JP3040447B2 - エンジンバルブ及びその製造方法 - Google Patents

エンジンバルブ及びその製造方法

Info

Publication number
JP3040447B2
JP3040447B2 JP2273075A JP27307590A JP3040447B2 JP 3040447 B2 JP3040447 B2 JP 3040447B2 JP 2273075 A JP2273075 A JP 2273075A JP 27307590 A JP27307590 A JP 27307590A JP 3040447 B2 JP3040447 B2 JP 3040447B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
valve
engine valve
mixed
phosphoric acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2273075A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04148003A (ja
Inventor
輝幸 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Usui Co Ltd
Original Assignee
Usui Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Usui Co Ltd filed Critical Usui Co Ltd
Priority to JP2273075A priority Critical patent/JP3040447B2/ja
Publication of JPH04148003A publication Critical patent/JPH04148003A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3040447B2 publication Critical patent/JP3040447B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、内燃機関におけるエンジンバルブとしての
吸気弁及び排気弁の改良された耐熱・耐摩耗皮膜構造を
有するエンジンバルブ及びその製造方法に関する。
(従来の技術) 従来の内燃機関における吸気弁及び排気弁は、第3図
に図示するように、弁本体11をたとえば耐熱鋼棒材を使
用して弁盤体13側の座面14部分、幹体12の周面部分及び
該幹体12の下端面15部分のそれぞれに、可溶性クロム化
合物の濃水溶液に、SiO2、Cr2O3及びAl2O3などの微粉末
を添加してスラリー状として浸漬、刷毛塗り、又は、ス
プレー等によって塗着させ、ついで、320℃以上に加熱
処理することによって酸化クロムによって化学結合させ
たSiO2、Cr2O3及びAl2O3などからなるセラミック皮膜の
硬化被覆層を被着させたものが提案されている(実公昭
63−13369号公報)。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前記のもので、弁本体を320℃以上、
通常、500℃で加熱焼成処理する必要があり、かつ、目
的の硬度、緻密性を得るためには、セラミックスラリー
の焼成及びその皮膜への含浸−加熱焼成の処理を10回程
度繰返し行なう必要があるために、場合によっては母材
の金属材料に軟化や熱変形が生じる可能性があるという
問題があった。
本発明は、含浸−加熱焼成処理における加熱焼成温度
を下げ得、処理回数を減少し得、しかも耐摩耗性に優れ
緻密で強固に被着すると共に、母材の金属材料の軟化や
熱変形を防止したセラミック皮膜を形成したエンジンバ
ルブ及びその製造方法を提供することを目的とするもの
である。
(課題を解決するための手段) 本発明者は、前記問題を解決し、前記目的を達成する
ために研究を重ねた結果、弁本体の幹体周面部表面に、
クロム酸化物リン酸化物とが混在するマトリックスにセ
ラミック粒子が分散したセラミック皮膜を形成したもの
とすることによって目的を達し得ることを見出して本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の第1の実施
態様は、幹体の上端部に背面の外周部を傾斜座面となる
弁盤体を一体に連設したT字状からなる弁本体構造にお
いて、弁盤体の幹体の周面部表面に、クロム酸化物とリ
ン酸化物とが混在するマトリックスにセラミック粒子が
分散してなるセラミック皮膜を形成してなるエンジンバ
ルブであり、第2の実施態様は、幹体の上端部に背面の
外周部を傾斜座面となす弁盤体を一体に連設したT字状
からなる弁本体構造において、弁盤体の幹体の周面部表
面に、クロム酸とリン酸との混合濃厚液とSiO2、Cr
2O3、Al2O3又はZrO2から選ばれた少なくとも1種類から
なるセラミックスラリーを塗着した後、加熱焼成してセ
ラミック皮膜を形成し、該セラミック皮膜に、クロム酸
とリン酸との混合濃厚液からなる含浸液を含浸し加熱焼
成する処理を少なくとも1回繰返して行なうエンジンバ
ルブの製造方法である。
本発明において使用する弁本体製造用の金属材料とし
ては、たとえば、炭素鋼、耐熱鋼(SUH 31、SUH 3)、
ナイモニックなどがあげられる。
クロム酸は、三酸化クロムを水に溶解して比重1.5〜
1.65に調整した濃厚水溶液として使用し、リン酸は、75
〜88%濃度の市販品を使用することができる。
クロム酸とリン酸との混合濃厚液(以下、混合濃厚液
という)は、前記リン酸1分子量に対して前記のように
して調整したクロム酸濃厚水溶液を0.48〜2.7分子量の
比率で混合したもの、好ましくは0.96〜1.36の比率で混
合したものを使用する。この場合の混合濃厚液におい
て、クロム酸の分子量の比率が0.48未満であると高粘度
となり、含浸が円滑に行なわれないために、処理回数を
重ねてもより一層の硬度の上昇は望めず、クロム酸の分
子量の比率が2.7を超えると、リン酸の触媒的効力が減
少し、含浸後の加熱処理温度もより高温が必要となり、
又、処理回数を多くしないと目的とする特性をもったセ
ラミック皮膜になり難いものである。リン酸は、それ自
体でも脱水縮合や金属イオンへの配合から高分子構造を
形成するが、クロム酸との混在によりクロム酸の還元効
果を有し、クロムと酸素を介した高分子結合構造をとり
より強固な硬化皮膜を形成するものである。
セラミック原料としては、SiO2、Cr2O3、Al2O3、ZrO2
などの少なくとも1種類を使用するが、それぞれ純度が
95%程度であり、粒度が最大20μm以下で、平均粒度1.
4μmであるようなものが好ましい。
セラミックスラリーは、前記のような混合濃厚液に前
記セラミック原料を1.5〜2.5kg/の割合で添加して十
分かきまぜて調製する(なお、添加順序に制約はな
い)。
セラミック皮膜の形成は、前記のようにして調製した
セラミックスラリーを金属材料面に、刷毛塗り、スプレ
ー塗り、又は、浸漬することなどによって塗着し、200
〜300℃に30〜120分間焼成してセラミック皮膜を形成
し、ついで、この皮膜上に前記のような混合濃厚液を含
浸液として刷毛塗り、スプレー塗り、浸漬することなど
によって含浸し、200〜300℃で30〜150分間加熱焼成す
る処理をするが、この含浸液による含浸−加熱焼成する
処理を少なくとも1回繰返して行なうものであって、3
〜5回繰返し行なうことが好ましく、通常、5回繰返し
行なうことによって十分な特性をもったセラミック皮膜
形成が行なえるものである。
本発明方法によってセラミック皮膜形成の加熱焼成温
度を200〜300℃の低温処理が可能となり、含浸液による
処理を5回程度行なうことによって十分な特性をもった
セラミック皮膜となし得るものであって、このような効
果は、リン酸によるクロム酸の低温還元作用の触媒とし
ての効果と、さらに、CrO3がCr2O3に変換する際、リン
酸と有機的な酸化結合をもって化学変化がおき皮膜とし
て残留するためにセラミック皮膜の硬化及び充填効果を
得るための有効な手段となるからであると考えられる。
なお、得られたセラミック皮膜について、リン酸化物
の分子量に対するクロム酸化物の分子量の比率を調べた
ところ、前記の混合濃厚液におけるリン酸に対するクロ
ム酸の分子量の比率がほぼそのまま残留していた。
(実施例) 次に、本発明の実施例を述べる。
第1図は、本発明エンジンバルブの一実施例を示す平
面図、第2図は、第1図のA−A線上の断面図である。
実施例1 炭素鋼で製作したエンジンバルブ1は、幹体2の上端
面に背面の外周部を傾斜座面4とする弁盤体3を一体に
連設したT字状をなしている。
SiO2(純度92.5%)380g、Cr2O3(純度99.3%)340
g、Al2O3(純度98%)160gを、クロム酸(比重1.6)40m
l、88%リン酸35mlを混合した混合濃厚液に添加して30
分間かきまぜ器を使用してかきまぜて調製したセラミッ
クスラリーを前記エンジンバルブ面上に、スプレー塗り
によって塗着し、280℃に60分間加熱焼成してセラミッ
ク皮膜を形成した。ついで、比重1.6のクロム酸濃厚液2
72mlと市販の88%リン酸256mlとの混合濃厚液を含浸液
として使用して吸引含浸した後、280℃で60分間加熱焼
成した。この含浸液の含浸−加熱焼成する処理を5回繰
返し施行し、クロム酸化物とリン酸化物との分子量の比
率が1:0.92のマトリックスにSiO2、Cr2O3及びAl2O3の粒
子が分散したセラミック皮膜6を形成したエンジンバル
ブを得た。
得られたセラミック皮膜について硬度を測定したが、
表面硬度は平均Hv1025であった。又、得られたエンジン
バルブを5%、100℃の硫酸水溶液に20時間浸漬したが
セラミック皮膜の剥離は全くなく強固に塗着されている
ことが認められた。
実施例2 5.6% CaOで安定化したZrO2 650gを、クロム酸(比重
1.6)40ml、88%リン酸35mlを混合した混合濃厚液に添
加して30分間かきまぜ器を使用してかきまぜて調製した
セラミックスラリーを前記実施例1と同様なエンジンバ
ルブ面上に、スプレー塗りによって塗着し、300℃に45
分間加熱焼成してセラミック皮膜を形成した。ついで、
実施例1同様の混合濃厚液を含浸液として使用して吸引
含浸した後、300℃で45分間加熱焼成した。この含浸液
の含浸−加熱焼成する処理を5回繰返し施行し、クロム
酸化物とリン酸化物との分子量の比率が1:0.9のマトリ
ックスにZrO2の粒子が分散したセラミック皮膜6を形成
したエンジンバルブを得た。
得られたセラミック皮膜について硬度を測定したが、
表面硬度は平均Hv 795であり、得られたエンジンバルブ
を5%、100℃の硫酸水溶液に20時間浸漬したがセラミ
ック皮膜の剥離は殆んどなく強固に塗着されていること
が認められた。
比較例 実施例1と同様なエンジンバルブ本体に、比重1.63の
クロム酸濃厚液に実施例と同様なSiO2、Cr2O3、Al2O3
それぞれ380g、340g、160gを添加して30分間かきまぜ器
を使用してかきまぜて調製したセラミックスラリーをス
プレー塗りによって塗着し、500℃に45分間加熱処理す
る処理を5回繰返し施行してセラミック皮膜を形成した
エンジンバルブを得た。
得られたセラミック皮膜の表面硬度は平均Hv712であ
り、5%、100℃の硫酸水溶液に20時間浸漬したところ
セラミック皮膜の剥離が認められた。
(発明の効果) 本発明は、エンジンバルブ本体面にクロム酸化物とリ
ン酸化物とが混在するマトリックスSiO2、Cr2O3、Al2O3
又はZrO2などのうち少なくとも1種類の粒子が分散した
セラミック皮膜を形成したものであり、その製造方法で
あるから、セラミック皮膜の硬度が高く、かつ、緻密で
あり、耐熱・耐食性にきわめて優れたセラミック皮膜が
得られ、セラミック皮膜形成処理における焼成温度が従
来法では450〜550℃といった高温であるのに較べて200
〜300℃のような低温での処理を可能とし得、かつ、処
理回数も従来法では10数回の繰返し処理する必要があっ
たのに対して含浸液処理が5回程度の繰返し処理で十分
となし得、強固に結合した耐熱・耐摩耗性にきわめて優
れ、更にエンジンバルブ本体に軟化や熱変形を生じるこ
とのないセラミック皮膜を形成したエンジンバルブが簡
易に得ることができるなどきわめて大きな効果が認めら
れる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明エンジンバルブの一実施例を示す平面
図、第2図は、第1図のA−A線上の断面図、第3図
は、従来例を示す第2図と同様な断面図である。 1……エンジンバルブ本体、2……幹体、3……弁盤
体、4……座面、5……幹体の下端部、6……セラミッ
ク皮膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F01L 3/02 C23C 24/00 C23C 30/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】幹体の上端部に背面の外周部を傾斜座面と
    なす弁盤体を一体に連設したT字状からなる弁本体構造
    において、弁盤体の幹体の周面部表面に、クロム酸化物
    とリン酸化物とが混在するマトリックスにセラミック粒
    子が分散してなるセラミック皮膜を形成してなることを
    特徴とするエンジンバルブ。
  2. 【請求項2】幹体の上端部に背面の外周部を傾斜座面と
    なす弁盤体を一体に連設したT字状からなる弁本体構造
    において、弁盤体の幹体の周面部表面に、クロム酸とリ
    ン酸との混合濃厚液とSiO2、Cr2C3、Al2O3又はZrO2から
    選ばれた少なくとも1種類からなるセラミックスラリー
    を塗着した後、加熱焼成してセラミック皮膜を形成し、
    該セラミック皮膜に、クロム酸とリン酸との混合濃厚液
    からなる含浸液を含浸し加熱焼成する処理を少なくとも
    1回繰返して行なうことを特徴とするエンジンバルブの
    製造方法。
JP2273075A 1990-10-11 1990-10-11 エンジンバルブ及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3040447B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2273075A JP3040447B2 (ja) 1990-10-11 1990-10-11 エンジンバルブ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2273075A JP3040447B2 (ja) 1990-10-11 1990-10-11 エンジンバルブ及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04148003A JPH04148003A (ja) 1992-05-21
JP3040447B2 true JP3040447B2 (ja) 2000-05-15

Family

ID=17522798

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2273075A Expired - Fee Related JP3040447B2 (ja) 1990-10-11 1990-10-11 エンジンバルブ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3040447B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5441024A (en) * 1994-05-09 1995-08-15 Val-Kro, Inc. Engine valve
CN101992244A (zh) * 2009-08-13 2011-03-30 深圳富泰宏精密工业有限公司 金属高温成型模具及其制造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04148003A (ja) 1992-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4673663A (en) Catalyst support and process for preparing same
DE112013004121B4 (de) Wärmedämmende Struktur eines einem Motorbrennraum zugewandten Elements und Prozess zur Herstellung derselben
SU997621A3 (ru) Способ изготовлени каталитически активного электрода химического источника тока
JP2003508627A (ja) 化学結合ゾル−ゲルセラミックの製造プロセス
JP3040447B2 (ja) エンジンバルブ及びその製造方法
JPS6039169A (ja) 親水性金属表面処理剤
JP4469083B2 (ja) 断熱層用接着層の製造方法
CN1232060A (zh) 无机磷酸盐涂料
JP2001226783A (ja) 平滑複合材及びガスタービン翼及び蒸気タービン翼
JPS6293363A (ja) 耐蝕鋼製品の加熱処理法
JP2877938B2 (ja) 吸気弁及び排気弁用案内体及びその製造方法
US2683096A (en) Coated fibro-cement product and process of making same
JPH04147985A (ja) アルミニウム材の耐摩耗皮膜及びその製造方法
EP1266701A3 (de) Katalytische Beschichtung von strukturierten Wärmetauschern
CN114350256A (zh) 耐高温高反射率涂料组分和制备方法以及其涂料和施工方法
JPH0499884A (ja) セラミック硬化皮膜及びその製造方法
JPH028140B2 (ja)
JPH0315545Y2 (ja)
JP2014222056A (ja) 断熱層の形成方法
WO2010082559A1 (ja) ディスクブレーキパッド及びその製造方法
JP3039269B2 (ja) 断熱皮膜の形成方法
GB2345379A (en) Fabricating piezoelectric/electrostrictive thick film using a seeding layer
WO2023020629A1 (zh) 用于炊具的复合材料及其制备方法和炊具
JPH0192379A (ja) アルミニウムめっき鋼板の高耐食クロメート処理方法
TWI316594B (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees