JP3041295B1 - 複合電波吸収体およびその施工方法 - Google Patents

複合電波吸収体およびその施工方法

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JP3041295B1
JP3041295B1 JP11099836A JP9983699A JP3041295B1 JP 3041295 B1 JP3041295 B1 JP 3041295B1 JP 11099836 A JP11099836 A JP 11099836A JP 9983699 A JP9983699 A JP 9983699A JP 3041295 B1 JP3041295 B1 JP 3041295B1
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    • H05K9/0001Rooms or chambers
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q17/00Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q17/00Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems
    • H01Q17/007Devices for absorbing waves radiated from an antenna; Combinations of such devices with active antenna elements or systems with means for controlling the absorption

Abstract

【要約】 【課題】 ピラミッド型の電波吸収体の高さを抑え、小
型暗室に利用可能とする。 【解決手段】 上部吸収体(3)を比誘電率4.9以下
の汎用樹脂中にフェライト粉を分散させて成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電波吸収体に関し、
特に小型暗室用の複合電波吸収体に関するものである。
より詳しくは、フェライト粒を無極性樹脂中に分散さ
せ、かつ、ピラミッド形状をもつ電波吸収体をフェライ
トタイル上に重ね合わせた複合吸収体に関する。さら
に、本発明は、フェライト粒を無極性樹脂中に分散さ
せ、かつ、ピラミツド形状をもつ電波吸収体をフェライ
トタイル上に重ね合わせた複合吸収体により構成された
電波暗室とその施工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子機器が雑音として電磁妨害波を発生
させ他の電子機器に誤動作を与えたり、また逆に、電子
機器自身が妨害波を受け誤動作を起こしたりする事例が
最近増加している。このような状況を踏まえて、製造メ
ーカーでは、自社が製造している製品が電磁妨害波が入
射しても障害を起こさないし、また、他の製品に悪影響
を与える電磁波を発生させないということを保証する必
要性に迫られてきている。即ち、この2つの要求を満足
するための電磁的両立性(EMC)が電子製品には必要
となっている。そこで、この2つの性質を評価するため
の測定用の部屋が必要となってくるが、調査対象として
いる電子機器以外からの電波の影響を受けないようにす
るため、部屋の外壁側には電波が侵入しないように金属
板で電磁波をシールドし、また、電子機器から出た電磁
波が壁で反射しないように内壁側には電波吸収体(以
下、吸収体と記す)が貼り付けてある。このような部屋
を電波暗室という。電波暗室(以下、暗室と記す)には
大型製品(自動車、大型電子機器等)のEMC調査を行
う大型暗室と比較的小物の電子製品を調査するための小
型暗室の2種類がある。
【0003】従来、暗室内で測定される周波数範囲は3
0MHz〜1GHzであった。その理由は電磁波における放射
が問題となり始めるのが30MHz程度であり、また、実
際に使用されている電子機器の周波数が1GHzを越える
ものがなかったからである。電波暗室で行われるEMC
評価測定には、電子機器から放射する電磁エミッション
測定(30MHz〜1GHz)、外来妨害波に対する機器の放
射電磁界イミュニティ測定(26MHz〜1GHz)がある。
これらの評価測定では、上限周波数を1GHzとして規格
化されており、従来の電波暗室ではそれらに対応した設
計となっている。
【0004】しかし、近年、電子機器の多様化に伴い1
GHz以上の周波数を使用する電子機器が出始めてきてい
る、例として、携帯電話(1.45GHz)、電子レンジ
(2.45GHz)、衛星放送(4GHz,6GHz)等であ
る。このため、暗室での測定法に関する規格も従来のも
のから1GHz以上のものへと変更せざるを得なくなって
きている。また、同時に暗室内で使用する吸収体も従来
の1GHz対応のものから1GHz以上の周波数においても吸
収するようなものに変更する必要が生じている。
【0005】ところで、大型暗室に使用されている吸収
体はフェライトタイルとカーボンピラミッドを重ね合わ
せた複合吸収体が一般的である。この理由は、当初カー
ボンピラミッドのみを暗室用吸収体としていたが200
MHz以下の低周波領域における吸収量が十分でなかった
ためフェライトタイルを複合化することによってある一
定量の吸収性能(通常は20dB)を確保するという方法
がとられたためであった。このフェライトタイル/カー
ボンピラミッド複合吸収体は1GHz以上の周波数におい
てもカーボンピラミッド自身の吸収性能が劣化しないの
で大型暗室での測定周波数の高周波化に対しては問題な
い。
【0006】より詳しくは、電波暗室で使用される代表
的な電波吸収体としては、フェライト焼結体であるフェ
ライトタイル吸収体と、カーボンを含浸した発泡樹脂を
ピラミッド形状にしたカーボンピラミッド吸収体があ
る。フェライトタイル吸収体は、波長の長い低周波領域
において、わずか5〜7mm程度の厚さで優れた吸収特性
を示すが、対応できる周波数帯は狭い。
【0007】カーボンピラミッド吸収体は、ピラミッド
化により広帯域特性を持つが、波長の長さに合わせてピ
ラミッドの高さを大きくせねばならず、低周波において
は大型の吸収体となってしまう。これらの吸収体は、電
波暗室の仕様やサイズに応じて、単体、あるいは両者を
組み合わせた複合吸収体として使用され、極力短尺化さ
れる様、設計される。通常、暗室用吸収体としては20
dB以上の反射減衰量が求められる。
【0008】一方、小型暗室においては大型暗室に使用
されるカーボンピラミッドは使用されていない。その理
由はカーボンピラミッドの高さが180cm以上もあるた
め小型暗室そのものの大きさ制限から有効測定空間がほ
とんどとれなくなるからである。このため、小型暗室は
従来、吸収体としてはフェライトタイルを貼り付けただ
けか、フェライトタイルの上に高さの低いカーボンピラ
ミッドを重ね合わせたものが使用されていた。フェライ
トタイルを貼り付けただけの小型暗室はフェライトタイ
ルのみの吸収性能しかもたないため、30〜60MHz及
び500MHz以上の周波数範囲においては吸収量が20d
Bを満たさないという状況が生じており、当然1GHz以上
の高周波帯においてはほとんど対応できないというのが
現状である。一方、フェライトタイルの上に高さの低い
(15〜40cm程度)カーボンピラミッドを複合したも
のを吸収体として使用した小型暗室では1GHz以上の吸
収性能は20dB以上あるが、数百MHzの周波数範囲にお
いて反射を生じフェライトタイルがもつ吸収性能を劣化
させてしまうという問題が生じている。
【0009】すなわち、フェライトタイル吸収体により
得られた優れた特性を阻害するものとなる。結果とし
て、数百MHzの低い周波数帯における特性とのバランス
を考慮するとピラミッドの大型化が必要で、ピラミッド
の高さは45cm〜1mにもなる。このとき、フェライト
タイル吸収体単体で構成された既設の小型暗室にこれら
のカーボンピラミッド吸収体を対策した場合、部屋の有
効スペースは狭くなり、暗室における測定上、問題とな
る。一方、カーボンピラミッド吸収体の対策面積を考慮
して部屋の寸法を拡大した場合、コストアップとなり、
いずれの場合にしても得策といえない。
【0010】本発明者らは、小型暗室の吸収体に関する
これらの問題を解決するために、フェライトタイルの吸
収性能を劣化させず、かつ、1GHz以上の高周波領域に
おいて20dB以上の吸収性能を持たせた、多孔質フェラ
イト吸収体を特開平7−302991号公報や特開平8
−130388号公報において提示してきた。また、特
願平10−183640号においては樹脂中にフェライ
ト粉を分散させた多孔質フェライト/フェライトタイル
複合吸収体を提示してきた。これらの吸収体は低周波に
おいて材料的に空間インピーダンスとの整合をはかるこ
とによりピラミッドの小型化を可能としたもので、高周
波特性においても優れた吸収特性を示した。但し、多孔
質化や気孔を制御するため高価な原材料、複雑なプロセ
スによりコストが高くなってしまう問題があった。また
使用する樹脂によっては、樹脂自身の吸湿によって品質
の劣化(吸収特性の悪化)を招くという問題もあった。
さらに付け加えると、電波暗室用の吸収体は室内に内装
されるものであり防火上燃えにくいものであることが望
ましい。多孔質であることは、構造的に吸湿性や難燃性
に対して不利である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した従
来技術の問題点である多孔質化による製造工程の複雑化
に伴うコスト高を解消するため、また吸湿性や難燃性に
対する構造的対応をはかるため、製造方法が単純な多孔
質化しないフェライト粉分散型吸収体を提供することを
課題とする。換言すると、汎用樹脂にフェライト粉を分
散させただけの配合で吸収体を製造しそれをフェライト
タイルの上に重ねて用いることにより、出願人が現在ま
でに出願してきた多孔質フェライト/フェライトタイル
複合吸収体と同等の吸収性能を持つ吸収体を提供するこ
とが課題である。
【0012】さらに、本発明は、前述した従来技術の問
題点である高周波へ対応する際の有効空間の縮小や部屋
サイズの拡大によるコストアップへの対応をはかるた
め、既設フェライト暗室の改装、あるいは新規暗室にお
いても従来のフェライト暗室と同レベルの部屋サイズで
高周波の測定が可能な小型電波暗室を提供することを課
題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】まず、課題を解決するた
めの基本的な考えを説明する。課題を解決するために
は、特願平10−183640号で提示したようにフェ
ライトタイルの吸収性能を阻害しないフェライトタイル
の上におくべき吸収体(以下、上部吸収体と記す)は、
フェライトタイルの吸収性能が最も大きい60MHz〜5
00MHzの周波数範囲において、次の条件を満足しなけ
ればならない。 μr′=εr′………………(1) μr″=εr″………………(2) ここで、μr′、εr′は上部吸収体の複素比透磁率、複
素比誘電率の実数部分である。また、μr″、εr″は上
部吸収体の複素比透磁率、複素比誘電率の虚数部分であ
る。(1)、(2)の条件を満足する場合、上部吸収体
材料の特性インピーダンスは、空間インピーダンスと整
合しているため電波的には透明である。すなわち、電磁
波は上部吸収体を透過するだけであるので上部吸収体は
フェライトタイルに何等の影響を及ぼすことがなく、従
って、フェライトタイルの吸収性能を阻害しないと言え
る。
【0014】また同時に上部吸収体は、フェライトタイ
ルの吸収性能が悪化する500MHz以上(特に1GHz以
上)の周波数範囲において、より大きい吸収性能を示す
必要がある。この低周波側における透過特性と高周波側
における吸収特性の両方を満足する上部吸収体を提供す
るために出願人は特開平7−302991号公報、同8
−130388号公報、特願平10−183640号に
おいて多孔質フェライト吸収体という概念を採用してき
た。多孔質化することの最大の目的は空気のμ r′、
εr′が1であることを利用する事である。この気孔部
分の存在及びその量の最適化により低周波側においては
(1)、(2)を概略において満足し、高周波側におい
ては共振周波数をより高周波側に持って行く事が可能と
なった。また、形状をピラミッド型にし、高さを最適化
することにより多くの共振を高周波側に出現させること
ができるので結果として低周波側ではフェライトタイル
の吸収特性を阻害する事なく、高周波側ではより広帯域
の吸収性能をもつ上部吸収体が開発できた。
【0015】しかし、本発明の課題は多孔質化しない樹
脂中にフェライト粉を分散させただけの上部吸収体を提
供する事である。気孔がないものでかつ安価に製造でき
るためにはマトリックスに熱硬化性または熱可塑性の汎
用樹脂を使用するのが最適である。理由は原料費が安価
である事と、成形法がプレス成形、射出成形、押し出し
成形等安価な方法により製造できる事である。汎用樹脂
を使用する時多孔質フェライト吸収体と同等の吸収性能
を持つためには低周波側において(1)、(2)を満足
する必要があるが、μr に関しては多孔質フェライト吸
収体も本発明で意図している樹脂中にフェライト粉を分
散させた上部吸収体も両者で同じである。理由は空気相
も樹脂相も非磁性体であるためμr に関する限り両者に
区別はないからである。
【0016】問題はεr の値が多孔質フェライト吸収体
と本発明の上部吸収体とでおなじになり得るかどうかで
ある。特開平7−302991号公報、同8−1303
88号公報で公開された焼結型の多孔質フェライト吸収
体はフェライト粉の周りがアルミナ、シリカ、ムライト
等の無機系のセラミックスで絶縁されている。これらセ
ラミックスのεr は10程度もありこれらのセラミック
スと空気相との混合比によってマトリックスのεr が決
まっていた。また、特願平10−183640号におい
てもマトリックスはフェノール樹脂(εr =4〜5)と
空気相との混合比によってεr が決まっていた。どちら
の例においても空気相(εr =1)はマトリックスとし
てのεr を下げるために挿入されたものであり、もし、
空気相以外の成分のεr が初めから低ければ多孔質フェ
ライト吸収体と同じεr を与える空気相を含まない樹脂
マトリックスを得る事は可能である。以上のようなコン
セプトによりマトリックス用の樹脂としてεr の値が特
に小さいポリプロピレン(εr =2.1)、ポリエチレ
ン、四弗化エチレンなどの無極性樹脂をマトリックスと
して本発明においては採用することにする。後述するが
ポリプロピレン、ポリエチレン等の汎用樹脂を使用すれ
ば(1)、(2)を満足する上部吸収体の製造が可能で
あり、低周波領域においてフェライトタイルの吸収性能
を阻害する事はない。また、これらの無極性樹脂を使っ
た場合においては多孔質化してもかまわない。本電波吸
収体において無極性樹脂を用いることは、低周波でのμ
rとεrを整合させやすいためで多孔質化させても同様の
特性が得られればよい。しかしながら、多孔質化するた
めには、気孔の生成やそれらを制御するための原料(発
泡剤や界面活性剤など)や管理プロセスが必要である
が、それらを必要としないことは製造コストの観点から
非常に有効である。
【0017】次に高周波側における吸収性能が多孔質フ
ェライト吸収体と同じになるかどうかであるが、高周波
側における吸収は主にフェライト粉中のμr″によって
生じる。このため、非磁性体であればマトリックスが空
気相のみ、空気相とセラミックスの混合物、空気相と樹
脂の混合物、樹脂のみのどれであっても同じ吸収性能を
示す筈である。本発明においても実施例で示す様に高周
波側の吸収特性は多孔質フェライト吸収体とほとんど同
じである。
【0018】また、電波吸収体において吸湿しないこと
は重要な特徴の一つである。吸湿した場合、水分子が材
料内に取り込まれることになるが、水は極性分子であり
材料のεrの値を大きくする。電波吸収体は材料のμr
εrを制御して良好な吸収性能が得られるよう設計され
るが、水分子によりεrが変化し材料自身による反射が
大きくなるため初期の設計性能に対して劣化を招くこと
になる。電波暗室は長期にわたり使用されるため、吸収
体が吸湿しないことは品質面で重要となる。ポリプロピ
レンで代表される無極性樹脂は吸湿性がほとんどないた
め、これらの樹脂で構成することは電波吸収体として理
想的である。繰り返しになるが、水は極性分子であるた
め吸収体を構成する樹脂が極性分子であると空気中の水
分を吸着しやすくなる。無極性分子であれば水分子と反
応することがないので吸湿性がなく経年的に安定であ
る。さらに多孔質化しないことにより、多孔質品と比べ
て表面積が少ない上、空気が材料内部へ浸透することが
ないため構造的にも吸湿しにくいものとなる。また表面
積が大きくなる多孔質では燃えやすくなるが、多孔質化
していないことにより空気との接触面積が少なく構造的
に燃えにくい、ポリエチレンやポリプロピレンは熱可塑
性樹脂であり耐熱性は高くないが、構造的にも燃えにく
くしていること、不燃材であるフェライト粉を相当量含
有していることにより難燃特性も向上している。
【0019】前述したように従来、小型暗室用として使
われてきたフェライトタイル吸収体は、1GHz以上の周
波数帯では反射が大きく、電波暗室において、それらの
周波数帯では電波の散乱が大きくなる。従って、1GHz
以上では、安定した電磁界分布が得られにくく、高周波
へ対応させた新たな電波吸収体が必要となるが、従来吸
収体の1つであるカーボンピラミッド吸収体では、有効
スペースの問題やコスト面から問題となる。
【0020】本発明による複合吸収体の上部吸収体は、
ピラミッド形状とした場合、その高さが僅か10cm程度
と小型でありながら、フェライトタイルの特性を損なう
ことなく高周波での特性に優れており10GHzまでの帯
域において、20dB以上の吸収特性を示している。従っ
て、同吸収体を電波暗室の各面に施工することにより、
高周波において理想的な電磁界分布が得られ、高周波で
のEMI/EMS測定が可能な電波暗室が設計できる。
このとき、同吸収体のピラミッド高さは10cm程度であ
り、対策スペースとしては、実用上、フェライトタイル
吸収体単体での場合とほぼ同等であるといえる。
【0021】すなわち、従来のフェライト暗室並の部屋
サイズで、高周波測定を可能としており、部屋サイズの
拡大は必要ない。部屋サイズの拡大がないことは、電波
吸収体を含めた使用部材の数量が少なくなることから、
電波暗室としての製造コストは低く抑えることができ
る。さらに近年において小型暗室などは研究棟などの一
般建家内に設置されることも多く、寸法的な制限から、
部屋サイズを抑えられるメリットは大きい。
【0022】また、この電波吸収体の対策面積は、部屋
の各面全面にわたり取り付けられることが望ましいが、
電波の反射する影響が大きい部分について局所的に対策
することも効果的である。対策面積が増えるとその分吸
収体の使用数量が増えることからコストアップとなり、
電波暗室の要求仕様やサイズに応じて、対策面積を設定
すべきである。
【0023】本電波吸収体においては、既設のフェライ
ト暗室に付加する(後付けする)ことも可能である。な
ぜなら、寸法的にも小型で対策スペースとしては問題な
く、かつ低周波でのフェライトタイルの特性を阻害しな
いためである。すなわち、付加するだけで、従来得られ
ていたフェライトタイルの特性をそのままにして高周波
だけの特性を改善できるためである。
【0024】さらに電波暗室の使用上の問題として、床
面に施工した吸収体上の歩行対策があげられる。高周波
測定の場合、電波暗室は自由空間を想定した6面暗室で
設計される。すなわち、床面にも電波吸収体が施工され
る。このとき、電波暗室での測定の際には、アンテナや
被測定物などのセットなどにより、床面吸収体上の歩行
が必要である。従来のカーボンピラミッド吸収体など
は、寸法が大きい上に強度がないため、歩行するための
通路の設置には一考を要する。しかも通路として使用す
る材料は電波の反射が極力小さいものでなければなら
ず、材料的にも限られる。本電波吸収体は、小型で、強
度的にも問題なく、発泡スチロールなどの反射の少ない
材料を吸収体のピラミッドに直にかぶせ、それを土台と
することにより、容易に通路を設置する事が可能とな
る。
【0025】電波暗室用の吸収体4は、図6と図7に示
すように、部屋の天井や壁に取り付けられるため、施工
性を考慮した形状でなければならい。上部吸収体3の基
本的な形状はピラミッド型であり、さらにピラミッドを
中空化した場合はより取り付けにくい形状となる。従っ
て、図6と図7に示すようにピラミッド4個の底面部を
連結させたパネル構造5とすることにより、取付工数の
低減をはかっている。またパネル5中央部と端部にビス
留めするための形状6、7を設けておくことで、ビス8
留めによる機械的な固定をも可能にしている。
【0026】パネル5の固定は、基本的にはパネル底面
部の塗布した接着剤により行うが、接着剤養生のための
固定や接着剤剥離のための予防措置が必要で、これらを
ビス留めによる固定で行う。ビス8はフェライトタイル
2の中心部に設けられたφ10の貫通穴9を介してシー
ルドパネル10に固定される。ここで、フェライトタイ
ル2の貫通穴9を介して固定するため、ビス8の打てる
数には制限がある。また金属ビスは反射があるので使用
する数量は極力少ない方が望ましい。従って、パネル端
部の固定形状は、2つのパネルを突き合わせたときに1
つのビス取付部となる様な形状にしておき、1本のビス
8で2つのパネル端部を固定することでビス8の使用数
を低減している(図8)。
【0027】図9に示すように、吸収体4のパネル5に
設けたビス留めする形状7は、半円の孔であって、隣り
合うパネル5を接続させると、ビス8を通す真円を作る
ものである。パネル5の寸法は、角形の各フェライトタ
イル2を2枚合わせた寸法に等しい角形であり、パネル
5の側縁をフェライトタイル2の中心に位置させてパネ
ル5を並設させる。その結果、半円の孔7は各パネル5
の側縁の中央部に位置する。
【0028】このように接着剤とビス留めの併用によ
り、確実な固定と施工の容易性を向上させている。以上
のような吸収体パネルを成形するにあたり、形状の自由
度が大きい製造方法でなければならないが、構成するた
めの樹脂として熱可塑性の樹脂を使うことにより、射出
成形や押し出し成形での一体成形が可能となる。これに
より、パネルにするための工程は必要なく、成形の時点
でパネル化されるため、低コストな製造を可能としてい
る。
【0029】
【発明の実施の形態】(フェライトタイル)本発明は、
フェライトタイルと上部吸収体の複合吸収体であるの
で、フェライトタイルも発明の重要な1要素である。フ
ェライトタイル/上部吸収体を考える時、電磁波は上部
吸収体を透過するだけであるので、あらゆる種類のフェ
ライトタイルが使用可能である。但し、フェライトタイ
ルの目的が30MHz〜1GHz間の周波数範囲において吸収
性能が大きい事であるので、通常はFe23/NiO/
ZnO/CuO系のフェライトが使用される事が多い。
また、大きさに関しては接合部分における磁気的な回路
の絶縁が起こらないという意味から大きければ大きい程
よいが、実用的には10cm×10cmまたは20cm×20
cmの大きさのものが使用される。厚さに関してはフェラ
イトタイルの背面に存在する空気層(エアギャップ)の
厚さとフェライトタイルの電気定数・厚さとで共振周波
数が決まるので暗室設計者が意図する周波数で吸収が最
大になる様にフェライトタイルの厚さも決められるべき
である。
【0030】(上部吸収体の原材料・配合比)課題を解
決する手段のところで述べた様に本発明における上部吸
収体は無極性樹脂からなるマトリックスにフェライト粉
を分散させた配合を持つものである。ここで上部吸収体
の複合体としての比透磁率、比誘電率をμr(t)、εr
(t)とすると、次式が成立する。 μr(t)=μr(a)x+μr(b)(1−x)………………(3) εr(t)=εr(a)x+εr(b)(1−x)………………(4) ここで、μr(a)、μr(b)、εr(a)、εr(b)
はフェライト粉(a)と樹脂(b)との複合体中での比
透磁率、比誘電率である。また、xはフェライト粉の体
積分率である。樹脂は非磁性体であるので、μr(b)
=1である。また、実験的に樹脂中に分散しているフェ
ライト粉のμr(a)とεr(a)を求めたところ μr(a)=8.5、 εr(a)=6.4 であった。1GHz以下の低周波領域における透過性を満
足するためには(1)、(2)を満足しなければならな
いのでμr(t)=εr(t)とおくと 8.5x+(1−x)=6.4x+εr(b)(1−x)………………(5) が成立する。(5)より εr(b)=(1+1.1x)/(1−x)………………(6) となる。ところで、樹脂中にフェライト粉を分散させか
つ成形する事を考えると、フェライト粉の最大含有量は
65vol%であると考えられるので、(6)におけるx
の範囲は 0≦x≦0.65………………(7) となる。これを(6)を代入すると 1≦εr(b)≦4.9 となり、低周波側の透過性を満足する樹脂の比誘電率ε
r(b)は4.9以下でなければならない。
【0031】この解析結果より、比誘電率が4.9以下
である樹脂を本発明において使用可能な樹脂とする。桜
井勇二郎著「プラスチック技術読本」(工業調査会)
p.353〜358、プラスチック性能表における106Hzで
の誘電率の値から、無極性樹脂であるポリエチレン、ポ
リプロピレン、弗素樹脂、四弗化エチレンなどが理想的
ではあるが、εr の値が4.9以下であるアリル樹脂、
エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチ
ロール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセ
タール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アセチルセルロー
ス樹脂なども使用できることになる。
【0032】ここで言う無極性樹脂とは、電気双極子を
もたない分子により構成された樹脂、あるいは極性結合
をもっていても分子の対称性からその双極子モーメント
がうち消された構造を持つ分子、またはそれに近い極性
の低い極性結合を持つ分子により構成された樹脂を意味
する。また、上に列挙した樹脂は現在工業的に実用化さ
れているものとして示したものであり、今後新しい樹脂
ができたとしても低誘電率の無極性樹脂であれば本発明
範囲の技術範囲に含まれるものとする。さらにこれらの
樹脂は主成分であることを意味しており、例えば難燃性
や強度を改善するために添加剤などが加えられたもので
もかまわない。
【0033】ここで、前述した低周波での整合条件μr
=εr については、広い周波数帯域にわたってこれらを
一致させることは非常に困難である。本発明において
は、その許容範囲として、μr とεr の数値差をμr
εr の比率で表し 0.25≦μr /εr ≦2.5 とした。μr /εr <0.25あるいはμr /εr
2.5では、材料表面での反射が大きくなりフェライト
タイルの性能を阻害するようになるためである。
【0034】またフェライト粉であるが、樹脂中に分散
した状態で1GHz以上の高周波帯において良好な吸収性
能を示すフェライト成分である必要があるが、この成分
はフェライトタイルの成分と同じFe23/NiO/Z
nO系あるいはFe23/NiO/ZnO/CuO系あ
るいはFe23/MnO/ZnO系とする。
【0035】次にフェライト粉と樹脂の配合比である
が、製造上の制約と1GHz以下の低周波側で(1)、
(2)を満足するという条件より、フェライト粉の配合
体積比の上限は65vol%とする。一方、フェライト粉
配合体積比の下限は1GHz以上の高周波側での要求吸収
量を満足するフェライト粉量できめるべきである。1GH
z以上の高周波側で10dBの吸収性能があるという意味
でフェライト粉配合量の下限は10vol%とする。但
し、実用上電波暗室に使用された時十分な吸収性能を持
つには反射率で20dBの吸収量が必要とされているの
で、後述する様に20dBの吸収量を持つためにはフェラ
イト粉配合量下限値を30vol%とする。つまり、本発
明におけるフェライト粉の配合比は10〜65vol%と
する。また、より最適な配合比としては30〜65vol
%とする。
【0036】(上部吸収体の形状)上部吸収体の形状は
平板、ピラミッド、楔形状のいずれでも良いとする。平
板形状の場合はプレス成形により成形可能であるので製
造コストは低くなるが1GHz以上の高周波側での共振周
波数が少なくなるので吸収性能は狭帯域化する。一方、
楔、ピラミッド形状は空間中に占める材料の密度勾配を
形状的につけており多層型吸収体の場合と同様な効果で
広帯域化させている。形状的密度勾配は中空構造のもの
や板状のものを組み合わせることによって作ってもよ
い。楔、ピラミッド形状の場合、平板形状に比べ広帯域
化して性能的には優れるが、形状が複雑となりコスト高
となるので、電波暗室の要求性能や要求コストの点から
形状を選定すべきである。
【0037】(フェライトタイルと上部吸収体の接合
法)本発明におけるフェライトタイルと上部吸収体の接
合法においては2つの方法が可能である。第一の方法は
フェライトタイル上に予め固定しておきユニット化して
おく方法である。具体的な一例として、成形の際に小さ
な逆テーパー穴のついたフェライトタイルを金型の幅に
装着しておき、この状態で射出成形、押し出し成形、鋳
込み成形などを行い、抜型する際にはフェライトタイル
と上部吸収体が接合した状態で取り出すという成形法で
ある。この方法であると成形と接合が同時に可能である
のでコストを低く抑えることができる上、機械的な取り
付けも加味されており確実な固定が可能である。第二の
方法は上部吸収体底面部に接着剤を塗布し固定するもの
で、現場での施工や既設のフェライト暗室に追加する場
合などで有効である。接合された状態のものの一例を図
1に示す。
【0038】(複合吸収体の施工法)フェライトタイル
と上部吸収体とが接合された複合吸収体を暗室内に施工
していく時、本発明品については暗室外壁部にある金属
反射板との隙間を最適化すべきである。フェライトタイ
ル背面と金属反射板との間の隙間は、位相の変化により
フェライトタイル吸収体の共振周波数、すなわち吸収帯
域に影響するので、この隙間量を最適化することにより
複合吸収体の吸収特性は更に効果のあるものとなるから
である。
【0039】図1に示すように複合電波吸収体1は、フ
ェライトタイル2とその上部のピラミッド型の電波吸収
体3とからなる。 (フェライトタイル2) <1>材料組成…………表1に材料組成を示す。
【0040】
【表1】
【0041】<2>形状…………100×100×6.
3mm3 の平板状のものを使用した。 <3>製造法…………表1の組成を持つ造粒粉を1ton/
cm2 でプレス成形した後、1200℃で1時間焼成を行
った。その後、6面研削を行った。
【0042】(上部吸収体3) <1>フェライト粉材料組成…………表2に上部吸収体
に使用されたフェライト粉の材料組成を示す。
【0043】
【表2】
【0044】<2>樹脂の種類…………実施例において
使用した樹脂は市販のポリプロピレンである。 <3>配合比…………フェライト粉とポリプロピレン
(以下PPと記す)の配合比は以下の10種類とした。
表3に配合比を示すが配合比は体積率で示したものであ
る。
【0045】
【表3】
【0046】<4>形状…………底辺が100×100
mm2 、高さが100mmのピラミッド形状で、肉厚が20
mmの中空構造を持つ中空ピラミッド形状である。 <5>製造法…………表3に示す配合のフェライト粉/
PP混合粉を加圧ニーダーで混練した後、ペレタイザー
でペレット化したものを上記のピラミッド形状に射出成
形により成形した。 <6>フェライトタイルと上部吸収体の接合法…………
フェライトタイルと上部吸収体の接合は市販の2種類の
接着剤(セメダイン社製 PP-5(プライマー)+PM-10
0)を使用した。 <7>複合吸収体の吸収量測定…………複合吸収体の吸
収量測定はネットワークアナライザーを用いた同軸管法
(1GHzまで)とタイムドメイン法(1GHz以上)を併用
して行った。
【0047】複合吸収体の吸収量測定結果を図2、図3
に示す。図2に示されている様に上部吸収体のフェライ
ト粉配合が10vol%において7GHzまで10dB以上の吸
収量を示している。また、図3で明らかな様に上部吸収
体のフェライト粉配合量が30vol%以上においては、
暗室用の吸収体として使用可能な吸収性能値である20
dB以上の吸収量を100MHz〜10GHzという広帯域にお
いて満足している。
【0048】図4に比較として特開平7−302991
号公報や特開平8−130388号公報において開示し
たフェライトタイル/多孔質フェライト(焼結型多孔質
フェライト)の吸収特性を示す。図中にある「発泡フェ
ライト+フェライト+タイル」の吸収特性測定結果は本
発明における複合吸収体の上部吸収体中のフェライト粉
が30vol%以上の物とほとんど同レベルである。ま
た、図5にも比較として特願平10−183640号で
開示したフェライトタイル/多孔質フェライト(フェノ
ール樹脂発泡型多孔質吸収体)の吸収特性を示す。図5
における吸収特性も本発明の複合吸収体(但し、上部吸
収体のフェライト粉体積比が30vol%以上)とほとん
ど同レベルである。以上のように本発明による複合吸収
体の吸収性能は過去に出願したフェライトタイル/多孔
質フェライトとほとんど吸収性能に匹敵した性質であ
り、フェライトタイル/多孔質フェライトで得られた優
れた吸収特性を劣化させることなく多孔質化しない低コ
スト吸収体の実現という課題は達成されたと言える。
【0049】(電波吸収体パネルおよびその施工方法)
ポリプロピレン樹脂を使い、図6に示す形状の吸収体4
のパネルを押し出し成形により成形した。成形した吸収
体パネルを、フェライトタイル2により構成された幅4
m×長さ7m×高さ3.4mの小型電波暗室において、
天井、壁、床の各面の中心部3mの範囲にわたり、ビス
8と接着剤により施工した。
【0050】図10に電波暗室の概要を示す。同電波暗
室において、電磁界放射均一性の測定試験を実施した。
ここで、電磁界放射均一性試験は、図11にその概要を
示すが、アンテナより発信した水平、垂直偏波に対し、
ターンテーブル上の高さ80cm位置で、縦横1.5mの
仮想垂直平面の各ポイント16点(縦横50cm間隔)に
おいて、電界プローブにより電界強度を測定するもので
あり、対応周波数の両偏波について、全測定点の75%
以上が0〜+6dB以内に収まっていなければならない。
26MHz〜6GHzにおいて電磁界放射均一性を測定したと
ころ、両偏波の全周波数において75%以上が0〜+6
dB以内に収まっており、十分な高周波特性が得られたこ
とを確認した。また、この暗室は、既設のフェライト暗
室に対しての対策であり、対策スペースを犠牲にするこ
となく、従来部屋サイズでの高周波への対応を可能とし
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の複合電波吸収体の正面図であ
る。
【図2】フェライト粉の増加に対する周波数と電波吸収
特性の関係を示す図である。
【図3】フェライト粉の増加に対する周波数と電波吸収
特性の関係を示す図である。
【図4】従来の電波吸収体の周波数と電波吸収特性を示
す図である。
【図5】従来の電波吸収体の周波数と電波吸収特性を示
す図である。
【図6】電波吸収体パネルの斜視図である。
【図7】電波吸収体パネルの施工を示す斜視図である。
【図8】電波吸収体パネルの施工を示す平面図である。
【図9】ビス留め取付形状の拡大図である。
【図10】電波暗室の概要を示す正面図である。
【図11】電磁界放射均一性の測定概要を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 電波吸収体 2 フェライトタイル 3 上部吸収体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−173392(JP,A) 特開 平10−224079(JP,A) 特開 平11−54981(JP,A) 特開 平10−308596(JP,A) 特開 平10−51180(JP,A) 特開 平10−251527(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 9/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライトタイルと平板形状または楔形
    状またはピラミッド形状を持つ上部吸収体を接合したも
    のであり、上部吸収体が周波数1MHz以上において比誘
    電率4.9以下である汎用樹脂中にフェライト粉を分散
    させたことを特徴とするところの複合電波吸収体。
  2. 【請求項2】 フェライトタイルがFe23,NiO,
    ZnO,CuOを、上部吸収体中のフェライト粉がFe
    23,NiO,ZnOを主成分とし、かつ、汎用樹脂が
    無極性樹脂または無極性樹脂に近いポリエチレン、ポリ
    プロピレン、弗素樹脂、四弗化エチレン、アリル樹脂、
    エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチ
    ロール樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセ
    タール樹脂、ポリカーボネート樹脂、アセチルセルロー
    ス樹脂の1種類または複数種類からなる請求項1に記載
    の複合電波吸収体。
  3. 【請求項3】 上部吸収体中において、フェライト粉体
    積率が10vol%〜65vol%、残部が汎用樹脂からなり
    1GHz以下の周波数範囲において比透磁率μ r と比誘電
    率εr との比μr /εr が 0.25≦μr /εr ≦2.5 を満足する請求項1又は2に記載の複合電波吸収体。
  4. 【請求項4】 μr /εr =1を満足する請求項3に記
    載の複合電波吸収体。
  5. 【請求項5】 上部吸収体において、フェライト粉体積
    率が30〜65vol%、残部がポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、弗素樹脂、四弗化エチレンの1種類または複数
    種類からなり、1GHz以下の周波数範囲において比透磁
    率μr と比誘電率εr との比μr /εr が 0.25≦μr /εr ≦2.5 を満足し、かつ100MHz〜10GHzの周波数範囲におい
    て吸収性能が20dB以上であるところの請求項1又は2
    に記載の複合電波吸収体。
  6. 【請求項6】 μr /εr =1を満足する請求項5に記
    載の複合電波吸収体。
  7. 【請求項7】樹脂とフェライトを主成分とし、500MH
    z以下の低周波において材料的に空間インピーダンスと
    整合させたピラミッド形状をもつ電波吸収体において、
    ピラミッド4個の底面部を連結した一体パネル形状で、
    パネル中央部と側端部4カ所にビス留めのための部分を
    成形してあることを特徴とする電波吸収体パネル。
  8. 【請求項8】請求項5の電波吸収パネルに関し、パネル
    底面部に接着剤を塗布し、パネル中央に設けたビス穴と
    フェライトタイル中央にある貫通穴を介してシールドパ
    ネル上にビス留めし、電波吸収体パネルを突き合わせる
    ことにより設けられるビス穴とフェライトタイル中央に
    ある貫通穴を介してシールドパネル上に1本のビスを兼
    用して端部を固定することを特徴とした電波吸収体の取
    付方法。
  9. 【請求項9】EMC評価用の小型電波暗室において、部
    屋の最外部が金属板またはそれを構成するためのシール
    ドパネルによるシールドルームからなり、そのシールド
    ルーム内における金属板あるいはシールドパネル上の各
    全面に取り付けられたフェライトタイルと、さらにその
    上の全面、あるいは各面中央の一部に請求項5で記載さ
    れる電波吸収体が取り付けられたことを特徴とする電波
    暗室。
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