JP3042067U - 平面的美術品の複製品 - Google Patents

平面的美術品の複製品

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JP3042067U JP1997000833U JP83397U JP3042067U JP 3042067 U JP3042067 U JP 3042067U JP 1997000833 U JP1997000833 U JP 1997000833U JP 83397 U JP83397 U JP 83397U JP 3042067 U JP3042067 U JP 3042067U
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三郎 増田
鎮雄 林
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小畑 江利子
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シルク不織布の新規な用途考案であって、日
本画、洋画、写真、肖像画、はじめ各種グラフィックデ
ザイン等の平面的美術作品から、原画の高級感を維持し
ながら、安価かつ簡易に複製する複製品を提供する。 【解決手段】 シルク不織布1の片面に熱圧接により接
着剤として機能するプラスチックフィルム2をあらかじ
め接合して成るシートを用意し、このシートのシルク不
織布側にカラー電子写真装置を用いて原画像を複写す
る。ここで多用途の半製品(請求項2)が得られる。こ
の半製品を用途に応じて、キャンパス等の画材、紙、シ
ート材等の基材3に熱圧着すれば本考案の最終製品が得
られる。シルク不織布1は厚み方向に弾力性を有するな
ど、深みと立体感のある複製品が得られる。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案が属する技術分野】
本考案は、日本画、洋画、写真、版画、ポスター、肖像画等の平面的美術品の 複製品に関する。
【0002】
【従来の技術】
これら平面的美術品を岩絵具、油絵具、切絵等の微細な凹凸を再現して忠実度 の高い複製を得る方法として、例えば、特公昭60−54195号公報、発明の 名称「岩絵具を用いたような日本画複製画の製造方法」、特公昭57−3200 号公報、発明の名称「油絵等の複製方法」、特公平4−45351号公報、発明 の名称「切り絵調印刷物の製造方法」が提案されている。しかしこれらの方法は 、大量生産に不向きであり、複製コストも高価になる欠点がある。
【0003】 一方、最も大量生産に向くカラー印刷方式としてコロタイプ印刷およびオフセ ット印刷が普及している。しかし、これらの印刷方式は、色彩の忠実度と印刷の 微細度を向上させるため、表面に白色の微粒子をすり込んだ用紙に印刷されてお り、その結果、紙面がギラギラ光って、印刷されたカラー写真、絵画等の観賞の 障害となり、微粒子中に鉱物質が多く含まれているため印刷物が重くなり、更に 、折り曲げや吸湿により微粒子の剥離するおそれがあるなどの欠点がある。また 、この種の印刷方式は肖像画、美術品の少数複写等に不向きである。
【0004】 更に、最も手軽かつ簡易なカラー複写手段として、カラー電子写真装置が知ら れているが、用紙に複写するため、トナーと用紙とのなじみが悪く、画像が平面 的となり、色彩の再現性(忠実度)に劣るため、高級美術品の複製には不適当で ある。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】
本件出願人は別途、シルク不織布の利用技術として、色彩が非常に美しくて明 度が高く、外光をギラギラ反射させる光沢がなく色調に落着きがあり、例えば木 々の葉や石畳、西陣織りの和服の表面などを指先で触ると微細な凹凸を感触する ほどの立体感があり、しかも、紙、板材、キャンバスなどの布地、壁面など、あ らゆる材料を基材としてその表面に転写することができ、量産性に富んで製造コ ストも安価な、新規の平面的美術品の複製方法とそれに使用する複製用シート材 を提供している。
【0006】 本考案は、好ましくはこの複製用シート材を使用し、上記した複製方法により 複製された新規な平面的美術品の複製品の提供を解決課題とする。
【0007】
【考案の原理】
シルクの材料となる繭糸は図1にその拡大断面図を示すように三角断面の2本 のフイブロインの周囲をセリシンが包囲した構造を有し、フイブロインとセリシ ンはそれぞれアミノ酸よりなるタンパク質であることが知られている。このフイ ブロインの微細構造は、太さ70〜100Åのミクロフイブリルが束となって直 径約1ミクロンほどのフイブリルとなり、フイブリルが数百本集まって1本のフ イブロイン繊維をつくっている。
【0008】 このようなフイブロイン繊維は、その中にきわめて微細な孔や空隙を無数にも つ超毛細管構造であり、吸水性が高い。従って、セリシンを除去されたフイブロ インは、酸性染料、塩基性染料等の合成染料、草木染めの天然染料などによく染 まる高度な染色性を有している。
【0009】 またシルクは蚕が蛹に変態する際に分泌される体液であるため、繊維の太さに ばらつきがあり、断面の形も単調でなく、蚕がS字形または8字形に身体を回転 させながら繭をつくるため繊維方向に屈曲やうねりがあり、これらがうまく調和 して特有の風合(繊物の見た目や手触りなどを総合した感覚的性質)や光沢を醸 し出している。
【0010】 さらに本考案のシルク不織布は、水流交絡法(ウオーターパンチ)により製織 される。この水流交絡法は、タテ糸にヨコ糸を通すためのシャットルを使用せず ノズルから毎秒約50mの高速で噴出する微量の水流によって高速製織する加工 法である。このようにしてつくられた不織布は、タテ糸が微細にジグザグしてい るため、通常の不織布よりも、吸水性、染色性が向上し、光の乱反射のため純白 度が向上する。
【0011】 そもそもシルク不織布は、良質のタンパク質で構成されているため人肌になじ み易く、また吸汗性にすぐれていることから、肌着、UVケア化粧用品、医療衛 生用品、床ずれ防止寝具、乳児用シーツ、枕などの分野の新製品開発研究が進め られつつある。これに対し、本発明は、絵画等の高級な複製技術という新規なシ ルク不織布の用途を提供するものであり、この点に最大の特徴がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本考案の平面的美術品の複製品は、複製すべき日本画、洋画、写真、版画、肖 像画等の画像情報がシルク不織布表面にカラー電子写真装置により複写されてお り、その複写シートが、台紙、キャンバス等の基材に接着されていることを特徴 とする。
【0013】 参考までに本考案の複製品の制作方法を説明すると、シルク不織布の裏面に融 点40℃ないし160℃のプラスチックフィルムを接合してなる複製用シート材 を用い、このシート材にカラー電子写真装置を用いて複製すべき原画またはその 複製品の画像を転写し、次にこの画像転写されたシートをキャンバス等の基材上 に上記プラスチックフィルムを当接する向きに載置し、熱転写装置を用いて上記 プラスチックフィルムを溶融させて上記画像転写されたシートを上記基材上に接 着させることにより得られる。
【0014】 本考案のシルク不織布の厚みは、15g/m2 ないし120g/m2 であるこ とが好ましい。また、シルク不織布の厚みに、微小な波状の変化のあるものを用 いることが好ましい。この場合、熱転写装置を用いて基材上に接着させたとき、 指先で触れて微細な凹凸を感触させる立体感が得られる。
【0015】 本考案の複写シートと基材を接合させる接着剤としてシルク不織布の片面に融 点40℃ないし160℃のプラスチックフィルムをあらかじめ接合させておくこ とが好ましい。この場合、シルク不織布の取扱いが容易になり、シート材の腰が 強くなって電子写真装置内でジャム化するなどの障害の発生がなくなる利点があ る。また、シルク不織布を波状に保持することが可能となる。
【0016】 本考案は、シルク100%不織布を使用する実施形態が最も好ましいが使用目 的に応じて他の不織布、例えば化学合成繊維や、ハイブリッドシルクの不織布を 広く使用することができる。
【0017】
【考案の実施の形態】
図2に本考案の実施例の模式的断面図を示す。台紙、キャンバス等の基材3に 、複製すべき画像の複写されたシルク不織布1が接着されたものである。なお、 シルク不織布1の裏面に設けられていたプラスチックフィルム2は溶解して接着 剤として機能したため基材3と不織布1の間の介在層として検出することが困難 である。また、カラー電子写真装置により転写された各色のトナー剤は、シルク 不織布1の繊維間に浸透溶融しているので不織布1の表面上にこれを検出するこ とが困難である。
【0018】 参考までに本考案品の制作方法の一例を図3のフローチャートに従って説明す る。まず、複製すべき原画またはその複製品の画像、通常は1枚のカラー写真と 、複製用シート材を必要枚数用意する。次に、カラー電子写真装置を用い、その 原稿載置用ガラス板上に原画となるカラー写真が置かれ、必要により倍率が設定 され、記録用紙供給部に複製用シート材が供給される。
【0019】 複写工程は、青紫フィルタをかけて露光し、イエロートナーで現像・定着し、 次に、緑フィルタをかけて露光しマゼンタトナーで現像・定着し、最後に赤フィ ルタをかけて露光し、シアントナーで現像・定着する3回(ブラックトナーを使 う場合は4回)の直列工程により行われるのが通常である。また連続階調の再現 と色特性のすぐれた装置が選ばれること勿論である。次にこの画像転写されたシ ートを、キャンバス等の基材上に、プラスチックフィルムを基材に当接する向き に載置し、熱転写装置を用いて加熱加圧すれば、プラスチックフィルムが溶解し て接着剤として作用し、画像転写されたシートが基材上に接着され、図2に模式 的断面図で示す本発明方法による美術品の複製品が得られる。
【0020】 この製法において記録用紙供給部に供給される複製用シート材は、図4に模式 的断面図を示すように、シルク不織布1の片面に融点40℃ないし160℃のプ ラスチックフィルム2が一体に接合されたものである。シルク不織布1の厚さは 1平方メートル当たり15g〜120g、プラスチックフィルム2は例えばポリ プロピレン、ナイロン、ポリエステル等の材料よりなり、その厚みは例えば50 ミクロン〜100ミクロンである。
【0021】 この複製品(半製品)は、シルク不織布1の片面に、融点40℃ないし160 ℃のプラスチックフィルム2があらかじめ熱融着により、前面にわたらず部分的 に散在して接合されており、シルク不織布1自体が厚みと有し多層のシルク繊維 束の重なりにより厚み方向の弾力性を有し、これらフィルム2とシルク織布間に 空気層を含んでいる。このようなシルク不織布1とフィルム2の2層構造体シー ト上のカラー電子写真装置により画像情報が複写された複製品(半製品)は、電 子写真装置のトナーがシルク不織布1の上層部にしっかり定着、表面は鮮明でギ ラギラした反射光がなく、荒く取り扱ってもトナーの剥離するおそれがない。ま た不織布1の下層部までトナーが浸透していないので、プラスチックフィルム2 の状態は変化せず、二層構造体の複製品全体として、積み重ねたり、ロール巻に 巻く等の取扱が可能であり、きわめて軽量で、いかなる基板にも適用することが できる。
【0022】 図5に本考案の制作に用いる複製用シート材の他の実施例の模式的断面図(A )と、正面図(B)を示す。このシート材はシルク不織布の全面にわたってプラ スチックフィルム2に接合されておらず、プラスチックフィルムとの間に空隙を もつ膨出部4‥‥4が散在して波形になっていることが特徴である。
【0023】 この膨出部4の散在したシルク不織布の製法は、シルク不織布に熱風を与えて 熱膨張させ、例えば三角形、菱形、或いは大きい亀甲形と小さい三角形の組み合 わせを連続形成する突条が表面に形成された金型ロールを用い、熱膨張したシル ク不織布とプラスチックフィルムを重ね合わせてこの金型ロールに押圧されるこ とにより、押圧された線状部分のプラスチックシートのみが熱溶着し、突条と突 条で囲まれた空間部に膨出部4‥‥4が形成される。
【0024】 このような膨出部4‥‥4の散在するものを使用した場合は、熱転写装置を用 いて加熱加圧したとき、シルク不織布の厚みに大小の波が生じ、これを指先で触 れると微細な凹凸を感触する立体感のある複製品が得られる。
【0025】 本考案の基材3として、画材用キャンバスのほか、紙、ベニヤ板等の板材、壁 面パネル材などを用いることができる。また、プラスチックシートに接着剤を塗 布すれば、ガラス板、金属、硬質プラスチック等、広範囲の材料に適用すること ができる。
【0026】 また、長尺の基材上に連続した異なる画像を転写した複数枚のシルク不織布を 並置して熱転写することにより、横幅の長い壁画を制作することができる。この 場合、隣接する画像の継目を目視により調整したのち熱転写できるので、継目の わからない一幅の壁画作品を得ることが出来る。
【0027】 本考案の不織布は、純白のものに限らず、全体を例えば、あかね、うこん、か りやす等の草木により淡く染めたものを用いることもできる。
【0028】
【考案の効果】
本考案によれば、シルク不織布またはこれに類似する不織布の新規な用途とし て、落着いた風合いがあり色彩が非常に美しく、かつ立体感さえ感じさせて品位 が高く、しかも量産性に富んで製造コストの安価な絵画等の美術品の複製を得る ことができる。
【0029】 また本考案によれば、カラー写真装置のトナー剤が不織布の繊維間に浸透溶融 しているので、紙や単なる布地に複写されたものに比べて、退色やトナー剤の剥 離がなく品質が長年月にわたり安定しており、しかも、不織布に厚みがあるため 色合いに深みのある複製品が得られる。
【0030】 さらに、本考案品の本製品である画像転写済の複製用シート材は、プラスチッ クシートが接合されているので、不織布のみに比べて取扱いが容易であり、カラ ー電子写真装置にかけるときも腰が強くジャム化するおそれがなく、基材へ接着 するときに接着剤を塗布する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、シルク不織布の原材料となる繭糸の拡大断
面図である。
【図2】は、本考案実施例の模式的断面図である。
【図3】は、本考案品の制作方法の実施例を示すフロー
チャートである。
【図4】は、本考案品の半製品(複製用シート材)の一
実施例を示す模式的断面図である。
【図5】は、本考案品の半製品(複製用シート材)の他
の実施例を示す模式的断面図(A)と、正面図(B)で
ある。
【符号の説明】
1‥‥シルク不織布 2‥‥プラスチックフィルム 3‥‥基材 4‥‥膨出部

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複製すべき日本画、洋画、写真、版画、
    肖像画等の画像情報がシルク不織布表面にカラー電子写
    真装置により複写されており、この複写シートが、台
    紙、キャンバス等の基材に接着されていることを特徴と
    する、平面的美術品の複製品。
  2. 【請求項2】 片面に融点40℃ないし160℃のプラ
    スチックフィルムがあらかじめ接合されたシルク不織布
    の表面に、複製すべき日本画、洋画、写真、版画、肖像
    画等の画像情報がカラー電子写真装置により複写されて
    いる、平面的美術品の複製品。
  3. 【請求項3】 上記シルク不織布の厚みが15g/m2
    ないし120g/m 2 である、請求項1または2に記載
    の平面的美術品の複製品。
  4. 【請求項4】 上記シルク不織布の厚みに微小な波状の
    変化がある、請求項1、2または3に記載の平面的美術
    品の複製品。
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