JP4280877B2 - 車両用空気清浄機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用空気清浄機に関し、特に、光触媒フィルタを用いた車両用空気清浄機に関する。
【0002】
【従来の技術】
走行中の車両の室内の空気は、搭乗者が多い窓締切時に二酸化炭素の濃度の増加により酸欠状態になりがちであるが、こうした締切による問題は、空気調和装置の作動による外気と内気の入替えで解消することができる。しかしながら、空気調和装置による換気を行っても、車室内の空気は、特に渋滞路走行時等に、自車両も含めて並走する他の車両が排出する窒素酸化物(NOx)、一酸化炭素(CO)等の吸い込みにより汚染されがちであることが近時認識されるに至っている。そこで、最近、車載式の各種の空気清浄機が使用され始めている。
【0003】
一般的な空気清浄機には、脱臭のためにフィルタに活性炭を含ませて物理的な吸着を利用する単純なものから、細菌、ウィルス等を含めた各種の有害物質を複合的に除去するために化学的な反応を利用する複雑なものまで、種々のものがある。こうした中で、近時、酸化チタン(TiO2 )に代表されるような半導体光触媒に紫外線等の光をエネルギとして与えると半導体が分極し、その触媒作用による高い酸化エネルギが得られることが知られるようになり、こうした光触媒反応装置を用いて総合的に浄化を行う空気清浄機が実用に供されるに至っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のように、車室内の空気の浄化のために、従来の集塵フィルタと併せて光触媒反応装置を利用する場合、小さな占有スペースで最大限の接触面積を確保して、十分な触媒反応を得る上では、空気の流れに平行に光触媒フィルタを配置する接触式の形態を採るよりは、集塵フィルタと同様に空気を透過させる透過型形式を採るのが有効である。その場合、反応に必要な面積を確保するためには、光触媒フィルタは厚みのあるものとなり、しかも、従来の集塵フィルタとの組み合わせの関係から、圧損に強いシロッコファンを送風手段に用いても、両フィルタを含めたダクトの圧損を最小限に抑える対策を講じないと、車両のバッテリを動力源とする制約されたエネルギ消費の範囲内での実用化は困難である。
【0005】
そこで本発明は、車両への搭載性の面から可及的に短い流路構成としたフィルタ収容筐体の圧損を、その形状の工夫により低減させて、光触媒反応による総合的な空気浄化を可能とした車両用空気清浄機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、送風ファンに接続された入口開口に対して屈曲した方向に出口開口を有し、実質的に一様な横幅の矩形断面の流路を画定する筐体と、流路を横断して配設された光触媒フィルタ及び集塵フィルタを備える車両用空気清浄機において、前記集塵フィルタは前記送風ファンより下流に配置され、前記光触媒フィルタが、前記送風ファンより最も遠ざけた位置で前記筺体の出口開口付近に配置されるとともに、該光触媒フィルタが前記集塵フィルタより下流に配置され、更に、前記光触媒フィルタが、前記集塵フィルタ側に設けられた上流側の光触媒フィルタと、前記筺体の出口開口側に設けられた下流側の光触媒フィルタとからなり、前記上流側および下流側の光触媒フィルタが、いずれも、平坦な板材の一側面に波板を接着した段ボール状の紙材を板厚方向に多数積層した構成とされ、それにより基材の板厚方向に多数の通風隙間が形成されたフィルタ基材と、このフィルタ基材内全体に抄き込まれて担持された光触媒粒子と、前記フィルタ基材の出口開口側に抄き込まれて担持された活性炭粒子とを有し、前記集塵フィルタと前記上流側の光触媒フィルタとの間にはダクトが設けられ、前記入口開口が、送風ファンの吐出口の面積の1.6倍〜1.8倍とされたことを構成の主たる特徴とする。
【0008】
上記構成において、前記集塵フィルタは、その上辺を筐体の上壁に接しさせ、下辺を筐体の底壁と端壁の屈曲部に接しさせて、筐体により画定される流路を斜めに横断して配置された構成とするのが有効である。
【0009】
また、前記集塵フィルタは、その上辺を入口開口の上辺に接し、下辺を入口開口から出口開口方向に離れた筐体の底壁に接して配置された構成とするのが有効である。
【0010】
上記の構成において、前記筐体の底壁は、入口開口側から集塵フィルタの下辺が接する側に向かって、少なくともその途中から集塵フィルタの前面に近づく方向へ傾斜を付された構成を採るのが有効である。
【0011】
あるいは、前記の構成において、前記筐体の底壁は、その入口開口側に対して遠い側を集塵フィルタの前面に近づける段差を付された構成とすることもできる。
【0012】
【発明の作用及び効果】
前記請求項1記載の構成では、送風ファンの吐出圧が比較的高い状態のままで筐体の入口に導かれ、光触媒フィルタと集塵フィルタに高い圧力勾配を与えることができるため、筐体内での空気の流れを円滑にして筐体の圧損を小さくすることができる。特に、集塵フィルタを送風ファンより下流に配置し、また光触媒フィルタを、送風ファンより最も遠ざけた位置で筺体の出口開口付近に配置するとともに、該光触媒フィルタを集塵フィルタより下流に配置し、かつ集塵フィルタと光触媒フィルタとの間にダクトを設けることで、筐体の圧損を一層低減することができる。
【0013】
その場合、筐体入口開口面積/ファン吐出口面積が1.6〜1.8のときに筐体圧損は最小となる。したがって、この構成によれば、両フィルタの面積に対して相対的に容量の小さな送風ファンを用いて車両用空気清浄機を構成することができる。
【0014】
次に、請求項2に記載の構成では、筐体により画定される流路の断面積に比して面積の大きな集塵フィルタを流路長を長くすることなく配置することができるため、車両用空気清浄機のコンパクト化が可能となる。しかも、上記のように集塵フィルタ面積を大きく採ることで、集塵フィルタ部での圧損を抑えて、光触媒フィルタに高い圧力勾配をかけることができる。
【0015】
また、請求項3に記載の構成では、集塵フィルタへの偏流によるロスを流路長を延長することなく防ぐことができ、圧損を最小限に抑えながら流路の短縮が可能となるため、車両用空気清浄機の一層のコンパクト化が可能となる。
【0016】
更に、請求項4に記載の構成では、筐体を含めた流路全体の圧損を一層低減することができる。
【0017】
また、請求項5に記載の構成では、特に、筐体部の圧損を低減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。図1は本発明の一実施形態に係る車両用空気清浄機を模式化して断面で示し、図2はその部分断面を示す。両図に示すように、この空気清浄機は、送風ファン1と、それに接続された筐体2と、筐体2内に配設された光触媒反応装置3と、集塵フィルタ4から構成されている。そして、筐体2は、送風ファン1に接続された入口開口21に対して屈曲した方向に出口開口22を有し、実質的に一様な横幅の矩形断面の流路Dを画定しており、光触媒反応装置3のフィルタ30a,30bと集塵フィルタ4は、流路Dを横断して配設されている。
【0019】
送風ファン1は、空気を軸線方向(図1において上方)から吸入し、接線方向(図1において横方向)に吐き出すシロッコファンで構成されている。こうしたシロッコファンは、他の形式のファンに比べて吐出圧を高くすることができるため、圧損に強いことが知られている。このシロッコファン1の吐出口11は、後に詳記するように、緩やかに拡大する流路断面で筐体2の入口開口21の形状に整合させるべく、次第に横幅を拡大されながら縦幅が縮小される接続ダクト12を介して筐体2の入口開口21に接続されている。なお、本明細書において、縦・横、上・下及び前・後という表現は、相対的な位置関係を特定する便宜上の表現であって、装置の設置時の位置関係を特定するものではない。
【0020】
筐体2は、集塵フィルタ4の横幅Wf及び縦幅Hfに対して、それぞれ実質上等しい横幅と長さとされ、フィルタ外形より若干大きい程度の矩形の箱型に構成され、その前端壁2fに入口開口21が形成され、後部から上方に延びる筒状部23の端部に出口開口22が形成されている。この筒状部23は、図1に見るように、送風ファン1に対して、互いの軸線位置が最も遠くなる位置関係に配置されている。このような矩形の箱型形状を採る理由は、仮に、十分な流路長を採れる場合は、屈曲部が緩かな円弧を形成する曲管状とすることができるのに対して、本発明が前提とするコンパクト性の要求下では、こうした構成を採ることが困難なことから、屈曲部が直角となるような急激な屈曲形状を採っている。そして、上記筒状部23は、光触媒反応装置3を構成するフィルタ30a,30bと紫外線ランプ31a,31bの収容部を構成している。このようにして、筐体2の出口開口22及び光触媒フィルタ30a,30bは、送風ファン1より最も遠ざけた位置に配置されている。
【0021】
本発明の特徴に従い、筐体2の入口開口21は、送風ファン1の吐出口11を出た空気が徐々に膨張しながら入口開口21に至るように、吐出口11の面積より若干広い面積とされ、具体的にはファン吐出口面積の1.6倍〜1.8倍とされている。こうした構成を採る理由を次に説明する。図3はフィルタを流路に対して垂直に配置した場合について、上記吐出口11と入口開口21の面積関係を異ならせて比較したものである。なお、この場合のフィルタは、前記実施形態のものと実質上同様の集塵性能が得られるように、縦幅を1/2とし、厚さを2倍としている。図の(A)に示すものでは、筐体2の高さをフィルタの縦幅Hfに合わせ、接続ダクト12の断面形状を筐体2の入口部21でフィルタの縦幅Hfに合うように順次拡幅させており、(B)に示すものでは、筐体2の入口部21の縦幅をフィルタの縦幅Hfに合わせるのではなく、接続ダクト12の断面積が筐体2の入口部21までほぼ一定となるように接続ダクト12の縦幅を横幅の拡大に合わせて順次縮小させた結果、横幅が筐体2の横幅と一致したときの縦幅を目安として設定している。この場合の圧損は、後者の場合(B)の方が小さくなることが実測される。ちなみに、フィルタ寸法を横幅200mm、縦幅100mm、厚さ100mmとした場合について、(A)の形状では実測される筐体圧損が3.8mmAqとなるのに対して、(B)の形状では、上記の断面積がほぼ一定の条件を満たす縦幅Hiより若干広めの35〜40mmにおいて、3.0mmAqに低下する。この理由は、必ずしも明らかでないが、前者の場合(A)に比して後者の場合(B)の方がフィルタにかかる圧力勾配が大きくなることが、円滑な空気の流れを促すためと考えられる。
【0022】
こうした実験結果を踏まえて、入口開口21の面積をファン吐出口11の面積に対して種々変化させたときの筐体圧損を理論値と実験値とで比較した結果を図4に示す。図において、点線は理論計算値、実線は測定値、破線は入口開口面積の拡縮に伴う接続ダクト12部での流路の緩かな拡縮による圧損分を示す。この場合、筐体圧損の理論計算値は、接続ダクト部での流路断面の緩やかな縮小又は拡大による圧損分と、筐体入口部での流路の急激な拡大による圧損分と、筐体出口部での流路の急激な縮小による圧損分と、流路の屈曲による圧損分の総和を計算したものである。
【0023】
図4を参照して判るように、シロッコファン1の吐出口11の面積に対する入口開口21の面積の拡縮が最も小さくなる点、すなわち入口開口面積/ファン吐出口面積(以下、開口面積比という)が1となる点に対して、それより開口面積比が小さくなっても、逆に大きくなっても、これによる圧損分は一定の開口面積比の範囲では概ねリニアに上昇する。これに対して、筐体全体の圧損は、開口面積比の変化に対して曲線的に変化し、一定の開口面積比のところで最小値となる。図には示されていないが、更に入口開口面積を大きくすると、上記接続ダクト12部の緩かな拡大による圧損分が急激に大きくなり、トータルの圧損も大きくなると推定される。この結果から、筐体圧損は、入口開口21の面積がファン吐出口11の面積の1.6倍〜1.8倍のとき、特に約1.7倍(図に×印で最適値として示す)で最小となることが判る。
【0024】
次に、光触媒フィルタ30a,30bは、触媒としてアナターゼ型二酸化チタン(TiO2 )、酸化亜鉛(ZnO)、三酸化タングステン(WO3 )等公知の材料を単独又は複合させて用い、必要に応じて活性炭を吸着材として用いるものとされている。具体的には、フィルタ基材は平坦な板材の一側面に波板を接着した段ボール状の紙材を板厚方向に多数積層した構成とされ、それにより基材の板厚方向に多数の通風隙間30sが形成されている。こうした基材に対して、触媒粒子は基材内全体に抄き込まれて担持されている。この場合、特に紫外線ランプ31a,31bに面する側の領域については、密度を上げるのが有効である。また、活性炭粒子についても同様に基材内に抄き込まれて担持されるが、その領域はフィルタ基材の出口開口側とするのが有効である。
【0025】
こうした構成からなる光触媒フィルタ30a,30bは、流路を横断するように並行に配置された一対の紫外線ランプ31a,31bを流路の上流側と下流側から挟むように一対配置されている。具体的には、一方の光触媒フィルタ30bは、筒状部23の出口開口22直近部に嵌め込まれ、他方の光触媒フィルタ30aは、それを嵌め込んだ支持枠32を筐体2にネジ止め等の適宜の手段で固定することで、出口開口22に隣接させて配置されている。この配置により、光触媒フィルタ30a,30bと出口開口22は、共に送風ファン1から最も遠い箇所に位置することになる。
【0026】
光触媒反応装置3の光源ランプを構成する紫外線ランプ31a,31bは、本形態において、それらの管面に紫外線を強く照射できるような材料の塗布が施された2本の蛍光管31a,31bで構成され、出口開口22側の筒状部23に配置された一対の光触媒フィルタ30a,30bの中間に、筐体に支持して並列配置されている。なお、図示されていないが、紫外線ランプ31a,31bの点灯回路は、車両のバッテリを電源とし、それを昇圧かつ高周波パルス化して蛍光管31a,31bに印加することでそれらの強力な放電を可能とするインバータ形式とされている。
【0027】
次に、広い透過面積を確保すべくプリーツ状とされた集塵フィルタ4は、その上辺4aを筐体の上壁2aに接しさせ、下辺4bを筐体2の底壁2bと後端壁2rの屈曲部2cに接しさせて、筐体2により画定される流路Dを斜めに横断して、筐体2に対して概ね水平に配置されている。詳しくは、筐体2の集塵フィルタ収容部は、若干断面形状を広げた形態に構成されており、フィルタ4を支持する枠体42ごと筐体2内に側方から挿入可能とされている。このための挿入開口24は、図1において紙面の裏側、図2において左側に形成され、枠体42の一面で蓋されるようになっている。
【0028】
ここで、上記傾斜配置を採る理由について説明する。図5は比較例として、流路を直角に横断する形態でフィルタ4を配置した場合を示す。図に示すように、フィルタ4は入口開口21が設けられた筐体前壁2fから所定量Lだけ離さなれているが、このようにしないと、空気がフィルタ4の全面を通過しないことになり、偏流によりフィルタ圧損は大きくなる。この関係を実測値で示すと、フィルタ寸法が横幅200mm、縦幅100mm、厚さ100mmで、フィルタ単独で測定した圧損が3.3mmAqのものについて、L=10mmのとき、フィルタ圧損は6.9mmAq、L=20mmのとき、フィルタ圧損は4.8mmAq、L=50mmのとき、フィルタ圧損は3.6mmAqとなる。このことは、筐体長さを長くする必要があることを意味する。これに対して、上記本形態のような構成を採ると、実質上上記のような偏流を防ぐための隙間長さLを採ることなく空気がフィルタ4の全面に分散して均一に通過するようになるため、フィルタ圧損を小さくすることができる。
【0029】
更に、本形態では、流路長を最小とすべく、フィルタ4は、その上辺4aを入口開口21の上辺21aに接し、下辺4bを入口開口21から出口開口22方向に離れた筐体2の底壁2bに接する(本形態では、この部位が底壁2bと後端壁2rの屈曲部2cと一致する)配置とされている。こうした配置の利点を原理的に表すと、図6に示すようになる。図はフィルタの厚さを0として流路形状を示すもので、ほぼ入口開口21と同様な断面積の屈曲前の入口側流路Diと、それより大きな断面積の出口開口と同様な断面積の屈曲後の出口側流路Doとがつながる屈曲部2cに効率よく大断面積のフィルタ4が収められていることがわかる。また、出口開口22と光触媒フィルタ30a,30bとを入口開口21から最も遠ざけた位置関係により、屈曲部2cから出口開口22に至る流路の外側(後端壁2r)が、入口開口21方向に戻ることなく、そのまま出口開口22まで直線状に延びているため、流路外側の空気の流れに対する抵抗も最小限に抑えられていることがわかる。
【0030】
図1に戻って、特にこの形態では、筐体2の入口開口21の下辺21bから集塵フィルタ4の下辺4bに至る底壁2bは、その途中から入口開口21側から出口開口22側に向かって漸次出口開口22方向へ傾斜を付されている。こうした形態を採る理由は、筐体底面はエア流入口から離れるほど、フィルタ4との隙間を小さくするほうが全圧損が小さくなることによる。ちなみに、この場合の筐体圧損は3.2mmAq、接続ダクト部圧損を含めた全圧損は5.7mmAqとなり、傾斜を付さない場合のそれらの値3.3mmAq及び6.6mmAqより小さくなる。
【0031】
なお、上記筐体の底壁2bの形状に関して、上記実施形態では傾斜を底壁の途中から設けたが、図7の変形形態に示すように、入口開口の下辺21bから傾斜を設ける構成を採っても同様の効果を得ることができる。また、筐体圧損を最小とするには、図8に示すように、筐体2の底壁2bは、その入口開口側に対して遠い側を集塵フィルタの前面に近づける段差2eを付された形態を採るのが有効であることが実験の結果から得られている。ちなみに、この場合の筐体圧損は2.9mmAq、接続ダクト部圧損を含めた全圧損は6.1mmAqとなる。
【0032】
こうした構成からなる空気清浄機では、図1に示すシロッコファン1から吸引された車室内の空気が、接続ダクト12を通して緩徐に膨張しながら入口開口21を経て筐体2内に送り込まれる。筐体2内の入口側ダクトDi部に入った空気は、該ダクト部で急激に膨張し、大面積の集塵フィルタ4を通って濾過され、比較的圧力降下の少ない状態で出口側ダクトDoに至る。出口側ダクトDoに至った空気は、入口開口21に対して遠い側に配置された筒状部23に入り、紫外線照射下の両光触媒フィルタ30a,30bの多孔隙間30sを通り、その際にフィルタに塗られた光触媒の強い酸化作用で、空気中の窒素酸化物、一酸化炭素、細菌、ウィルス、臭気成分等が分解されて無害化され、活性炭粒子及び基材に吸収される。こうして浄化された空気は、出口開口22から車室内に放出される。
【0033】
かくして、上記構成によれば、送風ファン1の吐出圧が比較的高い状態のままで筐体2の入口に導かれ、筐体2により画定される流路D内で集塵フィルタ4及び光触媒フィルタ30a,30bに高い圧力勾配を与えることができ、しかも、光触媒フィルタ30a,30bと出口開口22が送風ファン1に対して最も遠い位置にあることで、集塵フィルタ4を出た空気の流れが、途中で折り返し状となることがないため、筐体2内での空気の流れが円滑になり、筐体2の圧損が小さくなる。それにより集塵フィルタ4及び光触媒フィルタ30a,30bの面積に対して相対的に送風ファン1の容量を小さくすることができる。また、集塵フィルタ4の傾斜配置により、筐体2により画定される流路Dの断面積に比して面積の大きなフィルタ4を流路長を長くすることなく配置することができる。しかも、流路屈曲部への集塵フィルタ4の配置により、フィルタ4への偏流によるロスを流路長を延長することなく防ぐことができ、圧損を最小限に抑えながら流路Dの短縮により車両用空気清浄機の可及的なコンパクト化が可能となる。
【0034】
以上、本発明を特定の実施形態を参照して詳述したが、本発明はこれらの形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載の事項に基づき、更に種々の改変が可能なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両用空気清浄機の模式的断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】上記空気清浄機の筐体の入口開口に至る接続ダクト形状を他の形状と比較して示す斜視図である。
【図4】上記筐体の入口開口面積とファン吐出口面積の比と圧損の関係を示すグラフである。
【図5】上記実施形態とは異なる集塵フィルタ配置とした場合の筐体に必要とされる隙間長を示す断面図である。
【図6】上記筐体の流路形状を原理的に示す断面図である。
【図7】上記筐体の変形形態を示す斜視図である。
【図8】上記筐体の他の変形形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 シロッコファン(送風ファン)
2 筐体
2a 上壁
2b 底壁
2c 屈曲部
2r 後壁
2e 段差
4 集塵フィルタ
4a 上辺
4b 下辺
21 入口開口
21a 上辺
21b 下辺
22 出口開口
30 光触媒フィルタ
Claims (5)
- 送風ファンに接続された入口開口に対して屈曲した方向に出口開口を有し、実質的に一様な横幅の矩形断面の流路を画定する筐体と、流路を横断して配設された光触媒フィルタ及び集塵フィルタを備える車両用空気清浄機において、
前記集塵フィルタは前記送風ファンより下流に配置され、
前記光触媒フィルタは、前記送風ファンより最も遠ざけた位置で前記筺体の出口開口付近に配置されるとともに、該光触媒フィルタは前記集塵フィルタより下流に配置され、
更に、前記光触媒フィルタは、前記集塵フィルタ側に設けられた上流側の光触媒フィルタと、前記筺体の出口開口側に設けられた下流側の光触媒フィルタとからなり、
前記上流側および下流側の光触媒フィルタは、いずれも、平坦な板材の一側面に波板を接着した段ボール状の紙材を板厚方向に多数積層した構成とされ、それにより基材の板厚方向に多数の通風隙間が形成されたフィルタ基材と、このフィルタ基材内全体に抄き込まれて担持された光触媒粒子と、前記フィルタ基材の出口開口側に抄き込まれて担持された活性炭粒子とを有し、
前記集塵フィルタと前記上流側の光触媒フィルタとの間にはダクトが設けられ、
前記入口開口は、送風ファンの吐出口の面積の1.6倍〜1.8倍とされたことを特徴とする車両用空気清浄機。 - 前記集塵フィルタは、その上辺を筐体の上壁に接しさせ、下辺を筐体の底壁と端壁の屈曲部に接しさせて、筐体により画定される流路を斜めに横断して配置された、請求項1記載の車両用空気清浄機。
- 前記集塵フィルタは、その上辺を入口開口の上辺に接し、下辺を入口開口から出口開口方向に離れた筐体の底壁に接して配置された、請求項1記載の車両用空気清浄機。
- 前記筐体の底壁は、入口開口側から集塵フィルタの下辺が接する側に向かって、少なくとのその途中から集塵フィルタの前面に近づく方向へ傾斜を付された、請求項2又は3記載の車両用空気清浄機。
- 前記筐体の底壁は、その入口開口側に対して遠い側を集塵フィルタの前面に近づける段差を付された、請求項2又は3記載の車両用空気清浄機。
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