JP3045821U - 階段ブロック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 傾斜面上で木枠を組み上げる作業が容易でな
く、また、木枠により階段の外形に組み上げた空間内に
コンクリートを流し込み、コンクリートが固まるのを待
って前記木枠を解体する作業も容易でない課題があっ
た。 【解決手段】 傾斜面上に配置したときに水平面を構成
する上面部と、前記傾斜面のなす傾斜角度に略同一な角
度を前記上面部に対し有して形成された底面部と、前記
上面部と前記底面部とにより規定される高さを有し、前
記傾斜面上に連続して配置されたときの１段あたりの高
さを決める段高決定面と、前記傾斜面上に連続して配置
された上段側の階段ブロックの前記段高決定面の下辺部
付近と当接する上段ブロック当接面とを備える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、傾斜面上に連続して配置されることで階段を構成する階段ブロッ クに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、傾斜面へ階段を構築しようとする場合には、階段の外形を傾斜面上で例 えば木枠などにより組み上げ、木枠により階段の外形に組み上げた空間内にコン クリートを流し込み、コンクリートが固まるのを待って前記木枠を取り外し、さ らに必要に応じて表面の整形を行うことで階段の構築を行なっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来の階段の構築は以上のように構成されていたので、傾斜面上で木枠を組み 上げる作業が容易でなく、また、木枠により階段の外形に組み上げた空間内にコ ンクリートを流し込み、コンクリートが固まるのを待って前記木枠を解体する作 業も容易でない課題があった。 また、階段の構築がコンクリートの流し込みにより一体的に行われるので、階 段の構造の変更や修正を行う場合には、変更部分や修正部分を一度、崩し取る必 要があり、階段の構造の変更や修正を容易に行うことが出来ない課題があった。

【０００４】 本考案は上記のような課題を解消するためになされたもので、階段の構築を容 易にする階段構築のための階段ブロックを提供することを目的とする。 また、本考案は階段の構造上の変更や修正を容易に行うことを可能にする階段 構築のための階段ブロックを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係る階段ブロックは、傾斜面上に連続して配置されることで階段を構 成する階段ブロックであり、前記傾斜面上に配置したときに水平面を構成する上 面部と、前記傾斜面のなす傾斜角度に略同一な角度を前記上面部に対し有して形 成された底面部と、前記上面部と前記底面部とにより規定される高さを有し、前 記傾斜面上に連続して配置されたときの１段あたりの高さを決める段高決定面と 、前記傾斜面上に連続して配置された上段側の階段ブロックの前記段高決定面の 下辺部付近と当接する上段ブロック当接面とを備えたことを特徴とする。

【０００６】 また、本考案に係る階段ブロックは、底面部の一部に形成され、傾斜面上に階 段ブロック本体を配置したときに水平となる水平安定面を備えていることを特徴 とする。

【０００７】 また、本考案に係る階段ブロックは、上段ブロック当接面が、上段側の階段ブ ロックの段高決定面の下辺部付近と当接し、上面部の端へ段状に形成された段状 当接面であることを特徴とする。

【０００８】 また、本考案に係る階段ブロックは、基礎コンクリート層と、当該基礎コンク リート層上に積層された目地モルタル層からなる傾斜面上に連続して配置されて 階段を構成することを特徴とする。

【０００９】

【実施の形態】

以下、本考案の一実施の形態例を図について説明する。 図１は、本実施の形態の階段ブロックの構成を示す斜視図である。図において 、１は階段ブロック、２は傾斜面１００上に配置したときに水平面を構成する上 面部、３は前記傾斜面１００のなす傾斜角度θに略同一な角度を前記上面部２に 対し有する底面部、４は前記上面部２と前記底面部３とにより規定される高さｈ を有し、前記傾斜面１００上に連続して配置されたときの１段あたりの高さを決 める段高決定面、５は前記傾斜面１００上に連続して配置された上段側の階段ブ ロックの段高決定面の下辺部付近と当接する上段ブロック当接面である。 ６ａおよび６ｂは階段ブロック本体１の側面部、７は上面部２と段高決定面４ とが交わるエッジ部分に形成された面取部、８は上面部２の段高決定面４側の端 付近に形成されたスベリ防止部である。９は底面部３の一部に形成され、傾斜面 １００上に階段ブロック本体１を配置したときに水平となり、傾斜面１００上に 配置された階段ブロック本体１の安定性を確保するための水平安定面である。

【００１０】 図２は、図１に示した階段ブロック本体１により構築された階段および当該階 段が構築される傾斜面１００の構造を示す斜視図であり、図において１２は基礎 コンクリート層、１３は目地モルタル層であり、傾斜面１００は基礎コンクリー ト層１２と、当該基礎コンクリート層１２上に積層された目地モルタル層１３か ら構成され、階段ブロック本体１を傾斜面１００の目地モルタル層１３上で縦方 向および横方向に連続して配置することで階段が構成される。

【００１１】 階段ブロック本体１は、基礎コンクリート層１２へ目地モルタル層１３により 固着されるが、目地モルタル層１３が硬化するまでの間に上段側の階段ブロック 本体１が傾斜面１００上で下方へずり落ちるのを、上段側の階段ブロック本体の 前記段高決定面４の下辺部付近が下段側の階段ブロック本体の上段ブロック当接 面５へ当接することで防止でき、また各階段ブロック本体１が傾斜面１００上で 下方へずり落ちるのを各階段ブロック本体の水平安定面９が防止するため、傾斜 面１００上へ階段ブロック本体１を連続して配置する際の前記ずり落ちによる配 置位置のずれが生じにくく、階段構築の際の作業性が向上する。

【００１２】 また、構築した階段の構造を部分的に変更したり修正する場合には、各階段ブ ロック本体毎に交換したり、崩し取ることが可能であることから、階段の構造上 の変更や修正が容易になる効果もある。

【００１３】 また、基礎コンクリート層１２と目地モルタル層１３とから構成された凹凸の 少ない傾斜面上に階段を構築するため、部分的な陥没や浮き上がりなどの現象が 生じにくく、品質のよい階段を構築でき、階段構築の際の作業性が向上する効果 がある。

【００１４】 図３は、この考案の他の実施の形態の階段ブロックの構成を示す斜視図、図４ は図３に示した階段ブロックにより構築された階段の構造を示す断面図である。 これらの図において、２２は、上段側の階段ブロック本体の段高決定面４の下 辺部付近と当接する、上面部２の端へ段状に形成された段状当接面である。この 段状当接面２２は、必ずしも必要でなく、なくてもよい。２３は段状当接面２２ と上段側の階段ブロック本体の段高決定面４との間隙を埋めるための目地モルタ ルである。

【００１５】 この実施の形態では、上段側の階段ブロック本体の段高決定面４の下辺部付近 が下段の階段ブロック本体の段状当接面２２と当接することで、上段側の階段ブ ロック本体と下段の階段ブロック本体とが連結した状態で階段が構築されるため 、構築された階段の構造的な強度が増す効果がある。なお、段状当接面２２がな い場合は、上段側と下段側の階段ブロック本体の縁部が当接する。 また、下段側から順次上段側へ階段ブロック本体２１を連続的に配置して階段 を構築する作業において、上段側の階段ブロック本体の配置位置が下段側の階段 ブロック本体の段状当接面２２により規定されるため、上段側の階段ブロック本 体の配置位置を決める作業が容易になる効果もある。

【００１６】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、傾斜面上に配置したときに水平面を構成する 上面部と、前記傾斜面のなす傾斜角度に略同一な角度を前記上面部に対し有して 形成された底面部と、前記上面部と前記底面部とにより規定される高さを有し、 前記傾斜面上に連続して配置されたときの１段あたりの高さを決める段高決定面 と、前記傾斜面上に連続して配置された上段側の階段ブロックの前記段高決定面 の下辺部付近と当接する上段ブロック当接面とを備えるように構成したので、階 段構築の際の作業性が向上し、階段構築が容易になる効果がある。

【００１７】 また、本考案によれば、傾斜面上に階段ブロック本体を配置したときに水平と なる水平安定面を底面部の一部に形成したので、各階段ブロックが傾斜面上で下 方へずり落ちるのを前記水平安定面が防止するため、傾斜面上へ階段ブロックを 連続して配置する際の前記ずり落ちが防止され、階段ブロックを配置した際の安 定性が向上し、階段構築の際の作業性が向上する効果がある。

【００１８】 また、上段側の階段ブロックの段高決定面の下辺部付近と当接する、上面部の 端へ段状に形成された段状当接面を備えるようにしたので、上段側の階段ブロッ クと下段側の階段ブロックとが連結した状態で階段が構築されるため、構築され た階段の構造的な強度が増し、さらに、下段側から順次上段側へ階段ブロックを 連続的に配置して階段を構築する作業において、上段側の階段ブロックの配置位 置が下段側の階段ブロックの前記段状当接面により規定されるため、上段側の階 段ブロックの配置位置を容易に決めることが可能になり、作業性が向上する効果 がある。

【００１９】 また、基礎コンクリート層と、当該基礎コンクリート層上に積層された目地モ ルタル層からなる傾斜面上に連続して配置されることで階段を構成するので、部 分的な陥没や浮き上がりなどの現象が生じにくく品質のよい階段を構築でき、さ らに凹凸の少ない傾斜面上で階段構築が可能であるから階段構築の際の作業性が 向上する効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施の形態例による階段ブロック
の構成を示す斜視図である。

【図２】この考案の一実施の形態例による、図１に示し
た階段ブロック本体により構築された階段および当該階
段が構築される傾斜面の構造を示す斜視図である。

【図３】この考案の他の実施の形態例による階段ブロッ
クの構成を示す斜視図である。

【図４】この考案の他の実施の形態例による、図３に示
した階段ブロックにより構築された階段の構造を示す断
面図である。

【符号の説明】

１，２１ 階段ブロック本体 ２ 上面部 ４ 段高決定面 ５ 上段ブロック当接面 ９ 水平安定面 １２ 基礎コンクリート層 １３ 目地モルタル層 ２２ 段状当接面 １００ 傾斜面

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 傾斜面上に連続して配置されることで階
   段を構成する階段ブロックであり、 前記傾斜面上に配置したときに水平面を構成する上面部
   と、 前記傾斜面のなす傾斜角度に略同一な角度を前記上面部
   に対し有して形成された底面部と、 前記上面部と前記底面部とにより規定される高さを有
   し、前記傾斜面上に連続して配置されたときの１段あた
   りの高さを決める段高決定面と、 前記傾斜面上に連続して配置された上段側の階段ブロッ
   クの前記段高決定面の下辺部付近と当接する上段ブロッ
   ク当接面とを備えた階段ブロック。
2. 【請求項２】 前記底面部の一部に形成され、前記傾斜
   面上に階段ブロック本体を配置したときに水平となる水
   平安定面を備えていることを特徴とする請求項１記載の
   階段ブロック。
3. 【請求項３】 前記上段ブロック当接面は、上段側の階
   段ブロックの段高決定面の下辺部付近と当接する、前記
   上面部の端へ段状に形成された段状当接面であることを
   特徴とする請求項１または請求項２記載の階段ブロッ
   ク。
4. 【請求項４】 基礎コンクリート層と、当該基礎コンク
   リート層上に積層された目地モルタル層からなる傾斜面
   上に連続して配置されることで階段を構成する請求項１
   から請求項３のうちのいずれか１項記載の階段ブロッ
   ク。