JP3044674B2 - 自動取引装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、銀行等の金融機関にお
いて設置され、顧客自身の操作によって入出金等の取引
処理を行う現金自動取引装置に関するものであり、特に
振込処理も取り扱うことができる現金自動取引装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、金融機関に設置されていて振込処
理も可能な現金自動取引装置により振込処理を行う場合
の操作には、以下に示すような幾つかの種類がある。ま
ず、第１の例としては、振込処理を行おうとする場合に
振込相手先をその都度、または初回のみ、図示しない自
動取引装置に設けられた操作キーを操作し、振込手順に
従って押下することにより所定のデータを入力して行
う。また、第２の例としては、振込人が金融機関におい
て事前に振込相手先と振込人本人の双方の情報を登録す
る手続きをして振込カードを作成しておき、振込手続き
を行う場合は、この予めデータを保有させた振込カード
を用い、所定の操作手順により振込操作を行う。

【０００３】上述した設定によって行う振込取引におい
ては、現金を直接、現金自動取引装置に入金して行う場
合と、キャッシュカードにより振込人自身の口座から振
り替えて入金するケースがある。どちらの場合も、振
込相手先の情報として振込相手先銀行名，同支店名，同
氏名（企業名），そして同電話番号を入力する。次に
振込人側の情報である振込人氏名と同電話番号を、最後
に振込金額を入力する。

【０００４】なお、上述した振込相手先の情報、およ
び振込人情報は、振込カードを用いない前記第１の振
込取引例によって処理する場合には、振込処理を行うた
びにその都度、振込人が入力しなければならないことか
ら、操作性の向上を図るため、従来より上記の各情報を
予め登録しておき、この登録した情報をカードの磁気ス
トライプ部に格納させて振込処理専用の振込カードを作
成し、この振込カードを用いて振込処理を行う前記第２
の振込取引例がすでに実施化されている。

【０００５】図５はこのような振込カードの情報格納例
を示す説明図である。１は振込カードで、所定の位置に
磁気ストライプ部２が貼付されており、この磁気ストラ
イプ部２に、以下に示す振込処理において必要となる各
情報が格納されるようになっている。まず、カード挿入
方向に対して先端側となる一端には、ここから以降に情
報が格納されていることを知らせるための始め符号が格
納されるエリア、続いて上記振込相手先情報として、
振込相手先銀行名，支店名，氏名、電話番号が格納され
るエリア、つぎに振込人情報である振込人氏名、電話
番号のエリア、そして振込金額情報としての予備フィ
ールドが格納されるエリアの順にレイアウトされてお
り、最後に情報が終了することを知らせるための終わり
符号エリアのチェックコードが、それぞれの情報量に応
じた範囲の長さに区切られて設定されており、各々のエ
リアには該当する各情報が格納されるようになってい
る。

【０００６】上述した構成による振込カード１を用いて
振込処理を行う場合は、該振込カード１に振込相手先
のデータ、及び振込人のデータが登録されているの
で、これらの情報を入力する操作は不要であるが、振込
カード１作成時において、かならず、振込相手先デー
タ，振込人データを、振込人自身が現金自動取引装置
のキー操作により入力する必要がある。そして、これら
の登録情報は、当然、振込相手先データだけ、あるい
は振込人データだけといった、部分的な登録はシステ
ム的に受け付けられないものであるために、振込取引を
行う場合は、かならず上記両者のデータを同時に入力す
る必要があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上述したように振込取
引を行う場合に、振込相手先が限定されており、かつ定
期的に振込を行うような場合は、振込相手先及び振込人
双方の情報が登録できる振込カードを振込人側が予め作
成しておき、この振込カードを用いて操作を行えば、キ
ー操作が少なくて済むので、入力ミスも少なく操作を簡
略化することができるという利点があるが、この振込カ
ードを作成する際には、かならず、振込相手先と振込人
自身双方の情報を、キー操作によって入力して、登録し
なければならない。特に、最近、消費者金融等への融資
の返済のための振込や、学校の入学金，授業料の納付の
ための振込等といったある特定の指定された振込相手先
に不特定多数の振込人が、振込処理を行う取引が多くな
っているが、このような振込取引の場合でも振込カード
を用いる場合はそのカード作成時に、また振込カードを
用いない場合は振込取引のたびに、振込相手先並びに振
込人自身との双方の情報を、キー操作を行って入力しな
ければならないという問題があった。

【０００８】つまり、上述したような振込取引において
は、振込処理のために不特定多数の振込人が、該振込人
全てにとって全く同じ振込相手先の情報を、各々振込人
ごとに入力するという操作が必要となる。従って、振込
人によっては不慣れな操作を行わなければならなかった
り、この不慣れな操作のために操作時間が長くなり、他
の顧客の待ち時間を長引かせてしまう等の問題を発生さ
せるばかりでなく、入力情報が多いことで入力ミスを発
生させて、さらなる操作性並びに稼働性の低下を招いて
しまうという問題があった。

【０００９】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、振込処理時や振込カードを作成す
る際に、振込相手先と振込人の双方の情報を振込人本人
がキー入力により操作しなくとも、振込処理を行えるよ
うにして、入力操作を簡略化することで入力ミスが減少
を図ると共に取引処理時間を短縮化して、稼働効率のよ
い現金自動取引装置を提供することを目的とするもので
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ため本発明は、振込相手先の情報のみを予め登録した特
定の振込カードを振込相手先が作成し、これを顧客に発
行して、顧客はこの特定振込カードによって振込人の情
報のみを入力するだけで振込取引を行えるようにしたも
のである。つまり、振込取引に関する所定の情報を予め
登録して作成した振込カードを挿入することで振込取引
処理が可能な自動取引装置において、振込相手先の情報
のみを登録した特定振込カードを装置に挿入することに
より振込人情報の入力を指示する振込人情報入力指示手
段を設け、この振込人情報入力指示手段からの指示によ
り顧客操作部の操作キーを操作して振込人の所定の情報
を入力することで振込処理を行えるようにしたものであ
る。

【００１１】

【作用】上述した構成により、顧客によって振込相手先
から送付を受けた、振込相手先の情報のみを格納してい
る特定振込カードが、振込人によって金融機関に設置さ
れている現金自動取引装置に挿入されると、この特定振
込カードに格納された磁気情報が装置内部にて読み取ら
れ、この読み取られた情報に基づいて、振込人情報入力
指示手段により、振込を行おうとする振込人の振込に関
する所定情報を入力すべく指示し、顧客に操作を促す。
この指示に従い、顧客は自身の振込人情報のみを顧客操
作部を操作して入力する。これにより、振込相手先の情
報はすでにカードに登録されていることから、顧客、つ
まり振込人は、振込相手先に情報を間違えることなく振
込処理を行うことができる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
する。図１は現金自動取引装置を示すブロック図、図２
は図１に示した現金自動取引装置により処理可能な特定
振込カードの説明図、図３は図２に示す特定振込カード
を用いた振込取引の処理動作を示すフローチャート、図
４は本願に係わる特定振込カードの使用システム例を示
す説明図である。まず、図１により現金自動取引装置の
概略構成を説明する。図において、３は現金自動取引装
置であり、顧客自身の操作により現金の入出金取引，残
高照会，通帳記帳のほか、本願に係わる振込取引処理が
可能な機能を備えている。

【００１３】４は制御部であり、以下に述べる種々の機
構部等を制御し、図示しないホストコンピュータとホス
トインターフェイス部５を介して接続されている。６は
顧客が操作キー等を押下することで取引指示や取引情報
等を入力するための顧客操作部、７は始業時における稼
働開始指示や終業時における稼働停止指示、及び点検や
修理等を実施する際に係員によって操作される係員操作
部、８は取引情報や装置内部の駆動情報等を記憶するフ
ァイル部である。９は顧客が入出金等の取引処理を行う
にあたり装置に挿入した顧客カードに貼付された磁気ス
トライプ部の情報の読み取り及び書き込みを行うカード
リーダライタ部であり、ここでは振込カードの磁気スト
ライプ部の読み取り、および書き込み動作も行う。

【００１４】１０は入出金取引に伴って装置内に挿入さ
れた通帳に取引内容を印字するための通帳記帳部、１１
は顧客により指示された入出金取引、および振込取引に
基づき、投入された紙幣を取り込んで所定の収納部に収
納すると共に、出金指示の場合は所定の収納庫から出金
指示に該当する金額の紙幣を繰り出して入出金処理を行
う紙幣入出金部、１２は同様にして硬貨を取り扱う硬貨
入出金部である。

【００１５】そして、これら上述した各要素は、前記制
御部４により制御されるようになっており、さらにこの
制御部４内には後述する特定振込カードの処理に対応す
るために、振込相手先の情報のみを磁気ストライプ部に
保有して、振込相手先を特定している特定振込カード
を、振込相手先並びに振込人双方の情報とも保有してい
る通常振込カードと区別して認識するための特定振込カ
ード認識部１３と、さらにこの特定振込カード識別部１
３により特定カードでの処理であることを認識した場合
に、振込人の情報の入力を指示する振込人情報入力指示
手段１４とを備えている。なお、１５はこれら各要素を
備えた装置を駆動するための電源部である。

【００１６】次に、上述した装置により使用される特定
振込カードの情報保有例を図２に示す。図２において、
１６は振込相手先の情報のみを格納可能とした特定振込
カードであり、磁気ストライプ部１７に各情報格納エリ
アが区切られている。図に示すように、磁気ストライプ
部１７には、まず、従来と同様に、カード挿入方向に対
して先端側となる一端に、ここから以降に情報が格納さ
れていることを知らせるための始め符号を、続いて振込
相手先情報としての振込相手先銀行名，支店名，氏名、
電話番号を格納するエリアが設定されている。そして、
この振込相手先情報エリア以降は、磁気情報が終了する
ことを知らせる終わり符号エリアまでの間を全て予備フ
ィールドのエリアとしており、振込人側の情報を格納す
るためのエリアは確保していない。そして、上述した各
情報格納エリアに、所定の情報を登録することで特定振
込カード１６として使用可能となる。

【００１７】上述した特定振込カード１６を用いた振込
取引の処理動作を、図１〜図２に図３のフローチャート
を加えて説明する。なお、以下の示す記号Ｓは処理ステ
ップを示す。まず、顧客が図１に示す現金自動取引装置
３の顧客操作部６を操作して振込取引を指示し、図示せ
ぬカード挿入口に振込相手先の情報のみが格納されてい
る前記特定振込カード１６を装置内に挿入すると（Ｓ
１）、カードリーダライタ部９が磁気ストライプ部１７
の情報を読み取り、この読み取った磁気情報を制御部４
に送信すると、制御部４は特定振込カード識別部１３に
より、挿入されたカードが特定振込カード１６か否か、
つまり、振込相手先のデータしか記憶されていないか、
あるいは振込相手先と振込人双方の全データが記憶され
ているかにより判断する（Ｓ２）。

【００１８】Ｓ２において、挿入されたカードが特定振
込カード１６であると判断された場合は、振込人情報入
力指示手段１４により振込人情報である振込人氏名と振
込人電話番号を、顧客が顧客操作部６を操作して入力す
るように、図示しない表示部等に表示するなどして操作
を促す（Ｓ３）。この指示に従って顧客が振込人情報を
入力したことが確認されると（Ｓ４）、入力された振込
人情報を、カードリーダライタ部９において、特定振込
カード１６の予備フィールドに書き込む（Ｓ５）。

【００１９】振込人情報の書き込みが終了すると、続い
て顧客に振込金額の入力を促し（Ｓ６）、振込金額の入
力が確認されると（Ｓ７）、顧客に対して装置の図示せ
ぬ現金投入口に現金の投入を指示する（Ｓ８）。顧客に
より現金が投入されると、装置内において投入された現
金の計数を行い、釣り銭があるか否かを算出し（Ｓ
９）、釣り銭がある場合は釣り銭放出を指示する（Ｓ１
０）。釣り銭が放出されると，特定振込カード１６が図
示せぬカード放出口に放出され、振込処理は終了する
（Ｓ１１）。なお、前記Ｓ９において釣り銭がないと判
断された場合は、このＳ１１の特定振込カード１６の放
出処理となる。

【００２０】最後に、上述したような特定振込カード１
６を用いることにより振込処理の利便性を発揮できるシ
ステムの一例を図４に示す。図４において、１８は本願
に係わる現金自動取引装置を設置している銀行等の金融
機関、１９は振込を受ける振込相手先となる企業／法人
であり、この企業／法人１９には消費者金融や学校等が
含まれ、融資の返済や入学金及び授業料等の支払いを行
う際の振込相手先の対象となる。２０はこの企業／法人
１９に対して振込取引を行う不特定多数の顧客であり、
企業／法人１９から製品を購入したり、融資を受けた
り、あるいは学校に入学したりすることによる支払い義
務を有している。

【００２１】上述した３者の関連において、特定振込カ
ード１６は、企業／法人１９が金融機関１８に対し、依
頼者自身、つまり企業／法人１９を振込相手先として作
成を依頼する。これを受けて金融機関１８が、企業／法
人１９の、振込取引に必要な各所定の情報を登録した特
定振込カード１６を作成し、企業／法人１９に発行す
る。そして、企業／法人１９が、この特定振込カード１
６を支払い義務を有する不特定多数の顧客２０に対し
て、振込の依頼と共に送付する。特定振込カード１６と
共に振込依頼を受けた顧客２０は、この特定振込カード
１６を用いて、上述したフローチャートの操作手順に従
い金融機関１８から、企業／法人１９宛に振込取引を行
う。

【００２２】このように不特定多数の振込人が、ある特
定の振込相手先に対して定期的に振込をするという設定
が成立する場合には、３者それぞれに有効な効果を得る
ことになる。つまり、上述したシステムにおける企業／
法人１９は顧客２０から間違いなく振込相手先の指定を
受けられることになり、金融機関１８は入力操作の簡略
化、操作ミスの減少、操作時間の短縮が実現できる。そ
して、顧客２０は振込相手先の情報を入力する操作を行
わなくとも確実に振込相手先を指定できると共に振込取
引における操作が簡略化されることになるからである。

【００２３】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、振
込取引に関する所定の情報を予め登録して作成した振込
カードを挿入することで振込取引処理が可能な自動取引
装置において、振込相手先の情報のみを登録した特定振
込カードを装置に挿入することにより振込人情報の入力
を指示する振込人情報入力指示手段を設け、この振込人
情報入力指示手段からの指示により顧客操作部の操作キ
ーを操作して振込人の所定の情報を入力することで振込
処理を行えるようになるので、顧客は予め振込相手先の
情報を登録してある特定振込カードを用い、振込人であ
る顧客自身の情報を入力するだけで振込処理を行うこと
が可能となる。このため、金融機関にて行う振込操作は
容易となり、また振込相手先の情報は入力する必要がな
いので、操作ミス等によって振込相手先の情報入力を間
違うことも無くなり、短時間で確実な振込取引処理を実
施することができる。

【００２４】そして、この顧客の短時間で確実な振込取
引処理に伴い、金融機関においては、顧客ひとり当たり
の振込処理が短縮されることで、他の顧客の待ち時間を
短縮することができると共に、操作ミスが少なくなるの
で装置稼働率の向上を図ることができるという効果が得
られる。また、振込を受ける振込相手先は、確実な振込
指定を受けることになり、確実に資金を回収することが
できるという効果も得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】現金自動取引装置を示すブロック図である。

【図２】図１に示す現金自動取引装置により処理可能な
特定振込カードの説明図である。

【図３】図２に示す特定振込カードを用いた振込処理の
操作手順を示すフローチャートである。

【図４】本願に係わる特定振込カードの使用システム例
を示す説明図である。

【図５】従来の振込カードの情報格納例を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

３ 現金自動取引装置 ４ 制御部 ９ カードリーダライタ部 １３ 特定振込カード認識部 １４ 振込人情報入力指示手段 １６ 特定振込カード １７ 磁気ストライプ部

フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) G06F 19/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 振込取引に関する所定の情報を予め登録
   して作成した振込カードを挿入することで振込取引処理
   が可能な自動取引装置において、振込相手先の情報のみ
   を登録した特定振込カードを装置に挿入することにより
   振込人情報の入力を指示する振込人情報入力指示手段を
   設け、この振込人情報入力指示手段からの指示により顧
   客操作部の操作キーを操作して振込人の所定の情報を入
   力することで振込処理を行えるようにしたことを特徴と
   する自動取引装置。