JP3042103U - 電磁装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フラッパタイプの電磁装置において、固定鉄
心とヨーク外側のバネを無くして構造を簡単にし、吸引
力を増大させて動作を確実にする。 【解決手段】 コ字状のヨーク１内にコイル２を固定
し、ヨーク１の一方端部に可動鉄心６を支持した電磁装
置において、固定鉄心に替えてコイル２の中空部に挿入
したプランジャ４とコイルバネ５をそなえ、ヨーク１の
一方端部に支持された可動鉄心６にプランジャ４の頭端
を接触させて、コイルバネ５で押し上げた状態に保持さ
せ、コイル２の励磁によりプランジャ４を吸引移動させ
るとともに、プランジャ頭端４２に可動鉄心６を吸着し
て作動させる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、フラッパタイプの電磁装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来フラッパタイプの電磁ソレノイドをそなえた電磁装置は、図６および図７ に示すように、コ字状に形成したヨーク５１内に設けたコイル５２の中央に固定 鉄心５３を挿通し、下端のかしめ片５４を前記ヨークの連結部に設けたかしめ孔 に嵌合させてかしめ固着するとともに、固定鉄心５３頭部の大径部５５でコイル ボビン５６を押さえ付けるようにしており、ヨーク５１の一方端上部両側の係合 片５７に可動鉄心５８両側の切り欠ぎ５９を係合させ、ヨーク５１の外側に設け た引っ張りばね６０により、可動鉄心５８を前記固定鉄心の大径部５５に空隙を 介して対向させて非動作位置に保持させるようにしている。 コイル５２が励磁されると、固定鉄心５３からヨーク５１および可動鉄心５８ を経て大径部５５にもどる磁路が形成されて可動鉄心５８を固定鉄心５３の大径 部５５に吸引作動させる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような構成では、固定鉄心５３をヨーク５１にかしめる取付作業を必要と するだけでなく、ヨーク外側に引っ張りばね６０を設けて可動鉄心５８を大径部 ５５から離開した非動作位置に保持させているため、構造が複雑大形になるだけ でなく、可動鉄心５８と大径部５５との空隙によって磁気抵抗が増大し、可動鉄 心の吸引力が小さくなってコイルの巻数や動作電圧を大きくする必要があるなど の欠点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案はこのような点にかんがみ、ヨークに固定したコイル内に、固定鉄心に 代えてプランジャとコイルバネをそなえ、ヨークの一方端に係合支持させた可動 鉄心をコイルバネで押し上げたプランジャの頭端に接触させて非動作位置に保持 させ、プランジャと可動鉄心を常に接触させて磁気抵抗を小さくするとともに、 コイルが励磁されたときのプランジャの移動にともなってプランジャ頭部に可動 鉄心を吸引移動させるようにしてある。

【０００５】

【考案の実施の形態】

コ字状に形成した内側にコイルを固定したヨークと、ヨークの一方端部に係合 支持させた可動鉄心と、前記コイルの中空部に挿通したプランジャと、プランジ ャを可動鉄心側に押し上げるコイルバネとをそなえ、プランジャの頭端を可動鉄 心に接触させて前記コイルバネによりプランジャを介して可動鉄心を非作動位置 に保持させるようにしている。 プランジャは実公平８−１０９４５号のように、先端に小径部を設けてヨーク の連結部に設けた孔に挿入させるようにし、この小径部を囲んで中空部内にコイ ルバネを設けている。 なお、可動鉄心は一方端に幅を小さくした支持部をそなえて、ヨークの一方端 部に設けた保持孔に挿通させ、保持孔内に突出させた突起と、可動鉄心の係合孔 とを嵌合させ、前記突起と係合孔との嵌合間隙によって可動鉄心を突起を中心に して可動させる。前記保持孔内の突起をヨークの連結部側から突出させ、可動鉄 心の係合孔に嵌合させて、可動鉄心を保持孔の連結部側で支持させるようにし、 また、突起および係合孔を方形にして嵌合させることが望ましい。

【０００６】

【実施例】

これを図に示す実施例について説明する。 図１ないし図５において、１はコ字状に形成したヨークで、このヨーク１内に コイル２を巻装したコイルボビン３を、コイルボビン上側のフランジ両側に設け た突片３１をヨークの係止孔１１に挿入して固定保持させている。 なお、コイルボビン３は、たとえば下側フランジの両側に突起３２を設け、ヨ ークの連結部１２両縁の切り欠ぎ１３に係合させるなどにより、ヨーク内の位置 決めをしている。 ４はコイルボビン３中央の中空部内に移動可能に挿入したプランジャで、挿入 した先端に小径部４１を設けて、ヨーク１の連結部１２に設けた孔１４に挿通さ せるようにしている。５は前記小径部４１を囲んで中空部内に挿入したコイルバ ネで、プランジャ４を非動作位置に押し上げている。 ６はヨーク１の一方端に係合支持させた可動鉄心で、支持側端に幅を小さくし た支持部６１をそなえ、ヨーク１の保持孔１５に挿入し、保持孔の下面から突出 した方形の突起１６と支持部の方形の係合孔６２とを嵌合させて抜け止めすると ともに、突起１６を中心にして可動鉄心６を嵌合の間隙に応じた範囲の角度で回 動できるように支持させており、この可動鉄心６に前記プランジャ４の頭端４２ を接触させ、コイルバネ３によりプランジャ４を介して可動鉄心６を押し上げる ようにしている。１７はヨーク１の他方端に設けた可動鉄心受けで弾性板７を張 り付けている。

【０００７】 コ字状のヨーク１の上方からコイル２を巻装したコイルボビン３を挿入し、下 側フランジの突起３２をヨークの切り欠ぎ１３に合わせて押し込み、上側フラン ジの突片３１をヨークの係止孔１１に挿入保持させる。このコイルボビン３の中 空部にコイルバネ５とともにプランジャ４を挿入し、可動鉄心６を小幅の支持部 ６１をヨークの保持孔１５に挿入し、プランジャを押し込んだ状態で、プランジ ャ側から方形の係合孔６２を方形の突起１６に嵌合させると、突起１６で抜け止 めされるとともに、嵌合の間隙により可動鉄心６を係合孔６２の内面に突起１６ の角が当たるまで回動させることができ、可動鉄心６はコイルバネ５によりプラ ンジャ６の頭端で押されて非動作位置に保持され組み立てが完了する。 したがって、固定鉄心をヨークにかしめ作業などで取り付ける必要がなく、可 動鉄心を操作するバネも外部に設ける必要がない。

【０００８】 コイル２が励磁されると、プランジャ４の小径部４１からヨーク１および可動 鉄心６を経てプランジャ４にもどる磁路によって磁束が形成され、プランジャ４ をコイル２内に引き込むとともに、可動鉄心６をプランジャ４の頭部で吸引して 可動鉄心受け１７に接する動作位置に移動させる。 このように、プランジャ４を設けてコイルバネ５で押し上げ、プランジャの頭 端４２を可動鉄心６に接触させるようにしてあるので、プランジャと可動鉄心が 接触した状態に保持されて磁気空隙が小さくなり、コイルを励磁したときに、可 動鉄心を吸引する力が増大する。 なお、プランジャ４に小径部４１を設けてコイルバネ５を収納するとともに、 ヨーク１の孔１４に挿通させることにより、ばねをヨークの外側に設ける必要が なく、小径部と孔との嵌合でプランジャの吸引力を大きくできる。また、突起１ ６をヨーク１の保持孔１５の下方から突出するように設け、可動鉄心６を保持孔 １５のヨーク連結部１２側に支持させることによりヨーク１から可動鉄心６へ移 る磁束の磁気抵抗を減少させて動作を確実にすることができる。

【０００９】 図５に示す従来のソレノイドと図１に示した本考案によるソレノイドの吸引力 を実測した結果、約３０〜５０％の増加が得られた。 なお、プランジャ４に小径部４１を設けることにより、プランジャの吸引力を 増大させることができるが、小径部４１を設けない場合でも、コイルバネ５を中 空部内に収納でき、プランジャ４の頭端４２と可動鉄心６とが接触していること によって、磁路の磁気抵抗が小さく可動鉄心６をプランジャ４とともに吸引移動 させることができる。また、コイルボビン３はヨーク１に接着剤で固定させるよ うにしてもよい。

【００１０】

【考案の効果】

このように、本考案はコイルの中空部に挿入したプランジャとコイルバネをそ なえ、ヨークの一方端部に支持された可動鉄心と前記プランジャとを接触させた 状態で、前記コイルバネによりプランジャを介して可動鉄心を非動作位置に保持 させてあるので、かしめによる固定鉄心の固定作業や、可動鉄心の引っ張りばね をヨークの外側に設けるなどの必要がなく、ばね設置のための機構を不要にして 構造を簡単にし、小形化することができ、組立作業が簡単で作業の工数を大幅に 減少できるとともに、可動鉄心がプランジャに接触して保持されており、磁気抵 抗を減じて可動鉄心に作用する吸引力を増大させ、動作を確実にし得るなどの効 果がある。 また、プランジャに小径部を設けることにより、プランジャに作用する磁気吸 引力を増大させるとともに、コイルバネを中空部内に安定して収納することがで きる。 なお、可動鉄心に小幅の支持部を設けてヨークの保持孔に挿入し、ヨークから 保持孔内に突出する突起と、前記支持部に設けた係合孔とを嵌合させて可動鉄心 の取り付けを行わせることにより、可動鉄心の取り付け作業を簡単にし、確実な 抜け止めをすることができる。また、前記の突起と係合孔を方形に形成すること で支持が確実になり、突起をヨークの連結部側から突出させるようにすれば、磁 路の磁気抵抗を減少させて吸引力を増大させる効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す正断面図である。

【図２】図１の側面図で、一部を断面で示している。

【図３】図１の上面図で、ヨークの端部および可動鉄心
の一部を切り欠いでいる。

【図４】ヨークと可動鉄心の支持部を示す拡大図であ
る。

【図５】ヨークと可動鉄心の支持部を示す斜視図であ
る。

【図６】従来の例を示す正断面図である。

【図７】図５の上面図で、可動鉄心の一部を切り欠いで
いる。

【符号の説明】

１ ヨーク ２ コイル ３ コイルボビン ４ プランジャ ５ コイルバネ ６ 可動鉄心 １２ 連結部 １４ 孔 １５ 保持孔 １６ 突起 ３２ 突起 ４１ 小径部 ４２ 頭端 ４３ コイルバネ ６１ 支持部 ６２ 係合孔

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 コ字状のヨーク内にコイルを固定し、ヨ
   ークの一方端部に可動鉄心を支持した電磁装置におい
   て、コイルの中空部に挿入したプランジャと、このプラ
   ンジャを押し上げるコイルバネをそなえ、ヨークの一方
   端部に係合支持された可動鉄心にプランジャの頭端を接
   触させたことを特徴とする電磁装置。
2. 【請求項２】 前記プランジャが、ヨークの連結部に設
   けた孔に挿通される小径部をそなえ、小径部の周囲にコ
   イルバネを配置した請求項１の電磁装置。
3. 【請求項３】 前記可動鉄心の支持側端に小幅の支持部
   をそなえ、この支持部をヨークの保持孔に挿入し、保持
   孔内に突出する突起と、支持部に設けた係合孔とを嵌合
   させて可動鉄心を支持させた請求項１または２の電磁装
   置。
4. 【請求項４】 前記ヨークに設けた保持孔に、ヨークの
   連結部側から突出する方形の突起をそなえ、可動鉄心の
   支持部に設けた方形の係合孔と嵌合させる請求項３の電
   磁装置。