JPH0734127Y2 - 室内防音用間仕切装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、例えばマンション等の集合住宅、ホテルあ
るいはビジネスビル等に利用される室内防音用間仕切装
置に関し、室内を独立密閉的に間仕切する折畳み格納自
在に連結した遮音パネルに換気手段を設けることによ
り、間仕切された室内の換気性の向上を図るとともに、
室内間仕切場所の任意性を高めることができるようにし
たものである。

［従来の技術］ 従来、この種の室内防音用間仕切装置としては、室内空
間のフロアを、例えば応接室、勉強部屋、音楽室あるい
は会議室等に利用するために間仕切する場合、互いにヒ
ンジ結合されて折畳み格納自在に連結した複数枚の遮音
パネルを、室内空間の天井面及び床面に敷設したガイド
レールに沿って引出し移動させて展開させることによ
り、必要に応じて室内空間を独立密閉的に間仕切してな
るものがある。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、このような従来構造の室内防音用間仕切
装置では、使用時、間仕切された室内空間に換気性を付
与する必要があることから、室内側の壁面あるいは天井
などに換気装置を別途設置しなけらばならず、これによ
って、換気装置の施工作業が面倒で、設備コストが高く
なる。

また、予め室内側の壁面あるいは天井などに換気装置が
設置された場所に対応して間仕切する場合、室内の間仕
切場所が規制されるため、室内空間のスペースを効率良
く利用することができない、といった問題があった。

［考案の目的］ この考案の目的とするところは、室内の間仕切場所の任
意性を高めるとともに、遮音パネルに換気機能を組み込
むことにより、間仕切された室内空間の換気を容易にか
つ自動的に行なうことができるようにした室内防音用間
仕切装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記した課題を解決するために、この考案は、複数枚の
遮音パネルを互いにヒンジ結合して折畳み格納自在に連
結し、これら各々の遮音パネルを室内空間の天井面及び
床面に敷設したガイドレールに沿って室内空間の一方の
側壁から他方の側壁に向け引出し移動させて展開させる
ことにより、前記室内空間を独立密閉的に間仕切すると
ともに、前記遮音パネルの１枚を厚く形成し、その内部
に換気手段を組込んでなる室内防音用間仕切装置であっ
て、前記室内空間の他方の側壁側に突合せ状態で面接さ
れる引出し側の遮音パネルの突合せ面接状態を検知する
検知手段を設け、この検知手段の検知動作で前記遮音パ
ネルに組み込まれた換気手段を自動的に起動可能にして
なる構成としたものである。

この場合、前記検知手段としては、前記引出し側の遮音
パネルの室内空間の他方の側壁への突合せ面接動作に応
動するスイッチング機構で形成するか、または、前記引
出し側の遮音パネルの室内空間の他方の側壁への突合せ
面接動作で無線信号を発信させる発信機構と、この発信
手段からの無線信号を受信して前記遮音パネルに組み込
まれた換気手段を起動させる受信機構とで形成すること
が好ましい。

［作用］ すなわち、この考案は、上記の構成とすることによっ
て、室内空間を独立密閉的に間仕切するように互いにヒ
ンジ結合して折畳み格納自在に連結された遮音パネルの
１枚を厚く形成し、その内部に換気手段を組込んでなる
ために、遮音パネルの折畳み格納が容易になるととも
に、換気手段の起動による換気作用により、独立密閉的
に間仕切された室内空間の吸排気による換気が円滑に行
なわれる。

また、前記換気手段は、引出し側の遮音パネルの室内空
間の他方の側壁への突合せ面接状態を検知する検知手段
により自動的に起動させるようになっているため、消費
電力の無駄を防止する。

［実施例］ 以下、この考案を図示の実施例を参照しながら説明す
る。

第１図はこの考案に係る室内防音用間仕切装置により間
仕切される、例えばマンション等の室内リビングルーム
の外観を示すもので、図中１は室内空間である。この室
内空間１の天井面２と床面３とには、上ガイドレール４
及び下ガイドレール５が室内空間１のコーナ部側壁1A、
1BをＬ字型に囲むようにそれぞれ上下に対応させて敷設
されているとともに、この上下ガイドレール４、５間に
は、防音用間仕切パネル６が移動自在に設けられてい
る。

この防音用間仕切パネル６は、第２図に示すように、複
数枚（図示の実施例では５枚）の遮音パネル6A、6B、6
C、6D、6Eを互いにヒンジ結合ａして、第２図２点破線
で示すように、室内空間１のコーナ部を形成する一方の
側壁1Aに向けて折畳み格納自在に連結してなる構成を有
し、この防音用間仕切パネル６を構成する吊元側の第１
の遮音パネル6Aの自由端部は、前記室内空間１のコーナ
部を形成する一方の側壁1Aに固定的にヒンジ結合ａされ
て突合せ状態で面接されている。

また、前記第１の遮音パネル6Aに第２の遮音パネル6Bを
介してヒンジ結合ａされる第３及び第４の遮音パネル6
C、6Dは、コーナ壁部を形成してなるとともに、このコ
ーナ壁部を形成する第４の遮音パネル6Dにヒンジ結合ａ
される引出し側の第５の遮音パネル6Eの自由端部は、前
記室内空間１のコーナ部を形成する他方の側壁1Bに突合
せ状態で脱着自在に面接されるようになっている。

そして、これら各々の遮音パネル6A、6B、6C、6D、6E
は、前記上下ガイドレール４、５に沿って引出し移動さ
せて展開させることにより、前記室内空間１のコーナ部
側壁1A、1BをＬ字型に囲んで平面矩形の空間を呈するよ
うに独立密閉的に間仕切し、これによって、例えばピア
ノＰの設置スペースを独立的に間仕切し得るようになっ
ているものである。

ところで、前記第１の遮音パネル6Aを除く第２及び第５
の遮音パネル6B、6Eの幅方向中央部と、第３及び第４の
遮音パネル6C、6Dのヒンジ結合部は、第３図に示すよう
に、それらの上部がランナー７を介して前記上ガイドレ
ール４に係合させてなる一方、それらの下部は、ボール
８を介して前記下ガイドレール５に係合させることによ
り、縦軸を中心に水平回動可能にして上下ガイドレール
４、５に沿って折畳み展開移動自在になっているもの
で、これら各々の遮音パネルの内側には、展開状態にお
いて移動を抑止するストッパー機構９が設けられてい
る。

すなわち、このストッパー機構９は、上下回動自在な操
作レバー10と、この操作レバー10の回動操作にリンク11
を介してスプリング12の付勢力に抗して上下方向に連動
する上下両ストッパーロッド13、14とで構成され、前記
操作レバー10の下方への回動操作で、前記下部ストッパ
ーロッド13を下動させ、かつ上部ストッパーロッド14を
上動させて、その先端部に設けたゴム製滑り止め体13
a、14aを室内の床面側３及び天井面２側に向け押圧させ
ることにより、展開状態における遮音パネルの移動を抑
止するようになっているものである。

また、前記室内空間１のコーナ部を形成する一方の側壁
1Aに固定的にヒンジ結合ａされる第１の遮音パネル6A
は、他の遮音パネル6B、6C、6D、6Eよりも厚く形成さ
れ、その内部の上部には、換気手段15が組込まれてい
る。

この換気手段15は、第４図に示すように、前記遮音パネ
ル6A内を迂回するように形成した換気通路16の途上に内
蔵したモーターファン17の起動により、間仕切された室
内側に開口した空気導入口18から吸入した空気を、室外
側に開口した空気排気口19から排出し、間仕切された室
内空間の換気を行なうようになっている。

このとき、前記換気手段15のモーターファン17の起動を
駆動させるための通電手段としては、第２図に示すよう
に、前記室内空間１のコーナ部を形成する一方の側壁1A
に突合せ状態で面接される遮音パネル6Aの自由端部の端
面に、受電機構のプラグ20が臨むように配線し、このプ
ラグ20を前記室内空間１の側壁1A側に設けたコンセント
30に接続し得るようになっている。

さらに、図中21は前記引出し側の第５の遮音パネル6E内
の下部に設けた通気手段である通気孔で、この通気孔21
は、第４図に示すように、前記遮音パネル6E内を迂回す
るように通気通路22を形成し、この通気通路22により密
閉状態で間仕切された室内と室外を連通させるようにな
っているものである。

また、図中23は前記第１の遮音パネル6Aに連結された第
２の遮音パネル6Bに開閉自在に設けたドアである。

そして、第５図に示すように、前記引出し側の遮音パネ
ル6Eの自由端面が突合せ面接される室内空間１の他方の
側壁1Bには、その突合せ状態を検知する検知手段である
スイッチング機構40が設置されていて、このスイッチン
グ機構40は、前記引出し側の遮音パネル6Eの自由端面の
突合せ面接動作に応動してON-OFFし、そのON動作、すな
わち、間仕切時に、前記引出し側の遮音パネル6Eの自由
端面が、前記室内空間１の他方の側壁1Bに突合せ面接さ
れると、前記遮音パネル1Aに組み込まれた換気手段15の
モーターファン17を自動的に起動させ、これによって、
間仕切された室内密閉空間の換気を行なうようになって
いるものである。

また、第６図は前記した検知手段の他の実施例を示すも
ので、前記引出し側の遮音パネル6Eの自由端面に、室内
空間１の他方の側壁1Bへの突合せ面接状態により応動す
る検知スイッチ51と、この検知スイッチ51のON動作、す
なわち、間仕切時に前記引出し側の遮音パネル6Eの自由
端面が前記室内空間１の他方の側壁1Bに突合せ面接とし
たときに無線信号を発信させる発信機構52とを設け、こ
の発信機構52からの無線信号を前記遮音パネル1Aに組み
込まれた図示しない受信機構で受信して、前記遮音パネ
ル1Aに組み込まれた換気手段15のモーターファン17を遠
隔操作で自動的に起動させるように構成してなるもので
ある。

なお、上記の実施例において、室内空間１のコーナ部を
形成する一方の側壁1Aに固定的にヒンジ結合ａされる第
１の遮音パネル6Aを厚く形成して、その内部に換気手段
15を組込んだが、これには限定されず、前記室内空間１
のコーナ部を形成する他方の側壁1Bに突合せ状態で面接
される引出し側の第５の遮音パネル6Eを厚く形成して、
その内部の上部に換気手段15を組み込んでも良い。

さらに、通気手段21もまた、換気手段15が組み込まれた
遮音パネル以外の遮音パネルに設けることも可能であ
る。

また、室内の天井面及び床面と各々の遮音パネル、遮音
パネル相互、あるいは遮音パネルに取付けられるドア廻
りは、間仕切の展開状態において、密閉性を維持し得る
ように組付けられることは云うまでもない。

さらにまた、防音用間仕切パネル６の展開及び折畳み格
納を遠隔操作により自動的に行なうことも可能である。

［考案の効果］ 以上の説明から明らかなように、この考案によれば、室
内空間を独立密閉的に間仕切するように互いにヒンジ結
合して折畳み格納自在に連結された遮音パネルの１枚を
厚く形成し、その内部に換気手段を組込んでなることか
ら、遮音パネルの折畳み格納を容易に行なうことができ
るとともに、室内側の壁面あるいは天井などに換気手段
を設置する必要がなく間仕切された室内空間の換気性を
高めることができる。

しかも、室内の間仕切場所が規制されることがないた
め、室内空間のスペースを効率良く利用することがで
き、室内間仕切場所を任意に選択することができる。

また、室内空間の他方の側壁側に突合せ状態で面接され
る引出し側の遮音パネルの突合せ面接状態を検知する検
知手段を設け、この検知手段の検知動作で前記遮音パネ
ルに組み込まれた換気手段を自動的に起動させるように
なっているため、消費電力の無駄を防止することができ
るというすぐれた効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案に係る室内防音用間仕切装置の一実施
例を示す説明図、 第２図は同じく間仕切状態を概略的に示す横断平面図、 第３図は第２図III-III線における要部拡大縦断側面
図、 第４図は第２図IV-IV線における要部拡大縦断側面図、 第５図は同じく換気手段を起動させる検知手段を概略的
に示す説明図、 第６図は同じく換気手段を起動させる検知手段の他の実
施例を概略的に示す説明図 である。 １……室内空間、1A、1B……側壁、２……天井面、３…
…床面、４、５……ガイドレール、６……防音用間仕切
パネル、6A、6B、6C、6D、6E……遮音パネル、15……換
気手段、17……モーターファン、41……検知手段（スイ
ッチング機構）、51……検知スイッチ、52……発信機
構。

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】複数枚の遮音パネルを互いにヒンジ結合し
   て折畳み格納自在に連結し、これら各々の遮音パネルを
   室内空間の天井面及び床面に敷設したガイドレールに沿
   って室内空間の一方の側壁から他方の側壁に向け引出し
   移動させて展開させることにより、前記室内空間を独立
   密閉的に間仕切するとともに、前記遮音パネルの１枚を
   厚く形成し、その内部に換気手段を組込んでなる室内防
   音用間仕切装置であって、前記室内空間の他方の側壁側
   に突合せ状態で面接される引出し側の遮音パネルの突合
   せ面接状態を検知する検知手段を設け、この検知手段の
   検知動作で前記遮音パネルに組み込まれた換気手段を自
   動的に起動可能に構成したことを特徴とする室内防音用
   間仕切装置。
2. 【請求項２】検知手段は、前記引出し側の遮音パネルの
   室内空間の他方の側壁への突合せ面接動作に応動するス
   イッチング機構からなることを特徴とする請求項１に記
   載の室内防音用間仕切装置。
3. 【請求項３】検知手段は、前記引出し側の遮音パネルの
   室内空間の他方の側壁への突合せ面接動作で無線信号を
   発信させる発信機構と、この発信手段からの無線信号を
   受信して前記遮音パネルに組み込まれた換気手段を起動
   させる受信機構とからなることを特徴とする請求項１に
   記載の室内防音用間仕切装置。