JP3044763B2 - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は耐熱性、耐薬品性および強度、耐衝撃性など
の機械的性質や流動性が優れたポリフェニレンスルフィ
ド樹脂組成物およびそれからなるウエルド部を有する成
形品に関するものである。
〈従来の技術〉 ポリフェニレンスルフィド(以下、PPSと略す)樹脂
は耐熱性、剛性、耐薬品性が優れており、しかも難燃
性、絶縁性も良好であるなどのエンジニアリングプラス
チックとして好ましい性質を有しているため、射出成形
品を中心に自動車部品、電気・電子部品、一般機械部品
など広範な用途で使用されている。しかし、PPS樹脂は
ナイロン樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂などに
比べて脆く、特に引張り伸びや曲げ歪みが小さく、ウェ
ルド強度や衝撃強度が低いなどの欠点があり、また、高
価でもあるため、その応用には制限を受けざるを得ない
のが実情である。このようなPPS樹脂の欠点を補うため
に、PPS樹脂とナイロン樹脂をブレンドする技術がこれ
までに検討されており、たとえば、PPS樹脂とナイロン
樹脂を特定割合でブレンドする方法(特開昭53−69255
号公報、特開昭61−126172号公報など)、PPS樹脂とナ
イロン樹脂とさらにエポキシ樹脂を組合せる方法(特開
昭59−155462号公報)などが提案されている。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、上記従来技術では、いずれもアイゾッ
ト衝撃強度などについては改良効果が認められるもの
の、いまだ十分満足な耐衝撃性は得られておらず、また
引張り伸び、曲げ歪み、ウェルド強度などで代表される
強靱性についてはあまり改良がなされておらず、実用に
耐え得る樹脂組成物はいまだ得られていないのである。
そこで本発明者らは、PPS樹脂の有する耐熱性、耐薬
品性、強度などの優れた特徴を失うことなく、脆さとい
う欠点を克服し、引張り伸び、曲げ歪みが大きく、さら
に高いウェルド強度を有する強靱な樹脂組成物を得るこ
とを課題として、PPS樹脂とポリアミド樹脂とのブレン
ド系で検討を重ねた結果、PPS樹脂とポリアミド樹脂の
2成分の他にさらに特定の官能基を有するシラン化合物
を添加することにより上記の課題が一挙に解決し、極め
て優れた特性を有するPPS樹脂組成物およびそれからな
るウエルド部を有する成形品が得られることを見出し、
本発明に到達した。
〈課題を解決するための手段〉 すなわち、本発明は(A)ポリフェニレンスルフィド
樹脂に対し、カルボン酸無水物0.01〜10重量%を反応せ
しめて得られる変性ポリフェニレンスルフィド樹脂99〜
50重量%、(B)ポリアミド樹脂1〜50重量%、(C)
アミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基
のうちから選ばれた少くとも1種の官能基を有するシラ
ン化合物0.05〜5重量%および上記(A)〜(C)成分
の合計100重量部に対して0〜300重量部の(D)繊維状
および/または非繊維状の無機質充填材からなる樹脂組
成物であって、かつ、上記(C)成分は、上記(D)成
分に付着させない状態で混合されてなるポリフェニレン
スルフィド樹脂組成物およびそれからなるウエルド部を
有する成形品を提供するものである。
本発明で使用する変性PPS樹脂の原料となるPPS樹脂と
は、構造式 で示される繰返し単位を70モル%以上、より好ましくは
90モル%以上を含む重合体であり、上記繰返し単位が70
モル%未満では耐熱性が損われるため好ましくない。
PPS樹脂は一般に、特公昭45−3368号公報で代表され
る製造法により得られる比較的分子量の小さい重合体
と、特公昭52−12240号公報で代表される製造法により
得られる本質的に線状で比較的高分子量の重合体などが
あり、前記特公昭45−3368号公報記載の方法で得られた
重合体においては、重合後酸素雰囲気下において加熱す
ることにより、あるいは過酸化物などの架橋剤を添加し
て加熱することにより高重合度化して用いることも可能
である。
本発明においてはいかなる方法により得られたPPS樹
脂を用いることも可能であるが、本質的に線状で比較的
高分子量の重合体がより好ましく使用される。
また、PPS樹脂はその繰返し単位の30モル%未満を下
記の構造式を有する繰返し単位などで構成することが可
能である。
本発明において、上記PPS樹脂を変性するために用い
られるカルボン酸無水物としては、たとえばギ酸、酢
酸、プロピオン酸、n−酪酸、iso−酪酸、吉草酸、iso
−吉草酸、カプロン酸、iso−カプロン酸、ヘプタン
酸、オクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸およびステ
アリン酸などの脂肪族モノカルボン酸の酸無水物、モノ
クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、フルオロ
酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ブロモ酢
酸、トリブロモ酢酸、シアン酢酸およびシクロヘキサン
カルボン酸などの置換脂肪族モノカルボン酸の酸無水
物、安息香酸、o−クロロ安息香酸、m−クロロ安息香
酸、p−クロロ安息香酸、m−ブロモ安息香酸、p−ブ
ロモ安息香酸、o−ヨード安息香酸、m−ヨード安息香
酸、m−シアノ安息香酸、サリチル酸、フタル酸、イソ
フタル酸、テレフタル酸、馬尿酸、ナフトエ酸、フェニ
ル酢酸およびフェノキシ酸などの芳香族カルボン酸の酸
無水物およびマレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、
マロン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメ
リン酸、スベリン酸、酒石酸、リンゴ酸およびクエン酸
などの脂肪族多塩基酸の酸無水物などが挙げられ、なか
でも無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン
酸、無水フタル酸、無水コハク酸および無水安息香酸が
好ましく用いられる。
これらのカルボン酸無水物類は、1種または2種以上
の混合物で用いることができる。
本発明において、PPS樹脂に対しカルボン酸無水物を
反応せしめる手段には特に制限はなく、たとえば、PPS
樹脂およびカルボン酸無水物とをPPS樹脂の融点以上の
温度で押出機中で溶融混練後ペレタイズする方法、加熱
ミキサー中で溶融混合する方法およびPPSおよびカルボ
ン酸無水物とを溶媒中で反応処理する方法などが挙げら
れ、なかでも押出機中で溶融混合後ペレタイズする方法
が好ましく用いられる。
本発明で用いられる変性PPSの溶融粘度は、ブレンド
する熱可塑性樹脂との混練が可能であれば特に制限はな
いが、通常100〜10,000ポアズ(320℃、剪断速度10
S-1)のものが使用される。
次に、本発明で変性PPSに配合するために用いるポリ
アミドとは、ε−カプロラクタム、ω−ドデカラクタム
などのラクタム類の開環重合によって得られるポリアミ
ド、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、
12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から導かれるポリ
アミド、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、
ドデカメチレジアミン、2,2,4−/2,4,4−トリメチルヘ
キサメチレンジアミン、1,3−および1,4−ビス(アミノ
メチル)シクロヘキサン、ビス(4,4′−アミノシクロ
ヘキシル)メタン、メタおよびパラキシリレンジアミン
などの脂肪族、脂環族、芳香族ジアミンとアジピン酸、
スベリン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、1,3−および
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、ダイマー酸などおよびこれらの酸クロリド
などの酸誘導体などの脂肪族、脂環族、芳香族ジカルボ
ン酸または酸ハロゲン化物などの酸誘導体とから導かれ
るポリアミドおよびこれらの共重合ポリアミド、混合ポ
リアミドであり、これらのうちでも通常はポリカプロア
ミド(ナイロン6)、ポリウンデカンアミド(ナイロン
11)、ポリドデカンアミド(ナイロン12)、ポリヘキサ
メチレジパミド(ナイロン66)およびこれらを主成分と
する共重合ポリアミドが有用である。これらポリアミド
の重合方法は通常公知の溶融重合、固相重合、溶液重合
およびこれらを組合せた方法を採用することができる。
また、ポリアミドの重合度には特に制限がなく、相対
粘度(ポリマ1gを98%濃硫酸100mlに溶解し、25℃で測
定)が2.0〜5.0の範囲内にあるポリアミドを目的に応じ
て任意に選択できる。
本発明で用いられる官能基含有シラン化合物とは、ア
ミノ基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基の
なかから選ばれた少くとも1種の官能基を分子中に1個
以上有するアルコキシシランまたはハロシランであり、
具体的な例としてはγ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロ
ピルメチルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β
(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシ
ラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、
γ−ウレイドプロピルメチルトリメトキシシラン、γ−
ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプ
ロピルメチルトリエトキシシラン、γ−(2−ウレイド
エチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリ
シドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキ
シプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルジメチルメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
メチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロ
ヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エ
ポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、γ
−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イ
ソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、γ−イ
ソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシ
アネートプロピルメチルジエトキシシラン、γ−イソシ
アネートプロピルエチルジメトキシシラン、γ−イソシ
アネートプロピルエチルジエトキシシラン、γ−イソシ
アネートプロピルトリクロロシランなどを挙げることが
できる。これらシラン化合物の添加量は樹脂成分に対し
て0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%の範囲内
であり、シラン化合物は各々単独または2種以上の混合
物の形で用いることができる。このシラン化合物は、無
機質充填材を併用添加する場合であっても、無機質充填
材に付着させない状態で混合されるものである。シラン
化合物の添加量が0.05重量%に満たないと樹脂組成物の
強靱性改良効果が不十分で好ましくなく、一方、添加量
が5重量%を越えると樹脂組成物の流動性が損なわれる
ので好ましくない。
本発明における特定のシラン化合物の作用機構は明ら
かではないが、上記の官能基以外の官能基を有するシラ
ン化合物、たとえばビニルトリメトキシシラン、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシランなどを添加しても
ほとんど効果がないことから、アミノ基、ウレイド基、
エポキシ基、イソシアネート基という反応活性の高い官
能基がPPS樹脂とポリアミド樹脂との親和性向上に何ら
かの役割を果していると思われる。
本発明の樹脂組成物の調製方法はシラン化合物を充填
材に付着させない状態で混合するのであれば、特に制限
はなく、変性PPS樹脂、ポリアミド樹脂、シラン化合物
および必要に応じて充填材をドライブレンドした混合物
をニーダー、バンバリミキサー、ミキシングロール、単
軸または2軸の押出機を用いて270〜350℃の温度で溶融
混練する方法を例として挙げることができ、なかでも十
分な混練力をもつ単軸または2軸の押出機を用いて溶融
混練する方法が代表的であり、効率的である。
本発明の樹脂組成物には本発明の効果を損なわない範
囲で、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、結晶核剤、紫外線
防止剤、着色剤、難燃剤などの通常の添加剤および少量
の多種ポリマを添加することができ、さらに、PPSの架
橋度を制御する目的で、通常の過酸化剤および特開昭59
−131650号公報に記載されているチオホスフィン酸金属
塩などの架橋促進剤または特開昭58−204045号公報、特
開昭58−204046号公報などに記載されているジアルキル
錫ジカルボキシレート、アミノトリアゾールなどの架橋
防止剤を配合することも可能である。
本発明において、繊維状および/または粒状の無機質
充填材(以下、強化材ともいう)は必須成分ではない
が、必要に応じて本発明の樹脂組成物100重量部の対し3
00重量部を越えない範囲で配合することが可能であり、
通常10〜300重量部の範囲で配合することにより強度、
剛性、耐熱性、寸法安定性などの向上を図ることが可能
である。
かかる繊維状強化剤としては、ガラス繊維、アルミナ
繊維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊
維、石コウ繊維および金属繊維などの無機繊維および炭
素繊維などが挙げられる。
また粒状の強化剤としては、ワラステナイト、セリサ
イト、カオリン、マイカ、クレー、ベントナイト、アス
ベスト、タルク、アルミナシリケートなどの珪酸塩、ア
ルミナ、塩化珪素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウ
ム、酸化チタンなどの金属化合物、炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、ドロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩、ガラス・ビーズ、窒
化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどが挙げられ、これ
らは中空であってもよい。これら強化剤は2種以上を併
用することが可能である。
本発明の樹脂組成物は射出成形などの方法により成形
品とすることが可能であり、ウエルド強度等の優れた特
性をいかしてウエルド部を有する成形品として特に有用
である。
〈実施例〉 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明す
る。
実施例および比較例中の引張特性、曲げ特性、衝撃特
性、ウェルド強さなどの諸特性は各々次の方法で測定し
た。
引張特性:ASTM D638 曲げ特性:ASTM D790 衝撃特性:ASTM D256 ウェルド強度の測定:両端にゲートを有し、試験片中央
部付近にウェルドラインを有するASTM2号ダンベル片を
射出成形し、歪速度5mm/min、支点間距離64mmの条件で
行った。
参考例1(PPSの重合) オートクレーブに硫化ナトリウム3.26kg(25モル、結
晶水40%を含む)、水酸化ナトリウム4g、酢酸ナトリウ
ム三水和物1.36kg(約10モル)およびN−メチル−2−
ピロリドン(以下、NMPと略す)7.9kgを仕込み、撹拌し
ながら徐々に205℃まで昇温し、水1.36kgを含む留出水
約1.5lを除去した。残留混合物に1,4−ジクロルベンゼ
ン3.75kg(25.5モル)およびNMP2kgを加え、265℃で4
時間加熱した。反応生成物を70℃の温水で5回洗浄し、
80℃で24時間減圧乾燥して、溶融粘度約2,500ポアズ(3
20℃、剪断速度10S-1の粉末状PPS(A−1)約2kgを得
た。
同様の操作を繰返し、以下に記載の実施例に供した。
参考例2 参考例1で得られたPPS粉末をpH4に調整した酢酸水溶
液にて80℃で30分間撹拌した後、70℃のイオン交換水で
3回洗浄し、80℃で24時間真空乾燥してPPS粉末(A−
2)を得て、以下の実施例に供した。
参考例3 参考例1で得られたPPS粉末およびイオン交換水をオ
ートクレーブ中に仕込み、撹拌下に150℃に昇温し、こ
の温度で30分間保持した後冷却し、さらに70℃のイオン
交換水で1回洗浄し、80℃で24時間真空乾燥してPPS粉
末(A−3)を得て、以下の実施例に供した。
参考例3 参考例1〜3で得られたPPS粉末および数種のカルボ
ン酸無水物を第1表に記載の割合でドライブレンドした
後、290〜310℃に設定した押出機にて溶融混練押出しペ
レタイズし、B−1〜B−3なる変性PPSを得た。ここ
でPPSとカルボン酸無水物が反応していることは、混練
生成ペレットをメタノールで8時間抽出した後320℃で
溶融プレスフィルムを作成し、このフィルムのIRスペク
トル中1,700〜1,800cm-1のνc=0特性吸収を解析して
確認した。
実施例1 参考例4で得られた変性PPS(B−1)70重量部、相
対粘度3.4のナイロン6 30重量部およびγ−グリシドキ
シプロピルトリメトキシシラン1重量部をヘンシェルミ
キサーを用いてドライブレンドした後、30mmφ2軸押出
機のホッパーに供給し、シリンダー温度300℃、スクリ
ュー回転数150rpmの条件で混練を行い、溶融ガットを水
冷後、ペレタイザーでペレット化した。このペレットを
100℃/24時間真空乾燥した後、射出成形機を用いてシリ
ンダー温度300℃、金型温度150℃の条件下で各種試験片
を成形し、外観良好な成形片を得た。ここで得られた成
形片の諸特性は第2表に示すとおりであり、特に伸び、
ウェルド強度が高く、靱性に優れた実用価値の高いもの
であることが判明した。
比較例1 γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを用い
なかった以外は、実施例1と全く同様に変性PPSとナイ
ロン6の混練および成形を実施し、得られた成形片の特
性を第2表に示した。このものは、伸び、ウェルド強度
の点で十分満足できるものではなかった。
比較例2 参考例3で得られた未変性のPPS(A−3)をB−1
の代りに使用した以外は、実施例1と全く同様の手順で
混練、成形を実施した。ここで得られた成形片の特性は
第2表に示すとおりであり、このものも、伸び、ウェル
ド強度が不足であった。
実施例2〜5 変性PPS、ポリアミドおよびシラン化合物の種類と配
合量を変えて実施例1と同様の手順で溶融混練、射出成
形を行い、いずれの場合も外観良好な成形片を得た。こ
れらの諸特性は第2表にまとめて示すとおりであり、い
ずれも強靱性、ウェルド強度の高い優れた特性を有する
ものであった。
実施例6〜10 変性PPS樹脂、ナイロン樹脂、シラン化合物および無
機強化材を第3表に示す割合でドライブレンドした後、
40mmφ単軸押出機を用いてシリンダー温度310℃、スク
リュー回転数80rpmの条件で混練を行いペレット化し
た。このペレットを100℃/16時間真空乾燥後、シリンダ
ー温度310℃、金型温度150℃の条件で射出成形し、いず
れも外観良好な成形片を得た。これら成形片の特性は第
3表に示すとおりであり、いずれも伸び、ウェルド強度
が高く、しかも強度、耐衝撃性にも優れた実用価値の高
いものであることが判明した。
比較例3 シラン化合物を用いない以外は実施例6と全く同様に
混練、成形を行って得た成形片の特性は第3表に示すと
おり不十分であった。
〈発明の効果〉 本発明の目的はPPS樹脂の持つ耐熱性、耐薬品性、機
械的強度などの優れた特性を損なうことなく、伸び、ウ
ェルド強度などで代表される強靱性をも兼備したPPS樹
脂組成物およびウエルド部を有する成形品を得ることで
あった。
上記目的は酸無水物変性PPS、ポリアミド、特定の官
能基を有するシラン化合物の3者を組合せることにより
達成され、実用価値の高いPPS樹脂組成物およびウエル
ド部を有する成形品を得ることができた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−169667(JP,A) 特開 平1−193360(JP,A) 特開 昭64−63115(JP,A) 特開 昭64−38211(JP,A) 特開 昭61−204267(JP,A) 特開 平2−283763(JP,A) 特開 平4−100860(JP,A) 特開 平4−216860(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂に対
    し、カルボン酸無水物0.01〜10重量%を反応せしめて得
    られる変性ポリフェニレンスルフィド樹脂99〜50重量
    %、(B)ポリアミド樹脂1〜50重量%、(C)アミノ
    基、ウレイド基、エポキシ基、イソシアネート基のうち
    から選ばれた少くとも1種の官能基を有するシラン化合
    物0.05〜5重量%および上記(A)〜(C)成分の合計
    100重量部に対して0〜300重量部の(D)繊維状および
    /または非繊維状の無機質充填材からなる樹脂組成物で
    あって、かつ、上記(C)成分は、上記(D)成分に付
    着させない状態で混合されてなることを特徴とするポリ
    フェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載のポリフェニレンスルフ
    ィド樹脂組成物からなるウエルド部を有する成形品。
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