社
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 構造が簡単で、強度があり、魚類が入って自
由に移動できる水路空間を確保した護岸兼魚水用ブロッ
クを提供する。 【解決手段】 同大の横長四角板からなり、河川の法面
に沿って立てられる控壁11、並びに控壁の前に水路間隔
13を保って平行に配置される正面壁12と、控壁並びに正
面壁と同高で、両壁間の水路間隔13を横切って両壁をエ
字状に連結し、水路間隔を横幅が広く、且つ四方が閉じ
た中央水路21と、横幅が中央水路の1/2で、その左右
に隣接した左開き水路23Lと右開き水路23Rとに仕切る
二つの仕切壁14,14とからなり、左開き水路と中央水路
とを仕切る仕切壁には両水路を連通する窓穴15、右開き
水路と中央水路とを仕切る仕切壁には両水路を連通する
窓穴を夫々設け、中央水路の上縁には、蓋を嵌め入れ
る。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
この考案は、河川の法面沿いに1段、又は複数段、立て並べることにより魚巣 を兼ねた護岸を構築することができる一体成形の自立型コンクリートブロックか らなる護岸兼魚巣用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
このようなコンクリートブロックは特開平8−218345号公報により公知 である。この公知のブロックは横長四角形の控壁の前に、それと高さは同じであ るが横幅が短い正面壁を所定の水路間隔を保って配置し、上記控壁と正面壁の相 対向した中央部を横長長方形断面の前後方向の1つ、又は複数の柱状連結体で連 結したもので、正面壁の上縁部と下縁部とには上記柱状連結体の上面と下面の空 間に連なる切欠きが設けてある。この公知のブロックを河川の法面沿いに1段、 又は複数段、立て並べることによって控壁と正面壁との間に保たれた水路間隔が 魚や、カニ、エビの棲息空間となり、彼らは控壁よりも横幅が短い正面壁の隣接 したもの同志の間の隙間や、正面壁に設けられた切欠きを通じ水路間隔に出入り する。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
上記公知のブロックの控壁と正面壁は高さが同じでありながら、その横幅は控 壁が長く、正面壁は短くなっている。そして、横長長方形断面の前後方向の一つ 、又は複数の柱状連結体が控壁と正面壁の相対向した中央部を連結している。従 って、控壁、正面壁、柱状連結体からなる一体のブロックを成形するための型枠 の構造は複雑になると共に、控壁と正面壁の相対向した中央部を連結するのは、 控壁と、正面壁の高さよりも厚さが小さい1つ、又は複数の柱状連結体であるた め、柱状連結体と控壁又は正面壁との結合強度は低く、構築現場への搬入の際に 柱状連結体は折損する可能性が高い。又、控壁は正面壁よりも横幅が長く、それ によって正面壁の左右の側端よりも長く外方に張り出しているので、控壁の左右 の側端部は構築現場への搬入、現場での施工の際に欠損する可能性が高い。 更に、法面沿いに立て並べた場合は、互いに隣接した左右2つのブロックの正 面壁の側端同志の間に魚などの出入用の上下方向の間隙が形成され、その左右に 控壁と正面壁の相対向した側部によって魚などの棲息空間になる水路間隔が形成 される。この水路間隔の、河川の法面沿いの両隣には、1つ、又は複数の柱状連 結体が位置するので、1つの水路空間に入った魚などが隣の水路空間に移動する のを柱状連結体が遮る。従って、魚などは隣、更にはその隣の水路空間に移動す るのが困難なため棲みづらい。更に、蓋を使用したり、下の段に対して上の段の ブロックを後ろにずらしたりすることによる採光の調節、最上段のブロック上に 植生ブロックなど他のブロックを配列可能にすることなどの配慮が全くなされて いない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案の護岸兼魚巣用ブロックは、上述した問題点を解消するために開発され たもので、同大の横長四角板からなり、河川の法面に沿って立てられる控壁(11 )、並びに該控壁の前に水路間隔(13)を保って平行に配置される正面壁(12) と、上記控壁並びに正面壁と同高で、上記両壁間の水路間隔(13)を横切って該 両壁(11,12)を左右の各端部から横幅の1/4宛内方に偏った位置でエ字状に 連結し、前記水路間隔を横幅が広く、且つ四方が閉じた中央水路(21)と、横幅 が上記中央水路の1/2で、その左右に隣接し、左が開き、他の三方が閉じた左 開き水路(23L)、同じく右が開き、他の三方が閉じた右開き水路(23R)とに 仕切る二つの仕切壁(14,14)とからなり、左開き水路(23)と中央水路(21) とを仕切る仕切壁(14)には上記両水路を連通する窓穴(15)、右開き水路(23 R)と中央水路(21)とを仕切る仕切壁(14)には上記両水路を連通する窓穴( 15)を夫々設け、正面壁(12)には中央水路の正面中央に位置して該中央水路と 連通する窓穴(22)、左開き水路の左側縁と、右開き水路の右側縁とに位置して 夫々切欠き窓(24,24)を設け、前記中央水路(21)の上縁には、蓋(16)を嵌 め入れる相似形の凹段部(23′)、左開き水路(23L)には開いた左を除く三方 の上縁に相似系の凹段部(23′)、右開き水路には開いた右を除く三方の上縁に 相似形の凹段部(23′)を夫々設け、前記両仕切壁(14,14)の正面壁(12)に 近い前方の上下同じ位置と、控壁(11)に近いか、控壁と重なった後方の上下同 じ位置に、一方は凸部(28)、他方は上記凸部と係合する凹部(29)とからなる 位置決め係合部(27)を設けたことを特徴とする。
【0005】
【考案の実施の形態】
上記正面壁(12)には、中央水路(21)の正面下縁に位置して該中央水路の内 部と連通する中央切欠き(25)、左開き水路(23L)の左側縁下縁と、右開き水 路(23R)の右側縁下縁とに位置して夫々の水路の内部と連通する切欠き(26, 26)を設けることが好ましい。又、前記各仕切壁(14,14)の夫々に各端部を埋 設された鉄筋ループ(18)を控壁(11)の背面から外に突出して設けることが好 ましい。この場合、鉄筋ループ(18)の各仕切壁(12)中に埋設された部分(18 ′)を、控壁(11)、正面壁(12)中に埋設された鉄筋網(11′,12′)に連結 しておくことが好ましい。更に、正面壁(12)の外面に自然石(17)の一部を埋 込んで固定し、これにより正面壁の外面を凹凸状にすることが好ましい。
【0006】
【実施例】
図示の実施例において、11と12は同大の横長四角形板からなる控壁と正面 壁を示し、控壁11は河川の法面1に沿って水底に構築された基礎2上に立てら れ、正面壁12は控壁11の前に水路間隔13を保って控壁と平行に配置される 。基礎2は水底に打設されたコンクリートによる後傾斜面を有する下層基礎2a と、その上に複数段に敷設された間知ブロックによる上層基礎2bとからなるも のなど任意である。
【0007】 14,14は、上記控壁11並びに正面壁12と同高で、上記両壁間の水路間 隔13を横切って、該両壁11,12を左右の各端部から横幅の1/4宛内方に 偏った位置でエ字状に連結する二つの仕切壁を示す。
【0008】 一例として、代表的な製品の寸法を例示すると、控壁11と正面壁12の横幅 W(長辺)は約2m、高さH(短辺)は仕切壁14,14も同じで約750mm 、控壁11の厚さT1 は約150mm、正面壁12の厚さT2 は約200mm、 控壁11と、その前の正面壁12との間の水路間隔Sは約500mm、控壁11 の背面と正面壁12の外面間の奥行き長さLは約850mmである。又、仕切壁 14,14の幅は200mmで、その中心線14′は、控壁と正面壁の左右の各 端部から内方に500mm寄った二点間を結ぶ線l上に位置する。これによって 、基礎上にブロックを複数段、立て並べる際、下の段のブロックの上に上の段の ブロックを同じ配置で立てることもできるし、下の段のブロックの上に上の段の ブロックを横幅の1/2宛横にずらして立てることもできる。
【0009】 控壁11と、その前に平行に配置された正面壁12との間の水路間隔13を仕 切壁14,14で上述のように仕切ると、水路間隔13は横幅が広く(約1m) 、且つ四方が閉じた中央水路21と、横幅が夫々上記中央水路の1/2(約50 cm)で、左の仕切壁14の左に隣接して左が開き、他の三方が閉じた左開き水 路23Lと、右の仕切壁14の右に隣接して右が開き、他の三方が閉じた右開き 水路23Rが形成される。
【0010】 複数のブロックを左右に隣接して立て並べた場合、図2に示したように、隣接 した右又は左の一方のブロックの右開き水路23Rと他方のブロックの左開き水 路23Lとが隣接合体することによって中央水路21と同形、同大の合体水路2 3が形成される。
【0011】 そして、左開き水路23Lと中央水路21とを仕切る仕切壁14に窓孔15を 開設して両水路23と21を連通し、又、右開き水路23Rと中央水路21とを 仕切る仕切壁14に窓孔15を開設して両水路23Rと21を連通する。各窓孔 15,15は、図示の実施例では、仕切壁の中央に位置して開設された直径25 0mmの円形であるが、円形や楕円形であることに限定されず、多角形、例えば この円形を内接した四角形であってもよい。この窓穴15,15によって、左開 き水路23L、中央水路21、右開き水路23Rは一連に連なる。
【0012】 そして、正面壁12には中央水路21の正面中央に位置して該中央水路と連通 する窓穴22を開設し、左開き水路の左側縁と、右開き水路の右側縁に位置して 夫々切欠き窓24,24を設ける。図示の実施例では窓穴22は直径350mm の円形、切欠き窓24,24は直径350mmの半円形であるが、これに限定さ れず、多角形、例えば上記円形、半円形を内接した四角形であってもよい。
【0013】 中央水路21の上縁には、該水路よりも一回り大きい相似形の凹段部21′を 設け、蓋16を嵌め入れることができるようにしてある。凹段部21′に蓋16 を嵌め入れると、蓋の上面は控壁、正面壁、仕切壁の上面と同一面になり、蓋は 上記各壁を内側から補強する。又、前述したように、複数のブロックを左右に隣 接して立て並べた場合、隣接した右又は左の一方のブロックの右開き水路23R と他方のブロックの左開き水路23Lとが隣接合体することによって中央水路2 1と同形、同大の合体水路23が形成される。従って、左開き水路23Lには開 いた左を除く三方の上縁に、又、右開き水路23Rには開いた右を除く三方の上 縁に、夫々該水路よりも一回り大きい相似形の凹段部23′,23′を設け、左 開き水路と右開き水路が隣接合体することによって形成された合体水路23に同 じ蓋16を嵌め入れることができるようになっている。合体水路23の凹段部2 3′に蓋16を嵌め入れると、蓋の上面は隣接した左右のブロックの控壁、正面 壁、仕切壁の上面と同一面になり、蓋は上記各壁を内側から補強する。そして、 上縁部が水面上に突出したブロックの凹段部21′,23′に蓋16を嵌め入れ ると、その蓋の上に他のブロック、例えば植生ブロックを配列することができる 。
【0014】 仕切壁14,14の正面壁12に近い前方の上下同じ位置と、控壁11に近い か、控壁と重なった後方の上下同じ位置に、一方は上向きの凸部28、他方は上 記凸部と係合する下向きの凹部29とからなる位置決め係合部27が設けてある 。この位置決め係合部27によりブロックを左右に隣接して複数段立て並べた場 合、上の段のブロックが下の段のブロック上で前後方向にずれ動くのを防止する ことができると共に、上の段のブロックの前方の凹部29を下の段のブロックの 後方の凸部28に係合し、上の段のブロックの列を下の段のブロックの列から後 にずらして配列し、下の段のブロックの列の前部上方に採光用などの空間を形成 することもできる。
【0015】 又、正面壁12には、中央水路21の正面下縁に位置して該中央水路21の内 部と連通する中央切欠き25、左開き水路23Lの左側縁下縁と、右開き水路2 3Rの右側縁下縁とに位置して夫々の水路23L,23Rの内部と連通する切欠 き26,26を設け、小魚などが水路の内部に入ったり、水路の内部から細かい 土砂などが外に排出されるようにする。中央切欠き25の横幅は例えば約300 mm、切欠き26,26の横幅は約150mmで、正面壁の下面から切欠きの上 面までの高さは約80mmである。
【0016】 更に、直径16mm程度のコ字形に曲げた鉄筋を夫々の仕切壁14,14に埋 設し、鉄筋の折返した端部により形成されたループ18を控壁の背面上下から外 に突出させ、法面1の前の裏込め栗石層3と、立て並べたブロックの控壁の背面 との間に打設した生コンクリートによる裏込めコンクリート層4中に鉄筋ループ 18を係留し、これにより立て並べたブロックと裏込めコンクリート層とを鉄筋 ループ18で継いで一体化し、土圧及び水圧に対して立て並べたブロックの安定 化ないし強度の増加を図る。この場合、各鉄筋ループ18の仕切壁14,14中 に埋設される部分18′を、ブロックの成形前に、控壁11、正面壁12中に埋 設される鉄筋網11′,12′に対して溶接などで連結し、それからコンクリー トによりブロックを成形し、これにより各鉄筋ループ18のブロックに対する取 付強度を高めることが好ましい。
【0017】 又、正面壁12の外面に自然石17の一部を埋め込んで固定し、この自然石1 7により正面壁の外面を凹凸状にすることが好ましい。こうすることにより自然 石の表面には水苔、水藻、カワニナ等が成育して魚の餌になると共に、この自然 石によって護岸の表面は自然の景観と変わらなくなる。更に、河川の流れのうち 、自然石による凹凸に接触して流れる部分には渦流が生じ、正面壁の外面の前に 土砂の堆積を防ぐ一種の水利効果が発生する。そして、正面壁の外面に一部を埋 め込んで固定される自然石17に、この考案のブロックによって魚巣付きの護岸 が構築される河川の流域で産出する自然石を使用すれば、魚類がなじみ易いと共 に、その景観はその河川の流域により適合したものになる。
【0018】 河川が浅い場合は、基礎の上に、図3に示すように、河川の法面沿いにこのブ ロックを左右に隣接させて1段立て並べ、交互に並んだ中央水路21と合体水路 23の凹段部21′,23′に蓋16を落とし込んで嵌め、中央水路21、合体 水路23の上面を塞ぐ。これにより法面沿いに交互に並んだ中央水路21と合体 水路23は仕切壁14,14に開設された窓穴15,15で一連に連なり、魚類 はこの一連の空間に、中央水路の正面壁にある窓穴22や、左開き水路23L、 右開き水路23Rの正面壁にある隣接合体した切欠き窓24,24を通じ出入し 、一連の空間は魚巣となる。一連のブロックの中央水路21、合体水路23の上 面は、落し込んで嵌めた蓋16により塞がれているので、その上に土を充填した 植生用ブロック5を配列し、植物を生育させてもよい。
【0019】 基礎の上に立て並べるブロックの段数は河川の深さに応じて定める。図4は基 礎の上にブロックを3段立て並べた場合を示す。全3段のブロックの配置を同じ にし、最下段のブロックの中央水路21の上に残りの2段のブロックの中央水路 21が積層するようにしてもよいし、下から算えて奇数段のブロックと、偶数段 のブロックとで横幅の1/2の長さだけブロックを横方向にずらし、中央水路2 1の上に交互に合体水路23、中央水路21が重なるようにしてもよい。いずれ にしても立て並べた全3段の各段のブロックの法面沿いに交互に並んだ中央水路 21と合体水路23は仕切壁14,14に開設された窓穴15,15で一連に連 なる。
【0020】 図4の実施例では河川の水底付近に位置する最下段のブロックの交互に並んだ 中央水路21と合体水路23の凹段部21′,23′に蓋16を落し込んで嵌め 、水路21,21aの上面を塞ぎ、暗い所を好むうなぎ、なまず、かに等を、中 央水路の正面壁にある窓穴22や、左開き水路23L、右開き水路23Rの正面 壁にある隣接合体した切欠き窓24,24を通じ水路の内部に入れ、水路内で棲 息させる。このため、水路21,23の内部には松などの丸太を井桁に組んだ充 填材6を収容するとよい。最上段のブロックの交互に並んだ中央水路21と合体 水路23の凹段部21′,23′に水路の後半部を塞ぐ蓋16′を嵌め、蓋16 ′が無い凹段部21′,23′の前半部は上に開放した採光面にしてある。下か ら2段目のブロックの交互に並んだ中央水路21と合体水路23と、最上段のブ ロックの交互に並んだ中央水路21と合体水路23は、下から2段目のブロック の開放した凹段部21′,23′によって上下方向にも連なっている。従って、 水面下にある下から2段目や、最上段のブロックの中央水路の正面壁にある上下 の窓穴22,22や、左開き水路23L、右開き水路23Rの正面壁にある隣接 合体した上下の切欠き窓24,24を通じ、明るい所を好むアユ、アヤ等を上下 方向にも、法面沿いにも連なった水路21,21aの内部に入れ棲息させる。下 から2段目の水路の底となる蓋16の上には川砂利7などを敷いたり、栗石を並 べたりするとよい。又、最上段のブロックの水路の後半部を塞ぐ蓋16′の上を 利用し、最上段のブロックよりも後にずらして土を充填した植生ブロック5を配 列し、植物を生育させてもよい。
【0021】
【考案の効果】
以上で明らかなように、本考案の護岸兼魚巣用ブロックの控壁11と正面壁1 2は横幅、高さが同じ横長四角形であり、上記両壁11,12を前後方向に連結 する左右二つの仕切壁14,14の高さは両壁11,12と同じである。従って 、このブロックを成形するための型枠の構造は単純、簡略化すると共に、二つの 仕切壁に依る控壁と正面壁との結合強度は高い。又、二つの仕切壁の高さは控壁 及び正面壁と同じであるため充分な強度を有し、折損することがないと共に、控 壁と正面壁は横幅が同じであるため左右の側部は揃っているので欠損することも ない。
【0022】 そして、控壁11と、その前に配置された正面壁12との間の水路間隔13を 、左右の仕切壁14,14で仕切ることにより水路間隔13は横幅が広く、且つ 四方が閉じた中央水路21と、横幅が上記中央水路の1/2で、左の仕切壁の左 に隣接した左開き水路23Lと、右の仕切壁の右に隣接した右開き水路23Rが 形成され、複数のブロックを左右に隣接して立て並べた場合、隣接した右又は左 の一方のブロックの右開き水路23Rと、他方のブロックの左開き水路23Lと が隣接合体して中央水路21と同形、同大の合体水路23が形成され、中央水路 21と、この合体水路23は交互に隣接し、各仕切壁に開設された窓穴15によ って一連に連なる。そして、中央水路21の正面壁に開設された窓穴22、及び 左開き水路と、右開き水路の正面壁に設けられ、隣接合体した切欠き窓24,2 4を通じ魚類は、前記一連の中央通路21と合体水路23の中を自由に移動でき る。
【0023】 又、上記中央水路21と、合体水路23の上縁部には、該水路よりも一回り大 きい相似形の凹段部21′,23′を設け、蓋16を嵌め入れ、中央水路21、 合体水路23を構成する控壁、正面壁、仕切壁を蓋によって内側から補強できる 。更に、水面下の中央水路、合体水路に蓋を嵌め入れ、明るい所を好まない魚類 と、明るい所を好む魚類を棲み分けさせることができると共に、水面上に突出し た中央水路、合体水路に蓋を嵌め入れ、その上に植生ブロックなどを配列するこ ともできる。
【0024】 更に、左右の仕切壁14,14の正面壁12に近い前方の上下同じ位置と、控 壁11に近いか、控壁と重なった後方の上下同じ位置に、一方は上向きの凸部2 8、他方は上記凸部と係合する下向きの凹部29とからなる位置決め係合部27 が設けてある。この位置決め係合部27によりブロックを左右に隣接して複数段 立て並べた場合、上の段のブロックが下の段のブロック上で前後方向にずれ動く のを防止することができると共に、上の段のブロックの前方の凹部29を下の段 のブロックの後方の凸部28に係合し、上の段のブロックの列を下の段のブロッ クの列から後にずらして配列し、下の段のブロックの列の前部上方に採光用など の空間を形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の護岸兼魚巣用ブロックの一実施例の
(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は(A)のC
−C線での断面図である。
【図2】この考案の護岸兼魚巣用ブロックの一実施例を
左右に立設して一段立て並べた状態を示す斜視図であ
る。
【図3】この考案の護岸兼魚巣用ブロックの一実施例に
より構築した魚巣付き護岸の一例の断面図である。
【図4】この考案の護岸兼魚巣用ブロックの一実施例に
より構築した魚巣付き護岸の他の一例の断面図である。
【符号の説明】
11 控壁 12 正面壁 13 水路間隔 14 仕切壁 15 仕切壁の窓穴 16 蓋 17 自然石 18 鉄筋ループ 21 中央水路 21′ 中央水路の凹段部 22 中央水路の窓孔 23 合体水路 23L 左開き水路 23R 右開き水路 24 切欠き窓 27 位置決め係合部 28 位置決め係合部の凸部 29 位置決め係合部の凹部

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同大の横長四角板からなり、河川の法面
    に沿って立てられる控壁(11)、並びに該控壁の前に水
    路間隔(13)を保って平行に配置される正面壁(12)
    と、 上記控壁並びに正面壁と同高で、上記両壁間の水路間隔
    (13)を横切って該両壁(11,12)を左右の各端部から
    横幅の1/4宛内方に偏った位置でエ字状に連結し、前
    記水路間隔を横幅が広く、且つ四方が閉じた中央水路
    (21)と、横幅が上記中央水路の1/2で、その左右に
    隣接し、左が開き、他の三方が閉じた左開き水路(23
    L)、同じく右が開き、他の三方が閉じた右開き水路
    (23R)とに仕切る二つの仕切壁(14,14)とからな
    り、 左開き水路(23L)と中央水路(21)とを仕切る仕切壁
    (14)には上記両水路を連通する窓穴(15)、右開き水
    路(23R)と中央水路(21)とを仕切る仕切壁(14)に
    は上記両水路を連通する窓穴(15)を夫々設け、 正面壁(12)には中央水路の正面中央に位置して該中央
    水路と連通する窓穴(22)、左開き水路の左側縁と、右
    開き水路の右側縁とに位置して夫々切欠き窓(24,24)
    を設け、 前記中央水路(21)の上縁には、蓋(16)を嵌め入れる
    相似形の凹段部(21′)、左開き水路(23L)には開い
    た左を除く三方の上縁に相似系の凹段部(23′)、右開
    き水路には開いた右を除く三方の上縁に相似形の凹段部
    (23′)を夫々設け、 前記両仕切壁(14,14)の正面壁(12)に近い前方の上
    下同じ位置と、控壁(11)に近いか、控壁と重なった後
    方の上下同じ位置に、一方は凸部(28)、他方は上記凸
    部と係合する凹部(29)とからなる位置決め係合部(2
    7)を設けたことを特徴とする護岸兼魚巣用ブロック。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の護岸兼魚巣用ブロック
    において、正面壁(12)には、中央水路(21)の正面下
    縁に位置して該中央水路の内部と連通する中央切欠き
    (25)、左開き水路(23L)の左側縁下縁と、右開き水
    路(23R)の右側縁下縁とに位置して夫々の水路の内部
    と連通する切欠き(26,26)を設けたことを特徴とする
    護岸兼魚巣用ブロック。
  3. 【請求項3】 請求項1,請求項2のどれか1項に記載
    の護岸兼魚巣用ブロックにおいて、前記各仕切壁(14,
    14)の夫々に各端部を埋設された鉄筋ループ(18)を控
    壁(11)の背面から外に突出して設けたことを特徴とす
    る護岸兼魚巣用ブロック。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の護岸兼魚巣用ブロック
    において、鉄筋ループ(18)の各仕切壁(14,14)に埋
    設された部分(18′)は、控壁(11)、正面壁(12)中
    に埋設された鉄筋網(11′,12′)に連結されているこ
    とを特徴とする護岸兼魚巣用ブロック。
  5. 【請求項5】 請求項1から4のどれか1項に記載の護
    岸兼魚巣用ブロックにおいて、正面壁(12)の外面に自
    然石(17)の一部を埋込んで固定し、これにより正面壁
    の外面を凹凸状にしたことを特徴とする護岸兼魚巣用ブ
    ロック。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3499508B2 (ja) 2000-05-31 2004-02-23 和 熊谷 護岸等に使用する護岸魚巣兼用のコンクリート製ブロック

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