JP3044998B2 - 圧入組付方法およびその装置 - Google Patents

圧入組付方法およびその装置

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JP3044998B2
JP3044998B2 JP6048579A JP4857994A JP3044998B2 JP 3044998 B2 JP3044998 B2 JP 3044998B2 JP 6048579 A JP6048579 A JP 6048579A JP 4857994 A JP4857994 A JP 4857994A JP 3044998 B2 JP3044998 B2 JP 3044998B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、圧入すると共にスナ
ップリングを装着するワークの圧入組付方法およびその
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ワークに設けた穴に別のワークを
圧入すると共に、これをスナップリング止めする場合、
図8〜図10のような装置、方法により行っている。
【0003】圧入側のワーク1が圧入装置2の受け治具
3上にセットされ、このワーク1の挿入部位に非圧入側
のワーク4がセットされ、この状態で圧入治具5によっ
てワーク4が押込まれ、圧入される(第1工程)。
【0004】次に、ワーク1の円筒前部にスナップリン
グ6を装着するための専用のテーパ治具7が取付けら
れ、テーパ治具7にセットされたスナップリング6が圧
入治具5によって押込まれ、ワーク1の円筒部8に形成
されたスナップリング用の溝9に嵌められる(第2工
程)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来例では、ワーク1,4の圧入とスナップリング6の組
付けが別工程となっており、それぞれ工程毎の設備が必
要となっていた。
【0006】また、その圧入と組付けを行うのに、圧入
治具5を2回駆動しなければならなかった。
【0007】また、スナップリング6の装着時に、スナ
ップリング6の内側の表面処理がテーパ治具7と摺接し
て剥がれるという問題があった。
【0008】この発明は、このような問題点を解決する
ことを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、第1のワ
ークに設けた円形の穴にスナップリング用の溝を形成し
た第2のワークの円筒部を圧入して組付ける方法におい
て、所定のセット位置にてスナップリングの開閉端を開
閉機構に係合し、このスナップリングに第1のワークを
重ねると共に、第1のワークおよびスナップリングの穴
に第2のワークの円筒前部を差し込み、位置決めし、こ
のセット状態でスナップリングを開き、第2のワークを
所定位置まで圧入し、この後スナップリングを閉じる。
【0010】第2の発明は、第1のワークに設けた円形
の穴にスナップリング用の溝を形成した第2のワークの
円筒部を圧入して組付ける装置において、所定の位置に
セットしたスナップリングの開閉端に係合する開閉機構
と、第2のワークを位置決め、ガイドすると共にその円
筒部をスナップリングに重ねた第1のワークの穴に圧入
する圧入機構と、これらの開閉機構、圧入機構の駆動制
御装置とを設ける。
【0011】第3の発明は、開閉機構の動作状態からス
ナップリングの異常を判定する。
【0012】
【作用】第1の発明では、スナップリングの開閉端を開
閉機構に係合して、これに第1のワークを重ねると共
に、第2のワークの円筒前部を差し込み、位置決めする
セット状態にて、スナップリングを開き、第2のワーク
を圧入後、スナップリングを閉じる1工程で圧入組付け
を行える。
【0013】第2の発明では、開閉機構によってスナッ
プリングの開閉を行うと共に、圧入機構によって第2の
ワークを位置決め、ガイドしながらスナップリングに重
ねた第1のワークに圧入することにより、1工程の設備
にて圧入組付けを行える。
【0014】第3の発明は、開閉機構の動作状態から、
開動作が早すぎるとき等にスナップリングの異常と判定
する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】図1、図2に示すように、プレス装置等か
らなる圧入機20の昇降軸21に圧入機構の圧入治具2
2が、そのベース台23に圧入機構の圧入受け治具24
および開閉機構25が取付けられる。
【0017】圧入受け治具24には、円筒状部材26の
上端部に円形の穴を設けた第1のワーク27の受け部2
8が、その内側にスナップリング29をセットする凹部
30が形成される。円筒状部材26の上端部分は一部切
欠かれる。
【0018】円筒状部材26の上端側の内径は第1のワ
ーク27に圧入する第2のワーク31の圧入部(円筒
部)32の径よりもいくらか大きく、凹部30の内径は
スナップリング29が拡開可能な大きさに形成される。
【0019】円筒状部材26の内側には、所定の位置に
て第2のワーク31の圧入側先端部33を受ける位置決
めガイド治具34が収装される。位置決めガイド治具3
4は、ワーク受け部がワーク31の圧入側先端部33が
緩やかに嵌まる形状に形成され、ワーク31が下降する
とスプリング35に抗して下降される。
【0020】開閉機構25は、図3、図4のように構成
され、スナップリング29を開閉するための一対の爪部
材36が、圧入受け治具24の円筒状部材26の上端切
欠き部分に位置するように配置される。
【0021】爪部材36は、その円筒状部材26と同様
に、上部に第1のワーク27を受けると共に、先端上部
にスナップリング29を受ける凹部37が形成され、凹
部37の所定の位置にスナップリング29の開閉端に設
けられる穴に係合されるピン38が立設される。
【0022】爪部材36の基部は両爪部材36を反対方
向に往復直進動するエアシリンダ等からなる平行チャッ
ク39に連結され、平行チャック39は駆動方向と直交
する方向に設けられたガイドレール40上に摺動自由に
設置される。
【0023】爪部材36の下方には所定円形状のカムプ
レート41が設けられ、平行チャック39の後部に設け
られた押えスプリング42によって、平行チャック39
が爪部材36の先端方向に付勢されると共に、爪部材3
6の底部のガイドローラ43がカムプレート41に当接
される。
【0024】平行チャック39を駆動すると、カムプレ
ート41に案内されて爪部材36が円弧状態に開動作さ
れ、平行チャック39の駆動を停止すると、爪部材36
が初期位置に戻される。
【0025】圧入治具22は、第2のワーク31と当接
する下部形状が第2のワーク31の後部形状に合わせて
形成される。
【0026】圧入治具22を取付ける圧入機20の昇降
軸21は、予め所定のストロークに設定される。
【0027】これら昇降軸21の駆動ならびに開閉機構
25の平行チャック39の駆動は、起動ボタン44を押
すと、図示しない駆動制御装置によって制御される。
【0028】次に、圧入組付けおよび駆動制御装置の動
作内容を説明する。動作フローを図5に示す。
【0029】まず、スナップリング29を圧入受け治具
24の円筒状部材26上端の凹部30に置く。この場
合、スナップリング29の開閉端を開閉機構25の爪部
材36の凹部37に合わせると、開閉端の穴が爪部材3
6のピン38に係合する。
【0030】次に、このスナップリング29の上に第1
のワーク27を穴を合わせてセットする。この場合、ワ
ーク27の大きさ等により、支えを設けると良い。
【0031】次に、第2のワーク31を、その圧入側先
端部33を第1のワーク27およびスナップリング29
の穴に差し込んで、円筒状部材26内の位置決めガイド
治具34に嵌める。第2のワーク31の圧入部32の直
前部位が第1のワーク27の穴に嵌まり、位置決めガイ
ド治具34とで第2のワーク31ならびに第1のワーク
の位置が決まる。
【0032】この第1、第2のワーク27,31および
スナップリング29のセット後、起動ボタン44を押す
と、開閉機構25の平行チャック39が駆動され、爪部
材36が開動作されて、スナップリング29が開かれ
る。
【0033】この開動作時間を計測するセンサを設け、
開動作時間が設定時間より短いと、スナップリングの不
良や欠品と判定する。
【0034】開動作時間が設定時間以上であれば、昇降
軸21が駆動され、圧入治具22が下降される。
【0035】この圧入治具22の下降によって、第2の
ワーク31がセット位置から押し込まれ、第1のワーク
27に圧入される。
【0036】この圧入ストロークエンドが圧入機20に
て検知されないとき、圧入異常と判定する。
【0037】圧入ストロークが正常であれば、平行チャ
ック39の駆動が停止され、爪部材36が初期位置に戻
されて、スナップリング29が閉じられ、第2のワーク
31に形成されたスナップリング用の溝45に装着され
る。
【0038】この閉動作時間が設定時間以上のとき、ス
ナップリング29の組付異常と判定する。
【0039】図6、図7には、自動車のサスペンション
部品のトランスバースリンク(第1のワーク)50にボ
ールジョイント(第2のワーク)51を圧入すると共
に、スナップリング52を組付ける1適用例を示す。
【0040】このように、スナップリング29に第1の
ワーク27を重ね、これらの穴に第2のワーク31を差
し込んだセット状態にて、開閉機構25によってスナッ
プリング29を開き、圧入治具22によって第2のワー
ク31を圧入した後、スナップリング29を閉じること
で、第1、第2のワーク27,31の圧入ならびにスナ
ップリング29の組付けを1工程で行える。
【0041】また、スナップリング29を開閉して組付
けるので、スナップリング29の内側がこすれて、その
表面処理が剥がれることはない。
【0042】また、開閉機構25の動作状態から、スナ
ップリング29の不良、欠品、組付不良の異常を判定可
能である。
【0043】したがって、従来例のように工程を分けず
にすむため、設備を削減でき、圧入ならびに組付けの作
業性が向上し、高い品質を確保できると共に、コストを
大幅に低減できる。
【0044】
【発明の効果】以上のように第1、第2の発明によれ
ば、ワークの圧入、スナップリングの組付けを1工程で
行えるので、作業性が向上し、コストの大幅な低減を図
れる。また、スナップリングを開閉して組付けるので、
高い品質が得られる。
【0045】また、第3の発明によれば、スナップリン
グが異常かどうかを判定でき、信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の圧入機の側面図である。
【図2】圧入治具、圧入受け治具部分の断面図である。
【図3】開閉機構部分の平面図である。
【図4】その側面図である。
【図5】作業、動作のフローチャートである。
【図6】自動車部品への適用例を示す斜視構成図であ
る。
【図7】その動作説明図である。
【図8】従来例の圧入機の側面図である。
【図9】その動作説明図である。
【図10】その動作説明図である。
【符号の説明】
20 圧入機 21 昇降軸 22 圧入治具 24 圧入受け治具 25 開閉機構 26 円筒状部材 27 第1のワーク 29 スナップリング 31 第2のワーク 32 圧入部 34 位置決めガイド治具 35 スプリング 36 爪部材 38 ピン 39 平行チャック 41 カムプレート 44 起動ボタン 45 スナップリング用溝

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のワークに設けた円形の穴にスナッ
    プリング用の溝を形成した第2のワークの円筒部を圧入
    して組付ける方法において、所定のセット位置にてスナ
    ップリングの開閉端を開閉機構に係合し、このスナップ
    リングに第1のワークを重ねると共に、第1のワークお
    よびスナップリングの穴に第2のワークの円筒前部を差
    し込み、位置決めし、このセット状態でスナップリング
    を開き、第2のワークを所定位置まで圧入し、この後ス
    ナップリングを閉じることを特徴とする圧入組付方法。
  2. 【請求項2】 第1のワークに設けた円形の穴にスナッ
    プリング用の溝を形成した第2のワークの円筒部を圧入
    して組付ける装置において、所定の位置にセットしたス
    ナップリングの開閉端に係合する開閉機構と、第2のワ
    ークを位置決め、ガイドすると共にその円筒部をスナッ
    プリングに重ねた第1のワークの穴に圧入する圧入機構
    と、これらの開閉機構、圧入機構の駆動制御装置とを設
    けたことを特徴とする圧入組付装置。
  3. 【請求項3】 開閉機構の動作状態からスナップリング
    の異常を判定する請求項2に記載の圧入組付装置。
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