JP4420145B2 - 電波暗室 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不燃性電波吸収体や、電波吸収体の前面に不燃性電波透過体を用いた電波暗室に係り、とくに不燃性電波吸収体、不燃性電波透過体を効果的に配置した電波暗室に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子機器の普及並びに移動体通信を中心とする電波利用の拡大に伴い、電子機器から放射されるノイズや通信電波が、他の電子機器に悪影響を及ぼす問題が生じている。このため、電子機器からの放射ノイズレベルや電子機器の耐ノイズ性(イミュニティ)について、世界的に規制する動きがある。
【0003】
電子機器からの放射ノイズレベルの評価や電子機器の耐ノイズ性の評価は、通常、電波の反射がない電波暗室で行われる。放射ノイズ評価用の電波暗室には、オープンサイトと同等の測定環境が要求されるため、電波暗室の内壁面(天井面及び側壁面)に電波吸収体が設置され、床面は通常、金属面とされる。一方、電子機器の耐ノイズ性(イミュニティ)の評価は、均一な電磁界を照射する必要があるため、床面にフェライトタイル等の電波吸収体を設置して床面からも電波反射のない測定環境で行われる。
【0004】
上記のようなオープンサイトと同等の測定環境(サイトの減衰特性がオープンサイト基準値の±4dB以内)を満足するため、電波暗室の内壁面に設置される電波吸収体には、周波数30MHz〜18GHzで約20dB以上の電波吸収性能が要求される。
【0005】
このような電波吸収体として、従来、発泡スチロールや発泡ウレタンにカーボンを含有させた長さ1m程度のピラミッド形やウェッジ形の誘電性損失材料とフェライトタイル(磁性損失材料)を組み合わせた複合型電波吸収体が多く使用されている。
【0006】
しかし、これら発泡スチロールや発泡ウレタン等の有機系の基材は耐火性に劣るため、例えば供試器からの火や、絶縁不良の電源コード類の接触、高周波大電流の流れるイミュニティ試験用アンテナの接触等の火災要因に対し、十分安全とはいえない。
【0007】
このため、基材を不燃材とした不燃性電波吸収体を使用した電波暗室が商品化されている。
【0008】
不燃性電波吸収体としては、例えば、多数の独立気泡性の無機粒子を、カーボンブラック微粉末を特定量分散含有した耐熱性結合材によって集積結合した成形体からなる耐熱不燃性電波吸収体(特許第2743227号)、特定のアスペクト比を有するセラミック短繊維やガラス短繊維からなる成形体に導電性材料を浸透含浸で付着固定させた電波吸収材(特開平9−307268号公報)、セメント、軽量骨材、非導電性繊維、合成樹脂エマルジョンとで構成した組成物からなる電波吸収体(特開平8−67544号公報)等がある。さらに本発明者等によって、含水無機化合物を含む多数のセルの集合体であるハニカム構造体に導電性を付与した不燃性ハニカム電波吸収材(特願平10−242989号)が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許第2743227号の耐熱不燃性電波吸収体、特開平9−307268号公報に記載の電波吸収材、特開平8−67544号公報に記載の電波吸収体はいずれも発泡スチロールや発泡ウレタンを用いたものに比べ、重量が重く、コストも高い。
【0010】
特願平10−242989号の不燃性ハニカム電波吸収材は軽量であるが、コスト面では発泡スチロールや発泡ウレタンに比べ、やや高い。
【0011】
従って、これら不燃性電波吸収体を電波暗室の天井面及び側壁面全部に設置した場合、かなりのコストアップとなる。また、重量の重い不燃性電波吸収体を天井面に設置した場合、万一落下したときの危険性が大きくなるという問題がある。
【0012】
この問題を解決するため、本発明は、不燃性電波吸収体を天井面及び側壁面全部に設置せず、一部領域に限定して設置することにより低コストで効果的に安全性を高める構成について検討するとともに、電波吸収体の前面に電波透過体を配置したときの安全性向上についても検討した。
【0013】
不燃性電波吸収体を一部領域に限定して設置した例として、大電力照射テスト用の電波暗室において、電波のメインビームが照射される一壁面にのみ大電力用電波吸収体(不燃性電波吸収体)を設置した例がある(1989年電子情報通信学会春季全国大会 B−98 「大電力用電波吸収体の開発」)。これは大電力照射テストを実施するために必要最小限の領域に不燃性電波吸収体を設置したものである。つまり、大電力が照射された場合、発泡スチロールや発泡ウレタンは、温度上昇に耐えることが出来ない。しかし、大電力が照射される領域は、周波数が1GHz以上と高周波であることからビームの指向性が高いため、一壁面内に限られる。以上から大電力が照射される一壁面内に限定して不燃性電波吸収体を設置したものである。
【0014】
一方、ノイズ評価用電波暗室の火災に対する安全性を考えた場合、上記の大電力照射テスト用電波暗室のように一壁面のみ不燃性電波吸収体とする構成では満足されない。即ち、ノイズ評価用電波暗室における火災原因は、供試器等から出る火、絶縁不良の電源コード類の接触、高周波大電流が流れるイミュニティ試験用のアンテナの接触等である。従って、火災要因は特定の一壁面に限定されるものではなく、一壁面のみ不燃性電波吸収体とする構成では火災に対する安全性の確保は出来ない。さらに、電波吸収体の前面に電波透過体を配置する場合には、電波透過体の不燃化対策にも配慮が必要となる。
【0015】
本発明の第1の目的は、不燃性電波吸収体のコストや重量が大きいことを考慮し、低コストで吸収体落下時の危険が小さく、上記のような火災要因に対し高い安全性を有する、不燃性電波吸収体を効果的に設置した電波暗室を提供することにある。
【0016】
本発明の第2の目的は、電波透過体を電波吸収体の前面に配置する場合において、不燃性電波透過体を効果的に設置して、上記のような火災要因に対し安全性を向上させた電波暗室を提供することにある。
【0017】
本発明のその他の目的や新規な特徴は後述の実施の形態において明らかにする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、
天井面及び側壁面に電波吸収体を設置してなるノイズ評価用電波暗室において、
前記側壁面のうち天井面よりも低い所定の高さ以下に存在する領域を含む一部領域に限定して不燃性電波吸収体が設置される一方、前記天井面には不燃性電波吸収体が設置されず、
前記側壁面のうち前記所定の高さ以下に存在する領域を除く領域、及び前記天井面に非不燃性電波吸収体が設置されていることを特徴としている。
【0019】
本願請求項2の発明は、前記請求項1において、イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面に、床面から他の側壁面よりも高い位置にまで前記不燃性電波吸収体を設置したことを特徴としている。
【0020】
本願請求項3の発明は、
天井面及び側壁面に電波吸収体を設置してなるノイズ評価用電波暗室において、
イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面の全面及び当該側壁面以外の側壁面のうち天井面よりも低い所定の高さ以下に存在する領域を含む一部領域に限定して不燃性電波吸収体が設置される一方、前記天井面には不燃性電波吸収体が設置されず、
イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面以外の側壁面のうち前記所定の高さ以下に存在する領域を除く領域、及び前記天井面に非不燃性電波吸収体が設置されていることを特徴としている。
【0021】
本願請求項4の発明は、前記請求項1乃至3のいずれかにおいて、少なくとも一部の電波吸収体の室内側に不燃性電波透過体を設けたことを特徴としている。
【0022】
本願請求項5の発明は、前記請求項4において、前記不燃性電波透過体を少なくとも一部の前記非不燃性電波吸収体の室内側に設けたことを特徴としている。
【0023】
本願請求項6の発明は、前記請求項1乃至のいずれかにおいて、前記所定の高さが1.8mであることを特徴としている。
【0025】
本願請求項7の発明は、前記請求項又はにおいて、前記不燃性電波透過体が、含水無機化合物を主成分とするハニカム構造体と、該ハニカム構造体の両面に無機接着剤を使用して一体的に接合された含水無機化合物を主成分とする不燃性ボードとからなることを特徴としている。
【0026】
本願請求項の発明は、前記請求項1乃至のいずれかにおいて、前記不燃性電波吸収体が、含水無機化合物を主成分とするハニカム構造体を基材とすることを特徴としている。
【0027】
本願請求項の発明は、前記請求項1乃至のいずれかに記載の発明において、床面に電波吸収体を設置したことを特徴としている。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る電波暗室の実施の形態を図面に従って説明する。
【0029】
図1乃至図3で本発明の第1の実施の形態を説明する。図1に示すように、天井面2及び4つの側壁面3に電波吸収体を設置してなる電波暗室1において、該側壁面の下側部分(床面4から所定高さに至るまで)に不燃性電波吸収体10を設置し、該側壁面3の残りの上側部分及び天井面2には非不燃性電波吸収体11を設置している。
【0030】
なお、本発明でいう「不燃性」とは、基材を、750℃の炉内に20分間おいた場合に炉内温度の上昇が50℃以下であれば不燃材料と判定する建築材料試験法(建設省告示第1828号)に合格するものを意味する。「非不燃性」とは、基材が上記試験法に不合格のものを意味する。
【0031】
不燃性電波吸収体としては、特許第2743227号の耐熱不燃性電波吸収体、特開平9−307268号公報に記載の電波吸収材、特開平8−67544号公報に記載の電波吸収体、特願平10−242989号の不燃性ハニカム電波吸収材、等を用いた構造体が例示されるが、軽量で比較的低コストという点で不燃性ハニカム電波吸収材を用いた構造体が優れている。
【0032】
不燃性ハニカム電波吸収材は、図2のように、主成分として含水無機化合物を含む多数のセルの集合体からなるハニカム構造体20に導電性を付与した(表面又は内部に導電性物質を設けた)ものである。ここで、含水無機化合物とは、具体的には、セピオライト、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムの各水和物、二水和石膏、アルミン酸カルシウム水和物、ワラストナイト等が例示されるが、なかでもセピオライトが特に好ましく用いられる。
【0033】
図2のハニカム構造体20の製造は、例えば、含水無機化合物を主成分として含むスラリーを抄造して湿シートとし、これを乾燥固化してシート21とした後、該シート21をハニカム状に積層し、無機接着剤22で相互に一体化することにより可能である。
【0034】
前記ハニカム構造体20に導電性を付与する方法としては、ハニカム構造体の表面に、カーボン等の導電性材料からなる導電層を設ける方法、あるいは上記スラリーに導電性材料を含ませる方法がある。
【0035】
図2の不燃性ハニカム電波吸収材を不燃性電波吸収体として用いる場合、いくつかの電波吸収体構造が挙げられるが、例えば図3に示すように、板状の不燃性ハニカム電波吸収材31を中空のくさび形状となるように組み立てた構造を持つ不燃性ハニカム電波吸収体等が挙げられる。図3中、40は電波暗室内壁面を構成するシールドパネルで、その側壁面の下側部分を示し、シールドパネル40の室内側に電波吸収用のフェライトタイル41が貼られ、さらにその室内側に前記不燃性ハニカム電波吸収体10が固定配置される。なお、不燃性ハニカム電波吸収体10を構成する板状の不燃性ハニカム電波吸収材31は図2のハニカム構造体20が表面に露出した穴あき構造で差し支えない(表面をシートで覆う必要性無し)。
【0036】
図1の電波暗室1における側壁面3の残りの上側部分及び天井面2に配置する非不燃性電波吸収体11としては、発泡スチロールや発泡ウレタン等の有機系の基材にカーボン等の導電性材料を含有させて、ピラミッド型やウェッジ形にした電波吸収体が例示される。
【0037】
この第1の実施の形態によれば、次の通りの効果を得ることができる。
【0038】
(1) 天井面2及び4つの側壁面3に電波吸収体を設置してなる電波暗室1において、該側壁面3の下側部分に不燃性ハニカム電波吸収体10を設置し、他の部分に非不燃性電波吸収体11を設置することを特徴としており、効果的に火災要因に対する安全性の向上を図ることができる。
【0039】
すなわち、電波暗室の火災要因としては、供試器からの火や、絶縁不良の電源コード類の接触、イミュニティ試験用アンテナの接触等があるが、いずれも電波暗室内において高さの低い領域で起こるものである。その他、人的な火災要因を含め、人間の身長程度(1.8m)以下の高さ(=人間の行動範囲)に火災要因のほとんどがある。このように火災要因が高さの低い領域に集中していることに加えて、火災は下方から上方へと延焼するのが一般的である。
【0040】
以上から高さの低い領域における防火性能が、安全性向上のために重要であり、本発明の実施の形態に例示したように、電波暗室1の側壁面3の下側部分(=高さの低い領域)に不燃性ハニカム電波吸収体10を設置することにより、効果的に安全性を高めることが可能となる。
【0041】
(2) 不燃性ハニカム電波吸収体10を、電波暗室1の天井面2及び側壁面3全体に設置するのではなく、側壁面3の下側部分のみに限定して設置するため、コストの大きい不燃性電波吸収体10の使用数量を少なく出来、電波暗室コストを低く抑えることが出来る。
【0042】
(3) 天井面2に重量の重い不燃性電波吸収体を使用しないため、万一落下した場合の危険性が小さくなり、施工性も向上する。
【0043】
図4は本発明の第2の実施の形態であって、図1の天井面2及び側壁面3の非不燃性電波吸収体11の前面に不燃性電波透過体12を設置したものである。図4中、40は電波暗室内壁面を構成するシールドパネルで、シールドパネル40の室内側にフェライトタイル41が貼られ、さらにその室内側に前記非不燃性電波吸収体11が配置され、この前面(室内側)に不燃性電波透過体12が固着されている。その他の構成は前述の第1の実施の形態と同様である。
【0044】
前記不燃性電波透過体12としては、軽量、低コスト、電波反射が少なく、(電波暗室内の明るさを考慮して)表面が白色等の明るい色である不燃性材料が求められる。例えば、図5に示すように、前述の含水無機化合物を主成分とするハニカム構造体50と、該ハニカム構造体50の両面に無機接着剤を使用して一体的に接合された含水無機化合物を主成分とする不燃性ボード51との組み合わせ構造が挙げられる。不燃性ボード51は、含水無機化合物を主成分としたスラリーから抄造したシート、あるいは、該シートを複数枚、無機接着剤で貼り合わせることにより得られる。
【0045】
この第2の実施の形態によれば、非不燃性電波吸収体11の前面に、不燃性電波透過体12を設置することにより、コストアップを抑えて火災に対する安全性をいっそう高めることが出来る。
【0046】
なお、図5の構造の応用として、図1の側壁面の下側部分(床面から所定高さに至るまで)に設置する不燃性電波吸収体10の代わりに、非不燃性電波吸収体11及びこの前面に設置した不燃性電波透過体12からなる構造体を用いることもできる。
【0047】
なお、本発明の各実施の形態では、シールドパネル上に電波吸収用フェライトタイルを設け、このフェライトタイル上に不燃性電波吸収体及び非不燃性電波吸収体を配設したが、図6のようにフェライトタイルを省略してシールドパネル40上に電波吸収体10又は11を直接的に配設する構造としてもよい。但し、ノイズ評価用電波暗室の場合、フェライトタイルを設けた各実施の形態の方が好ましい。
【0048】
また、放射ノイズ評価を実施する場合は、一般的に床面金属とされるが、耐ノイズ性(イミュニティ)評価を実施する場合は、床面にフェライトタイル等の電波吸収体が設置される。
【0049】
シールドパネル、フェライトタイルは公知のものを使用することが出来る。
【0050】
【実施例】
以下、本発明に係る電波暗室の実施例について詳述する。
【0051】
(実施例1)
図7のように、内壁面がシールドパネルで構成された寸法19×13×8.6mの建物の、天井面2及び4つの側壁面3の全面に電波吸収用フェライトタイルを設置した。
【0052】
次に、側壁面3の高さ2.4mより下側部分に図3に示すような中空くさび形状の不燃性ハニカム電波吸収体10を設置した。不燃性ハニカム電波吸収体の底面寸法は0.6×0.6mであり、高さ方向に4段並んだ配置とした。
【0053】
各々の側壁面3の高さ2.4mより上側部分、及び天井面全面には発泡スチロールを基材とした中空くさび形状の非不燃性電波吸収体11を設置した。
【0054】
この電波暗室におけるサイトアッテネーション特性(サイトの減衰特性)は、オープンサイト基準値に対し±4dB以内を満足した。
【0055】
(実施例2)
図8のように、内壁面がシールドパネルで構成された寸法19×13×8.6mの建物の、天井面2及び側壁面3の全面に電波吸収用フェライトタイルを設置した。
【0056】
次に、側壁面の高さ1.8mより下側部分に図3に示すような中空くさび形状の不燃性ハニカム電波吸収体10を設置した。不燃性ハニカム電波吸収体の底面寸法は0.6×0.6mであり、高さ方向に3段並んだ配置とした。
【0057】
側壁面3の高さ1.8mより上側部分、及び天井面全面には発泡スチロールを基材とした中空くさび形状の非不燃性電波吸収体11を設置し、その前面に図4、図5に示すような不燃性電波透過体12を設置した。
【0058】
この電波暗室におけるサイトアッテネーション特性は、オープンサイト基準値に対し±4dB以内を満足した。
【0059】
(実施例3)
図9のように、内壁面がシールドパネルで構成された寸法19×13×8.6mの建物の、天井面2及び側壁面3の全面に電波吸収用フェライトタイルを設置した。
【0060】
次に、イミュニティ試験時に電波照射方向となる1つの側壁面3−1の高さ5.4mより下側部分に図3に示すような中空くさび形状の不燃性ハニカム電波吸収体10を設置した。不燃性ハニカム電波吸収体10の底面寸法は0.6×0.6mであり、高さ方向に9段並んだ配置とした。その他の側壁面3については、高さ1.8mより下側部分に不燃性ハニカム電波吸収体10を設置し、高さ方向に3段並んだ配置とした。
【0061】
各側壁面3において上記不燃性電波吸収体10を設置していない部分、及び天井面全面には発泡スチロールを基材とした中空くさび形状の非不燃性電波吸収体11を設置し、その前面に図4、図5に示すような不燃性電波透過体12を設置した。
【0062】
この電波暗室におけるサイトアッテネーション特性は、オープンサイト基準値に対し±4dB以内を満足した。また、イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面3−1に、他の側壁面に比べて高い高さ領域まで前記不燃性ハニカム電波吸収体を設置したので、より高い安全性を確保できる。
【0063】
(実施例4)
図10のように、内壁面がシールドパネルで構成された寸法19×13×8.6mの建物の、天井面2及び側壁面3の全面に電波吸収用フェライトタイルを設置した。
【0064】
次に、イミュニティ試験時に電波照射方向となる1つの側壁面3−1の高さ5.4mより下側部分に図3に示すような中空くさび形状の不燃性ハニカム電波吸収体10を設置した。但し、高さ1.8〜5.4mまでの領域の両端は除いてある。不燃性ハニカム電波吸収体10の底面寸法は0.6×0.6mであり、高さ方向に最大9段並んだ配置とした。その他の側壁面については、高さ1.8mより下側部分に不燃性ハニカム電波吸収体10を設置し、高さ方向に3段並んだ配置とした。
【0065】
各側壁面3において上記不燃性電波吸収体10を設置していない部分、及び天井面全面には発泡スチロールを基材とした中空くさび形状の非不燃性電波吸収体11を設置し、その前面に図4、図5に示すような不燃性電波透過体12を設置した。
【0066】
この電波暗室におけるサイトアッテネーション特性は、オープンサイト基準値に対し±4dB以内を満足した。この場合も、イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面3−1に、他の側壁面に比べて高い高さ領域まで前記不燃性ハニカム電波吸収体を設置したので、より高い安全性を確保できる。
【0067】
(実施例5)
図11のように、内壁面がシールドパネルで構成された寸法19×13×8.6mの建物の、天井面2及び側壁面3の全面に電波吸収用フェライトタイルを設置した。
【0068】
次に、イミュニティ試験時に電波照射方向となる1つの側壁面3−1の全面に図3に示すような中空くさび形状の不燃性ハニカム電波吸収体10を設置した。その他の側壁面については、高さ1.8mより下側部分に不燃性ハニカム電波吸収体10を設置した。不燃性ハニカム電波吸収体10の底面寸法は0.6×0.6mであり、高さ方向に3段並んだ配置とした。
【0069】
各側壁面3において上記不燃性電波吸収体10を設置していない部分、及び天井両全面には発泡スチロールを基材とした中空くさび形状の非不燃性電波吸収体11を設置し、その前面に図4、図5に示すような不燃性電波透過体12を設置した。
【0070】
この電波暗室におけるサイトアッテネーション特性は、オープンサイト基準値に対し±4dB以内を満足した。この場合にも、イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面3−1に、他の側壁面に比べて高い高さ領域まで前記不燃性ハニカム電波吸収体10を設置したので、より高い安全性を確保できる。
【0071】
さらに、上記実施例1〜5の床面の全面または一部に電波吸収体としてのフェライトタイルを設置した場合、均一な電磁界が得られ、耐ノイズ性(イミュニティ)評価に適する測定環境であることが分かった。
【0072】
なお、不燃性電波吸収体の前面にも不燃性電波透過体を設けるようにしてもよい。
【0073】
以上本発明の実施の形態及び実施例について説明してきたが、本発明はこれに限定されることなく請求項の記載の範囲内において各種の変形、変更が可能なことは当業者には自明であろう。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電波暗室によれば、少なくとも側壁の必要部分を不燃構造とすることで、効果的に安全性を高めることが可能となる。
【0075】
電波暗室の火災要因としては、供試器からの火や、絶縁不良の電源コード類の接触、イミュニティ試験用アンテナの接触等があるが、いずれも電波暗室内において高さの低い領域で起こるものである。その他、人的な火災要因を含め、人間の身長程度(1.8m)以下の高さ(=人間の行動範囲)に火災要因のほとんどがある。このように火災要因が高さの低い領域に集中していることに加えて、火災は下方から上方へと延焼するのが一般的である。
【0076】
以上から高さの低い領域における防火性能が、安全性向上のために重要であり、とくに、電波暗室の側壁面の下側部分(=高さの低い領域)に不燃性電波吸収体を設けること等で不燃構造とすることにより、効果的に安全性を高めることが可能となる。
【0077】
また、不燃性電波吸収体を、電波暗室の天井面及び側壁面全体に設置するのではなく、側壁面の下側部分のみに限定して設置すればよく、コストの大きい不燃性電波吸収体の使用数量を少なく出来、電波暗室コストを低く抑えることが出来る。
【0078】
さらに、天井面に重量の重い不燃性電波吸収体を使用しないため、万一落下した場合の危険性が小さくなり、施工性も向上する。
【0079】
また、イミュニティ試験を行う電波暗室の場合、イミュニティ試験における照射電力は発泡スチロールや発泡ウレタンでも十分耐えうる程度の大きさではあるが、比較的大きな電力であるため、イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面に、他の側壁面に比べて高い高さ領域まで前記不燃性電波吸収体を設置する構成とすることがいっそう望ましく、この場合、より高い安全性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電波暗室の第1の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図2】第1の実施の形態における不燃性電波吸収体に用いる不燃性ハニカム電波吸収材の斜視図である。
【図3】第1の実施の形態における不燃性電波吸収体及びその取付構造を示す斜視図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態の要部構成を示す斜視図である。
【図5】第2の実施の形態における不燃性電波透過体の構造を示す斜視図である。
【図6】各実施の形態における不燃性電波吸収体の取付構造の他の例を示す斜視図である。
【図7】本発明の実施例1を示す概略斜視図である。
【図8】本発明の実施例2を示す概略斜視図である。
【図9】本発明の実施例3を示す概略斜視図である。
【図10】本発明の実施例4を示す概略斜視図である。
【図11】本発明の実施例5を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 電波暗室
2 天井面
3 側壁面
10 不燃性電波吸収体
11 非不燃性電波吸収体
12 不燃性電波透過体
20 ハニカム構造体
21 シート
22 無機接着剤
31 不燃性電波吸収材
40 シールドパネル
41 フェライトタイル
50 ハニカム構造体
51 不燃性ボード

Claims (9)

  1. 天井面及び側壁面に電波吸収体を設置してなるノイズ評価用電波暗室において、
    前記側壁面のうち天井面よりも低い所定の高さ以下に存在する領域を含む一部領域に限定して不燃性電波吸収体が設置される一方、前記天井面には不燃性電波吸収体が設置されず、
    前記側壁面のうち前記所定の高さ以下に存在する領域を除く領域、及び前記天井面に非不燃性電波吸収体が設置されている、ノイズ評価用電波暗室。
  2. イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面に、床面から他の側壁面よりも高い位置にまで前記不燃性電波吸収体を設置したことを特徴とする請求項1に記載のノイズ評価用電波暗室。
  3. 天井面及び側壁面に電波吸収体を設置してなるノイズ評価用電波暗室において、
    イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面の全面及び当該側壁面以外の側壁面のうち天井面よりも低い所定の高さ以下に存在する領域を含む一部領域に限定して不燃性電波吸収体設置される一方、前記天井面には不燃性電波吸収体が設置されず、
    イミュニティ試験時に電波照射方向となる側壁面以外の側壁面のうち前記所定の高さ以下に存在する領域を除く領域、及び前記天井面に非不燃性電波吸収体が設置されている、ノイズ評価用電波暗室。
  4. 少なくとも一部の電波吸収体の室内側に不燃性電波透過体を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のノイズ評価用電波暗室。
  5. 前記不燃性電波透過体を少なくとも一部の前記非不燃性電波吸収体の室内側に設けたことを特徴とする請求項記載のノイズ評価用電波暗室。
  6. 前記所定の高さが1.8mである請求項1乃至のいずれかに記載のノイズ評価用電波暗室。
  7. 前記不燃性電波透過体は、含水無機化合物を主成分とするハニカム構造体と、該ハニカム構造体の両面に無機接着剤を使用して一体的に接合された含水無機化合物を主成分とする不燃性ボードとからなることを特徴とする請求項又は記載のノイズ評価用電波暗室。
  8. 前記不燃性電波吸収体は、含水無機化合物を主成分とするハニカム構造体を基材とすることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のノイズ評価用電波暗室。
  9. 床面に電波吸収体を設置したことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のノイズ評価用電波暗室。
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