JPH11290693A - 空気浄化触媒、該空気浄化触媒の製造方法、該空気浄化触媒を用いた触媒構造体及び該触媒構造体を備えた空気調和機 - Google Patents

空気浄化触媒、該空気浄化触媒の製造方法、該空気浄化触媒を用いた触媒構造体及び該触媒構造体を備えた空気調和機

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JPH11290693A
JPH11290693A JP10099563A JP9956398A JPH11290693A JP H11290693 A JPH11290693 A JP H11290693A JP 10099563 A JP10099563 A JP 10099563A JP 9956398 A JP9956398 A JP 9956398A JP H11290693 A JPH11290693 A JP H11290693A
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air
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photocatalyst
air purification
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JP10099563A
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Kenkichi Kagawa
謙吉 香川
Teiichi Usami
禎一 宇佐見
Masanori Kawazoe
政宣 川添
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間に亘って継続して触媒作用を発揮する
空気浄化触媒を実現し、該空気浄化触媒を用いて空気浄
化を確実に行う。 【解決手段】 室温状態で触媒作用を発揮する粉末状の
酸化触媒と、TiO2を含む光触媒とにより空気浄化触媒を
構成する。そして、この酸化触媒粒子の表面に多数の光
触媒を高分散担持させる。酸化触媒及び光触媒は、臭気
物質又は有害物質を酸化分解して無臭化又は無害化す
る。所定形状の基材の表面に空気浄化触媒及び吸着剤を
付着させて、浄化部材(20)を形成する。浄化部材(2
0)は、前面及び背面に開口する多数の浄化通路を備え
る。浄化部材(20)、ランプ(16)及びファン(17)を
ケーシング(11)内の空気通路(14)に配置する。ケー
シング(11)内に吸い込まれた空気は浄化部材(20)の
浄化通路を流れ、空気浄化触媒及び吸着剤により空気中
の臭気物質又は有害物質を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気中の臭気物質
又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する空気浄化
触媒、該空気浄化触媒の製造方法、触媒構造体及び該触
媒構造体を備えた空気調和機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、ビルや住宅の気密性が向上するに
従って、室内空気中の臭気や有害ガスの除去に対する関
心が高まっている。これに伴って、臭気や有害ガスの除
去策、つまり空気浄化策について様々な提案がなされて
いる。
【0003】例えば、上述の空気浄化策としては、臭気
物質や有害物質を吸着剤に吸着させて室内空気から除去
する方法がある。しかし、この方法を用いた場合、空気
中の臭気物質等が吸着剤に蓄積されてゆく。その一方、
吸着剤が吸着できる臭気物質等の量には限度がある。こ
のため、室内空気の浄化を継続して行うには、吸着剤を
定期的に、例えば数カ月毎に交換する必要があり、空気
浄化に要する費用や労力が過大なものとなっていた。
【0004】これに対し、吸着剤と酸化触媒とを組み合
わせて空気浄化を行う方法が提案されている。例えば、
特開平5−146683号公報に開示されているよう
に、臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤と臭気物質
又は有害物質を分解する酸化触媒とを備える触媒構造体
を形成し、この触媒構造体を空気清浄に利用するものが
ある。そして、上記触媒構造体の吸着剤に臭気物質又は
有害物質を吸着させる一方、該触媒構造体をヒータで加
熱することにより、吸着剤に吸着された臭気物質又は有
害物質を脱離させて該吸着剤の再生を行う。また、この
再生と同時に酸化触媒が加熱によって活性化し、活性化
した酸化触媒が、吸着剤より脱離した臭気物質又は有害
物質を酸化分解して無臭化又は無害化する。即ち、定期
的に吸着剤の再生動作を行うことにより吸着剤の吸着能
力を維持し、空気浄化を連続して行うようにしている。
【0005】また、光触媒を用いて空気浄化を行う方法
も提案されている。この光触媒とは、そのバンドギャッ
プ以上のエネルギーを持つ波長の光を照射されて励起
し、触媒作用を発揮するものである。そして、例えば、
特開平7−171408号公報に開示されているような
光触媒粒子を結着剤で結着させて成る触媒構造体を形成
し、該触媒構造体を用いて空気浄化を行うことが考えら
れる。つまり、光触媒を含む該触媒構造体に室内空気を
接触させる一方、該触媒構造体に所定波長の光を照射
し、光触媒で臭気物質等を酸化分解し、室内空気の浄化
を行う。
【0006】尚、上記酸化触媒及び光触媒は、何れも触
媒作用により対象物質を酸化して分解するものである
が、本明細書においては一般に用いられる場合と同様
に、酸化触媒は、光触媒を除く概念である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、吸着剤
と酸化触媒とを組み合わせて空気浄化を行う場合、充分
な触媒作用を得るためには酸化触媒をヒータ等で高温状
態(200℃以上)に維持する必要がある。従って、酸
化触媒を高温状態に維持するのに多大なエネルギを要
し、空気浄化に要するエネルギが過大になるという問題
がある。また、室内空気と高温状態の酸化触媒とが接触
させるため、浄化後の浄化空気は高温となる。このた
め、冷房された部屋で空気浄化を行うと、空調負荷が増
大し、室内の冷房に要するエネルギの増大を招くという
問題がある。
【0008】これに対し、室温状態や従来よりも低い温
度で触媒作用を発揮して臭気物質又は有害物質を酸化分
解する酸化触媒を用いることも提案されている。しかし
ながら、この種の酸化触媒には、発揮できる触媒作用が
次第に低下するという、いわゆる経時劣化の問題があっ
た。つまり、空気中には様々な臭気物質又は有害物質が
含まれており、物質によっては上記酸化触媒により酸化
されて中間生成物に変化し、更には該中間生成物が難酸
化性の化合物に変化するものがある。そして、この難酸
化性の化合物は、酸化触媒の表面に留まって蓄積されて
ゆく。このため、酸化触媒と臭気物質との接触が該中間
生成物によって次第に妨げられ、酸化触媒の触媒作用の
低下を招いていた。
【0009】一方、上記光触媒は光を受けて励起し、臭
気物質又は有害物質を酸化分解する。この光触媒によれ
ば、臭気物質又は有害物質を完全に分解することがで
き、上記酸化触媒により酸化分解を行う場合のような中
間生成物は生成しない。従って、光触媒については、上
述のような中間生成物の発生に起因して発揮できる触媒
作用の低下は生じない。更に、光触媒によれば、光触媒
に照射する光の強弱に拘わらず、上述のように臭気物質
等を完全に分解することができる。これは、光は量子化
されたエネルギであり、光の強弱とは関係なく個々の光
子が持つエネルギは一定だからである。ただし、光触媒
で分解できる臭気物質又は有害物質の絶対量は、照射さ
れる光が強いほど多くなる。
【0010】しかしながら、この光触媒を励起させるに
は紫外線(波長が300〜400nm程度)の照射が必要とな
る。従って、光触媒を用いて空気浄化を行うには、紫外
線を発生可能なランプ等の光源が必要となる。その一
方、紫外線の発生量が多いランプは寿命が短く、長寿命
のランプには充分な量の紫外線を発生できるものがな
い。このため、光触媒のみを用いて分解される臭気物質
等の量を確保しようとすると、紫外線発生量の多い短寿
命のランプを用いなければならず、ランプの頻繁な交換
が必要となる。また、長寿命のランプを光源として用い
ると、光触媒へ照射される紫外線量が減少して分解され
る臭気物質等の量が減少し、空気浄化を確実に行うこと
ができない。
【0011】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、長期間に亘って継続
して触媒作用を発揮する空気浄化触媒(40)を実現し、
該空気浄化触媒(40)を用いて空気浄化を確実に行うこ
とにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒(42)
と酸化触媒(41)とを組み合わせることにより、室温状
態で紫外線の照射量が少ない状態でも充分な空気浄化を
行うようにしたものである。
【0013】具体的に、本発明が講じた第1の解決手段
は、少なくとも TiO2 を含み、光を照射して励起するこ
とにより臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は無
害化する光触媒(42)と、少なくとも室温状態で触媒作
用を発揮し、臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又
は無害化する酸化触媒(41)とによって、空気浄化触媒
を形成するものである。
【0014】また、本発明が講じた第2の解決手段は、
上記第1の解決手段において、酸化触媒(41)を、粉末
状に形成し、光触媒(42)を、該酸化触媒(41)の表面
に高分散担持させるものである。
【0015】また、本発明が講じた第3の解決手段は、
上記第2の解決手段において、酸化触媒(41)を、Mn,A
g,Pd,Pt,Rh,Fe,Al,Zr,Ce,Si,La,Co,Bi,Mo から選ばれた
1種類以上の金属、該金属を含有する合金もしくは該金
属の酸化物、又はこれらの2種類以上の混合物により構
成するものである。
【0016】また、本発明が講じた第4の解決手段は、
上記第2又は第3の解決手段における空気浄化触媒(4
0)の製造方法である。先ず、溶媒に粉末状の酸化触媒
(41)を分散させ、且つ光触媒(42)を形成するための
金属化合物を溶かして成る原料溶液を調製する。次に、
上記原料溶液とアルカリ溶液とを混合、又は上記原料用
液を加水分解し、上記光触媒(42)の前駆体を上記酸化
触媒(41)の表面に沈殿させて付着させる。そして、上
記前駆体が付着した酸化触媒(41)を溶液から取り出し
て焼成することにより酸化触媒(41)の表面に光触媒
(42)を高分散担持させるものである。
【0017】また、本発明が講じた第5の解決手段は、
上記第2又は第3の解決手段における空気浄化触媒(4
0)と、臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤と、上
記空気浄化触媒(40)と吸着剤とを保持する基材(22)
とを備え、該基材(22)の表面に空気浄化触媒(40)及
び吸着剤を付着させることにより一体の触媒構造体を構
成するものである。
【0018】また、本発明が講じた第6の解決手段は、
上記第2又は第3の解決手段における空気浄化触媒(4
0)と、臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤とを備
え、上記空気浄化触媒(40)及び吸着剤を一体に保持
し、且つシート状に形成することにより触媒構造体を構
成するものである。
【0019】また、本発明が講じた第7の解決手段は、
上記第2又は第3の解決手段における空気浄化触媒(4
0)と、臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤と、奥
行き方向へ所定の幅を有する枠状の枠部(23)と、該枠
部(23)に囲まれた空間を区画し、枠部(23)の奥行き
方向へ延びて枠部(23)の前面及び背面に開口する多数
の浄化通路(21)を形成する区画部(24)とを備え、該
区画部(24)において、臭気物質又は有害物質と、上記
空気浄化触媒(40)及び吸着剤とが接触するように触媒
構造体を構成するものである。
【0020】また、本発明が講じた第8の解決手段は、
臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤、及び少なくと
も TiO2 を含み、光を照射されて励起することにより
臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する
光触媒を一体に保持し、且つシート状に形成された第1
触媒シート(38)と、臭気物質又は有害物質を吸着する
吸着剤、及び少なくとも室温状態で触媒作用を発揮し、
臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する
酸化触媒を一体に保持し、且つシート状に形成された第
2触媒シート(39)とを備え、上記第1及び第2触媒シ
ート(38,39)を積層して一体に形成することにより触
媒構造体を構成するものである。
【0021】また、本発明が講じた第9の解決手段は、
上記第8の解決手段の触媒構造体において、酸化触媒
を、Mn,Ag,Pd,Pt,Rh,Fe,Al,Zr,Ce,Si,La,Co,Bi,Mo から
選ばれた1種類以上の金属、該金属を含有する合金もし
くは該金属の酸化物、又はこれらの2種類以上の混合物
とするものである。
【0022】また、本発明が講じた第10の解決手段
は、上記第5から第9の何れか1の解決手段における触
媒構造体と、該触媒構造体に光を照射して光触媒(42)
を励起させる光源(16)と、送風手段とをケーシング
(11)内に収納し、室内空気に含まれる臭気物質又は有
害物質を触媒構造体により分解して無臭化又は無害化
し、室内空気の浄化を行うように空気調和機を構成する
ものである。
【0023】−作用− 上記第1の解決手段では、空気浄化触媒(40)の酸化触
媒(41)が室温状態で所定の触媒作用を発揮し、臭気物
質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化する。一
方、臭気物質等には、該酸化触媒(41)の触媒作用で中
間生成物に変化するものがあり、該中間生成物を酸化触
媒(41)によって酸化分解できない場合がある。また、
臭気物質等には、該酸化触媒(41)では全く分解できな
い難分解性のものも存在する。これに対し、空気浄化触
媒(40)の光触媒(42)が光を受けて励起し、上記酸化
触媒(41)により分解できない中間生成物や難分解性の
物質を酸化分解する。
【0024】また、光触媒(42)は、上述のように、上
記酸化触媒(41)では分解できない中間生成物や難分解
性の物質を酸化分解する。つまり、光触媒(42)によっ
て全ての臭気物質又は有害物質を酸化分解する必要はな
い。従って、光触媒(42)のみで空気浄化を行う場合に
比して少ない量の紫外線を光触媒(42)に照射すること
により、空気浄化が行われる。
【0025】また、浄化しようとする空気中の臭気物質
等の種類や量によっては、上記酸化触媒(41)が室温状
態で発揮する触媒作用により充分な浄化ができない場合
がある。このような場合には、該酸化触媒(41)を加熱
し、より大きな触媒作用を発揮させて空気の浄化を行う
ようにする。その際、光触媒(42)による臭気物質等の
酸化分解も並行して行われる。
【0026】また、上記第2の解決手段では、酸化触媒
(41)の各粒子の表面に光触媒(42)を高分散担持させ
ることによって、空気浄化触媒(40)が構成される。
【0027】また、上記第3の解決手段では、酸化触媒
(41)として所定の物質を用いて空気浄化触媒(40)が
構成される。
【0028】また、上記第4の解決手段では、所定の原
料溶液とアルカリ溶液とを混合することにより、又は所
定の原料用液を加水分解することにより、光触媒(42)
の前駆体を酸化触媒(41)の各粒子の表面に付着させ
る。そして、この前駆体を付着させた酸化触媒(41)を
溶液から取り出し、焼成する。これによって該前駆体を
光触媒(42)に変化させ、酸化触媒(41)の各粒子の表
面に光触媒(42)を高分散担持させる。
【0029】また、上記第5の解決手段では、触媒構造
体が必要とする機械的強度を基材(22)が負担し、該基
材(22)を所定の形状に形成することにより触媒構造体
を所定形状に形成する。また、空気浄化触媒(40)によ
る臭気物質又は有害物質の酸化分解と、吸着剤による臭
気物質又は有害物質の吸着除去とによって空気の浄化を
行う。更に、空気浄化触媒(40)は、吸着剤に吸着され
た臭気物質等の分解も行い、これによって吸着剤を再生
する。
【0030】また、上記第6の解決手段では、触媒構造
体が所定のシート状に形成される。また、空気浄化触媒
(40)による臭気物質又は有害物質の酸化分解と、吸着
剤による臭気物質又は有害物質の吸着除去とによって空
気の浄化を行う。更に、空気浄化触媒(40)は、吸着剤
に吸着された臭気物質等の分解も行い、これによって吸
着剤を再生する。
【0031】また、上記第7の解決手段では、触媒構造
体が枠部(23)及び区画部(24)により構成され、該触
媒構造体に多数の浄化通路(21)が形成される。そし
て、臭気物質又は有害物質を含む空気が該浄化通路(2
1)を流通し、区画部(24)の表面において、上記空気
浄化触媒(40)及び吸着剤と臭気物質等とが接触する。
その際、空気浄化触媒(40)が臭気物質又は有害物質を
酸化分解し、吸着剤が臭気物質又は有害物質を吸着除去
して空気浄化を行う。更に、空気浄化触媒(40)は、吸
着剤に吸着された臭気物質等の分解も行い、これによっ
て吸着剤を再生する。
【0032】また、上記第8の解決手段では、第2触媒
シート(39)において、酸化触媒が室温状態で所定の触
媒作用を発揮して臭気物質又は有害物質を分解し、吸着
剤が臭気物質又は有害物質を吸着除去して空気の浄化を
行う。また、第1触媒シート(38)において、光触媒が
光を受けて励起して臭気物質又は有害物質を分解し、吸
着剤が臭気物質又は有害物質を吸着除去して空気の浄化
を行う。更に、第1及び第2触媒シート(38,39)にお
いて、酸化触媒及び光触媒は吸着剤に吸着された臭気物
質等の分解も行い、これによって吸着剤を再生する。
【0033】一方、臭気物質等には、第2触媒シート
(39)の酸化触媒の触媒作用で中間生成物に変化するも
のがあり、該中間生成物を酸化触媒によって酸化分解で
きない場合がある。また、臭気物質等には、該酸化触媒
では全く分解できない難分解性のものも存在する。これ
に対し、第1触媒シート(38)の光触媒が、上記酸化触
媒により分解できない中間生成物や難分解性の物質を酸
化分解する。
【0034】また、第2触媒シート(39)の酸化触媒と
第1触媒シート(38)の光触媒との双方によって臭気物
質又は有害物質を分解するようにしている。従って、光
触媒のみで空気浄化を行う場合に比して少ない量の紫外
線を光触媒に照射することにより、空気浄化が行われ
る。
【0035】また、浄化しようとする空気中の臭気物質
等の種類や量によっては、上記第2触媒シート(39)の
酸化触媒が室温状態で発揮する触媒作用により充分な浄
化ができない場合がある。このような場合には、該酸化
触媒を加熱し、より大きな触媒作用を発揮させて空気の
浄化を行うようにする。その際、上記第1触媒シート
(38)の光触媒による臭気物質等の酸化分解も並行して
行われる。
【0036】また、上記第9の解決手段では、第2触媒
シート(39)の酸化触媒として所定の物質を用いて触媒
構造体が構成される。
【0037】また、上記第10の解決手段では、触媒構
造体の酸化触媒(41)が室温状態で所定の触媒作用を発
揮すると共に、光触媒(42)が光源(16)からの光を受
けて励起する。一方、送風手段によりケーシング(11)
内に室内空気を吸入し、吸い込んだ室内空気と上記触媒
構造体とが接触する。その際、上記酸化触媒(41)及び
光触媒(42)により該室内空気中の臭気物質又は有害物
質を分解すると共に、吸着剤により外臭気物質等を吸着
除去し、浄化空気を生成する。その後、この浄化空気を
再び室内に吹き出し、室内空気の浄化を行う。
【0038】
【発明の効果】従って、上記の解決手段によれば、酸化
触媒(41)が室温状態で発揮する触媒作用により臭気物
質又は有害物質を分解して無臭化又は無害化できると共
に、該触媒作用によっては分解できない上記中間生成物
や難分解性の物質を光触媒(42)により分解することが
できる。この結果、どのような臭気物質又は有害物質を
も無臭化又は無害化でき、空気の浄化を確実に行うこと
ができる。また、該中間生成物に起因する酸化触媒(4
1)の経時劣化を防ぐことができ、空気浄化触媒(40)
の性能を長期間に亘って維持することができる。
【0039】また、室温状態の空気浄化触媒(40)によ
って空気中の臭気物質又は有害物質を分解することがで
きる。つまり、従来の酸化触媒(41)のみを用いる場合
のように、空気浄化に際して酸化触媒(41)を加熱する
必要がない。従って、該酸化触媒(41)の加熱に要する
エネルギが不要となり、空気浄化に要するエネルギを削
減することができる。更には、浄化後の浄化空気を室温
に維持することができる。このため、冷房中の室内にお
いても、空調負荷を増大させることなく空気浄化を行う
ことができる。
【0040】また、光触媒(42)は、上述のように、酸
化触媒(41)で分解されない中間生成物や難分解性の物
質を酸化分解する。従って、光触媒(42)のみを用いる
場合に比して、臭気物質又は有害物質の分解に要する紫
外線の量を削減することができる。このため、光源(1
6)として紫外線の発生量の少ない長寿命のランプを用
いることができ、ランプの交換の頻度を少なくすること
ができる。この結果、長期間に亘り継続して空気の浄化
を行うことができ、空気の浄化に要する費用や労力も削
減できる。
【0041】また、場合によっては、常温状態の空気浄
化触媒(40)では空気浄化を充分にできない場合もあ
る。その場合、該空気浄化触媒(40)を加熱し、酸化触
媒(41)により大きな触媒作用を発揮させるようにす
る。その際、光触媒(42)による臭気物質等の酸化分解
も並行して行われる。従って、酸化触媒(41)のみで空
気浄化を行う場合に比して低い温度に酸化触媒(41)を
維持すればよく、このような場合においても、従来より
空気浄化に要するエネルギを削減することができる。ま
た、浄化後の浄化空気も従来ほど高温にはならないた
め、冷房中の室内で空気浄化を行う際の空調負荷の増大
を低減することができる。
【0042】特に、上記第2の解決手段では、粉末状の
酸化触媒(41)の表面に光触媒(42)を高分散担持させ
て空気浄化触媒(40)を構成している。従って、酸化触
媒(41)の表面に留まる中間生成物を光触媒(42)によ
って確実に分解することができる。この結果、該中間生
成物の蓄積に起因して酸化触媒(41)が発揮する触媒作
用が低下するのを防止でき、上記空気浄化触媒(40)の
性能を長期間に亘って維持することができる。
【0043】また、上記第4の解決手段によれば、所定
の製造方法により酸化触媒(41)の各粒子の表面に光触
媒(42)を確実に高分散担持させることができ、空気浄
化用触媒を容易に製造することができる。
【0044】また、上記第5〜第7の解決手段によれ
ば、上記空気浄化触媒(40)と吸着剤と備える一体の触
媒構造体を形成することができる。更に、空気浄化触媒
(40)で臭気物質又は有害物質を分解すると共に、吸着
剤で臭気物質又は有害物質を吸着することによっても空
気浄化を行うことができる。この結果、空気の浄化をよ
り確実に行うことができる。
【0045】特に、上記第5の解決手段によれば、基材
(22)に上記空気浄化触媒(40)と吸着剤とを付着させ
ることにより触媒構造体を形成できる。従って、基材
(22)によって触媒構造体の機械的強度を確保すること
ができ、触媒構造体を所定の形状に確実に形成すること
ができる。
【0046】また、上記第7の解決手段によれば、臭気
物質又は有害物質を含んだ空気を浄化通路(21)に流通
させ、その際に空気浄化触媒(40)及び吸着剤により該
臭気物質又は有害物質の分解や除去を行うことができ
る。従って、空気の流通抵抗を増大させることなく、空
気と空気浄化触媒(40)及び吸着剤との接触面積を拡大
することができる。この結果、触媒構造体を小型化する
ことができる。
【0047】また、上記第10の解決手段によれば、空
気調和機(1,2)に本発明の触媒構造体を組み込むこと
ができ、該空気調和機(1,2)によって空気の浄化を確
実に行うことができる。
【0048】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0049】図1に示すように、空気調和機である空気
清浄機(1)は、本発明の特徴とする空気浄化触媒(4
0)を備える浄化部材(20)をケーシング(11)内に収
納して成り、室内等に設置されて室内空気を浄化するも
のである。
【0050】上記空気清浄機(1)のケーシング(11)
には、前面に吸込口(12)が、背面に吹出口(13)が形
成されており、ケーシング(11)の内部は、吸込口(1
2)から吹出口(13)に亘って空気通路(14)に形成さ
れている。そして、上記ケーシング(11)の内部には、
空気通路(14)に位置して、プレフィルタ(15)と、上
記浄化部材(20)と、光源であるランプ(16)と、ファ
ン(17)とが配置されている。
【0051】上記浄化部材(20)は触媒構造体であっ
て、図2に示すように、所定の形状に一体形成された基
材(22)を備え、ゼオライト等の吸着剤と本発明の特徴
とする空気浄化触媒(40)とを基材(22)の表面に付着
させることにより形成されている。
【0052】上記基材(22)は、奥行き方向へ所定の幅
を有して四角形の枠状に形成された枠部(23)と、該枠
部(23)に囲まれた空間に形成されて枠部(23)と同じ
幅を有する区画部(24)とによって構成されている。該
区画部(24)は、枠部(23)の横幅方向(図2における
左右方向)へ延びる多数の横区画部(26)と枠部(23)
の上下方向へ延びる多数の縦区画部(25)とにより構成
されている。そして、該区画部(24)は、基材(22)の
前面及び背面に開口する浄化通路(21)を区画形成して
いる。尚、該基材(22)は各種の金属材料やセラミック
スなどによって形成される。
【0053】上記空気浄化触媒(40)は、本発明の特徴
とするものであって、図3に示すように、粉末状の酸化
触媒(41)と光触媒(42)とによって成り、該酸化触媒
(41)の各粒子の表面に多数の光触媒(42)の粒子を高
分散担持させて構成されている。
【0054】上記酸化触媒(41)は、室温状態において
所定の触媒作用を発揮する触媒であって、臭気物質又は
有害物質を分解して無臭化又は無害化するものである。
具体的に、酸化触媒(41)は、Mn,Ag,Pd,Pt,Rh,Fe,Al,Z
r,Ce,Si,La,Co,Bi,Mo から選ばれた1種類以上の金属、
該金属を含有する合金もしくは該金属の酸化物、又はこ
れらの2種類以上の混合物により構成されている。尚、
該酸化触媒(41)は室温状態のみで触媒作用を発揮する
ものに限定されず、加熱されることによってより大きな
触媒作用を発揮するものであってもよい。
【0055】上記光触媒(42)は、酸化チタンを主成分
とするものであって、そのバンドギャップ以上のエネル
ギを持つ波長の光を照射されると励起し、臭気物質又は
有害物質を酸化分解して無臭化又は無害化するように構
成されている。
【0056】−空気浄化触媒(40)の製造方法− 上記空気浄化触媒(40)の製造方法について説明する。
【0057】先ず、水等の溶媒に上記光触媒(42)を形
成するための金属化合物を溶解させると共に、上記粉末
状の酸化触媒(41)を溶媒に加えて攪拌して原料溶液を
調製する。この状態で、該粉末状の酸化触媒(41)が溶
媒中に分散した状態となる。
【0058】次に、上記原料溶液にアルカリ溶液を加え
て攪拌する。これによって該原料溶液中の金属化合物と
アルカリ溶液とが反応し、チタン酸などの光触媒(42)
の前駆体が生成する。そして、該前駆体が酸化触媒(4
1)粒子の表面に沈殿して付着する。
【0059】また、上記原料用液を加熱攪拌するように
してもよい。これによって該原料溶液中の金属化合物が
加水分解反応し、チタン酸などの光触媒(42)の前駆体
が生成する。そして、該前駆体が酸化触媒(41)粒子の
表面に沈殿して付着する。
【0060】その後、該前駆体が付着した酸化触媒(4
1)を取り出し、焼成する。そして、焼成されることに
よって前駆体が光触媒(42)である金属酸化物に変化す
る。以上のようにして、多数の光触媒(42)粒子を酸化
触媒(41)粒子の表面に高分散担持させて、空気浄化用
触媒が形成される。
【0061】−運転動作− 本実施形態の空気清浄機(1)の運転動作について説明
すると、ファン(17)が回転し、臭気物質又は有害物質
を含む室内空気を吸込口(12)からケーシング(11)内
へ吸い込む。この室内空気は空気通路(14)を流れ、プ
レフィルタ(15)において該汚染空気に含まれる埃が除
去された後に、浄化部材(20)へ流れる。一方、ランプ
(16)を点灯して浄化部材(20)に光を照射し、浄化部
材(20)の光触媒(42)を励起する。該浄化部材(20)
へ流れた室内空気は各浄化通路(21)へ分流して流れ、
該室内空気中の臭気物質又は有害物質と、浄化部材(2
0)の空気浄化触媒(40)及び吸着剤とが接触する。該
臭気物質又は有害物質は、その一部が空気浄化触媒(4
0)によって分解されて無臭化又は無害化され、残りは
吸着剤に吸着される。そして室内空気は臭気物質又は有
害物質を除去されて浄化空気となり、その後、この浄化
空気が浄化通路(21)から流出する。そして、この浄化
部材(20)の脱臭動作により臭気物質又は有害物質が除
去されて浄化空気となり、該浄化空気が吹出口(13)よ
り吹き出される。
【0062】ここで、上記空気浄化触媒(40)による臭
気物質又は有害物質の分解について説明する。該空気浄
化触媒(40)の酸化触媒(41)が触媒作用を発揮し、ま
たランプ(16)の光を受けて光触媒(42)が励起状態と
なる。そして、該酸化触媒(41)及び光触媒(42)が臭
気物質又は有害物質を酸化分解して無臭化又は無害化す
る。その際、上記臭気物質等のなかには、上記酸化触媒
(41)では完全に分解されずに中間生成物に変化するも
のがある。これに対し、上記酸化触媒(41)の粒子の表
面には、多数の光触媒(42)粒子が分散担持されてお
り、該光触媒(42)が上記中間生成物を酸化分解して臭
気物質又は有害物質を完全に無臭化又は無害化する。
【0063】具体的に、代表的な臭気物質であるメチル
メルカプタンを酸化触媒(41)により酸化すると、下記
の化学反応式に示すように中間生成物であるジメチルサ
ルファイドが生成する。
【0064】2CH3SH + O → (CH3)2S2 + H2O そして、上記酸化触媒(41)のみを用いる場合、このジ
メチルサルファイドが難酸化性の硫黄化合物に変化し、
該硫黄化合物が酸化触媒(41)の表面に蓄積してゆく。
これに対し、本実施形態の空気浄化触媒によれば、酸化
触媒(41)粒子の表面に高分散担持された光触媒(42)
によってジメチルサルファイドが酸化分解される。
【0065】また、上記空気浄化触媒(40)は、吸着剤
に吸着された臭気物質又は有害物質の分解も行う。つま
り、ファン(17)を停止しランプ(16)を消灯して空気
清浄機(1)の運転を停止した状態においても、空気浄
化触媒(40)の酸化触媒(41)は触媒作用を発揮する。
この状態において、該酸化触媒(41)が吸着剤に吸着さ
れた臭気物質等を酸化分解し、吸着剤の再生を行う。こ
れによって、吸着剤の吸着性能が維持される。
【0066】−実施形態1の効果− 本実施形態1によれば、空気浄化触媒(40)の酸化触媒
(41)が室温状態で発揮する触媒作用により臭気物質又
は有害物質を分解して無臭化又は無害化できると共に、
該酸化触媒(41)によっては分解できない上記中間生成
物や難分解性の物質を光触媒(42)により分解すること
ができる。従って、上述のように難酸化性の硫黄化合物
が酸化触媒(41)に蓄積されるを防止でき、上記中間生
成物に起因する酸化触媒(41)の性能低下を防止でき
る。この結果、空気浄化触媒(40)の性能を長期間に亘
って維持することができる。
【0067】また、上記空気浄化触媒(40)の酸化触媒
(41)は室温状態で触媒作用を発揮するため、該酸化触
媒(41)の加熱に要するエネルギが不要となり、空気浄
化に要するエネルギを削減することができる。更には、
浄化後の浄化空気を室温に維持することができる。この
ため、冷房中の室内においても、空調負荷を増大させる
ことなく空気浄化を行うことができる。
【0068】また、空気浄化触媒(40)の光触媒(42)
は、上述のように、中間生成物や難分解性の物質の酸化
分解を主に行う。従って、光触媒(42)のみを用いる場
合に比して、臭気物質又は有害物質の分解に要する紫外
線の量を削減することができる。このため、紫外線の発
生量の少ない長寿命のランプ(16)を用いることがで
き、ランプ(16)の交換の頻度を削減できる。この結
果、空気の浄化に要する費用や労力を削減できる。
【0069】また、粉末状の酸化触媒(41)の表面に光
触媒(42)を高分散担持させて空気浄化触媒(40)を構
成している。従って、酸化触媒(41)により生成する中
間生成物を光触媒(42)によって確実に分解することが
できる。この結果、該中間生成物の蓄積による酸化触媒
(41)の触媒作用の低下を防ぐことができ、上記空気浄
化触媒(40)の性能を長期間に亘って確実に維持するこ
とができる。
【0070】また、空気浄化触媒(40)と吸着剤とを備
えた触媒構造体により上記浄化部材(20)を構成してい
る。このため、空気浄化触媒(40)で臭気物質又は有害
物質を分解すると共に、吸着剤で臭気物質又は有害物質
を吸着することによっても空気浄化を行うことができ
る。この結果、空気の浄化をより確実に行うことができ
る。
【0071】−実施形態1の変形例− 上記実施形態においては、所定の形状に形成した基材
(22)の表面に空気浄化触媒(40)及び吸着剤を付着さ
せて浄化部材(20)を形成するようにしている。これに
対して、該空気浄化触媒(40)及び吸着剤をバインダの
接着作用により一体に形成し、上記浄化部材(20)を一
体の単一構造物として形成するようにしてもよい。
【0072】
【発明の実施の形態2】本発明の実施形態2は、上記実
施形態1の空気清浄機(1)において浄化部材(20)の
構成を変更したものであり、その他の構成は実施形態1
と同様である。以下、浄化部材(20)の構成について説
明する。
【0073】上記浄化部材(20)は、図4に示すよう
に、奥行き方向へ所定の幅を有する四角形の枠体(33)
と、該枠体(33)に囲まれた空間に設けられた区画部材
(34)とによって構成されている。そして、該枠体(3
3)は浄化部材(20)の枠部に、区画部材(34)は浄化
部材(20)の区画部にそれぞれ形成されている。
【0074】上記区画部材(34)は、脱臭シート(35)
からなる平面シート(36)及び波形シート(37)により
構成されている。該脱臭シート(35)は、吸着剤である
ゼオライトを漉き込んだゼオライト紙に、本発明の特徴
とする空気浄化触媒(40)を含浸させることによって一
体のシート状に形成されている。また、上記平面シート
(36)は、脱臭シート(35)を所定の長方形に形成した
ものであり、幅が枠体(33)の奥行きと等しく、長さが
枠体(33)の横幅と等しくなるように形成されている。
また、上記波形シート(37)は、幅が枠体(33)の奥行
きと等しくなるように形成された脱臭シート(35)であ
り、ひだ折りにされて、長手方向に向かって多数の波形
が連続するように形成されている。そして、上記区画部
材(34)は、複数枚の平面シート(36)及び波形シート
(37)を各シートの長手方向が一致する姿勢で交互に積
層することによって形成され、該平面シート(36)及び
波形シート(37)によって浄化通路(21)が区画形成さ
れている。
【0075】−運転動作− 本実施形態の空気清浄機(1)は、上記実施形態1とほ
ぼ同様に動作し、室内の空気浄化を行う。その際、汚染
空気が浄化部材(20)の浄化通路(21)を流れ、区画部
材(34)の脱臭シート(35)と接触する。そして、汚染
空気中の臭気物質又は有害物質を該脱臭シート(35)の
空気浄化触媒(40)及び吸着剤により分解又は除去し、
浄化空気を生成する。
【0076】−実施形態2の効果− 本実施形態2によれば、上記実施形態1で得られる効果
と同様の効果が得られる。
【0077】−実施形態2の変形例− 上記実施形態においては、区画部材(34)の脱臭シート
(35)をゼオライト紙に空気浄化触媒(40)を含浸させ
ることにより形成しているが、これに対し、以下のよう
に該脱臭シート(35)を形成するようにしてもよい。
【0078】先ず、フィブリル形成性のポリテトラフル
オロエチレン(以下、PTFEという。)を用いて上記
空気浄化触媒(40)及び吸着剤を一体脱臭シート(35)
に形成してもよい。つまり、粉末状の空気浄化触媒(4
0)及び吸着剤をフィブリル化した該PTFEにより担
持し、一体のシート状に形成する。
【0079】また、金属製の薄板等を基材(22)とし、
該基材(22)に上記空気浄化触媒(40)及び吸着剤を付
着させて、一体のシート状に形成してもよい。
【0080】
【発明の実施の形態3】本発明の実施形態3は、上記実
施形態2の空気清浄機(1)において、浄化部材(20)
を形成する脱臭シート(35)の構成を変更したものであ
る。その他の構成は、実施形態2と同様である。以下、
脱臭シート(35)の構成について説明する。
【0081】上記脱臭シート(35)は、図5に示すよう
に、第1触媒シート(38)と第2触媒シート(39)とを
積層することによって一体のシート状に形成されてい
る。そして、該脱臭シート(35)を用いて実施形態2と
同様に平面シート(36)及び波形シート(37)を形成
し、該平面シート(36)及び波形シート(37)を用いて
浄化部材(20)を形成する。
【0082】上記第1触媒シート(38)は、吸着剤であ
るゼオライトを漉き込んだゼオライト紙に、酸化触媒を
含浸させることによって一体に形成されている。該酸化
触媒は、室温状態において所定の触媒作用を発揮する触
媒であって、臭気物質又は有害物質を分解して無臭化又
は無害化するものである。具体的に、酸化触媒は、Mn,A
g,Pd,Pt,Rh,Fe,Al,Zr,Ce,Si,La,Co,Bi,Mo から選ばれた
1種類以上の金属、該金属を含有する合金もしくは該金
属の酸化物、又はこれらの2種類以上の混合物により構
成されている。尚、該酸化触媒は室温状態のみで触媒作
用を発揮するものに限定されず、加熱されることによっ
てより大きな触媒作用を発揮するものであってもよい。
【0083】上記第2触媒シート(39)は、吸着剤であ
るゼオライトを漉き込んだゼオライト紙に、光触媒を含
浸させることによって一体に形成されている。該光触媒
は、酸化チタンを主成分とするものであって、そのバン
ドギャップ以上のエネルギを持つ波長の光を照射される
と励起し、臭気物質又は有害物質を酸化分解して無臭化
又は無害化するように構成されている。
【0084】−運転動作− 本実施形態の空気清浄機(1)は、上記実施形態2とほ
ぼ同様に動作し、室内の空気浄化を行う。その際、汚染
空気が浄化部材(20)の浄化通路(21)を流れ、区画部
材(34)の脱臭シート(35)を形成する第1及び第2触
媒シート(38,39)と接触する。そして、汚染空気中の
臭気物質又は有害物質を該両触媒シートの酸化触媒、光
触媒及び吸着剤により分解又は除去し、浄化空気を生成
する。
【0085】−実施形態3の効果− 本実施形態3によれば、上記実施形態2で得られる効果
と同様の効果が得られる。ただし、本実施形態では、酸
化触媒と光触媒とが別々の触媒シートに設けられてい
る。このため、実施形態2において酸化触媒粒子に光触
媒を高分散担持させることによる効果は、本実施形態で
得られる効果から除かれる。
【0086】
【発明のその他の実施の形態】上記実施形態1〜3で
は、浄化部材(20)を空気清浄機(1)に組み込むよう
にしたが、図6に示すように、いわゆるエアコンの室内
ユニット(2)に浄化部材(20)を組み込み、室内空気
の温調と浄化の双方を行うようにしてもよい。
【0087】具体的に、上記室内ユニット(2)のケー
シング(11)には、前面上部に吸込口(12)を、前面下
部に吹出口(13)を形成し、ケーシング(11)の内部
を、吸込口(12)から吹出口(13)に連通する空気通路
(14)を形成する。そして、該ケーシング(11)の空気
通路(14)に位置して、プレフィルタ(15)及び上記浄
化部材(20)と共に室内熱交換器(18)とクロスフロー
型のファン(17)とを配置する。上記浄化部材(20)の
構成は、各実施形態のものと同様である。
【0088】上記室内ユニット(2)の動作について説
明すると、先ず、ファン(17)によって吸込口(12)か
ら吸い込まれた汚染空気は、プレフィルタ(15)におい
て該汚染空気に含まれる埃が除去される。その後、上記
汚染空気は浄化部材(20)へ流れ、該浄化部材(20)に
より臭気物質又は有害物質が除去されて浄化空気とな
る。その後、該浄化空気は、室内熱交換器(18)におい
てエアコンの冷媒回路を循環する冷媒と熱交換を行って
冷却又は加熱され、吹出口(13)より吹き出される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1に係る空気清浄機の概略側方断面図
である。
【図2】実施形態1に係る浄化部材の斜視図である。
【図3】実施形態1に係る空気浄化触媒の構成を模式的
に示す説明図である。
【図4】実施形態2に係る浄化部材の斜視図である。
【図5】実施形態3に係る脱臭シートの構成を示す斜視
図である。
【図6】その他の実施形態に係る室内ユニットの概略側
方断面図である。
【符号の説明】
(11) ケーシング (16) ランプ(光源) (20) 浄化部材 (21) 浄化通路 (22) 基材 (23) 枠部 (24) 区画部 (38) 第1触媒シート (39) 第2触媒シート (40) 空気浄化触媒 (41) 酸化触媒 (42) 光触媒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01J 23/16 B01J 23/38 M 23/38 23/70 M 23/70 37/03 A 37/03 B01D 53/36 J F24F 1/00 H F24F 1/00 371Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも TiO2 を含み、光を照射して
    励起することにより臭気物質又は有害物質を分解して無
    臭化又は無害化する光触媒(42)と、 少なくとも室温状態で触媒作用を発揮し、臭気物質又は
    有害物質を分解して無臭化又は無害化する酸化触媒(4
    1)とから成ることを特徴とする空気浄化触媒。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気浄化触媒において、 酸化触媒(41)は、粉末状に形成され、 光触媒(42)は、該酸化触媒(41)の表面に高分散担持
    されていることを特徴とする空気浄化触媒。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の空気浄化触媒において、 酸化触媒(41)が、Mn,Ag,Pd,Pt,Rh,Fe,Al,Zr,Ce,Si,L
    a,Co,Bi,Mo から選ばれた1種類以上の金属、該金属を
    含有する合金もしくは該金属の酸化物、又はこれらの2
    種類以上の混合物により構成されていることを特徴とす
    る空気浄化触媒。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の空気浄化触媒(4
    0)の製造方法であって、 溶媒に粉末状の酸化触媒(41)を分散させ、且つ光触媒
    (42)を形成するための金属化合物を溶かして成る原料
    溶液を調製し、 上記原料溶液とアルカリ溶液とを混合、又は上記原料用
    液を加水分解し、上記光触媒(42)の前駆体を上記酸化
    触媒(41)の表面に沈殿させて付着させ、 上記前駆体が付着した酸化触媒(41)を溶液から取り出
    して焼成することにより酸化触媒(41)の表面に光触媒
    (42)を高分散担持させることを特徴とする空気浄化触
    媒(40)の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2又は3記載の空気浄化触媒(4
    0)と、 臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤と、 上記空気浄化触媒(40)と吸着剤とを保持する基材(2
    2)とを備え、 該基材(22)の表面に空気浄化触媒(40)及び吸着剤を
    付着させることにより一体に形成されていることを特徴
    とする触媒構造体。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3記載の空気浄化触媒(4
    0)と、 臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤とを備え、 上記空気浄化触媒(40)及び吸着剤を一体に保持し、且
    つシート状に形成されていることを特徴とする触媒構造
    体。
  7. 【請求項7】 請求項2又は3記載の空気浄化触媒(4
    0)と、 臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤と、 奥行き方向へ所定の幅を有する枠状の枠部(23)と、 該枠部(23)に囲まれた空間を区画し、枠部(23)の奥
    行き方向へ延びて枠部(23)の前面及び背面に開口する
    多数の浄化通路(21)を形成する区画部(24)とを備
    え、 該区画部(24)において、臭気物質又は有害物質と、上
    記空気浄化触媒(40)及び吸着剤とが接触するように構
    成されていることを特徴とする触媒構造体。
  8. 【請求項8】 臭気物質又は有害物質を吸着する吸着
    剤、及び少なくともTiO2 を含み、光を照射されて励起
    することにより臭気物質又は有害物質を分解して無臭化
    又は無害化する光触媒を一体に保持し、且つシート状に
    形成された第1触媒シート(38)と、 臭気物質又は有害物質を吸着する吸着剤、及び少なくと
    も室温状態で触媒作用を発揮し、臭気物質又は有害物質
    を分解して無臭化又は無害化する酸化触媒を一体に保持
    し、且つシート状に形成された第2触媒シート(39)と
    を備え、 上記第1及び第2触媒シート(38,39)を積層して一体
    に形成されていることを特徴とする触媒構造体。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の触媒構造体において、 酸化触媒が、Mn,Ag,Pd,Pt,Rh,Fe,Al,Zr,Ce,Si,La,Co,B
    i,Mo から選ばれた1種類以上の金属、該金属を含有す
    る合金もしくは該金属の酸化物、又はこれらの2種類以
    上の混合物により構成されていることを特徴とする触媒
    構造体。
  10. 【請求項10】 請求項5乃至9の何れか1記載の触媒
    構造体と、該触媒構造体に光を照射して光触媒(42)を
    励起させる光源(16)と、送風手段とをケーシング(1
    1)内に収納して成り、 室内空気に含まれる臭気物質又は有害物質を触媒構造体
    により分解して無臭化又は無害化し、室内空気の浄化を
    行うように構成されていることを特徴とする空気調和
    機。
JP10099563A 1998-04-10 1998-04-10 空気浄化触媒、該空気浄化触媒の製造方法、該空気浄化触媒を用いた触媒構造体及び該触媒構造体を備えた空気調和機 Withdrawn JPH11290693A (ja)

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