JP3042017B2 - 燃料噴射ノズル - Google Patents

燃料噴射ノズル

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JP3042017B2
JP3042017B2 JP3125534A JP12553491A JP3042017B2 JP 3042017 B2 JP3042017 B2 JP 3042017B2 JP 3125534 A JP3125534 A JP 3125534A JP 12553491 A JP12553491 A JP 12553491A JP 3042017 B2 JP3042017 B2 JP 3042017B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,シリンダヘッド
に形成した副室等の燃焼室に燃料を噴射する燃料噴射ノ
ズルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に,燃料噴射ノズルのノズル本体の
先端部に噴孔を形成する場合に,噴孔はノズル本体にド
リル加工,放電加工等によって直接加工されており,噴
孔の形状もこれらの加工方法で穿孔される形状に限られ
ている。ところで,燃料噴射ノズルにおいて,ノズル先
端部に形成される噴孔については,噴孔径及び噴孔数
は,燃焼状態に大きな影響を及ぼす条件であり,噴孔に
対するこれらの諸条件の決定は,エンジン性能とも関係
してエンジン性能の向上に重要な要素となる。また,噴
孔径及び噴孔数についてのみでなく,形状,噴孔角度等
の噴孔形状も燃焼に大きな影響を及ぼすことは,従来か
らも分かっている要素である。例えば,燃料噴射ノズル
の噴孔形状を従来の円形形状から四角形状等の異形形状
にすることによって,噴霧粒の速度分布を変え,空気の
取り込みを良くすることができるものである。
【0003】上記のような噴孔については,本出願人に
係わる出願である特願平1−252277号(特開平3
−115722号公報参照)に開示されたものがある。
該燃料噴射ノズルは,図10に示すように,先端部に燃
料噴射のため燃焼室に開口する噴口53を備えたセラミ
ック製ノズル本体51,及びノズル本体51内を上下動
可能に配置したセラミック製針弁52を有している。該
燃料噴射ノズルは,針弁52に燃料圧が付勢すると,針
弁52がノズル本体51に対して移動し,針弁52が噴
口53を開放して燃料通路55からの燃料を噴口53か
ら噴射するように構成されている。噴口53は,多数の
噴孔から成り,ノズル本体51の先端部に軸方向に多段
に形成されているものである。
【0004】また,副室式断熱エンジンとして,図7に
示すようなものが開示されている。該副室式断熱エンジ
ンは,シリンダ49を形成したシリンダブロック40,
シリンダブロック40に固定したシリンダヘッド42,
シリンダヘッド42に形成した断熱構造の副室44,シ
リンダ49内を往復運動するピストン48,副室44を
主室43に連通する連絡孔46,及び副室44に噴口4
7を開口する燃料噴射ノズル41を有している。副室4
4の形状は,種々の形状に形成することができ,例え
ば,図8に示すように,断面円形状の側壁面45に形成
することができ,又は,図9に示すように,断面四角形
状の側壁面50に形成することができる。噴口47から
噴射された燃料は側壁面45又は50に衝突して着火燃
焼し,副室44から連絡孔46を通って主室43に吹き
出される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,図7に
示すような燃料噴射ノズルは,噴口はホール型多噴孔4
7に形成され,多噴孔47から噴射された燃料を副室壁
面45(図8参照)又は50(図9参照)に衝突させて
拡散させ,副室44内での燃料と空気との混合を達成し
ているが,多噴孔47から噴射された燃料は副室44内
の全域にわたって良好には拡散せず,特に,副室44の
上部には燃料噴霧が拡散することができず,燃料と空気
との混合が良好に行われず,副室44内での着火燃焼が
良好に行われず,連絡孔46からの吹き出しも弱く,エ
ンジン出力の低下,熱効率の低下,HC,NOX 等の発
生等の原因となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決することであり,副室式エンジンの燃焼を
改善するものであり,副室の上部壁面に向かってほぼ水
平方向に噴射する多噴口を水平方向偏平噴口に形成し,
副室の下部壁面に斜め下方に向かって噴射する多噴口を
垂直偏平噴口即ち軸方向偏平噴口に形成し,前記水平方
向偏平噴口から噴射された燃料噴霧の燃料微粒化を促進
して先ず副室上部一面で着火させ,燃焼を急激にさせて
体積を一気に膨張させ,前記軸方向偏平噴口から副室下
部に向けて噴射された燃料噴霧の未燃混合気を連絡孔か
ら吹き出させ,エンジン出力,熱効率を向上させる燃料
噴射ノズルを提供することである。
【0007】この発明は,燃料通路を形成したノズル本
体及び該ノズル本体に形成した中空穴内に往復動可能に
配置された針弁を有し,該針弁に燃料圧が付勢すること
で前記針弁がリフトして前記ノズル本体に形成した多噴
口を開放し,該多噴口から燃料を噴射する燃料噴射ノズ
ルにおいて,前記多噴口はほぼ水平方向に燃料を噴射す
るように前記ノズル本体の水平方向に偏平形状に伸びる
複数の水平方向偏平噴口と,該水平方向偏平噴口より下
方に燃料を噴射するように前記ノズル本体の軸方向下方
に傾斜して偏平形状に伸びる複数の軸方向偏平噴口とか
ら成り,シリンダヘッドに配置した側壁面を断面四角形
に形成した断熱構造の副室内に前記多噴口を開口し,前
記多噴口の前記水平方向偏平噴口からの噴射燃料を副室
上部壁面に向けて噴霧し,また前記多噴口の前記軸方向
偏平噴口からの噴射燃料を副室下部壁面に向けて噴霧す
ることを特徴とする燃料噴射ノズルに関する。
【0008】又は,この発明は,軸心方向に伸びる穴部
を形成したノズル本体,該穴部内で往復動可能に嵌合さ
れた燃料通路を備えたバルブ,及び該バルブの前記燃料
通路から外周に貫通する前記バルブに形成した多噴口を
有し,前記バルブに燃料圧を付勢することで前記バルブ
を前記ノズル本体に対して移動させ且つ前記多噴口を開
放して燃料を噴射する燃料噴射ノズルにおいて,前記多
噴口はほぼ水平方向に燃料を噴射するように前記バルブ
の水平方向に偏平形状に伸びる複数の水平方向偏平噴口
と,該水平方向偏平噴口より下方に燃料を噴射するよう
に前記バルブの軸方向下方に傾斜して偏平形状に伸びる
複数の軸方向偏平噴口とから成り,シリンダヘッドに配
置した側壁面を断面四角形に形成した断熱構造の副室内
に前記多噴口を開口し,前記多噴口の前記水平方向偏平
噴口からの噴射燃料を副室上部壁面に向けて噴霧し,ま
た前記多噴口の前記軸方向偏平噴口からの噴射燃料を副
室下部壁面に向けて噴霧することを特徴とする燃料噴射
ノズルに関する。
【0009】この燃料噴射ノズルは,上記のように構成
されているので,前記水平方向偏平噴口から噴射された
燃料噴霧は副室上部一面に拡散して燃料微粒化が促進さ
れ,燃料と空気との混合を促進し,副室上部で急速に着
火させ燃焼させて体積を膨張させる。これに対して,副
室下部では前記軸方向偏平噴口からの燃料噴射であり,
多量の噴射燃料には着火は発生せず,燃料と空気とはあ
る程度混合された未燃混合気の状態になっている。そこ
で,副室上部で燃焼が始まると,急激にその体積を膨張
させるため,副室下部の未燃混合気は勢いよく副室から
連絡孔を通じて主室に吹き出され,主室に存在する新気
と混合して燃焼し,ピストンを押す強力な力即ち出力が
発生する。また,前記軸方向偏平噴口は,内部から外部
に向かって半径方向下向きに傾斜すると共に,周方向下
向きに傾斜して形成されているので,噴霧パターンの拡
散は極めて良好に達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による燃料噴射ノズルの実施例を説明する。図1はこの
発明による燃料噴射ノズルの一実施例を示す要部の概略
斜視図,図2は図1の燃料噴射ノズルを副室に配置した
場合の燃料噴射の噴霧パターンを示す概略説明図,及び
図3は図2の線A−Aから見た燃料噴射の噴霧パターン
を示す概略説明図である。
【0011】この発明による燃料噴射ノズルは,図示し
ていないが,燃料通路を形成したノズル本体6及び該ノ
ズル本体6に形成した中空穴内に往復動可能に配置した
針弁を有し,該針弁に燃料圧を付勢することで針弁がノ
ズル本体6に形成した多噴口を開放して燃料を噴射する
ものである。この燃料噴射ノズルは,図1に示すよう
に,多噴口はほぼ水平方向に燃料を噴射する複数の水平
方向偏平噴口4と,水平方向偏平噴口4からの燃料噴射
より下方に噴射する複数の軸方向偏平噴口5を有してい
る。図1では,水平方向偏平噴口4はノズル本体6の先
端部に形成された燃料サック部10の上部周囲に偏平状
態に水平方向即ち周方向に伸びて複数個隔置して形成さ
れ,また,軸方向偏平噴口5は燃料サック部10の下部
に,水平方向偏平噴口4から下方に偏平状態に下向きに
傾斜して伸びて複数個隔置して形成されている。
【0012】この燃料噴射ノズルは,図2に示すよう
に,副室式エンジンにおける副室2に配置することが好
ましいものである。即ち,副室式エンジンは,シリンダ
ブロックに固定されたシリンダヘッド7,シリンダヘッ
ド7に形成した断熱構造の副室2,シリンダブロックに
形成したシリンダ内を往復運動するピストン,副室2内
に噴口を開口した燃料噴射ノズル6及びピストン側に形
成した主室1を有している。副室2を断熱構造に構成す
る場合には,例えば,シリンダヘッド7に形成された穴
部に配置された耐熱性及び断熱性に富んだセラミックス
等から成る副室壁体から構成することができる。副室2
は,連絡孔3を通じて主室1に連通している。また,主
室1については,ピストンヘッドのキャビティ或いはラ
イナ上部とヘッド下面で囲まれる空所に形成され,セラ
ミックス等で断熱構造に構成することもできる。
【0013】この副室式エンジンにおいて,副室2の形
状は,図3に示すように,副室壁面8が断面四角形に形
成されている。副室2に配置された燃料噴射ノズル6
は,副室2内に燃料を放射状に噴霧し,噴射燃料が副室
壁面8に衝突できるようにノズル軸線の周方向に形成し
た多噴口を備えている。燃料噴射ノズル6は,副室2内
にほゞ中央部で軸線方向下方に伸びて配置され,多噴口
は副室2の壁面8に向かって開口している。多噴口は,
ほぼ水平方向に燃料を噴射するようにノズル本体6の水
平方向に偏平形状に伸びる複数の水平方向偏平噴口4
と,水平方向偏平噴口4より下方に燃料を噴射するよう
にノズル本体6の軸方向下方に傾斜して偏平形状に伸び
る複数の垂直偏平噴口即ち軸方向偏平噴口5とから構成
されている。また,軸方向偏平噴口5は,ノズル本体6
の内部から外部に向かって半径方向下向きに傾斜すると
共に,周方向下向きに傾斜して形成されているので,噴
霧パターンCの拡散は極めて良好に達成できる。燃料噴
射ノズル6を副室2に配置すると,多噴口の水平方向偏
平噴口4からの噴射燃料は小さな噴霧パターンBを副室
上部一面に拡散して形成し,副室上部の四角形辺部の壁
面8に衝突して反射し,副室2内に拡散する。多噴口の
軸方向偏平噴口5からの噴射燃料は,下方に傾斜した大
きな噴霧パターンCを形成し,副室下部の四角形角部9
の壁面8に衝突して反射し,副室2の下部に傾斜状即ち
円錐状に拡散する。
【0014】更に,この燃料噴射ノズルでは,水平方向
偏平噴口4からの噴射燃料は,軸方向偏平噴口5からの
噴射燃料に比較して少量である。また,水平方向偏平噴
口4からの噴射燃料が壁面8に到達する距離は,軸方向
偏平噴口5からの噴射燃料が壁面8に到達する距離より
短くなっている。従って,先ず水平方向偏平噴口4から
の噴射燃料が円盤状になって壁面8に衝突して反射拡散
して空気と混合し,副室2内で着火燃焼が始まる。次い
で,軸方向偏平噴口5からの多量の噴射燃料が円錐状に
なって壁面8に衝突して反射拡散して空気との混合があ
る程度進行し,多量の噴射燃料には着火は発生せず,燃
料と空気とはある程度混合された未燃混合気の状態にな
る。従って,副室2内が非常に高温になって着火遅れが
短期間になった場合でも,着火は副室上部で確実に起こ
り,失火等は無い。そこで,水平方向偏平噴口4からの
噴射燃料が副室上部で燃焼し始めると,急激にその体積
を膨張させるため,副室下部の未燃混合気は燃焼ガスと
火炎となって勢いよく副室2から連絡孔3を通じて主室
1に高速で吹き出され,主室1に存在する新気と短時間
に混合し,燃焼期間を短縮して良好な状態で完全に燃焼
し,しかも,HCの発生を低減し且つNOX の発生を抑
制した燃焼を行わせることができ,ピストンを押す強力
な力即ち出力が発生する。
【0015】次に,この発明による燃料噴射ノズルの別
の実施例を,図4,図5及び図6を参照して説明する。
この燃料噴射ノズルは,本出願人の出願に係わる実願平
3−8465号(実開平4−100066号公報参照)
に開示されているサックボリュームを零にしたポペット
カバードオリフィス型のものに適用できるものであり,
その内の一例を説明する。従って,以下に説明する以外
のポペットカバードオリフィス型の燃料噴射ノズルにも
適用できることは勿論である。この燃料噴射ノズルは,
燃料噴射ポンプから供給される燃料を導入する燃料通路
23を軸心中央部の長手方向に備えたホルダ24,ホル
ダ24の下端部にねじ止め等で固定したノズル本体1
2,ノズル本体12に形成した軸心中央部の長手方向に
形成した穴部11に上下動可能即ち摺動移動可能に嵌入
したバルブ13,バルブ13の上端部に固定したリテー
ナ25,及びリテーナ25とノズル本体12の上端面に
配置されたワッシャ26,27との間に配置されたリタ
ーンスプリング28を有する。ホルダ24とノズル本体
12の間にはシール29が介在されている。また,ノズ
ル本体12に対するバルブ13の上下動の移動範囲即ち
リフト量を制限するため,ノズル本体12の上端面とリ
テーナ25の下端面との間には,リフトストッパ30が
配置されている。
【0016】ノズル本体12の端面15にはバルブシー
ト32が形成されている。バルブ13の先端に形成され
た突出部18には,バルブリング14が嵌合されてい
る。バルブリング14の上面には弁フェース31が形成
され,弁フェース31はノズル本体12のバルブシート
32に当接可能になるように構成されている。バルブシ
ート32と弁フェース31とが当接状態になることによ
って,ノズル本体12とバルブ13との間には,液密的
なシール状態が提供されることになる。バルブ13は,
ノズル本体12に対して上下方向に摺動するが,回転方
向には回転できないようにキー33が双方に跨がって挿
入されている。
【0017】この燃料噴射ノズルは,穴部11を形成し
たノズル本体12と,ノズル本体12の穴部11内で摺
動可能に嵌合し且つ中央に燃料通路16と燃料通路16
に連通する複数個の多噴口20,21を形成したバルブ
13とから成るものである。バルブ13は,ノズル本体
12に対して所定のリフト量で上下方向に摺動移動す
る。この燃料噴射ノズルにおいて,バルブ13の軸心中
央部の長手方向には,燃料通路16が形成されている。
また,バルブ13には,燃料通路16に一端を開放し且
つ他端を外周面側に開放する複数の嵌合孔19が形成さ
れている。嵌合孔19には,噴口形成体17が嵌合され
る。従って,各噴口形成体17をバルブ13の嵌合孔1
9に嵌合すれば,噴口形成体17に形成された複数の多
噴口20,21がバルブ13に形成されることになる。
【0018】この燃料噴射ノズルは,バルブ13に燃料
圧が付勢されると,バルブ13をノズル本体12に対し
て移動させ,多噴口20,21を開放して燃料が噴射さ
れるように構成されている。即ち,図6に示すように,
バルブ13をノズル本体12に対して下方にリフト量L
だけ摺動移動させれば,ノズル本体12のバルブシート
32とバルブ13に嵌合したバルブリング14の弁フェ
ース31との間に環状隙間22が形成され,環状隙間2
2に噴口形成体17に形成された複数の多噴口20,2
1が開口するようになる。
【0019】特に,この燃料噴射ノズルにおいて,噴口
形成体17に形成した多噴口は,噴口形成体17の下部
に形成した複数の水平方向偏平噴口20と,上部に形成
した複数の垂直偏平噴口即ち軸方向偏平噴口21から構
成されている。水平方向偏平噴口20は,ほぼ水平方向
に燃料を噴射するように,コーン開き角度は大きく形成
されている。また,軸方向偏平噴口21は,水平方向偏
平噴口20からの燃料噴射より下方に噴射するように,
コーン開き角度は小さく形成されている。即ち,水平方
向偏平噴口20は,ほぼ水平方向に燃料を噴射できるよ
うに,バルブ13の水平方向に延びる偏平形状に形成さ
れ,周方向に隔置して複数個形成されている。また,軸
方向偏平噴口21は,水平方向偏平噴口20より下方に
燃料を噴射するように,バルブ13の軸方向下方に傾斜
して延びる偏平形状に形成され,バルブ13の軸方向に
対して傾斜して複数個隔置して形成されている。更に,
軸方向偏平噴口21は,バルブ13の内部即ち燃料通路
16から外部即ち外周面に向かって半径方向下向きに傾
斜すると共に,周方向下向きに傾斜して形成されている
ので,噴霧パターンCの拡散は極めて良好に達成でき
る。従って,この燃料噴射ノズルの水平方向偏平噴口2
0及び軸方向偏平噴口21を断熱構造の副室2内に開口
するように配置すると,水平方向偏平噴口20からの噴
射燃料は副室上部に円盤状に一面になった噴霧パターン
Bを形成して辺部側壁面に衝突反射することができる。
また,軸方向偏平噴口21からの噴射燃料は円錐状に傾
斜して噴霧パターンCを形成して副室下部の角部側壁面
に衝突反射することができる。
【0020】
【発明の効果】この発明による燃料噴射ノズルは,上記
のように構成されているので,前記水平方向偏平噴口か
ら噴射された燃料噴霧は水平方向一面円盤状に拡散して
燃料微粒化が促進され,燃料と空気との混合が促進す
る。これに対して,前記軸方向偏平噴口からの燃料噴射
は円錐状に傾斜して噴射され且つ多量の噴射量となって
着火は発生せず,燃料と空気とはある程度混合された未
燃混合気の状態になっている。特に,燃料噴射ノズルを
シリンダヘッドに配置した側壁面を断面四角形に形成し
た断熱構造の副室に配置し,該副室内に前記多噴口を開
口すると,前記水平方向偏平噴口からの噴射燃料は副室
上部の辺部側壁面に円盤状に衝突反射させ,また,前記
軸方向偏平噴口からの噴射燃料は副室下部の角部側壁面
に円錐状に傾斜して衝突反射させることができる。そし
て,前記水平方向偏平噴口から噴射された燃料噴霧は副
室上部の辺部側壁面に向かって水平であるので,壁面ま
での距離は短く,前記水平方向偏平噴口からの燃料噴霧
がまず壁面に衝突して燃料微粒化が促進され,副室上部
で着火燃焼が始まり,急激にその体積を膨張することに
なる。これに対して,前記軸方向偏平噴口からの噴射は
噴射燃料が多量であり,副室下部の角部側壁面に向かっ
て噴射されるので,副室下部に向かって円錐状に良好に
拡散しているが,壁面までの距離は遠く,燃料と空気と
はある程度混合された状態で着火は発生せず,未燃混合
気の状態であり,該未燃混合気は勢いよく副室から連絡
孔を通じて主室に吹き出されることになる。主室に吹き
出された燃焼ガス及び混合気は主室に存在する新気と短
期に混合し,燃焼期間を短縮して燃焼スピードを増速
し,ピストンを押す強力な力即ちエンジン出力が発生す
る。
【0021】又は,この燃料噴射ノズルは,軸心方向に
伸びる穴部を形成したノズル本体,該穴部内で往復動可
能に嵌合された燃料通路を備えたバルブ,及び該バルブ
の前記燃料通路から前記外周に貫通する前記バルブに形
成した多噴口を有し,前記バルブに燃料圧を付勢するこ
とで前記バルブを前記ノズル本体に対して移動させ且つ
前記多噴口の水平方向偏平噴口と軸方向偏平噴口とを開
放して燃料を噴射するタイプの燃料噴射ノズルにも適用
でき,その効果も上記燃料噴射ノズルのタイプのものと
同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による燃料噴射ノズルの一実施例を示
す要部の概略斜視図である。
【図2】図1の燃料噴射ノズルを副室に配置した場合の
燃料噴射の噴霧パターンを示す概略説明図である。
【図3】図2の線A−Aから見た燃料噴射の噴霧パター
ンを示す概略説明図である。
【図4】この発明による燃料噴射ノズルの別の実施例を
示す断面図である。
【図5】図4の燃料噴射ノズルの非噴霧時の状態を示す
要部の断面図である。
【図6】図4の燃料噴射ノズルの噴霧時の噴霧パターン
を示す要部の断面図である。
【図7】従来の燃料噴射ノズルを副室式エンジンに配置
した場合の一例を示す概略説明図である。
【図8】図7の燃料噴射ノズルを配置した副室の一例を
示す説明図である。
【図9】図7の燃料噴射ノズルを配置した副室の別の例
を示す説明図である。
【図10】従来の燃料噴射ノズルの一例を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 主室 2 副室 3 連絡孔 4 水平方向偏平噴口 5 軸方向偏平噴口 6 ノズル本体 7 シリンダヘッド 8 壁面 9 角部 11 穴部 12 ノズル本体 13 バルブ 14 バルブリング 15 下面 16 燃料通路 17 噴口形成体 20 水平方向偏平噴口 21 軸方向偏平噴口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−125559(JP,A) 特開 昭62−20671(JP,A) 特開 昭57−116153(JP,A) 実開 昭54−106419(JP,U) 実開 昭60−75683(JP,U) 実開 昭61−118969(JP,U) 実開 平2−12066(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 19/08 F02B 19/14 F02B 19/16 F02B 23/02 F02M 61/08 F02M 61/18 320

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料通路を形成したノズル本体及び該ノ
    ズル本体に形成した中空穴内に往復動可能に配置された
    針弁を有し,該針弁に燃料圧が付勢することで前記針弁
    がリフトして前記ノズル本体に形成した多噴口を開放
    し,該多噴口から燃料を噴射する燃料噴射ノズルにおい
    て,前記多噴口はほぼ水平方向に燃料を噴射するように
    前記ノズル本体の水平方向に偏平形状に伸びる複数の水
    平方向偏平噴口と,該水平方向偏平噴口より下方に燃料
    を噴射するように前記ノズル本体の軸方向下方に傾斜し
    て偏平形状に伸びる複数の軸方向偏平噴口とから成り,
    シリンダヘッドに配置した側壁面を断面四角形に形成し
    た断熱構造の副室内に前記多噴口を開口し,前記多噴口
    の前記水平方向偏平噴口からの噴射燃料を副室上部壁面
    に向けて噴霧し,また前記多噴口の前記軸方向偏平噴口
    からの噴射燃料を副室下部壁面に向けて噴霧することを
    特徴とする燃料噴射ノズル。
  2. 【請求項2】 軸心方向に伸びる穴部を形成したノズル
    本体,該穴部内で往復動可能に嵌合された燃料通路を備
    えたバルブ,及び該バルブの前記燃料通路から外周に貫
    通する前記バルブに形成した多噴口を有し,前記バルブ
    に燃料圧を付勢することで前記バルブを前記ノズル本体
    に対して移動させ且つ前記多噴口を開放して燃料を噴射
    する燃料噴射ノズルにおいて,前記多噴口はほぼ水平方
    向に燃料を噴射するように前記バルブの水平方向に偏平
    形状に伸びる複数の水平方向偏平噴口と,該水平方向偏
    平噴口より下方に燃料を噴射するように前記バルブの軸
    方向下方に傾斜して偏平形状に伸びる複数の軸方向偏平
    噴口とから成り,シリンダヘッドに配置した側壁面を断
    面四角形に形成した断熱構造の副室内に前記多噴口を開
    口し,前記多噴口の前記水平方向偏平噴口からの噴射燃
    料を副室上部壁面に向けて噴霧し,また前記多噴口の前
    記軸方向偏平噴口からの噴射燃料を副室下部壁面に向け
    て噴霧することを特徴とする燃料噴射ノズル。
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