JP3040527U

JP3040527U - 防音犬小屋

Info

Publication number: JP3040527U
Application number: JP1997000660U
Authority: JP
Inventors: 武義宮原
Original assignee: 武義宮原
Priority date: 1997-02-14
Filing date: 1997-02-14
Publication date: 1997-08-26
Anticipated expiration: 2003-02-14

Abstract

(57)【要約】【目的】とくにマンションなどの集合住宅で犬を飼う
場合に夜間に犬が鳴くこと等による騒音を防止し、また
犬を連れ出すことができずに外出する場合でも安心であ
り、近隣の住人に迷惑を掛けずに犬を飼うことができ
る。【構成】防音材で構成したボックス１の前面に透明ガ
ラス２を嵌込んだ密閉扉３を取付け、ボックス１には給
気パイプ９の給気孔および排気ファン11を相互に離間さ
せて設けるとともに排気ファン11の外側を消臭・消音ボ
ックス12で囲繞する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、防音性能を備えた犬小屋に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、犬小屋は犬を外で飼うことを想定して作られているため、犬が自由に出入りできるように出入口として大きな開口を形成していた。このため、ペットである犬の鳴き声が近所等への騒音となることを配慮して、犬小屋に防音性を付加しようとしても、前記のように犬小屋は大きな開口を有するため困難である。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、近年では室内でペットとしての犬を飼う場合が多くなり、とくにマンションなどの集合住宅では、壁板一枚を隔てて隣接する住居となるため、夜間などに犬が走り回ったり、吠えたり、鳴いたりすると、近隣の住人にとっては不快であり迷惑をかけてしまうおそれがあった。

【０００４】とくに、飼い犬の習性として、犬を室内に置き去りにして飼い主が外出すると、この犬はひたすら鳴き続ける場合があり、かかる場合に近隣の住人は長時間にわたって騒音公害を受けることになり、このことは近年深刻な問題となっている。

【０００５】本考案の目的は前記従来例の不都合を解消し、とくにマンションなどの集合住宅で犬を飼う場合に夜間に犬が鳴くこと等による騒音を防止し、また犬を連れ出すことができずに外出する場合でも安心であり、近隣の住人に迷惑を掛けずに犬を飼うことができる防音犬小屋を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は前記目的を達成するため、第１に、防音材で構成したボックスの前面に透明ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプによる給気孔および排気ファンを相互に離間させて設けるとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲繞すること、第２に、前記第１の構成に加えて、前記ボックスの底板の内側はビニル床シートを敷設すること、第３に、前記第１の構成に加えて、前記ボックス内に折り畳み自在の棚板を設け、さらに棚板上へ通じる階段を配設すること、第４に、第１乃至第３の構成に加えて、前記ボックスの底板にキャスターを設けたこと、第５に、前記第１の構成に加えて、消臭・消音ボックスは前記ボックスを形成する天板の上面の背後側にボックス幅方向に伸びる長方形体段部の一部であり、残りを小物入れとして天板を開閉扉とすること、第６に、この第５の構成に加えて、前記ボックスを形成する天板の上面の周囲にステンレス製のガイドを設けたことを要旨とするものである。

【０００７】請求項１記載の本考案によれば、全体が家具調であり、部屋の内部に置いても体裁がよく、違和感のないものとなる。そして、前面に設けた密閉扉を開け、ボックス内部に犬を入れる。密閉扉が閉まっている状態では、防音材で構成したボックスは消音ボックス体として作用し、その中に入れた犬が大きな声で鳴いてもその音が外へ漏れることは少ない。

【０００８】また、排気ファンを運転することで強制換気を維持して中の犬に対して快適環境を与えることができ、この排気ファンによる強制換気なので給気孔はパイプにより比較的小さく形成でき、ここからの音の漏れは少なく、排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲繞することで、排気口が逃げ道となって音が外へ漏れてしまうおそれを防止できるとともに、臭気が出るのも防ぐことができる。

【０００９】さらに、密閉扉を閉めていてもこの密閉扉に嵌込んだ透明ガラスを介して中の犬を看取できる。

【００１０】請求項２記載の本考案によれば、前記請求項１記載の作用に加えて、床にはビニル床シートを敷設することで、汚れ難く、清掃が容易なものとなる。

【００１１】請求項３記載の本考案によれば、前記請求項１記載の作用に加えて、例えば、子犬が生まれた場合など必要に応じて、棚板により内部を２段に使用でき、かつ、この棚板は不要時には折り畳むことで、内部の広さを確保できる。

【００１２】請求項４記載の本考案によれば、前記請求項１乃至３記載の作用に加えて、キャスターを設けることで移動を容易に行うことができる。

【００１３】請求項５記載の本考案によれば、前記請求項１記載の作用に加えて、小物入れを付設できるとともにこれは消臭・消音ボックスと一体化してボックスを形成する天板の上面の背後側にボックス幅方向に伸びる長方形体段部として邪魔にならないように設けることができる。

【００１４】請求項６記載の本考案によれば、前記請求項５記載の作用に加えて、前記長方形体段部の前側である天板の上面を物品の載置場として利用でき、周囲のステンレス製のガイドで落下を防止できる。

【００１５】

【考案の実施の形態】

以下、図面について本考案の実施の形態を詳細に説明する。図１は本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す斜視図、図２は同上正面図、図３は同上側面図である。

【００１６】ウレタン等の防音材で構成したパネルにより、前面板１ａ、背面板１ｂ、左右側面板１ｃ，１ｄ、底板１ｅ、天板１ｆからなる直方体または立方体のボックス１を形成し、前面板１ａには透明ガラス２を嵌込んだ密閉扉３を取付けた。この密閉扉３はクレモンハンドル４を有する。

【００１７】これら前面板１ａ、背面板１ｂ、左右側面板１ｃ，１ｄ、底板１ｅ、天板１ｆはジョイントコネクターボルト５で結合することで組み立て式とするが、これに代えて、図示は省略するが、連結しようとする部材の一方に、先端を軸着して起伏自在な把手の他端にバネにより伸縮自在な掛け金具を回動自在に取付けた締結金具を設け、他方に、前記掛け金具を引っ掛ける鉤形状の受け金具を設け、これら締結金具と受け金具の結合により各板１ａ〜１ｆを組み立てるものとしてもよい。また、これら締結金具と受け金具が邪魔となる場合には、その取付け位置に凹所を形成し、該凹所内に締結金具と受け金具を収めることも考えられる。なお、各板１ａ〜１ｆ相互の結合部にはウレタンゴム等の吸音シートを介在させる。

【００１８】ボックス１の底板１ｅは下側にストッパー付のキャスター６を四隅近くに設け、図４〜図６に示すように、内側には周囲に床受（胴縁）７を取付け、この上を端で覆うようにビニル床シート８を底板１ｅ上に敷設した。なお、左右側面板１ｃ，１ｄの所定位置に引手を設けて可動性を向上する。

【００１９】ボックス１の側面板１ｃには曲折した塩化ビニル製またはアクリル製のパイプによる吸気パイプ９を給気孔として設け、その外側端には給気孔カバー10を取付けられるようにする。吸気パイプ９は側面板１ｃを貫通してボックス１内に到達したところで曲折してボックス１の隅に伸び、さらに曲折して隅に沿って邪魔にならないように下方に下がり底板１ｅの近くに開口する。

【００２０】ボックス１の天板１ｆに排気口としてのスリーブを形成し、このスリーブの上部に一部を挿入するようにして排気ファン11を設け、一方、前記スリーブの下端には犬の尻尾などが吸込口に巻き込まれないように前記天板１ｆの内側から防塵板を取付けた。

【００２１】また、前記排気ファン11の外側は消臭・消音ボックス12で囲繞するが、この消臭・消音ボックス12は天板１ｆの上面の背後側にボックス幅方向に伸びる長方形体段部14を形成し、その一部（図示では半分）をなすものであり、残りはその天板13ａを開閉扉とする小物入れ13として形成した。

【００２２】この消臭・消音ボックス12は長方形体段部14の側面にステンレス製の排気ガラリ15を形成し、内部をグラスウール、ロックウール等の吸音材で覆い、また、下および上から突設する隔壁16ａ，16ｂで曲折流路として構成する。かかる隔壁16 ａ，16ｂも吸音材からなる。

【００２３】このようにして、排気ファン11から消臭・消音ボックス12に入る空気に伝搬される音は空気の振動波として隔壁16ａ，16ｂにぶつかりここで音の一部が吸収され、残りは反射波として周壁などの吸音材にぶつかりさらにここで吸音され、このような音の反射を繰り返すことで次第に減衰され、排気ガラリ15からボックス１外へ排出される時にはほとんど消音された状態となっている。

【００２４】ちなみに、減音量をＬＲ、消臭・消音ボックス12内の吸音力をＡ、排気ガラリ 15の排出口での出口面積をＳＰとすると、下記の式となる。ＡＬＲ＝１０ｌｏｇ────（ｄＢ）ＳＰ

【００２５】また、消臭・消音ボックス12はその内部の適宜個所に活性炭などの消臭材を塗付または配置する。なお、この消臭材は前記スリーブ内に収めてもよい。

【００２６】天板１ｆは前記消臭・消音ボックス12の部分を除き、周囲にステンレス製のフェンス状のガイド17を立ち上げ、これで囲繞された天板１ｆを物品の載置場として形成する。

【００２７】また、ボックス１の内側に桟木での棚受18を設け、この棚受18に端部を載置ようにして棚板19を着脱自在に設置するが、この棚板19は中央部を蝶番20で折り畳み自在した。図中21は谷折りの棚板19を水平に広げた状態で固定する水平維持金具である。この水平維持金具21は棚板19の折れ目の両側に形成した係止部間に折れ目と直交するように掛け渡すことで閂のようにして固定される。

【００２８】さらに、棚板19上へ通じる階段22を配設する。この階段22の最上段の踏み板は前記棚板18と同一平面となるもので、棚板18の一部を構成する。この階段22は棚板18と一体なのでこの棚板18を撤去する際に同時に撤去される。なお、この階段 22は別の実施例として最上段の踏み板が棚板19と分離するものとしてもよい。なお、この階段22の底板１ｅへの結合をダボ結合とすれば位置ずれを起こすことを防止できる。

【００２９】このようにして、ペットである犬は密閉扉３を開け、ボックス１の内部に入れる。この密閉扉３が閉まっている状態では、ボックス１は消音ボックス体として作用し、犬が大きな声で鳴いてもその音が外へ漏れることは少ない。さらに、透明ガラス２を介して中の犬を看取できる。

【００３０】また、排気ファン11を運転することで吸気パイプ９から空気をボックス１内に取り入れ、消臭・消音ボックス12の排気ガラリ15から排出する。

【００３１】なお、排気ファン11のスイッチ11ａは長方形体段部14の前側に設け、電源コード11ｂは長方形体段部14の後側に引き出すが、密閉扉３の開閉に排気ファン11を連動させるようにすれば余計な電力を使わずにすみ、省エネとなる。

【００３２】

【考案の効果】

以上述べたように本考案の防音犬小屋は、とくにマンションなどの集合住宅で犬を飼う場合に夜間に犬が鳴くこと等による騒音を防止し、また犬を連れ出すことができずに外出する場合でも安心であり、近隣の住人に迷惑を掛けずに犬を飼うことができるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す斜視図
である。

【図２】本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す正面図
である。

【図３】本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す側面図
である。

【図４】本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す縦断正
面図である。

【図５】本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す横断平
面図である。

【図６】本考案の防音犬小屋の１実施形態を示す縦断側
面図である。

【図７】消臭・消音ボックス部分の横断平面図である。

【符号の説明】

１…ボックス１ａ…前面板１ｂ…背面板１ｃ，１ｄ…側面
板１ｅ…底板１ｆ…天板２…透明ガラス３…密閉扉４…クレモンハンドル５…ジョイントコ
ネクターボルト６…キャスター７…床受８…ビニル床シート９…給気パイプ 10…給気孔カバー 11…排気ファン 11ａ…スイッチ 11ｂ…電源コード 12…消臭・消音ボックス 13…小物入れ 13ａ…天板 14…長方形体段部 15…排気ガラリ 16ａ，16ｂ…隔壁 17…ガイド 18…棚受 19…棚板 20…蝶番 21…水平維持金具 22…階段

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】防音材で構成したボックスの前面に透明
ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプ
による給気孔および排気ファンを相互に離間させて設け
るとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲
繞することを特徴とした防音犬小屋。
【請求項２】防音材で構成したボックスの前面に透明
ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプ
による給気孔および排気ファンを相互に離間させて設け
るとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲
繞し、前記ボックスの底板の内側はビニル床シートを敷
設することを特徴とする防音犬小屋。
【請求項３】防音材で構成したボックスの前面に透明
ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプ
による給気孔および排気ファンを相互に離間させて設け
るとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲
繞し、前記ボックス内に折り畳み自在の棚板を設け、さ
らに棚板上へ通じる階段を配設することを特徴とする防
音犬小屋。
【請求項４】防音材で構成したボックスの前面に透明
ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプ
による給気孔および排気ファンを相互に離間させて設け
るとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲
繞し、前記ボックスの底板の内側はビニル床シートを敷
設し、また、前記ボックス内に折り畳み自在の棚板を設
け、さらに棚板上へ通じる階段を配設し、さらに、前記
ボックスの底板にキャスターを設けたことを特徴とする
防音犬小屋。
【請求項５】防音材で構成したボックスの前面に透明
ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプ
による給気孔および排気ファンを相互に離間させて設け
るとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲
繞し、該消臭・消音ボックスは前記ボックスを形成する
天板の上面の背後側にボックス幅方向に伸びる長方形体
段部の一部であり、残りを小物入れとして天板を開閉扉
とすることを特徴とする防音犬小屋。
【請求項６】防音材で構成したボックスの前面に透明
ガラスを嵌込んだ密閉扉を取付け、ボックスにはパイプ
による給気孔および排気ファンを相互に離間させて設け
るとともに排気ファンの外側を消臭・消音ボックスで囲
繞し、該消臭・消音ボックスは前記ボックスを形成する
天板の上面の背後側にボックス幅方向に伸びる長方形体
段部の一部であり、残りを小物入れとして天板を開閉扉
とするとともに、前記ボックスを形成する天板の上面の
周囲にステンレス製のガイドを設けたことを特徴とする
防音犬小屋。