JP3044969B2 - 荷役作業車輌における積荷プラットフォームのガイドレール装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、貨物を運搬する荷役作
業車輌における積荷プラットフォームのガイドレール装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、空港等において貨物の運
搬作業には、専用の荷役作業用車両が使用されている。

【０００３】図６及び図７に、この種の荷役作業車輌Ａ
を示す。図において符号１は貨物を積み込む走行台車で
あり、この走行台車１上には、積荷プラットフォーム２
が設けられている。この積荷プラットフォーム２上面に
は、貨物を搬送するための移送ローラ３及びコロ４が前
後方向に並んで配置され、これらにより貨物搬送路が構
成されている。また、この搬送路の両側には貨物落下防
止用のガイドレール５、６が搬送路と平行に配置されて
いる。また、前記搬送路においては、貨物移動防止用の
ストッパ７が配置されている。ガイドレール５は積荷プ
ラットフォーム２に設けられた穴から突出、格納自在に
支持されており、このガイドレール５は、油圧あるいは
空圧を用いた駆動源を有する昇降機構により昇降され
る。また、この昇降機構は、作業員が複数個のレバーを
操作することによって駆動する。

【０００４】ストッパ７は、昇降式であり、貨物を積荷
プラットフォーム２へ搭載後、貨物の前後方向の移動防
止に使用する。

【０００５】この荷役作業用車輌Ａに貨物を搭載する場
合、幅の広い貨物の場合は、ガイドレール５を下降させ
た後、積荷プラットフォーム２の上面の移送ローラ３を
駆動し、貨物の移送を行なう。貨物搭載後は、ストッパ
７を上昇させて貨物の固定を行なう。

【０００６】幅の狭い貨物を搭載する場合には、ガイド
レール５は上昇させておき、積荷プラットフォーム２の
上面の移送ローラ３を駆動し、貨物の移送を行なう。こ
のときガイドレール５は、ガイドレール６と共に貨物の
移送方向を案内する役割を果たす。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の荷役
作業車輌Ａには、次のような問題がある。すなわち、上
記の荷役作業車輌Ａに貨物を搭載する場合、ガイドレー
ル５を上下動させるために、作業員によるガイドレール
５の昇降作業が必要になり、手間がかかる問題がある。
また、ガイドレール５を昇降させる昇降機構には、油
圧、または空圧等を利用した駆動源が必要となり、コス
トがかかる問題がある。

【０００８】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、作業員によるガイドレールの昇降作業が不要であ
り、昇降機構の駆動源を必要とせず安価に得られる荷役
作業車輌における積荷プラットフォームのガイドレール
装置を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明の荷役作業車輌に
おける積荷プラットフォームのガイドレール装置は、自
走自在な荷役作業車輌の積荷プラットフォームに設けら
れ、この積荷プラットフォームに小型貨物が搭載される
時に該積荷プラットフォームの貨物載置面から突出して
該小型貨物の搭載方向を案内し、該積荷プラットフォー
ムに大型貨物が搭載される時に前記貨物載置面下方に格
納されて該大型貨物の移動及び載置を許す荷役作業車輌
における積荷プラットフォームのガイドレール装置であ
って、前記積荷プラットフォームに形成された開口部か
ら突出自在、かつ該開口部内に格納自在に上下移動自在
に支持されたガイドレール本体と、常態において前記ガ
イドレール本体を前記積荷プラットフォームから上方に
突出させるように付勢する付勢部材とを具備し、前記ガ
イドレール本体上に前記大型貨物が載置されたときに
は、その荷重により前記ガイドレール本体が前記開口部
内に格納されるとともに前記付勢部材が伸長または収縮
する構成となっていることを特徴とする。

【００１０】

【作用】本発明の荷役作業車輌における積荷プラットフ
ォームのガイドレール装置においては、積荷プラットフ
ォームに小型貨物が搭載される際には、貨物載置面から
突出したガイドレール本体により搭載方向が定められ
る。

【００１１】また、積荷プラットフォームに大型貨物が
搭載される際には、大型貨物がガイドレール本体に当接
し、その荷重によりガイドレール本体が開口部内に収納
される。このとき付勢部材が伸長あるいは収縮する。こ
の後、ガイドレール本体上を大型貨物が通過し、ガイド
レール本体上にかかる荷重がなくなると伸長あるいは収
縮していた付勢部材が収縮あるいは伸長し、その収縮力
あるいは伸長力によりガイドレール本体が開口部から上
方に突出する。

【００１２】

【実施例】本発明の一実施例について図１ないし図３を
参照しながら説明する。

【００１３】図に示すのは、本発明の一実施例を有する
荷役作業車輌Ｂであり、この荷役作業車輌Ｂの走行台車
８上には貨物が搭載される積荷プラットフォーム９が設
けられている。積荷プラットフォーム９の上面９ａ（貨
物載置面）には、貨物を搬送するための駆動源を有する
移送ローラ１０及び駆動源をもたないコロ１１が前後方
向に並んで配置され、これらにより貨物搬送路が構成さ
れている。また、この上面９ａには、搬送路を区画する
ように昇降自在のガイドレール装置１２と固定式のガイ
ドレール１３、１３とが平行に配設されている。また搬
送路間には、貨物を積荷プラットフォーム９に搭載後、
貨物の前後方向の移動を防止する昇降式のストッパ１４
が設けられている。

【００１４】ガイドレール装置１２は、図３に示すよう
に常態において積荷プラットフォーム９の開口部１５か
ら突出し、貨物が当接し、その荷重がかかることによ
り、開口部１５内に格納されるガイドレール本体１６
と、このガイドレール本体１６を支持する支持部１７
と、この支持部１７を介してガイドレール本体１６を付
勢するスプリング１８（付勢部材）とから概略構成され
ている。

【００１５】ガイドレール本体１６は、側面視ほぼ台形
形状に形成されており、その斜面部１９、１９は貨物が
乗り上げる際にその衝撃が抑さえられるよう緩やかな角
度が付けられている。ガイドレール本体１６の上面２０
には、この上面２０上を通過する貨物との摩擦抵抗を軽
減するためにピン２１を介してローラ２２が取り付けら
れている。

【００１６】ガイドレール本体１６の下部の２箇所に
は、脚部材２３、２４が固定されている。ガイドレール
本体１６の下方の定位置には、枠体２５、２５が配設さ
れており、これら枠体２５、２５には、それぞれ支持部
材２６ａ、２６ｂが固定されている。支持部材２６ａに
は、く字状のアーム２８と、Ｉ字状のアーム２９とがピ
ン２７ａを介し、回動自在に取り付けられている。アー
ム２８とアーム２９は、互いに固定されており、図に示
す位置関係をもって一体的に回動する。また、支持部材
２６ｂには、く字状のアーム３０がピン２７ｂを中心に
回動自在に取り付けられている。

【００１７】アーム２８の上端部は、ガイドレール本体
１６の下端に固定された脚部材２３にピン３１を介して
連結されている。また、アーム３０の上端部は、ガイド
レール本体１６の下端に固定された脚部材２４にピン３
１を介して連結されている。また、アーム２９の先端部
とアーム３０の下端部には、それぞれピン３２、３２を
介してロッド３３の両端が回動自在に取り付けられてい
る。

【００１８】この構成のもとにガイドレール本体１６を
開口部１５の上方下方間で上下動させた場合、ガイドレ
ール本体１６は、水平状態を保ったまま、アーム２８、
２９、３０を回動させつつ上下動することができるよう
になっている。ガイドレール本体１６を上下動自在に支
持する各部材は、支持部１７を構成している。

【００１９】一方スプリング１８は、アーム２８下端部
と走行台車８間に張設されている。この構成のもとにス
プリング１８が一方向に伸張することによって、ガイド
レール本体１６は、常態において開口部１５から上方へ
突出するように付勢されている。

【００２０】次に、荷役作業車輌Ｂに貨物を搭載する作
業について説明する。

【００２１】まず、ガイドレール装置１２において、ガ
イドレール本体１６は、スプリング１８の力によって上
方に突出状態にある。また、ストッパ１４は下降させた
状態にしておく。

【００２２】この状態において、小型貨物、例えば幅が
ガイドレール１３とガイドレール装置１２との間隔より
も小さい貨物を積荷プラットフォーム９に搭載する場合
については、まず、作業員の操作により移送ローラ１０
を駆動する。

【００２３】次に、小型貨物を走行台車８後方から積荷
プラットフォーム９の上面９ａに搭載する。このとき、
小型貨物を積荷プラットフォーム９中央部に位置するガ
イドレール本体１６から２方向に分割して搭載する。

【００２４】搭載された小型貨物は、駆動する移送ロー
ラ１０及びコロ１１により走行台車８前方に向かって進
行する。このとき、ガイドレール本体１６は、固定式の
ガイドレール１３と共に、貨物の進行方向を案内するガ
イドとして機能し、貨物を所定位置に移送する。

【００２５】積荷プラットフォーム９の上面９ａに所定
個数の貨物を搭載した後、作業員の操作により移送ロー
ラ１０を停止させ、また、ストッパ１４を上昇させて、
貨物を固定する。

【００２６】次に、大型貨物、例えば幅がガイドレール
１３、１３間よりも若干小さい貨物を積荷プラットフォ
ーム９の上面９ａに搭載する場合には、まず、上記と同
様に大型貨物を走行台車８後方から積荷プラットフォー
ム９の上面９ａに搭載する。搭載された大型貨物は、駆
動する移送ローラ１０及びコロ１１により走行台車８前
方に向かって進行する。このとき、大型貨物はガイドレ
ール装置１２のガイドレール本体１６の図３において後
端部の斜面部１９に当接し、ガイドレール本体１６を下
方へ下降させつつ前方へ進行する。この時ガイドレール
本体１６は、アーム２８、３０、２９を回動させつつ、
スプリング１８を伸長させ、水平状態を保ったまま、下
降し、最終的に開口部１５の下方に格納される。

【００２７】この大型貨物が積荷プラットフォーム９の
上面９ａに複数個搭載されるとすると、このガイドレー
ル装置１２の前方へ大型貨物が移動した際には、ガイド
レール本体１６は貨物の負荷がなくなったことによっ
て、スプリング１８の力によって突出状態となるが、さ
らに後方から大型貨物が順次搭載されると、前述したよ
うにガイドレール本体１６は格納され、最終的にガイド
レール本体１６の上に貨物が載置された状態において
は、ガイドレール本体１６が開口部１５から内部に格納
された状態に置かれる。

【００２８】この後、大型貨物は、上述したようにガイ
ドレール装置１２上を通過しながら駆動する移送ローラ
１０及びコロ１１により所定の位置まで進行する。

【００２９】こうして所定個数の貨物を積荷プラットフ
ォーム９の上面９ａに搭載した後、作業員の操作により
移送ローラ１０を停止させ、またストッパ１４を上昇さ
せて、貨物を固定する。

【００３０】以上のように、上記のガイドレール装置１
２によれば、ガイドレール本体１６にかかる荷重の有無
により生じるスプリング１８の付勢力によりガイドレー
ル本体１６が昇降するため、作業員によるガイドレール
本体１６の昇降操作も油圧あるいは空気圧等の駆動源も
不要となる。これにより、幅の大小にかかわらず貨物の
移送を容易に行なうことができ、貨物の搭載、取り卸し
作業の効率が向上し、またガイドレール装置１２の低コ
スト化が図れる。

【００３１】また、上記のガイドレール装置１２によれ
ば、ガイドレール本体１６の上面２０にローラ２２が取
り付けられているので、貨物がこの上面２０上を通過す
る際に貨物と上面２０との摩擦抵抗を低下させ、ガイド
レール本体１６の破損を防止するとともに、ガイドレー
ル本体１６の寿命を長くすることができる。

【００３２】さらに、上記のガイドレール装置１２によ
れば、スプリング１８を用いているので、取り替え作業
が容易であり、貨物の重量に応じて適切な強さをもつス
プリングを選択することができる。

【００３３】次に、別の実施例について、図１、図２及
び図４、図５を参照しながら説明する。

【００３４】走行台車８におけるガイドレール装置３４
以外の各部材の構成、位置は前述の実施例と同一であ
り、同一符号を付して説明を省略する。ガイドレール装
置３４の位置は、図２におけるガイドレール装置１２の
位置と同一である。

【００３５】積荷プラットフォーム９に形成された開口
部１５には、ローラ３５を有するガイドレール本体３６
が配設されており、この構成は、図３に示すものと同様
である。このガイドレール本体３６下方には、枠体３７
が配設されており、この枠体３７の両側部には、ピン３
８、３８を介してアーム３９、３９の基端部が回動自在
に取り付けられている。ピン３８、３８には、支持部材
４０、４０が回動自在に取り付けられており、前記アー
ム３９、３９と支持部材４０、４０とは、一体的に回動
するようになっている。一方のピン３８には、第２のア
ーム４１が取り付けられていて、このアーム４１は、前
記アーム３９と支持部材４０と一体的に回動するように
なっている。

【００３６】アーム３９、３９の先端部はそれぞれピン
４２、４２を介して回動自在に、脚部材４３、４３に取
り付けられており、これら脚部材４３、４３は、ガイド
レール本体３６に固定されている。

【００３７】支持部材４０、４０の端部には、ピン４
４、４４を介して回動自在にロッド４５の端部がそれぞ
れ取り付けられている。

【００３８】また、第２のアーム４１の先端と、枠体３
７間にはスプリング４６（付勢部材）が張設されてい
る。

【００３９】この構成においても、ガイドレール本体３
６は、アーム３９、３９及びアーム４１等によって水平
状態を保ちながら、かつ上下方向に移動自在であり、か
つスプリング４６によって常態において突出状態に付勢
されている。

【００４０】この実施例においても、前述した実施例と
同様に、大型貨物及び小型貨物を搭載した場合には、前
述の実施例と同様に機能し、前述の実施例と同様の効果
が得られる。

【００４１】

【発明の効果】本発明の荷役作業車輌における積荷プラ
ットフォームのガイドレール装置によれば、ガイドレー
ル本体が、付勢部材の付勢力により、常態においては積
荷プラットフォームの貨物載置面から上方に突出され、
ガイドレール本体上に大型貨物が載置された場合には、
その荷重によりガイドレール本体が積荷プラットフォー
ムに形成された開口部内に格納される。これによって、
作業員によるガイドレール本体の昇降操作も、油圧ある
いは空気圧等を利用した高価な駆動源も不要となる。よ
って、幅の大小にかかわらず貨物の移送を容易に行なう
ことができ、貨物の搭載、取り卸し作業の効率が向上
し、またガイドレール装置を安価に得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を有する荷役作業車輌を示す
平面図である。

【図２】図１に示された荷役作業車輌の側面図である。

【図３】本発明の一実施例を示す縦断面図である。

【図４】本発明の別の一実施例として示したガイドレー
ル装置の縦断面図であり、ガイドレール本体が積荷プラ
ットフォーム内部に格納された状態を示す図である。

【図５】同装置の縦断面図であり、ガイドレール本体が
積荷プラットフォーム内部から突出した状態を示す図で
ある。

【図６】従来のガイドレール装置を有する荷役作業車輌
を示す平面図である。

【図７】図６に示された荷役作業車輌の側面図である。

【符号の説明】

９ 積荷プラットフォーム １２ ガイドレール装置 １５ 開口部 １６ ガイドレール本体 １８ 付勢部材 ３４ ガイドレール装置 ３６ ガイドレール本体 ４６ 付勢部材

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 自走自在な荷役作業車輌の積荷プラット
   フォームに設けられ、この積荷プラットフォームに小型
   貨物が搭載される時に該積荷プラットフォームの貨物載
   置面から突出して該小型貨物の搭載方向を案内し、該積
   荷プラットフォームに大型貨物が搭載される時に前記貨
   物載置面下方に格納されて該大型貨物の移動及び載置を
   許す荷役作業車輌における積荷プラットフォームのガイ
   ドレール装置であって、 前記積荷プラットフォームに形成された開口部から突出
   自在、かつ該開口部内に格納自在に上下移動自在に支持
   されたガイドレール本体と、常態において前記ガイドレ
   ール本体を前記積荷プラットフォームから上方に突出さ
   せるように付勢する付勢部材とを具備し、 前記ガイドレール本体上に前記大型貨物が載置されたと
   きには、その荷重により前記ガイドレール本体が前記開
   口部内に格納されるとともに前記付勢部材が伸長または
   収縮する構成となっていること を特徴とする荷役作業車
   輌における積荷プラットフォームのガイドレール装置。