JP2001232438A - 鍛造装置およびその方法 - Google Patents

鍛造装置およびその方法

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JP2001232438A JP2000046877A JP2000046877A JP2001232438A JP 2001232438 A JP2001232438 A JP 2001232438A JP 2000046877 A JP2000046877 A JP 2000046877A JP 2000046877 A JP2000046877 A JP 2000046877A JP 2001232438 A JP2001232438 A JP 2001232438A
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heating
forging
workpiece
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Masanori Tanahashi
正典 棚橋
Yoshinori Ogata
良則 尾方
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Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アルミニウムを主成分とするワークを、一つの
加熱炉で効率良く加熱することで、ワークの鍛造精度を
向上させるとともに、鍛造装置の型寿命を向上すること
ができる鍛造装置およびその方法を提供する。 【解決手段】 ワークWを移動経路に沿って移動させな
がら加熱する加熱炉3と、加熱炉3内の移動経路の途中
に配置されて、ワークWを中間加工成形するための中間
加工手段4と、中間加工手段4に加熱炉3からワークW
を搬送する中間搬送手段5と、中間加工成形後のワーク
Wを、中間搬送手段5により加熱炉3に搬送して再加熱
した後に、最終加工成形する最終加工手段6とを有する
鍛造装置1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウムを主
成分とするワークを鍛造加工する鍛造装置およびその方
法に係り、特に、中間加工成形前のワークの加熱と最終
加工成形前のワークの加熱を一つの加熱炉で行う鍛造装
置およびその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鍛造加工により板形状やパイプ形
状のワークを加工成形し自動車の部品等を製作する場合
は、ワークに曲げ加工、ロールフォーミング、荒型プレ
ス等の複数の加工工程を、順次、施すことで複雑な構造
のものでも精度良く成形していた。加熱炉を用いてワー
クを鍛造加工する鍛造装置は、ワークを加熱炉内で加熱
しながら移動させ、移動の終端部において加熱したワー
クを取り出し、中間加工した後に最終的な鍛造加工を行
っていた。なお、このような鍛造装置は、各加工工程前
にワークを加熱炉で加熱することで加工成形の精度の向
上や鍛造の型の長寿命化を図っている。
【0003】ここで、ワークが鉄鋼材料の場合は、ワー
クの温度が下がり難い材質であるため、ワークの加熱処
理は最初の加工成形前に一度だけ行えば良いが、アルミ
ニウムを主成分とするワークを加工成形する場合には、
加熱炉による加熱温度が400℃程度で、かつ、ワーク
の温度が下がり易い材質であるため、ワークの加熱を最
初に一回行っただけでは、工程中にワーク温度が低下し
てしまい、加工成形の精度や型寿命が低下してしまっ
た。そこで、アルミニウムを主成分とするワークを複数
の加工工程により鍛造加工する鍛造装置は、中間加工成
形前のワークを加熱するための小型炉を設け、各加工工
程ごとに、ワークの加熱を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようなア
ルミニウムを主成分とするワークの鍛造装置は、各加工
工程毎に別々に設けられた複数の加熱炉と、それに伴う
ワークの搬送、積み替え設備とが必要なため、鍛造装置
全体が大型化してしまっていた。また、複数の加熱炉を
別々に管理するために、必要な熱エネルギー量の増大
や、加熱炉の管理の工数の増大の原因となっていた。本
発明は以上の課題を解決するためになされたもので、ア
ルミニウムを主成分とするワークを、一つの加熱炉で効
率良く加熱することで、ワークの鍛造加工を精度良く行
え、また、鍛造装置の型寿命を向上させることができる
鍛造装置およびその方法の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決する手段】本発明は、ワークを移動経路に
沿って移動させながら加熱する加熱炉と、加熱炉内の移
動経路の途中に配置されて、ワークを中間加工成形する
ための中間加工手段と、中間加工手段に加熱炉からワー
クを搬送する中間搬送手段と、中間加工成形後のワーク
を、中間搬送手段により加熱炉に搬送して再加熱した後
に、最終加工成形する最終加工手段とを有する構成とし
た。中間加工成形前および最終加工成形前のワークの加
熱を一つの加熱炉で行うことで、装置の設置面積を少な
くでき、かつ、効率良くワークを加熱することができ
る。
【0006】また、加熱炉内の移動経路が、環状に構成
され、加熱炉の側壁にはワークを中間加工手段に搬送す
るための開閉扉を有する構成とした。移動経路が環状に
構成されているので、装置の設置面積をさらに少なくで
きるとともに、加熱炉内でワークを加熱しながら環状の
移動経路に沿って移動させるから、複数のワークを効率
良く加熱することでができる。
【0007】また、複数のワークは、搬送トレイに搭載
されて加熱炉内の移動経路を移動するとともに、中間搬
送手段により加熱炉と中間加工手段との間を搬送される
構成とした。加熱炉内や中間搬送手段において、複数の
ワークを一度に処理することができるので、ワークを個
々に取り扱う場合に比べて効率良く処理することができ
る。
【0008】さらに、中間搬送手段は、加熱炉からワー
クを取り出すように設けたガイドレールと、ガイドレー
ルの一部をワークごと回転移動させる回転テーブルとか
らなる構成とした。回転テーブルを用いることで、未加
工ワークと加工済みのワークを簡単に交換できるため、
作業効率を向上できる。
【0009】そして、ワークに鍛造加工する鍛造方法で
あって、ワークを加熱炉に搬入する搬入工程と、加熱炉
内でワークを移動経路を移動させながら加熱する加熱工
程と、移動経路の途中で、加熱炉からワークを搬出する
中間搬出工程と、中間搬出工程により搬出されたワーク
を中間加工成形する中間加工工程と、中間加工工程後の
ワークを加熱炉に搬入する中間搬入工程と移動経路の終
点において、ワークを最終加工成形するために加熱炉か
ら搬出する搬出工程と、搬出工程で搬出されたワークを
最終加工成形する最終加工工程とを含むことを特徴とす
る鍛造方法とした。中間加工成形前および最終加工成形
前のワークの加熱を一つの加熱炉で行うことで、装置全
体の設置面積を少なくでき、効率良くワークの加熱が行
える。
【0010】また、最終加工工程の工程時間に対応させ
て、他の全ての工程の工程時間を調整する鍛造方法とし
た。最も工程時間の長い最終加工工程にあわせて、各工
程の工程時間を調整することで、ワークの鍛造加工を効
率的に行うことができる。特に、工程時間の調整を加熱
工程で行うと、ワークの温度低下を最小限に止めること
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は鍛造用加熱方法を用いた鍛造装置
の全体図である。鍛造装置1は、ワークWを貯蔵するた
めのワークストッカー2と、ワークWを加熱するための
円形状の加熱炉3と、加熱されたワークWを中間加工す
るための中間加工手段4と、加熱炉3から中間加工手段
4にワークWを搬送するための中間搬送手段5と、中間
加工成形後のワークWを最終加工成形するための最終加
工手段6とを有している。なお、本実施の形態におい
て、ワークWは、後に詳細を説明する搭載トレイ12に
搭載されて加熱炉3内および中間搬送手段5上を移動す
る。
【0012】ワークストッカー2は、ワークWを整列し
て複数貯蔵している。そして、ワークストッカー2と加
熱炉3の間には、ワークWを加熱炉3の外側で待機して
いる搬送トレイ12に搭載するためのロボットアーム7
が設けられている。同様にして、中間搬送手段5と中間
加工手段4との間、および、加熱炉3と最終加工手段6
との間には、ワークWを移動させるための、それぞれ、
ロボットアーム8、および、ロボットアーム9が設けら
れている。さらに、鍛造装置1は、最終加工手段6で最
終加工成形した後のワークWをトリミング加工するため
のトリミングプレス機11と、最終加工手段6からトリ
ミングプレス機11にワークWを移動させるロボットア
ーム10とが設けられている。
【0013】なお、ワークWの材質は、アルミニウムを
主原料とする合金があげられる。また、ワークWの形状
は、板、棒、パイプ等の任意の形状とすることができ
る。
【0014】図1および図2に示すように、加熱炉3
は、ワークWの移動経路が環状となっており、加熱炉3
の側壁21のワークストッカー2に対向する位置には、
ワークWを搭載した搬送トレイ12を加熱炉3に搬入す
るための開口22が形成されたポート23と、その開口
22を閉鎖するための開閉扉24とが設けられている。
また、搬送トレイ12へのワークWの搭載が終了するま
での間、搬送トレイ12を待機させておくための搬入テ
ーブル25が、ポート23に連結されている。
【0015】また、加熱炉3の側壁21の最終加工手段
6に対向する位置には、搬送トレイ12を加熱炉3から
搬出するための開口26が形成されたポート27と、そ
の開口26を閉鎖するための開閉扉28とが設けられて
いる。さらに、ポート27から搬出されたワークWを最
終加工手段6に導入し終えるまでの間、搬送トレイ12
を待機させる搬出テーブル29が、ポ−ト27に連結さ
れている。さらに、加熱炉3の側壁21の中間搬送手段
5に対向する位置には、搬送トレイ12を加熱炉3から
取り出すためのポート30が形成されている。
【0016】なお、ワークWを最終加工手段6に導入し
た後の空の搬送トレイ12は、搬入テーブル25と搬出
テーブル29を結ぶように設けられた移動手段31に沿
って搬入テーブル25まで移動し、搬入テーブル25に
おいて次のワークが搭載され、再び、加熱炉3内へ搬入
される。ここで、移動手段31は、図示しない係合部を
搬送トレイ12に連結させて、空の搬送トレイ12を搬
出テーブル29から搬入テーブル25まで移動させる。
空の搬送トレイ12を搬入テーブル25に移動させた後
の係合部は、搬出テーブル29側の待機位置に戻り、次
の搬送トレイ12の移動に備えて待機する。また、加熱
炉3内への搬送トレイ12の搬入または搬出は、搬入テ
ーブル25および搬出テーブル29に設けられた、図示
しない搬入機構および搬出機構により行われる。
【0017】加熱炉3の内部には、環状の回転床32が
設けられている。また、回転床32の上方には、ガスバ
ーナーが複数設けられており、このガスバーナーによ
り、加熱炉3内に搬入されたワークWが所定温度まで加
熱される。回転床32には、中心部から放射線状に配置
された平行な二本のレール33からなる複数のガイド部
34が設けられている。ポート23から加熱炉3内に搬
送トレイ12が搬入されると、このガイド部34が搬送
トレイ12の下面に形成された図示しない凹部と嵌合
し、搬送トレイ12が回転床32に固定される。
【0018】加熱炉3は、搬送トレイ12を、回転床3
2の移動に従って加熱炉3内を回転方向に移動させ、搬
送トレイ12がいずれかのポート23、27、30の形
成位置に到来したら、回転床32の移動を停止する。ま
た、ポート23、30から搬送トレイ12が加熱炉3内
に搬入されると、回転床32の移動を開始する。なお、
回転床32の移動速度や移動量は、最終加工工程の工程
時間に合わせて調節することもできる。
【0019】ここで、ワークWが加熱されながら移動す
る移動経路は、ワークWが加熱炉3内を回転方向に移動
する際の経路であり、搬送トレイ12がポート23から
搬入された位置を始点に、ポート27から搬出される位
置を終点とする。
【0020】図3(a)および図3(b)に示すよう
に、搬送トレイ12は、その上面にワークWを等間隔か
つ搬送トレイ12に対して斜めになるように配列するた
めのワークホルダー13が6個固定されている。また、
搬送トレイ12の上面には、後に詳細を述べる中間搬送
手段5のガイド手段43のツメ部46が係合するための
溝14が設けられている。さらに、搬送トレイ12の下
面には、回転床32のガイド部34のレール33と嵌め
合う図示しない凹部が形成されている。
【0021】中間加工手段4は、加熱炉3内で加熱され
たワークWに曲げ加工、絞り加工、ロールフォーミン
グ、荒型プレス等をする公知の加工成形装置からなって
いる。図1において、中間加工手段4は一つだけ設けら
れているが、複数の異なる種類の中間加工手段4を設け
ても良い。また、同種類の中間加工手段4を設けて、中
間加工の工程時間の短縮化を図ることもできる。
【0022】中間搬送手段5は、加熱炉3内で加熱され
たワークWを中間加工手段4に搬送するためのものであ
り、一端が加熱炉3のポート30に連結されるとともに
ポ−ート30から直線的かつ平行に伸びる二本のガイド
レール41と、ガイドレール41を支える基台42と、
搬送トレイ12を加熱炉3から取り出すとともに、ガイ
ドレール41に沿って搬送するためのガイド手段43
と、ガイドレール41に沿って搬送された搬送トレイ1
2を中間加工手段4に装入する装入位置に水平回転移動
させるための回転テーブル44とを有している。
【0023】二本のガイドレール41の大きさおよび設
置間隔は、加熱炉3の回転床32に設けられたガイド部
34の二本のレール33と同じ大きさおよび設置間隔で
あり、一本のガイドレール41の断面形状は上側中央部
がへこんだ凹形状を有している。ガイド手段43は、加
熱炉3内と回転テーブル44との間でガイドレール41
に沿って搬送トレイ12を搬送するためのもので、二本
のガイドレール41に跨がるように設けられたテーブル
45と、テーブル45の加熱炉3側に設けられた上下動
可能な二つのツメ部46とを有している。
【0024】ガイド手段43のテーブル45の下側に
は、ガイドレール41の凹んだ部分に遊嵌するタイヤ等
の駆動手段が設けられている。ガイド部材43は、駆動
手段が駆動することでガイドレール41に沿って移動す
ることができる。ツメ部46は、搬送トレイ12が回転
床32上または回転テーブル44上に位置しているとき
に、ツメ部46を上下動させて、ツメ部46と搬送トレ
イ12の溝14とを係合させたり、係合状態を解除させ
たりすることで、搬送トレイ12とガイド手段43とを
連結させたり、連結を解除させたりするものである。
【0025】また、ガイド手段43は、ポート30およ
び基台42に設けられた図示しない位置検出センサによ
り位置の制御が行われる。例えば、ポート30の開閉扉
が閉じている状態では、ポート30に設けられた位置セ
ンサからの信号を受けて、ガイド手段43は、ポート3
0から所定距離離れた待機位置で待機し、開閉扉の開放
を位置センサが検出したら、ガイド手段43は加熱炉3
内に進入し、搬送トレイ12と連結し、搬送トレイ12
を加熱炉3内から搬出する。なお、ガイド手段43の待
機位置は、基台42に設けられた位置検出センサの設置
位置とし、この位置検出センサがガイド手段43を検出
したら、ガイド手段43を停止させ、この位置で開閉扉
が開くまでガイド手段43を待機させる。
【0026】回転テーブル44には、ガイドレール41
の一部分41aが回転対称に二対配置されている。回転
テーブル44は、回転テーブル44に到来した搬送トレ
イ12をガイドレール41の一部分41aごと水平方向
に180°回転させる。なお、回転テーブル44が水平
方向に180°回転することにより搬送トレイ12が到
来する位置は、中間加工手段4にワークWを装入するた
めの装入位置となっている。
【0027】また、最終加工手段6は、ワークWを三段
階に分けてプレスするメカニカルプレス装置であり、ワ
ークWは、図1に破線で示したロボットアーム15によ
り順次三段階にプレスされ、最終形状に加工成形され
る。最終加工手段6は、ワークWの最終形状に合わせて
2種類のダイ51、52が交換可能に設置されており、
最終加工成形後のワークWはプレス加工トリミング装置
11により、トリミング加工を施して余計な部分が取り
去られる。なお、本実施の形態では、ワークWの移動に
ロボットアーム15を使用しているが、ベルトコンベア
ーによりワークWが順次送られる構成としても良い。ま
た、交換可能なダイの数は2つに限られず、任意の数の
ダイを交換可能に構成することもできる。
【0028】ここで、中間搬送手段5により、二つの搬
送トレイ12を連続して中間加工手段4により中間加工
成形する際の動作を図1、図3および図4(a)、
(b)、(c)、(d)を用いて説明する。なお、先に
中間加工手段4で中間加工成形されるワークW1が搭載
された搬送トレイを先の搬送トレイ12a、その次に中
間加工成形されるワークW2が搭載された搭載トレイを
次の搬送トレイ12bとする。
【0029】まず、図3に示すように、先の搬送トレイ
12aがポート30の形成位置に到達すると、回転床3
2が停止して、ポート30の開閉扉が開く。これによ
り、加熱炉3の外側で待機していたガイド手段43が加
熱炉3内に進入し、先の搬送トレイ12aは、ツメ部4
6によりガイド手段43に連結される。そして、先の搬
送トレイ12aは、ガイド手段43により、ガイドレー
ル41に沿って搬送テーブル44まで搬送される(図4
(a))。
【0030】ここで、ガイド手段43のツメ部46が上
方に動き、先の搬送トレイ12aとガイド手段43との
連結が解除された後、回転テーブル44が図4(a)の
矢印方向に180°回転し、図4(b)に示すように、
搬送トレイ12をガイドレール41の一部41aごと中
間加工手段4の装入位置に移動させる。
【0031】この装入位置において、先の搬送トレイ1
2aに搭載されたワークW1は、図1に示すロボットア
ーム8により、一本ずつ、中間加工手段4に装入され
る。中間加工手段4は、装入されたワークW1を、例え
ば、ロールフォージング加工し、中間加工成形後のワー
クW1は、再びロボットアーム8により、先の搬送トレ
イ12aの元の位置に戻される。
【0032】この間、ガイド手段43は、次の搬送トレ
イ12bの到来に備えて、再び、加熱炉3側の待機位置
に移動している。ここで、先の搬送トレイ12aに搭載
されたワークW1のうち、4本目または5本目のワーク
W1の中間加工成形が完了したら、前記と同様にして、
ガイド手段43により、次の搬送トレイ12bが加熱炉
3から取り出され、図4(c)に示すように、回転テー
ブル44まで搬送される。
【0033】先の搬送トレイ12aに搭載されたワーク
W1の中間加工成形が終了したら、再び、回転テーブル
44を回転させて、先の搬送トレイ12aと次の搬送ト
レイ12bとの位置を入れ換える。これにより、装入位
置に移動した次の搬送トレイ12bに搭載されたワーク
W2は、中間加工手段4により中間加工成形が行われ、
先の搬送トレイ12aは、ガイド手段43により、再
び、加熱炉3内に搬入される。
【0034】以上のように、回転テーブル44を用いる
ことで、搬送トレイ12の入れ換えが速やかに行えるの
で、中間加工工程の加工時間を短縮できるとともに、ワ
ークWの温度低下を最小限に止めることができる。従っ
て、ワークWの中間加工を効率的かつ精度良く行うこと
ができる。
【0035】次に、本発明の鍛造装置1を用いてアルミ
合金のパイプ材からなるワークWを加工成形する方法に
ついて説明する。まず、ロボットアーム7により、ワー
クストッカー2に貯蔵されているワークWが、搬入テー
ブル25に待機している搭載トレイ12に6本搭載され
る。ワークWが搬送トレイ12に搭載されると、加熱炉
3のポート23の開閉扉24が開き、ここから搬送トレ
イ12が環状の移動経路の始点である回転床32のガイ
ド部34に搬入される。
【0036】次に、開閉扉24が閉まり、回転床32が
所定速度で回転方向に移動を始め、搬送トレイ12およ
びワークWが、移動経路を回転方向に移動しつつ、回転
床32上方に設けられたガスバーナーにより400℃程
度に加熱される。搬送トレイ12が、移動経路の途中で
あるポート30の形成位置に到来したら、回転床32が
止まり、このポート30の開閉扉が開く。次に、開閉扉
の外側で待機していたガイド手段43が、加熱炉3内に
進入し、ツメ部46を搭載トレイ12の溝14に係合さ
せ、搬送トレイ12とガイド手段43とを連結させる。
搬送トレイ12は、ガイド手段43により、加熱炉3内
から回転テーブル44までガイドレール41に沿って搬
出される。
【0037】回転テーブル44まで搬送された搬送トレ
イ12は、回転テーブル44の水平回転により中間加工
手段4の装入位置に移動し、ワークWが中間加工成形を
施される。次に、中間加工成形後のワークWが搭載され
た搬送トレイ12は、ガイド手段43により、再び、加
熱炉3内へと搬入される。なお、加熱炉3の開閉扉は、
搬送トレイ12が搬出された後は、加熱炉3内の温度低
下を防ぐために一旦閉じ、中間加工成形後のワークWを
搭載した搬送トレイ12を加熱炉3内に搬入の際に再び
開くことが好ましい。
【0038】中間加工成形を行い、加熱炉3に戻ってき
たワークWの温度は、350℃程度に下がっているが、
加熱炉3内の移動経路を移動しながら、400℃程度ま
で再加熱される。搬送トレイ12が移動経路の終点であ
るポート27の形成位置に到来したら、回転床32の移
動が止まり、開閉扉28が開き、搬送トレイ12が加熱
炉3から搬出テーブル29に搬出される。なお、搬送ト
レイ12が搬出された後で、ポート27の開閉扉28が
閉められる。
【0039】搬出テーブル29上の搬送トレイ12に搭
載されたワークWは、ロボットアーム9により最終加工
手段6に順次装入される。最終加工手段6により最終的
な形状に加工成形されたワークWは、トリミングプレス
装置11によりトリミングされ、全工程が終了する。搬
送トレイ12に搭載された6本のワークWをすべて最終
加工手段6に装入し終えて空になった搬送トレイ12
は、搬出テーブル29から搬入テーブル25に移動し、
搬入テーブル25上で次のワークWが搭載されるまで待
機する。以上の動作を繰り返すことでワークWの鍛造加
工が連続的に行われる。
【0040】最終加工成形前のワークWが加熱炉3で再
加熱されることで、最終加工成形の加工精度が向上し、
最終加工手段6の鍛造型の型寿命を長くすることができ
る。また、中間加工成形前のワークWの加熱と、最終加
工成形前のワークWの加熱を一つの加熱炉3で行うた
め、別々の加熱炉3で加熱する場合に比べて装置全体を
小型化でき、メンテナンスにかかる費用も節約できる。
また、加熱炉3が環状であるため、直線形状を有する加
熱炉3に比べて側壁部21を少なくできるとともに、熱
集中部を形成し易いので、少ない投入エネルギーで、加
熱炉3の温度を制御することができる。
【0041】また、各工程の工程時間は、最終加工工程
が一番長いため、これにあわせるように各工程の工程時
間が調整される。例えば、先の搬送トレイ12の最終加
工工程が終了するまで、加熱炉3の回転床32の移動速
度を小さくしたり、次の搬送トレイ12を移動経路の終
端で待機させたりする。なお、工程時間の調整は、加熱
工程、つまり、加熱炉3内にて行われることが望まし
い。これにより、効率良くワークWの鍛造加工が行え、
特に、最終加工成形前のワークWおよび搬送トレイ12
の温度低下を最小限に止めることができるので、最終加
工成形の精度を向上させたり、最終加工手段6の鍛造型
の型寿命を長くすることができる。
【0042】なお、本発明は実施の形態に限定されるも
のではない。例えば、搬送トレイ12に搭載されるワー
クWの数は、任意の数とすることができる。また、搬送
トレイ12を用いずに、ワークWを一本ずつ加熱炉3内
で移動させたり中間搬送手段5により搬送しても良い。
また、複数種類の中間加工手段4を加熱炉3の移動経路
に沿って設け、ワークWの最終形状に合わせて、適時、
必要な中間加工手段4を選択できるように構成すること
もできる。
【0043】また、加熱炉3の形状は直線形状等の任意
の形状とすることができ、加熱炉3内の移動経路も、直
線形状や曲線形状としても良い。また、加熱炉3はガス
バーナーにより加熱するガス炉としたが、誘導加熱炉等
の任意の加熱炉を使用することができる。さらに、ワー
クWの出し入れによる加熱炉3内の温度の低下を最小限
に止めるために、開閉扉の外側に余熱室を設けて段階的
に、搬送トレイ12を搬出、搬入することもできる。そ
して、中間加工工程を必要としないワークWについて
は、ポート23から搬入され、中間加工成形をすること
なく、ポート27から搬出され、最終加工成形が施され
る。
【0044】
【発明の効果】本発明は、中間加工成形前および最終加
工成形前のワークの加熱を一つの加熱炉で行うので、効
率良くワークの加熱を行うことができる。また、最終加
工成形前のワークが中間加工工程および加熱炉で再加熱
されることにより、ワークの最終加工成形を高精度に行
え、また、最終加工手段の鍛造型の型寿命を長くするこ
とができる。さらに、一つの加熱炉でワークの加熱を行
うため、鍛造装置全体を小型化できる。また、加熱炉内
においてワークの移動経路を環状に構成したので、少な
い設置スペースでワークを効率良く加熱することができ
る。
【0045】さらに、ワークを搬送トレイに搭載して取
り扱うことで、加熱炉内の移動や、中間搬送手段による
搬送を効率良く行うことができる。また、中間搬送手段
は、ガイドレールと、ガイドレールの一部を搬送トレイ
ごと水平回転させる回転テーブルとからなる構成とした
ので、未加工ワークの搭載された搬送トレイと加工済み
のワークの搭載された搬送トレイを簡単に交換できる。
従って、作業効率が向上し、ワークの温度低下を最小限
に止めることができる。
【0046】また、最終加工工程の工程時間に対応させ
て、各工程の工程時間を調整することで、ワークの鍛造
加工を効率的に行うことができる。特に、加熱工程にお
いて工程時間の調整を行うことで、ワークの温度低下を
最小限に止めることができるので、鍛造装置全体の熱効
率を向上させることができる。また、最終加工成形前の
ワークの温度低下を最小限に止めることで、最終加工成
形の精度を向上させたり、最終加工手段の鍛造型の型寿
命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の鍛造装置の全体構成を示す平面図で
ある。
【図2】 本発明の加熱炉の一部破断平面図である。
【図3】 本発明の中間搬送手段の(a)一部破断平面
図、(b)一部破断側面図である。
【図4】 本発明の中間搬送手段の動作を説明する説明
図である。
【符号の説明】
1 鍛造装置 3 加熱炉 4 中間加工手段 5 中間搬送手段 6 最終加工手段 12、12a、12b 搬送トレイ 23、27、30 ポート 24、28 開閉扉 32 回転床 41 ガイドレール 43 ガイド手段 44 回転テーブル
フロントページの続き Fターム(参考) 4E087 AA08 AA09 FB08 4K034 AA19 BA05 BA06 BA10 CA03 DB02 DB04 EA17 EB31 EB36 EB39 GA08 4K050 AA01 BA03 CA09 CD02 CF02 CF05 CF12 CF15 CG22 CG29 DA02 EA03

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ワークを移動経路に沿って移動させなが
    ら加熱する加熱炉と、前記加熱炉内の前記移動経路の途
    中に接続されて、前記ワークを中間加工成形するための
    中間加工手段と、前記中間加工手段に前記加熱炉から前
    記ワークを搬送する中間搬送手段と、中間加工成形後の
    前記ワークを、前記中間搬送手段により前記加熱炉に搬
    送して再加熱した後に、最終加工成形する最終加工手段
    とを有することを特徴とする鍛造装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱炉内の前記移動経路が、環状に
    構成され、前記加熱炉の側壁には前記ワークを前記中間
    加工手段に搬送するための開閉扉を有することを特徴と
    する請求項1に記載の鍛造装置。
  3. 【請求項3】 複数の前記ワークは、搬送トレイに搭載
    されて前記加熱炉内の前記移動経路を移動するととも
    に、前記中間搬送手段により前記加熱炉と前記中間加工
    手段の間を搬送されることを特徴とする請求項1または
    2に記載の鍛造装置。
  4. 【請求項4】 前記中間搬送手段は、前記加熱炉から前
    記ワークを取り出すように設けたガイドレールと、前記
    ガイドレールの一部を前記ワークごと水平回転移動させ
    る回転テーブルとからなることを特徴とする請求項1、
    2または3のいずれか一項に記載の鍛造装置。
  5. 【請求項5】 ワークを鍛造加工する鍛造方法であっ
    て、 前記ワークを前記加熱炉に搬入する搬入工程と、 前記加熱炉内で前記ワークを移動経路を移動させながら
    加熱する加熱工程と、 前記移動経路の途中で、前記加熱炉から前記ワークを搬
    出する中間搬出工程と、 前記中間搬出工程により搬出された前記ワークを中間加
    工成形する中間加工工程と、 前記中間加工工程後の前記ワークを前記加熱炉に搬入す
    る中間搬入工程と、 前記移動経路の終点において、前記ワークを最終加工成
    形するために前記加熱炉から搬出する搬出工程と、 前記搬出工程で搬出された前記ワークを最終加工成形す
    る最終加工工程と、を含むことを特徴とする鍛造方法。
  6. 【請求項6】前記最終加工工程の工程時間に対応させ
    て、他の全ての前記工程の工程時間を調整することを特
    徴とする請求項5に記載の鍛造方法。
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