JP3042274B2 - ワークの位置合わせ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、型鍛造によって成形さ
れた傘歯車のようなワークの姿勢を一定方向にそろえる
位置合わせ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、例えば、図１に示すように、円
柱状の支持軸１の大径部先端面に、螺旋状の複数の歯部
２が形成され、上記大径部の基端寄りにつば部３が形成
されてなるまがりば傘歯車（スパイラルベベルギヤ、以
下ワークと称す）Ｗを、型鍛造によって形成した後ショ
ットブラストを経て矯正用プレスによって矯正（コイニ
ング）する場合には、プレスの下型の凹所内に、ワーク
Ｗの姿勢を一定方向にそろえた状態で装入する必要があ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】そして、従来は、作業
員が個別にワークＷの姿勢を一定方向にそろえて、上記
矯正用プレスの下型の凹所内に装入しているため、手間
がかかり、作業性が悪いという問題がある。

【０００４】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、型鍛造によって成形され
た傘歯車のようなワークの姿勢を一定方向に円滑にかつ
確実にそろえることができる上に、省力化，自動化を図
ることができるワークの位置合わせ装置を提供すること
にある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、ワークを所定位置に停止させる定置装置
と、この定置装置によって上記所定位置に停止させられ
たワークを上下動可能にかつ回転可能に支持する支持装
置と、この支持装置に支持されたワークの下方に上下動
可能にかつ回転可能に設けられ、上記ワークの表面形状
に係合する表面形状を備えた係止具と、この係止具によ
って一定方向に姿勢をそろえられたワークを搬出する搬
送手段とを備えたものである。

【０００６】

【作用】本発明のワークの位置合わせ装置にあっては、
定置装置によって所定位置に停止させられかつ支持装置
によって支持されたワークの表面（下面）に、係止具を
押し付けながら回転させて、ワークと係止具とを係合さ
せワークの姿勢を一定方向にそろえた後、搬送手段によ
って上記ワークを搬出する。

【０００７】

【実施例】以下、図１ないし図７に基づいて本発明の一
実施例を説明する。

【０００８】図７は、ワークＷの型鍛造、徐冷、ショッ
トブラスト及び矯正工程を連続的に行うための全体装置
を示す概略平面図である。この図において符号１０は型
鍛造装置であり、この型鍛造装置１０は、荒鍛造及び仕
上げ鍛造を行う一対の鍛造用プレス１００，１０１が並
設され、これらの鍛造用プレス１００，１０１によっ
て、円柱状の素材からワークＷの型鍛造が自動的にかつ
連続的に行われるようになっている。そして、この型鍛
造装置１０によって型鍛造されたワークＷは、徐冷装置
１２によって徐冷されるようになっており、この徐冷装
置１２は、受渡し装置１２０によって受け渡された上記
ワークＷを搬送しながら徐冷する一対の徐冷コンベア１
２１，１２２と、これらの徐冷コンベア１２１，１２２
間を連結するシュート１２３と、上記徐冷コンベア１２
２の下方に多段に配置され、かつこの徐冷コンベア１２
２から落下したワークＷを受け止めて搬送する空冷コン
ベア（図示せず）とを主体として構成されている。ま
た、上記徐冷コンベア１２１，１２２及び空冷コンベア
は、メッシュ状のベルトが移動することによって、上記
ワークＷを移送するようになっている。そして、上記各
徐冷コンベア１２１，１２２には、その上方に覆いが設
けられており、これによって、上記徐冷コンベア１２
１，１２２上を搬送されて行くワークＷが徐々に冷却さ
れるようになっている。さらに、上記空冷コンベアのう
ち最下段のものの搬出端には、シュート１４０を介して
パーツフィーダ１４が連結されており、このパーツフィ
ーダ１４は、振動によって上記ワークＷの歯部２を上
に、かつ支持軸１を下にした状態で送出するように構成
されている。そして、上記パーツフィーダ１４の搬出端
には、直進フィーダ１４１が連結されており、この直進
フィーダ１４１は、一対の振動プレートが所定間隔離間
して並設され、これらの振動プレートに上記ワークＷの
歯部２が支持されかつ各振動プレート間に上記ワークＷ
の支持軸１が垂下した状態で、該ワークＷが振動により
一方向に移送されて行くようになっている。

【０００９】上記直進フィーダ１４１の搬出端には、シ
ョットブラスト装置１６が設けられており、このショッ
トブラスト装置１６には、上記直進フィーダ１４１によ
って移送されてきたワークＷを１つずつに分離し一定位
置に停止させるストッパ装置１８と、このストッパ装置
１８によって一定位置に停止させられたワークＷを上記
ショットブラスト装置１６に搬入しかつ上記ショットブ
ラスト装置１６によりショットブラスト処理されたワー
クＷをショットブラスト装置１６から搬出する第１搬出
入装置２０と、この第１搬出入装置２０により搬出され
たワークＷを１８０度反転させる反転装置２２とを備え
ている。上記第１搬出入装置２０は、昇降自在にかつ所
定角度回動自在に設けられた回動軸２００と、この回動
軸２００に所定角度を保持して設けられた一対の挟持ア
ーム２０１，２０２と、これらの挟持アーム２０１，２
０２に各一対ずつ開閉自在に設けられた挟持爪２０３と
から構成されている。また、上記反転装置２２は、上記
第１搬出入装置２０により搬出されたワークＷの支持軸
１を把持する一対の把持爪２２０と、これらの把持爪２
２０を支持する把持アーム２２１と、この把持アーム２
２１を１８０度反転させる回動装置２２２とを主体とし
て構成されている。

【００１０】上記反転装置２２には、この反転装置２２
が反転させたワークＷを、振動により移送する直進フィ
ーダ２２３が連設されており、この直進フィーダ２２３
の搬出端には、矯正用プレス２４が設けられている。こ
の矯正用プレス２４には、上記直進フィーダ２２３によ
って移送されてきたワークＷを１つずつに分離し一定位
置に停止させるストッパ装置２６と、このストッパ装置
２６によって一定位置に停止させられたワークＷをさら
に所定位置に移送し停止させる定置装置２８と、この定
置装置２８によって上記所定位置に停止させられたワー
クＷの支持軸１を上下動可能にかつ回転可能に支持する
支持装置３０と、この支持装置３０に支持されたワーク
Ｗの下方に設けられ、上記ワークＷの歯部２の形状に係
合して上記ワークＷの位置合わせを行う係止装置３２
と、この係止装置３２によって一定方向に姿勢をそろえ
られたワークＷを上記矯正用プレス２４に搬入しかつ上
記矯正用プレス２４により矯正処理されたワークＷを矯
正用プレス２４から搬出する第２搬出入装置３４と、こ
の第２搬出入装置３４により搬出されたワークＷをパレ
ット３６に投入するシュート３８とを備えている。

【００１１】上記各ストッパ装置１８，２６は、略同様
な構成を有しており、その相違点は、上記ストッパ装置
１８が、歯部２を上向きにした状態のワークＷを１つず
つ分離し一定位置に停止させるのに対して、上記ストッ
パ装置２６が、支持軸１を上向きにした状態のワークＷ
を１つずつ分離し一定位置に停止させるものである。従
って、ここでは、上記ストッパ装置２６について説明し
てストッパ装置１８については説明を省略する。上記ス
トッパ装置２６は、互いに開閉自在に設けられた一対ず
つの開閉子（２６０，２６０），（２６１，２６１）が
所定距離離間して設置され、これらの開閉子（２６０，
２６０），（２６１，２６１）に、各開閉子（２６０，
２６０），（２６１，２６１）を開閉する流体圧駆動の
開閉装置２６２がそれぞれ連結され、かつ上記開閉子２
６１，２６１を通過したワークＷを一定位置に停止させ
る停止部材２６３が、上記直進フィーダ２２３の長手方
向延長上に設けられている。

【００１２】上記定置装置２８は、上記停止部材２６３
により停止させられたワークＷを上記直進フィーダ２２
３の長手方向に直交する方向に送出する送出具２８０
と、この送出具２８０に連結され、かつ送出具２８０を
往復動させる送出シリンダ２８１と、上記送出具２８０
に対向して設けられ、かつこの送出具２８０が送出した
ワークＷを所定位置に停止させる受け止め具２８２と、
上記送出具２８０が送出したワークＷのつば部３を支持
案内する一対の案内部材２８３とから構成されており、
上記受け止め具２８２の上記送出具２８０側の端面は、
く字状に切り欠かれている。

【００１３】上記支持装置３０は、上記受け止め具２８
２により所定位置に停止させられたワークＷの支持軸１
を上下動可能にかつ回転可能に支持する遊嵌孔３００を
備えた支持プレート３０１と、この支持プレート３０１
に連結された支承軸３０２と、この支承軸３０２に連結
され、かつ支承軸３０２を所定角度（９０度）回動させ
ると共に昇降させるスイングシリンダ３０３とから構成
されている。

【００１４】上記係止装置３２は、上記受け止め具２８
２により所定位置に停止させられたワークＷの下方に設
けられ、かつ上記ワークＷの歯部２に係合する表面形状
を備えた係止具３２０と、この係止具３２０に昇降回転
軸（出力軸）３２１を連結したスイングシリンダ３２２
とからなるものである。

【００１５】上記第２搬出入装置３４は、一対の把持ハ
ンド３４０，３４１が、所定角度を保持した状態で垂直
軸（図示せず）に取り付けられ、この垂直軸が上下動及
び所定角度回動することにより、上記把持ハンド３４０
に把持されたワークＷを矯正用プレス２４に搬入し、か
つ上記把持ハンド３４１に把持されたワークＷをシュー
ト３８を介してパレット３６に搬出するようになってい
る。上記把持ハンド３４０は、上記ワークＷの支持軸１
及び歯部２の外周を把持するように構成され、かつ上記
把持ハンド３４１は、上記ワークＷの支持軸１を把持す
るように構成されている。

【００１６】上記のように構成された位置合わせ装置を
組み込んだワークＷの型鍛造、徐冷、ショットブラスト
及び矯正工程を連続的に行うための装置にあっては、ま
ず型鍛造装置１０において、一対の鍛造用プレス１０
０，１０１によって、ワークＷに荒鍛造及び仕上げ鍛造
を連続的に行う。次いで、仕上げ鍛造が終了したワーク
Ｗを、受渡し装置１２０により徐冷コンベア１２１上に
載せ、この徐冷コンベア１２１からシュート１２３、徐
冷コンベア１２２、空冷コンベアを経て上記ワークＷに
徐冷処理を施した後、シュート１４０を介してパーツフ
ィーダ１４内に投入する。

【００１７】続いて、上記パーツフィーダ１４により歯
部２を上向きにさせられたワークＷが、直進フィーダ１
４１の一対の振動プレートに支持された状態で、一方向
に移送されていき、ストッパ装置１８によって１つずつ
に分離された後、第１搬出入装置２０の挟持アーム２０
１の先端の挟持爪２０３により挟持されて、回動軸２０
０を上昇、所定角度回動及び下降させることにより、シ
ョットブラスト装置１６の回転テーブル上に載置され
る。そして、この回転テーブルが間欠的に１回転する間
にワークＷの歯部２にショットブラスト処理が施され
る。

【００１８】さらに、上記ショットブラスト処理が終了
したワークＷについては、上記回転テーブルが１回転し
て元の位置に戻ってきた段階で、上記第１搬出入装置２
０の挟持アーム２０２の先端の挟持爪２０３により挟持
されて、反転装置２２に受け渡される。この時、上記把
持アーム２０１の先端の把持爪２０３は、次のワークＷ
を上記ストッパ装置１８側からショットブラスト装置１
６に搬入する。そして、上記反転装置２２の一対の把持
爪２２０に把持されたワークＷは、回動装置２２２が把
持アーム２２１を１８０度反転させることにより、支持
軸１を上向きにした状態で直進フィーダ２２３上に載置
される。

【００１９】次いで、上記直進フィーダ２２３上をその
搬出端まで運ばれたワークＷは、ストッパ装置２６の開
閉装置２６２により一対の開閉子２６０，２６０が閉じ
られていることによって、これらの開閉子２６０，２６
０の直前に停止させられる。続いて、一対の開閉子２６
１，２６１の直前で停止させられていたワークＷが、開
閉装置２６２によって開閉子２６１，２６１を開閉する
ことにより、停止部材２６３側に排出されると、上記開
閉子２６０，２６０を開閉し、開閉子２６０，２６０の
直前に停止させられていたワークＷを開閉子２６１，２
６１の直前に位置させる。このようにして、開閉子２６
０，２６０と開閉子２６１，２６１とを交互の開閉する
ことにより、直進フィーダ２２３によって連続的に移送
されてくるワークＷを１つずつに分離し、上記停止部材
２６３の位置に停止させる。

【００２０】そして、上記停止部材２６３の位置に停止
させられたワークＷは、定置装置２８の送出シリンダ２
８１を操作することにより、送出具２８０によって上記
直進フィーダ２２３の移送方向に対して直交する方向に
押し出され、一対の案内部材２８３に支持案内された状
態で、受け止め具２８２の位置に停止させられる。この
状態で、支持装置３０のスイングシリンダ３０３によっ
て、支承軸３０２を昇降及び所定角度回転させることに
より、支持プレート３０１の先端部の遊嵌孔３００をワ
ークＷの支持軸１に嵌め合わせて、支持プレート３０１
によってワークＷの上端部（支持軸１）を昇降自在にか
つ回転自在に支持する。さらに、係止装置３２のスイン
グシリンダ３２２によって、係止具３２０を上昇させて
上記ワークＷの歯部２に接触させワークＷを持ち上げた
状態で、係止具３２０を回転させる。すると、今まで係
止具３２０と歯部２とが係合していなかった場合でも、
係止具３２０だけが回転することにより、ワークＷの歯
部２と係合する位置に達し、ワークＷが多少落下して歯
部２と係止具３２０とがしっかりと噛み合う。これによ
り、上記ワークＷは係止具３２０とともに回転してワー
クＷを所定姿勢に位置決めする。

【００２１】この状態で、上記スイングシリンダ３０３
を操作して、支持プレート３０１を持ち上げかつ所定角
度回転させて、支持プレート３０１の遊嵌孔３００から
ワークＷの支持軸１を離脱させ、支持プレート３０１を
ワークＷの上方から退避させる。次いで、第２搬出入装
置３４の把持ハンド３４０を昇降及び回動操作して、上
記係止具３２０上のワークＷを把持し、かつ持ち上げて
矯正用プレス２４の下型の凹所内に装入した後、上記把
持ハンド３４０を上記係止装置３２側に所定角度回動し
て、矯正用プレス２４から退避させる。そして、上記ワ
ークＷに矯正用プレス２４によって矯正処理を施した
後、把持ハンド３４１を上記矯正用プレス２４の下型上
に移動させて矯正処理されたワークＷを把持し、シュー
ト３８上まで運んでシュート３８を介してパレット３６
内に収容する。この把持ハンド３４１の動きと同期し
て、上記把持ハンド３４０は、上述したように上記係止
具３２０に噛み合った次のワークＷを矯正用プレス２４
側に搬入する。

【００２２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明は、ワーク
を所定位置に停止させる定置装置と、この定置装置によ
って上記所定位置に停止させられたワークを上下動可能
にかつ回転可能に支持する支持装置と、この支持装置に
支持されたワークの下方に上下動可能にかつ回転可能に
設けられ、上記ワークの表面形状に係合する表面形状を
備えた係止具と、この係止具によって一定方向に姿勢を
そろえられたワークを搬出する搬送手段とを備えたもの
であるから、定置装置によって所定位置に停止させられ
かつ支持装置によって支持されたワークの表面（下面）
に、係止具を押し付けながら回転させて、ワークと係止
具とを係合させワークの姿勢を一定方向にそろえた後、
搬送手段によって上記ワークを搬出することにより、型
鍛造によって成形された傘歯車のようなワークの姿勢を
一定方向に円滑にかつ確実にそろえることができる上
に、省力化，自動化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【図３】パーツフィーダからショットブラスト装置まで
の正面図である。

【図４】ショットブラスト装置から矯正用プレスまでの
正面図である。

【図５】図３の平面図である。

【図６】図４の平面図である。

【図７】全体装置を示す概略平面図である。

【符号の説明】

Ｗ まがりば傘歯車（ワーク） ２ 歯部 ２８ 定置装置 ３０ 支持装置 ３４ 第２搬出入装置（搬送手段） ３２０ 係止具

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ワークの姿勢を一定方向にそろえるワー
   クの位置合わせ装置において、ワークを所定位置に停止
   させる定置装置と、この定置装置によって上記所定位置
   に停止させられたワークを上下動可能にかつ回転可能に
   支持する支持装置と、この支持装置に支持されたワーク
   の下方に上下動可能にかつ回転可能に設けられ、上記ワ
   ークの表面形状に係合する表面形状を備えた係止具と、
   この係止具によって一定方向に姿勢をそろえられたワー
   クを搬出する搬送手段とを具備したことを特徴とするワ
   ークの位置合わせ装置。