JP3045136B2 - 熱交換エレメントのエレメント主体の製造方法および熱交換ユニット - Google Patents

熱交換エレメントのエレメント主体の製造方法および熱交換ユニット

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JP3045136B2 JP10099756A JP9975698A JP3045136B2 JP 3045136 B2 JP3045136 B2 JP 3045136B2 JP 10099756 A JP10099756 A JP 10099756A JP 9975698 A JP9975698 A JP 9975698A JP 3045136 B2 JP3045136 B2 JP 3045136B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】一対の風路を流れる空気同士
の間で熱交換するための熱交換エレメントに関する。ま
た、この熱交換エレメントのためのエレメント主体と、
これの製造方法と、熱交換ユニットとに関する。
【0002】
【従来の技術】熱交換エレメントとしては、例えば、直
交流形のものがある。これは、通常、略正方形の平板状
の多数の伝熱シートを間隔を開けて対向させて積層し、
積層方向に長い略直方体状に形成されている。直方体の
長手側面が通気面とされ、内部に一対の風路が区画され
て、この一対の風路を流れる空気の間で熱交換する。一
対の風路は、互いに交差する方向に空気を流し、伝熱シ
ート同士の間に交互に設けられている。
【0003】この熱交換エレメントの製造に際しては、
伝熱シートは、通常、長尺のシート状部材から切り出し
て得られる。得られた伝熱シートの間に棒状のスペーサ
を配置しながら、伝熱シートを積層している。これと同
時にスペーサおよび伝熱シートを接着している。また、
上述のスペーサに代えて、スペーサとしての山形の折り
目を有する伝熱シートを、平板状の伝熱シートの間に配
置した熱交換エレメントもある。
【0004】何れの構造の熱交換エレメントであって
も、多数の伝熱シートを切り出し、積層して、接着して
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、多数の
伝熱シートを切り出して積層し接着するのは、手間がか
かるので、製造コストが高くなる結果、熱交換エレメン
トは高価になっていた。また、伝熱シートをシート状部
材から切り出す際に、材料に無駄が生じることがあるの
で、部品コストも高くなっていた。
【0006】また、このような直方体状の熱交換エレメ
ントでは、安価且つ薄型で、高い熱交換効率を実現する
ことは困難であった。そこで、本発明の目的は、上述の
技術的課題を解決し、薄型、安価且つ高い熱交換効率を
実現できる熱交換エレメント、熱交換ユニット、エレメ
ント主体、およびその製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1記載の発明の熱交換エレメントのエレメン
ト主体の製造方法は、断面波形の単一の伝熱シートと、
この伝熱シートを保持する枠体と、伝熱シートの両面の
波形の頂部にそれぞれ沿って波形を横断し、対向する伝
熱シートの面との間にそれぞれ風路を区画する一対の区
画材とを備え、各区画材は、波形の頂部が延びる方向の
中間部に配置され、波形の頂部が延びる方向に沿って区
画材の前後に風路の入口と出口とが設けられている熱交
換エレメントに用いられるエレメント主体の製造方法で
あって、上記エレメント主体は、枠体と伝熱シートとで
構成され、上記伝熱シートの一対の対向する端縁に沿っ
て接着剤を塗布し、次に、接着剤を塗布した端縁の延び
る方向に波形が並ぶように、伝熱シートに波形を形成す
ことを特徴とする。
【0008】この構成の熱交換エレメントによれば、以
下の作用を奏する。すなわち、単一の伝熱シートの波形
の高さに一対の区画材の厚みを加えた分の非常に薄い厚
みスペースにおいて、各区画材を用いて、伝熱シートの
両側に入口、出口を含めた各風路をコスト安価に区画で
きる。波形の頂部が延びる方向に沿って延びる各風路
に、伝熱シートを挟んだ一対の対向流を流すことによ
り、従来の直交流型の熱交換エレメントよりも優れた熱
交換効率を得ることができる。すなわち、伝熱面積を容
積で除した値を従来の直交流型のものと等しくした場
合、熱交換効率を例えば3%向上できるという知見を得
た。
【0009】なお、熱交換容量の大きいものを得るに
は、波形の頂部が延びる第1の方向、または波形の頂部
を横断する第2の方向に沿って長さを長くした薄型の直
方体状とすればよい。薄型の直方体状の熱交換エレメン
トであれば、壁面や天井裏に設置するのに適している。
後者の第2の方向に沿う長さを長くすることが圧力損失
の低下を招かない点で好ましい。
【0010】ここで、断面の波形としては、正弦波形、
U字形、V字形、矩形、台形、これらに似た形等を例示
でき、肉厚が略一定の伝熱シートに形成されている
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】上述のエレメント主体の構成によれば、エ
レメント主体と、これと別体に設けた区画材とを組み合
わせて、上述の熱交換エレメントによる作用を得ること
ができる。また、熱交換エレメントの交換の際に、エレ
メント主体のみを交換し、区画材を継続使用できるの
で、熱交換エレメントのランニングコストを低くするこ
とができる。
【0022】
【0023】
【0024】特に、上述のエレメント主体の製造方法
よれば、接着剤を伝熱シートの折り曲げ前の平板状の状
態で塗布するので、容易に且つ隙間なく塗布することが
できる。接着剤の塗布後、伝熱シートを波形に形成し
て、枠体に取り付ければ、枠体と伝熱シートとが上述し
た接着剤で固定される。なお、波形を形成するための折
り目を、接着剤の塗布前に形成しておいてもよいし、接
着剤の塗布後に波形と折り目とを同時に形成してもよ
い。また、接着剤を連続して塗布すれば、確実に封止す
ることができて、より好ましい。
【0025】請求項記載の発明のエレメント主体の製
造方法は、請求項記載のエレメント主体の製造方法に
おいて、上記接着剤を、伝熱シートの両面に、伝熱シー
トの波形のピッチに応じて設定された盛り上げ高さで塗
布することを特徴とする。この構成によれば、請求項
記載の発明の作用に加えて、以下の作用を奏する。すな
わち、波形の間には、接着剤が充填されるので、塗布さ
れた接着剤の盛り上がり高さで、波形のピッチが規制さ
れる。また、伝熱シートの両側に接着剤があるので、均
一なピッチの波形を得ることができる 請求項3記載の
発明の熱交換ユニットは、断面波形の単一の伝熱シート
と、この伝熱シートを保持する枠体と、伝熱シートの両
面の波形の頂部にそれぞれ沿って波形を横断し、対向す
る伝熱シートの面との間にそれぞれ風路を区画する一対
の区画材とを備え、各区画材は、波形の頂部が延びる方
向の中間部に配置され、波形の頂部が延びる方向に沿っ
て区画材の前後に風路の入口と出口とが設けられた熱交
換エレメント、およびこの熱交換エレメントを覆いつつ
両側から挟持して風路へ空気を案内する一対のケーシン
グを有し、各ケーシングは、区画材に当接してケーシン
グ内を入口および出口にそれぞれ連通する入口室および
出口室に仕切る壁を含むことを特徴とする。 この構成に
よれば、請求項1記載の発明の熱交換エレメントによる
作用を得ることができる。また、一対のケーシングが熱
交換エレメントを挟持するので、壁が熱交換エレメント
の区画材と密着できる結果、空気を確実に伝熱シートに
沿わせて流すことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態の熱交換エ
レメントと、これを含む熱交換ユニットを有する換気装
置を添付図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の
一実施の形態の熱交換エレメントを備えた換気装置の概
略構成図である。
【0027】換気装置1は、屋外から取り込む空気と室
内から排気する空気との間で熱交換する熱交換ユニット
2と、この熱交換ユニット2に空気を流すためのファン
ユニット3とを備えている。このファンユニット3に
は、空気を加湿する加湿ユニット4が取り付けられ、加
湿ユニット4には室内に連通する吹出ダクト5が取り付
けられている。この換気装置1は、例えば、天井裏空間
内に収容され、下面が天井面等の設置面に取り付けられ
ている。換気装置1は、これら各部を連通して、屋外と
室内とを連通する排気路と給気路とを区画している。
【0028】給気路は、屋外に臨む給気口11から、給
気ダクト6と、熱交換ユニット2の給気側流路と、ファ
ンユニット3の下ファン31用の流路と、加湿ユニット
4内部と、吹出ダクト5とを通じ、室内に臨む吹出口
(図示せず)に至っている。排気路は、ファンユニット
3の下面に設けられた吸込口13から、ファンユニット
3の上ファン32用の流路と、熱交換ユニット2の排気
側流路と、排気ダクト7とを通じて、屋外に臨む排気口
12に至っている。
【0029】ファンユニット3は、上述の給気路に空気
を流す下ファン31と、排気路に空気を流す上ファン3
2と、上ファン32および下ファン31を収容して空気
流を導くファンケーシング30とを有している。このフ
ァンケーシング30は、その上部に上ファン32用の流
路を有し、この流路は、下方に導かれて、ファンユニッ
ト3の下面に吸込グリル34で区画された上述の吸込口
13につながっている。また、ファンケーシング30
は、その下部に下ファン31用の流路を有し、この流路
の途中にはフィルタ35が設けられている。上ファン3
2および下ファン31は、共通のモータ33で駆動され
る。モータ33の回転軸は上下方向に延びている。回転
軸の上端に上ファン32が、下端に下ファン31が取り
付けられており、両ファンは一体回転する。
【0030】熱交換ユニット2は、ファンユニット3と
給気口11および排気口12とを接続するダクトの一部
としてのダクトユニットとして構成されている。熱交換
ユニット2は、熱交換エレメント24と、この熱交換エ
レメント24と協働して一対の内部流路を区画するユニ
ットケーシング20とを備えている。一対の内部流路
は、排気路の一部である上述の排気側流路と、給気路の
一部である上述の給気側流路とからなり、これらの一対
の内部流路を流れる空気の間で、熱交換が行われる。
【0031】このように換気装置1では、モータ33が
駆動されると、下ファン31により、空気は給気口11
から給気路を通って室内へ送風され、上ファン32によ
り、空気は吸込口13から排気路を通り屋外へ排気され
る。この間に、給気路を流れる空気は、熱交換ユニット
3で排気路を流れる空気との間で熱交換され、ファンユ
ニット3のフィルタ35で塵埃を除去され、加湿ユニッ
ト4で加湿される。
【0032】本実施の形態では、熱交換エレメント24
の構造が新規なものであり、薄型に構成されている。以
下、詳細に説明する。図2は、図1の換気装置1の熱交
換ユニット2の一部断面の分解斜視図である。図3は、
図2の熱交換ユニット2の側面断面図である。図4は、
図2の熱交換ユニット2の正面断面図である。
【0033】熱交換エレメント24は、断面波形の単一
の伝熱シート27と、この伝熱シート27を保持する枠
体26と、枠体26および伝熱シート27に支持されつ
つ伝熱シート27の表面との間に風路を区画する一対の
区画材28とを備えている。一対の区画材28は、テー
プ状に一体に形成されて、伝熱シート27の両面の波形
の頂部27mにそれぞれ沿って波形を横断し、対向する
伝熱シート27の面との間にそれぞれ上述の風路を一対
で区画している。区画材28は、波形の頂部27mが延
びる第1の方向(図2の矢印A1の延びる方向)の中間
部に配置され、第1の方向に沿って区画材28の前後に
各風路の入口と出口とが設けられている。
【0034】熱交換エレメント24は、薄型の断面長方
形の直方体に形成されている。この直方体は、伝熱シー
ト27の波形の頂部を横断する第2の方向(図2の矢印
A2の延びる方向)に沿って長く形成されて、この第2
の方向および第1の方向に平行な第1の長手側面241
と第2の長手側面242とを有している。風路は、第1
の長手側面241に設けられた第1風路51と、第2の
長手側面242に設けられた第2風路52とからなる。
各風路は、主に、伝熱シート27に形成された多数の谷
内の流路に区画され、それぞれの流路は入口と出口で合
流している。第1風路51と第2風路52とは、後述す
るように、互いに、流路の断面積や、入口および出口の
大きさを同じにされている。
【0035】風路の入口および出口は、区画材28の第
2の方向に沿う端縁と、枠体26の端部とで区画され、
上述の一対の長手側面に沿って開口している。第1風路
51の入口511と第2風路52の出口522とは、伝
熱シート27を挟んだ反対側に位置し、また、第1風路
51の出口512と第2風路52の入口521とは、伝
熱シート27を挟んだ反対側に位置している。
【0036】このように、熱交換エレメント24は、互
いに同じに形成された第1風路51および第2風路52
とを対称に有しているので、誤りなくユニットケーシン
グ20に取り付けることができる。ユニットケーシング
20は、熱交換エレメント24の第1の長手側面241
を覆う第1ケーシング21と、熱交換エレメント24の
第2の長手側面242を覆う第2ケーシング22と、第
2ケーシング22と第1ケーシング21との間に配置さ
れて入口流路20cと出口流路20dを仕切る仕切板2
3とを有している。第1ケーシング21の凹部21aと
第2ケーシング22の凹部22aとの間に、熱交換エレ
メント24を嵌め込んで挟持している。
【0037】第1ケーシング21には、熱交換エレメン
ト24の第1風路51の入口511に臨んで開く給気入
口室21cと、この室と壁21bを挟んで仕切られて出
口512に向かって開く給気出口室21dとが形成され
ている。また、第2ケーシング22には、第2風路52
の入口521に向かって開く排気入口室22cと、この
室と壁22bを挟んで仕切られて出口522に向かって
開く排気出口室22dとが形成されている。給気出口室
21dは、ファンユニット3と接続するために一端に形
成された開口部21eを有し、給気入口室21cは、そ
の他端にある入口流路20cを介して、第1ダクト連結
部20aに連通している。また、排気入口室22cは、
ファンユニット3と接続するために一端に形成された開
口部22eを有し、排気出口室22dは、その他端にあ
る屈曲状の出口流路20dを介して、第2ダクト連結部
20bに連通している。両ダクト連結部は、第1ケーシ
ング21と第2ケーシング22とに形成された半円状の
筒部同士を合わせてそれぞれ構成されている。第1ダク
ト連結部20aは、給気ダクト6の内周面にはめ込ま
れ、第2ダクト連結部20bは、排気ダクト7の内周面
にはめ込まれて接続されている。
【0038】給気側流路は、給気ダクト6に接続される
第1ダクト連結部20aから、入口流路20cと、給気
入口室21cと、熱交換エレメント24の第1風路51
と、給気出口室21dとを通り、開口部21eへ至る。
この開口部21eは、ファンケーシング30の下ファン
31用の流路の吸込口に接続されている。気流は、導入
路としての給気ダクト6から、給気入口室21cへ、第
2の方向に沿って流れ、給気入口室21cで案内されつ
つ広がりながら、第1風路51の入口511に導入され
る。第1風路51の出口512を出ると、気流は、給気
出口室21d内を案内されて、第2の方向に沿って流
れ、導出路としてのファンケーシング30の下ファン3
1用の流路に導出される。
【0039】排気側流路は、ファンケーシング30の上
ファン用流路に接続される開口部22eから、排気入口
室22cと、熱交換エレメント24の第2風路52と、
排気出口室22dと、出口流路20dとを通り、第2ダ
クト連結部20bへ至る。気流は、導入路としてのファ
ンケーシング30の上ファン32用の流路から、排気入
口室22cへ、第2の方向に沿って流れ、排気入口室2
2cで案内されつつ広がりながら、第2風路52の入口
521に導入される。第2風路52の出口522を出る
と、気流は、排気出口室22d内を案内されて、第2の
方向に沿って流れ、導出路としての排気ダクト7に導出
される。
【0040】このように、ユニットケーシング20は、
熱交換エレメント24の風路が設けられた側面に面し
て、熱交換エレメント24を挟持しているので、壁21
b,22bが、熱交換エレメント24の区画材28と密
着できる。その結果、壁21b,22bと区画材28と
の間に空気が流れることを防止でき、空気を確実に伝熱
シート27の頂部27mに沿わせることができる。
【0041】伝熱シート27は、第2の方向に長く延び
て形成されている。伝熱シート27の素材は、紙等の透
湿性のあるシート状部材を利用できる。このように、伝
熱シート27が透湿性のある素材を含む場合には、伝熱
シート27を介して、顕熱と潜熱とを同時に熱交換でき
る全熱交換型の熱交換エレメント24を得ることができ
る。なお、伝熱シート27の素材としては、従来の直交
流型の全熱交換型の熱交換エレメント24で用いられて
いる公知の素材を利用することができる。また、伝熱シ
ート27の素材が、金属や樹脂等の透湿性のないものか
らなる場合には、熱交換エレメント24を顕熱交換型と
することができる。
【0042】伝熱シート27は、略矩形の断面波形に形
成されている。すなわち、第2の方向に切る断面で見た
ときに、一方の面側に隆起した山となる部分と、隣接す
る山の間にある谷となる部分とが交互に並んで配置され
ている。一方の面側で谷となる部分が、第1風路51と
され、また他方の面側で谷となる部分が、第2風路52
とされている。第1風路51と第2風路52とは、伝熱
シート27の山の頂部27mと谷底部(反対側の面から
見て山の頂部となる)とを接続する部分を挟んで、第2
の方向に沿って交互に並んで多数区画されている。
【0043】波形は、波形の高さ寸法(B)の、波形の
半ピッチ(P)に対する比(B/P)は、5≦(B/
P)≦20の関係を満たしている。この場合には、一対
の風路の空気間の圧力バランスが崩れる場合に生じる圧
力損失を、実用的な範囲内に抑制することができる。こ
こで、比(B/P)の値としては、(B/P)<5の関
係が満たされる場合は、波形の高さに対して波形のピッ
チが相対的に広くなるので、伝熱面が確保されず、熱交
換効率が低く、20<(B/P)の関係が満たされる場
合には、圧力損失が大きくなり過ぎることから、5≦
(B/P)≦20の関係を満たすことが好ましい。
【0044】また、第2の方向に沿って測った波形の谷
の幅寸法(W、図4参照)は、第1風路51と第2風路
52とで同じに設定されて、両風路の断面積は同じにさ
れている。枠体26は、伝熱シート27の周囲を取り囲
む四角枠状に一体に形成されている。枠体26は、伝熱
シート27の波形の高さとほぼ同じ高さを有し、第1の
方向に関する風路の両端部を区画している。なお、枠体
26は、複数の部材で構成されても構わない。また、枠
体26と伝熱シート27とは、ホットメルト接着剤やウ
レタン樹脂接着剤等で封止状態で固定されている。な
お、接着剤は、作業性等を考慮して、公知の他のものを
利用してもよい。
【0045】区画材28は、可撓性を有して貼着可能な
アルミニウムテープからなり、伝熱シート27の両面に
配置される一対の区画材28が、連続して一体に形成さ
れている。テープの貼着面を伝熱シート27に向けて、
枠体26の外側端面にもかかるようにして、テープは巻
回されており、確実に固定されている。区画材28は、
伝熱シート27の波形の山の頂部と、枠体26とで接着
されて支持されている。
【0046】このように、テープ状の区画材28は、薄
く形成できるので、薄型の熱交換エレメント24を構成
するのに好ましい。また、可撓性を有する区画材28
は、外側にあるユニットケーシング20の壁21b,2
2bで押圧されて、伝熱シート27の頂部27mに密着
できる。その結果、確実に空気を波形の谷の間に流すこ
とができる。なお、区画材28は、硬質材料製の板状部
材であってもよい。
【0047】区画材28の第2の方向に延びる端縁と、
枠体26とが、第1風路51および第2風路52の入口
と出口とを区画している。風路の入口と出口の寸法は、
互いに同じにされている。例えば、第1の方向に沿って
測ったときの、風路の入口の幅寸法(Cin)と、風路の
出口の幅寸法(Cout )とは、同じである。また、この
出口の幅寸法(Cout )は、第2の方向に沿う位置に関
して等しくされている。また、入口の幅寸法(Cin)
も、第2の方向に沿う位置に関して等しくされている。
【0048】また、第1の方向に関する風路の入口およ
び出口の幅寸法(C)の、波形の高さ寸法(B)に対す
る比(C/B)は、0.5≦(C/B)≦1.8の関係
を満たしている。この比の値は、第1風路51および第
2風路52の入口および出口でそれぞれ同じにされてい
る。上述の関係を満たす場合には、圧力損失を少なくで
き、しかも熱交換効率を高くできる。ここで、比(C/
B)の値としては、(C/B)<0.5の関係が満たさ
れる場合には、圧力損失が大きくなり、1.8<(C/
B)の関係が満たされる場合には、熱交換効率が低くな
ることから、0.5≦(C/B)≦1.8の関係を満た
すことが好ましい。
【0049】また、風路の入口と出口とで、寸法を異な
らせてもよい。例えば、上述の風路の入口の幅寸法(C
in)の、風路の出口の幅寸法(Cout )に対する比(C
in/Cout )が、0.4≦(Cin/Cout )≦5の関係
を満たすのが好ましい。この場合には、圧力損失を抑制
しつつ、熱交換効率を高くできる。というのは、比(C
in/Cout )の値が、(Cin/Cout )<0.4また
は、5<(Cin/Cout)の関係を満たす場合には、熱
交換効率が低くてしかも圧力損失が大きいからである。
【0050】なお、上述の熱交換ユニット2では、区画
材28は熱交換エレメント24に設けられていたが、こ
れには限定されない。例えば、図5に示すように、区画
材28を、ユニットケーシング20で支持してもよい。
例えば、第1ケーシング21の壁21bおよび第2ケー
シング22の壁22bに板状の一対の区画材28をそれ
ぞれ固定すればよい。この場合の熱交換ユニット2で
は、伝熱シート27と枠体26からなるエレメント主体
25が、一体的に構成されて、区画材28を取り付けら
れたユニットケーシング20に装着されることとなる。
一対の区画材28は、対向する伝熱シート27の面にあ
る波形の頂部27mに近接して配置される。
【0051】次に、エレメント主体25および熱交換エ
レメント24の製造方法を、図6を参照しながら説明す
る。先ず、伝熱シート27の素材である一方向に長い長
尺の平坦なシート状部材27aに、接着剤29を塗布す
る。図6(a)および図6(b)に示すように、接着剤
29は、シート状部材27aの周縁に沿って、上面およ
び下面の両面に連続してリブ状に塗布される。特に、シ
ート状部材27aの長手方向に沿う一対の端縁27eの
両面には、接着剤29は、所定の盛り上げ高さ(H1,
H2)で塗布される。ここで、上述の所定の盛り上げ高
さは、波形のピッチ、特に、第2の方向に関する谷の幅
寸法Wに応じて設定されるのが好ましい。例えば、上面
の盛り上げ高さH1および下面の盛り上げ高さH2は、
それぞれ、ピッチの約4分の1の高さ、また、谷の幅寸
法Wの約半分の高さに、等しくすることを例示できる。
このように設定することで、伝熱シート27の波形を形
成したときに、両面で均一なピッチの波形を得ることが
できる。
【0052】次に、接着剤29が塗布されたシート状部
材27aを、断面波形に形成して、伝熱シート27が得
られる。例えば、シート状部材27aを、長手方向に送
りながら、この送り方向R。に一定間隔を隔ててそれぞ
れ上下に往復移動する上下の成形ピストン81,82を
用いて、図6(c)に示すように断面矩形の波形の伝熱
シート27に加工する。
【0053】このように矩形断面の波形に加工された伝
熱シート27は、上述の接着剤29は、谷内に折り込ま
れる(図9参照)。従って、接着剤29の塗布厚Hによ
って、谷の幅寸法Wが規定される。次に、図6(d)に
示すように、断面波形の伝熱シート27を枠体26の内
側に装着する。伝熱シート27を折り目で縮めたり屈曲
することで、接着剤が塗布されていても、容易に装着で
きる。装着後、伝熱シート27に塗布されている接着剤
29は、例えば、加熱溶融されて、枠体26に密着し
て、枠体26と伝熱シート27との間を確実に封止しつ
つ、両者を固定する。
【0054】次に、伝熱シート27が固定された枠体2
6に区画材28を取り付けて、熱交換エレメント24は
完成する。上述のように、区画材28がテープ状部材か
らなる場合には、区画材28となるテープを枠体26の
所定位置に巻回して固定すればよい。なお、上述の製造
方法では、シート状部材27aに接着剤29を塗布後
に、折り目をつけて波形を形成していたが、これには限
定されない。例えば、シート状部材27aに折り目を形
成した後に、折り目を一旦延ばして、接着剤29を塗布
して、再度、折り曲げて波形を形成してもよい。
【0055】また、シート状部材27aに接着剤を塗布
した後に、シート状部材27aを枠体26にセットして
いたが、これには限定されない。例えば、波形を形成し
た伝熱シート27を枠体26に装着後に、接着剤を塗布
して両者を接着してもよい。この場合には、伝熱シート
27の枠体26への装着時には、接着材が塗布されてい
ないので、扱い易い。
【0056】次に、この熱交換ユニット2の動作を説明
する。上述のようにファンユニット3が運転されると、
上述のように給気側流路および排気側流路に空気が流
れ、それとともに、熱交換エレメント24の一対の風路
にも空気が流れる。空気は、第1風路51を第1の方向
に沿って入口511から出口512へ向けて流れる(図
3の破線矢印参照)。また、空気は、第2風路52を第
1の方向に沿って入口521から出口522へ向けて流
れる(図3の実線矢印参照)。このとき、第2風路52
を流れる空気の向きと、第1風路51を流れる空気の向
きとは、互いに逆向きとなっている。この状態で、第1
風路51と第2風路52との空気の間で、伝熱シート2
7を挟んで熱交換が行われる。
【0057】このように本発明の熱交換エレメント24
によれば、伝熱シート27の両面と、その波形の頂部2
7mにそれぞれ沿う一対の区画材28との間に一対の風
路51,52を区画し、区画材28の前後に風路51,
52の入口と出口とが設けられている。これによって、
単一の伝熱シート27の波形の高さに一対の区画材28
の厚みを加えた分の非常に薄い厚みスペースにおいて、
各区画材28を用いて、伝熱シート27の両側に入口、
出口を含めた各風路をコスト安価に区画できる。
【0058】例えば、コスト面では、本発明の熱交換エ
レメント24は、波形断面の単一の伝熱シート27で構
成されているので、多数の伝熱シートやスペーサを積層
して構成された従来の直交流型の従来の熱交換エレメン
トに比べて、以下のように製造コストを低減して安価に
することができる。すなわち、伝熱シートを切り出す手
間を少なくでき、また、伝熱シートとスペーサを積層す
る作業を省くことができ、また、伝熱シートとスペーサ
を固定するための接着に要する手間を格段に少なくで
き、その結果、組立コストを低減することができる。ま
た、伝熱シートを略正方形に切り出す際に生じる材料の
無駄を無くすことができ、また、スペーサを省略して伝
熱シートも少なくて部品点数を格段に少なくでき、その
結果、部品コストを低減することができる。
【0059】また、第1の方向に沿って延びる第1風路
51と第2風路52とに、伝熱シート27を挟んだ一対
の対向流を流すことにより、従来の直交流型の熱交換エ
レメントよりも優れた熱交換効率を得ることができる。
すなわち、伝熱面積を容積で除した値を従来の直交流型
のものと等しくした場合、対向流を流す本実施の形態の
熱交換エレメントでは、直交流型の従来の熱交換エレメ
ントに比べて、熱交換効率を例えば3%向上できる。
【0060】なお、熱交換容量の大きい熱交換エレメン
トを得るには、第1の方向、または上述の実施の形態の
ように第2の方向に沿って長さを長くした薄型の直方体
状とすればよい。薄型の直方体状の熱交換エレメント2
4であれば、壁面や天井裏に設置するのに適している。
後者の第2の方向に沿う長さを長くすることが圧力損失
の低下を招かない点で好ましい。
【0061】このように、本発明の熱交換エレメント2
4では、厚みが伝熱シート27の波形の高さ程度の寸法
にでき、略正方形状の伝熱シートの対角寸法が厚みとな
る従来の直交流型の熱交換エレメントに比べて、薄型化
できる。また、波形の伝熱シート27では、波形のピッ
チを均一に維持しやすいので、この均一なピッチの波形
で区画された風路を、空気が均一に流れる結果、熱交換
を効率良くできる。
【0062】ここで、上述の作用効果を得られる断面の
波形としては、正弦波形、U字形、V字形、矩形、台
形、これらに似た形等を例示できる。特に、波形が略矩
形の場合には、波形の頂部27mおよび底部になる部分
が、波形のピッチを確実に維持することができる。従っ
て、ピッチを維持するために、スペーサ等の部材を設け
ずに済み、構造の簡素化を確実に実現することができ
る。
【0063】このように、スペーサを設けずに済むの
で、スペーサが必要な従来の熱交換エレメントに比べ
て、熱交換エレメント24を軽量化することができる。
その結果、この熱交換エレメントを備えた機器を、軽量
さゆえに、設置場所の制限が少なく設置工事も容易な天
井裏設置型として構成できる。また、区画材28は、枠
体26および伝熱シート27に支持されているので、区
画材28と、枠体26と、伝熱シート27とを一体的に
扱うことができるので、これら3者で第1風路51およ
び第2風路52を区画することができる。また、区画材
28を波形の頂部に確実に沿わせることができるので、
空気が伝熱シート27から離れて流れることを抑制で
き、熱交換をより一層効率良くすることができる。ま
た、風路の入口および出口を伝熱シート27に応じて設
定できて、熱交換をより一層効率良くすることができ
る。なお、上述の3者を一体に扱って上述の作用効果を
得るには、区画材28は、枠体26および伝熱シート2
7の少なくとも一方に支持されていればよくい。
【0064】また、接着により、枠体26と伝熱シート
27との固定と封止とを同時にできるので、製作しやす
く、製造コストをより一層低減できる。また、伝熱シー
ト27が、紙等の透湿性のある素材を含む場合には、透
湿性のある伝熱シート27を介して第1風路51および
第2風路52の間で顕熱と潜熱とを交換できる全熱交換
型の熱交換エレメント24を得ることができるので、熱
交換効率をより一層高くすることができる。
【0065】また、伝熱シート27が、透湿性のない素
材からなる場合には、この透湿性のない伝熱シート27
を介して第1風路51および第2風路52の間で顕熱を
交換できる顕熱交換型の熱交換エレメント24を得るこ
とができる。また、透湿性のない素材として利用できる
金属や樹脂材料は、通常、剛性が高くて、波形の形状を
確実に維持できるので、風路の風量を確保して、高い熱
交換効率を得ることができる。
【0066】また、伝熱シート27と枠体26との間を
封止すれば、第1風路51と第2風路52との間の漏れ
を確実に防止できるので、多数の伝熱シートとスペーサ
との間をすべて封止する必要のある従来の直交流型の熱
交換エレメントに比べて、安価且つ封止性が良いものを
得ることができる。また、図5に示すように、熱交換エ
レメント24に区画材28を備えない場合には、伝熱シ
ート27と枠体26とで構成されたエレメント主体25
を、熱交換エレメント24のように一体的に扱うことが
できる。この場合には、熱交換ユニット2として構成し
たときに、エレメント主体25と、これと別体に設けた
区画材28とを組み合わせて、上述の本発明の作用効果
を得ることができる。また、区画材28とエレメント主
体25とを別体に設けることで、メンテナンスに際して
伝熱シート27や枠体26の交換を要する場合に、熱交
換エレメント24の交換に代えて、エレメント主体25
のみの交換とし、区画材28を継続使用できるので、熱
交換ユニット2や熱交換エレメント24のランニングコ
ストを低くすることができる。また、区画材28をユニ
ットケーシング20で支持されて接する場合には、風路
と反対側となる区画材28の面に沿って空気が流れるこ
とを確実に防止できるので、空気を風路内に確実に導い
て、熱交換効率を高めることができる。また、区画材2
8と伝熱シート27との間に、接着剤を塗布せずに済む
ので、ここの接着剤に空気中の塵埃が付着することがな
く、その結果、塵埃の付着に起因する風路の圧力損失を
抑制することができる。
【0067】また、本発明の製造方法によれば、伝熱シ
ート27の一対の対向する端縁に沿って接着剤を塗布し
た後に、伝熱シート27に波形を形成している。これに
より、接着剤を伝熱シート27の折り曲げ前の平板状の
状態で、容易に且つ隙間なく塗布することができる。ま
た、接着剤を連続して塗布すれば、確実に封止すること
ができて、より好ましい。
【0068】また、上述の製造方法では、伝熱シート2
7の両面に塗布する接着剤の盛り上げ高さHは、伝熱シ
ート27の波形のピッチに応じて設定されているので、
波形の間に接着剤が充填されることとなり、塗布された
接着剤の盛り上がり高さで、波形のピッチが規制され
る。また、伝熱シート27の両側に接着剤があるので、
均一なピッチの波形を得ることができる。
【0069】また、断面波形の伝熱シート27は、長尺
のシート材を利用して容易に製造できる。また、波形の
頂部27mの延びる第1の方向を、シート材の長手方向
と直交させる場合には、長尺のシート材を利用して製造
しやすく、また、波形も変形し難い。
【0070】ところで、上述の実施の形態の熱交換エレ
メント24では、第1風路51へ空気を流すための下フ
ァン31は第1風路51の下流側にあり、第2風路52
へ空気を流すための上ファン32は第2風路52の上流
側にある。このような場合、上ファン31と下ファン3
2とを運転すると、第2風路の気圧が第1風路に比べて
高くなることがある。このような場合、伝熱シート27
の剛性が低い場合等では、伝熱シート27の波形が気圧
差により変形するので、第2風路52が広がる一方、第
1風路51が狭まり、その結果、第1風路51の圧力損
失が増し、同時にその風量も低下してしまう。
【0071】このような課題を解決するべく、図10に
示すように、伝熱シート27の表面には、隣接する波形
の頂部27mの間の間隔を規制する間隔規制部材55が
突出している。この間隔規制部材55は、伝熱シート2
7の一対の風路の各谷の内部にそれぞれ設けられ、伝熱
シート27の表面27sから突出するリブ状に形成され
ている。間隔規制部材55は、波形の谷の深さ方向に、
波形の頂部27mの近傍(谷への入口となる)から、谷
底と山の頂部との略中間部とにかけて、複数箇所例えば
2カ所に設けられている。
【0072】間隔規制部材55のリブ形は、波形の頂部
27mと平行に延びており、略3角形断面を有してい
る。間隔規制部材55は、対向する伝熱シート27の表
面27tに向かって、例えば、第2の方向に沿う方向に
突出している。リブの先端は丸められ、また、リブと、
リブの周囲にある伝熱シート27の表面27sとは、な
めらかにつながっている。間隔規制部材55の突出高さ
は、次のように設定されている。すなわち、リブの先端
が、これに対向する伝熱シート27の表面27tと接触
するときに、その間隔規制部材55が設けられている風
路の断面積を予め定める大きさで確保できるようにされ
ている。また、通常の使用状態では、リブの先端は対向
する伝熱シート27の表面27tに接触しないようにさ
れており、これにより、隙間が確保されて、谷底にまで
空気が流れ易くされている。なお、間隔規制部材55
を、対向する伝熱シート27の表面27tに常時接する
ように設けても構わない。
【0073】また、間隔規制部材55は、風路の第1の
方向に沿った中間部、例えば、区画材28のある位置に
設けられている。この位置では、間隔規制部材55は、
風路の入口と出口を回避できるので、風路への空気の出
入りを妨げることを防止できる。間隔規制部材55は、
伝熱シート27の一方の表面を窪ませて、この表面に対
する裏面から突出させることで、伝熱シート27に一体
に形成されている。このように一体に形成された間隔規
制部材55は、これを設けることに起因する重量の増加
や、構造の複雑化を防止することができる。また、間隔
規制部材55を設けることで、伝熱シート27の裏面に
窪みが生じる場合には、この窪みに他の間隔規制部材5
5が入り込むことがないように配置するのが好ましい。
例えば、第1風路51に設けられている間隔規制部材5
5と、第2風路52に設けられている間隔規制部材55
とを、波形の深さ方向の位置を異ならせて、それぞれ配
置すればよい。
【0074】なお、間隔規制部材55は、リブ状の他、
円錐や角錐等の錘状や、その先端の丸まったもの等の略
錘状でもよく、要は、伝熱シート27の表面27sに突
起部があればよい。また、間隔規制部材55は、裏面に
窪みを有する中空状の他、伝熱シート27の表面に別体
の突起状の部材を取り付けて、裏面に窪みが生じないよ
うに形成してもよい。また、間隔規制部材55は、一対
の風路の少なくとも一方に設ければよく、両方の風路に
設けることで、波形を確実に維持できて、より一層好ま
しい。
【0075】このように、間隔規制部材55の先端が、
これと対向する伝熱シート27の表面27tと当接する
ことで、伝熱シート27の波形の谷の間隔(表面27t
と表面27sとの、第2の方向に沿う間隔)を規制でき
るので、万一過大な力が伝熱シート27にかかったとし
ても、一対の風路の断面積を確保できる結果、風路の風
量を確保して、熱交換効率を維持することができる。ま
た、このように波形が崩れ難くなるので、伝熱シート2
7を扱う際の注意を厳重にせずにすみ、伝熱シート27
を扱い易い。
【0076】また、リブ状に延びた間隔規制部材55
は、伝熱シート27の剛性を高めることができる。すな
わち、リブは、リブの延びる方向と交差する方向に延び
る軸線周りの曲げモーメントに対する曲げ剛性を高める
ことができるので、伝熱シート27の波形を維持するこ
とができる。また、間隔規制部材55は、伝熱シート2
7の風路に面した表面積を増すので、熱交換効率を高め
ることができる。
【0077】また、上述のように一対の風路間の圧力差
が大きくなる場合であっても、確実に風路を確保して、
圧力損失の増加を防止することかできる。換言すれば、
一対の風路間の圧力差を許容できることから、熱交換エ
レメントに対する送風機等の風量や圧力等の設定の自由
度を高くできる。なお、上述の実施の形態では、第2の
方向に沿って測った波形の谷の幅寸法は、第1風路51
と第2風路52とで同じに設定され、両風路の断面積は
同じにされていたが、これには、限定されない。例え
ば、図9の断面図に示すように、第2の方向に沿って測
った波形の谷の幅寸法を、第1風路51と第2風路52
とで異ならせて、両風路の断面積を異ならせてもよい。
すなわち、第1風路51の上述の谷となる部分27bの
幅寸法W1と、第2風路52の上述の谷となる部分27
cの幅寸法W2とを異ならせる。この場合、第1風路5
1では、波形の谷の幅寸法W1と山の幅寸法W5(他方
の風路で谷となる)とが異なる。このようにすること
で、第1風路51と第2風路52とで、風量の比を変え
る、例えば、谷の幅が広い風路で風量を大きくすること
ができる。また、第1風路51と第2風路52とが同風
量の場合には、谷の幅が広い風路で圧力損失を少なくす
ることができる。このような波形を得る場合、伝熱シー
ト27の両面に塗布する接着剤29の盛り上げ高さを、
第1風路51と第2風路52との谷の幅寸法Wの比に応
じて、伝熱シート27の表裏で異ならせれば、より好ま
しい。例えば、幅の広い谷(幅寸法W1)が形成される
表面での、接着剤の盛り上げ高さH1を、幅の狭い谷
(幅寸法W2)が形成される表面での、接着剤の盛り上
げ高さH2よりも大きくすればよい。このように、第2
の方向に沿って測った、波形の谷の幅寸法W1,W2に
応じた、見方を変えれば、波形の山と谷の幅寸法W1,
W5に応じた、接着剤の塗布厚H1,H2とすること
で、波形の変形を防止でき、予め設定した風量比や、圧
力損失の比を確実に得ることができる。
【0078】また、上述の実施の形態では、伝熱シート
27の波形は矩形であったが、V字型でもよい。図7に
示すように、V字形は、山の頂部が稜線で構成されてお
り、山の頂部と谷底部とを接続する部分が斜面で形成さ
れている。このように、波形を略V字形とした伝熱シー
ト27は、一般的に安価に製造でき、そのうえ、波形を
矩形に形成する場合に比べて、波形の形状が崩れ難く、
形状のばらつきが少ない波形を得ることができる。ま
た、略V字形の場合は、風路の入口や出口において、実
質的な開口面積を広くとれるので、風路での圧力損失を
少なくできる。ここで、略V字形とは、V字形の他に、
V字形の頂部が丸まったもの、V字形の一対の斜面の少
なくとも一方が湾曲面や複数の傾斜面で形成されたもの
を含む。
【0079】また、本発明の熱交換エレメント24に、
熱交換機能の他に、光触媒による脱臭等の、空気浄化機
能を持たせることもできる。この場合には、熱交換と同
時に脱臭等を行えて、熱交換エレメント24をより一層
小型化することができる。例えば、上述の伝熱シート2
7の素材に光触媒を混入したり、伝熱シート27の表面
に光触媒をコーティングすることで、光触媒担持体とし
て機能する伝熱シート27を得ることができる。この伝
熱シート27の表面または内部に、紫外線の照射を受け
て臭い成分等を分解する光触媒が担持されている。この
光触媒を励起させるための光源90を、伝熱シート27
を照明できるように、例えば、第1ケーシング21内に
設ければよい。伝熱シート27に光を照射することで、
光、特に紫外線が光触媒を励起して、風路内で光触媒の
周囲の空気を浄化することができる(図8参照)。
【0080】このように、伝熱シート27に担持した光
触媒で空気を浄化でき、しかも、光触媒を担持する部材
を別途設けずに済むので、換気装置等の構造を簡素化し
つつ、上述の担持する部材に空気を通す場合に想定され
る圧力損失の増加も防止することができる。また、本実
施の形態の熱交換エレメント24は、薄型であるので、
光源からの光が伝熱シート27に担持された光触媒に確
実に到達することができ、効率よく浄化することができ
る。また、このような光触媒を担持した伝熱シート27
を有する場合には、区画材28、特に光源90のある側
に配置されたものを透明な素材で形成してもよい。この
場合には、光源90からの光が、区画材28で遮られず
に、伝熱シート27に担持された光触媒に確実に至るこ
とができ、空気浄化の効率を高めることができて好まし
い。
【0081】光触媒は、紫外線等の光を吸収し、そのエ
ネルギを反応物質に与えて化学反応を起こさせる物質を
意味する。この光触媒が有する主な機能としては、臭
い成分の除去による脱臭機能や、臭い成分でない汚染
物質を分解する機能や、微生物の殺菌やウィルスの不
活化を行なう機能(いわゆる殺菌、抗菌機能)等も含ま
れるが、これらの機能は、何れも光触媒の有する酸化分
解機能によって達成されるものである。
【0082】ここで、酸化分解機能を有する光触媒とし
ては、アナタース型の結晶構造を持つ酸化チタン(Ti
2 )を例示することができる。このアナタース型の結
晶構造を持つ酸化チタンであれば、弱い紫外線でも高い
浄化能力を発揮できる点で好ましい。また、酸化亜鉛
(ZnO)および酸化タングステン(WO3 )等を用い
てもよい。
【0083】光源90は、例えば、直管型の冷陰極型蛍
光ランプである。光源90は、波長320〜420nm
の光を発することができ、人体への悪影響が無く、しか
も、TiO2 、ZnO等の光触媒を活性化させて効率よ
く汚染物質を浄化することができる。なお、光源90と
しては、光触媒を励起できる光を発することができるも
のであればよく、特に、紫外線を照射できるものが、浄
化効率を高めるうえで好ましい。
【0084】また、上述の実施の形態では、天井裏設置
型の換気装置1として構成された空気調和装置を例に説
明したが、本発明の熱交換エレメント24、エレメント
主体25、熱交換ユニット2を他の空気調和装置に適用
してもよい。また、上述の熱交換エレメント24を複数
を連結して使用してもよい。例えば、単一の伝熱シート
27を支持する枠体26を、複数の伝熱シート27に対
して一体に形成して、熱交換エレメント24を構成して
もよい。
【0085】その他、本発明の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことが可能である。
【0086】
【発明の効果】請求項1記載の発明の熱交換エレメント
によれば、以下の効果を奏する。すなわち、伝熱シート
の両面と、その波形の頂部にそれぞれ沿う一対の区画材
との間に風路を区画し、区画材の前後に風路の入口と出
口とが設けられている。これによって、単一の伝熱シー
トの波形の高さに一対の区画材の厚みを加えた分の非常
に薄い厚みスペースにおいて、入口、出口を含めた各風
路をコスト安価に区画できる。しかも、対向流を流す各
風路の間で熱交換できるので、従来の直交流型の熱交換
エレメントよりも優れた熱交換効率を得ることができ
る。また、熱交換エレメントを、波形の高さ方向に直交
する方向に長い薄型の直方体状とすることで、壁面や天
井裏に設置するのに適して、且つ熱交換容量が大きいも
のを得ることができ、特に、波形を横断する方向に沿う
長さを長くしたものでは、圧力損失の低下を招かない点
で好ましい。
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】また、伝熱シートと枠体とで構成されたエ
レメント主体では、これと別体に設けた区画材を組み合
わせて、上述の熱交換エレメントによる効果を得ること
ができる。また、熱交換エレメントのランニングコスト
を低くすることができる
【0093】特に、伝熱シートの一対の対向する端縁に
沿って接着剤を塗布した後に、伝熱シートに波形を形成
する製造方法では、接着剤を伝熱シートの折り曲げ前の
平板状の状態で塗布するので、容易に且つ隙間なく塗布
することができる。
【0094】請求項記載の発明の製造方法によれば、
請求項記載の発明の効果に加えて、以下の効果を奏す
る。すなわち、伝熱シートの両面に塗布する接着剤の盛
り上げ高さは、伝熱シートの波形のピッチに応じて設定
されているので、波形のピッチを、接着剤の盛り上がり
高さで規制できる結果、均一なピッチの波形を得ること
ができる。請求項3記載の発明の熱交換ユニットによれ
ば、請求項1記載の発明の熱交換エレメントによる効果
を得ることができ、これに加えて、一対のケーシングの
壁により、空気を確実に伝熱シートに沿わせて流すこと
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の熱交換エレメントを備
えた換気装置の概略構成図である。
【図2】図1の換気装置の熱交換ユニットの分解斜視図
である。
【図3】図2の熱交換ユニットの側面断面図である。
【図4】図2の熱交換ユニットの正面断面図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の熱交換ユニットの側
面断面図である。
【図6】図1の熱交換エレメントの製造工程を示す説明
図である。
【図7】本発明の別の実施の形態の熱交換ユニットの正
面断面図である。
【図8】本発明のまた別の実施の形態の熱交換エレメン
トと光源との概略構成図である。
【図9】図2の熱交換エレメントの要部拡大正面断面図
である。
【図10】図2の伝熱シートの他の実施の形態の要部拡
大側面図である。
【符号の説明】
2 熱交換ユニット 20 ユニットケーシング 24 熱交換エレメント 25 エレメント主体 26 枠体 27 伝熱シート 27m 頂部 27s 表面 28 区画材 51 第1風路 51 第2風路 511,521 入口 512,522 出口 55 間隔規制部材 A1 第1の方向(波形の頂部が延びる方向) A2 第2の方向(波形の頂部を横断する方向)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−170887(JP,A) 特開 平9−152230(JP,A) 特開 平8−296992(JP,A) 特公 昭63−35900(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F28D 9/00 F24F 7/08 101 F28F 3/00 301 F28F 9/00 331

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】断面波形の単一の伝熱シート(27)と、 この伝熱シート(27)を保持する枠体(26)と、 伝熱シート(27)の両面の波形の頂部(27m) にそれぞれ沿
    って波形を横断し、対向する伝熱シート(27)の面との間
    にそれぞれ風路(51,52) を区画する一対の区画材(28)と
    を備え、 各区画材(28)は、波形の頂部(27m) が延びる方向(A1)の
    中間部に配置され、 波形の頂部(27m) が延びる方向(A1)に沿って区画材(28)
    の前後に風路(51,52)の入口(511,521) と出口(512,522)
    とが設けられている熱交換エレメント(24)に用いられ
    るエレメント主体(25)の製造方法であって、 上記エレメント主体(25)は、枠体(26)と伝熱シート(27)
    とで構成され、 上記伝熱シート(27a) の一対の対向する端縁に沿って接
    着剤(29)を塗布し、 次に、接着剤(29)を塗布した端縁の延びる方向に波形が
    並ぶように、伝熱シート(27a) に波形を形成することを
    特徴とするエレメント主体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載のエレメント主体(25)の製造
    方法において、 上記接着剤(29)を、伝熱シート(27a) の両面に、伝熱シ
    ート(27)の波形のピッチに応じて設定された盛り上げ高
    さ(H1,H2) で塗布することを特徴とするエレメント主体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】断面波形の単一の伝熱シート(27)と、 この伝熱シート(27)を保持する枠体(26)と、 伝熱シート(27)の両面の波形の頂部(27m) にそれぞれ沿
    って波形を横断し、対向する伝熱シート(27)の面との間
    にそれぞれ風路(51,52) を区画する一対の区画材(28)と
    を備え、 各区画材(28)は、波形の頂部(27m) が延びる方向(A1)の
    中間部に配置され、 波形の頂部(27m) が延びる方向(A1)に沿って区画材(28)
    の前後に風路(51,52)の入口(511,521) と出口(512,522)
    とが設けられた熱交換エレメント(24)、 およびこの熱交換エレメント(24)を覆いつつ両側から挟
    持して風路(51,52) へ空気を案内する一対のケーシング
    (21,22) を有し、 各ケーシング(21,22) は、区画材(28)に当接してケーシ
    ング内を入口(511,521) および出口(512,522) にそれぞ
    れ連通する入口室(21c,22c) および出口室(21d,22d) に
    仕切る壁(21b,22b) を含む ことを特徴とする熱交換ユニ
    ット。
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